JPH0720827B2 - 油圧エレベ−タ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、油圧エレベータ装置に関し、特に、かごを
支持する油圧ジャッキに関するものである。

［従来の技術］ 第２図は、例えば、特開昭59−217580号公報に示された
従来の油圧エレベータ装置を示す側面図である。

図において、１は油圧エレベータのかご、２はかご１を
支持する油圧ジャッキであって、2aはプランジャーであ
る。３は油圧ジャッキ２の頂部に装着された滑車、４は
滑車３を介して一端を固定体に固定され、他端にかご１
が吊下げられた主索、５は機械室に設置されて油を貯留
するタンク、６はタンク５内の油を配管７を通して油圧
ジャッキ２に供給したり、油圧ジヤッキ２内の油を配管
７を通してタンク５へ戻す油圧パワーユニットである。
そして、油圧パワーユニット６を構成する部品としての
6aは電動機、6bは電動機6aにより駆動されるとともに、
タンク５と油圧制御弁6cの間に接続された油圧ポンプで
ある。また、第３図は第２図で示した従来の油圧エレベ
ータを油圧ジャッキ側からかごを見た図であって、第２
図と同一符号は同一部分を示している。

この様に構成された油圧エレベータ装置において、油圧
パワーユニット６の内部に設けられている電動機6aが駆
動されると、その回転軸に連結されている油圧ポンプ6b
が駆動されて圧油を発生する。そして、この圧油は油圧
制御弁6cにおいて流量調整が行われることにより一定圧
力に制御される。この様にして、圧力が一定化された圧
油が配管７を介して油圧ジャッキ２に供給されると、プ
ランジャー2aが突出されることになる。ここで、プラン
ジャー2aが突出すると、その先端に固定されている滑車
が上昇することになる。そして、この滑車３には、一端
が固定されるとともに、他端がかご１に固定されている
主索４が掛けられていることから、滑車３の上昇に伴っ
てかご１が引き上げられて上昇運転されることになる。
また、油圧ジャッキ２の内部に溜められている圧油が、
油圧制御弁6cにより流量制御されながらタンク５に戻さ
れると、プランジャー2aが収縮されることから、滑車３
が下降してかご１が下降運転されることになる。

このとき、油圧ジャッキ２内の油圧力は、かご１の自
重、かご１内の積載物重量、滑車３の重量、プランジャ
ー2aの重量を加算した値と、プランジャー2aの断面積と
によって決定される値を示したことになる。

［発明が解決しようとする問題点］ 従来の油圧エレベータ装置は、このように構成されてい
るので、油圧パワーユニットの油圧ポンプ、油圧制御
弁、配管、油圧ジャッキ等の許容圧力値を考慮し、異な
るかごの自重及び積載量等の仕様に対して、プランジャ
ーの断面積の異なるもの、つまり油圧ジャッキの形状の
異なるものを用意して対処しなければならず、これに伴
って油圧ジャッキの種類が多くなる。また、断面積の大
きなプランジャーをも用意しなければならなくなること
から、その製作が困難になるとともに、高価なものとな
ってしまう等の問題点があった。

特開昭56−117997号公報では、それを解決している。し
かし、複数本の標準化された油圧ジャッキを並列に並べ
てかごを受けるように構成しても、複数本の標準化され
た油圧ジャッキに仕様を繰返すことによる特性上の変化
があると、かごが傾く可能性がある。

そこで、この発明は、上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、異なるかごの自重及び積載量等の
仕様に対して、プランジャーの断面積の異なるもの、つ
まり、油圧ジャッキの形状が異なるものの種類を削減
し、１種類当りの製作個数を増すとともに、プランジャ
ーの断面積が大きなものに比較して製作も容易で、か
つ、安価で、しかも、使用による傾きが発生しない油圧
エレベータ装置を得ることを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本発明に係る油圧エレベータ装置は、圧油の供給により
プランジャーを突出させ、前記圧油の排出によりプラン
ジャーを収縮させる複数本の油圧ジャッキと、前記複数
本の油圧ジャッキの頭部を連結した連結材と、前記連結
材の中心部に取付けられたエレベータのかごを吊下する
滑車と、前記滑車に掛けられて、一端が固定体に固定さ
れるとともに、他端にエレベータのかごが吊下された主
索とを有するものである。

［作用］ この発明においては、並列に並べられた複数本の標準化
された油圧ジャッキを設けて、かごの自重、積載量、滑
車の重量およびプランジャーの重量の和をそれぞれの油
圧ジャッキに分割させて支持させてることにより、ひと
つひとつの油圧ジャッキにおけるプランジャー径は比較
的小さなものでも良いことになる。前記各々の油圧ジャ
ッキに接続された連結材に取付けられた滑車により、各
々の油圧ジャッキの延びの長さにばらつきがあっても、
連結材に取付けられた滑車により均一化され、かごが傾
くことがない。

［実施例］ 以下、この発明の一実施例を図について説明する。な
お、図中、従来例と同一符号及び記号は従来例の構成部
分と同一または相当する構成部分を示すものである。

第１図において、８は第１油圧ジャッキ、8aは第１油圧
ジャッキ８の第１プランジャー、９は第２油圧ジャッ
キ、9aは第２油圧ジャッキ９の第２プランジャー、10は
第１プランジャー8aと第２プランジャー9aの頂部を連結
するとともに滑車３を取付ける連結材、11は第１油圧ジ
ャッキ８と連通する第１配管、12は第２油圧ジャッキ９
と連通する第２配管、13は図示しない油圧パワーユニッ
トと第１配管11及び第２配管12を連通する合流管であ
る。

この様に構成された油圧エレベータ装置において、図示
しない油圧パワーユニットから油圧制御弁を介して一定
圧力に制御されて発生される油圧を合流管13に供給する
と、第１配管11と第２配管12に分流したのちそれぞれ第
１油圧ジャッキ８と第２油圧ジャッキ９に供給される。
すると、第１プランジャー8aと第２プランジャー9aが同
期して同時に上昇し、連結材10に支持された滑車３に掛
けられている主索４が引き上げられてかご１が上昇運転
される。また、第１油圧ジャッキ８と第２油圧ジャッキ
９内の油圧がそれぞれ第１配管11と第２配管12を通過し
て合流し、更に合流管13を通って図示しない油圧パワー
ユニット内に設けられている油圧制御弁により流量制御
されてタンクに戻されると、第１プランジャー8aと第２
プランジャー9aの頂部に固着された連結材10と、この連
結材10に装着された滑車３が降下することから、これに
伴ってかご１が下降運転される。

ここで、油圧ポンプ油圧制御弁、配管、第１油圧ジャッ
キ及び第２油圧ジャッキ等の油圧部品は、その使用圧力
の上限値が決っている。これに対してかご１の自重、積
載量、滑車３の重量等の異なる仕様に対して、前記各重
量の和の２倍を第１プランジャー8aと第２プランジャー
9aの断面積で除した値が使用圧力となり、この値が前記
各機器の上限値を越えないようにしている。

このように、この実施例の油圧エレベータ装置は、圧油
の供給によりプランジャー8a,8bを突出させ、また、前
記圧油の排出により第１プランジャー8aと第２プランジ
ャー9aを収縮させる複数本の第１油圧ジャッキ８と第２
油圧ジャッキ９からなる油圧ジャッキと、前記各々の油
圧ジャッキに接続された連結材10に対して、第１図に示
すように、その中心部に取付けられた滑車３に掛けられ
て、一端が固定体に固定されるとともに、他端にエレベ
ータのかご１が吊下された主索４とを具備するものであ
る。

したがって、かご１の自重、積載量等の異なる仕様の油
圧エレベータに対して、標準化された油圧ジャッキを必
要な本数用意して並列に装着することにより、油圧エレ
ベータのシステムとして成立する。このことにより、プ
ランジャーの断面積、つまり、油圧ジャッキの形状の異
なるものの種類を削減することができ、これに伴って１
種類当りの製作個数を増すことができるとともに、プラ
ンジャーの断面積の大きなものに比較して製作も容易で
安価なものとなる。

なお、本実施例では油圧ジャッキが２本、即ち、第１油
圧ジャッキ８と第２油圧ジャッキ９からなる場合につい
て説明したが、本発明を実施する場合には、更に多くの
油圧ジャッキを使用する場合にも適用できる。

また、本実施例の複数本の第１油圧ジャッキ８と第２油
圧ジャッキ９からなる油圧ジャッキは、寸法形状が同一
のもの、或いはほぼ同一形状のものの前提で説明した
が、前記第１油圧ジャッキ８と第２油圧ジャッキ９の寸
法形状が異なるものとすることもできる。この種の実施
例においても、寸法形状が同一のもの或いはほぼ同一形
状のものと同様の効果を期待することができる。

［発明の効果］ 以上のように、この発明によれば油圧エレベータの異な
る仕様に対して、ほぼ同一形状または異なった形状に標
準化された油圧ジャッキを、必要な本数だけ複数本並列
に設置するのみで構成することができるために、装置が
安価になる。また、エレベータの異なる仕様に対して、
標準化された油圧ジャッキの並設本数を変えるのみで対
処することが出来るために、油圧ジャッキの種類削減が
図れることになる。そして、前記複数本の油圧ジャッキ
の頭部を連結した連結材の中心部にエレベータのかごを
吊下する滑車を配設したものであるから、油圧ジャッキ
のいずれにも偏荷重が作用しない。

更に、プランジャー断面積の大きなものを用意しておく
必要がないとともに、プランジャー断面積の小さなもの
は、大きなものに比較して製作も容易で安価になる等の
種々の優れた効果を有する。加えて、前記各々の油圧ジ
ャッキに接続された連結材に取付けられた滑車により、
各々の油圧ジャッキの延びの長さにばらつきがあって
も、連結材に取付けられた滑車により均一化され、静止
状態でかごが傾くことがない。そして、合流管を介して
油圧パワーユニットにより流量制御すればよいから、複
数の油圧パワーユニットを設けることなく、かつ、それ
による複雑な制御を行う必要性がない。

特に、ほぼ同一形状に標準化された油圧ジャッキを複数
使用した場合には、顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例による油圧エレベータ装置
を示す要部側面図、第２図は従来の油圧エレベータ装置
を示す全体構成図、第３図は第２図に示す油圧ジャッキ
の側面図である。 図において、 1:かご、3:滑車 4:主索、8:第１油圧ジャッキ 9:第２油圧ジャッキ である。 なお、図中、同一符号及び記号は、同一または相当部分
を示すものである。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】圧油の供給によりプランジャーを突出さ
   せ、前記圧油の排出によりプランジャーを収縮させる複
   数本の油圧ジャッキと、 前記複数本の油圧ジャッキの頭部を連結した連結材と、 前記連結材の中心部に取付けられたエレベータのかごを
   吊下する滑車と、 前記滑車に掛けられて、一端が固定体に固定されるとと
   もに、他端にエレベータのかごが吊下された主索と、 を具備することを特徴とする油圧エレベータ装置。
2. 【請求項２】前記複数本の油圧ジャッキは、その寸法精
   度が全て同一であることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の油圧エレベータ装置。