JPH07207338A - 建築用低降伏比耐火鋼板の製造法 - Google Patents

建築用低降伏比耐火鋼板の製造法

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JPH07207338A
JPH07207338A JP581994A JP581994A JPH07207338A JP H07207338 A JPH07207338 A JP H07207338A JP 581994 A JP581994 A JP 581994A JP 581994 A JP581994 A JP 581994A JP H07207338 A JPH07207338 A JP H07207338A
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JP
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steel
low
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steel sheet
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JP581994A
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English (en)
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Yuzuru Yoshida
譲 吉田
Hiroshi Tamehiro
博 為広
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、厚み25mm以下の建築用低降伏比
耐火鋼板の製造法を提供する。 【構成】 重量比でC:0.04〜0.15%、Si:
0.6%以下、Mn:0.8〜1.6%、P:0.03
%以下、S:0.01%以下、Mo:0.4〜1.0
%、Nb:0.005%以下、V:0.02〜0.1
%、Ti:0.005〜0.025%、Al:0.06
%以下、N:0.001〜0.006%以下を含有し、
残部が鉄および不可避的不純物からなる実質的にNbを
含有しない鋼を再加熱後850℃以上の温度にて圧延を
終了し、その後空冷することにより、厚み25mm以下の
YRが80%以下である建築用低降伏比耐火490N/mm
2 級鋼が製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建築、土木および海洋構
造物等の分野において各種構造物に用いる厚み25mm以
下の低降伏比耐火鋼板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、板厚の薄い(板厚が25mm以
下)鋼材を熱間圧延にて製造すると、組織の細粒化、加
工組織の生成、圧延後の空冷時の高冷却速度からYP,
TSが上昇し、TSに比べYPの上昇が大きいため降伏
比(以下YRと呼ぶ)が上昇してしまう。特に特開平2
−77523号公報等で示されている耐火鋼板では高い
Mo含有量に加えNbが添加されているため、熱間圧延
での組織の細粒化、加工組織の生成がより一層生じやす
くるためYPが著しく上昇しYRが高くなり、板厚の薄
い耐火鋼板は降伏後の塑性変形能力が小さいという欠点
があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は降伏比の低い
薄手耐火鋼板を安価に製造する技術を提供するものであ
る。本発明法に基づいて製造した鋼は、低YP、低YR
で且つ高い耐火特性を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の具体的手段を下
記(1),(2)に示す。 (1)重量比で、C:0.04〜0.15%、Si:
0.6%以下、Mn:0.8〜1.6%、P:0.03
%以下、S:0.01%以下、Mo:0.4〜1.0
%、Nb:0.005%以下、V:0.02〜0.1
%、Ti:0.005〜0.025%、Al:0.06
%以下、N:0.001〜0.006%を含有し、残部
が鉄および不可避的不純物からなる実質的にNbを含有
しない鋼を再加熱後850℃以上の温度にて圧延を終了
し、その後空冷することを特徴とする板厚25mm以下、
YRが80%以下である建築用低降伏比耐火490N/mm
2 級鋼板の製造法。
【0005】(2)重量比で、C:0.04〜0.15
%、Si:0.6%以下、Mn:0.8〜1.6%、
P:0.03%以下、S:0.01%以下、Mo:0.
4〜1.0%、Nb:0.005%以下、V:0.02
〜0.1%、Ti:0.005〜0.025%、Al:
0.06%以下、N:0.001〜0.006%さらに
Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜1.0
%、Cr:0.05〜1.0%、Ca:0.001〜
0.006%の1種または2種以上を含有し、残部が鉄
および不可避的不純物からなる実質的にNbを含有しな
い鋼を再加熱後850℃以上の温度にて圧延を終了し、
その後空冷することを特徴とする板厚25mm以下、YR
が80%以下である建築用低降伏比耐火490N/mm2
鋼板の製造法。
【0006】
【作用】以下、本発明について説明する。板厚の薄い鋼
材において、溶接構造用圧延鋼材(JIS G310
6)に規定する性能と600℃の高温での高い耐力を維
持し、且つYRを実現させるためには、鋼板の成分並び
にプロセス条件の適正化が必要であることを見いだし
た。そこで本発明のポイントは適量のMoとVを添加
し、実質的にNbを添加しない鋼片を熱間圧延し整粒な
フェライト−ベイナイト(一部パーライト)組織にする
ことにより、耐火性と低い降伏比を同時に得ることにあ
る。
【0007】Moは微細な炭窒化物を形成し、さらに固
溶体強化によって高温強度を上昇させるために、耐火性
を確保するために0.4%以上必要である。しかしなが
ら、Mo量が高すぎると溶接性および溶接熱影響部(H
AZ)の靭性が劣化するので、その含有量の上限は1.
0%とする必要がある。ところがMoの単独添加だけで
は600℃という高温領域において十分な耐力を得るこ
とは難しい。そこでNb,Vの添加による微細な炭窒化
物の形成で高温強度を向上させることが有効である。し
かし、特に板厚が薄い場合にNbの添加は、図1に示す
ように高温強度の向上と同時に常温のYPを著しく上昇
させるため、YRが非常に高くなってしまう。そのため
Nb量を0.005%以下に限定する必要がある。
【0008】一方、Vは図2に示すようにNbに比べ高
温強度を向上させる効果が小さいものの、板厚が薄い場
合でも殆ど常温のYPを上昇させずYRが高くならない
ため非常に有効な元素である。しかし0.02%以下で
はその効果がなく0.1%を超えるとHAZ靭性に好ま
しくない影響があるため、V量を0.02〜0.1%の
範囲に限定した。さて、このようなMo,Vを添加した
鋼において、その高い高温強度と低いYRを同時に達成
するには熱間圧延での組織の適正化が必要で、熱間圧延
での終了温度が低すぎると過度な組織の微細化、加工組
織の生成が起こるため、その終了温度を850℃以上に
しなければならない。
【0009】次にその他の成分範囲の限定理由について
説明する。Cは母材の強度並びに高温強度を確保するた
めに必要であるが、多量に含有させるとHAZの低温靭
性に悪影響を及ぼす。このような観点からCは0.04
〜0.15%とした。Siは脱酸上含まれる元素でSi
量が多くなると溶接性、HAZ靭性が劣化するため、そ
の上限を0.6%とした。鋼の脱酸はAl,Tiのみで
も十分であり、Siは必ずしも添加する必要はない。M
nは強度、靭性を確保する上で不可欠な元素であり、そ
の下限は0.8%である。しかしMn量が多すぎると溶
接性、母材およびHAZの靭性劣化を招くため上限を
1.6%とした。本発明鋼において不純物であるP,S
をそれぞれ0.03%,0.01%以下とした理由は、
母材、溶接部の低温靭性をより一層向上させるためであ
る。Pの低減は粒界破壊を防止し、S量の低減はMnS
による靭性の劣化を防止する。好ましいP,S量はそれ
ぞれ0.01%,0.005%以下である。Tiは炭窒
化物を形成してHAZ靭性を向上させる。Al量が少な
い場合Tiの酸化物を形成しHAZ靭性を向上させる
が、0.005%未満では効果がなく、0.025%を
超えるとHAZ靭性に好ましくない影響があるため、
0.005〜0.025%に限定する。
【0010】Alは一般に脱酸上鋼に含まれる元素であ
るが、SiおよびTiによっても脱酸は行われるので本
発明鋼については下限は限定しない。しかしAl量が多
くなると鋼の清浄度が悪くなり、溶接部の靭性が劣化す
るので上限を0.06%とした。Nは一般的に不可避的
不純物として鋼中に含まれるものであるが、Nb,Vと
結合して炭窒化物を形成して強度を増加させ、またTi
Nを形成して前述のようにHAZの性質を高める。この
ためN量として最低0.001%が必要である。しかし
ながらN量が多くなるとHAZ靭性の劣化や連続鋳造ス
ラブの表面キズの発生等を助長するので、その上限を
0.006%とした。
【0011】本発明鋼の基本成分は以上のとおりであ
り、十分に目的を達成できるが、さらに目的に対し特性
を高めるため、以下に述べる元素即ちCu,Ni,C
r,Caを選択的に添加すると強度、靭性の向上につい
て、さらに好ましい結果が得られる。次に、前記添加元
素とその添加量について説明する。CuはCu析出物に
よる高温強度の増加や耐食性や耐候性の向上に効果を有
する。この場合Cu量が0.5%以上でその効果が著し
い。しかしCu量が1.0%を超えると熱間圧延時にC
u割れが発生し製造が困難になり、また0.05%以下
では効果がないのでCu量は0.05〜1.0%とす
る。
【0012】Niは溶接性、HAZ靭性に悪影響を及ぼ
すことなく、母材の強度、靭性を向上させるほか、Cu
−クラックの防止にも効果がある。しかし、0.05%
以下では効果が薄く1.0%以上では極めて高価になる
ため経済性を失うので、上限は1.0%とした。Crは
母材、溶接部の強度を高める元素で最低でも0.05%
以上が必要である。しかし、多すぎると溶接性やHAZ
靭性を著しく劣化させるので、その上限を1.0%とし
た。Caは硫化物(MnS)の形態を制御し、シャルピ
ー吸収エネルギーを増加させ低温靭性を向上させる効果
がある。しかしCa量は0.001%未満では実用上効
果がなく、0.006%を超えるとCaO,CaSが多
量に生成して大型介在物となり、鋼の靭性のみならず清
浄度も害し溶接性、耐ラメラテア性にも悪影響を与える
ので、Ca添加量の範囲を0.001〜0.006%と
する。
【0013】
【実施例】周知の転炉、連続鋳造、厚板工程により鋼板
を製造し、その常温並びに600℃での強度等を調査し
た。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】表1の1〜5に本発明鋼、6〜9に比較鋼
の化学成分を示す。表2に本発明鋼と比較鋼の鋼板製造
条件とその機械的性質を示す。表2の本発明鋼1〜5
は、母材の強度、YR、600℃の強度がバランスよく
達成できている。これに対し比較鋼6ではMo量が低い
ため600℃の強度が低くなっている。比較鋼7はV量
が低く、600℃の強度が低くなっている。比較鋼8で
はNbが添加されているためYRが非常に高くなってい
る。比較鋼9では圧延温度が低く、YRが高くなってい
る。
【0017】
【発明の効果】本発明の化学成分および製造法で製造し
た鋼材は600℃の降伏強度が高く、且つ低い降伏強度
(規格範囲内で)、降伏比を有する鋼であり建築、土
木、海洋構造物の安全性を大きく高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】機械的性質に与えるNb量の影響を示す図表。
【図2】機械的性質に与えるV量の影響を示す図表。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で C :0.04〜0.15%、 Si:0.6%以
    下、 Mn:0.8〜1.6%、 P :0.03%
    以下、 S :0.01%以下、 Mo:0.4〜
    1.0%、 Nb:0.005%以下、 V :0.02〜
    0.1%、 Ti:0.005〜0.025%、 Al:0.06%
    以下、 N :0.001〜0.006%、 残部が鉄および不可避的不純物からなる実質的にNbを
    含有しない鋼を再加熱後850℃以上の温度にて圧延を
    終了し、その後空冷することを特徴とする建築用低降伏
    比耐火鋼板の製造法。
  2. 【請求項2】 重量比で Cu:0.05〜1.0%、 Ni:0.05〜
    1.0%、 Cr:0.05〜1.0%、 Ca:0.001
    〜0.006% の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
    項1記載の建築用低降伏比耐火鋼板の製造法。
JP581994A 1994-01-24 1994-01-24 建築用低降伏比耐火鋼板の製造法 Withdrawn JPH07207338A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112375978A (zh) * 2020-10-30 2021-02-19 舞阳钢铁有限责任公司 一种建筑用钢及其生产方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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