JPH07206801A - アミジノフェノール誘導体およびその誘導体を有効成分として含有する薬剤 - Google Patents

アミジノフェノール誘導体およびその誘導体を有効成分として含有する薬剤

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JPH07206801A
JPH07206801A JP6319471A JP31947194A JPH07206801A JP H07206801 A JPH07206801 A JP H07206801A JP 6319471 A JP6319471 A JP 6319471A JP 31947194 A JP31947194 A JP 31947194A JP H07206801 A JPH07206801 A JP H07206801A
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alkyl
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JP6319471A
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Inventor
Hisao Nakai
久郎 中井
Koumei Ueyasu
功明 上安
Masanori Kawamura
雅範 川村
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Ono Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Ono Pharmaceutical Co Ltd
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(I)で示されるアミジノフェノール誘導
体及びその酸付加物塩、及びその誘導体又はその塩を有
効成分として含有する薬剤(式中、R1 及びR2は水素
原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、ハロゲン
原子、ニトロ基、ベンゾイル基又はCOOR4 基;Aは
単結合、アルキレン基又は式(II)の基;R3 は式(II
I)又は(IV)の基)。 【化1】 【効果】 式(I)の化合物はホスホリパーゼA2 及び
蛋白分解酵素(例えば、トリプシン、プラスミン、トロ
ンビン、カルクレイン、とりわけトリプシン)阻害作用
を有し、種々の炎症性疾患、アレルギー疾患、汎発性血
管内血液凝固症、膵炎、その重症化及び多臓器障害の予
防及び/又は治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアミジノフェノール誘導
体に関する。さらに詳しくは、ホスホリパーゼA2(P
LA2)阻害活性および蛋白分解酵素阻害活性、とりわ
けトリプシン阻害活性を有する i)一般式(I)
【0002】
【化8】
【0003】(式中、すべての記号は後記と同じ意味を
表わす。)で示されるアミジノフェノール誘導体および
それらの酸付加塩、 ii)それらの製造方法、および iii)それらを含有する薬剤に関する。
【0004】
【発明の背景】ホスホリパーゼA2(PLA2)は細胞膜
リン脂質の2位のエステル結合を加水分解する酵素であ
り、膜結合性PLA2と膵性PLA2の2種類存在するこ
とが知られている。膜結合性PLA2はリン脂質からア
ラキドン酸(AA)を遊離させる。このAAからは、種
々の炎症性疾患やアレルギー疾患等を引き起こす生理活
性物質であるプロスタグランジン類、トロンボキサン
類、ロイコトリエン類が生成される。
【0005】一方、膵性PLA2はリン脂質を分解して
細胞膜を破壊し、強い細胞毒性を有するリゾレシチンを
生成させる。最近、この細胞膜障害作用による膵炎、そ
の重症化および多臓器障害が重要視され、注目されてい
る。また、これらの疾患には膜結合性PLA2も関与し
ているという報告もある。従って、PLA2を阻害する
ことにより種々の生理活性物質の前駆体であるAAの遊
離を抑制できるため、種々の炎症性疾患やアレルギー疾
患等の予防および/または治療に有用であると考えられ
る。また、細胞膜障害作用を抑制できるため、膵炎、そ
の重症化および多臓器障害の予防および/または治療に
有用であると考えられる。
【0006】
【従来の技術】PLA2阻害作用を有する化合物は多数
知られている。そのうち、グアニジノ基を含有するもの
としては、例えば式(X)
【0007】
【化9】
【0008】で示されるメシル酸カモスタット(コード
番号:FOY−305)または式(Y)
【0009】
【化10】
【0010】で示されるメシル酸ナファモスタット(コ
ード番号:FUT−175)等のグアニジノ安息香酸誘
導体が挙げられる(日本臨床,48 (1), 165-172, 199
0)。また、本発明化合物と部分的に構造が近いものと
して、式(Z)
【0011】
【化11】
【0012】(式中、R1Zは(i) C1〜4のアルキル
基、(ii)C1〜4のアルコキシ基、(iii)カルボキ
シル基、(iv) COOR4Z基(基中、R4ZはC1〜4
のアルキル基を表わす。)、(v) ハロゲン原子、(v
i)ニトロ基、(vii) スルホ基、(viii)ベンゾイル
基、または(ix)
【0013】
【化12】
【0014】(基中、R5Zは水素原子またはグアニジノ
基を表わす。)を表わし;R2ZおよびR3Zは、それぞれ
独立して(i) NHCO−R6Z基(基中、R6ZはC1〜4
のアルキル基を表わす。)、または(ii)
【0015】
【化13】
【0016】(基中、AZ は単結合、メチレン基、また
はエチレン基を表わし;R7ZおよびR8Zは、それぞれ独
立して (1) 水素原子、 (2) C1〜4のアルキル基、または (3) アミノ保護基 (ただし、アミノ保護基は[1] COOR9Z基(基中、R
9Zはt−ブチル基またはベンジル基を表わす。)、[2]
アセチル基、[3] ベンゾイル基、[4] トシル基、または
[5] ニトロ基を表わす。)を表わす。)で示される基を
表わす。) (ただし、上記式および基中の記号は、必要な部分だけ
抜粋した。)で示される化合物がある(特開昭 58-4185
5 号)。この明細書中、これらの化合物が、トリプシ
ン、プラスミン等の蛋白分解酵素の阻害作用および抗補
体作用を有することが開示されているが、PLA2阻害
作用を有することはまったく記載されていない。
【0017】
【発明の目的】本発明者らは、PLA2阻害作用を有す
る新規なアミジノフェノール誘導体を見出すべく研究を
行ない、一般式(I)で示されるアミジノフェノール誘
導体が目的を達成することを見出した。さらに、本発明
化合物が強力な蛋白分解酵素(例えば、トリプシン、プ
ラスミン、トロンビン、カリクレイン、とりわけトリプ
シン)阻害作用を併せ有することも見出した。
【0018】
【従来技術との比較】本発明のアミジノフェノール誘導
体は、これまでまったく知られていない新規化合物であ
る。詳しく説明すると、前記一般式(Z)で示される化
合物中のR2Z基およびR3Z基はNHCO−R6Zで示され
る基をとり得るが、その結合様式は該基中の窒素原子が
直接ベンゼン環に結合した形をとっており、さらにR6Z
基はアルキル基しか表わさない。一方、本発明化合物の
3 基はCONR78 またはCONR9 −CHR7
8で示される基を表わすが、その結合様式は、いずれの
場合も該基中の炭素原子がA基を介してベンゼン環に結
合する形をとっている。
【0019】以上の点から、本発明化合物は、式(Z)
で示される化合物とは著しく異なる化学構造を有する化
合物であるといえる。さらに、従来、一部のグアニジノ
安息香酸誘導体(前記、式(X)および(Y)で示され
る化合物)ではPLA2阻害作用を有することが知られ
ていたが、アミジノフェノール誘導体(前記、式(Z)
で示される化合物)では該作用を有することは知られて
いなかった。従って、これらの従来技術から本発明のア
ミジノフェノール誘導体がPLA2阻害作用を有してい
ることはまったく予測できないことである。
【0020】
【本発明の開示】本発明は、1)一般式(I)
【0021】
【化14】
【0022】[式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立
して、(i) 水素原子、(ii) C1〜4のアルキル
基、(iii) C1〜4のアルコキシ基、(iv) C2〜
5のアシル基、(v) ハロゲン原子、(vi) ニトロ
基、(vii) ベンゾイル基、または(viii)COOR4
基(基中、R4 はC1〜3のアルキル基を表わす。)を
表わし;Aは単結合、C1〜4のアルキレン基、または
【0023】
【化15】
【0024】(基中、R5 およびR6 は、それぞれ独立
して、水素原子、またはC1〜4のアルキル基を表わ
す。)を表わし;R3
【0025】
【化16】
【0026】(基中、R7 およびR8 は、それぞれ独立
して (1) 水素原子、 (2) フェニル基、 (3) C7〜10のフェニルアルキル基、 (4) C1〜4のアルキル基、ハロゲン原子およびR11
COOR12基から任意に選ばれる1〜2個の置換基で置
換されたフェニル基またはC7〜10のフェニルアルキ
ル基 (基中、R11は[1] 単結合、[2] C1〜8のアルキレン
基、[3] C2〜8のアルケニレン基、または[4] C2〜
8のアルキニレン基を表わし;R12は[1] 水素原子、
[2] C1〜4のアルキル基、[3] C7〜10のフェニル
アルキル基、[4] フェニル基、[5] アリル基(−CH2
−CH=CH2)、または[6] プロパルギル基
【化17】−CH2−C≡CH を表わす。)、
【0027】(5) C1〜10のアルキル基、 (6) 二重結合を1〜3個有するC2〜10のアルケニル
基、 (7) 三重結合を1〜2個有するC2〜10のアルキニル
基、 (8) R11a −COXR12基 (基中、R11a は[1] 単結合、[2] C1〜8のアルキレ
ン基、[3] 主鎖中の1または2個の炭素原子がイオウ原
子、またはイオウ原子およびフェニレン基で置換された
C2〜8のアルキレン基、[4] C2〜8のアルケニレン
基、[5] 主鎖中の1または2個の炭素原子がイオウ原
子、またはイオウ原子およびフェニレン基で置換された
C4〜8のアルケニレン基、[6] C2〜8のアルキニレ
ン基、または[7] 主鎖中の1または2個の炭素原子がイ
オウ原子、またはイオウ原子およびフェニレン基で置換
したC4〜8のアルキニレン基を表わし、Xは酸素原子
またはNH基を表わし、R12は前記と同じ意味を表わ
す。)、
【0028】(9) 1個の窒素原子を含む7〜14員の2
または3環式ヘテロ環で置換されたC1〜4のアルキル
基、 (10) C3〜7のシクロアルキル基、または (11) C1〜4のアルコキシ基が置換したC1〜6のア
ルキル基を表わし;R9 は(1) 水素原子、(2) C1〜8
のアルキル基、(3) C7〜10のフェニルアルキル基、
(4) 二重結合を1〜3個有するC2〜10のアルケニル
基、(5) 三重結合を1〜2個有するC2〜10のアルキ
ニル基、(6) R11−COOR12基(基中、R11およびR
12は前記と同じ意味を表わす。)、(7) C3〜7のシク
ロアルキル基、または(8) C1〜4のアルコキシ基が置
換したC1〜6のアルキル基を表わす。)で示される基
を表わす。
【0029】ただし、R7 、R8 およびR9 のうち少な
くともひとつの基がC1〜4のアルコキシ基が置換した
C1〜6のアルキル基を表わすものとし、かつR7 とR
8 は同時に水素原子を表わさないものとし、かつR7
8 およびR9 のうち少なくともひとつの基がt−ブチ
ルエステル基を含有する基を表わすとき、他の基はカル
ボキシ基を含有する基を表わさないものとする。]で示
される化合物またはそれらの酸付加塩、 2)それらの製造方法、および 3)それらを有効成分として含有する薬剤に関する。
【0030】本発明においては、特に指示しない限り異
性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、ア
ルコキシ基、アルキレン基、アルケニレン基およびアル
キニレン基には直鎖のものおよび分枝鎖のものが含ま
れ、またアルケニレン基中の二重結合は、E、Zおよび
EZ混合物であるものが含まれる。分枝鎖のアルキル
基、アルコシキ基、アルキレン基、アルケニレン基およ
びアルキニレン基が存在する場合等の不斉炭素原子の存
在により生ずる異性体も含まれる。
【0031】一般式(I)中、R1 、R2 、R5 、R6
およびR12によって表わされるC1〜4のアルキル基、
およびR7 およびR8 基中のC1〜4のアルキル基と
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル基およびこれら
の異性体である。一般式(I)中、R1 およびR2 によ
って表わされるC1〜4のアルコシキ基とは、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基およびこれらの
異性体である。一般式(I)中、R4 によって表わされ
るC1〜3のアルキル基とは、メチル、エチル、プロピ
ル基およびこれらの異性体である。一般式(I)中、R
1 およびR2 によって表わされるC2〜5のアシル基と
は、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル基お
よびこれらの異性体である。
【0032】一般式(I)中、R7 およびR8 によって
表わされるC1〜10のアルキル基とは、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル基およびこれらの異性体
である。一般式(I)中、R9 によって表わされるC1
〜8のアルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブ
チル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基およ
びこれらの異性体である。一般式(I)中、R7 、R
8 、R9 およびR12によって表わされるC7〜10のフ
ェニルアルキル基とは、フェニル基1個によって置換さ
れているメチル、エチル、プロピル、ブチル基およびこ
れらの異性体である。
【0033】一般式(I)中、R1 およびR2 によって
表わされるハロゲン原子、およびR7 およびR8 基中に
表わされるハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子およびヨウ素原子である。一般式(I)中、A
によって表わされるC1〜4のアルキレン基とは、メチ
レン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン基およ
びこれらの異性体である。一般式(I)中、R11および
11a によって表わされるC1〜8のアルキレン基と
は、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレ
ン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレ
ン、オクタメチレン基およびこれらの異性体である。C
2〜8のアルケニレン基とは、ビニレン、プロペニレ
ン、ブテニレン、ペンテニレン、ヘキセニレン、ヘプテ
ニレン、オクテニレン基およびこれらの異性体である。
C2〜8のアルキニレン基とは、エチニレン、プロピニ
レン、ブチニレン、ペンチニレン、ヘキシニレン、ヘプ
チニレン、オクチニレン基およびこれらの異性体であ
る。
【0034】一般式(I)中、R11a によって表わされ
る主鎖中の炭素原子がイオウ原子、またはイオウ原子お
よびフェニレン基で置換されたC2〜8のアルキレン基
とは、チアエチレン(−CH2−S−と−S−CH2−を
表わすものとする。)、チアトリメチレン(−CH2
CH2−S−、−CH2−S−CH2−、−S−CH2−C
2−を表わすものとする。)、チアテトラメチレン、
チアペンタメチレン、チアヘキサメチレン、チアヘプタ
メチレン、チアオクタメチレン基およびこれらの異性
体、またはこれらのうちのいずれかのメチレン基がフェ
ニレン基で置換された基(例えば−CH2−S−CH2
64−)を表わす。
【0035】主鎖中の炭素原子がイオウ原子、またはイ
オウ原子およびフェニレン基で置換されたC4〜8のア
ルケニレン基とは、チアブテニレン(例えば、−S−C
2−CH=CH−、−CH=CH−CH2−S−を表わ
すものとする。)、チアペンテニレン(例えば、−S−
CH2−CH2−CH=CH−、−S−CH2−CH=C
H−CH2−、−CH2−S−CH2−CH=CH−を表
わすものとする。)、チアヘキセニレン、チアヘプテニ
レン、チアオクテニレン基およびこれらの異性体、また
はこれらのうちのいずれかのメチレン基がフェニレン基
で置換された基(例えば、−S−CH2−CH=CH−
64−)を表わす。
【0036】主鎖中の炭素原子がイオウ原子、またはイ
オウ原子およびフェニレン基で置換されたC4〜8のア
ルキニレン基とは、チアブチニレン(例えば、
【化18】−S−CH2−C≡C− を表わすものとする。)、チアペンチニレン(例えば、
【0037】
【化19】−S−CH2−CH2−C≡C−、−S−CH
2−C≡C−CH2−、−CH2−S−CH2−C≡C−
【0038】を表わすものとする。)、チアヘキシニレ
ン、チアヘプチニレン、チアオクチニレン基およびこれ
らの異性体またはこれらのうちのいずれかのメチレン基
がフェニレン基で置換された基(例えば、
【化20】−S−CH2−C≡C−C64− を表わすものとする。)を表わす。
【0039】一般式(I)中、R7 およびR8 基中の窒
素原子を1個含む2または3環式の7〜14員環の複素
環とは、インドール、インドリン、キノリン、1,2,
3,4−テトラヒドロキノリン、カルバゾール環等が挙
げられる。一般式(I)中、R7 、R8 およびR9 によ
って表わされる二重結合を1〜3個有するC2〜10の
アルケニル基とは、エテニル、プロぺニル、ブテニル、
ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノ
ネニル、デセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘ
キサジエニル、ヘプタジエニル、オクタジエニル、ノナ
ジエニル、デカジエニル、ヘキサトリエニル、ヘプタト
リエニル、オクタトリエニル、ノナトリエニル、デカト
リエニル基およびこれらの異性体である。三重結合を1
〜2個有するC2〜10のアルキニル基とは、エチニ
ル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、
ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ブタジ
イニル、ペンタジイニル、ヘキサジイニル、ヘプタジイ
ニル、オクタジイニル、ノナジイニル、デカジイニル基
およびこれらの異性体である。
【0040】一般式(I)中、R7 、R8 およびR9
よって表わされるC3〜7のシクロアルキル基とは、シ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロ
ヘキシルおよびシクロヘプチル基である。一般式(I)
中、R7 、R8 およびR9 によって表わされるC1〜4
のアルコキシ基が置換したC1〜6のアルキル基とは、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基およびこ
れらの異性体が置換したメチル、エチル、プロピル、ブ
チル、ペンチル、ヘキシル基およびこれらの異性体であ
る。
【0041】一般式(I)で示される本発明化合物のう
ち、好ましい化合物としては、下記一般式(I-A)
【0042】
【化21】
【0043】[式中、R1AおよびR2Aはそれぞれ前記の
1 およびR2 と同じ意味を表わし;R3A
【0044】
【化22】
【0045】(基中、R7AおよびR8Aは、それぞれ独立
して(1) 1〜2個のR11−COOR12基で置換されたフ
ェニル基またはC7〜10のフェニルアルキル基(基
中、R11およびR12は前記と同じ意味を表わす。)、
(2) R11a−COXR12基(基中、R11a 、R12および
Xは前記と同じ意味を表わす。)、または(3) C1〜4
のアルコキシ基が置換したC1〜6のアルキル基を表わ
し;R9Aは(1) 水素原子、(2) R11−COOR12基(基
中、R11およびR12は前記と同じ意味を表わす。)、ま
たは(3) C1〜4のアルコキシ基が置換したC1〜6の
アルキル基を表わす。)を表わし;他の記号は前記と同
じ意味を表わす。ただし、R7A、R8AおよびR9Aのうち
少なくともひとつの基がC1〜4のアルコキシ基が置換
したC1〜6のアルキル基を表わすものとし、かつ
7A、R8AおよびR9Aのうち少なくともひとつの基がt
−ブチルエステル基を含有する基を表わすとき、他の基
はカルボキシ基を含有する基を表わさないものとす
る。]で示される化合物またはそれらの酸付加塩が挙げ
られる。
【0046】一般式(I-A)で示される化合物の好まし
い具体例として、以下の表1〜表3に示すものが挙げら
れる。表中、Etはエチル基を表わす。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【酸付加塩】一般式(I)で示される本発明化合物は、
公知の方法で相当する酸付加塩に変換される。塩は毒性
のない、水溶性のものが好ましい。適当な酸付加塩とし
ては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸
塩のような無機酸塩、または酢酸塩、トリフルオロ酢酸
塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレ
イン酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸
塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トル
エンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、
グルコン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。
【0051】
【本発明化合物の製造方法】一般式(I)で示される本
発明化合物のうち、R3 基中のR7 、R8 およびR9
よって表わされる基がいずれもCOOH基およびCOO
t-Bu基を含まない基を表わす化合物、すなわち、一
般式(Ia)
【0052】
【化23】
【0053】(式中、R1 、R2 およびAは前記と同じ
意味を表わし、R3aは前記のR3 と同じ意味を表わす。
ただし、R3 中のR7 、R8 およびR9 はいずれもCO
OH基およびCOOt-Bu基を含まない基を表わすも
のとする。)で示される化合物は、一般式(IIa)
【0054】
【化24】
【0055】(式中、R2 、R3aおよびAは前記と同じ
意味を表わすものとする。)で示される化合物と、一般
式(III)
【0056】
【化25】
【0057】(式中、R1 は前記と同じ意味を表わ
す。)で示される化合物をエステル化反応に付すことに
より製造される。エステル化反応は公知であり、例えば
(1)酸ハライドを用いる方法、(2)混合酸無水物を
用いる方法、(3)縮合剤を用いる方法等が挙げられ
る。
【0058】これらの方法を具体的に説明すると、
(1)酸ハライドを用いる方法は、例えば、カルボン酸
を不活性有機溶媒(クロロホルム、塩化メチレン、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン等)中または無溶媒
で、酸ハライド(オキザリルクロライド、チオニルクロ
ライド等)と−20℃〜還流温度で反応させ、得られた
酸ハライドを三級アミン(ピリジン、トリエチルアミ
ン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン等)の
存在下、アルコールと不活性有機溶媒(クロロホルム、
塩化メチレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
等)中、0〜40℃で反応させることにより行なわれ
る。
【0059】(2)混合酸無水物を用いる方法は、例え
ば、カルボン酸を不活性有機溶媒(クロロホルム、塩化
メチレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)
中または無溶媒で、三級アミン(ピリジン、トリエチル
アミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン
等)の存在下、酸ハライド(ピバロイルクロライド、ト
シルクロライド、メシルクロライド等)、または酸誘導
体(クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル等)と、
0〜40℃で反応させ、得られた混合酸無水物を不活性
有機溶媒(クロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン等)中、相当するアルコール
と0〜40℃で反応させることにより行なわれる。
【0060】(3)縮合剤(1,3−ジシクロヘキシル
カルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−[3−
(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(ED
C)、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨウ素等)
を用いる方法は、例えば、カルボン酸とアルコールを、
不活性有機溶媒(クロロホルム、塩化メチレン、ジメチ
ルホルムアミド、ジエチルエーテル等)中または無溶媒
で、三級アミン(ピリジン、トリエチルアミン、ジメチ
ルアニリン、ジメチルアミノピリジン等)を用いるかま
たは用いないで、縮合剤を用いて、0〜40℃で反応さ
せることにより行なわれる。これら(1)、(2)およ
び(3)の反応は、いずれも不活性ガス(アルゴン、窒
素等)雰囲気下、無水条件で行なうことが望ましい。
【0061】一般式(I)で示される化合物のうち、R
3 基中のR7 、R8 およびR9 によって表わされる基の
うち、少なくともひとつがCOOt-Bu基を含有する
基を表わし、それ以外の基がCOOH基を含有しない基
を表わす化合物、すなわち一般式(Ib)
【0062】
【化26】
【0063】(式中、R1 、R2 およびAは前記と同じ
意味を表わし、R3bはR3 と同じ意味を表わす。ただ
し、R3 基中のR7 、R8 およびR9 のうち、少なくと
もひとつがCOOt-Bu基を含有する基を表わし、そ
の他の基がCOOH基を含有しない基を表わす。)で示
される化合物は、一般式(IIb)
【0064】
【化27】
【0065】(式中、すべての記号は前記と同じ意味を
表わす。)で示される化合物と、一般式(IIIb)
【0066】
【化28】
【0067】(式中、R7b、R8bおよびR9bはR7 、R
8 およびR9 と同じ意味を表わす。ただし、R7b、R8b
およびR9bのうち少なくともひとつがCOOt-Bu基
を含有する基を表わし、その他の基がCOOH基を含有
しない基を表わす。)で示される化合物とをアミド化反
応に付すことにより製造される。このアミド化反応は、
エステル化のために前記した方法(ただし式(III)の
アルコールの代わりに、式(IIIb)のアミンを用いる)
と同様にして行なわれる。
【0068】一般式(I)で示される化合物のうちR3
基中のR7 、R8 およびR9 によって表わされる基のう
ち少なくともひとつがCOOH基を含有する基を表わ
し、その他の基がCOOt-Bu基を含有しない基を表
わす化合物、すなわち(Ic)
【0069】
【化29】
【0070】(式中、R1 、R2 およびAは前記と同じ
意味を表わし、R3cはR3 と同じ意味を表わす。ただ
し、R3 基中のR7 、R8 およびR9 のうち少なくとも
ひとつがCOOH基を含有する基を表わし、その他の基
がCOOt-Bu基を含有しない基を表わす。)で示さ
れる化合物は、一般式(Ib)
【0071】
【化30】
【0072】(式中、すべての記号は前記と同じ意味を
表わす。)で示される化合物のt−ブチルエステル基を
加水分解することにより製造される。t−ブチルエステ
ル基の加水分解は、例えば不活性有機溶媒(塩化メチレ
ン、クロロホルム、メタノール、ジオキサン、酢酸エチ
ル、アニソール等)中、有機酸(トリフルオロ酢酸
等)、または無機酸(塩酸等)もしくはこれらの混合物
中0〜90℃の温度で行なわれる。
【0073】一般式(IIa)で示される化合物のうち、
3a中のR7 、R8 およびR9 がいずれもベンジルオキ
シカルボニル基、アリルオキシカルボニル基およびプロ
パルギルオキシカルボニル基を含有しない基を表わす化
合物、すなわち、一般式(IIa-1)
【0074】
【化31】
【0075】(式中、R2 およびAは前記と同じ意味を
表わし、R31a は前記のR3aと同じ意味を表わす。ただ
し、R3a中のR7 、R8 およびR9 はいずれもベンジル
オキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基および
プロパルギルオキシカルボニル基を含有しない基を表わ
す。)で示される化合物は、公知の方法、例えば、次に
示される反応工程式Aによって製造することができる。
【0076】反応工程式A中のR2 、AおよびR31a
前記と同じ意味を表わし、R71a 、R81a およびR91a
は前記のR7 、R8 およびR9 と同じ意味を表わす(た
だし、R7 、R8 およびR9 はいずれもベンジルオキシ
カルボニル基、アリルオキシカルボニル基およびプロパ
ルギルオキシカルボニル基を含有しない基を表わすもの
とする。)。
【0077】
【化32】
【0078】一般式(IIa)で示される化合物のうち、
3a中のR7 、R8 およびR9 のうち少なくともひとつ
の基がベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカル
ボニル基またはプロパルギルオキシカルボニル基を含有
する基を表わす化合物、すなわち、一般式(IIa-2)
【0079】
【化33】
【0080】(式中、R2 およびAは前記と同じ意味を
表わし、R32a は前記のR3aと同じ意味を表わす。ただ
し、R3a中のR7 、R8 およびR9 のうち少なくともひ
とつの基がベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシ
カルボニル基またはプロパルギルオキシカルボニル基を
含有する基を表わすものとする。)で示される化合物
は、公知の方法、例えば、次に示される反応工程式Bに
よって製造することができる。
【0081】反応工程式B中のR2 、AおよびR32a
前記と同じ意味を表わし、R72a 、R82a およびR92a
は前記のR7 、R8 およびR9 と同じ意味を表わす(た
だし、R7 、R8 およびR9 のうち少なくともひとつの
基がベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボ
ニル基またはプロパルギルオキシカルボニル基を含有す
る基を表わすものとする。)。
【0082】
【化34】
【0083】一般式(IIb)で示される化合物は、公知
の方法、例えば、次に示される反応工程式Cによって製
造することができる。反応工程式C中のA、R1 および
2 は前記と同じ意味を表わす。
【0084】
【化35】
【0085】前記反応工程式中の各反応はそれぞれ公知
の方法により行なわれる。前記工程式において、出発物
質として用いる(IV)、(V)、(VI)、(VII)で示さ
れる化合物は、それ自体公知であるか、あるいは公知の
方法により容易に製造することができる。
【0086】本明細書中の各反応において、反応生成物
は通常の精製手段、例えば、常圧下または減圧下におけ
る蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた
高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィ
ー、あるいはカラムクロマトグラフィーまたは洗浄、再
結晶等の方法により精製することができる。精製は各反
応ごとに行なってもよいし、いくつかの反応終了後に行
なってもよい。
【0087】本発明におけるその他の出発物質および各
試薬は、それ自体公知であるか、または公知の方法によ
り製造することができる。
【0088】
【薬理活性】一般式(I)で示される本発明化合物がP
LA2阻害活性および種々の蛋白分解酵素(例えば、ト
リプシン、プラスミン、トロンビン、カリクレイン)阻
害活性を有することは、種々の実験で確認されている。
例えば、実験室の実験では、次に示されるような結果を
得た。
【0089】
【実験方法】
(1)PLA2阻害活性 50mM トリス・塩酸緩衝液(pH7.5,874μl;
100mM 塩化ナトリウム,1mM EDTAを含
む。)、1M 塩化カルシウム(6μl)、1%ウシ血
清アルブミン(10μl)および2.5mM 10PY−P
C(10μl)を含む反応液を調製した。反応液に、種
々の濃度の被検化合物あるいは水(50μl)と、10
mU/ml PLA2(ブタ膵臓由来)溶液(50μl)
を加えて、Ex=345nm、Em=396nmとで蛍
光強度を測定した。被検化合物非存在下での蛍光強度を
100%とし、被検化合物存在下での百分率(%)を求
め、IC50値を算出した。結果を表4に示す。
【0090】
【表4】
【0091】(2)トリプシン阻害活性 0.2M HEPES・水酸化ナトリウム緩衝液(pH8.
0,100μl)および蒸留水(640μl)中に、種
々の濃度の被検化合物あるいは水(10μl)と、80
mU/ml トリプシン(ウシ膵臓由来)溶液(50μ
l)を加えて、30℃で1分間プレインキュベーション
した。その反応液に2.5mM BAPNA(200μl)
を加え、30℃でインキュベーションし、405nmで
の吸光度を測定した。被検化合物の非存在下での吸光度
を100%とし、被検化合物存在下での百分率(%)を
求め、IC50値を算出した。結果を表5に示す。
【0092】
【表5】
【0093】なお、上記実験方法中、10PY−PCは
3′−パルミトイル−2−(1−ピレンデカノイル)−
L−α−ホスファチジルコリン、HEPESは4−(2
−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン
酸、およびBAPNAはα−N−ベンゾイル−DL−ア
ルギニン−p−ニトロアニリド塩酸塩を表わす。
【0094】
【毒性】一方、本発明化合物の毒性は非常に低いもので
あり、医薬として使用するために十分安全であると判断
できる。
【0095】
【医薬品への適用】ヒトを含めた動物、特にヒトにおい
て、PLA2および種々の蛋白分解酵素(例えば、トリ
プシン、プラスミン、トロンビン、カリクレイン、とり
わけトリプシン)を阻害することで、種々の炎症性疾
患、アレルギー疾患、汎発性血管内血液凝固症、膵炎、
その重症化および多臓器障害の予防および/または治療
に有用である。
【0096】一般式(I)で示される本発明化合物、そ
の非毒性の酸付加塩、またはその水和物を上記の目的で
用いるには、通常、全身的または局所的に、経口または
非経口の形で投与される。投与量は、年齢、体重、症
状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、
通常、成人一人あたり、1回につき、1mgから1000m
gの範囲で、1日1回から数回経口投与されるか、また
は成人一人あたり、1回につき、1mgから100mg
の範囲で、1日1回から数回非経口投与(好ましくは、
静脈内投与)されるか、または1日1時間から24時間
の範囲で静脈内に持続投与される。もちろん前記したよ
うに、投与量は、種々の条件によって変動するので、上
記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲
を越えて必要な場合もある。本発明化合物を投与する際
には、経口投与のための固体組成物、液体組成物および
その他の組成物および非経口投与のための注射剤、外用
剤、坐剤等として用いられる。
【0097】経口投与のための固体組成物には、錠剤、
丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセ
ル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含ま
れる。このような固体組成物においては、ひとつまたは
それ以上の活性物質が、少なくともひとつの不活性な希
釈剤、例えばラクトース、マンニトール、グルコース、
ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デ
ンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸
マグネシウムと混合される。組成物は、常法に従って、
不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、繊維素グリコール酸カルシウ
ムのような崩壊剤、ラクトースのような安定化剤、グル
タミン酸またはアスパラギン酸のような溶解補助剤を含
有していてもよい。錠剤または丸剤は必要により白糖、
ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースフタレートなどの胃溶性ある
いは腸溶性物質のフィルムで被覆していてもよいし、ま
た2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンの
ような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
【0098】経口投与のための液体組成物は、薬剤的に
許容される乳濁剤、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤
等を含む。このような液体組成物においては、ひとつま
たはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる不活性
な希釈剤(例えば精製水、エタノール)に含有される。
この組成物は、不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤の
ような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有
していてもよい。経口投与のためのその他の組成物とし
ては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、それ自
体公知の方法により処方されるスプレー剤が含まれる。
この組成物は不活性な希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウ
ムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例え
ば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン
酸のような等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の
製造方法は、例えば米国特許第 2,868,691 号および同
第 3,095,355 号に詳しく記載されている。
【0099】本発明による非経口投与のための注射剤と
しては、無菌の水性または非水性の溶液剤、懸濁剤、乳
濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例え
ば注射用蒸留水および生理食塩水が含まれる。非水溶性
の溶液剤、懸濁剤としては、例えばプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物
油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート
80(登録商標)等がある。このような組成物は、さら
に防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例え
ば、ラクトース)、溶解補助剤(例えば、グルタミン
酸、アスパラギン酸)のような補助剤を含んでいてもよ
い。これらはバクテリア保留フィルターを通すろ過、殺
菌剤の配合または照射によって無菌化される。これらは
また無菌の固体組成物を製造し、例えば凍結乾燥品の使
用前に、無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶
媒に溶解して使用することもできる。非経口投与のため
のその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活
性物質を含み、常法により処方される外溶液剤、軟膏、
塗布剤、直腸内投与のための坐剤および膣内投与のため
のペッサリー等が含まれる。
【0100】
【実施例】以下、参考例および実施例によって本発明を
詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。クロマトグラフィーによる分離の箇所に示されてい
るカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒
を示し、割合は体積比を表わす。特別な記載がない場
合、IRはKBr錠剤法で、NMRは重メタノール中で
測定している。
【0101】参考例1 p−ベンジルオキシカルボニル−α−メチル桂皮酸 t
−ブチルエステル
【0102】
【化36】
【0103】水素化ナトリウム(0.8g,60%オイル
を含む)のテトラヒドロフラン(25ml)懸濁液に2
−(ジエチルホスホノ)プロピオン酸 t−ブチルエス
テル(4.8g)のテトラヒドロフラン(6ml)溶液を
氷冷下でゆっくり滴下し、室温で30分間撹拌した。こ
の反応混合物を氷冷下に冷却し、p−ベンジルオキシカ
ルボニルベンズアルデヒド(4.0g)のテトラヒドロフ
ラン(15ml)溶液をゆっくり滴下した。反応混合物
を室温で30分間撹拌後、反応混合物に水を加え、酢酸
エチルで抽出した。抽出液を水、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:
1→15:1)で精製し、次の物性値を有する標題化合
物(5.2g)を得た。 TLC:Rf 0.34(ヘキサン:酢酸エチル=10:
1)。
【0104】参考例2 p−ベンジルオキシカルボニル−α−メチル桂皮酸
【0105】
【化37】
【0106】参考例1で製造した化合物(56.0g)のア
ニソール(40ml)溶液にトリフルオロ酢酸(75m
l)を氷冷下で加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌
した後濃縮した。得られた白色固体をイソプロピルエー
テルで洗浄し、ろ過し、減圧乾燥し、次の物性値を有す
る標題化合物(39.57g)を白色結晶として得た。 TLC:Rf 0.26(ヘキサン:酢酸エチル:酢酸=1
2:4:1)。
【0107】参考例3 p−ベンジルオキシカルボニル−α−メチル桂皮酸 N
−2―エトキシカルボニルエチル−N−3―メトキシプ
ロピルアミド
【0108】
【化38】
【0109】参考例2で製造した化合物(5.58g)にチ
オニルクロライド(40ml)を室温で加えた。反応混
合物を120℃で1時間撹拌し、室温まで冷却した後、
減圧濃縮した。得られた酸クロライドの塩化メチレン
(20ml)溶液を、N−2―エトキシカルボニルエチ
ル−N−3―メトキシプロピルアミン(3.56g)の塩化
メチレン(20ml)とピリジン(20ml)の溶液に
氷冷下でゆっくり滴下した。反応混合物を室温で1時間
撹拌後、濃縮した。残渣を酢酸エチルで希釈し、氷冷し
た1N−塩酸水溶液に注ぎ込み、有機層を分離した。有
機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩
化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、減圧濃縮し、次の物性値を有する標題化合
物(5.24g)を得た。 TLC:Rf 0.47(ヘキサン:酢酸エチル=1:
2)。
【0110】参考例4 p−カルボキシ−α−メチル桂皮酸 N−2―エトキシ
カルボニルエチル−N−3―メトキシプロピルアミド
【0111】
【化39】
【0112】参考例3で製造した化合物(5.24g)のア
ニソール(44ml)溶液に、メタンスルホン酸(22
ml)を室温で加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌
した後、減圧濃縮した。残渣に氷水とエーテルを加え、
有機層を分離した。得られた有機層を水洗し、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液で抽出した。すべての水層は氷冷
下で1N−塩酸水溶液を酸性になるまで加え、この水層
を酢酸エチルで抽出した。抽出液は水、飽和塩化ナトリ
ウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィ(クロロホルム:メタノール=100:1→50:
1)によって精製し、次の物性値を有する標題化合物
(4.20g)を得た。 TLC:Rf 0.30(クロロホルム:メタノール=9:
1)。
【0113】実施例1 p−(p−アミジノフェノキシカルボニル)−α−メチ
ル桂皮酸 N−2―エトキシカルボニルエチル−N−3
―メトキシプロピルアミド・塩酸塩
【0114】
【化40】
【0115】参考例4で製造した化合物(4.20g)のピ
リジン(30ml)溶液にp−アミジノフェノール・塩
酸塩(1.92g)と1,3−ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(3.45g)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌
した後ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢
酸=50:5:1→30:3:1)によって精製し、次
の物性値を有する白色粉末の標題化合物(1.81g)を得
た。
【0116】TLC:Rf 0.60(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸=10:2:1);IR:ν 3424, 1736,
1677, 1606, 1478, 1267, 1217, 1177, 1115, 1067, 1
015 cm-1;NMR:δ 8.20 (2H, d, J=8Hz), 7.95
(2H, d, J=9Hz), 7.60-7.50 (4H, m), 6.60 (1H, br.),
4.15 (2H, q, J=7Hz), 3.75 (2H, m), 3.55 (2H, m),
3.45(2H, m), 3.30 (3H, m), 2.70 (2H, t, J=6.5Hz),
2.15 (3H, s), 1.95 (2H, m), 1.25 (3H, t, J=7Hz) 。
【0117】実施例1(a)〜1(c) 参考例2で製造した化合物を出発物質として用い、N−
2―エトキシカルボニルエチル−N−3―メトキシプロ
ピルアミンの代わりに相当するアミンを用いて、参考例
3→参考例4→実施例1と同様の操作をし、下記 に示
す本発明化合物を得た。
【0118】実施例1(a) p−(p−アミジノフェノキシカルボニル)−α−メチ
ル桂皮酸 N−エトキシカルボニルメチル−N−3―メ
トキシプロピルアミド・酢酸塩
【0119】
【化41】
【0120】TLC:Rf 0.24(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸=10:2:1);IR:ν 3257, 2982,
1741, 1673, 1608, 1479, 1409, 1264, 1211, 1176, 1
118, 1060, 1011, 883, 740 cm-1;NMR:δ 8.21
(2H, d, J=8Hz), 7.92 (2H, d, J=8Hz), 7.57 (4H, t,
J=8Hz), 6.61 and 6.70 (1H, s), 4.1-4.3 (4H, m), 3.
5-3.7 (2H, m), 3.4-3.5 (2H, m), 3.2-3.4 (3H, m),
2.09 and 2.12 (3H, s), 1.91 (3H, s), 1.8-2.0 (2H,
m), 1.29 (3H, t, J=7Hz)。
【0121】実施例1(b) p−(p−アミジノフェノキシカルボニル)−α−メチ
ル桂皮酸 N−1,1―ビス(エトキシカルボニル)メ
チル−N−3―メトキシプロピルアミド・酢酸塩
【0122】
【化42】
【0123】TLC:Rf 0.34(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸=10:2:1);IR:ν 3204, 2984,
1737, 1607, 1484, 1412, 1267, 1212, 1177, 1117, 1
069, 1015, 888, 740 cm-1;NMR:δ 8.23 (2H,
d, J=8Hz), 7.92 (2H, d, J=8Hz), 7.58 (2H, d, J=8H
z), 7.53 (2H, d, J=8Hz), 6.59 and 6.70 (1H, s), 4.
8-4.9 (1H, m), 4.27 (4H, q, J=7Hz), 3.55-3.70 (2H,
br), 3.43 (2H, t, J=7Hz), 3.26 (3H, s), 2.16 (3H,
s), 1.92 (3H, s), 1.30 (6H, t, J=7Hz)。
【0124】実施例1(c) p−(p−アミジノフェノキシカルボニル)−α−メチ
ル桂皮酸 N−エトキシカルボニルメチル−N−2―メ
トキシエチルアミド・酢酸塩
【0125】
【化43】
【0126】TLC:Rf 0.41(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸=10:2:1);IR:ν 3187, 2980,
1741, 1673, 1610, 1467, 1408, 1265, 1211, 1174, 1
118, 1059, 1012, 880, 741 cm-1;NMR:δ 8.21
(2H, d, J=8 Hz), 7.92 (2H, d, J=8 Hz), 7.65-7.50
(4H,m), 6.72 and 6.65 (1H, s, rotamer), 4.2-4.1 (4
H, m), 3.8-3.6 (2H, br), 3.6-3.5 (2H, br), 3.34 (3
H, s), 2.17 (3H, s), 1.91 (AcOH), 1.35-1.15 (3H,b
r)。
【0127】参考例5 p−メトキシカルボニル−α−メチル桂皮酸 t−ブチ
ルエステル
【0128】
【化44】
【0129】p−ベンジルオキシカルボニルベンズアル
デヒドの代わりに、p−メトキシカルボニルベンズアル
デヒドを用いて、参考例1と同様の操作をして次の物性
値を有する標題化合物を得た。 TLC:Rf 0.67(ヘキサン:酢酸エチル=4:
1)。
【0130】参考例6 p−カルボキシル−α−メチル桂皮酸 t−ブチルエス
テル
【0131】
【化45】
【0132】参考例5で製造した化合物(8.1g)のエ
タノール(60ml)溶液に5N−水酸化ナトリウム水
溶液(6ml)を氷冷下で加えた。反応混合物を室温で
一晩撹拌した後、2N−塩酸水溶液(15ml)加え、
液量が約1/2になるまで濃縮した。得られた水溶液を
酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和塩化ナトリウム水
溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃
縮し、次の物性値を有する標題化合物(7.3g)を得
た。 TLC:Rf 0.42(酢酸エチル)。
【0133】参考例7 p−(p−アミジノフェノキシカルボニル)−α−メチ
ル桂皮酸 t−ブチルエステル
【0134】
【化46】
【0135】参考例6で製造した化合物を用いて、実施
例1と同様の操作をして、次の物性値を有する標題化合
物を得た。 TLC:Rf 0.41(クロロホルム:メタノール:酢酸
=10:2:1)。
【0136】参考例8 p−(p−アミジノフェノキシカルボニル)−α−メチ
ル桂皮酸・塩酸塩
【0137】
【化47】
【0138】参考例7で製造した化合物(4.79g)のク
ロロホルム(100ml)溶液に、4N−塩酸−酢酸エ
チル溶液(50ml)とジオキサン(10ml)を加え
た。反応混合物を室温で2時間撹拌した後、濃縮した。
得られた残渣は、エーテルで洗浄後、ろ過し、乾燥し、
次の物性値を有する標題化合物(4.15g)を得た。
【0139】TLC:Rf 0.38(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸=10:2:1);NMR:δ 8.21 (2H,
d, J=8.0Hz), 7.95 (2H, d, J=8.0Hz), 7.75 (1H, s),
7.60 (2H, d, J=8.0Hz), 7.54 (2H, d, J=8.0Hz), 2.12
(3H, s)。
【0140】実施例2 p−(p−アミジノフェノキシカルボニル)−α−メチ
ル桂皮酸 N−t−ブトキシカルボニルメチル−N−3
―メトキシプロピルアミド・塩酸塩
【0141】
【化48】
【0142】参考例8で製造した化合物(3.2g)のピ
リジン(50ml)とジメチルホルムアミド(5ml)
懸濁液にN−t−ブトキシカルボニルメチル−N−3―
メトキシプロピルアミン(1.52g)のピリジン(5m
l)溶液と1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド
(2.20g)のピリジン溶液(5ml)を加えた。反応混
合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を濃縮した後、
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム:メタノール:酢酸=80:2:1→4
0:2:1→20:2:1)によって精製し、次の物性
値を有する標題化合物(683mg)を得た。
【0143】TLC:Rf 0.25(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸=20:2:1);NMR:δ 8.21 (2H,
d, J=8Hz), 7.91 (2H, d, J=8Hz), 7.65-7.50 (4H,
m), 6.70-6.60 (1H, m), 4.20-4.00 (2H, m), 3.70-3.3
0 (4H, m), 2.20-2.05 (3H, m), 1.95 (3H, s), 2.00-
1.80 (2H, m), 1.50-1.40 (9H, m)。
【0144】実施例3 p−(p−アミジノフェノキシカルボニル)−α−メチ
ル桂皮酸 N−カルボキシルメチル−N−3―メトキシ
プロピルアミド・メタンスルホン酸塩
【0145】
【化49】
【0146】実施例2で製造した化合物(683mg)
にトリフルオロ酢酸(6.5g)を室温で加え、1時間撹
拌した。反応混合物を濃縮した後、エーテルを加え、結
晶化させ、標題化合物のトリフルオロ酢酸塩を得た。得
られた塩の酢酸(8ml)溶液に室温で、メタンスルホ
ン酸(0.1ml)を加えた。反応混合物を室温で30分
間撹拌した後、濃縮した。残渣の水(5ml)溶液を凍
結乾燥して、次の物性値を有する標題化合物(286m
g)を得た。
【0147】TLC:Rf 0.13(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸=20:2:1);IR:ν 3500-2700,
1742, 1693, 1606, 1482, 1206, 1062, 1016, 891, 78
9, 537 cm-1;NMR:δ 8.25-8.12 (2 H, m), 7.90
(2 H, d, J = 8 Hz), 7.60-7.45 (4 H, m), 6.71 (1
H, bs), 4.03 (2 H, s), 3.70-3.25 (7 H, m), 2.70 (3
H, s),2.17-2.05 (3 H, m), 2.00-1.80 (2 H, m)。
【0148】
【製剤例】
製剤例1 以下の各成分を常法により混合した後打錠して、一錠中
に50mgの活性成分を含有する錠剤100錠を得た。 ・p−(p−アミジノフェノキシカルボニル)−α−メ
チル桂皮酸 N−カルボキシルメチル−N−3―メトキ
シプロピルアミド・メタンスルホン酸塩…………………
……………… 5.0g ・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤)
……………… 0.2g ・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤) ………………
……………… 0.1g ・微結晶セルロース ………………………………………
……………… 4.7g
【0149】製剤例2 以下の各成分を常法により混合した後、溶液を常法によ
り滅菌し、5mlずつアンプルに充填し、常法により凍
結乾燥し、1アンプル中20mgの活性成分を含有する
アンプル100本を得た。 ・p−(p−アミジノフェノキシカルボニル)−α−メ
チル桂皮酸 N−カルボキシルメチル−N−3―メトキ
シプロピルアミド・メタンスルホン酸塩…………………
…………… 2.00g ・マンニトール ……………………………………………
…………… 20g ・蒸留水 ……………………………………………………
…………… 1000ml

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 [式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立して、(i)
    水素原子、(ii) C1〜4のアルキル基、(iii) C
    1〜4のアルコキシ基、(iv) C2〜5のアシル基、
    (v) ハロゲン原子、(vi) ニトロ基、(vii) ベン
    ゾイル基、または(viii) COOR4 基(基中、R4
    C1〜3のアルキル基を表わす。)を表わし;Aは単結
    合、C1〜4のアルキレン基、または 【化2】 (基中、R5 およびR6 は、それぞれ独立して、水素原
    子、またはC1〜4のアルキル基を表わす。)を表わ
    し;R3 は 【化3】 (基中、R7 およびR8 は、それぞれ独立して (1) 水素原子、 (2) フェニル基、 (3) C7〜10のフェニルアルキル基、 (4) C1〜4のアルキル基、ハロゲン原子およびR11
    COOR12基から任意に選ばれる1〜2個の置換基で置
    換されたフェニル基またはC7〜10のフェニルアルキ
    ル基(基中、R11は[1] 単結合、[2] C1〜8のアルキ
    レン基、[3] C2〜8のアルケニレン基、または[4] C
    2〜8のアルキニレン基を表わし;R12は[1] 水素原
    子、[2] C1〜4のアルキル基、[3] C7〜10のフェ
    ニルアルキル基、[4] フェニル基、[5] アリル基、また
    は[6] プロパルギル基を表わす。)、 (5) C1〜10のアルキル基、 (6) 二重結合を1〜3個有するC2〜10のアルケニル
    基、 (7) 三重結合を1〜2個有するC2〜10のアルキニル
    基、 (8) R11a −COXR12基(基中、R11a は[1] 単結
    合、[2] C1〜8のアルキレン基、[3] 主鎖中の1また
    は2個の炭素原子がイオウ原子、またはイオウ原子およ
    びフェニレン基で置換されたC2〜8のアルキレン基、
    [4] C2〜8のアルケニレン基、[5] 主鎖中の1または
    2個の炭素原子がイオウ原子、またはイオウ原子および
    フェニレン基で置換されたC4〜8のアルケニレン基、
    [6] C2〜8のアルキニレン基、または[7] 主鎖中の1
    または2個の炭素原子がイオウ原子、またはイオウ原子
    およびフェニレン基で置換されたC4〜8のアルキニレ
    ン基を表わし、Xは酸素原子またはNH基を表わし、R
    12は前記と同じ意味を表わす。)、 (9) 1個の窒素原子を含む7〜14員の2または3環式
    ヘテロ環で置換されたC1〜4のアルキル基、 (10) C3〜7のシクロアルキル基、または (11) C1〜4のアルコキシ基が置換したC1〜6のア
    ルキル基を表わし;R9 は(1) 水素原子、(2) C1〜8
    のアルキル基、(3) C7〜10のフェニルアルキル基、
    (4) 二重結合を1〜3個有するC2〜10のアルケニル
    基、(5) 三重結合を1〜2個有するC2〜10のアルキ
    ニル基、(6) R11−COOR12基(基中、R11およびR
    12は前記と同じ意味を表わす。)、(7) C3〜7のシク
    ロアルキル基、または(8) C1〜4のアルコキシ基が置
    換したC1〜6のアルキル基を表わす。)で示される基
    を表わす。ただし、R7 、R8 およびR9 のうち少なく
    ともひとつの基がC1〜4のアルコキシ基が置換したC
    1〜6のアルキル基を表わすものとし、かつR7 とR8
    は同時に水素原子を表わさないものとし、かつR7 、R
    8 およびR9 のうち少なくともひとつの基がt−ブチル
    エステル基を含有する基を表わすとき、他の基はカルボ
    キシ基を含有する基を表わさないものとする。]で示さ
    れる化合物またはそれらの酸付加塩。
  2. 【請求項2】 一般式(I-A) 【化4】 [式中、R1AおよびR2Aは、それぞれ請求項第1項記載
    のR1 およびR2 と同じ意味を表わし;R3Aは 【化5】 (基中、R7AおよびR8Aは、それぞれ独立して(1) 1〜
    2個のR11−COOR12基で置換されたフェニル基また
    はC7〜10のフェニルアルキル基(基中、R11および
    12は請求項第1項記載と同じ意味を表わす。)、(2)
    11a −COXR12基(基中、R11a 、R12およびXは
    請求項第1項記載と同じ意味を表わす。)、または(3)
    C1〜4のアルコキシ基が置換したC1〜6のアルキル
    基を表わし;R9Aは(1) 水素原子、(2) R11−COOR
    12基(基中、R11およびR12は請求項第1項記載と同じ
    意味を表わす。)、または(3) C1〜4のアルコキシ基
    が置換したC1〜6のアルキル基を表わす。)を表わ
    し;他の記号は請求項第1項記載と同じ意味を表わす。
    ただし、R7A、R8AおよびR9Aのうち少なくともひとつ
    の基がC1〜4のアルコキシ基が置換したC1〜6のア
    ルキル基を表わすものとし、かつR7A、R8AおよびR9A
    のうち少なくともひとつの基がt−ブチルエステル基を
    含有する基を表わすとき、他の基はカルボキシ基を含有
    する基を表わさないものとする。]で示される化合物で
    ある請求項第1項記載の化合物またはそれらの酸付加
    塩。
  3. 【請求項3】 請求項第1項記載の一般式(I)で示さ
    れる化合物の酸付加塩。
  4. 【請求項4】 R3 が 【化6】 (基中、R7 およびR8 は請求項第1項記載と同じ意味
    を表わす。)である請求項第1項記載の化合物。
  5. 【請求項5】 R3 が 【化7】 (基中、R7 、R8 およびR9 は請求項第1項記載と同
    じ意味を表わす。)である請求項第1項記載の化合物。
  6. 【請求項6】 R7 およびR8 のいずれか一方が、 (1) R11a −COXR12基(基中、R11a 、R12および
    Xは請求項第1項記載と同じ意味を表わす。)、または (2) C1〜4のアルコキシ基が置換したC1〜6のアル
    キル基を表わし;R9 が (1) R11−COOR12基(基中、R11およびR12は請求
    項第1項記載と同じ意味を表わす。)、または (2) C1〜4のアルコキシ基が置換したC1〜6のアル
    キル基である請求項第1項記載の化合物。
  7. 【請求項7】 化合物が、p−(p−アミジノフェノキ
    シカルボニル)−α−メチル桂皮酸 N−2―エトキシ
    カルボニルエチル−N−3―メトキシプロピルアミド、
    p−(p−アミジノフェノキシカルボニル)−α−メチ
    ル桂皮酸 N−エトキシカルボニルメチル−N−3―メ
    トキシプロピルアミド、p−(p−アミジノフェノキシ
    カルボニル)−α−メチル桂皮酸 N−1,1―ビス
    (エトキシカルボニル)メチル−N−3―メトキシプロ
    ピルアミド、p−(p−アミジノフェノキシカルボニ
    ル)−α−メチル桂皮酸 N−t−ブトキシカルボニル
    メチル−N−3―メトキシプロピルアミド、p−(p−
    アミジノフェノキシカルボニル)−α−メチル桂皮酸
    N−カルボキシルメチル−N−3―メトキシプロピルア
    ミド、またはp−(p−アミジノフェノキシカルボニ
    ル)−α−メチル桂皮酸 N−エトキシカルボニルメチ
    ル−N−2―メトキシエチルアミドである請求項第1項
    記載の化合物。
  8. 【請求項8】 請求項第1項記載の一般式(I)で示さ
    れる化合物またはそれらの酸付加塩を有効成分として含
    有する、炎症性疾患、アレルギー疾患、汎発性血管内血
    液凝固症、膵炎、その重症化または多臓器障害の予防お
    よび/または治療剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2006057152A1 (ja) * 2004-11-08 2008-06-05 小野薬品工業株式会社 タンパク質分解酵素阻害化合物からなる糖尿病治療剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2006057152A1 (ja) * 2004-11-08 2008-06-05 小野薬品工業株式会社 タンパク質分解酵素阻害化合物からなる糖尿病治療剤

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