JPH07205864A - 折り畳み自転車用フレーム体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 規則性を維持しつつ各構成部品を簡単に折り
畳めるようにする。 【構成】 折り畳み自転車用フレーム体２は、ヘッドパ
イプ１０と上リンク１１と下リンク１２と立パイプ１３
とスライド部材２０とストッパー部３０と後フォーク１
４と前リンク１５と後リンク１６とを備えている。上リ
ンク１１は、一端がヘッドパイプ１０の上部に回動自在
に連結され、下リンク１２は、上リンク１１と平行に延
び、一端がヘッドパイプ１０の下部に回動自在に連結さ
れている。立パイプ１３は、上端にサドル２７が配置可
能であり、下端にハンガー部２１が形成されている。ス
ライド部材２０は、立パイプ１３に摺動可能に支持さ
れ、上リンク１１及び下リンク１２の他端が回動自在連
結されている。ストッパー部３０は、スライド部材２０
を立パイプ１３に解除自在にロックする。後フォーク１
４は、一端がスライド部材２０に回動自在に連結され他
端に後輪が支持される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自転車用フレーム体、
特に、コンパクトに折り畳み得る折り畳み自転車用フレ
ーム体に関する。

【０００２】

【従来の技術】折り畳み自転車は、持ち運びの際や不要
時に簡単かつ容易に折り畳むことができるものであり、
コンパクトな収納が可能となるようにしたものである。
この種の折り畳み自転車のフレーム体として、米国特許
第４，２９６，９４０号に開示された折り畳み式自転車
が知られている。

【０００３】この折り畳み式自転車は、途中に屈曲可能
なヒンジ部を有する立パイプと、立パイプのヒンジ部上
方を摺動可能なブラケットと、ブラケットとヘッドパイ
プとを繋ぐ２本の上リンク部材と、ブラケットから後輪
車軸に延びる後輪支持用の後フォークと、立パイプの基
端部とヘッドパイプ及び後輪車軸とをそれぞれ結ぶ下リ
ンク部材とを備えている。ヘッドパイプと後輪車軸と
は、立パイプを中心にした三角フレーム構造で各リンク
部材及び後フォークによって連結されている。この折り
畳み式自転車では、立パイプを上方に引き上げて、前輪
と後輪とが隣接するまでフレームを折り畳み、最後に上
方に突出した立パイプをヒンジ部分で折り曲げることで
折り畳みを完成する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成では、
フレームを折り畳む際に、まず立パイプを引き上げ、そ
の後に突出した立パイプをヒンジ部分で折り曲げるとい
う２段階の折り畳み操作が必要である。またその前に、
ハンドルを１８０°回転させたりサドルを折り曲げたり
する操作も必要である。このように、折り畳みを行う場
合に多くの操作が必要であり、折り畳み動作が煩雑であ
る。また、立パイプの折り曲げやハンドルの折り曲げが
ばらばらに行われるので、それらが不意に折れ曲がるこ
とがある。

【０００５】本発明の目的は、規則性を維持しつつ簡単
に各構成部品を折り畳めるようにすることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係る折り畳み自
転車用フレーム体は、ヘッドパイプと上リンク部材と下
リンク部材と立パイプとスライド部材とロック機構と後
フォークと前リンク部材と後リンク部材とを備えてい
る。ヘッドパイプには前輪を支持する前フォークが装着
されている。上リンク部材は、一端がヘッドパイプの上
部に回動自在に連結されている。下リンク部材は、上リ
ンク部材と概ね平行に延びており、一端がヘッドパイプ
の下部に回動自在に連結されている。立パイプは、上端
にサドルが配置可能であり、下端にハンガー部が形成さ
れている。スライド部材は、立パイプに摺動可能に支持
され、上リンク部材及び下リンク部材の他端が回動自在
に連結されている。ロック機構は、スライド部材を立パ
イプに解除自在にロックする。後フォークは、一端がス
ライド部材に回動自在に連結され他端に後輪が支持され
る。前リンク部材は、一端が下リンク部材の中間部に、
他端が立パイプの下端部にそれぞれ回動自在に連結され
ている。後リンク部材は、一端が後フォークの中間部
に、他端が立パイプの下端部にそれぞれ回動自在に連結
されている。

【０００７】

【作用】本発明に係る折り畳み自転車用フレーム体で
は、走行姿勢から折り畳む場合は、まず、スライド部材
と立パイプとのロックを解除し、スライド部材を立パイ
プに沿って上昇させる。すると、上下のリンク部材と後
フォークとがスライド部材を中心に徐々に上方に折れ曲
がり、それにつれて前後のリンク部材も下方に折れ曲が
る。そして前輪と後輪とが立パイプに接近しフレーム体
が折り畳まれる。なお、前輪と後輪とを接近させても上
下のリンク部材と後フォークとが上方に折れ曲がり、フ
レーム体を折り畳める。

【０００８】一方、折り畳み姿勢からスライド部材を立
パイプに沿って下降させると、上下のリンク部材と後フ
ォークとがスライド部材を中心に徐々に開き、それにつ
れて前後のリンク部材も開く。この結果、前輪と後輪と
が立パイプから離反して走行姿勢になる。また、前輪と
後輪とを離反させても同様にフレーム体を走行姿勢にで
きる。

【０００９】ここでは、スライド部材を上下させるだけ
で簡単に折り畳むことができる。また、折り畳み時に
は、各構成部品が連動するので、動きに規則性があり安
全である。

【００１０】

【実施例】図１において、本発明の一実施例を採用した
自転車１は、折り畳み可能なフレーム体２を備えてい
る。フレーム体２の前部には、ハンドルポスト３及びハ
ンドルポスト３に連結された前フォーク４が回動自在に
装着されている。前フォーク４の先端には、前輪５のハ
ブ軸５ａが支持されている。フレーム体２の後部には、
後輪６のハブ軸６ａが支持されている。

【００１１】フレーム体２は、ヘッドパイプ１０と上リ
ンク１１と下リンク１２と立パイプ１３と左右１対の後
フォーク１４と前リンク１５と左右１対の後リンク１６
とから主に構成されている。ヘッドパイプ１０にはハン
ドルポスト３及び前フォーク４が回動自在に連結されて
おり、上部及び下部に水平軸回りのヒンジ部１０ａ，１
０ｂが設けられている。ハンドルポスト３の上端にはハ
ンドル１７が固定されている。

【００１２】上リンク１１及び下リンク１２は概ね同長
のパイプ状の部材であり、概ね平行に配置されている。
両リンク１１，１２の一端は、それぞれヘッドパイプ１
０の上ヒンジ１０ａ及び下ヒンジ１０ｂに回動自在に連
結されている。立パイプ１３はハンドルポスト３と概ね
平行に配置されている。立パイプ１３には、スライド部
材２０が摺動自在に配置されている。スライド部材２０
には、上下に間隔を隔てて上ヒンジ２０ａ及び下ヒンジ
２０ｂが設けられている。上ヒンジ２０ａには上リンク
１１の他端が、下ヒンジ２０ｂには下リンク１２の他端
がそれぞれ回動自在に連結されている。また上ヒンジ２
０ａには、後フォーク１４の一端も回動自在に連結され
ている（図４参照）。

【００１３】立パイプ１３の下端にはハンガー部２１が
形成されている。ハンガー部２１は、後輪６との間に架
け渡されたベルトまたはチェーン２２を駆動するギアク
ランク２３を回動自在に支持する。立パイプ１３におい
て、ハンガー部２１の上方にはヒンジ２４（図２参照）
が設けられている。また、下リンク１２の中間下部には
ヒンジ２５（図２参照）が設けられている。これらのヒ
ンジ２４，２５には前リンク１５の両端が回動自在に連
結されている。また、１対の後フォーク１４の中間部に
は、１対のヒンジ２６がそれぞれ設けられている。１対
の後リンク１６はそれぞれパイプ状の部材から構成され
ており、ヒンジ２４，２６には後リンク１６の両端が回
動自在に連結されている（図３参照）。

【００１４】立パイプ１３の上端にはサドル２７を固定
したシートポスト２８が摺動可能に固定されている。ま
た、立パイプ１３のヒンジ２４の上方には、固定ストッ
パー２９（図５参照）が形成されている。固定ストッパ
ー２９は立パイプ１３の外径より大きい部材であり、ス
ライド部材２０のそれより下方への移動を規制する。ま
た、立パイプ１３において、固定ストッパー２９の上方
には、スライド部材２０の上方への移動を規制する進出
自在なストッパー部３０が配置されている。

【００１５】ストッパー部３０は、スライド部材２０が
固定ストッパー２９に当接しているときに、スライド部
材２０の上端を規制できる位置に配置されている。スト
ッパー部３０は、図５に示すように、立パイプ１３内に
径方向に移動自在に支持された出没ピン３０ａと、出没
ピン３０ａの後端と立パイプ１３の内壁との間に圧縮状
態で配置されたバネ３０ｂとを有している。出没ピン３
０ａの先端は小径であり、立パイプ１３内には、先端に
係合する孔１３ａが形成されている。この結果、出没ピ
ン３０ａの先端は、バネ３０ｂに付勢されて常に立パイ
プ１３から突出している。

【００１６】一方、スライド部材２０には、図５に示す
ように、出没ピン３０ａを伸退させるとともにスライド
部材２０を上下させるためのレバー３１が回動自在に設
けられている。このレバー３１の先端には、出没ピン３
０ａの先端に当接可能な押圧部３１ａが設けられてい
る。このレバー３１を上方に回動することにより押圧部
３１ａが出没ピン３０ａに当接して出没ピン３０ａを立
パイプ１３内に退入可能である。

【００１７】後フォーク１４の先端には後輪６のハブ軸
６ａが挟持されている。図１手前側の後フォーク１４の
先端とヒンジ２６との間には、フレーム折り畳み時にお
けるベルト外れを防止するための緊張機構３２が設けら
れている。緊張機構３２は、後フォーク１４に一端が旋
回自在に支持されたアーム３３と、アーム３３の先端に
回転自在に支持されたローラ３４と、アーム３３を上方
に付勢するバネ３５とを有している。このローラ３４が
ベルトまたはチェーン２２の外周に接触しベルトまたは
チェーン２２を緊張させる。

【００１８】次に、上述の実施例の折り畳み時及び展開
時の操作について説明する。自転車１を折り畳む際に
は、まず、図５に示すように、レバー３１を把持して上
方に回動することでストッパー部３０の出没ピン３０ａ
を立パイプ１３内に押し込み、スライド部材２０のロッ
クを解除する。そして、レバー３１を持ってスライド部
材２０を立パイプ１３に沿って上昇させる。すると、上
リンク１１と後フォーク１４とがスライド部材２０の上
昇につれて上方に折れ曲がる。また下リンク１２も同様
に折れ曲がる。これとともに、前リンク１５及び後リン
ク１６も折り畳まれ、前輪５と後輪６とが接近する。こ
の結果、図６に示すように、フレーム体２が折り畳まれ
る。このとき、後輪６と立パイプ１３との接近によりハ
ンガー部２１と後輪６とが接近し、ベルトまたはチェー
ン２２が緩むが、緊張機構３２によりベルトまたはチェ
ーン２２は緊張状態に維持され、ギアクランク２３から
ベルトまたはチェーン２２が外れない。

【００１９】逆に、スライド部材２０を固定ストッパー
２９に当接するまで押し下げると、これに伴って上下リ
ンク１１，１２と後フォーク１４及び前後リンク１５，
１６がそれぞれ押し広がり、前輪５と後輪６とが離れて
図１に示すように使用可能状態になる。ここでは、スラ
イド部材２０を上下させるだけでフレーム体２を簡単に
折り畳むことができる。また、折り畳み時には、各構成
部品の動きに規則性があり安全である。

【００２０】

【発明の効果】本発明に係る折り畳み自転車用フレーム
体では、スライド部材を上下させるだけで簡単に折り畳
むことができる。また、折り畳み時には、各構成部品の
動きに規則性があり安全である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を採用した折り畳み自転車の
側面図。

【図２】図１のII矢視図。

【図３】図１のIII 矢視図。

【図４】図１のIV矢視図。

【図５】折り畳み時のスライド部材の操作状態を示す側
面部分図。

【図６】折り畳み状態を示す側面図。

【符号の説明】

１ 自転車 ２ フレーム体 ４ 前フォーク ５ 前輪 ６ 後輪 １０ ヘッドパイプ １１ 上リンク １２ 下リンク １３ 立パイプ １４ 後フォーク １５ 前リンク １６ 後リンク ２１ ハンガー部 ２７ サドル ３０ ストッパー部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】前輪を支持する前フォークが装着されるヘ
   ッドパイプと、 一端が前記ヘッドパイプの上部に回動自在に連結された
   上リンク部材と、 前記上リンク部材と平行に延び、一端が前記ヘッドパイ
   プの下部に回動自在に連結された下リンク部材と、 上端にサドルが配置可能であり、下端にハンガー部が形
   成された立パイプと、 前記立パイプに摺動可能に支持され、前記上リンク部材
   及び下リンク部材の他端が回動自在に連結されたスライ
   ド部材と、 前記スライド部材を前記立パイプに解除自在にロックす
   るロック機構と、 一端が前記スライド部材に回動自在に連結され、他端に
   後輪が支持される後フォークと、 一端が前記下リンク部材の中間部に、他端が前記立パイ
   プの下端部にそれぞれ回動自在に連結された前リンク部
   材と、 一端が前記後フォークの中間部に、他端が前記立パイプ
   の下端部にそれぞれ回動自在に連結された後リンク部材
   と、を備えた折り畳み自転車用フレーム体。