JPH07204802A - 連続鋳造法 - Google Patents

連続鋳造法

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JPH07204802A
JPH07204802A JP372694A JP372694A JPH07204802A JP H07204802 A JPH07204802 A JP H07204802A JP 372694 A JP372694 A JP 372694A JP 372694 A JP372694 A JP 372694A JP H07204802 A JPH07204802 A JP H07204802A
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裕計 近藤
Hirohisa Nakajima
廣久 中島
Hironori Yamamoto
裕則 山本
Masayuki Mukoyama
正幸 向山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビレットまたはブルーム鋳片の小断面連続鋳
造において、1タンディッシュで400分を越える長時
間鋳造を可能にする。 【構成】 Alキルド溶鋼とSiキルド溶鋼とを同一タ
ンディッシュを使用して鋳造する小断面連続鋳造法にお
いて、Siキルド溶鋼では、鋳造開始直前において、少
量のアルミニウムを添加した後、取鍋底部よりアルゴン
ガスを吹き込み弱攪拌して溶存酸素濃度を適正範囲にコ
ントロールする。一方、ストッパー及び浸漬ノズルはア
ルミナ・カーボン質耐火物とし、ストッパー先端部と浸
漬ノズル上部はジルコニア・カーボン質またはマグネシ
ア・カーボン質耐火物として構成されるタンディッシュ
を使用して、断面積が1200cm2 以下であるモール
ドへAlキルド溶鋼とSiキルド溶鋼を注湯する連続鋳
造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、小断面サイズのビレ
ットまたはブルーム鋳片を製造する連続鋳造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、モールド断面積が110cm
2 〜1200cm2 (円形モールドでは直径12cm〜
39cmに相当)である小断面サイズのビレットまたは
ブルーム連続鋳造(以下、小断面連続鋳造と略す)にお
いて、アルミキルド溶鋼(以下、Alキルド溶鋼とい
う)又はシリコンを主体に脱酸された溶鋼(以下、Si
キルド溶鋼と略す)を単独で長時間鋳造する場合、次に
述べるような技術が知られている。
【0003】Alキルド溶鋼の鋳造では、ストッパー先
端、浸漬ノズル、上部上ノズル等の溶鋼流による損傷の
激しい溶鋼流量調節部位に、耐磨耗性に優れたZrO2
・カーボン質、MgO・カーボン質等の耐火物が使用さ
れる。この理由は、ZrO2、MgOがCaOとの間で
低融点化合物を作らないため、後述するノズル閉塞防止
対策としてCaを添加したAlキルド溶鋼流に対して高
い耐磨耗性能を発揮し、当該部位は損傷を受け難くな
り、その結果、モールド湯面自動制御特性が劣化するこ
とがなく、長時間鋳造が可能となるからである。
【0004】また、小断面連続鋳造では、浸漬ノズル等
より吹き込まれたガスがモールド湯面を暴れさせ、湯面
制御性を劣化させたり、モールドパウダーを巻き込んで
しまい表面欠陥やブレークアウト等の事故を引き起こ
す。このため、浸漬ノズルへの不活性ガス吹き込み技術
は適用できず、Al2 3 系脱酸生成物が浸漬ノズル内
面に付着してノズル閉塞を起こす。この対策として、溶
鋼中にCaを添加する技術が適用される。このCa添加
技術は、特公平3−51767号公報等で開示されてい
るように、添加したCaと鋼中酸素との反応により生成
したCaOとAl 2 3 系脱酸生成物とが反応し、低融
点化合物(CaO)m・(Al2 3 )nが溶鋼中で生
成するので、高融点のAl2 3 が単体で付着すること
がない。この結果、不活性ガス吹き込み技術を使用する
ことなくノズル閉塞を防止することができる。
【0005】一方、Siキルド溶鋼の鋳造では、高アル
ミナ質耐火物(以下、高Al2 3質耐火物という)が
前述した溶鋼流量調節部位に使用される。当該耐火物は
カーボンを含有しないので、Siキルド溶鋼中の溶存酸
素と反応することがない。従って、溶鋼流による損傷
(ノズル溶損)が抑制され、長時間鋳造が達成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】Alキルド溶鋼とSi
キルド溶鋼とを同一タンディッシュを使用して連々鋳す
る小断面連続鋳造法において、以下の問題点がある。C
a添加を前提とするAlキルド溶鋼の鋳造では、前述し
たように溶鋼流量調節部位に、ZrO2 ・カーボン質、
MgO・カーボン質耐火物を使用する。しかし、これら
耐火物は、スポーリング防止を目的としてカーボンを数
%〜20数%含有する。一般に、溶存酸素を30〜50
ppmと多量に含有するSiキルド溶鋼にこれら耐火物
を適用すると、耐火物表層のカーボンは溶存酸素と以下
の(1)式に従って酸化される。 C(カーボン) + O → COガス (1)
【0007】ここで、生成したCOガスはこれら耐火物
表層から抜け出てしまい、カーボン粒子の空孔が生じ、
ZrO2 、MgO粒子間の結合力は弱まる。この結果、
溶鋼流による機械的磨耗との相乗効果により前述の部位
は容易に磨耗損傷するので、Alキルド溶鋼の鋳造にお
いて使用されるZrO2 ・カーボン質、MgO・カーボ
ン質耐火物をSiキルド溶鋼の長時間鋳造には適用出来
ないという問題が生ずる。
【0008】一方、大量の溶存酸素を含有するSiキル
ド溶鋼の鋳造では、溶鋼流量調節部位に、高Al2 3
質耐火物を使用して400分を越える長時間鋳造が可能
である。しかし、高Al2 3 質耐火物をCa添加した
Alキルド溶鋼の鋳造に適用すると、当該耐火物表層部
(溶鋼との稼働面)に低融点化合物(CaO)m・(A
2 3 )nが生成する。この低融点化合物は溶鋼流に
よる機械的磨耗によって容易に損傷されるので、モール
ド湯面変動増大による品質低下や溶鋼が止まらないトラ
ブルを招く。従って、高Al2 3 質耐火物をAlキル
ド溶鋼に適用する技術は、スライディングノズル方式に
よる大断面スラブ連鋳には適用できても、ストッパー方
式による小断面かつ400分を越える長時間鋳造には適
用出来ないという問題が生じる。
【0009】加えて、Siキルド溶鋼では、一般に、シ
リコン含有合金鉄の他に、脱酸効率向上の観点から少量
のアルミニウムが脱酸剤として使用されるので、50p
pm以下の可溶性アルミニウムを含有する。この結果、
Alキルド溶鋼と同様に、上記可溶性アルミニウムの酸
化及びAl2 3 系脱酸生成物によるノズル閉塞も発生
する。
【0010】本発明は、上記問題点を解決するために提
案されたものであって、適切な耐火物と鋳造条件を選択
することにより、同一タンディッシュ耐火物を使用して
Alキルド溶鋼とSiキルド溶鋼を連々鋳し、加えて、
ノズル閉塞やノズル溶損の影響を敏感に受ける耐火物製
ストッパーを使用して鋳造する小断面連続鋳造法におい
て、安定的かつ信頼性の高い長時間鋳造技術を提供する
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】断面積が1200cm2
以下のモールドを使用し、アルミキルド溶鋼とシリコン
を主体に脱酸された溶鋼を同一タンディッシュを使用し
て鋳造する連続鋳造法において、(イ)溶鋼流量調節部
位がジルコニア・カーボン質耐火物又はマグネシア・カ
ーボン質耐火物から成り、その他の主要部位がアルミナ
・カーボン質耐火物から成るストッパーと、溶鋼流量調
節部位がジルコニア・カーボン質耐火物、マグネシア・
カーボン質耐火物又は高アルミナ質耐火物から成り、そ
の他の主要部位がアルミナ・カーボン質耐火物から成る
浸漬ノズルを有するタンディッシュを使用し、(ロ)シ
リコンを主体に脱酸された溶鋼はその鋳造開始直前に、
少量のアルミニウムを溶鋼内に添加された後、取鍋底部
に装着されたポーラスプラグよりアルゴンガスを0.5
〜1.5Nl/ton・minの流量速度で3分間以上
吹き込み攪拌され、(ハ)上記攪拌終了後の溶鋼中の可
溶性アルミニウムを50ppm以下に、溶存酸素濃度
を、マンガン含有量が0.8重量%未満の溶鋼では20
〜28ppm、マンガン含有量が0.8重量%以上の溶
鋼では20〜24ppmに、それぞれ調整することを特
徴とする連続鋳造法である。
【0012】
【作用】本発明では、ストッパー先端部の溶鋼流量調節
部位をZrO2 ・カーボン質、MgO・カーボン質耐火
物で構成し、浸漬ノズル上部、浸漬ノズル上部に装着さ
れた上ノズルの溶鋼流量調節部位をZrO2 ・カーボン
質、MgO・カーボン質、高Al2 3 質の耐火物で構
成して、Alキルド溶鋼とSiキルド溶鋼を同一タンデ
ィッシュを使用して鋳造する。
【0013】ZrO2 ・カーボン質及びMgO・カーボ
ン質耐火物は、前述したように、高強度で、耐磨耗性、
耐衝撃性、耐食性に優れ、CaOと反応して低融点化合
物を作らないので、Caを添加したAlキルド溶鋼の長
時間鋳造が達成できる。また、当該耐火物は、後述する
ように、マンガン含有量0.8重量%未満のSiキルド
溶鋼中の溶存酸素濃度を、20〜28ppmの範囲に低
くかつ狭くコントロールすることにより、前述の(1)
式の反応を低く押さえられるので、Siキルド溶鋼の長
時間鋳造が達成できる。溶存酸素濃度を20ppmより
低くすると、(1)式の反応は更に起きにくくなるの
で、Siキルド溶鋼中のAl2 3 系脱酸生成物や可溶
性Alの酸化によるAl2 3 生成によってノズル閉塞
を招き、長時間鋳造が達成できなくなる。28ppmよ
り高くすると、反対に(1)式の反応は増大するので、
短時間でノズル溶損を招き、この場合も長時間鋳造が達
成できなくなる。
【0014】そして、マンガン含有量が0.8重量%以
上の溶鋼では20〜24ppmの範囲にコントロールす
る。上限酸素濃度目標値を下げることにより、(1)式
の反応が低く押さえらるので、溶鋼流による損傷磨耗の
大きい上記溶鋼でも、マンガン含有量0.8重量%未満
の溶鋼と同等の損傷となって長時間鋳造が可能となる。
【0015】高Al2 3 質耐火物は、前述したように
カーボンを含有しないので、溶存酸素濃度を含有するS
iキルド溶鋼の長時間鋳造が達成できる。また、当該耐
火物は、CaOと反応して低融点化合物を作り、磨耗損
傷を受けやすい。しかし、ストッパー先端部に適用した
場合に比べ、浸漬ノズル上部、上ノズル等に適用した場
合、これら溶鋼流量調節部位が損傷によって生じる溶鋼
流量制御特性への影響が小さいので、当該耐火物をこれ
ら部位に適用してもCaを添加したAlキルド溶鋼の長
時間鋳造が達成できる。
【0016】ストッパー胴体および浸漬ノズル本体は、
Al2 3 ・カーボン質耐火物で構成され、当該耐火物
は10〜30重量%程度のカーボンを含有する。このた
め、ストッパー胴体および浸漬ノズル本体等のように、
製品を大型化、長尺化してもヒートクラックが発生し難
く、高い耐スポーリング性が得られるので、長時間鋳造
が達成できる。
【0017】更に、本発明では、鋳造直前に、転炉出鋼
後のSiキルド溶鋼中に少量のAlを添加した後、鍋底
に配設したポーラスプラグよりアルゴンガスを0.5〜
1.5Nl/ton・minの低い流量速度で3分間、
望ましくは5分間以上流して攪拌した後、溶存酸素濃度
は前述の適正範囲にコントロールされる。上記流量速度
は、投入されたAlを溶解し鍋内で均一混合させるのに
必要な攪拌力しか溶鋼に与えることがないので、Mn
O、FeO等を含有する取鍋内酸化性スラグと溶鋼との
スラグ−メタル間反応は押さえられる。この結果、溶解
されたAlは上記酸化性スラグによって再酸化すること
なく、容易にAl−酸素平衡値に到達するので、溶存酸
素濃度は上記狭い範囲に安定してコントロールされる。
【0018】同時に、上記流量速度は、ポーラスプラグ
直上で溶鋼はスラグに覆われるか、僅かに裸湯となる程
度の穏やかな攪拌を溶鋼に与えるので、溶鋼中の可溶性
Alは空気酸化されず、また、前記酸化性スラグとの反
応によるAl2 3 の生成も防止できるので、これによ
るノズル閉塞を防止でき長時間鋳造が可能となる。
【0019】溶存酸素濃度は、鋳造直前に、上記適正範
囲にコントロールされると、前述のスラグ−メタル間反
応は押さえれ、溶存酸素濃度は変動する余裕が与えられ
ず、適正範囲のまま鋳造されるので、(1)式の反応を
押さえる作用が得られる。
【0020】
【実施例】図1は、丸ビレット連続鋳造機における鋳造
状況を示す。ここで、1は取鍋、2はロータリーノズ
ル、3はコレクターノズル、4はエアーシールパイプ、
5はタンディッシュ、6は溶鋼、7は堰、8はガス吹き
込み用配管、9はポーラスプラグ、11はストッパー、
12はストッパー先端部、13は浸漬ノズル、14は上
ノズル、31は支持アーム、32はステッピングシリン
ダ、33は湯面検出器(渦流式センサー)34は支持ア
ーム、35はモールド、36は凝固シェル、37はガイ
ドロールである。
【0021】取鍋1内には、容量250tonのAlキ
ルド溶鋼またはSiキルド溶鋼があり、その溶鋼高さは
2800mmである。また、鍋底にポーラスプラグ9が
装着されている。本実施例および比較例では、転炉出鋼
後バブリング処理場で、Alキルド溶鋼中にCaが添加
され、処理後溶鋼中の全Ca量を10〜30ppm範囲
とした。一方、Siキルド溶鋼では、前記処理場到着時
点の溶存酸素濃度に基き、0〜40KgのAlが添加さ
れ、処理後溶存酸素濃度は所定範囲に調整された。
【0022】取鍋1とタンディッシュ5間で可溶性Al
の空気酸化を防止するため、溶鋼は耐火物製のエアーシ
ールパイプ4内を通過してタンディッシュ5内に浸漬し
て供給される。エアーシールパイプ4はコレクターノズ
ル3の下端に対して、エアーシリンダー等によって上方
に押し付け接合される。この接合部からの空気巻き込み
による空気酸化を防止するため、接合部に向かってガス
吹き込み用配管8よりアルゴンガスが吹き込まれる。A
2 3 脱酸生成物はタンディッシュ5内で浮上できる
様、堰7によって溶鋼に上向き流が与えられ、Al2
3 付着によるノズル閉塞を防止できる。
【0023】また、ストッパー11は上ノズル14の直
上に配置され、ステッピングシリンダ32により上下方
向に駆動される。ステッピングシリンダ32は従来の油
圧系駆動装置に比べ、機械的なガタ(遊び)がなく、ス
トッパー11の移動距離を高精度かつ高応答速度に制御
できる特徴を持つ駆動装置である。また、モールド湯面
検出器として超小型渦流式センサーを採用している。当
該センサーは応答性が速く、検出精度も高い。従って、
本発明のように、ストッパー方式による小断面連続鋳造
の場合、ノズル溶損やノズル閉塞による湯面制御性の劣
化をバックアップする手段として有効である。
【0024】本実施例では、図1に示すように、ストッ
パー先端部12は先端より長さ150mmをZr2 O・
カーボン質耐火物で構成し、ストッパー胴体11のAl
2 3 ・カーボン質耐火物とラバープレスにより一体成
型して製造された。この理由は、Al2 3 ・カーボン
質耐火物がZrO2 ・カーボン質、MgO・カーボン
質、高Al2 3 質耐火物等の異種耐火物と一体にラバ
ープレス成型され、その製品の接合境界部の強度も低下
することがないという特徴が得られるためである。
【0025】図1に示すように浸漬ノズル13の上部の
溶鋼流量調節部位を高Al2 3 質耐火物で、浸漬ノズ
ル13と一体に接合成型されず、上ノズル14として分
割され埋め込む形で装着された。そして、両者のすきま
を高Al2 3 質モルタルを充填し結合させた。この結
果、これら耐火物の熱膨張差によって生じる応力は、接
合部の目地空間(通常、1〜3mm程度のすきま)に吸
収されるので、一体に接合成型される場合に比べ、上ノ
ズルの形状、構造はより自由に設計できる。また、分割
構造ゆえ数種類の上ノズルを入れ換えることにより、鋳
造する溶鋼の特性に応じることができる。
【0026】図1に示さないが、浸漬ノズル13の下端
より長さ200mmをZrO2 ・カーボン耐火物で構成
し、ストッパー胴体と同様にラバープレスにより一体成
型した。
【0027】本実施例では、モールド直径は210m
m、タンディッシュ内溶鋼温度は1530〜1550
℃、鋳造速度は1.7m/min、1ヒート当りの鋳造
時間が100分の鋳造条件で最大6ヒート、600分間
の連々鋳を行った。表1に本実施例で使用した主な耐火
物の形状・寸法、化学組成及び気孔率を示す。
【0028】
【表1】
【0029】図2は、マンガン含有量が0.8重量%未
満のSiキルド溶鋼を1ヒート鋳造した場合における、
溶存酸素濃度とストッパーポジション指数との関係を示
した図である。図中のデータは、1ヒート、100分間
の鋳造終了時点のストッパーポジション指数をプロット
した。なお、前述したように到着時点の溶存酸素濃度に
基き、0〜40KgのAlを添加した後、1.0Nl/
min・tonのArガス流量速度で5分間攪拌した
後、酸素メーターを用いて溶存酸素濃度を10〜40p
pmの範囲に調整した。
【0030】ここで、ストッパーポジション指数が0
(図2の横軸中央位置)であるとは、鋳造開始時点のス
トッパーポジションを意味し、ノズル溶損やノズル閉塞
が発生していないことを示している。図2で、溶鋼中の
酸素濃度を28ppmより高くなると、ポジション指数
がマイナス側に大きく振れる。そして、酸素濃度の増大
に伴いこの指数はマイナス側に増大する傾向を示す。こ
れは、主にストッパー先端部12のZrO2 ・カーボン
質耐火物とSiキルド溶鋼中の溶存酸素濃度とが(1)
式により酸化反応を起こし、溶鋼流により当該先端部1
2が損傷した結果、溶鋼供給量が増加したので、ストッ
パーポジションを低くして所定の溶鋼供給量を確保した
ことを意味する。図中、×印はノズル溶損の進行により
溶鋼供給量をコントロール出来なくなり、鋳造を停止し
たヒートを示す。
【0031】一方、溶鋼中の酸素濃度を20ppmより
低くすると、ポジション指数はプラス側に振れ、酸素濃
度の減少に伴いこの指数はプラス側に増大する傾向を示
す。これは、前述したように、Siキルド溶鋼中のAl
2 3 系脱酸生成物や可溶性Alの酸化によって生じた
Al2 3 が、ストッパー先端部12や上ノズル14周
辺に付着したためノズル閉塞傾向となり溶鋼供給量が不
足したので、ストッパーポジションを高くして所定の溶
鋼供給量を確保したことを意味する。図中、△印はノズ
ル閉塞の進行により溶鋼供給量が不足し、鋳造を停止し
たヒートを示す。
【0032】酸素濃度が20〜28ppmの適正範囲に
コントロールされると、ストッパーポジション指数は−
5〜+5の範囲で安定しており、ノズル閉塞及びノズル
溶損も発生することなく、モールド湯面制御性も劣化す
ることなく1ヒート100分間の鋳造が達成できた。
【0033】図3は、Alキルド溶鋼2ヒートとマンガ
ン含有量0.8重量%未満のSiキルド溶鋼4ヒートと
を同一タンディッシュで最大6ヒート、600分間鋳造
した場合の、鋳造経過に伴うストッパーポジション指数
の変化を示した図である。図中のプロットは、鋳造開始
より200分、400分、600分を経過した時点の指
数を直線で結んだものである。表2に、本実施例及び比
較例における鋳造条件を示す。
【0034】
【表2】
【0035】ここで、可溶性Al、溶存酸素は溶鋼処理
終了時の値を示す。実施例1は、Siキルド溶鋼4ヒー
ト全ての酸素濃度が適正範囲にコントロールされた場合
で、ポジション指数もマイナスでノズル溶損傾向にある
がポジション指数は−3より小さく安定しており、6ヒ
ート、600分の長時間鋳造が達成できた。実施例2
は、実施例1と同様の鋳造条件であるが、実施例1に反
してノズル閉塞傾向にあるがポジション指数は安定して
おり、6ヒート、600分の長時間鋳造が達成できた。
【0036】比較例1では、バブリンブ処理時、Siキ
ルド溶鋼の酸素値を調整しなかった(転炉仕上のまま)
場合であり、酸素値はいずれも適正範囲を大きく外れて
いる。この場合、Alキルド溶鋼2ヒート鋳造後、急激
にポジション指数はマイナス側に振れノズル溶損が進行
し、330分経過時点でストッパーを閉じても溶鋼が止
まらず、鋳造を停止した。比較例2は、バブリンブ処理
時、添加Al量を増量し酸素値を20ppm以下に調整
した場合である。この場合、Alキルド溶鋼2ヒート鋳
造後、急激にポジション指数はプラス側に振れノズル閉
塞が進行し溶鋼供給量が減少している。そして、380
分経過時点でストッパーを全開しても、引抜き速度に対
応した溶鋼供給量を確保できず鋳造を停止し、この場合
も400分を越える鋳造は達成できなかった。
【0037】なお、本実施例では、実施例1と実施例2
のように、同一鋳造条件でもポジション指数に差異が認
められる。この理由として、Alキルド溶鋼における溶
鋼中の全Ca量、耐火物品質のバラツキ、鋳造時の溶鋼
酸化等が微妙に影響していると推定される。
【0038】また、本発明では、ストッパー先端部をZ
rO2 ・カーボン質、MgO・カーボン質耐火物で構成
しても、高Al2 3 質耐火物で構成していない。この
ため、当該先端部は溶鋼流によって多少の先細り損傷を
受けても、スポーリングによる折れが発生し難いので、
長時間鋳造を可能にできる。
【0039】
【発明の効果】本発明により、同一タンディッシュを使
用してノズル閉塞とノズル溶損の2つの要因を持つAl
キルド溶鋼とSiキルド溶鋼とを鋳造し、加えて耐火物
ストッパーを用いてモールド自動湯面制御をする小断面
連続鋳造法において、適切な耐火物及び鋳造条件の選択
によりガス吹き込み技術を適用することなく、安定的か
つ信頼性高く400分を越える長時間鋳造が達成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】小断面ビレット連続鋳造において、ストッパー
を用いて鋳造をしている状況を示す図である。
【図2】マンガン含有量が0.8%未満のSiキルド溶
鋼を鋳造した場合の溶存酸素濃度とストッパーポジショ
ン指数との関係を示した図である。
【図3】本発明の実施例における鋳造経過に伴うストッ
パーポジション指数の変化を比較例と共に示した図であ
る。
【符号の説明】
5 タンディッシュ 6 溶鋼 11 ストッパー 12 ストッパー先端部 13 浸漬ノズル 14 上ノズル 35 モールド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向山 正幸 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面積が1200cm2 以下のモールド
    を使用し、アルミキルド溶鋼とシリコンを主体に脱酸さ
    れた溶鋼を同一タンディッシュを使用して鋳造する連続
    鋳造法において、(イ)溶鋼流量調節部位がジルコニア
    ・カーボン質耐火物又はマグネシア・カーボン質耐火物
    から成り、その他の主要部位がアルミナ・カーボン質耐
    火物から成るストッパーと、溶鋼流量調節部位がジルコ
    ニア・カーボン質耐火物、マグネシア・カーボン質耐火
    物又は高アルミナ質耐火物から成り、その他の主要部位
    がアルミナ・カーボン質耐火物から成る浸漬ノズルを有
    するタンディッシュを使用し、(ロ)シリコンを主体に
    脱酸された溶鋼は、その鋳造開始直前に少量のアルミニ
    ウムを溶鋼内に添加された後、取鍋底部に装着されたポ
    ーラスプラグよりアルゴンガスを0.5〜1.5Nl/
    ton・minの流量速度で3分間以上吹き込み攪拌
    し、(ハ)上記攪拌終了後の溶鋼中の可溶性アルミニウ
    ムを50ppm以下に、溶存酸素濃度を、マンガン含有
    量が0.8重量%未満の溶鋼では20〜28ppm、マ
    ンガン含有量が0.8重量%以上の溶鋼では20〜24
    ppmに、それぞれ調整してから鋳造することを特徴と
    する連続鋳造法
JP372694A 1994-01-18 1994-01-18 連続鋳造法 Expired - Lifetime JP2795157B2 (ja)

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