JPH07204256A - 消毒液注入装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一端が薬液注入口２で、他端が配管接続端３
である管体１の内部中央に、ボール弁のような逆止弁４
が配設されてなる消毒液注入装置。 【効果】 無菌水製造装置の濾過膜と蛇口間の配管を、
注射器等を用いて消毒液を注入するといった簡易な操作
で、水漏れを起すことなく消毒できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、無菌水製造装置もしく
は無菌ガス製造装置とそのユースポイント間に設置する
のに適した消毒液注入装置およびその使用方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、水道水を多孔質膜等の精密フィル
ターで濾過したものが病院、歯科治療、食品製造業とい
った分野で無菌水として使用されている。このような精
密濾過による無菌水の製造は、原水に含まれる微量の細
菌をフィルターでカットするものであるから、空気中の
細菌が蛇口の貯溜水に付着し、それによる蛇口からの逆
汚染が生じないよう特殊蛇口を使用したりして予防して
いる。

【０００３】また、例えば歯科治療では、診療時に患者
の口腔内が唾液や汚染水であふれないように、無菌水の
供給停止時に口腔内使用器具に瞬時のバックサクション
をかけるのが一般的である。そのため、患者の持つ固有
の細菌が無菌水の供給配管へ侵入する可能性があるた
め、タービンハンドピース等の切削器具やスリーウェイ
シリンジ等の先端部分を一人の患者の診療ごとに外して
消毒を行っている。

【０００４】しかし、これらの方策にもかかわらず、一
旦逆汚染が生じて蛇口近傍の給水配管、更には無菌水製
造装置のフィルターにまで細菌が付着すると、もはや無
菌水の製造機能が果せない。これを防止するためには定
期的に消毒すればよいが、消毒液タンクを設けてタンク
から随時消毒液を流すのは設備が大がかりとなる。ま
た、人手による給水配管の消毒操作は面倒なため、そう
頻繁には実施できなかった。

【０００５】また、歯科治療で使用する圧縮空気は、機
械室のエアコンプレッサーで作製し、配管を通して治療
台へ導かれるが、無菌フィルターを設けても、水の場合
と同様に逆汚染の問題があった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無菌
水製造装置もしくは無菌ガス製造装置の濾過膜と蛇口等
のユースポイントとの間の配管を簡易な操作により消毒
するのに用いる消毒液注入装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、一
端が薬液注入口、他端が配管接続端を構成する管体内
に、液が薬液注入口から配管接続端へ向けて流れるよう
逆止弁が配設されてなる消毒液注入装置である。

【０００８】また、もう一つの本発明は、上記消毒液注
入装置の配管接続端を、濾過器から歯科診療ユニットの
放水口へ至る給水配管または給気配管に接続することを
特徴とする消毒液注入装置の使用方法である。

【０００９】

【作用】注射器やエアーポンプ等を用いて本装置の薬液
注入口から、無菌水製造装置のフィルターと蛇口との間
の給水配管へ簡易な操作で消毒液を注入できるので、使
用停止時に所定量の消毒液を注入することで蛇口からの
逆汚染が防止され、無菌水が確保できる。

【００１０】同様に無菌ガス製造装置の場合でも、簡易
な操作で揮発性消毒液等を注入でき、逆汚染を防止で
き、無菌ガスが確保できる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の消毒液注入装置につき、図面
を参照して説明する。ここでは、無菌水製造装置を例に
して説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
く、無菌ガス製造装置においても同様の効果が得られ
る。

【００１２】本発明の消毒液注入装置に用いられる管体
１は、直管である必要はなく、曲管でもよいし、またそ
の口径も部分的に変化していてもよい。管体の一端が薬
液注入口２を構成するが、その形状は任意である。これ
がシリンジ用のルアーコネクターの形状をしていれば、
注射器等を用いて消毒液の注入をする際の薬液の漏れが
防止されるので好ましい。薬液注入口には埃の付着を防
止するためにキャップを配設してもよい。一方、管体の
他端を構成する接続端３は、無菌水給水配管に液密に接
続されるもので、例えば給水配管内のＴ字型継手に螺合
できるよう螺子溝が切られた端部が好ましいものとして
例示される。

【００１３】管体内に配設される逆止弁４は、薬液注入
口から注入された薬液が配管接続端へ向けては流れる
が、逆方向に向けては流れないよう機能する弁であれば
どのような弁でもよい。具体例としては、リフト逆止
弁、スイング逆止弁、ボール逆止弁、ストップ逆止弁、
フート弁、ダイヤフラム弁が挙げられる。最も簡便な逆
止弁は、図１に示されるスプリング付きのボール逆止弁
であり、この逆止弁を用いれば薬液注入口からの液漏れ
は防止される。また、ボール逆止弁は、逆圧耐久性が高
いので、高圧作動部にも使用することができる。

【００１４】本発明の消毒液注入装置は、無菌水製造装
置のフィルターと蛇口との間の給水配管に接続される
が、フィルターの消毒を効率よく実施するためにはでき
るだけフィルターに近い位置に接続されていることが好
ましく、蛇口が無菌水製造装置とは別途に設けられてい
る場合には、無菌水製造装置内に設置してもよい。取り
付け方法は、前述したようにＴ型継手を用いて給水配管
に取りつけてもよいし、また直接給水配管に螺合しても
よく特に制限されない。また、取り付け位置も給水配管
の水平部、鉛直部、エルボー部等いずれでもよい。

【００１５】本発明の消毒液注入装置により、無菌水給
水配管内に消毒液を注入するには、注射器や空気ポンプ
を用い、その供給口を薬液注入口に密着させ、圧を加え
ると消毒液は逆止弁を経て配管接続端へ向けて流れ、給
水配管内に消毒液が注入される。

【００１６】消毒液は、無菌水の用途に応じてホルマリ
ン、エタノール、クロロヘキシジン、ポピドンヨード等
から適宜選択して使用される。

【００１７】以下、本発明の消毒液注入装置を歯科用の
無菌水製造装置に適用した具体例を図２にしたがって説
明する。

【００１８】歯科診療ユニットの側傍に無菌水製造用の
多孔質中空糸膜型フィルターを収納する濾過器５が配設
されている。水道管からの原水は開閉弁６を介して入口
７から濾過器５へ導入される。ここで濾過して得られた
無菌水は濾過器出口８からＴ型継手９を含む給水配管１
０を経て歯科診療ユニットの放水口１１（歯科インスツ
ルメンツの放水口やうがい装置の蛇口）へ導かれる。Ｔ
型継手には、図１に示した本発明の消毒液注入装置が接
続されている。

【００１９】この例において、消毒を行うには、開閉弁
６を閉じて濾過器から放水口へ至る給水配管内の圧力を
大気圧とした後、消毒液注入装置の注入口から注射器や
空気圧ポンプ等を用いて消毒液を注入口する。開閉弁６
を閉じないと水道水の水圧に打ち勝つ圧力が必要となり
簡略な操作で消毒液を注入できない。注入された消毒液
は給水配管内を拡散し、濾過器から放水口へ至る給水配
管が消毒される。消毒後無菌水の使用に際しては、給水
配管内の滞留水を所定時間放流して無菌水中に残存する
消毒液のないことを確認してから使用に供する。残存消
毒液のないことの確認は臭いや色等で容易に行なえる。

【００２０】より正確に実施するには、予め放水量と時
間による消毒液濃度を測定することにより、十分な洗浄
条件を確立しておき、実際にはそれを超える放水時間で
管理することができる。

【００２１】

【発明の効果】本発明の消毒液注入装置によれば、注射
器等を用いて消毒液を注入口から注入するという簡略な
操作で、蛇口と無菌水製造装置のフィルターとの間の給
水配管の消毒ができ、必要に応じて消毒を行うことで逆
汚染が確実に防止できる。

【００２２】また、濾過器から歯科診療ユニットの放水
口へ至る給水配管にこの消毒液注入装置接続すると、医
師が、開閉弁を操作し、注射器等で消毒液を注入すると
いう手軽な操作で水漏れを起すことなく消毒が行なえ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の消毒液注入装置を示す模式断面図であ
る。

【図２】本発明の消毒液注入装置を歯科用の無菌水製造
装置に適用した例を示す図である。

【符号の説明】

１ 管体 ２ 薬液注入口 ３ 接続端 ４ 逆止弁 ５ 濾過器 ６ 開閉弁 ７ 濾過器入口 ８ 濾過器出口 ９ Ｔ型継手 １０ 給水配管 １１ 放水口 １２ 消毒液注入装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端が薬液注入口、他端が配管接続端を
   構成する管体内に、液が薬液注入口から配管接続端へ向
   けて流れるよう逆止弁が配設されてなる消毒液注入装
   置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の消毒液注入装置の配管接
   続端を、濾過器から歯科診療ユニットへ至る給水配管ま
   たは給気配管に接続することを特徴とする消毒液注入装
   置の使用方法。