JPH07203668A - 環状流路リニア誘導電磁ポンプ - Google Patents

環状流路リニア誘導電磁ポンプ

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JPH07203668A
JPH07203668A JP35129093A JP35129093A JPH07203668A JP H07203668 A JPH07203668 A JP H07203668A JP 35129093 A JP35129093 A JP 35129093A JP 35129093 A JP35129093 A JP 35129093A JP H07203668 A JPH07203668 A JP H07203668A
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tube
flow path
electromagnetic pump
outer peripheral
linear induction
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Kuniaki Miura
邦明 三浦
Yuzo Teruyama
雄三 照山
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Sukegawa Electric Co Ltd
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Sukegawa Electric Co Ltd
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  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環状流路リニア誘導電磁ポンプの部品点数を
減らし、その小形化を図る。 【構成】 環状流路リニア誘導電磁ポンプは、溶融金属
中10に置かれる外周管20と、この外周管20の中に
配置された非磁性の保護管30と、この保護管30の内
部に設けられ、同保護管30と前記外周管20との間に
形成される環状流路40に移動磁界を発生する誘導子5
0とを有する。前記外周管20の少なくとも誘導子50
の周囲の部分が磁性を有しており、磁束を通す磁器回路
要素となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属ナトリウムや
溶融アルミニウムなどの溶融金属を搬送するためのリニ
ア誘導電磁ポンプに関する。
【0002】
【従来技術】溶融金属の搬送は、例えば原子炉(FB
R)においては、溶融金属ナトリウムを搬送するため、
また鋳造等の分野では溶融アルミニウムなどを搬送する
ために、電磁誘導作用により溶融金属に推力を与えるリ
ニア誘導電磁ポンプが多く利用されている。かかるリニ
ア誘導電磁ポンプは、例えば特公平4−52708号公
報、実公平3−869号公報、さらには、実公平1−3
5597号公報により知られるように、溶融金属が流れ
るダクト管の外周に移動磁界を発生するためのステータ
コアとコイルとからなる誘導子を配置し、ダクト管の内
部に磁性体のコアを配置していた。
【0003】かかる従来の外置型の電磁ポンプと浸漬型
の電磁ポンプの例が、添付の図6(a)、(b)及び図
7(a)、(b)に各々示されている。ダクト管1の外
周には、コイル2とステータコア3とからなる誘導子4
が配置され、ダクト管1の断面中央部には、コア6が配
置されている。これらの従来の電磁ポンプでは、何れも
ダクト管1の外周側に配置された誘導子4から発生した
磁束が、ダクト管1の内部流路、すなわちダクト管1と
コア6の間に形成される円環状の溶融金属の流路を通
る。このため、ダクト管1は磁束を通すため、例えばセ
ラミックスやSUS材などの非磁性の材料で形成されて
いる。さらに、ダクト管1内に磁路を形成するため配置
された磁性材である鉄からなるコア6も、SUS材等の
非磁性体からなる保護管5で覆った状態でダクト管1の
断面中央部に配置される。
【0004】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、前記の従来の
環状流路リニア誘導電磁ポンプは、溶融金属の流路とな
るダクト管の外周側にコイルを含む誘導子を配置し、ダ
クト管の中に別途コアを配置しなければならない。その
ため、構造的にポンプの外径が大きくなってしまう。特
に、浸漬型の電磁ポンプでは、誘導子を保護容器で覆う
必要があるため、電磁ポンプの外径が大きくなってしま
う。
【0005】そこで、本発明の目的は、上述の従来技術
における問題点に鑑み、構造的にその外径が大きくなっ
てしまうことがない環状流路リニア誘導電磁ポンプを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決する手段】すなわち、前記の目的を達成す
るため、本発明による環状流路リニア誘導電磁ポンプ
は、溶融金属中に置かれる外周管と、この外周管の中に
配置された非磁性の保護管と、この保護管の内部に設け
られ、同保護管と前記外周管との間に形成される環状流
路に移動磁界を発生する誘導子とを有し、前記外周管の
少なくとも誘導子を囲む部分が磁性を有することを特徴
とするものである。なお、この場合において、前記保護
管内に、その中の誘導子の間を通す冷却用流体を導入す
るエアダクトを設けるとよい。また、前記保護管の内側
に、保護管の内面を加熱するヒータを設けるとよい。
【0007】
【作用】前記の本発明の環状流路リニア誘導電磁ポンプ
によれば、環状流路に移動磁界を発生して溶融金属に推
力を与えるための誘導子を、外周管の中に配置し、誘導
子の外側に溶融金属の流路を形成すると共に、外側の外
周管を磁性を有する部材で形成することにより、外周管
そのものを磁路を形成するためのコアとして機能させる
ことができる。このため、誘導子の内側に溶融金属の流
路を設けた場合のように、その流路の中に別にコアを配
置する必要がない。このため、全体として径が小さく、
しかも、溶融金属の流路を横切るように磁路が形成され
るため、十分な駆動力を有する環状流路リニア誘導電磁
ポンプが得られる。
【0008】なお、前記保護管内に、その中の誘導子の
間を通す冷却用流体を導入するエアダクトを設けたもの
では、誘導子の加熱を防止できる。またこの場合に、前
記保護管の内側に、保護管の内面を加熱するヒータを設
けたものでは、前記冷却用流体により保護管が冷えて、
その表面で溶融金属が冷却され、凝固することが防止さ
れる。
【実施例】
【0009】以下、本発明の実施例について、添付の図
面を参照しながら詳細に説明する。図1に本発明の実施
例による溶融アルミニウム用の浸漬型環状流路リニア誘
導電磁ポンプの構造が示されている。図1において、符
号10は、図示されない容器内に収容された溶融アルミ
ニウム合金である。外周管20が4カ所の突起21、2
1…により容器のベース11、11上に固定され、その
下端の開口部22が、溶融アルミニウム合金10の湯面
変動幅dより下に位置するよう配置されている。この外
周管20は、鋳鉄等の磁性体からなり、その下部が二重
壁構造になっている。この外周管20の上方には開口部
23が形成されると共に、その上部側壁には溶融金属の
排出口24が形成されている。なお、図1中の符号2
5、26は、この外周管20を加熱するために内部に設
けられた予熱用ヒータである。
【0010】前記外周管20の内部には、その上方開口
部23から非磁性のセラミックス等からなる耐熱性の保
護管30が挿入され、この保護管30と前記外周管20
との間に、溶融金属であるアルミニウム合金を流すため
の断面環状の流路40が形成されている。筒状の保護管
30の内部には、図3に示すようなステータコア51の
外周にコイル52を巻装してなる誘導子50が配置され
ている。この誘導子50は、前記環状流路40に移動磁
界を発生し、溶融金属に推力を付与するためのものであ
る。この誘導子50は、保護管30の中心に挿入された
管状の流体供給ダクト管60の先端に固定され、この流
体供給ダクト管60を前記保護管30の上方開口部から
挿入して吊り下げることにより、保護管30の下端部に
取り付けられる。
【0011】図2には、前記誘導子50を内蔵した保護
管30の先端部分の詳細が示されている。図に示すよう
に、保護管30の内側には、例えばSUS304製の管
31の外周に巻かれたヒータ32と、断熱材33が配置
され、その内部に前記誘導子50が配置されている。ま
た、図中の符号34は前記保護管30の先端部に挿入さ
れた断熱材であり、矢印は流体供給ダクト管60を通し
て保護管30の下方に送り込まれる冷却流体である空気
の流れを示している。
【0012】図1において、符号70は前記外周管20
の側壁に形成された排出口24から溶融金属を側方へ導
くためのダクト管である。このダクト管70は、前記容
器のベース11上に取り付けられた押さえ金具71や接
続リング72、さらには排出口24に取り付けたパッキ
ン73を介して、図示されないバネにより、前記外周管
20に矢印Pで示す方向(図の右方向)に押し付けられ
ており、これにより、その接続部がシールされている。
また、前記の保護管30の上端鍔部も、パッキン35を
挟んで前記外周管20の上端部に接触している。そし
て、やはり図示されないバネにより、前記保護管30に
矢印Pで示す方向(図の下方向)に押し付けられ、これ
によりその接続部がシールされている。さらに、図中の
符号74は前記側方ダクト管70を加熱するためのヒー
タであり、このヒータ74は、誘導電磁ポンプを全体的
に覆う断熱材80に埋め込まれている。
【0013】このような浸漬型環状流路リニア誘導電磁
ポンプでは、保護管30と外周管20との間に溶融金属
の流路を形成し、その内側に誘導子50を配置し、その
外側に磁性体製の外周管20を配置したことにより、外
周管20そのものにコアとしての機能を持たせることが
できる。これにより、溶融金属の流路に別に設置する必
要があったコアが不要となる。このため、部品点数が減
少し、小型な環状流路リニア誘導電磁ポンプが得られ
る。
【0014】なお、コアとして機能する前記磁性の外周
管20は、耐食性を考慮し、溶融アルミニウムとの接触
面にセラミックコーティングを施すのがよい。また例え
ば、溶融金属がアルミニウム合金の場合、その温度が通
常の鋳鉄のキュリー点以上になるので、外周管20を形
成する鋳鉄にCo等を添加してキュリー点を高くするの
がよい。他方、保護管30は、磁界が通過するように、
非磁性材であるセラミックス、例えば、アルミニウムに
対する耐食性のよいSi34、あるいは、Si−Al−
O−N系セラミックス等で形成するのが好ましい。
【0015】また、上述の環状流路リニア誘導電磁ポン
プの構造によれば、ステータコア51とコイル52から
なる誘導子50を外周管20の断面中央部に配置するこ
とにより、コイル52が高熱に曝されることとなる。こ
れについては、前記誘導子50を内部に保護する保護管
30の内部に冷却用の空気を供給することによりその問
題点を解消することが出来る。この場合、前記誘導子5
0のステータコア51を保護管30の内部に保持するた
めの流体供給ダクト管60を、この冷却空気を供給する
ために利用することができる。さらに、前記のコイル5
2の冷却構造を採用した場合、保護管30の表面が冷却
され、その表面で溶融金属が凝固しないように、図2に
示す如く、保護管30の内周表面にヒータ32を取り付
けて加熱し、さらにその間に断熱材を挿入して熱的に遮
断するのが好ましい。
【0016】次に、図4に本発明の他の実施例である溶
融ナトリウム用浸漬型環状流路リニア誘導電磁ポンプが
示されている。この実施例では、搬送する溶融金属とし
て溶融ナトリウムを搬送することから、SUS材のナト
リウムタンク120の内部に溶融ナトリウム100を収
納し、このタンク110の上方から浸漬型環状流路リニ
ア誘導電磁ポンプを挿入して溶融ナトリウムを外部に取
り出す。この実施例の浸漬型環状流路リニア誘導電磁ポ
ンプの構造と動作は、前記図1に示した溶融アルミニウ
ム用の浸漬型環状流路リニア誘導電磁ポンプと基本的に
同じである。しかし、特にこの実施例では、外周管2
0’と保護管30’を非磁性のSUS材で一体に形成し
ている。そして、外周管20’の内部に鉄や鋳鉄などの
磁性材の管状部材200を収納している。また、図中の
符号110は前記ナトリウムタンク120の外側に配置
されたヒータである。
【0017】さらに、図5に本発明の他の実施例が示さ
れている。この実施例は、前記の実施例である浸漬型環
状流路リニア誘導電磁ポンプとは異なり、いわゆる外置
型の環状流路リニア誘導電磁ポンプに本発明を適用した
例である。この実施例の外置型の環状流路リニア誘導電
磁ポンプは、下流側(図の左側)から外周管20”へ供
給されてくる例えばZnなどの溶融金属に推力を与えて
上流側(図の右上側)へ供給するものである。その動作
原理及び構造は、前記の実施例と基本的に同様である。
ただし、この実施例では、下流側から溶融金属を導くた
めの供給用ダクト管120と、リニア誘導電磁ポンプを
形成する外周管20”、さらには、前記外周管20の側
壁に形成された排出口125が磁性材である鋳鉄で一体
に形成されている。
【0018】この様な外置型の環状流路リニア誘導電磁
ポンプは、溶融アルミニウムに適用することも可能であ
る。その場合、外周管20”には耐食性の比較的よい鋳
物を使用すればよい。さらに、耐食性を向上するため、
接触表面にセラミックコーティングを施して用いればよ
い。また、ZnやSnの場合には鋼鉄を、Na用であれ
ば、鋼鉄製のダクト管の内周面にNiやSUSをクラッ
ドしたものを用いればよい。なお、外周管20”の内部
に配置される誘導子50を覆う保護管30”は非磁性で
なければならず、例えばアルミニウム用であれば、非磁
性のNi−Resist鋳鉄を、半田や、ZnやNaな
どでは、例えばSUS316などの非磁性のステンレス
鋼を用いる。特に、Znの場合には、耐食性に優れたセ
ラミックス製の保護管を使用することが好ましい。な
お、図5における符号300は、前記供給用ダクト管1
20、外周管20”、排出口125の外部に配置された
予熱用ヒータである。
【0019】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、溶融金
属の環状流路を形成する外周管にコアとしての機能を持
たせたので、溶融金属の流路の中にコアを配置する必要
がなく、部品点数が減少し、小型な環状流路リニア誘導
電磁ポンプが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である溶融アルミニウム用の浸
漬型環状流路リニア誘導電磁ポンプの構造を示す断面図
である。
【図2】前記図1の環状流路リニア誘導電磁ポンプの一
部拡大構造を示す断面図である。
【図3】前記図1の環状流路リニア誘導電磁ポンプのス
テータコアとコイルの構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の他の実施例である溶融ナトリウム用浸
漬型環状流路リニア誘導電磁ポンプの構造を示す断面図
である。
【図5】本発明の他の実施例である外置型の環状流路リ
ニア誘導電磁ポンプの構造を示す断面図である。
【図6】従来技術の外置型環状流路リニア誘導電磁ポン
プの構造を示す断面図である。
【図7】従来技術の浸漬型環状流路リニア誘導電磁ポン
プの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
20、20’、20” 外周管 30、30’、30” 保護管 32 ヒータ 40 環状流路 50 誘導子 51 ステータコア 52 コイル 60 流体供給ダクト管
【手続補正書】
【提出日】平成7年1月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 環状流路リニア誘導電磁ポンプ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属ナトリウムや
溶融アルミニウムなどの溶融金属を搬送するためのリニ
ア誘導電磁ポンプに関する。
【0002】
【従来技術】溶融金属の搬送は、例えば原子炉(FB
R)においては、溶融金属ナトリウムを搬送するため、
また鋳造等の分野では溶融アルミニウムなどを搬送する
ために、電磁誘導作用により溶融金属に推力を与えるリ
ニア誘導電磁ポンプが多く利用されている。このような
リニア誘導電磁ポンプは、例えば特公平4−52708
号公報、実公平3−869号公報、さらには、実公平1
−35597号公報により知られている。これらのリニ
ア誘導電磁ポンプは、溶融金属が流れるダクト管の外周
に移動磁界を発生するためのステータコアとコイルとか
らなる誘導子を配置し、ダクト管の内部に磁性体のコア
を配置していた。
【0003】従来の外置型の電磁ポンプと浸漬型の電磁
ポンプの例が、添付の図6(a)、(b)及び図7
(a)、(b)に各々示されている。ダクト管1の外周
コイル2とステータコア3とからなる誘導子4が配置
され、ダクト管1の断面中央部にコア6が配置されてい
る。これらの従来の電磁ポンプでは、何れもダクト管1
の外周側に配置された誘導子4から発生した磁束が、ダ
クト管1の内部流路、すなわちダクト管1とコア6の間
に形成される円環状の溶融金属の流路を通る。この場
合、ダクト管1が磁束を遮断しないように、ダクト管1
例えばセラミックスやステンレス材などの非磁性の材
料で形成されている。さらに、ダクト管1内に磁路を形
成するため配置された磁性材である鉄からなるコア6
保護する保護管5も、ステンレス材等の非磁性体で作ら
れている。
【0004】
【発明が解決すべき課題】前記従来の環状流路リニア誘
導電磁ポンプは、溶融金属の流路となるダクト管の外周
側にコイルを含む誘導子を配置し、ダクト管の中に別途
コアを配置しなければならない。そのため、構造的にポ
ンプの外径が大きくなってしまう。特に、浸漬型の電磁
ポンプでは、誘導子を保護容器で覆う必要があるため、
電磁ポンプの外径が大きくなってしまう。
【0005】そこで、本発明の目的は、上述の従来技術
における問題点に鑑み、構造的にその外径が大きくなっ
てしまうことがない環状流路リニア誘導電磁ポンプを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決する手段】すなわち、前記の目的を達成す
るため、本発明による環状流路リニア誘導電磁ポンプ
は、断面が環状の流路と、この流路の中心軸方向に移動
する磁界を発生する誘導子とを有するものにおいて、外
周管とこの外周管の中に配置された保護管との間に断面
環状の流路を形成し、前記保護管を非磁性体とし、前記
流路に移動磁界を発生させる誘導子を前記保護管の内部
に収納し、前記外周管の少なくとも誘導子の周囲の部分
を磁性体としたことを特徴とするものである。なお、こ
の場合において、前記保護管内に、その中の誘導子の間
を通す冷却用流体を導入する冷却ダクトを設けるとよ
い。また、前記保護管の内側に、保護管の内面を加熱す
るヒータを設けるとよい。
【0007】
【作用】前記の本発明の環状流路リニア誘導電磁ポンプ
では、環状流路に移動磁界を発生して溶融金属に推力を
与えるための誘導子を、非磁性の保護管の中に配置し
ので、誘導子から発生する磁界を保護管の外側に形成す
ることができる。そして、この保護管の外側に溶融金属
の流路を形成すると共に、保護管の外側にある外周管を
磁性体とすることにより、外周管そのものが流路を切る
ように発生する磁束の磁路を形成するための磁器回路要
素となる。このため、誘導子の内側に溶融金属の流路を
設けた場合のように、その流路の中に別にコアを配置す
る必要がない。従って、全体として径が小さく、しか
も、溶融金属の流路を横切るように磁路が形成されるた
め、十分な駆動力を有する環状流路リニア誘導電磁ポン
プが得られる。
【0008】なお、前記保護管内に、その中の誘導子の
間を通す冷却用流体を導入する冷却ダクトを設けたもの
では、誘導子の加熱を防止できる。またこの場合に、前
記保護管の内側に、保護管の内面を加熱するヒータを設
けたものでは、前記冷却用流体により保護管が冷えて、
その表面で溶融金属が冷却され、凝固することが防止さ
れる。
【実施例】
【0009】以下、本発明の実施例について、添付の図
面を参照しながら詳細に説明する。図1に本発明の実施
例による溶融アルミニウム用の浸漬型環状流路リニア誘
導電磁ポンプの構造が示されている。図1において、符
号10は、図示されてない容器に貯留された溶融アルミ
ニウム合金である。外周管20から外側に突設された
カ所の突起21、21…により容器の蓋部11、11上
に固定され、その下端の開口部22が、溶融アルミニウ
ム合金10の湯面変動幅dの最も低いレベルより下に位
置するよう配置されている。この外周管20は、鋳鉄等
の磁性体からなり、その下部が二重壁構造になってい
る。この外周管20の上方には開口部23が形成される
と共に、その上部側壁には溶融金属の排出口24が形成
されている。なお、図1中の符号25、26は、この外
周管20を加熱するために内部に設けられた予熱用ヒー
タである。
【0010】前記外周管20の内部には、その上方開口
部23から非磁性のセラミックス等からなる耐熱性の保
護管30が挿入され、この保護管30と前記外周管20
との間に、溶融金属であるアルミニウム合金を流すため
の断面環状の流路40が形成されている。筒状の保護管
30の内部には、図3に示すようなステータコア51の
外周にコイル52を巻装してなる誘導子50が配置され
ている。この誘導子50は、前記環状流路40に移動磁
界を発生し、溶融金属に推力を付与するためのものであ
る。この誘導子50は、保護管30の中心に挿入された
管状の冷却ダクト60の先端外周側に固定されている。
この誘導子50は、冷却ダクト60を前記保護管30の
上方開口部から挿入し、その上端側のフランジを保護管
30の上端のフランジで支持し、冷却ダクト60を保護
管30の中心に吊り下げることにより、保護管30の下
端部に取り付けられる。
【0011】図2に前記誘導子50を内蔵した保護管3
0の先端部分が示されている。同図に示すように、保護
管30の内側には、例えばSUS304製の管31と、
の外周に巻かれたヒータ32と、断熱材33とが配置
され、この断熱材33の内側に前記誘導子50が配置さ
れている。また、図2における符号34は前記保護管3
0の先端部に挿入された断熱材であり、矢印は冷却ダク
60を通して保護管30の下方に送り込まれる冷却流
体である空気の流れを示している。
【0012】図1において、符号70は前記外周管20
の側壁に形成された排出口24から溶融金属を側方へ導
くためのダクト管である。このダクト管70は、前記容
器の蓋部11上に取り付けられた押さえ金具71や接続
リング72、さらには排出口24に取り付けたパッキン
73を介して、図示されないバネにより、前記外周管2
0に矢印Pで示す方向(図の右方向)に押し付けられて
いる。これにより、その接続部がシールされている。ま
た、前記の保護管30の上端のフランジ部も、パッキン
35を挟んで前記外周管20の上端開口部の縁部に接触
している。そして、やはり図示されないバネにより、前
記保護管30矢印Pで示す方向(図の下方向)に押し
付けられている。これにより保護管30と外周管20の
上端部がシールされている。さらに、図中の符号74は
前記側方ダクト管70を加熱するためのヒータであり、
このヒータ74は、誘導電磁ポンプを全体的に覆う断熱
材80に埋め込まれている。
【0013】このような浸漬型環状流路リニア誘導電磁
ポンプでは、保護管30と外周管20との間に溶融金属
の流路を形成し、その内側に誘導子50を配置し、その
外側に磁性体製の外周管20を配置したことにより、外
周管20そのものに磁器回路要素としての機能を持たせ
ることができる。これにより、溶融金属の流路に別に設
置する必要があったコアが不要となる。このため、部品
点数が減少し、小型な環状流路リニア誘導電磁ポンプが
得られる。
【0014】なお、磁器回路要素として機能する前記磁
性の外周管20は、耐食性を考慮し、溶融アルミニウム
との接触面にセラミックコーティングを施すのがよい。
また例えば、溶融金属がアルミニウム合金の場合、その
温度が通常の鋳鉄のキュリー点以上になるので、外周管
20を形成する鋳鉄にCo等を添加してキュリー点を高
くするのがよい。他方、保護管30は、磁束を遮断しな
ように、非磁性材であるセラミックス、例えば、アル
ミニウムに対する耐食性のよいSi34、あるいは、S
i−Al−O−N系セラミックス等で形成するのが好ま
しい。
【0015】また、上述の環状流路リニア誘導電磁ポン
プの構造によれば、ステータコア51とコイル52から
なる誘導子50を外周管20の断面中央部に配置するこ
とにより、コイル52が高熱に曝されることとなる。こ
れについては、前記誘導子50を保護する保護管30の
内部に冷却用の空気を供給することにより、高熱による
障害を防ぐことが出来る。この場合、前記誘導子50の
ステータコア51を保護管30の内部に保持するための
冷却ダクト60を、この冷却空気を供給するために利用
することができる。さらに、前記のコイル52の冷却構
造を採用した場合、保護管30の表面が冷却され、その
表面で溶融金属が凝固しないように、図2に示す如く、
保護管30の内周表面にヒータ32を取り付けて加熱
し、さらにその間に断熱材を挿入して熱的に遮断するの
が好ましい。
【0016】次に、図4に本発明の他の実施例である溶
融ナトリウム用浸漬型環状流路リニア誘導電磁ポンプが
示されている。この実施例は、溶融ナトリウムを搬送す
る溶融ナトリウム用浸漬型環状流路リニア誘導電磁ポン
プである。すなわち、ステンレス材からなるナトリウム
タンク120の内部に溶融ナトリウム100を収納し、
このタンク110の上方から浸漬型環状流路リニア誘導
電磁ポンプを挿入して溶融ナトリウムを外部に取り出
す。この実施例の浸漬型環状流路リニア誘導電磁ポンプ
の構造と動作は、前記図1に示した溶融アルミニウム用
の浸漬型環状流路リニア誘導電磁ポンプと基本的に同じ
である。特にこの実施例では、外周管20’と保護管3
0’を非磁性のステンレス材で一体に形成している。
らに、この外周管20’の内部に鉄や鋳鉄などの磁性材
の管状部材200を収納している。また、図中の符号1
10は前記ナトリウムタンク120の外側に配置された
ヒータである。
【0017】図5に本発明の他の実施例が示されてい
る。この実施例は、前記の実施例である浸漬型環状流路
リニア誘導電磁ポンプとは異なり、いわゆる外置型の環
状流路リニア誘導電磁ポンプに本発明を適用した例であ
る。この実施例の外置型の環状流路リニア誘導電磁ポン
プは、外周管20”と保護管30との間に形成された断
面環状の流路が溶融金属を搬送するダクトの途中に配置
され、下流側(図の左側)から外周管20”と保護管3
0との間に流れてくる例えばZnなどの溶融金属に推力
を与えて上流側(図の右上側)へ供給する。その動作原
理及び構造は、前記の実施例と基本的に同様である。た
だし、この実施例では、下流側から溶融金属を導くため
の供給用ダクト管120と、リニア誘導電磁ポンプを形
成する外周管20”、さらには、前記外周管20の側壁
に形成された排出口125が磁性材である鋳鉄で一体に
形成されている。
【0018】この様な外置型の環状流路リニア誘導電磁
ポンプは、溶融アルミニウムに適用することも可能であ
る。その場合、外周管20”には耐食性の比較的よい鋳
物を使用すればよい。さらに、耐食性を向上するため、
接触表面にセラミックコーティングを施して用いる。
た、ZnやSnの場合には鋼鉄を、Na用であれば、鋼
鉄製のダクト管の内周面にNiやステンレスをクラッド
したものを用いる。なお、外周管20”の内部に配置さ
れる誘導子50を覆う保護管30”は非磁性でなければ
ならず、例えばアルミニウム搬送用であれば、非磁性の
ニッケルレジスト鋳鉄(Ni−Resist鋳鉄)を、
半田や、ZnやNaなどを搬送するものでは、例えばS
US316などの非磁性のステンレス鋼を用いる。特
に、Znを搬送するものでは、耐食性に優れたセラミッ
クス製の保護管を使用することが好ましい。なお、図5
における符号300は、前記供給用ダクト管120、外
周管20”、排出口125の外部に配置された予熱用ヒ
ータである。
【0019】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、溶融金
属の環状流路を形成する外周管に磁器回路要素としての
機能を持たせたので、溶融金属の流路の中にコアを配置
する必要がなく、部品点数が減少し、小型な環状流路リ
ニア誘導電磁ポンプが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である溶融アルミニウム用の浸
漬型環状流路リニア誘導電磁ポンプの構造を示す断面図
である。
【図2】前記図1の環状流路リニア誘導電磁ポンプの一
部拡大構造を示す断面図である。
【図3】前記図1の環状流路リニア誘導電磁ポンプのス
テータコアとコイルの構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の他の実施例である溶融ナトリウム用浸
漬型環状流路リニア誘導電磁ポンプの構造を示す断面図
である。
【図5】本発明の他の実施例である外置型の環状流路リ
ニア誘導電磁ポンプの構造を示す断面図である。
【図6】従来技術の外置型環状流路リニア誘導電磁ポン
プの構造を示す断面図である。
【図7】従来技術の浸漬型環状流路リニア誘導電磁ポン
プの構造を示す断面図である。
【符号の説明】 20、20’、20” 外周管 30、30’、30” 保護管 32 ヒータ 40 環状流路 50 誘導子 51 ステータコア 52 コイル 60 冷却ダクト

Claims (3)

    【整理番号】 0930130−02 【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属中に置かれる外周管と、この外
    周管の中に配置された非磁性の保護管と、この保護管の
    内部に設けられ、同保護管と前記外周管との間に形成さ
    れる環状流路に移動磁界を発生する誘導子とを有し、前
    記外周管の少なくとも誘導子を囲む部分が磁性を有する
    ことを特徴とする環状流路リニア誘導電磁ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記請求項1において、前記保護管内
    に、その中の誘導子の間を通す冷却用流体を導入する流
    体ダクトを設けたことを特徴とする環状流路リニア誘導
    電磁ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記請求項2において、前記保護管の内
    側に、保護管の内面を加熱するヒータを配置したことを
    特徴とする環状流路リニア誘導電磁ポンプ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013221846A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Sukegawa Electric Co Ltd 液体金属用電磁ポンプ

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58127556A (ja) * 1982-01-08 1983-07-29 ユナイテツド キングドム アトミツク エナ−ヂイ オ−ソリテイ 液体金属のためのヘリカルリニヤ誘導型電磁ポンプ

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