JPH07203207A - 画像記録装置 - Google Patents

画像記録装置

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JPH07203207A
JPH07203207A JP5350969A JP35096993A JPH07203207A JP H07203207 A JPH07203207 A JP H07203207A JP 5350969 A JP5350969 A JP 5350969A JP 35096993 A JP35096993 A JP 35096993A JP H07203207 A JPH07203207 A JP H07203207A
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Haruko Kawakami
晴子 川上
Hidekazu Sekizawa
秀和 関沢
Hideyuki Nakao
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ごく少数のデータを読み取るだけで、あらゆ
る環境の変動に対応した良好な入出力特性を確保する。 【構成】 階調データ発生部5から出力される予め定め
られたパターンの階調データは、記録部3で記録され、
その記録結果が読み取り部7によって読み取られる。特
性計算部8は、読み取り部7での読み取りデータから求
められた入出力特性を表す曲線にほぼ一致するように、
予め定められた基準入出力特性を表す曲線を制御量方向
へ変倍及びシフト並びに出力方向へ変倍及びシフトさせ
て変形させる。そして、これら4つの変動要素の変動量
を求める。この変動量によって階調補正部2は入出力特
性を補正して、入力画像データを補正後の入出力特性に
基づいて加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【請求項4】該画像記録装置は複数色のデバイスを利用
するものであり、各色デバイスの入出力特性を前記基準
入出力特性に近付けるよりも各色デバイスの入出力特性
を揃えることを優先させることを特徴とする請求項1記
載の画像記録装置。
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、装置に固有の入出力特
性が環境の影響を受けて変動した場合でも、中間調画像
を良好に再現することが可能な画像記録装置に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、プリンタの入出力特性に基づいて
画像データを補正する方式としては、たとえばある環境
下において数レベルの階調を記録した出力サンプルの濃
度、反射率などを測定し、そのデータを階調特性として
用いてそのまま逆テーブルを作成する方法などが利用さ
れている。
【0004】しかし、環境の影響を受けて変動した不安
定な入出力特性のデータをそのまま補正用の逆関数の作
成などに利用する場合、プリンタが逆関数作成用のデー
タを測定したときの特性を保ったままであるならば良い
が、少しでもプリンタの入出力特性が変動してしまう
と、逆関数を掛けて補正した結果かえって画質が悪くな
る場合もあった。
【0005】また、逆関数を求める場合、変動後の曲線
ももとの曲線もその入出力関係を表す関数は単純な一次
もしくは二次関数では表せないような複雑な形状をなし
ており、データの補間を行う変換式を直接関数を解いて
求めることは困難であるためルックアップテーブルによ
る参照方式を取ることで補間計算に代用することが多か
った。
【0006】しかしながら、上記テーブルを用いた変換
ではなめらかな特性を得るため、なるべく多くの制御量
対出力のサンプルデータを必要とした。しかも同サンプ
ルデータには高い信頼性が求められ、サンプリングを複
数回行うなどの方法も必要とした。さらに、ほとんどの
プリンタは定常状態における特性自体がS字型の形状を
なしており、ハイライトとシャドウ部は非常にγが低く
なっていることが多い。そこで、変動後の入出力特性が
さらに極端に硬調になってしまった場合、その逆特性は
ハイライトやシャドウ部において局所的にγが高くな
る。その逆特性を補正データとして使用する場合、ノイ
ズが多いとハイライトやシャドウ部における階調の飛び
を増長して、かえって画質を悪くしてしまうことも多か
った。
【0007】一方、特開平 04-284465号では、帯電、像
露光、現像、転写、定着などの各部位に電圧計、電流
計、湿度センサ、温度センサ、トナー量計などの計測器
を設置して、プロセスの状態を変化させて学習させてお
き、最適なプロセス制御を可能にするという方法が提案
されている。
【0008】しかし、この方式はプリンタの要所毎に環
境測定用の機器を設置して、その測定値をもとに帯電用
グリット電圧、トナー供給量などを調整するというもの
であるため、プリンタのコストダウンや小型化という点
からは不利な方法であるといえる。
【0009】また、特開平 04-268874号では、所定の階
調パターンを感光体上に形成し、同パターンを読み取
り、センサの読み取り出力から階調特性を決定し、補正
不可能な場合は所定の表示を行うという方法が提案され
ている。この方法は特定の制御量を与えた5点に対する
入出力特性をセンサで読み取り、サンプルデータとし、
初期状態における入出力特性の傾きと比較し、補正演算
回路によって補正ルックアップテーブルの内容を書き換
える。このとき、初期状態の階調特性はγ=1の線形な
特性を持つようにしてある。
【0010】しかし、前述したように、もともとが非線
形である入出力特性を5点だけで線形に合わせても他の
階調では補正できるとは限らない。従って多くの測定点
が必要となる。また、同方式では不自然な特性になる場
合はメッセージを表示するとあるが具体的なその判断の
基準についての記述がない。また、実際に読み取ったデ
ータ自体も特に低濃度領域のものほど信頼性が低いデー
タであることが多く、適正な補正データを得るにはその
領域に対してかなりの多くの回数のサンプリングや同デ
ータの平均化などの処理を必要とし、5点という少ない
サンプルデータ数では不正確になる。また、仮にサンプ
リングを複数回行わない場合は補正データに変動ノイズ
が含まれ正確な補正を行うことができなくなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の画
像記録装置では、サンプリングしたデータの信頼性が低
いために補正の効果が現れなかったり、かえって階調の
飛びなどが生じたりするなどの問題があった。
【0012】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、ごく少数のデータを読み取るだけで
あらゆる環境の変動に対応して良好な入出力特性を得る
ことが可能な画像記録装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、予め定められ
た階調データを出力する階調データ出力手段と、この階
調データ出力手段から出力された階調データを記録する
記録手段と、この記録手段で記録された前記階調データ
の記録結果を読み取る読み取り手段と、この読み取り手
段での読み取りデータから求められた入出力特性を表す
曲線にほぼ一致するように、予め定められた基準入出力
特性を表す曲線を制御量方向へ変倍及びシフト並びに出
力方向へ変倍及びシフトさせて変形させたときの前記制
御量方向への変倍及びシフト並びに出力方向への変倍及
びシフトの各量をそれぞれ変動量として求める変動量計
算手段と、この変動量計算手段で求められた各変動量に
基づいて入力画像データと出力画像との間の入出力特性
を制御する入出力特性制御手段とを備えたことを特徴と
する。
【0014】本発明の好ましい態様においては、前記変
動量計算手段は、前記変動量を求める際に出力濃度の不
安定なレベルと安定なレベルとで異なる重み付けをして
演算処理するものであることを特徴とする。
【0015】また、前記変動量があらかじめ指定された
許容範囲を超える場合は、所定のメッセージを表示し、
上記許容範囲を超えた変動量が表す変動要因によってメ
ッセージ内容を切り替えるようにしてもよい。
【0016】更に、カラープリンタのように複数色のデ
バイスを利用する場合は、各色デバイスの入出力特性を
基準入出力特性に近づけるよりも、各色デバイス間の入
出力特性を揃えることを優先させることが望ましい。
【0017】
【作用】環境の変化による物理要因に伴う入出力特性の
変動は、たとえば光量変動は制御方向に対する変倍、帯
電電圧は制御量方向に対するシフト、温度、トナー電荷
量は出力方向に対する変倍、また感光体の劣化などは出
力方向に対するシフトで表すことができる。したがっ
て、環境変動の各要因に伴う入出力特性の変動はほとん
ど2方向の変倍、シフトの4種類の変動要素によって表
すことができる。すなわち、環境の変化による総合的な
入出力特性の変動に対する補正はこの4種類の変動要素
の単体もしくは複数の組み合わせによって表すことが可
能である。そこで、入出力特性の補正は、以上の変動要
素に従ってそれぞれ逆方向に動かすような処理あるいは
設定の変更を行うことによって成しうる。
【0018】本発明によれば、このように、入出力特性
の変形の仕方に制限を与えることによって、ごく少数の
データを読み取り、4つの係数を切り替えるという簡単
な処理だけで良好な階調補正を行うことが可能になる。
【0019】変動量算出に当たっては、制御量に対する
出力濃度のばらつきが多い読み取りデータに対しての重
み付けを小さくすることで、ばらつきの影響を小さく
し、安定な補正を行うことが可能となる。
【0020】また、変動量があらかじめ指定された許容
範囲を超える場合は、所定のメッセージを表示すると共
に、その変動要因によってメッセージ内容を切り替える
ことにより、劣化が著しく補正が不可能な場合も適切に
対処可能になる。
【0021】更に、複数色のデバイスを利用する場合
は、各色デバイスの入出力特性を基準入出力特性に近づ
けるよりも、各色デバイス間の入出力特性を揃えること
を優先させることにより、カラーバランスを良好に保つ
ことができる。
【0022】
【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明の実施例
を説明する。
【0023】図1は、この発明をモノクロームプリンタ
に応用した例を示すブロック図である。
【0024】同図において、入力部1から入力された画
像データは、階調補正部2においてプリンタの入出力特
性に応じて階調を補正され、感光体ドラム等の記録部3
を介して出力部4に出力され、出力部4から階調補正さ
れた出力画像が出力される。コントロールパネルのスイ
ッチ等からなるプリント/補正切替部5は、階調補正部
2における入出力特性を補正する補正モードと、補正後
の入出力特性によって階調補正を行うプリントモードと
を切替える。階調データ発生部6は、補正モード時に所
定の階調パターンを階調補正部2に供給する。この階調
パターンの記録部3での記録結果は、読み取り部7で読
み取られ、特性計算部8に入力される。特性計算部8
は、階調パターンの記録結果に基づいて階調補正部2の
入出力特性を補正する。
【0025】以下、この装置の動作を説明する。
【0026】まず、電源点灯時もしくはコントロールパ
ネル上においてプリント/補正切替部5にて補正モード
に切り替えられ、補正処理の開始が指示されると、階調
補正部2にクリアクロックが入力され、階調補正部2の
内容が補正をしない状態にセットされる。続いて、階調
データ発生部6にあらかじめ内蔵されているセンシトメ
トリ用の階調データがステップパターン状のデータとし
て出力され、階調補正部2に供給される。このデータは
白及びベタ信号を含む5レベル以上の制御量である。た
とえば、白を0、ベタを1で表した場合、これらの制御
量は、X1 =0.000 ,X2 =0.375 ,X3 =0.500 ,X
4 =0.625 ,X5 =1.000 の5レベルの制御量であると
する。記録部3はこの階調パターンを記録する。
【0027】上記記録作業によって記録部3上に付着し
た5レベル以上の制御量に対するトナー濃度は、読み取
り部7によって読み取られる。この読み取り部7によっ
て取り込まれた各レベルにおける濃度は特性計算部8へ
入力される。この特性計算部8は入力されたデータから
入出力特性の基準状態からの変動量に見合う補正係数を
求める。求められた補正係数は階調補正部2に入力さ
れ、上記変動量に対応した補正条件がセットされる。こ
の処理条件が整った後、自動的に補正モードからプリン
タモードに切り替わり、通常画像が入力部1から階調補
正部2に出力され、階調補正が行われる。
【0028】本発明者等の実験によれば、プリンタの入
出力特性の環境の各要因による変動は、以下に示すよう
に、4種類の動きで表されることが分かった。始めに、
物理的な要因の変動が生じた時のトナー付着量について
実験を行い、入出力特性を比較し、その変動に伴う特性
の動きを分析した。図2にその結果を示す。
【0029】同図において、(a)は光量変動のあった
場合のグラフを表しており、制御量の方向に変倍させる
と形がほぼ一致する。(b)は帯電電圧が変動した場合
であるが、これは制御量方向にシフトさせると形が一致
する。(c)は温度変化の場合で、出力方向の変倍で対
応できる。(d)はトナー電荷量の変動について示して
いる。この変動はこの図面からでは少し分かり難いが、
温度と同様に出力方向の変倍で表せる。なお、この例に
は、出力方向のシフトに相当する変動要因の実験結果が
示されていないが、このような変動要因としては、ヘッ
ドの消耗などが挙げられる。
【0030】このように、あまり大きくない各変動要因
についての動きは非常に基本的な2方向4種類の動き方
であることが実験結果から分かった。したがって補正可
能な小さな変動に対しては、これら4つの動きの組み合
わせで吸収可能であることが分かった。
【0031】次に、変動に対する補正方法の詳細につい
て説明する。
【0032】第3図は階調補正部2及び特性計算部8の
具体的構成例を示した図である。
【0033】この特性計算部8は読み取り専用メモリ
(以下、ROMと呼ぶ)11とCPU12とを備えて構
成されている。ROM11内には比較対象とするための
基本特性が記憶されている。
【0034】CPU12は、例えば図4〜図6に示すよ
うな手順に従って補正係数を求める。すなわち、先ず読
み取り部7から得られた5レベルのサンプルデータ(X
1 〜X5 )に対応する出力のスキャナ読み取り値(Y1
〜Y5 )が特性計算部8に入力される(S1)。次に4
種類の係数K1 〜K4 の適正化を行っていくための微調
整の刻みaを入力し(S2)。補正係数を求めて行くと
きの5個のサンプル点に対する重み付け係数W1 〜W5
を入力する(S3)。
【0035】この重み付け係数を掛ける理由は以下の通
りである。すなわち、プリンタは一般に低濃度域は比較
的不安定であり、サンプルとして読み取ったデータにば
らつきが多く、その読み取り値の信頼性が低い。図5
は、各濃度レベルに対する濃度ばらつきの測定結果を示
したグラフである。同図を見ると出力濃度の不安定な部
分が低濃度レベルに分布していることが分かる。従来技
術として先に述べた特開平 04-268874号に示されている
処理方法のように、この不安定なレベルのデータを他の
データと同じように処理してしまうと有効な補正処理を
行うことは難しく、特性推定や補正において大きな誤差
が生じることは明かである。本方式では読み取りの回数
は各レベルにつき一回に止めてあるので、2乗和を求め
る際、この不安定なレベルと安定なレベルのデータとの
間で特性推定時の重み係数を変えて処理する。つまり、
信頼性の高いデータに対する重み係数を大きくして、信
頼性の低いデータの重み係数を小さくすれば良い。同係
数W1 〜W5 としては、濃度ばらつきから逆算してW1
、W5 に20、W2 、W3 に1、W4 に2を割り付け
る。
【0036】次に、補正係数K1 〜K4 の初期値がセッ
トされる(S4)。このうち第1のサンプル点X1 に対
するスキャナ読み取り値Y1 を第4の補正係数K4 とし
ておく。はじめに係数K1 〜K4 の初期値を与えたとき
の曲線とサンプル点の距離の2乗和を求める(S5〜S
10)。次に各係数を微調整量aだけ正の方向(S1
1)または負の方向(S18)に動かして、それぞれの
係数で変形した曲線とサンプル点との距離の2乗和を求
める(S12〜S16、S19〜S23)初期条件の2
乗和と比較し、各係数の変化に対する偏微分値を求める
(S17,S24)。
【0037】そこで、それぞれの偏微分値を見て、正と
負の方向での偏微分値の符号が異なり、かつ距離の2乗
和が小さくなる方向へ係数を変える(S25〜S3
1)。いずれの係数も変えなかった場合は各偏微分値の
大きさを調べ、所定の値(この実施例では1)以上なら
ば変更の刻みaをさらに小さくして(この実施例では1
/2)上記の処理を繰り返す(S34〜S40)。この
結果、偏微分値のすべてが所定の値に達せず、変形した
曲線とサンプル点の距離の2乗和が十分に小さくなった
と見做すことができた時点でアルゴリズムは終了し、そ
のときの各係数を補正係数とする。
【0038】なお、ここでは、偏微分値のすべてが1未
満になったときに、そのときの各係数を補正係数とする
ようにしたが、もう少し大きい値でも差し支えない。ま
た、上述のアルゴリズムでは集束が早くなるように、補
正係数の微調整ループにおいて4種類の補正係数K1 〜
K4 のうちK4 を除く3種類の係数のみの微調整を行っ
ているが、4種類の補正係数を一緒に同ループの中で求
めても良い。
【0039】プリントモードになると、上記の処理によ
って求めた補正係数を使用して、入力画像データの階調
補正が実行される。ここでは、各種補正の物理的要因に
よる入出力特性の変形が、基準の入出力特性から図8に
示すような4方向への変形要素を合成したものであると
して以下のように処理する。
【0040】基準とする入出力特性は、20℃などの標準
温度で、光源のライフサイクルが著しく低下しない程度
の印加電圧で、且つ濃度のダイナミックレンジを広く、
高濃度、低濃度ともつぶれが生じない程度に調節した状
態で測定したものを利用する。図9は、上記基準とする
入出力特性の2つの例を示したグラフである。(a)は
典型的なS字型カーブである。(b)はS字型カーブを
2個つなげた形状の曲線で、たとえば2画素変調のよう
な表現方式を利用した場合などの入出力特性を示す。い
ずれの場合も基準の入出力特性とする曲線はルックアッ
プテーブル(以下、LUTと呼ぶ)作成の作り易さの点
から考えると、つぶれがなく、入力と出力は一対一で対
応していることが望ましい。すなわち、逆変換用LUT
作成の際にデータが一意に選べることが必要である。ま
た、このS字の形状は一般のプリンタでは最も一般的な
形状である。基準の入出力特性にこの形状を選ぶと、無
理に線形の特性に近づけようとしないので、低濃度ある
いはベタに近いところに階調の飛びが生じない。
【0041】画像データは、階調補正部2において次の
ようにして加工される。階調補正部2は書換可能メモリ
(以下、RAMと呼ぶ)13で構成され、特性計算部8
から出力される補正係数によってその内容を書き換えら
れる。なお、補正部2の内部で行う処理は次の通りであ
る。
【0042】まず、入力方向の倍率がK1 倍である場合
は以下に示す式(1)、シフト量がK2 であったと判定
された場合は式(2)を用いて入力信号を変形する。
【0043】 S1 =S0 /K1 (1) S1 =S0 −K2 (2) ここでS0 は補正前の信号、S1 は補正後の信号を表
す。
【0044】一方、出力方向の倍率がK3 、シフト量が
K4 であれば、次式(3)(4)を用いて入力データを
変形する。
【0045】 S1 =f-1(f(S0 )/K3 ) (3) S1 =f-1(f(S0 )−K4 ) (4) ここで、f()はプリンタの標準状態における入出力特
性を表す関数、f-1()は上記関数f()の逆関数を表
し、ROM11の内部にあらかじめセットされており、
CPU12で加工したデータがRAM13に書き込まれ
る。
【0046】RAM13では、入力された画像信号Sin
をアドレスとして補正信号Sout を得る。
【0047】この補正を演算式で表すと式(1)〜式
(4)をまとめた次式(5)のようになる。
【0048】 Sout =(f-1((f(Sin)−K4 )/K3 )−K2 )/K1 (5) 従って、補正変換および演算は画像信号に対して式
(4)→…→式(1)の順で行うことになる。
【0049】また、上述のように階調補正部2を1個の
RAM13で構成する以外に、図10に示すように、階
調補正部2を2個のLUT15、17および2個の演算
回路16、18で構成して処理を行う方法も考えられ
る。その場合、LUT15では関数f()、LUT17
では関数f-1( )の変換を行い、第1の演算回路16
では式(3)(4)、第2の演算回路18では式(1)
(2)をまとめた演算を行う。
【0050】以上のようにプリンタの変動に対する補正
を行うと、入出力特性の変動要素を限定しているので、
変動を推定する際の煩雑さが軽減され、読み込むサンプ
ルデータも少ない数で補正処理を行い、安定な階調特性
を得ることが可能となる。また、このように入出力特性
が変形する条件を限定することにより、計算上の誤差を
最小限に止めることができる。たとえば本方式を用いて
近似した場合と、変形後の入出力特性を誤差最小法の三
次曲線で近似して求めた場合とを比較すると、その誤差
は、多いときは1/20程度にまで軽減することもでき
る。
【0051】図11は実際に本方式による曲線近似と三
次曲線近似とを比較したグラフである。同図において本
方式による近似曲線は対象とする曲線とほぼ一致してい
る。それに対して三次曲線で近似したものが破線で示さ
れており、ややずれていることがわかる。それゆえ、従
来の方法のように単純に変動後の入出力特性を初期条件
と比較して求めるよりもはるかに有効な方法といえる。
【0052】しかしながら変動量が著しく大きい場合、
入力データの加工を行っても、もとの特性からの変形が
はげしく、補正しきれないこともある。すなわち、変動
が大きいことが原因で、オーバフローまたはアンダーフ
ローする部分が大きくなり、有効制御量の範囲が狭くな
った場合、かぶりがひどいかまたは最高濃度が所定の濃
度に到達せず表現可能な出力濃度範囲が狭くなった場合
がこれに相当する。
【0053】これに対処するべく、あらかじめそれぞれ
の変動要素に対して上限と下限の閾値を設定し、その閾
値から外れた場合はメッセージランプが点灯してプリン
タが停止するようにしておくことが望ましい。図3、図
10及び図13の各種メッセージ表示部9は、この目的
のために設けられている。上記閾値は、補正係数K1〜
K4 の順に初期値からの変動量が−0.30と+0.40、−0.
15と+0.20、−0.45と+0.60、および−0.30と+0.40と
なる値に設定する。補正係数中の一つでも以上の閾値か
ら外れる場合は特性計算部8から補正不能の信号がメッ
セージ表示部9に送られ、信号源と外れた方向の正負に
よって、サービスマンコールのランプを点灯させるか、
もしくは表示するメッセージを変える。そのメッセージ
の一例を図12に示す。このように変動の方向およびそ
の仕方別にメッセージが表示されると対応も容易にな
る。
【0054】上記実施例では、特性計算部8にCPUを
用いたが、精度および速度を優先させて処理を行いたい
場合には、以下に示すようにCPUの代わりにLUTを
用いて構成することも可能である。
【0055】図13はこの第2の実施例の読み取り及び
補正に係る部分を示すブロック図である。同図に示され
ているように、読み取り部7はスキャナ23と量子化回
路24とによって構成されている。スキャナ23から入
力された上記5つのレベルに対応するデータはそれぞれ
量子化回路24において4ビットのデータに量子化さ
れ、下位ビットから順次割付けられて20ビットのデータ
として形成される。同データはLUT21へ入力され
る。LUT21は読み取り専用メモリ(ROM)で構成
されており、入力された20ビット構成の5つのレベルに
対応するデータをアドレスとして、4種類の補正を表す
信号、即ち入力方向に対する倍率及びシフト量並びに出
力方向に対する倍率およびシフト量を表した補正信号を
発生する。この補正信号は16ビットの数値で表現され、
上位からそれぞれ入力方向の倍率、シフト量、出力方向
の倍率、シフト量の順に4ビットずつ割り付けてある。
これら4ビットのうちの各下位3ビット分のみが階調補
正部2にそれぞれ送信されるように割り付けてある。
【0056】LUT21から得られた信号が階調補正部
2に入力され、階調補正部2での補正データのセットが
完了すると、補正モードから自動的にプリントモードに
なる。この実施例では、階調補正部2もROMのLUT
22から構成されている。このLUT22の動作は第1
の実施例の階調補正部2の動作とほぼ同様であるが、入
力される画像信号のほかに特性計算部8からの信号もア
ドレスとして用いる。従って、第1の実施例のRAMと
比較するとかなり大きな容量を必要とすることになる。
また、この実施例では図10の演算回路16,18の代
わりにLUT22を用いている。
【0057】図14は、この補正信号に対する補正係数
の割り付けの例を示す図である。制御量と出力のいずれ
の方向も、補正係数K1 〜K4 のうち倍率は1倍を中心
にして、シフト量は0を中心にして±に割り付けてあ
る。同図において変動の各要素ごとに変動の比率が異な
るのは、被験者実験を行って感覚量を等しくするように
決定したためである。なお、本実施例では補正限界の閾
値は図14の表の両端に明示してある値であるが、基本
的には第一の実施例と同様である。すなわち、特性計算
部8内のLUT21からの補正信号で上記各要素に割り
付けられた4ビットの中の下位3ビットを除いた最上位
ビットは、閾値を超えるとHとなる。これらの各4要素
に対する補正信号の最上位ビットの論理和がHであるな
らばサービスマンコールのランプを点灯させるかもしく
は、各要素の補正信号のうち上位2ビットをとった信号
を各種メッセージ表示部9に送信してその値に応じたメ
ッセージを表示する。なお、表示内容は第一の実施例に
て示した表に準ずる。
【0058】上記実施例において補正処理は、入力信号
を加工することのみで対応していたが、2成分現像方式
の電子写真ならば画質維持制御機能を持たせて、サンプ
ルパターンを読み取って得られたデータに基づいて以下
に示すようなプリンタへの制御を加えることによっても
成し得る。
【0059】この場合、たとえば図15のブロック図で
示す装置によって処理を行っていく。電源点灯時もしく
は補正モード選択時に階調パターンの記録を行う。出力
された階調パターンを読み取り、特性計算部8にて補正
信号を求める。この階調パターンの読み取りから補正信
号を求めるまでは第一の実施例に示した方法と同様に行
う。この補正信号の内容は画質制御部31に入力され
る。入出力特性の4種類の変動要素によって画質制御部
31では記録部3の制御内容および制御量が求められ
る。この制御信号は記録部3に与えられる。画質制御部
31は制御信号ととも制御が完了した時点で補正モード
からプリントモードに切り替える信号を出力する。たと
えば入出力特性が制御量方向に変倍しているならば光量
を調節し、シフトしていればグリッド電圧を調整する。
また、出力方向に変倍していれば転写電圧を調整し、シ
フトしていればトナー供給量を増減させるなどの制御を
与える。なお、1成分方式の電子写真のような装置の場
合はトナーの供給量は調節できないなどの問題もある。
また、光源にレーザでなく個体ヘッドを用いる場合は光
量の調節の自由度が低い。このような場合は、ハード的
な制御を行うと同時に第一の実施例に示したような画像
信号に対する数値的な処理を加えて、補正を行うとよ
い。
【0060】本発明は、また、以下のようにカラープリ
ンタに応用することも可能である。
【0061】たとえば、YMC3色またはYMCK4色
のトナーを用いたプリンタならぱ、上述のような、デー
タ発生、読取り作業をトナーの色数の回数だけ繰り返す
か、色数だけの補正部もしくは補正部内に色数分のLU
Tを持ち、並列処理によって行う。ただし、カラープリ
ンタの場合はモノクロプリンタとは異なり、それぞれの
トナー色の入出力特性が同じように変動した場合は不自
然には感じないが、ある色だけの入出力特性だけが変動
した場合、すなわちトナーの特性が揃わないと変動がた
とえ微量であっても不自然さが急激に感じられるという
問題が被験者実験を行って確認された。従って、カラー
プリンタに応用する場合は各色のトナー同士の入出力特
性を比較してさらに高精度の補正処理を行い、カラーバ
ランスを保証する必要がある。
【0062】図16は、YMCK4色のトナーを使用し
たプリンタの例を示すブロック図である。この実施例で
は、入力部41から入力される各色の画像データが各色
の階調補正部42a〜42dで補正され、各色の記録部
43a〜43dで記録され、出力部44を介して出力さ
れる。
【0063】このプリンタでは、各色毎に第1の実施例
と同様に変動補正処理を行う。即ち、特性計算部46か
ら階調変動の測定階調パターンを発生させ、そのパター
ン信号を各色の階調補正部42a〜42dにセットし、
各色の記録部43a〜43dで記録する。次に各色の読
み取り部45a〜45bで読み取られ、特性計算部46
で計算され、第1の実施例と同様の手法により、各色の
補正係数が求められる。次に各色の規格化した補正後の
濃度値を予測し、各色の規格化された濃度値での平均値
を求め、その平均値に近づくようにそれぞれの色変動補
正パラメータを変更して、色バランスをとる。このパラ
メータに基づいて各色の階調補正曲線を計算し、各色の
階調補正部42a〜42dにセットし補正を行う。この
ようにすることで、各色の変動を抑えると同時に色バラ
ンスを優先してとることが可能となる。したがって、こ
の実施例では多少濃度が変動しても色味が変わることな
くより自然な色再現が保証される。
【0064】なお、本発明の応用はプリンタに限るもの
ではない。たとえば上述の回路にスキャナとデータ変換
部(カラーならば色変換部)を接続すれば複写機にも応
用することが可能である。なお、複写機として線形な階
調特性を得ることが必要ならば、上記データ変換部に線
形への補正機能を持たせればよい。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、環
境の変動による様々な物理的要因の影響を受けてプリン
タの入出力特性が変化した場合でも、その入出力特性と
ほぼ一致するように基本入出力特性を2方向に変倍、シ
フトさせて変形させたときの各変動要素の変動量を求
め、この変動量から入出力特性を制御しているので、環
境変動に作用されない良好な階調の出力を得ることが可
能になる。また、特性曲線の変形のパターンを限定して
いることから、ごく少数のデータをサンプリングするだ
けでよく、この場合にも正確な階調変動を推定すること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を適用したモノクロプリ
ンタのブロック図
【図2】4種類の変動要素と入出力特性の関係を模式的
に表したグラフ
【図3】本発明の第一の実施例の補正に係る部分の詳細
ブロック図
【図4】本発明の特性計算部の処理の前段を示す流れ図
【図5】本発明の特性計算部の処理の中段を示す流れ図
【図6】本発明の特性計算部の処理の後段を示す流れ図
【図7】プリンタの制御濃度レベルに対する出力濃度の
ばらつきを表すグラフ
【図8】各種環境の変動と入出力特性の変動を表したグ
ラフ
【図9】基準となるプリンタの入出力特性の例を表した
グラフ
【図10】本発明の第一の実施例の補正に係る部分の他
の例を表した詳細ブロック図
【図11】本方式により推定した階調特性曲線と三次の
曲線近似で推定したものを比較したグラフ
【図12】補正不能時の表示メッセージの一覧を示す図
【図13】本発明の第二の実施例の補正に係る部分のブ
ロック図
【図14】補正係数の一覧を示す図
【図15】本発明の第三の実施例を適用したプリンタの
ブロック図
【図16】本発明の第四の実施例を適用したカラープリ
ンタのブロック図
【符号の説明】
1,41…入力部 2,42a〜42d…階調補正部 3,43a〜43d…記録部 4,44…出力部 5,47…プリント/補正切替部 6…階調データ発生部 7,45a〜45d…読み取り部 8,46…特性計算部 9…各種メッセージ表示部 31…画質制御部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、装置に固有の入出力特
性が環境の影響を受けて変動した場合でも、中間調画像
を良好に再現することが可能な画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリンタの入出力特性に基づいて
画像データを補正する方式としては、たとえばある環境
下において数レベルの階調を記録した出力サンプルの濃
度、反射率などを測定し、そのデータを階調特性として
用いてそのまま逆テーブルを作成する方法などが利用さ
れている。
【0003】しかし、環境の影響を受けて変動した不安
定な入出力特性のデータをそのまま補正用の逆関数の作
成などに利用する場合、プリンタが逆関数作成用のデー
タを測定したときの特性を保ったままであるならば良い
が、少しでもプリンタの入出力特性が変動してしまう
と、逆関数を掛けて補正した結果かえって画質が悪くな
る場合もあった。
【0004】また、逆関数を求める場合、変動後の曲線
ももとの曲線もその入出力関係を表す関数は単純な一次
もしくは二次関数では表せないような複雑な形状をなし
ており、データの補間を行う変換式を直接関数を解いて
求めることは困難であるためルックアップテーブルによ
る参照方式を取ることで補間計算に代用することが多か
った。
【0005】しかしながら、上記テーブルを用いた変換
ではなめらかな特性を得るため、なるべく多くの制御量
対出力のサンプルデータを必要とした。しかも同サンプ
ルデータには高い信頼性が求められ、サンプリングを複
数回行うなどの方法も必要とした。さらに、ほとんどの
プリンタは定常状態における特性自体がS字型の形状を
なしており、ハイライトとシャドウ部は非常にγが低く
なっていることが多い。そこで、変動後の入出力特性が
さらに極端に硬調になってしまった場合、その逆特性は
ハイライトやシャドウ部において局所的にγが高くな
る。その逆特性を補正データとして使用する場合、ノイ
ズが多いとハイライトやシャドウ部における階調の飛び
を増長して、かえって画質を悪くしてしまうことも多か
った。
【0006】一方、特開平 04-284465号では、帯電、像
露光、現像、転写、定着などの各部位に電圧計、電流
計、湿度センサ、温度センサ、トナー量計などの計測器
を設置して、プロセスの状態を変化させて学習させてお
き、最適なプロセス制御を可能にするという方法が提案
されている。
【0007】しかし、この方式はプリンタの要所毎に環
境測定用の機器を設置して、その測定値をもとに帯電用
グリット電圧、トナー供給量などを調整するというもの
であるため、プリンタのコストダウンや小型化という点
からは不利な方法であるといえる。
【0008】また、特開平 04-268874号では、所定の階
調パターンを感光体上に形成し、同パターンを読み取
り、センサの読み取り出力から階調特性を決定し、補正
不可能な場合は所定の表示を行うという方法が提案され
ている。この方法は特定の制御量を与えた5点に対する
入出力特性をセンサで読み取り、サンプルデータとし、
初期状態における入出力特性の傾きと比較し、補正演算
回路によって補正ルックアップテーブルの内容を書き換
える。このとき、初期状態の階調特性はγ=1の線形な
特性を持つようにしてある。
【0009】しかし、前述したように、もともとが非線
形である入出力特性を5点だけで線形に合わせても他の
階調では補正できるとは限らない。従って多くの測定点
が必要となる。また、同方式では不自然な特性になる場
合はメッセージを表示するとあるが具体的なその判断の
基準についての記述がない。また、実際に読み取ったデ
ータ自体も特に低濃度領域のものほど信頼性が低いデー
タであることが多く、適正な補正データを得るにはその
領域に対してかなりの多くの回数のサンプリングや同デ
ータの平均化などの処理を必要とし、5点という少ない
サンプルデータ数では不正確になる。また、仮にサンプ
リングを複数回行わない場合は補正データに変動ノイズ
が含まれ正確な補正を行うことができなくなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の画
像記録装置では、サンプリングしたデータの信頼性が低
いために補正の効果が現れなかったり、かえって階調の
飛びなどが生じたりするなどの問題があった。
【0011】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、ごく少数のデータを読み取るだけで
あらゆる環境の変動に対応して良好な入出力特性を得る
ことが可能な画像記録装置を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、予め定められ
た階調データを出力する階調データ出力手段と、この階
調データ出力手段から出力された階調データを記録する
記録手段と、この記録手段で記録された前記階調データ
の記録結果を読み取る読み取り手段と、この読み取り手
段での読み取りデータから求められた入出力特性を表す
曲線にほぼ一致するように、予め定められた基準入出力
特性を表す曲線を制御量方向へ変倍及びシフト並びに出
力方向へ変倍及びシフトさせて変形させたときの前記制
御量方向への変倍及びシフト並びに出力方向への変倍及
びシフトの各量をそれぞれ変動量として求める変動量計
算手段と、この変動量計算手段で求められた各変動量に
基づいて入力画像データと出力画像との間の入出力特性
を制御する入出力特性制御手段とを備えたことを特徴と
する。
【0013】本発明の好ましい態様においては、前記変
動量計算手段は、前記変動量を求める際に出力濃度の不
安定なレベルと安定なレベルとで異なる重み付けをして
演算処理するものであることを特徴とする。
【0014】また、前記変動量があらかじめ指定された
許容範囲を超える場合は、所定のメッセージを表示し、
上記許容範囲を超えた変動量が表す変動要因によってメ
ッセージ内容を切り替えるようにしてもよい。
【0015】更に、カラープリンタのように複数色のデ
バイスを利用する場合は、各色デバイスの入出力特性を
基準入出力特性に近づけるよりも、各色デバイス間の入
出力特性を揃えることを優先させることが望ましい。
【0016】
【作用】環境の変化による物理要因に伴う入出力特性の
変動は、たとえば光量変動は制御方向に対する変倍、帯
電電圧は制御量方向に対するシフト、温度、トナー電荷
量は出力方向に対する変倍、また感光体の劣化などは出
力方向に対するシフトで表すことができる。したがっ
て、環境変動の各要因に伴う入出力特性の変動はほとん
ど2方向の変倍、シフトの4種類の変動要素によって表
すことができる。すなわち、環境の変化による総合的な
入出力特性の変動に対する補正はこの4種類の変動要素
の単体もしくは複数の組み合わせによって表すことが可
能である。そこで、入出力特性の補正は、以上の変動要
素に従ってそれぞれ逆方向に動かすような処理あるいは
設定の変更を行うことによって成しうる。
【0017】本発明によれば、このように、入出力特性
の変形の仕方に制限を与えることによって、ごく少数の
データを読み取り、4つの係数を切り替えるという簡単
な処理だけで良好な階調補正を行うことが可能になる。
【0018】変動量算出に当たっては、制御量に対する
出力濃度のばらつきが多い読み取りデータに対しての重
み付けを小さくすることで、ばらつきの影響を小さく
し、安定な補正を行うことが可能となる。
【0019】また、変動量があらかじめ指定された許容
範囲を超える場合は、所定のメッセージを表示すると共
に、その変動要因によってメッセージ内容を切り替える
ことにより、劣化が著しく補正が不可能な場合も適切に
対処可能になる。
【0020】更に、複数色のデバイスを利用する場合
は、各色デバイスの入出力特性を基準入出力特性に近づ
けるよりも、各色デバイス間の入出力特性を揃えること
を優先させることにより、カラーバランスを良好に保つ
ことができる。
【0021】
【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明の実施例
を説明する。
【0022】図1は、この発明をモノクロームプリンタ
に応用した例を示すブロック図である。
【0023】同図において、入力部1から入力された画
像データは、階調補正部2においてプリンタの入出力特
性に応じて階調を補正され、感光体ドラム等の記録部3
を介して出力部4に出力され、出力部4から階調補正さ
れた出力画像が出力される。コントロールパネルのスイ
ッチ等からなるプリント/補正切替部5は、階調補正部
2における入出力特性を補正する補正モードと、補正後
の入出力特性によって階調補正を行うプリントモードと
を切替える。階調データ発生部6は、補正モード時に所
定の階調パターンを階調補正部2に供給する。この階調
パターンの記録部3での記録結果は、読み取り部7で読
み取られ、特性計算部8に入力される。特性計算部8
は、階調パターンの記録結果に基づいて階調補正部2の
入出力特性を補正する。
【0024】以下、この装置の動作を説明する。
【0025】まず、電源点灯時もしくはコントロールパ
ネル上においてプリント/補正切替部5にて補正モード
に切り替えられ、補正処理の開始が指示されると、階調
補正部2にクリアクロックが入力され、階調補正部2の
内容が補正をしない状態にセットされる。続いて、階調
データ発生部6にあらかじめ内蔵されているセンシトメ
トリ用の階調データがステップパターン状のデータとし
て出力され、階調補正部2に供給される。このデータは
白及びベタ信号を含む5レベル以上の制御量である。た
とえば、白を0、ベタを1で表した場合、これらの制御
量は、X1 =0.000 ,X2 =0.375 ,X3 =0.500 ,X
4 =0.625 ,X5 =1.000 の5レベルの制御量であると
する。記録部3はこの階調パターンを記録する。
【0026】上記記録作業によって記録部3上に付着し
た5レベル以上の制御量に対するトナー濃度は、読み取
り部7によって読み取られる。この読み取り部7によっ
て取り込まれた各レベルにおける濃度は特性計算部8へ
入力される。この特性計算部8は入力されたデータから
入出力特性の基準状態からの変動量に見合う補正係数を
求める。求められた補正係数は階調補正部2に入力さ
れ、上記変動量に対応した補正条件がセットされる。こ
の処理条件が整った後、自動的に補正モードからプリン
タモードに切り替わり、通常画像が入力部1から階調補
正部2に出力され、階調補正が行われる。
【0027】本発明者等の実験によれば、プリンタの入
出力特性の環境の各要因による変動は、以下に示すよう
に、4種類の動きで表されることが分かった。始めに、
物理的な要因の変動が生じた時のトナー付着量について
実験を行い、入出力特性を比較し、その変動に伴う特性
の動きを分析した。図2にその結果を示す。
【0028】同図において、(a)は光量変動のあった
場合のグラフを表しており、制御量の方向に変倍させる
と形がほぼ一致する。(b)は帯電電圧が変動した場合
であるが、これは制御量方向にシフトさせると形が一致
する。(c)は温度変化の場合で、出力方向の変倍で対
応できる。(d)はトナー電荷量の変動について示して
いる。この変動はこの図面からでは少し分かり難いが、
温度と同様に出力方向の変倍で表せる。なお、この例に
は、出力方向のシフトに相当する変動要因の実験結果が
示されていないが、このような変動要因としては、ヘッ
ドの消耗などが挙げられる。
【0029】このように、あまり大きくない各変動要因
についての動きは非常に基本的な2方向4種類の動き方
であることが実験結果から分かった。したがって補正可
能な小さな変動に対しては、これら4つの動きの組み合
わせで吸収可能であることが分かった。
【0030】次に、変動に対する補正方法の詳細につい
て説明する。
【0031】第3図は階調補正部2及び特性計算部8の
具体的構成例を示した図である。
【0032】この特性計算部8は読み取り専用メモリ
(以下、ROMと呼ぶ)11とCPU12とを備えて構
成されている。ROM11内には比較対象とするための
基本特性が記憶されている。
【0033】CPU12は、例えば図4〜図6に示すよ
うな手順に従って補正係数を求める。すなわち、先ず読
み取り部7から得られた5レベルのサンプルデータ(X
1 〜X5 )に対応する出力のスキャナ読み取り値(Y1
〜Y5 )が特性計算部8に入力される(S1)。次に4
種類の係数K1 〜K4 の適正化を行っていくための微調
整の刻みaを入力し(S2)。補正係数を求めて行くと
きの5個のサンプル点に対する重み付け係数W1 〜W5
を入力する(S3)。
【0034】この重み付け係数を掛ける理由は以下の通
りである。すなわち、プリンタは一般に低濃度域は比較
的不安定であり、サンプルとして読み取ったデータにば
らつきが多く、その読み取り値の信頼性が低い。図5
は、各濃度レベルに対する濃度ばらつきの測定結果を示
したグラフである。同図を見ると出力濃度の不安定な部
分が低濃度レベルに分布していることが分かる。従来技
術として先に述べた特開平 04-268874号に示されている
処理方法のように、この不安定なレベルのデータを他の
データと同じように処理してしまうと有効な補正処理を
行うことは難しく、特性推定や補正において大きな誤差
が生じることは明かである。本方式では読み取りの回数
は各レベルにつき一回に止めてあるので、2乗和を求め
る際、この不安定なレベルと安定なレベルのデータとの
間で特性推定時の重み係数を変えて処理する。つまり、
信頼性の高いデータに対する重み係数を大きくして、信
頼性の低いデータの重み係数を小さくすれば良い。同係
数W1 〜W5 としては、濃度ばらつきから逆算してW1
、W5 に20、W2 、W3 に1、W4 に2を割り付け
る。
【0035】次に、補正係数K1 〜K4 の初期値がセッ
トされる(S4)。このうち第1のサンプル点X1 に対
するスキャナ読み取り値Y1 を第4の補正係数K4 とし
ておく。はじめに係数K1 〜K4 の初期値を与えたとき
の曲線とサンプル点の距離の2乗和を求める(S5〜S
10)。次に各係数を微調整量aだけ正の方向(S1
1)または負の方向(S18)に動かして、それぞれの
係数で変形した曲線とサンプル点との距離の2乗和を求
める(S12〜S16、S19〜S23)初期条件の2
乗和と比較し、各係数の変化に対する偏微分値を求める
(S17,S24)。
【0036】そこで、それぞれの偏微分値を見て、正と
負の方向での偏微分値の符号が異なり、かつ距離の2乗
和が小さくなる方向へ係数を変える(S25〜S3
1)。いずれの係数も変えなかった場合は各偏微分値の
大きさを調べ、所定の値(この実施例では1)以上なら
ば変更の刻みaをさらに小さくして(この実施例では1
/2)上記の処理を繰り返す(S34〜S40)。この
結果、偏微分値のすべてが所定の値に達せず、変形した
曲線とサンプル点の距離の2乗和が十分に小さくなった
と見做すことができた時点でアルゴリズムは終了し、そ
のときの各係数を補正係数とする。
【0037】なお、ここでは、偏微分値のすべてが1未
満になったときに、そのときの各係数を補正係数とする
ようにしたが、もう少し大きい値でも差し支えない。ま
た、上述のアルゴリズムでは集束が早くなるように、補
正係数の微調整ループにおいて4種類の補正係数K1 〜
K4 のうちK4 を除く3種類の係数のみの微調整を行っ
ているが、4種類の補正係数を一緒に同ループの中で求
めても良い。
【0038】プリントモードになると、上記の処理によ
って求めた補正係数を使用して、入力画像データの階調
補正が実行される。ここでは、各種補正の物理的要因に
よる入出力特性の変形が、基準の入出力特性から図8に
示すような4方向への変形要素を合成したものであると
して以下のように処理する。
【0039】基準とする入出力特性は、20℃などの標準
温度で、光源のライフサイクルが著しく低下しない程度
の印加電圧で、且つ濃度のダイナミックレンジを広く、
高濃度、低濃度ともつぶれが生じない程度に調節した状
態で測定したものを利用する。図9は、上記基準とする
入出力特性の2つの例を示したグラフである。(a)は
典型的なS字型カーブである。(b)はS字型カーブを
2個つなげた形状の曲線で、たとえば2画素変調のよう
な表現方式を利用した場合などの入出力特性を示す。い
ずれの場合も基準の入出力特性とする曲線はルックアッ
プテーブル(以下、LUTと呼ぶ)作成の作り易さの点
から考えると、つぶれがなく、入力と出力は一対一で対
応していることが望ましい。すなわち、逆変換用LUT
作成の際にデータが一意に選べることが必要である。ま
た、このS字の形状は一般のプリンタでは最も一般的な
形状である。基準の入出力特性にこの形状を選ぶと、無
理に線形の特性に近づけようとしないので、低濃度ある
いはベタに近いところに階調の飛びが生じない。
【0040】画像データは、階調補正部2において次の
ようにして加工される。階調補正部2は書換可能メモリ
(以下、RAMと呼ぶ)13で構成され、特性計算部8
から出力される補正係数によってその内容を書き換えら
れる。なお、補正部2の内部で行う処理は次の通りであ
る。
【0041】まず、入力方向の倍率がK1 倍である場合
は以下に示す式(1)、シフト量がK2 であったと判定
された場合は式(2)を用いて入力信号を変形する。
【0042】 S1 =S0 /K1 (1) S1 =S0 −K2 (2) ここでS0 は補正前の信号、S1 は補正後の信号を表
す。
【0043】一方、出力方向の倍率がK3 、シフト量が
K4 であれば、次式(3)(4)を用いて入力データを
変形する。
【0044】 S1 =f-1(f(S0 )/K3 ) (3) S1 =f-1(f(S0 )−K4 ) (4) ここで、f()はプリンタの標準状態における入出力特
性を表す関数、f-1()は上記関数f()の逆関数を表
し、ROM11の内部にあらかじめセットされており、
CPU12で加工したデータがRAM13に書き込まれ
る。
【0045】RAM13では、入力された画像信号Sin
をアドレスとして補正信号Sout を得る。
【0046】この補正を演算式で表すと式(1)〜式
(4)をまとめた次式(5)のようになる。
【0047】 Sout =(f-1((f(Sin)−K4 )/K3 )−K2 )/K1 (5) 従って、補正変換および演算は画像信号に対して式
(4)→…→式(1)の順で行うことになる。
【0048】また、上述のように階調補正部2を1個の
RAM13で構成する以外に、図10に示すように、階
調補正部2を2個のLUT15、17および2個の演算
回路16、18で構成して処理を行う方法も考えられ
る。その場合、LUT15では関数f()、LUT17
では関数f-1( )の変換を行い、第1の演算回路16
では式(3)(4)、第2の演算回路18では式(1)
(2)をまとめた演算を行う。
【0049】以上のようにプリンタの変動に対する補正
を行うと、入出力特性の変動要素を限定しているので、
変動を推定する際の煩雑さが軽減され、読み込むサンプ
ルデータも少ない数で補正処理を行い、安定な階調特性
を得ることが可能となる。また、このように入出力特性
が変形する条件を限定することにより、計算上の誤差を
最小限に止めることができる。たとえば本方式を用いて
近似した場合と、変形後の入出力特性を誤差最小法の三
次曲線で近似して求めた場合とを比較すると、その誤差
は、多いときは1/20程度にまで軽減することもでき
る。
【0050】図11は実際に本方式による曲線近似と三
次曲線近似とを比較したグラフである。同図において本
方式による近似曲線は対象とする曲線とほぼ一致してい
る。それに対して三次曲線で近似したものが破線で示さ
れており、ややずれていることがわかる。それゆえ、従
来の方法のように単純に変動後の入出力特性を初期条件
と比較して求めるよりもはるかに有効な方法といえる。
【0051】しかしながら変動量が著しく大きい場合、
入力データの加工を行っても、もとの特性からの変形が
はげしく、補正しきれないこともある。すなわち、変動
が大きいことが原因で、オーバフローまたはアンダーフ
ローする部分が大きくなり、有効制御量の範囲が狭くな
った場合、かぶりがひどいかまたは最高濃度が所定の濃
度に到達せず表現可能な出力濃度範囲が狭くなった場合
がこれに相当する。
【0052】これに対処するべく、あらかじめそれぞれ
の変動要素に対して上限と下限の閾値を設定し、その閾
値から外れた場合はメッセージランプが点灯してプリン
タが停止するようにしておくことが望ましい。図3、図
10及び図13の各種メッセージ表示部9は、この目的
のために設けられている。上記閾値は、補正係数K1〜
K4 の順に初期値からの変動量が−0.30と+0.40、−0.
15と+0.20、−0.45と+0.60、および−0.30と+0.40と
なる値に設定する。補正係数中の一つでも以上の閾値か
ら外れる場合は特性計算部8から補正不能の信号がメッ
セージ表示部9に送られ、信号源と外れた方向の正負に
よって、サービスマンコールのランプを点灯させるか、
もしくは表示するメッセージを変える。そのメッセージ
の一例を図12に示す。このように変動の方向およびそ
の仕方別にメッセージが表示されると対応も容易にな
る。
【0053】上記実施例では、特性計算部8にCPUを
用いたが、精度および速度を優先させて処理を行いたい
場合には、以下に示すようにCPUの代わりにLUTを
用いて構成することも可能である。
【0054】図13はこの第2の実施例の読み取り及び
補正に係る部分を示すブロック図である。同図に示され
ているように、読み取り部7はスキャナ23と量子化回
路24とによって構成されている。スキャナ23から入
力された上記5つのレベルに対応するデータはそれぞれ
量子化回路24において4ビットのデータに量子化さ
れ、下位ビットから順次割付けられて20ビットのデータ
として形成される。同データはLUT21へ入力され
る。LUT21は読み取り専用メモリ(ROM)で構成
されており、入力された20ビット構成の5つのレベルに
対応するデータをアドレスとして、4種類の補正を表す
信号、即ち入力方向に対する倍率及びシフト量並びに出
力方向に対する倍率およびシフト量を表した補正信号を
発生する。この補正信号は16ビットの数値で表現され、
上位からそれぞれ入力方向の倍率、シフト量、出力方向
の倍率、シフト量の順に4ビットずつ割り付けてある。
これら4ビットのうちの各下位3ビット分のみが階調補
正部2にそれぞれ送信されるように割り付けてある。
【0055】LUT21から得られた信号が階調補正部
2に入力され、階調補正部2での補正データのセットが
完了すると、補正モードから自動的にプリントモードに
なる。この実施例では、階調補正部2もROMのLUT
22から構成されている。このLUT22の動作は第1
の実施例の階調補正部2の動作とほぼ同様であるが、入
力される画像信号のほかに特性計算部8からの信号もア
ドレスとして用いる。従って、第1の実施例のRAMと
比較するとかなり大きな容量を必要とすることになる。
また、この実施例では図10の演算回路16,18の代
わりにLUT22を用いている。
【0056】図14は、この補正信号に対する補正係数
の割り付けの例を示す図である。制御量と出力のいずれ
の方向も、補正係数K1 〜K4 のうち倍率は1倍を中心
にして、シフト量は0を中心にして±に割り付けてあ
る。同図において変動の各要素ごとに変動の比率が異な
るのは、被験者実験を行って感覚量を等しくするように
決定したためである。なお、本実施例では補正限界の閾
値は図14の表の両端に明示してある値であるが、基本
的には第一の実施例と同様である。すなわち、特性計算
部8内のLUT21からの補正信号で上記各要素に割り
付けられた4ビットの中の下位3ビットを除いた最上位
ビットは、閾値を超えるとHとなる。これらの各4要素
に対する補正信号の最上位ビットの論理和がHであるな
らばサービスマンコールのランプを点灯させるかもしく
は、各要素の補正信号のうち上位2ビットをとった信号
を各種メッセージ表示部9に送信してその値に応じたメ
ッセージを表示する。なお、表示内容は第一の実施例に
て示した表に準ずる。
【0057】上記実施例において補正処理は、入力信号
を加工することのみで対応していたが、2成分現像方式
の電子写真ならば画質維持制御機能を持たせて、サンプ
ルパターンを読み取って得られたデータに基づいて以下
に示すようなプリンタへの制御を加えることによっても
成し得る。
【0058】この場合、たとえば図15のブロック図で
示す装置によって処理を行っていく。電源点灯時もしく
は補正モード選択時に階調パターンの記録を行う。出力
された階調パターンを読み取り、特性計算部8にて補正
信号を求める。この階調パターンの読み取りから補正信
号を求めるまでは第一の実施例に示した方法と同様に行
う。この補正信号の内容は画質制御部31に入力され
る。入出力特性の4種類の変動要素によって画質制御部
31では記録部3の制御内容および制御量が求められ
る。この制御信号は記録部3に与えられる。画質制御部
31は制御信号ととも制御が完了した時点で補正モード
からプリントモードに切り替える信号を出力する。たと
えば入出力特性が制御量方向に変倍しているならば光量
を調節し、シフトしていればグリッド電圧を調整する。
また、出力方向に変倍していれば転写電圧を調整し、シ
フトしていればトナー供給量を増減させるなどの制御を
与える。なお、1成分方式の電子写真のような装置の場
合はトナーの供給量は調節できないなどの問題もある。
また、光源にレーザでなく個体ヘッドを用いる場合は光
量の調節の自由度が低い。このような場合は、ハード的
な制御を行うと同時に第一の実施例に示したような画像
信号に対する数値的な処理を加えて、補正を行うとよ
い。
【0059】本発明は、また、以下のようにカラープリ
ンタに応用することも可能である。
【0060】たとえば、YMC3色またはYMCK4色
のトナーを用いたプリンタならぱ、上述のような、デー
タ発生、読取り作業をトナーの色数の回数だけ繰り返す
か、色数だけの補正部もしくは補正部内に色数分のLU
Tを持ち、並列処理によって行う。ただし、カラープリ
ンタの場合はモノクロプリンタとは異なり、それぞれの
トナー色の入出力特性が同じように変動した場合は不自
然には感じないが、ある色だけの入出力特性だけが変動
した場合、すなわちトナーの特性が揃わないと変動がた
とえ微量であっても不自然さが急激に感じられるという
問題が被験者実験を行って確認された。従って、カラー
プリンタに応用する場合は各色のトナー同士の入出力特
性を比較してさらに高精度の補正処理を行い、カラーバ
ランスを保証する必要がある。
【0061】図16は、YMCK4色のトナーを使用し
たプリンタの例を示すブロック図である。この実施例で
は、入力部41から入力される各色の画像データが各色
の階調補正部42a〜42dで補正され、各色の記録部
43a〜43dで記録され、出力部44を介して出力さ
れる。
【0062】このプリンタでは、各色毎に第1の実施例
と同様に変動補正処理を行う。即ち、特性計算部46か
ら階調変動の測定階調パターンを発生させ、そのパター
ン信号を各色の階調補正部42a〜42dにセットし、
各色の記録部43a〜43dで記録する。次に各色の読
み取り部45a〜45bで読み取られ、特性計算部46
で計算され、第1の実施例と同様の手法により、各色の
補正係数が求められる。次に各色の規格化した補正後の
濃度値を予測し、各色の規格化された濃度値での平均値
を求め、その平均値に近づくようにそれぞれの色変動補
正パラメータを変更して、色バランスをとる。このパラ
メータに基づいて各色の階調補正曲線を計算し、各色の
階調補正部42a〜42dにセットし補正を行う。この
ようにすることで、各色の変動を抑えると同時に色バラ
ンスを優先してとることが可能となる。したがって、こ
の実施例では多少濃度が変動しても色味が変わることな
くより自然な色再現が保証される。
【0063】なお、本発明の応用はプリンタに限るもの
ではない。たとえば上述の回路にスキャナとデータ変換
部(カラーならば色変換部)を接続すれば複写機にも応
用することが可能である。なお、複写機として線形な階
調特性を得ることが必要ならば、上記データ変換部に線
形への補正機能を持たせればよい。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、環
境の変動による様々な物理的要因の影響を受けてプリン
タの入出力特性が変化した場合でも、その入出力特性と
ほぼ一致するように基本入出力特性を2方向に変倍、シ
フトさせて変形させたときの各変動要素の変動量を求
め、この変動量から入出力特性を制御しているので、環
境変動に作用されない良好な階調の出力を得ることが可
能になる。また、特性曲線の変形のパターンを限定して
いることから、ごく少数のデータをサンプリングするだ
けでよく、この場合にも正確な階調変動を推定すること
が可能になる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め定められた階調データを出力する階調
    データ出力手段と、 この階調データ出力手段から出力された階調データを記
    録する記録手段と、 この記録手段で記録された前記階調データの記録結果を
    読み取る読み取り手段と、 この読み取り手段での読み取りデータから求められた入
    出力特性を表す曲線にほぼ一致するように、予め定めら
    れた基準入出力特性を表す曲線を制御量方向へ変倍及び
    シフト並びに出力方向へ変倍及びシフトさせて変形させ
    たときの前記制御量方向への変倍及びシフト並びに出力
    方向への変倍及びシフトの各量をそれぞれ変動量として
    求める変動量計算手段と、 この変動量計算手段で求められた各変動量に基づいて入
    力画像データと出力画像との間の入出力特性を制御する
    入出力特性制御手段とを備えたことを特徴とする画像記
    録装置。
  2. 【請求項2】前記変動量計算手段は、前記変動量を求め
    る際に出力濃度の不安定なレベルと安定なレベルとで異
    なる重み付けをして演算処理するものであることを特徴
    とする請求項1記載の画像記録装置。
  3. 【請求項3】前記基準入出力特性は、標準環境下での入
    出力特性であり、それを表す曲線がS字型又は複数のS
    字型をつなぎ合わせた形状であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の画像記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6870637B1 (en) 1998-11-26 2005-03-22 Seiko Epson Corporation Image processing method and image processor using the same
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