JPH07202228A - Hgを含む化合物半導体の保護膜形成方法 - Google Patents
Hgを含む化合物半導体の保護膜形成方法Info
- Publication number
- JPH07202228A JPH07202228A JP33399393A JP33399393A JPH07202228A JP H07202228 A JPH07202228 A JP H07202228A JP 33399393 A JP33399393 A JP 33399393A JP 33399393 A JP33399393 A JP 33399393A JP H07202228 A JPH07202228 A JP H07202228A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- protective film
- compound semiconductor
- film
- semiconductor containing
- polycrystalline
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Led Devices (AREA)
- Light Receiving Elements (AREA)
- Formation Of Insulating Films (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 Hgを含む化合物半導体の保護膜形成方法に
おいて、密着性が良く、かつ電極金属の拡散による絶縁
性低下を防止することのできる保護膜形成方法を提供す
る。 【構成】 Hgの蒸発を防ぐために、まず室温で多結晶
II−VI化合物をHgを含む化合物半導体1の表面に蒸着
する。その後Hgを含む化合物半導体1の温度を250
℃以上に上げることによりII−VI族化合物保護膜2は固
相反応を起こし、多結晶質が単結晶化する。このように
保護膜を緻密化することにより、不純物拡散を防止し、
保護膜3の絶縁性を高める。
おいて、密着性が良く、かつ電極金属の拡散による絶縁
性低下を防止することのできる保護膜形成方法を提供す
る。 【構成】 Hgの蒸発を防ぐために、まず室温で多結晶
II−VI化合物をHgを含む化合物半導体1の表面に蒸着
する。その後Hgを含む化合物半導体1の温度を250
℃以上に上げることによりII−VI族化合物保護膜2は固
相反応を起こし、多結晶質が単結晶化する。このように
保護膜を緻密化することにより、不純物拡散を防止し、
保護膜3の絶縁性を高める。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主に赤外線検出器に用い
られるHgを含む化合物半導体の保護膜形成方法におい
て、Hgを含む化合物半導体からのHgの蒸発を防止
し、電極材料の拡散による絶縁性低下を防止し、かつH
gを含む化合物半導体と密着性の高い半絶縁保護膜を形
成することを可能にするHgを含む化合物半導体の保護
膜形成方法に関するものである。
られるHgを含む化合物半導体の保護膜形成方法におい
て、Hgを含む化合物半導体からのHgの蒸発を防止
し、電極材料の拡散による絶縁性低下を防止し、かつH
gを含む化合物半導体と密着性の高い半絶縁保護膜を形
成することを可能にするHgを含む化合物半導体の保護
膜形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、Hgを含む化合物半導体の保護膜
形成方法として硫化膜を形成する方法(特開平02−0
31333号公報、特開平02−249234号公
報)、硫化亜鉛(ZnS)を蒸着する方法(シンら:ア
プライド・フィジックスレター(Applied Ph
ysics Letters)Vol.40・965
頁、1982年)、多結晶CdTeを蒸着する方法など
が提案されている。また、酸化膜を用いる方法もある
が、酸化膜は正の固定電荷を持つため、正孔が多数キャ
リアであるp型のHgを含む化合物半導体では表面反転
層が誘起され、表面再結合が増加するのでp型のHgを
含む化合物半導体には通常用いられない。
形成方法として硫化膜を形成する方法(特開平02−0
31333号公報、特開平02−249234号公
報)、硫化亜鉛(ZnS)を蒸着する方法(シンら:ア
プライド・フィジックスレター(Applied Ph
ysics Letters)Vol.40・965
頁、1982年)、多結晶CdTeを蒸着する方法など
が提案されている。また、酸化膜を用いる方法もある
が、酸化膜は正の固定電荷を持つため、正孔が多数キャ
リアであるp型のHgを含む化合物半導体では表面反転
層が誘起され、表面再結合が増加するのでp型のHgを
含む化合物半導体には通常用いられない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術におい
て、硫化膜は密着性は良いが絶縁性が低く、また厚みと
しては数百nmまででそれ以上厚くすることができな
い。ZnSの蒸着ではZnSのエネルギーギャップが大
きいために絶縁性は高いが、Hgを含む化合物半導体と
の結合が弱いため密着性が悪くプロセス中に剥離する。
多結晶CdTeはHgを含む化合物半導体と構成元素が
同じため密着性は良いが多結晶であるため電極金属の拡
散が起こり易く絶縁性が低下するなどの問題があった。
また、これらの従来技術はいずれもHgを含む化合物半
導体表面に、室温付近の温度で製膜する技術である。し
たがって、いずれの保護膜も多結晶質であり、保護膜が
薄い場合、金属電極を形成することにより電極の金属原
子が保護膜の結晶粒界を通じて拡散し、絶縁性が低下す
る問題が残っていた。また、結晶が緻密な単結晶膜を保
護膜とする場合、CdTeなどでは基板が250℃程度
の温度でないと単結晶膜が得られない。Hgを含む化合
物半導体表面が露出したまま30℃まで昇温すると、昇
温途中でHgの蒸発が起こるという問題があった。
て、硫化膜は密着性は良いが絶縁性が低く、また厚みと
しては数百nmまででそれ以上厚くすることができな
い。ZnSの蒸着ではZnSのエネルギーギャップが大
きいために絶縁性は高いが、Hgを含む化合物半導体と
の結合が弱いため密着性が悪くプロセス中に剥離する。
多結晶CdTeはHgを含む化合物半導体と構成元素が
同じため密着性は良いが多結晶であるため電極金属の拡
散が起こり易く絶縁性が低下するなどの問題があった。
また、これらの従来技術はいずれもHgを含む化合物半
導体表面に、室温付近の温度で製膜する技術である。し
たがって、いずれの保護膜も多結晶質であり、保護膜が
薄い場合、金属電極を形成することにより電極の金属原
子が保護膜の結晶粒界を通じて拡散し、絶縁性が低下す
る問題が残っていた。また、結晶が緻密な単結晶膜を保
護膜とする場合、CdTeなどでは基板が250℃程度
の温度でないと単結晶膜が得られない。Hgを含む化合
物半導体表面が露出したまま30℃まで昇温すると、昇
温途中でHgの蒸発が起こるという問題があった。
【0004】本発明の目的はHgを含む化合物半導体の
保護膜形成方法において密着性が良くかつ、絶縁性の保
てる保護膜の形成方法を提供することにある。
保護膜形成方法において密着性が良くかつ、絶縁性の保
てる保護膜の形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、Hgを含む化合物半導体にII−VI族化合物多結晶
を室温で蒸着し、単結晶が成長できる250℃以上に昇
温することにより多結晶から単結晶に固相変化させる。
ろは、Hgを含む化合物半導体にII−VI族化合物多結晶
を室温で蒸着し、単結晶が成長できる250℃以上に昇
温することにより多結晶から単結晶に固相変化させる。
【0006】
【作用】室温でII−VI族化合物多結晶を蒸着することに
よりHgを含む化合物半導体表面を保護できる。基板温
度を250℃以上に昇温することにより、II−VI族化合
物多結晶は固相反応を起こし単結晶膜へ変化する。固相
反応により単結晶化した保護膜は電極金属の不純物拡散
を防止し、絶縁性の低下を防止することができる。
よりHgを含む化合物半導体表面を保護できる。基板温
度を250℃以上に昇温することにより、II−VI族化合
物多結晶は固相反応を起こし単結晶膜へ変化する。固相
反応により単結晶化した保護膜は電極金属の不純物拡散
を防止し、絶縁性の低下を防止することができる。
【0007】
【実施例】以下実施例により、本発明によるHgを含む
化合物半導体の保護膜形成方法を説明する。
化合物半導体の保護膜形成方法を説明する。
【0008】図1により本発明による保護膜の形成方法
を示す。基板であるHgを含む化合物半導体層1の表面
を0.8%臭素メタノールで0.5μmエッチング後、
窒素ブローにより乾燥させ、蒸着装置へ導入する。蒸着
装置内では基板のHgを含む化合物半導体の温度を室温
とする。この温度でII−VI族化合物CdTe多結晶2を
蒸着すると多結晶質のものが形成される(図1
(b))。この膜は電子線回折により多結晶であること
を確認した(図3(a))。蒸着したCdTe2の膜厚
は0.1μmとした。蒸着後、基板の温度を250℃以
上に昇温する(図1(c))。この過程ではHgを含む
化合物半導体表面がすでにCdTe2で保護されている
ため、Hgの蒸発は起こらない。基板の温度が250℃
以上になると多結晶CdTeは固相反応を起こし、単結
晶化する。この現象は電子線回折により確認でき、相の
変化は図3(b)に示すようなストリークになった。し
たがって保護膜のCdTe3aは多結晶の場合と比べて
緻密な構造になる。この温度でさらにCdTeを蒸着す
れば単結晶膜3bの形成が行え、更に耐圧の高い膜が形
成できる。例えばp/i/n型のアバランシェダイオー
ドのような高い逆バイアス電圧で使用するダイオードの
形成にも適用が可能となる。
を示す。基板であるHgを含む化合物半導体層1の表面
を0.8%臭素メタノールで0.5μmエッチング後、
窒素ブローにより乾燥させ、蒸着装置へ導入する。蒸着
装置内では基板のHgを含む化合物半導体の温度を室温
とする。この温度でII−VI族化合物CdTe多結晶2を
蒸着すると多結晶質のものが形成される(図1
(b))。この膜は電子線回折により多結晶であること
を確認した(図3(a))。蒸着したCdTe2の膜厚
は0.1μmとした。蒸着後、基板の温度を250℃以
上に昇温する(図1(c))。この過程ではHgを含む
化合物半導体表面がすでにCdTe2で保護されている
ため、Hgの蒸発は起こらない。基板の温度が250℃
以上になると多結晶CdTeは固相反応を起こし、単結
晶化する。この現象は電子線回折により確認でき、相の
変化は図3(b)に示すようなストリークになった。し
たがって保護膜のCdTe3aは多結晶の場合と比べて
緻密な構造になる。この温度でさらにCdTeを蒸着す
れば単結晶膜3bの形成が行え、更に耐圧の高い膜が形
成できる。例えばp/i/n型のアバランシェダイオー
ドのような高い逆バイアス電圧で使用するダイオードの
形成にも適用が可能となる。
【0009】このように従来のCdTe多結晶膜ではイ
ンジウムなどの電極金属が保護膜中を拡散し、絶縁不良
を起こしていたが、本発明により作製したCdTeは膜
の構造が緻密なため電極金属の拡散はほとんど起こらず
絶縁性の高い保護膜が形成できる。
ンジウムなどの電極金属が保護膜中を拡散し、絶縁不良
を起こしていたが、本発明により作製したCdTeは膜
の構造が緻密なため電極金属の拡散はほとんど起こらず
絶縁性の高い保護膜が形成できる。
【0010】本実施例で述べた方法は、一例であって保
護膜材料はCdTeに限らず、広くII−VI族化合物に対
しても成立する。
護膜材料はCdTeに限らず、広くII−VI族化合物に対
しても成立する。
【0011】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によって実施
したHgを含む化合物半導体の保護膜形成方法によれ
ば、単結晶化したII−VI族化合物層で十分な密着性と絶
縁性が得られる保護膜の形成が可能となる。
したHgを含む化合物半導体の保護膜形成方法によれ
ば、単結晶化したII−VI族化合物層で十分な密着性と絶
縁性が得られる保護膜の形成が可能となる。
【図1】本発明によるHgを含む化合物半導体の保護膜
形成方法における各工程での構造を示す図である。
形成方法における各工程での構造を示す図である。
【図2】本発明の保護膜形成方法における作業の流れ図
である。
である。
【図3】本発明における実施例で固相反応の様子を電子
線回折により観察した基板表面の状態を示す図であり、
(a)は固相反応前の多結晶CdTe表面、(b)は本
発明による固相反応後の単結晶化したCdTe表面の状
態を表す図である。
線回折により観察した基板表面の状態を示す図であり、
(a)は固相反応前の多結晶CdTe表面、(b)は本
発明による固相反応後の単結晶化したCdTe表面の状
態を表す図である。
【図4】従来の方法による保護膜形成方法における作業
の流れ図である。
の流れ図である。
1 Hgを含む化合物半導体結晶 2 II−VI族化合物多結晶膜 3a 固相反応で単結晶化したII−VI族化合物膜 3b 絶縁性をさらに高める単結晶II−VI族化合物膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 33/00 D // H01L 31/107
Claims (1)
- 【請求項1】 Hgを含む化合物半導体の保護膜形成方
法において、多結晶のII−VI族化合物を保護膜材料と
し、同材料を室温で多結晶のまま蒸着し、その後Hgを
含む化合物半導体の温度を250℃以上に昇温し、固相
反応により同保護膜を単結晶化することを特徴とするH
gを含む化合物半導体の保護膜形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33399393A JPH07202228A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | Hgを含む化合物半導体の保護膜形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33399393A JPH07202228A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | Hgを含む化合物半導体の保護膜形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07202228A true JPH07202228A (ja) | 1995-08-04 |
Family
ID=18272299
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33399393A Pending JPH07202228A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | Hgを含む化合物半導体の保護膜形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07202228A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59131072A (ja) * | 1983-01-10 | 1984-07-27 | Daikin Ind Ltd | 方向切換弁 |
JPH0271533A (ja) * | 1988-09-06 | 1990-03-12 | Fujitsu Ltd | 結晶成長方法 |
JPH03257972A (ja) * | 1990-03-08 | 1991-11-18 | Nippon Steel Corp | 化合物半導体装置 |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP33399393A patent/JPH07202228A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59131072A (ja) * | 1983-01-10 | 1984-07-27 | Daikin Ind Ltd | 方向切換弁 |
JPH0271533A (ja) * | 1988-09-06 | 1990-03-12 | Fujitsu Ltd | 結晶成長方法 |
JPH03257972A (ja) * | 1990-03-08 | 1991-11-18 | Nippon Steel Corp | 化合物半導体装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4717681A (en) | Method of making a heterojunction bipolar transistor with SIPOS | |
US5856231A (en) | Process for producing high-resistance silicon carbide | |
US3987480A (en) | III-V semiconductor device with OHMIC contact to high resistivity region | |
US5877077A (en) | Method of producing an ohmic contact and a semiconductor device provided with such ohmic contact | |
US7781067B2 (en) | Aligned crystalline semiconducting film on a glass substrate and method of making | |
US4320248A (en) | Semiconductor photoelectric conversion device | |
US4394601A (en) | ZnS:Mn Thin-film electroluminescent element with memory function | |
JPH0152910B2 (ja) | ||
EP0955680A1 (en) | p-TYPE SEMICONDUCTOR, METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME, SEMICONDUCTOR DEVICE, PHOTOVOLTAIC ELEMENT, AND METHOD FOR MANUFACTURING SEMICONDUCTOR DEVICE | |
JPS6158976B2 (ja) | ||
US4095004A (en) | Process for low temperature stoichiometric recrystallization of compound semiconductor films | |
US3793069A (en) | Process for preparing a layer of compounds of groups ii and vi | |
US2841510A (en) | Method of producing p-n junctions in | |
JPS62123716A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JPH07202228A (ja) | Hgを含む化合物半導体の保護膜形成方法 | |
Grimmeiss et al. | Origins of the Photovoltaic Effect in Vapor‐Deposited CdS Layers | |
Wasa et al. | RF-Sputtered np Heterojunction Diodes of ZnSe-Si and ZnSe-GaAs | |
JPH0395920A (ja) | 結晶性の改良方法 | |
US20030151051A1 (en) | High performance active and passive structures based on silicon material grown epitaxially or bonded to silicon carbide substrate | |
Campbell et al. | Some studies of thin film diodes utilizing cadmium sulphide and sulphur | |
JP3005434B2 (ja) | 超電導デバイス | |
US20130255775A1 (en) | Wide band gap photovoltaic device and process of manufacture | |
Deasley et al. | The growth and properties of epitaxial layers of zinc sulphide on germanium | |
JPS6372156A (ja) | 半導体装置 | |
JP3160269B2 (ja) | 半導体装置の作製方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19970715 |