JPH0720097A - コンクリート製品の非破壊検査方法およびその非破壊検査装置 - Google Patents

コンクリート製品の非破壊検査方法およびその非破壊検査装置

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JPH0720097A
JPH0720097A JP5161341A JP16134193A JPH0720097A JP H0720097 A JPH0720097 A JP H0720097A JP 5161341 A JP5161341 A JP 5161341A JP 16134193 A JP16134193 A JP 16134193A JP H0720097 A JPH0720097 A JP H0720097A
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sound
hammering
sound pressure
hammer
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JP5161341A
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Masayuki Suzuki
雅之 鈴木
Toru Oyama
徹 大山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ALC製品の如く製品内部に気泡を有してい
る製品の内部クラックを精度良く検出する方法と装置を
うることを目的とする。 【構成】 コンクリート製品をハンマーで軽打し、その
時発生された音の音圧を計測して電気信号に変換し、電
気信号の音圧レベルを良品と欠陥品のピーク値の差を検
出することによりコンクリート製品の内部欠陥の有無を
判定できるようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート製品例え
ばALC製品等の内部欠陥の有無を高精度をもって検出
することを可能とする非破壊検査方法とその非破壊検査
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート製品例えばALC製品等に
あっては、原料の微妙な配合の相違や製造条件の相違に
よって、成形後にクラック等の品質不良を生じている場
合がある。このような内部欠陥が存在する場合、所定の
強度が得られず、使用中に破壊して危険な場合も生ず
る。このため、品質を管理するために養生後の製品のク
ラック等の有無を検査する方法を生ずる。従来この種の
製品検査方法としては、人間が製品を打撃し、その打音
の大きさ及び音色の違いを聴き分ける方法が主に行われ
ている。しかし、この検査方法は、人間の官能評価によ
り、判別に個人差があり、しかも熟練度を要するため、
一定した検査が困難である。また、非破壊検査方法とし
て、例えば超音波深傷試験があるが、コンクリート製品
等の表面の粗い製品やALCの如く製品内部に気泡を有
している製品に対しては反射波が乱反射を起こすため深
傷結果に誤りを生じ易い。更に、他の非破壊検査方法と
して、製品を軽打し、その時発生する衝撃音の音色つま
り基本周波数の違いによる検査があるが、コンクリート
等の表面凹凸がある製品や検査製品の長さが一定でない
場合には、良品と欠陥品の基本周波数がばらつき、一定
の判別基準周波数を設けることが難しい。これらいずれ
の従来検査方法もコンクリート等の製品に対して、一定
した高精度な品質検査としては不向きである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的は
コンクリート製品例えばALC製品の如く製品内部に気
泡を有している製品の内部クラックを精度良く検出する
方法を提供することにある。さらに本発明の目的はコン
クリート製品例えばALC製品の打音による内部欠陥の
有無の自動検査につながる打撃装置に関して、コンベア
を走行してくる製品をコンベアの途中停止に関わらず等
間隔で槌打し、しかも製品蛇行による打撃音の大きさの
変化の影響を受けない、一定した打撃音を発し、欠陥部
と良品部との音の大きさの差が最も大きくなるハンマー
ヘッド形状を有した非破壊検査装置を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、発明者等は種々の実験の中から製品を軽打
し、その際発生する衝撃音の音圧の大小により製品内部
の欠陥(クラック)を検出できることを見出した。この
ことは、良品部分の打撃力のほとんどが製品全体に伝わ
り吸収されてしまうのに対して、欠陥部分では打撃力の
伝わりがクラック等の空間部で遮断され吸収分が少な
く、その分音として反射するために両者の音圧に大きな
差が現れる。また、欠陥部分の音はクラック等の面全体
から発生するのに対して、良品部分は打撃した面からし
か発生しない。この音源の面源か点源かの違いも両者の
音圧の差を生む原因の一つになっている。そこで本発明
では、コンクリート製品をハンマーで軽打し、そのとき
発生された音の音圧を計測して電気信号に変換し、電気
信号の音圧のレベルを良品と欠陥品のピーク値の差を検
出することにより、コンクリート製品の内部欠陥の有無
を判定できるようにした。さらに以上の方法を達成する
ために、槌打の駆動系にエアーシリンダを使用すること
でハンマーの出し入れの応答性が良く、しかも制御が容
易となり、コンベア上を走行してくる製品をコンベアの
途中停止に関わらず等間隔に槌打できることを可能とし
たコンパクトな装置とすることができた。また、発明者
等は種々の実験の中から製品蛇行時の打撃音の大きさの
変化を受けなく一定の打撃音を発し、しかも欠陥部と良
品部の打撃音圧の大きさの差が最も大きくなる適度な大
きさのハンマーヘッドに適度な丸みをつけたハンマーヘ
ッド形状を見いだした。また、製品蛇行時に打撃音の大
きさが変化することは、正常時の打撃は製品の打撃面に
対してハンマーが垂直に当たり、ハンマーヘッドの面全
体で槌打しているのでその打撃力のほとんどが製品の振
動として伝わる。それに対して蛇行時の打撃は、打撃面
に垂直に当たらないためにハンマーヘッドの当たり面積
が極端に小さく打撃圧力が大きくなり、槌打時にハンマ
ーヘッドが製品に食い込んでしまい、その食い込みに打
撃力が使われ、製品を振動させる打撃力が極端に小さく
なる。このことから、打撃力を一定に打撃しても発生す
る打撃音の大きさに大小が生じる。以上のことから本発
明ではコンクリート製品が搬送されるコンベアと該コン
クリート製品を検知するセンサーと、センサーの信号に
よりコンクリート製品の長手方向両側面を等間隔で鎚打
する打撃装置と、該打撃装置に設けられたなだらかな凸
面の打撃面を有したハンマーと、該ハンマーで鎚打され
たコンクリート製品の打音の音圧を検出する装置とを有
する装置を提供するものである。
【0005】
【実施例】以下にこの発明の非破壊検査方法の1実施例
を図1〜図3を参照して説明する。図1は本実施例にか
かわる非破壊検査方法の概略構成図である。ALC製品
1を打撃力を一定にするためにエアーシリンダの先にハ
ンマーヘッド2を取り付けたハンマー装置3を用いて打
撃面に垂直に打撃する。その打音をハンマー装置近傍に
設置した騒音計4で集音し、騒音計4から出力される音
圧の大きさに見合った交流電圧信号のピーク値を読み取
り、高速スリエ変換器(以下、FFTという)5で記録
する。記録した音圧波形を表示装置6で出力する。いま
図2に示すような長さ440mm、打撃面から40mm
の深さにクラック7がある、長さ680mm、幅600
mmのALC製品8に対してd1 〜d5 の箇所を打撃
し、その打音の音圧波形を測定した。そのときの各点の
音圧ピーク幅値(ボルト)を各音圧波形と共に図3に示
す。クラック部分を打撃したd1 〜d3 箇所の音圧ピー
ク幅値は20ボルト以上を示すのに対して、良品部分を
打撃したd4 及びd5 箇所の音圧ピーク幅値は10ボル
ト以下のクラック部分に比べはるかに小さな値しか示さ
ない。つまり、上述した打音の発生の仕方により両者の
音圧には大きな差が現れ、しかも欠陥部と良品部との音
圧の比は2倍以上あることから、良品部の音圧値から相
対的に欠陥判定基準値を設けることができる。したがっ
て、この基準値を越えるか越えないかを監視することに
よって容易に製品内部欠陥の有無を検出できるだけでな
く、この検査の自動化が容易に、しかも高い検査精度で
できる。更にまたクラック部分を打撃したd1 〜d3
所の音圧はほぼ同じ値を示していることから、欠陥部分
のほぼどこを打撃しても欠陥の有無を判定できる。つま
り打撃の間隔を密にすることによって検査精度が上がる
(打撃間隔に見合った欠陥の大きさが検出できる)。以
上の実施例では打撃力を一定にするためにエアーシリン
ダの先に重量のあるハンマーヘッドを取り付けたハンマ
ー装置を用いて製品表面に垂直に打撃していたがかかる
形状、駆動系及び機構でなく、ある一定の打撃音を発生
できるハンマー装置であれば欠陥有無の判定には問題な
い。また、打撃角度に関しても一定の打撃音が発せれば
問題ない(欠陥部に直角に打撃するのが、打撃力が一番
伝わり、最も最適である)。更に、本実施例で打撃音の
集音に騒音計を用いたが、これに関しても打撃音の大き
さに見合った出力信号を発するもの、例えばマイクロフ
ォンのみでも問題ない。尚、本発明はALC製品の内部
欠陥の有無を検査することができるのは明らかであり、
その他のALC製品と同様の全てのコンクリート製品に
対してもその内部欠陥の有無を高精度に検査することが
できる。さらにこの発明の非破壊装置に関して図4を参
照して以下に説明する。 実施例1 図4は非破壊検査装置実施例1に係わる自動打撃装置の
概略構成図である。本実施例の自動打撃装置は、コンベ
ア上を30m/分の速度で走行してくる製品を上下両側
面の先頭及び最終の各1打を製品端から50mmの所
(ALC製品等の内部欠陥は角に発生し易いため)、そ
れ以外の所は100mm間隔で打撃できるようにした装
置仕様になっている。また、上下打撃構部を50mmず
らし、上下打撃を交互にすることによって両側面の打撃
音の干渉を防いでいる。コンベア11上を走行してくる
製品12がまず下側面鎚打用のセンサ19を通過すると
シーケンサ23から電磁弁14へ信号が送られ、電磁弁
14が開きエアーシリンダ13(以降シリンダとする)
のロッドが出て、シリンダ先端に取り付けたハンマーヘ
ッド24で製品を鎚打する。このとき、センサ19の信
号をシーケンサ23が受け製品を鎚打するまでに40m
m秒(製品は20mm先に進む)かかる。したがって、
先頭の製品端から50mmの所を鎚打するためにセンサ
19とシリンダ13との位置は30mmの間隔をおいて
ある。また、鎚打用センサをシリンダより製品流れ方向
の下手に設置しているのは、製品の途中停止や制御系の
誤動作等によりシリンダが空振りしたり、製品が来る前
に鎚打して製品との衝突を防ぐために、製品がシリンダ
の前に確実にある条件で鎚打できるようにしてある。こ
のセンサとシリンダの位置関係は、上側面打撃装置のセ
ンサ20とシリンダ15の位置関係に関しても同じであ
る。下側面鎚打後に、製品がセンサ20を通過すると電
磁弁16が開き、シリンダ15のロッドが出て製品の上
側面を鎚打する。両側面の2打目以降は、シーケンサの
内部タイマーにより100mm間隔で上下交互に鎚打す
る。そして製品がセンサ20を抜けたらシーケンサの内
部タイマーによる上下側面の100mm間隔の連続鎚打
を停止させ、センサ17を抜けた後に下側面の最終鎚打
を行い、最後にセンサ18を抜けた後に上側面の最終鎚
打を行って製品一枚の鎚打を終了する。最終鎚打用のセ
ンサとシリンダとの位置関係は下側面を例にとると、先
頭鎚打同様にセンサ17が製品の抜けを検出してからそ
の信号をシーケンサが受け、鎚打するまでに製品が20
mm先に進んでいるので、製品端から50mmに加えそ
の分の距離を離した70mm、シリンダ13より製品流
れ方向上手に設置する。この位置関係は、上側面の最終
鎚打に関しても同じである。センサ21及び22の役割
は、製品を上から見て製品の欠落を検知してその部分は
鎚打しないための製品欠け検出センサの役割を果たして
いる。このセンサがあることによって、製品欠け部の鎚
打空振り及び空振り時の製品との衝突を防ぐことができ
る。また、シーケンサで電磁弁の開閉を制御することで
シリンダの鎚打の開始、停止が制御できることにより、
搬送コンベアの起動、停止をシーケンサで監視すること
で電磁弁の応答性も良いことから製品鎚打時のコンベア
途中停止に関係なく、しかもコンベアが停止した後に製
品が惰性で移動する距離分、シーケンサの内部タイマー
(オンディレー及びオフディレータイマー)を設けるこ
とで、容易に一定の間隔で鎚打できる。図5に打撃装置
の詳細図を示し説明する。打撃装置は、駆動系に内径1
6mmのシリンダ13、15を使用し、14ないし16
の電磁弁のエアー切換によってエアー圧力2〜3kgf/cm
2力でシリンダロッド26を出し入れする。シリンダロ
ッドの先に直径12mmのリニアシャフト27を取り付
け、更にその先にハンマーヘッド24を取り付けて製品
を鎚打する。また、ハンマーヘッド24とシリンダ1
3、15との間にリニアブッシュ28をもうけること
で、走行してくる製品を鎚打したときのせん断力がシリ
ンダにかからないようにしてある。本図では片側面に対
して1つのシリンダで製品を鎚打しているが、製品の厚
さがある場合の打音検査に関して、より検査精度を上げ
る目的で製品厚さ方向にシリンダを2段ないし3段重ね
て、側面を漏れなく鎚打することも可能である。さらに
もしもの製品との衝突を考慮に入れて図6に示すように
押さえネジ31が製品衝突時の大きな負担がかかると緩
み、装置取り付けプレート29ごと逃げれる機構を設け
ている。この逃げ機構に関しては製品との衝突頻度に応
じて、例えばシリンダで装置を元の位置へ押し戻す自動
復帰を付けてやることで次の製品の鎚打が可能となる。
なお本実施例の打撃装置に使用した部品(シリンダ、リ
ニアシャフト、ハンマーヘッド等)の大きさやエアー圧
力等の使用条件は、ALC製品(長さ1200mm〜6
000mm、幅300mm〜600mm、厚さ75mm
〜150mm)打音検査に対して最適な大きさ及び条件
であって、ALC製品と同様のコンクリート製品に対し
ても被検査製品の大きさに応じた大きさ及び条件を変え
るだけで、本実施例と同様の機能を満足することが可能
である。以上の非破壊検査装置の実施例1では、鎚打駆
動にエアーシリンダを使用することで装置が非常にコン
パクトになり、制御系に関しても検査製品長さを上位の
シーケンサからもらい、ロータリエンコーダ等の位置決
めカウンタで鎚打位置を位置決めするような複雑な制御
系を使用せずに、もっと簡単に製品搬入搬出を光電スイ
ッチ等のセンサで監視し、シーケンサの内部タイマー等
の利用だけの制御系で打音検査打撃装置の機能を十二分
に満足できる等間隔鎚打が可能である。なお本発明の各
センサとシリンダの位置関係は、本実施例1で使用した
シーケンサに関してセンサが製品の搬入搬出を検知した
らすぐに鎚打できる最も最適な位置関係を示しているも
ので、本シーケンサよりも高級なシーケンサ(1スキャ
ンタイムがより速いもの)を使用した場合や打撃設置場
所に制約がある場合など、例えばセンサを本実施例より
も遠くに設置した場合は、離した距離分タイマーを設け
ることにより、ほぼ等間隔で鎚打することが可能であ
る。またさらに、本実施例の100mm間隔より密に鎚
打したい場合は、シーケンサの内部タイマー時間を短く
することによって、容易にその鎚打間隔を変えることが
可能である。 実施例2 製品の正常、蛇行時の鎚打に関係なく一定の衝撃音の大
きさを発し、しかも内部欠陥部と良品部との衝撃音の大
きさの差が最も大きくなる最適なハンマーヘッド形状の
実験の実施例を図7〜図10を参照して説明する。図7
は本実施例の実験装置の構成図である。内部欠陥がある
ALC製品32に対して、エアーシリンダ33の先にハ
ンマーヘッド34を取り付けたハンマーによりエアー圧
力2kgf/cm2で欠陥部S1 及び良品部S2 を鎚打したと
きの衝撃音をハンマーの近傍に設置している騒音計35
で集音し、その出力音圧波形の電圧を高速フーリエ変換
器36で記録し、音圧ピーク幅を測定する。製品蛇行時
の鎚打条件をつくるために、本来は蛇行して製品が傾い
た状態で鎚打しているのをハンマー鎚打装置を傾けて鎚
打することで同じ条件として実験を行った。実験を行っ
たハンマーヘッドの形状を図8に示す。ヘッド形状がフ
ラットな平型ヘッド38、丸みをもった丸型ヘッド3
9、そして球型ヘッド40の3種類の形状に関して、ハ
ンマーの鎚打角度θを製品を直角に鎚打したときを0°
として図7のθの矢印方向に0°、2°、4°、6°、
そして8°と順番に傾けて欠陥部と良品部を鎚打したと
きの各ハンマーヘッド形状についての音圧ピーク幅を測
定した。図9は3種類のハンマーヘッド形状についての
良品部S2 を鎚打角度θを変えて鎚打したときの音圧ピ
ーク幅の変化である。縦軸は音圧ピーク幅(ボルト)、
横軸は鎚打角度θ(度数)を示し、実線が平型ヘッド、
破線が丸型ヘッド、1点鎖線が球型ヘッドをそれぞれ示
している。平型ヘッドは鎚打角度が大きくなるに従い音
圧ピーク幅の値が小さくなるのに対して丸型及び球型ヘ
ッドは、鎚打角度に関係なくほぼ一定の音圧ピーク幅を
示す。このことは、丸型及び球型ヘッドは鎚打角度に関
係なく製品との一定の当たり面積を持ち打撃力が一定
で、鎚打時の製品に対するハンマーヘッドの食い込み量
が一定となるので製品を振動させる打撃力が一定に保た
れ発生する衝撃音の大きさも鎚打角度に関係なく一定と
なる。それに対して平型ヘッドは、鎚打角度に従い製品
との当たり面積が小さくなり打撃圧力が大きくなるの
で、それに伴うハンマーヘッドの食い込み量も大きくな
り製品を振動させる打撃力が小さくなることで衝撃音の
大きさが鎚打角度によって小さくなる。図10は良品部
を鎚打したときと同様に欠陥部S1 を鎚打したときの鎚
打角度に対する各ハンマーヘッドの音圧ピーク幅の変化
である。欠陥部鎚打時の鎚打角度に対する各ハンマーヘ
ッドの音圧ピーク幅の値の変化は良品部と同様な傾向を
示し、平型ヘッドは鎚打角度に対してその音圧ピーク幅
が小さくなりその減少程度は良品部時に比べ極端に大き
い、それに対して丸型及び球型ヘッドは鎚打角度に関係
なくほぼ一定の値を示す。このことは良品部と同じ原因
で起こっているが良品部の場合と異なる点は、良品部の
音は製品表面部のハンマーヘッドの当たり面だけの振動
によって発生しているので少々の打撃力の変化があって
も音の大きさには余り影響しない。それに対して欠陥部
の音は欠陥部全体が振動して大きな音を発生させている
ので、その打撃力が小さくなると欠陥部全体の振動が小
さくなり音の大きさに大きく影響する。この良品部と欠
陥部の結果から鎚打角度に関係なく言い替えれば製品蛇
行に関係なく一定の衝撃音を発生するハンマーヘッド形
状としては丸型もしくは球型が最適である。図11は各
ハンマーヘッドに関して、各鎚打角度で欠陥部と良品部
を鎚打したときに最も両者の音圧ピーク幅の差(欠陥部
対良品部の音圧ピーク比、以降S/N比とする)が大き
かったときの値である。丸型及び球型ヘッドのS/N比
は平型ヘッドのS/N比に比べて3倍以上もあり、最も
その値が大きい球型ヘッドが製品蛇行時に関係なく一定
の衝撃音を発し、かつ欠陥部と良品部の音の大きさの差
が最も大きくなる最適なハンマーヘッド形状になる。し
かしながら、球型ヘッドは丸型ヘッドに比べて製品鎚打
時の製品に対するヘッドの食い込みが大きいので走行し
てくる製品を鎚打したとき、丸型ヘッドに比べ製品走行
方向により大きな力(せん断力)が発生し、打撃装置に
負荷がかかり、装置寿命としては丸型より短くなる。し
たがって、丸型ヘッドのS/N比も3倍以上あり欠陥部
と良品部を十分切り分けられることから装置寿命などの
点を考慮に入れれば、本実施例の比較的表面が柔らかい
ALC製品に対しての最適な鎚打ハンマーヘッド形状と
しては丸型ヘッドである。以上の実施例2ではALC製
品の鎚打に関して最も丸型ヘッドが最適なハンマーヘッ
ド形状であるが、ALC製品より固いその他のコンクリ
ート製品の鎚打に関しては鎚打時のヘッド食い込みが小
さければ球型ヘッドが最適なハンマーヘッド形状とな
る。なお、本発明のハンマーヘッドの大きさ及び丸みの
程度は、被検査製品の大きさ及び製品蛇行の大きさによ
って変えることで、本実施例と同等の効果が十分得られ
る。また、ハンマーヘッドの材質は鎚打時のヘッド摩擦
を考慮に入れて超硬などの硬い材質が最も最適である。
【0006】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ハンマリングの
打撃音をハイパスないしローパスフィルター等を設ける
ことなく、騒音計マイクロフォンの集音全周波数領域の
音圧波形における音圧ピーク幅値を判定基準でもって監
視することによって、コンクリート製品の内部欠陥の有
無を高精度に、しかも容易に判定することが可能となっ
た。さらに本発明装置によれば、コンクリート製品例え
ばALC製品の内部欠陥の打音検査における鎚打に関し
て、エアーシリンダの先に製品蛇行に関わらず一定の衝
撃音の大きさを発し、しかも欠陥部と良品部との音の大
きさが最も大きくなる被検査品の大きさに応じた適度な
大きさと適度な丸みをもつ形状を有するハンマーヘッド
を取り付けたハンマーで、コンベア上を走行してくる製
品の搬入搬出を光電スイッチ等のセンサで監視し、シー
ケンサの内部タイマーを利用した非常に簡単な制御系
で、コンベアの途中停止に関わらず製品を等間隔で鎚打
できる非常にコンパクトな装置とすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非破壊検査方法に係わる1実施例の概
略構成図
【図2】本発明の非破壊検査方法に係わる1実施例の内
部欠陥を有するALC製品及び打撃箇所を示す図
【図3】図2に示す箇所を打撃したときの各音圧波形及
び音圧ピーク幅値を示す図
【図4】本発明の非破壊検査装置に係わる実施例1の自
動打撃概略構成図
【図5】本発明の非破壊検査装置に係わる実施例1の自
動打撃装置の鎚打部の詳細図
【図6】本発明の非破壊検査装置に係わる実施例1の打
撃装置が製品と衝突したときの逃げ装置を表す図
【図7】本発明の非破壊検査装置に係わる実施例2の実
験装置の概略構成図
【図8】本発明の非破壊検査装置に係わる実施例2の実
験に使用した3種類の形状のハンマーヘッド図
【図9】本発明の非破壊検査装置に係わる実施例2のA
LC製品良品部鎚打時の鎚打角度に対する音圧ピーク幅
の変化図
【図10】本発明の非破壊検査装置に係わる実施例2の
ALC製品欠陥部鎚打時の鎚打角度に対する音圧ピーク
幅の変化図
【図11】本発明の非破壊検査装置に係わる実施例2の
各ハンマーヘッドで鎚打角度を変えて鎚打したときの最
も小さい欠陥部と良品部との音圧ピーク幅比の値
【符号の説明】
1 ALC製品 2 ハンマーヘッド 3 エアーシリンダ 4 騒音計 5 高速フーリエ変換器(FFT) 6 表示装置(プロッタ) 7 内部欠陥(クラック) 8 ALC製品 11 製品搬送用ローラーコンベア 12 ALC製品 13 下側面鎚打用エアーシリンダ 14 下側面鎚打用電磁弁 15 上側面鎚打用エアーシリンダ 16 上側面鎚打用電磁弁 17 下側面最終鎚打用製品搬出検知センサ(透過型光
電スイッチ) 18 上側面最終鎚打用製品搬出検知センサ(透過型光
電スイッチ) 19 下側面先頭鎚打用製品搬入検知センサ(透過型光
電スイッチ) 20 上側面先頭鎚打用製品搬入検知センサ(透過型光
電スイッチ) 21 下側面鎚打用製品欠け検知センサ(反射型光電ス
イッチ) 22 上側面鎚打用製品欠け検知センサ(反射型光電ス
イッチ) 23 シーケンサ 24 ハンマーヘッド 25 シーケンサ内部タイマーによる上下側面当間隔連
続鎚打停止用製品搬出検知センサ(透過型光電スイッ
チ) 26 エアーシリンダロッド 27 リニアシャフト 28 リニアブッシュ 29 装置取り付けプレート 30 装置架台 31 装置押さえネジ 32 ALC製品 33 エアーシリンダ 34 ハンマーヘッド 35 精密騒音計 36 高速フーリエ変換器(FFT) 37 プリンタ 38 平型ヘッド 39 丸型ヘッド 40 球型ヘッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート製品をハンマーで軽打し、
    その時発生された音の音圧を計測して電気信号に変換
    し、該電気信号の音圧レベルを良品と欠陥品のピーク値
    の差を検出することによりコンクリート製品の内部欠陥
    の有無を判定できるようにしたことを特徴とするコンク
    リート製品の内部欠陥の非破壊検査方法。
  2. 【請求項2】 コンクリート製品が搬送されるコンベア
    と、該コンクリート製品を検知するセンサーと、センサ
    ーの信号によりコンクリート製品の長手方向両側面を等
    間隔で槌打する打撃装置と、該打撃装置に設けられたな
    だらかな凸面の打撃面を有したハンマーと、該ハンマー
    で槌打されたコンクリート製品の打音の音圧を検出する
    装置とを有することを特徴とするコンクリート製品の内
    部欠陥の非破壊検査装置。
JP5161341A 1993-06-30 1993-06-30 コンクリート製品の非破壊検査方法およびその非破壊検査装置 Withdrawn JPH0720097A (ja)

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