JPH07200517A - 並列型確率的最適化法 - Google Patents

並列型確率的最適化法

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JPH07200517A
JPH07200517A JP5353767A JP35376793A JPH07200517A JP H07200517 A JPH07200517 A JP H07200517A JP 5353767 A JP5353767 A JP 5353767A JP 35376793 A JP35376793 A JP 35376793A JP H07200517 A JPH07200517 A JP H07200517A
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JP5353767A
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Masao Aida
昌夫 合田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はSA法で問題となっていた顕著な多
峰性を示すような複雑な問題などに対する解の信頼性を
大幅に向上させる。 【構成】 SA法による“焼きなまし”という物理的ア
ナロジーと、確率的要素と、“温度”と呼ばれるパラメ
ータとを使用する手法と、温度に応じて状態変数Xを多
数摂動させる手法とを組み合わせたアルゴリズムにを使
用し、初期値から探索を始め、大域的最小値に到達する
までに乗り越えようとするエネルギー壁の凹凸が極端に
高く、かつ多峰性が顕著なときや初期値と大域的最小値
が空間的に非常に遠いときなどにも、大域的最小値(最
適解)を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は最適化問題における求解
法の1つであるSA法(Simulated Annealing Method)
を改良した並列型確率的最適化法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種のプラントなどの制御に使用される
シミュレーション制御装置などや各種の最適解を求める
処理、例えば巡回セールスマン問題の処理、ヒッチコッ
ク問題(組み合わせ最適化問題)の処理、LSI−CA
Dなどの配線、配置の最適化処理、画像処理、遺伝子配
置のマッチング処理、証券のポートフォリオ処理などを
行なう各種の情報処理装置では、問題に対する最適解を
求める各種の方法の開発が盛んである。
【0003】この場合、このような最適化問題を数理モ
デルで表現すると、線形計画問題、非線形計画問題、組
み合わせ最適化問題(整数計画問題、混合整数計画問
題)という形で問題を大別することができる。そして、
これら最適化問題の全てにおける基本的な難問の1つと
して、大域的最小値(真の最適解)と、局所的最小値
(準最適解)とを区別することが難しいという問題があ
った。
【0004】さらに、線形計画問題を除いた他の最適化
問題においては、大域的最小値の求解は困難であり、特
に組み合わせ最適化問題では、単純、かつ強力なアルゴ
リズムが存在しないため、従来の確定的手法では、有効
な解を得ることが非常に難しいとされていた。
【0005】ところが、1983年に、Kirkpat
ricらによって最適化問題で最も複雑とされている組
み合わせ最適化問題においても有効的な手法であるSA
法(Simulated Annealing Method)が提唱された。
【0006】このSA法は“焼きなまし”という物理的
アナロジーを最適化問題に利用したものであり、確率的
要素と、いわゆる“温度”と呼ばれるパラメータを導入
することで、局所的最小値からの脱出を可能にし、大域
的最小値を求解することができる手法であり、次に述べ
る手順で最適解の探索を行なう。
【0007】まず、図8のフローチャートに示す如く、
最小化する目的関数(SA法の場合、エネルギー関数と
呼ぶ)をE(X)とし、このエネルギー関数E(X)に
対する状態変数X、初期温度T0 を初期化してある値に
決めるとともに、時間ステップ(反復回数)Kを初期化
して、K=0と設定する(ステップST101)。
【0008】次いで、エネルギー関数E(X)の値を求
めた後(評価した後)(ステップST102)、前の状
態変数Xに微少変化量ΔXを加えて状態を摂動させ(ス
テップST103)、これによって得られた状態変数X
+ΔXに対するエネルギー関数E(X+ΔX)の値を求
める(ステップST104)。
【0009】この後、次式に基づいて、これらエネルギ
ー関数E(X)、エネルギー関数E(X+ΔX)の変化
量ΔEを演算し(ステップST105)、 ΔE=E(X+ΔX)−E(X) …(1) この変化量ΔEが次式を満たすかどうかを判定する(ス
テップST106)。
【0010】ΔE≧0 …(2) そして、この(2)式が満たされていなければ、図9に
示す如く状態変数Xに対応するエネルギー関数E(X)
より、状態変数X+ΔXに対応するエネルギー関数E
(X+ΔX)の方が低い温度であると判定して次式に示
す演算を行ない、状態変数Xを更新する(ステップST
109)。
【0011】X=X+ΔX …(3) また、上述した変化量ΔEの判定処理において(ステッ
プST106)、前記(2)式が満たされていなけれ
ば、図10に示す如く状態変数Xに対応するエネルギー
関数E(X)より、状態変数X+ΔXに対応するエネル
ギー関数E(X+ΔX)の方が高い温度であると判定
し、次式に基づいて状態の受容確率P(ΔE)を求めた
後(ステップST107)、 P(ΔE)=exp{(−ΔE)/Tk} …(4) 但し、Tk:後述する(7)式で求められる温度パラメ
ータ 次式に基づいて、この(4)式で示される受容確率P
(ΔE)が次式を満たすかどうかを判定する(ステップ
ST108)。
【0012】P(ΔE)≧R …(5) 但し、R:[1、0]の一様乱数 そして、この(5)式が満たされていれば、確率的に認
めることができる温度上昇であると判定して、前記
(3)式に基づき状態変数Xの更新を行ない(ステップ
ST109)、また前記(5)式が満たされていなけれ
ば、確率的に認めることができない温度上昇であると判
定して、前記(3)式に示す状態変数Xの更新処理をス
キップする。
【0013】次いで、次式に基づいて時間ステップ(反
復回数)Kを更新するとともに、 K=K+1 …(6) 次式に基づいて温度パラメータTkを更新した後(ステ
ップST110)、 Tk=T0 /{log(2+K)} …(7) この温度Tkがほぼゼロになったかどうかを判定し(ス
テップST111)、前記温度Tkがほぼゼロになって
いなければ、上述したエネルギー関数E(X)の評価に
戻り、温度Tkがほぼゼロに収束まで、上述した処理を
繰り返す(ステップST102〜ST111)。
【0014】そして、温度Tkがほぼゼロに収束したと
き(ステップST111)、上述した処理を終了し、こ
のとき得られている状態変数Xを最適解とし、このとき
の状態変数Xに対するエネルギー関数E(X)を最適解
に対するエネルギーとする。
【0015】これによって、高温状態における初期の繰
り返しでは、温度パラメータTkの値を高く設定して局
所的最小値から脱出する確率を大きくし、繰り返し回数
(反復回数)Kの増加とともに、温度パラメータTkの
値を徐々に低くし(冷却し)、最終段階において、極低
温にすることで、大域的最小値の状態より逃避する確率
を小さくしている。
【0016】また、このようなSA法は直感的に分かり
易く、しかもプログラミング化が容易であり、従来の確
定的手法では、局所的最小値に捕われてしまうような問
題においても、近似的に大域的最小値を求めることが可
能であるため、非線形系の最適化問題に良く利用されて
いる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
SA法では、前記(7)式によって冷却温度(クーリン
グスケジュール)となる温度パラメータTkの値を徐々
に緩やかにし、十分に高い初期温度T0 から繰り返し回
数Kが無限大になるまで、状態変数Xの更新を行なう
と、確率“1”で大域的最小値を求め得ることが数学的
に証明されているが、現実的な問題として、上述した処
理を無限に繰り返すことが事実上、不可能であることか
ら、有限回の繰り返し回数において、最終的に得られた
解が大域的最適解にならないことがある。
【0018】つまり、このようなSA法は、1つの初期
状態から状態遷移を繰り返して探索を行なうという、逐
次改善法を基本としていることから、状態系列が1つに
なってしまい、探索範囲が限定されてしまうという問題
を持っている。
【0019】例えば、今、模式的に、1つの状態変数X
のエネルギー関数E(X)を考えると、図11に示す如
く初期値Aから探索を始めて、大域的最小値Bに到達す
るまでに乗り越えようとするエネルギー壁の凹凸が極端
に高く、かつ多峰性が顕著なときや図12に示す如く初
期値Aと大域的最小値Bが空間的に非常に遠いときなど
には、大域的最小値に到達する確率が非常に低くなって
しまうという問題がある。
【0020】本発明は上記の事情に鑑み、SA法で問題
となっていた初期値Aから探索を始めて、大域的最小値
Bに到達するまでに乗り越えようとするエネルギー壁の
凹凸が極端に高く、かつ多峰性が顕著なときや初期値A
と大域的最小値Bが空間的に非常に遠いときなどにも、
大域的最小値を求めることができ、これによって顕著な
多峰性を示すような複雑な問題などに対する解の信頼性
を大幅に向上させることができる並列型確率的最適化法
を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明による並列型確率的最適化法は、問題に対す
る解を求めるとき、繰り返し回数に応じて値が低下する
パラメータの現在値を確率的に評価して状態摂動範囲を
決定した後、この決定処理によって得られた状態摂動範
囲に基づいて現在状態変数を摂動させて複数個の仮状態
変数を演算するとともに、これらの各仮状態変数に対す
る仮目的関数の評価を行ない、これら各仮目的関数の評
価値のうち、最も低い評価値が前記現在状態変数に対す
る現在目的関数の評価値より低下しているとき、最も評
価値が低い仮目的関数に対応する仮状態変数に基づいて
現在状態変数の更新を行ない、また前記各仮状態変数に
対する前記各仮目的関数の評価値のうち、最も低い評価
値が前記現在状態変数に対する現在目的関数の評価値よ
り低下していないとき、最も低い評価値を示す仮目的関
数の評価値を確率的に認めることが可能かどうかを判定
し、確率的に認めることが可能であるとき、前記最も評
価値が低い仮目的関数に対応する仮状態変数に基づいて
現在状態変数の更新を行ない、また確率的に認めること
ができないとき、前記現在状態変数の更新をスキップ
し、この後、確率基準の更新を行ない、上記の処理を繰
り返して前記問題に対する解を求めることを特徴として
いる。
【0022】
【作用】上記の構成において、問題に対する解を求める
とき、繰り返し回数に応じて値が低下するパラメータの
現在値を確率的に評価して状態摂動範囲を決定した後、
この決定処理によって得られた状態摂動範囲に基づいて
現在状態変数を摂動させて複数個の仮状態変数を演算す
るとともに、これらの各仮状態変数に対する仮目的関数
の評価を行ない、これら各仮目的関数の評価値のうち、
最も低い評価値が前記現在状態変数に対する現在目的関
数の評価値より低下しているとき、最も評価値が低い仮
目的関数に対応する仮状態変数に基づいて現在状態変数
の更新を行ない、また前記各仮状態変数に対する前記各
仮目的関数の評価値のうち、最も低い評価値が前記現在
状態変数に対する現在目的関数の評価値より低下してい
ないとき、最も低い評価値を示す仮目的関数の評価値を
確率的に認めることが可能かどうかを判定し、確率的に
認めることが可能であるとき、前記最も評価値が低い仮
目的関数に対応する仮状態変数に基づいて現在状態変数
の更新を行ない、また確率的に認めることができないと
き、前記現在状態変数の更新をスキップし、この後、確
率基準の更新を行ない、上記の処理を繰り返して前記問
題に対する解を求めることにより、SA法で問題となっ
ていた初期値Aから探索を始めて、大域的最小値Bに到
達するまでに乗り越えようとするエネルギー壁の凹凸が
極端に高く、かつ多峰性が顕著なときや初期値Aと大域
的最小値Bが空間的に非常に遠いときなどにも、大域的
最小値を求め、これによって顕著な多峰性を示すような
複雑な問題などに対する解の信頼性を大幅に向上させ
る。
【0023】
【実施例】図1は本発明による並列型確率的最適化法の
一実施例を適用したシミュレーション装置の一例を示す
ブロック図である。
【0024】この図に示すシミュレーション装置1はキ
ーボード装置2と、処理装置3と、CRT装置4と、プ
リンタ装置5と、通信線6とを備えており、SA法によ
る“焼きなまし”という物理的アナロジーと、確率的要
素と、“温度”と呼ばれるパラメータとを使用する手法
と、温度に応じて状態変数Xを多数摂動させる手法とを
組み合わせたアルゴリズム(以下、このアルゴリズムを
並列型確率的最適化法と称する)を使用して、初期値か
ら探索を始め、大域的最小値に到達するまでに乗り越え
ようとするエネルギー壁の凹凸が極端に高く、かつ多峰
性が顕著なときや初期値と大域的最小値が空間的に非常
に遠いときなどにも、大域的最小値(最適解)を求め
る。
【0025】キーボード装置2は板状に形成される箱型
の匡体と、この匡体上に配置される各種の文字キーやテ
ンキー、各種のファンクションキーなど各種キーと、前
記匡体内に配置されるキーエンコーダ等とを備えてお
り、これの各種キーが操作されたとき、この操作内容に
応じて各種の指令や各種のデータを生成し、これを処理
装置3に供給する。
【0026】処理装置3はシミュレーション処理を行な
うのに必要な各種の情報処理やプラントに対する通信処
理などを行なうCPU回路10と、このCPU回路10
の基本プログラムや各種の定数データなどが格納される
ROM回路11と、前記CPU回路10の作業エリアな
どとして使用されるRAM回路12と、前記CPU回路
10の大容量記憶エリアとして使用される大容量記憶回
路13と、前記キーボード装置2から出力される各種の
指令や各種のデータを取り込んでこれを前記CPU回路
10に供給するキーボードインタフェース回路14と、
前記CPU回路10から出力される表示データを取り込
んで表示信号を生成し、これを前記CRT装置4に供給
するCRTインタフェース回路15と、前記CPU回路
10から出力される印字データを取り込んで前記プリン
タ装置5に供給するプリンタインタフェース回路16
と、前記CPU回路10と前記プラントとの間の通信を
サポートする通信インタフェース回路17とを備えてい
る。
【0027】そして、処理対象となる最適化問題や通信
線6を介してプラント側のシミュレーション対象データ
が入力されたとき、並列型確率的最適化法を使用して、
初期値から探索を始め、大域的最小値に到達するまでに
乗り越えようとするエネルギー壁の凹凸が極端に高く、
かつ多峰性が顕著なときや初期値と大域的最小値が空間
的に非常に遠いときなどにも、大域的最小値(最適解)
を求め、これをCRT装置4上に表示したり、プリンタ
装置5からプリントアウトしたり、通信線6を介してプ
ラント側に供給してこれを制御したりする。
【0028】CRT装置4はシミュレーション処理に必
要な表示容量を持つブラウン管や液晶表示器などの大容
量表示装置を備えており、前記処理装置3から表示信号
が出力されたとき、これを取り込んで表示画面上に表示
する。
【0029】また、プリンタ装置5はレーザプリンタ機
構やインパクト型のプリンタ機構などを備えており、前
記処理装置3から印字データが出力されたとき、これを
取り込んで用紙上にプリントした後、この用紙を排出す
る。
【0030】また、通信線6は前記処理装置3の通信イ
ンタフェース回路17と、シミュレーション制御対象と
なっているプラント側の各機器とを接続しており、前記
各機器から出力される検出データを受けて、これを前記
通信インタフェース回路17に供給し、またこの通信イ
ンタフェース回路17から制御データが出力されたと
き、これを受けて前記各機器に供給する。
【0031】次に、図2および図3に示すフローチャー
トを参照しながら、この実施例の並列型確率的最適化処
理の動作を説明する。
【0032】まず、キーボード装置2や通信線6を介し
て最適化問題やシミュレーション処理問題が入力されれ
ば、CPU回路10はこれを取り込んで、最小化する目
的関数(エネルギー関数)をE(X)とし、このエネル
ギー関数E(X)に対する状態変数X、初期温度T0
初期化してある値に決めるとともに、時間ステップ(反
復回数)Kを初期化して、K=0と設定する(ステップ
ST1)。
【0033】次いで、CPU回路10はエネルギー関数
E(X)の値を求めた後(評価した後)(ステップST
2)、現在の温度パラメータTkの値が次式を満たすか
どうかを判定する(ステップST3)。
【0034】Tk≧T0 ×R …(8) 但し、Tk:後述する(15)式で求められる温度パラ
メータ T0 :初期温度 R:[1、0]の一様乱数 そして、この(8)式が満たされていれば、CPU回路
10は現在の温度パラメータTkの値が高く、最適化問
題の初期状態から中盤状態に至る途中の処理であると判
定して、状態変数Xの摂動範囲を大きく設定し(ステッ
プST4)、また前記(8)式が満たされていなけれ
ば、現在の温度パラメータTkの値が低く、最適化問題
の中盤状態から最終状態に至る途中の処理であると判定
して、状態変数Xの摂動範囲を小さく設定する(ステッ
プST5)。
【0035】次いで、CPU回路10は微少変化量ΔX
iの添字iを初期化してi=1にした後(ステップST
6)、現在の状態変数Xに微少変化量ΔX(摂動範囲が
大きい場合には、ΔX=単位変化量の複数個分、摂動範
囲が小さいときには、ΔX=単位変化量)を加えて状態
を摂動させ(ステップST7)、これによって得られた
状態変数X+ΔXiに対するエネルギー関数E(X+Δ
Xi)の値を求める(ステップST8)。
【0036】この後、CPU回路10は添字iの値をイ
ンクリメントするとともに、この添字iの変更処理をn
回繰り返したかどうかを判定し(ステップST10)、
添字iの変更処理をn回繰り返していなければ、上述し
た状態変数Xの摂動処理に戻って同じ動作を繰り返す
(ステップST7〜ST10)。
【0037】そして、添字iの変更処理をn回繰り返し
たとき、CPU回路10は上述した処理によって得られ
た各状態変数X+ΔXiに対する各エネルギー関数E
(X+ΔXi)のうち、最もエネルギー値が小さいエネ
ルギー関数E(X+ΔXi)をエネルギー関数E[mi
n(X+ΔXi)]とした後、このエネルギー関数E
[min(X+ΔXi)]に対応する状態変数X+ΔX
iを選択し、これを状態変数min(X+ΔXi)とす
るとともに(ステップST11)、次式に基づいてこの
状態変数min(X+ΔXi)に対応するエネルギー関
数E[min(X+ΔXi)]と、エネルギー関数E
(X)との変化量ΔEを演算し(ステップST12)、 ΔE=E[min(X+ΔXi)]−E(X) …(9) この変化量ΔEが次式を満たすかどうかを判定する(ス
テップST13)。
【0038】ΔE≧0 …(10) そして、この(10)式が満たされていなければ、CP
U回路10は図4に示す如く状態変数Xに対応するエネ
ルギー関数E(X)より、状態変数min(X+ΔX
i)に対応するエネルギー関数E[min(X+ΔX
i)]の方が低い温度であると判定して次式に示す演算
を行ない、状態変数Xを更新する(ステップST1
6)。
【0039】 X=min(X+ΔXi) …(11) また、上述した変化量ΔEの判定処理において(ステッ
プST13)、前記(10)式が満たされていなけれ
ば、CPU回路10は図5に示す如く状態変数Xに対応
するエネルギー関数E(X)より、状態変数min(X
+ΔX)に対応するエネルギー関数E[min(X+Δ
Xi)]の方が高い温度であると判定し、次式に基づい
て状態の受容確率P(ΔE)を求めた後(ステップST
14)、 P(ΔE)=exp{(−ΔE)/Tk} …(12) 但し、Tk:後述する(15)式で求められる温度パラ
メータ 次式に基づいて、この(12)式で示される受容確率P
(ΔE)が次式を満たすかどうかを判定する(ステップ
ST15)。
【0040】P(ΔE)≧R …(13) 但し、R:[1、0]の一様乱数 そして、この(13)式が満たされていれば、CPU回
路10は確率的に認めることができる温度上昇であると
判定して、前記(11)式に基づいて状態変数Xの更新
を行ない(ステップST16)、また前記(13)式が
満たされていなければ、CPU回路10は確率的に認め
ることができない温度上昇であると判定して、前記(1
1)式に示す状態変数Xの更新処理をスキップする。
【0041】次いで、CPU回路10は次式に基づいて
時間ステップ(反復回数)Kを更新するとともに、 K=K+1 …(14) 次式に基づいて温度パラメータTkを更新した後(ステ
ップST17)、 Tk=T0 /{log(2+K)} …(15) この温度Tkがほぼゼロになったかどうかを判定し(ス
テップST18)、前記温度Tkがほぼゼロになってい
なければ、上述したエネルギー関数E(X)の評価に戻
り、温度Tkがほぼゼロに収束まで、上述した処理を繰
り返す(ステップST2〜ST18)。
【0042】そして、温度Tkがほぼゼロに収束したと
き(ステップST18)、CPU回路10は上述した処
理を終了し、このとき得られている状態変数Xを最適解
とし、このときの状態変数Xに対するエネルギー関数E
(X)を最適解に対するエネルギーとする。
【0043】この後、CPU回路10はこの最適解を示
す表示データを生成し、これをCRTインタフェース回
路15に供給して、CRT装置4上に表示させたり、前
記最適解を示す印字データを生成し、これをプリンタイ
ンタフェース回路16に供給して、プリンタ装置5から
プリントアウトさせたり、前記最適解に対応する制御デ
ータを生成し、これを通信インタフェース回路17に供
給し、プラント側の各機器を制御したりする。
【0044】この場合、最適化問題の初期状態から中盤
状態に至るまでの間、状態変数Xの摂動範囲を大きく
し、中盤状態から終盤状態に至るまでの間、状態変数X
の摂動範囲を小さくしてこの最適化問題に対する解を求
めるようにしているので、図6(a)〜(c)に示す如
くSA法で問題となっていた初期値Aから探索を始め
て、大域的最小値Bに到達するまでに乗り越えようとす
るエネルギー壁の凹凸が極端に高く、かつ多峰性が顕著
なときや、図7(a)〜(c)に示す如く初期値Aと大
域的最小値Bが空間的に非常に遠いときなどにも、大域
的最小値を求めることができ、これによって顕著な多峰
性を示すような複雑な問題などに対する解の信頼性を大
幅に向上させることができる次に、上述した並列型確率
的最適化処理によって9母線串形系統の無効電力源配置
計画を処理したときの一例を説明する。
【0045】まず、無効電力源配置計画とは、将来の電
力需要を想定した潮流状態に対し、適切な系統電圧を維
持するために必要な無効電力源の最適な設備位置や容量
を決定する問題である。そして、ここでは、この問題に
対し、さらに高周波を考慮してこの問題に対する最適解
を求めるものとする。これによって、この問題は顕著な
多峰性を示す混合整数計画問題となる。
【0046】このような問題に対する例題系統のデータ
として、「Y.Baghzouz、and S.Erh
em、“Shunt Capacitor Sizin
gfor Radial Distribution
Feeders withDistorted Sub
station Voltage”、IEEEIran
sactions on Power Deliver
y、Vol.5、No.2、April 1990」に
示されるデータを使用した。
【0047】このデータでは、 (a)基準容量は15MVAで、電源電圧は23KVで
ある。 (b)基本周波数状態において、無効電力源配置以前の
母線電圧は端末方向に進むに従い低下している。端末の
母線電圧は0.838[PU]である。 (c)基本周波数状態において、無効電力源配置以前の
送電損失は0.0522[PU]である。さらに、その
際におけるコスト(目的関数の値)は8.776であ
る。 (d)高周波は電源側に存在し、表1に示す通りであ
る。
【0048】
【表1】 (e)制約条件は下記の通りとする。なお、制約条件は
実行可能な解を得るための十分条件とする。
【0049】Qmax i=0.8[PU]:無効電力注入
量に対する制約 Vmin i=0.9[PU]:母線電圧に対する制約 Vmax i=1.1[PU]:母線電圧に対する制約 THDmax i=5[%]:THDに対する制約 但し、i:母線番号 (f)選択可能な無効電力源は表2の通りである。
【0050】
【表2】 この例題に対して、従来から使用されているSA法と、
上述した実施例の並列型確率的最適化法とによってシミ
ュレーション処理したしたとき、表3に示す結果を得る
ことができた。
【0051】
【表3】 この表3から明らかなように、解は実行可能解であり、
SA法によって得られた解より、並列型確率的最適化法
によって得られた解の方が良い解であることが分かる。
【0052】このことから、この実施例による並列型確
率的最適化法が有効性であることを確認することができ
た。
【0053】このようにこの実施例においては、処理対
象となる最適化問題や通信線6を介してプラント側のシ
ミュレーション対象データが入力されたとき、並列型確
率的最適化法を使用して、初期値から探索を始めて、大
域的最小値に到達するまでに乗り越えようとするエネル
ギー壁の凹凸が極端に高く、かつ多峰性が顕著なときや
初期値と大域的最小値が空間的に非常に遠いときなどに
も、大域的最小値(最適解)を求め、これをCRT装置
4上に表示したり、プリンタ装置5からプリントアウト
したり、通信線6を介してプラント側に供給してこれを
制御したりするようにしたので、状態摂動後の状態に多
様性を与え、これによって状態の遷移し得る確率を高く
して最適化の進行を速くすることができるとともに、状
態空間の広範囲な探索を可能にして、より良い解を得る
ことができる。
【0054】また、温度パラメータTkの値が高いと
き、状態空間を粗く探索し、温度パラメータTkの値が
低くなったとき、状態空間を細かく検索するように、温
度パラメータTkの値に応じて、状態摂動の範囲を確率
的に変化させるようにしているので、探索の効率を大幅
に向上させることができるとともに、摂動範囲を確率的
に決めることができ、これによって局所的最小値に捕わ
れた際にも、容易に脱出することができる。
【0055】さらに、多重化した状態の発生と、評価と
を互いに独立させ、並列処理によってこれを処理するこ
とができるので、CPU回路10をマルチプロセッサ形
式にすることにより、計算時間を大幅に短縮することが
できる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、S
A法で問題となっていた初期値Aから探索を始めて、大
域的最小値Bに到達するまでに乗り越えようとするエネ
ルギー壁の凹凸が極端に高く、かつ多峰性が顕著なとき
や初期値Aと大域的最小値Bが空間的に非常に遠いとき
などにも、大域的最小値を求めることができ、これによ
って顕著な多峰性を示すような複雑な問題などに対する
解の信頼性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による並列型確率的最適化法の一実施例
を適用したシミュレーション装置の一例を示すブロック
図である。
【図2】図1に示すシミュレーション装置で使用される
並列型確率的最適化法のアルゴリズムを示すフローチャ
ートである。
【図3】図1に示すシミュレーション装置で使用される
並列型確率的最適化法のアルゴリズムを示すフローチャ
ートである。
【図4】図2に示すアルゴリズムの動作例を示す模式図
である。
【図5】図2に示すアルゴリズムの動作例を示す模式図
である。
【図6】図2に示すアルゴリズムの効果を示す模式図で
ある。
【図7】図2に示すアルゴリズムの効果を示す模式図で
ある。
【図8】従来から知られているSA法のアルゴリズムを
示すフローチャートである。
【図9】図8に示すアルゴリズムの動作例を示す模式図
である。
【図10】図8に示すアルゴリズムの動作例を示す模式
図である。
【図11】図8に示すアルゴリズムの問題点を示す模式
図である。
【図12】図8に示すアルゴリズムの問題点を示す模式
図である。
【符号の説明】
1 シミュレーション装置 2 キーボード装置 3 処理装置 4 CRT装置 5 プリンタ装置 6 通信線 10 CPU回路 11 ROM回路 12 RAM回路 13 大容量記憶回路 14 キーボードインタフェース回路 15 CRTインタフェース回路 16 プリンタインタフェース回路 17 通信インタフェース回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 問題に対する解を求めるとき、繰り返し
    回数に応じて値が低下するパラメータの現在値を確率的
    に評価して状態摂動範囲を決定した後、 この決定処理によって得られた状態摂動範囲に基づいて
    現在状態変数を摂動させて複数個の仮状態変数を演算す
    るとともに、これらの各仮状態変数に対する仮目的関数
    の評価を行ない、 これら各仮目的関数の評価値のうち、最も低い評価値が
    前記現在状態変数に対する現在目的関数の評価値より低
    下しているとき、最も評価値が低い仮目的関数に対応す
    る仮状態変数に基づいて現在状態変数の更新を行ない、 また前記各仮状態変数に対する前記各仮目的関数の評価
    値のうち、最も低い評価値が前記現在状態変数に対する
    現在目的関数の評価値より低下していないとき、最も低
    い評価値を示す仮目的関数の評価値を確率的に認めるこ
    とが可能かどうかを判定し、確率的に認めることが可能
    であるとき、前記最も評価値が低い仮目的関数に対応す
    る仮状態変数に基づいて現在状態変数の更新を行ない、
    また確率的に認めることができないとき、前記現在状態
    変数の更新をスキップし、 この後、確率基準の更新を行ない、上記の処理を繰り返
    して前記問題に対する解を求める、ことを特徴とする並
    列型確率的最適化法。
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