JP2010025641A - 材料特性の推定方法及び材料特性の推定プログラム - Google Patents

材料特性の推定方法及び材料特性の推定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】高精度な数値解析を可能とする材料特性の推定方法及び材料特性の推定プログラムを提供する。
【解決手段】材料Xの材料モデルの定数であるCijの仮定値を決定する。その後、仮定値に基づき得られた変位―荷重特性の解析結果と材料Xの当該特性に関する実測結果とを比較して、評価関数値を算出する。大域的最適化手法に従って、仮定値を基準値に基づく数値範囲内で変更しながら評価関数値の算出を繰り返した後、最適な仮定値を特定して記憶する。仮定値の記憶が所定回数実行されたか否かを判断し、所定回数実行されていないと判断した場合には、直前に記憶した仮定値を用いて大域的最適化手法を再度実行し、所定回数実行されたと判断した場合には、記憶した仮定値の中から最適条件を満たすものを選択する。
【選択図】図2

Description

本発明は、材料特性の推定方法及び材料特性の推定プログラムに関する。
数値解析を用いて製品性能を評価する際には、材料が有する種々の特性を入力パラメータとして準備する必要があるが、これらの特性の中には正確な測定が難しいものがあり、このような特性はしばしば、数値解析を用いて推定される。例えば特許文献1記載の方法は、試験片(材料)の応力−歪特性を推定する方法であって、試験片の実物を用いて衝撃特性に関する実験を行う実機試験工程と、試験片の応力−歪特性のパラメータを用いて上記実験に相当する数値解析を行う解析工程とを有しており、数値解析結果と実験結果との差が許容範囲内となるまでパラメータを変更しながら解析工程を繰り返し、許容範囲内となったときのパラメータを材料の応力−歪特性を示すものと判断する。
特開2006−258588号公報
しかしながら、特許文献1記載の方法では、解析工程と変更工程とを何度繰り返しても、数値解析結果と衝突試験結果との差が許容範囲に収まらない、すなわち収束しないことがあった。この場合、推定される材料の応力−歪特性は精度が劣ったものとなり、この応力−歪特性を用いた数値解析は精度が低くなる。
そこで本発明は、高精度な数値解析を可能とする材料特性の推定方法及び材料特性の推定プログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る材料特性の推定方法は、材料について、第1の特性に関連する第2の特性の実測結果を用意する第1の工程と、第1の特性の仮定値を決定する第2の工程と、前記仮定値を基準値として記憶する設定ステップと、第1の特性が当該仮定値であるときの第2の特性の解析結果を求め、前記第2の特性の解析結果と前記実測結果とを比較することで評価関数値を算出する算出ステップとを含み、大域的最適化手法に従って前記仮定値を前記基準値に基づく所定の数値範囲内で変更しながら前記算出ステップを繰り返すことにより前記所定の数値範囲内で最適な前記仮定値を特定して記憶する第3の工程と、前記第3の工程が所定回数実行されたか否かを判断し、所定回数実行されていないと判断した場合には、直前の前記第3の工程で記憶した前記仮定値を用いて前記第3の工程を再度実行し、所定回数実行されたと判断した場合には、前記第3の工程で記憶した前記仮定値の中から最適条件を満たすものを選択する第4の工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る材料特性の推定方法では、第1の特性に関連する第2の特性の実測結果を用意しておく(第1の工程)。その後、第1の特性の仮定値を決定し(第2の工程)、この仮定値から第2の特性の解析結果を求め、第2の特性の解析結果と実測結果とを比較して評価関数値を算出する(算出ステップ)。そして、大域的最適化手法に従って仮定値を変更しながら評価関数値を算出することにより、最適な仮定値を特定する。ここで重要なのは、本発明では、最適な仮定値をある数値範囲内で求めるということである。仮定値の大幅な変更が可能だと、変更後の仮定値が数値解析を安定的に行える領域から外れてしまい最適な仮定値を得ることが困難になりがちだが、本発明では、仮定値をある数値範囲内から選択するので仮定値の大幅な変更が生じず、仮定値が数値解析の安定領域から外れにくくなるため、最適な仮定値を確実に得ることができる。第3の工程では、得られた最適な仮定値を記憶する。
ところで、このようにして特定された最適な仮定値が第1の特性の最適値であるとは限らない。なぜなら、ここで得られた最適な仮定値は「基準値に基づく所定の数値範囲」という限られた領域内から選ばれたものにすぎず、真に最適な仮定値はかかる領域の外に存在するかもしれないからである。そこで本実施形態では、第3の工程で記憶した仮定値を基準値とし、再び第3の工程を実行する。これにより、先に実行した第3の工程と次に実行する第3の工程とでは、「基準値を基準とした所定の数値範囲」がずれることになる。このように、数値範囲をずらしながら第3の工程を反復実行することで、仮定値の大幅な変更をなくしつつも、広い数値範囲で最適な仮定値を得ることができる。これにより、材料の第1の特性をより精度良く推定することができ、その結果、材料特性の推定において、高精度な数値解析が可能となる。
また、本発明の材料特性の推定方法では、第3の工程では、大域的最適化手法として焼きなまし法を用いることが好ましい。大域的最適化手法を用いることで、第3の工程において局所的最適解に陥る可能性が低くなる。よって、材料の第1の特性をいっそう正確に推定することができる。
また、本発明の材料特性の推定方法では、材料は樹脂材料であり、実測結果は引張試験により得られるものであり、第1の特性は超弾性モデルの材料定数であり、第2の特性は変位―荷重特性であることが好ましい。この場合、実測が極めて困難な真歪―真応力特性をより正確に推定することが可能となる。
ところで、本発明は、上記のように材料特性の推定方法の発明として記述できる他に、以下のように材料特性の推定プログラムの発明としても記述することができる。これらはカテゴリが異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
すなわち、本発明に係る材料特性の推定プログラムは、材料の第1の特性を推定するプログラムであって、情報処理装置に、材料について、第1の特性に関連する第2の特性の実測結果を用意する第1の処理と、前記第1の特性の仮定値を決定する第2の処理と、仮定値を基準値として記憶する設定ステップと、第1の特性が当該仮定値であるときの第2の特性の解析結果を求め、前記第2の特性の解析結果と前記実測結果とを比較することで評価関数値を算出する算出ステップとを含み、大域的最適化手法に従って前記仮定値を前記基準値に基づく所定の数値範囲内で変更しながら前記算出ステップを繰り返すことにより前記所定の数値範囲内で最適な前記仮定値を特定して記憶する第3の処理と、前記第3の処理が所定回数実行されたか否かを判断し、所定回数実行されていないと判断した場合には、直前の前記第3の処理で記憶した前記仮定値を用いて前記第3の処理を再度実行し、所定回数実行されたと判断した場合には、前記第3の処理で記憶した前記仮定値の中から最適条件を満たすものを選択する第4の処理と、を実行させることを特徴とする。
また、本発明に係る材料特性の推定プログラムでは、第3の処理では、最適化手法として焼きなまし法を用いることが好ましい。
また、本発明に係る材料特性の推定プログラムでは、材料は樹脂材料であり、実測結果は引張試験により得られるものであり、第1の特性は超弾性モデルの材料定数であり、第2の特性は変位―荷重特性であることが好ましい。
本発明によれば、高精度な数値解析を可能とする材料特性の推定方法及び材料特性の推定プログラムを提供することができる。
以下、図面とともに本発明に係る材料特性の推定方法および射出成形条件の決定プログラムの好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態に係る材料特性の推定方法は、樹脂材料Xの特性である超弾性モデルにおける材料定数(第1の特性)を推定するものであって、ワークステーションやPC(Personal Computer)等の情報処理装置により実行される。情報処理装置としては、例えば、図1に示すようなハードウェア構成のものが用いられる。図1に示すように、情報処理装置30は、中央処理装置(CentralProcessing Unit:CPU)31と、プログラムやデータを記憶するためのハードディスク装置32と、主メモリ33と、キーボードやマウス等の入力装置34と、ディスプレイ等の表示装置35と、磁気テープやROM等の記録媒体37を読み取る読取装置36とを含んで構成されている。ハードディスク装置32、主メモリ33、入力装置34、表示装置35、及び読取装置36は、何れも中央処理装置31に接続されている。
この情報処理装置30では、プログラムを記憶した記録媒体37が読取装置36に装着され、記録媒体37からプログラムが読み出されてハードディスク装置32に記憶される。続いて、ハードディスク装置32に記憶されたプログラムが、中央処理装置31により主メモリ33上に展開して実行されて、本実施形態に係る材料特性の推定方法が実行される。なお、本実施形態に係る材料特性の推定方法は、上記のようにプログラムによるものでなく装置のみで実行されるものであってもよい。また、以下に述べる一連の処理全てが情報処理装置にて実行されるとしてもよいし、一連の処理のうちの一部が情報処理装置にて実行されるとしてもよい。
本実施形態では、最適化支援ソフトウエアと数値解析ソフトウエアとを組み合わせて実行することにより、樹脂材料Xの材料定数を推定する。最適化支援ソフトウエアにはiSIGHT version 10.0 (Engineous Software Inc.製)を用い、数値解析ソフトウエアにはABAQUS/ Standard Version 6.7(Dassault Systems Simulia Corp.製)を用いる。なお、適用可能な最適化支援ソフトウエアおよび数値解析ソフトウエアはこれに限られない。
以下、図2のフローチャートを用いて、本実施形態に係る材料特性の推定方法を説明する。
まず、樹脂材料Xの変位―荷重特性(第2の特性)について実測結果を用意する(第1の工程、ステップS11)。この実測結果は、樹脂材料Xからなる試験片を用いた引張試験によって得たものである。図3(a)は変位―荷重特性に関するグラフを示す図であって、グラフ中の実線は本ステップで用意された実測結果を示す。実測結果はハードディスク装置32あるいは記録媒体37に予め記憶されたものであってもよいし、本ステップにおいてユーザにより入力されたものであってもよい。上記の引張試験は、具体的には、例えば、以下のように行われる。試験方法は一軸引張試験が用いられる。材料は、住友化学(株)社製ポリプロピレンWF836DG3(メルトフローレイト(MFR):7g/10分)が用いられる。測定機器は、高速引張試験機((株)島津製作所製ハイドロショットHITS−T10)が用いられる。測定条件は、153℃、100mm/sである。試験片は、ASTM Type Lである。
次に、変位―荷重特性の実測結果から、公知の方法を用いて樹脂材料Xの真歪―真応力特性を見積もる(ステップS12)。ここでは、下記式(A)(B)を用いて真歪ε及び真応力Tを求める。図3(a)は、真歪―真応力特性に関するグラフを示す図であって、グラフ中の実線は本ステップで見積もった樹脂材料Xの真歪―真応力特性を示す。
ε=ln(1+d/l) …(A)
(d:変位、l:試験片の基準長)
T=f/A×(1+d/l) …(B)
(f:荷重、A:試験片の基準断面積)
次に、ステップS12で見積もった試験片の真歪―真応力特性から、樹脂材料Xの超弾性モデルの材料定数の仮定値(第1の特性)を決定する(第2の工程、ステップS13)。ここで、超弾性モデルは下記式(1)〜(4)であり、材料定数は下記式(4)にあるパラメータC01,C10,C11,C02,C20である。決定方法は、下記式(4)で表される曲線が、ステップS12で見積もった試験片の材料定数真歪―真応力特性と図3(a)に示すように、略同一のものとなるように材料定数を決定する。図3(a)に示す破線は、超弾性モデルによって算出された真歪―真応力特性を示す。説明の便宜上、以降はパラメータC01,C10,C11,C02,C20をまとめてパラメータCijと呼ぶ。
Figure 2010025641


Figure 2010025641


Figure 2010025641


Figure 2010025641
ここで注意されたいのは、ステップS13で求めた材料定数は、精度がさほど高くないということである。これは、ステップS12で使用した式(A)(B)は引張試験において、試験片が一様に変形しかつ体積が不変である場合を仮定した理論式であり、実際の実験ではこれらの仮定が十分に成立しないために、近似した結果が得られる。すなわち、ステップS12で見積もった試験片の真歪―真応力特性の精度がさほど高くないために、ステップS13で得られた材料定数はおおよそのものとなる。
次に、パラメータCijの仮定値をステップS13で得た値から変動させ、所定の数値範囲内で最適なパラメータCijの仮定値を特定し、記憶する(第3の工程、ステップS14)。なお、ステップS14〜S17は、最適化支援ソフトウエアを用いることで実行される。
ステップS14について、図5を参照しつつ詳細に説明する。図5は、ステップS14の実行内容を詳しく示すフローチャートである。まず、ステップS13で求めたパラメータCijの仮定値を基準値Bijとする(設定ステップ、ステップS140)。次に、変動倍率Aijを1に設定する(ステップS141)。そして、変動倍率Aijと基準値Bijとを乗算してパラメータCijの仮定値を新たに算出する(ステップS142)。なお、基準値BijがステップS13で求めたパラメータCijの仮定値であること、及び、変動倍率Aijが1であることから、ステップS142で得られるパラメータCijの仮定値は、ステップS13で求めたパラメータCijの仮定値と同一である。図6は、ステップS140〜142を初めて実行したときの変動倍率Aij、基準値Bij、及びパラメータCijの仮定値を示す図である。
次に、超弾性モデルの材料定数をステップS142で得たパラメータCijとし、数値解析ソフトウェアを使って、引張試験に相当する解析を実施し、変位−荷重特性(第2の特性の解析結果)を求める(ステップS143)。このとき解析モデル40は、引張試験で用いた試験片と同等の試験片であって、図4に示すように、平行部42とR部43a,43bとを有した形状となっている。平行部42は長さLPが10mm、厚さが3.0mm、幅WPが3.00mmとなっており、R部43a,43bは長さLRが10mm、厚さが3.0mm、幅WPの最大値が10mm、最小値が3.00mmとなっている。なお、境界条件は、解析モデル40のR部43a側の端部を完全拘束した状態でR部43b側の端部を均一速度100mm/sで延伸方向に引っ張ることとする。図3(b)の破線は、本ステップを初めて実行したときに得られた第2の特性の解析結果を示す。図3(b)からわかるように、この時点では、ステップS11で用意された実測結果と解析結果の変位−荷重特性との間には大きな差がある。
変位−荷重特性の解析結果と、変位―荷重特性の実測結果とから、評価関数値Dを算出する(算出ステップ、ステップS144)。評価関数値Dは、以下の式(5)で求められる。
Figure 2010025641


nは比較点の数であり、本実施形態では17である。xは第i番目の比較点における変位量である。Lsim(x)は、解析モデルの変位−荷重特性から得た、変位量がxの時の荷重値であり、Lexp(x)は、実測結果から得た、変位量がxの時の荷重値である。図3を用いてより具体的に説明すると、xは0mmであり、x17は90mmである。Lsim(x17)は約0.045kNであり、Lexp(x17)は、約0.055kNである。
次に、ステップS144を56回実行したか、又は略同一の評価関数値Dを5回得たかを判断する(ステップS145)。ここで、略同一の評価関数値Dとは、予め定めた所定の誤差範囲内に収まる評価関数値Dを指す。ステップS144を56回実行しておらず、且つ、評価関数値Dについて略同一の値を5回得ていない場合、「No」が選択される。「No」の場合、大域的最適化手法に従って変動倍率Aijを下記式(6)に示す数値範囲で変更する(ステップS146)。なお、大域的最適化手法としては焼きなまし法や遺伝的アルゴリズムが挙げられるが、本実施形態では焼きなまし法を適用する。
Figure 2010025641

次に、ステップS146で選択された変動倍率Aijを用いて、ステップS142〜145を再び実行する。
すなわち、ステップS146で変更した変動倍率Aijと基準値Bijとを乗算してパラメータCijの仮定値を新たに算出する。そして、このパラメータCijの仮定値から引張試験に相当する解析による変位−荷重特性の解析結果を新たに求める。変位−荷重特性の解析結果と、ステップS11で用意した変位―荷重特性の実測結果とから、評価関数値Dを新たに算出する。
その後、ステップS144をそれぞれ56回実行し終わるか、略同一の評価関数値Dを5回得るまで、ステップS141〜145を反復実行する。評価関数値Dの算出を56回実行した場合には、算出された評価関数値Dのうち最小のものを選択し、この値と、この値が得られたパラメータCijの仮定値とを記憶する(ステップS147)。略同一の評価関数値Dを5回得た場合には、略同一の評価関数値Dのうちの最小値と、この値が得られたパラメータCijの仮定値とを記憶する。これにより、以下の式(7)で表せる数値範囲内(所定の数値範囲内)で最適なパラメータCijの値が記憶されることとなる。以上の工程を経て、ステップS14は終了する。
Figure 2010025641

図2に戻る。ステップS14の実行後、ステップS14の実行回数が所定回数に達した否かを判断する(第4の工程、ステップS15)。本実施形態では、ステップS14の実行回数は56回とする。この回数に達していない場合には、直前にステップS14で記憶したパラメータCijの仮定値を抽出し(ステップS16)、これを用いてステップS14を再度実行する。このとき、抽出したパラメータCijの仮定値が基準値Bijとなる。
ステップS14の実行回数が56回に達したら、ステップS14で最後に記憶した複数のパラメータCijの仮定値を選択する(ステップS17)。図7は、ステップS17で選択されたパラメータCijの仮定値と、この値を得た際の変動倍率Aij及び基準値Bijとを示す図である。また、図8は変位―荷重特性に関するグラフを示す図であって、グラフ中の実線はステップS11で用意された実測結果を示し、破線はステップS17で選択されたパラメータCijの仮定値に基づきステップS143で得られた変位−荷重特性の解析結果を示す。図8からもわかるように、ステップS17で選択されたパラメータCijに対応する変位−荷重特性の解析結果は、変位―荷重特性の実測結果とほぼ一致している。したがって、ステップS17で選択した仮定値をパラメータCijの正式な値とすることにより、樹脂材料Xの高精度な超弾性モデルの材料定数を得ることができる。
以上の工程を経て、樹脂材料Xの超弾性モデルの材料定数の推定が終了する。推定された超弾性モデルの材料定数を示す情報は別の解析モジュール等に出力されて、用いられることによって樹脂材料Xの数値解析等を行うことが可能となる。
上記のように、本実施形態に係る材料特性の推定方法では、ステップS14にてパラメータCijの仮定値を種々の値に変更する。図9は、本実施形態に係る材料特性の推定方法の概念を示す図である。図9は、図面を見やすくするためにパラメータC01,C10を軸とした二次元グラフとなっているが、実際はパラメータC01,C10,C11,C02,C20を軸とした五次元グラフとなっている。仮定値の大幅な変更が可能だと、仮定値が数値解析を安定的に行える領域から外れてしまい最適な仮定値が得られなくなるおそれがあるが、図9に示すように本実施形態では、数値範囲Q内すなわち上記式(7)に示す範囲内から仮定値を選択するため、仮定値Pの大幅な変更が生じない。よって、ステップS14において変更後の仮定値が数値解析の安定領域Rから外れる可能性が低くなるため、最適な仮定値Pを確実に得ることができる。なお最初の仮定値PFは、数値範囲Q内から選択されたものではないが、実測結果から取得されたものであるため(ステップS13を参照)数値解析の安定領域RPから外れる可能性は少なく、仮に安定領域Pから外れた場合は、仮定値PFであるCijの組み合わせを、安定領域におさまるように修正すればよい。
また、本実施形態では、ステップS14を繰り返し実行するが、先に実行したステップS14にて記憶したパラメータCijの仮定値を、次に実行するステップS14の基準値Bijとする。これにより、図9に示すように、先に実行したステップS14と後に実行するステップS14とでは、仮定値Pが選択されうる数値範囲Qがずれることになるので、各数値範囲Qで最適なパラメータCijの仮定値Pを得ることができる。ステップS14を繰り返し行い、最終的に得られた仮定値Pを選択すれば、真に最適な仮定値PAを得ることができ、これに対応する超弾性モデルの材料定数を樹脂材料Xの超弾性モデルの材料定数とすれば、樹脂材料Xの数値解析を精度よく行うことが可能となる。
また、本実施形態では、ステップS14の処理に大域的最適化手法を用いている。大域的最適化手法を用いることで、局所的最適解に陥る可能性が低くなる。よって、材料の材料定数をいっそう正確に推定することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態では、樹脂材料Xの超弾性モデルの材料定数を推定するとしたが、材料は樹脂材料に限られない。更に、材料特性についても超弾性モデルの材料定数に限られない。
また、本実施形態のステップS145では、評価関数値Dについて略同一の値を5回得たか、又はステップS143を56回実行したかを判断するとしたが、回数はこれに限られない。
また、本実施形態のステップS15では、ステップS14の実行回数が56回に達した否かを判断するとしたが、回数はこれに限られない。また、ステップS15では、ステップS14で略同一の仮定値を5回格納したかを判断する、としてもよい。この場合、ステップS17では、略同一の仮定値のうちの最小値を選択する。
(材料特性の推定プログラム)
次に、上述した一連の処理を情報処理装置30に実行させるための材料特性の推定プログラムについて説明する。図10に示すように、材料特性の推定プログラム71は、情報処理装置により読取可能な、あるいは情報処理装置に備えられる、記録媒体70に形成されたプログラム記憶領域70a内に記憶される。なお、記録媒体70が情報処理装置により読取可能なものである場合、かかる記録媒体70は図1に示す記録媒体37に相当する。
材料特性の推定プログラム71は、材料特性の推定方法を統括的に制御するメインモジュール71aと、第1のモジュール71bと、第2のモジュール71cと、第3のモジュール71dと、第4のモジュール71eと、を備えて構成される。
すなわち、第1のモジュール71bは上記の実施形態におけるステップS12を実現させ、第2のモジュール71cはステップS12,13を実現させ、第3のモジュール71dはステップS14を実現させ、第4のモジュール71eはステップS15〜S17を実現させる。なお、材料特性の推定プログラムは、その一部若しくは全部が、通信回線等の伝送媒体を介して伝送され、他の機器により受信されて記録(インストールを含む)される構成としてもよい。
本実施形態に係る材料特性の推定方法が実行される情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。 本実施形態に係る材料特性の推定方法を示すフローチャートである。 変位―荷重特性に関するグラフ、及び真歪―真応力特性に関するグラフを示す図である。 本形態の解析モデルを示す図である。 図1に示すステップS14の処理を詳細に示すフローチャートである。 図5に示すステップS140〜142初めて実行したときのパラメータの仮定値と、この値を得た際の変動倍率及び基準値とを示す図である。 図1に示すステップS17で選択されたパラメータの仮定値と、この値を得た際の変動倍率及び基準値とを示す図である。 変位―荷重特性に関するグラフ、及び真歪―真応力特性に関するグラフを示す図である。 本実施形態に係る材料特性の推定方法の概念を示す図である。 本実施形態に係る粘度特性推定プログラムの構成を示す図である。
符号の説明
30…情報処理装置、31…中央処理装置、32…ハードディスク装置、33…主メモリ、34…入力装置、35…表示装置、36…読取装置、37…記録媒体、40…解析モデル、70…記録媒体、70a…プログラム記憶領域、71…推定プログラム、71a…メインモジュール、71b…第1のモジュール、71c…第2のモジュール、71d…第3のモジュール、71e…第4のモジュール。

Claims (6)

  1. 材料の第1の特性を推定する方法であって、
    前記材料について、前記第1の特性に関連する第2の特性の実測結果を用意する第1の工程と、
    前記第1の特性の仮定値を決定する第2の工程と、
    前記仮定値を基準値として記憶する設定ステップと、前記第1の特性が前記仮定値であるときの第2の特性の解析結果を求め、前記第2の特性の解析結果と前記実測結果とを比較することで評価関数値を算出する算出ステップとを含み、大域的最適化手法に従って前記仮定値を前記基準値に基づく所定の数値範囲内で変更しながら前記算出ステップを繰り返すことにより前記所定の数値範囲内で最適な前記仮定値を特定し、当該仮定値を記憶する第3の工程と、
    前記第3の工程が所定回数実行されたか否かを判断し、所定回数実行されていないと判断した場合には、直前の前記第3の工程で記憶した前記仮定値を用いて前記第3の工程を再度実行し、所定回数実行されたと判断した場合には、前記第3の工程で記憶した前記仮定値の中から最適条件を満たすものを選択する第4の工程と、
    を有することを特徴とする材料特性の推定方法。
  2. 前記第3の工程では、前記大域的最適化手法として焼きなまし法を用いることを特徴とする請求項1に記載の材料特性の推定方法。
  3. 前記材料は樹脂材料であり、前記実測結果は引張試験により得られるものであり、前記第1の特性は超弾性モデルの材料定数であり、前記第2の特性は変位―荷重特性であることを特徴とする請求項1又は2に記載の材料特性の推定方法。
  4. 材料の第1の特性を推定するプログラムであって、
    前記情報処理装置に、
    前記材料について、前記第1の特性に関連する第2の特性の実測結果を用意する第1の処理と、
    前記第1の特性の仮定値を決定する第2の処理と、
    前記仮定値を基準値として記憶する設定ステップと、前記第1の特性が前記仮定値であるときの第2の特性の解析結果を求め、前記第2の特性の解析結果と前記実測結果とを比較することで評価関数値を算出する算出ステップとを含み、大域的最適化手法に従って前記仮定値を前記基準値に基づく所定の数値範囲内で変更しながら前記算出ステップを繰り返すことにより前記所定の数値範囲内で最適な前記仮定値を特定し、当該仮定値を記憶する第3の処理と、
    前記第3の処理が所定回数実行されたか否かを判断し、所定回数実行されていないと判断した場合には、直前の前記第3の処理で記憶した前記仮定値を用いて前記第3の処理を再度実行し、所定回数実行されたと判断した場合には、前記第3の処理で記憶した前記仮定値の中から最適条件を満たすものを選択する第4の処理と、
    を実行させることを特徴とする材料特性の推定プログラム。
  5. 前記第3の処理では、前記最適化手法として焼きなまし法を用いることを特徴とする請求項4に記載の材料特性の推定プログラム。
  6. 前記材料は樹脂材料であり、前記実測結果は引張試験により得られるものであり、前記第1の特性は超弾性モデルの材料定数であり、前記第2の特性は変位―荷重特性であることを特徴とする請求項4又は5に記載の材料特性の推定プログラム。
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