JPH07198700A - 環状クロマトグラフィー装置 - Google Patents

環状クロマトグラフィー装置

Info

Publication number
JPH07198700A
JPH07198700A JP5351701A JP35170193A JPH07198700A JP H07198700 A JPH07198700 A JP H07198700A JP 5351701 A JP5351701 A JP 5351701A JP 35170193 A JP35170193 A JP 35170193A JP H07198700 A JPH07198700 A JP H07198700A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
annular
eluent
separated
liquid
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5351701A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2817610B2 (ja
Inventor
Hiroshi Suzuki
博 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niigata Engineering Co Ltd
Original Assignee
Niigata Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Niigata Engineering Co Ltd filed Critical Niigata Engineering Co Ltd
Priority to JP5351701A priority Critical patent/JP2817610B2/ja
Publication of JPH07198700A publication Critical patent/JPH07198700A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2817610B2 publication Critical patent/JP2817610B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/50Conditioning of the sorbent material or stationary liquid
    • G01N30/58Conditioning of the sorbent material or stationary liquid the sorbent moving as a whole
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/80Fraction collectors

Abstract

(57)【要約】 【目的】 充填剤中に流下する溶離剤の流速が一定にな
るようにでき、分離すべき成分を効率的に分離できる環
状クロマトグラフィー装置を提供することを目的とす
る。 【構成】 環状充填部34からの排出液を導出する流出
口68の下流に弁69を設け、この弁69により溶離剤
が環状充填部34全体に均一に降下するように流量調整
する構成とすることにより、分離すべき成分を効率的に
分離できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、親和性等の被分離液中
の各成分に対して生物学的または物理化学的な相互作用
の差を有する充填剤(分離剤と称することがある)が、
環状に充填さされた環状充填部に、被分離液を通過さ
せ、各成分に対する生物学的または物理学的な相互作用
の差により生ずる移動速度の差を利用して、被分離液中
に含まれる2成分以上の成分を連続的に分離する環状ク
ロマトグラフィー装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、被分離液中に含まれる2成分
以上の成分の分離には、ポーラスポリマーゲル、親水基
を有する親水性ポリマーゲル、オクタデシル基やフェニ
ル基などをシリカゲル表面に結合させた化学結合型シリ
カゲル等の充填剤を用いて各成分の溶解度差を利用して
各成分を分離する分配クロマトグラフィー;シリカゲル
等の充填剤を用いて各成分の吸着エネルギー差を利用し
て各成分を分離する吸着クロマトグラフィー;キラルリ
ガンド結合体をシリカゲルに結合した化学結合型シリカ
ゲル等の充填剤を用いて各成分の不斉識別能の差を利用
して各成分を分離する光学分割クロマトグラフィー;ヒ
ドロキシアパイト充填剤を用いて各成分の吸着エネルギ
ーとイオン親和力の差を利用して各成分を分離するヒド
ロキシアパタイトクロマトグラフィー;イオン交換樹脂
で代表されるポリスチレンゲル誘導体、化学結合型シリ
カゲル、親水性ポリマーゲル等の充填剤を用いて各成分
のイオン親和力の差を利用して各成分を分離するイオン
交換クロマトグラフィー(またはイオンクロマトグラフ
ィー);化学結合シリカゲルや親水性ポリマーゲル等の
ゲルろ過剤型の充填剤を用いて各成分の分子の大きさの
差を利用して各成分を分離するサイズ排除クロマトグラ
フィー;さらには親水性ポリマーゲル等の充填剤を用い
て各成分の生物的親和力(例えば、酵素と、基質、阻害
剤または発現因子との間や、抗原と抗体との間に、見ら
れる生体分子間の特異的相互作用)の差を利用して各成
分を分離するアフィニティークロマトグラフィーなどが
汎用されている。
【0003】通常、上記のクロマトグラフィー操作は、
円筒管に上記の充填剤を充填し、固定相となし、この固
定相に分離すべき被分離液を通過させる回分方式であ
る。すなわち、固定相の一端に被分離液を供給した後
に、固定相である充填剤に対して移動相の働きをして固
定相に捕集されている成分を脱離移動させる溶離剤を供
給する。この溶離剤の流れにより、被分離液の分離展開
が行われ、充填剤に対する生物学的または物理化学的な
相互作用力(捕集のされかた)が最も小さい被分離液成
分が、最初に溶離剤と共に固定相から流出し、充填剤に
対する生物学的または物理化学的な相互作用力が最も大
きい被分離液成分が、最後に溶離剤と共に固定相から流
出するのである。
【0004】このように、クロマトグラフィー操作は、
被分離液の供給が間欠的であり、被分離液供給と溶離剤
供給を交互に行う必要があり、操作性が良くない。そこ
で、従来では、上記のような回分方式の欠点を解決する
方法として、溶離剤の流れ方向と十字流となるように、
充填剤を移動させることによって、被分離液供給を連続
的に供給できて、2成分以上の多成分の連続分離が行え
る十字流方式が提案されている。この方式は、充填剤を
環状に充填した環状充填部の上部から下部に流れる溶離
剤と被分離液の流れと、相対的に十字流となるように、
該環状充填部を回転移動させる環状クロマトグラフィー
装置によって行われる(特開昭61−164156号公
報、特開昭62−42048号公報、特開平2−189
458号公報、特開平4−227027号公報、特開平
4−227820号公報等参照)。
【0005】上記の環状クロマトグラフィーの原理を図
15を参照して説明する。この方式は、周方向に回転す
る二重円筒体1の内筒2と外筒3との間の間隙に充填剤
を充填して環状充填部4を形成し、この環状充填部4に
その上部より被分離液および溶離剤を連続的に供給し、
下部より分離された成分を連続的に取り出すものであ
る。
【0006】すなわち、環状に充填剤を充填した環状充
填部4上方に、それぞれ溶離剤を供給する溶離剤供給管
5(図では複数)および被分離液を供給する被分離液供
給管6(図では1本)が設けられていると共に、上記環
状充填部4下端に該環状充填部4を経て分離された分離
液を採取する流出口7が所定の間隔をあけて複数設けら
れている。環状充填部4は、矢印Pで示す方向に任意の
一定速度で回転しており、被分離液および溶離剤が、そ
れぞれ環状充填部4上部に固定された被分離液供給管6
および溶離剤供給管5から連続的に供給される。
【0007】例えば、被分離液が、A成分、B成分およ
びC成分を含むもので、この被分離液中の各成分と充填
剤の親和性においてA<B<Cの関係を有する場合、上
記操作により、溶離剤流れと充填剤流れは十字流とな
り、環状充填部4の充填剤上部に供給された被分離液は
溶離剤流れにより下方に流れるが、充填剤が溶離剤の流
れに対して相対的に垂直(直角)方向に移動しているた
め、被分離液中の各成分は、充填剤との親和性により螺
旋状に流れる。その結果、充填剤との親和性が大きいC
成分は被分離液供給管6の供給口から離れた位置に溶出
し、親和性が小さいA成分は供給口から近い位置に溶出
し、B成分はその中間の位置より溶出する。そして、こ
の溶出位置は、充填剤と溶離剤の移動速度により決まっ
た一定位置、すなわち、被分離液供給口より決まった角
度の位置である。このようにして、環状充填部4の下部
の流出口7から、被分離液を3成分に分離して取り出す
ことが可能となる。
【0008】この流出口7から分離された各成分を受け
て取り出す分離液取出部8の機構は、環状充填部4の下
方にその環状形状に合わせて固定された複数のコレクタ
ー容器で構成される。すなわち、環状充填部4と流出口
7は、矢印Pで示す方向に任意の一定速度で回転する一
方、被分離液供給管6と上記コレクター容器は、これら
に対して、固定され静止した関係になっている。このコ
レクター容器は、少なくとも各成分が溶出する位置の下
方に設ければ良いが、通常は複数のコレクター容器を一
体接合し、環状充填部4の環状形状に合わせて形成する
場合が多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
上述の環状クロマトグラフィー装置を運転してみると、
分離された成分が流出する流出口が常に一定に定まら
ず、各成分の流出位置にばらつきが生じた。従来の回分
式液体クロマトグラフィーで用いられる極めて均一に形
成されていると言われているフィルタ(焼結金網、グラ
スフィルタ)を環状充填部下端の流出口基部に取り付け
て運転しても、やはり各成分の流出位置にばらつきが生
じ、各成分を効率的に回収ができなかった。
【0010】詳細に、その原因を調べてみると、次の
(a)〜(c)によって、充填剤中を流下する溶離剤の
流速が環状充填部4全周にわたり均一になっていないた
めであることが判明した。 (a)完全に粒径の揃った充填剤がないこと。 (b)充填剤の完全均一充填が不可能なこと。
【0011】(c)完全に穴径の揃ったフィルタがない
こと。 溶離剤流速が不均一であると、被分離液中の各成分が、
定まった螺旋状に流れることができず、従って、各成分
の流出位置が変動することになる。その結果、各成分を
効率的に分離回収ができなという問題が生ずるわけであ
る。すなわち、環状クロマトグラフィーにおいては、充
填剤中を流下する溶離剤流速を環状充填部4全周にわた
り、乱れずに均一に保つことが、分離効率の観点から非
常に重要なわけである。
【0012】従来の回分式液体クロマトグラフィーで
は、細かいカラムを用いることが多くて、大径のカラム
を使用することがほとんどないので、均一に流すことが
操作上特に要求されることがなく、上記問題は、環状ク
ロマトグラフィー固有の問題である。そこで、本発明は
以上のような従来の問題点に鑑み、充填剤中に流下する
溶離剤の流速が一定になるようにでき、分離すべき成分
を効率的に分離できる環状クロマトグラフィー装置を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このため、第1の発明の
環状クロマトグラフィー装置は、環状に充填剤を充填し
た環状充填部と、該環状充填部下端に設けられ、当該環
状充填部からの排出液を導出する流出口とを備えると共
に、少なくとも前記環状充填部に溶離剤を供給する溶離
剤供給管と、分離すべき被分離液を供給する被分離液供
給管とを前記環状充填部上部に設けた環状クロマトグラ
フィー装置において、全ての前記流出口下流に弁を設け
た構成とする。
【0014】すなわち、この第1の発明は、被分離液供
給管が固定され、環状充填部が回転する方式の環状クロ
マトグラフィー装置と被分離液供給管が回転し、環状充
填部が固定される方式の環状クロマトグラフィー装置の
いずれでも良い。また、上記弁は流量調整ができるもの
であればどのようなものでも良く、一般に開と閉とを行
い、流量調整にはあまり使用されないゲート弁やボール
バルブ等の開閉弁でも使用できるが、好ましくはグロー
バルブやニードルバルブ等の流量調整用の弁が良い。
【0015】また、第2発明の環状クロマトグラフィー
装置は、環状に充填剤を充填した環状充填部と、該環状
充填部下端に設けられ、当該環状充填部からの排出液を
導出する流出口とを備え、前記環状充填部を固定すると
共に、少なくとも前記環状充填部に溶離剤を供給する溶
離剤供給管と、前記環状充填部の環状に沿って移動しな
がら分離すべき被分離液を供給する被分離液供給管とを
前記環状充填部上部に設け、全ての前記流出口下流に流
量制御装置を設けた構成とする。
【0016】上記流量制御装置は、後述する流量の調整
を差圧を一定にすることで行う実施例のものや流量実測
値に基づいて弁の開度を自動的に調整する方式の装置が
あり、小型のものであれば、いずれでも差支えない。
【0017】
【作用】第1の発明の環状クロマトグラフィー装置にお
いては、充填剤中を流下する溶離剤流速を均一にするた
めに、溶離剤は充填部上部に供給している状態で(被分
離液は供給しても供給しなくても良い)、流量調節用の
弁(バルブ)の開度を調整する。小規模の装置では、弁
を介して流出口から流出液がぽたぽたと滴下するので、
流量を調整するには、単位時間当たりの滴下数を数えて
同じ滴下数となるように弁の開度を調整する。大きい規
模の装置やより精度を上げるには、弁の下流に流量計を
設け、その値を見て弁の開度を調整する。なお、この場
合、分離すべき被分離液によっては、流出口全てに流量
計を付ける必要はなく、複数個毎でも流量測定する近傍
はそれほど流速が大きく変わらないので、流量測定して
弁の開度を調整したものを見て、その弁の開度か流れの
状態を目視で近似させて調整することにより、初期目的
は達成できる。また、移動可能な流量計を用意し、一つ
の流出口の流量を測定したら、その流量計を外し、その
流量計を次の流出口に接続して、その流出口の弁の開度
を調整することもできる。
【0018】第2の発明の環状クロマトグラフィー装置
においては、流出口下流に設けた全部の流量制御装置の
設定値を調整する。これにより、充填剤中に流下する溶
離剤(被分離液を含む)の流速を環状充填部全周にわた
り、乱れずに均一に保つことができ、被分離液中の各成
分が、定まった螺旋状に流れることができて、各成分の
流出位置が変動することがなく、効率的に回収ができ
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、第1の発明の一実施例を示す斜視断面図
である。環状クロマトグラフィー装置の本体10は、胴
体11と、該胴体11上端部の上蓋12と、胴体11下
端部の架台13とから構成される。なお、図1において
は、胴体11の中間部が省略されて表示されている。
【0020】前記胴体11は、内筒14と外筒15とか
ら構成され、この内筒14と外筒15との間は所定の隙
間が設けられ、後述する環状充填部34の一部を形成し
ている。この内筒14は、上下に相対向する円形板部1
6と円環状板部17、円形板部16と円環状板部17の
外周部相互を連接するように、両者の間に内側と外側と
にそれぞれ配設される内周壁部18と外周壁部19とか
ら構成される。この内周壁部18と外周壁部19との間
にはジャケット部20が形成されている。すなわち、前
記内周壁部18内側の上部と下部それぞれに図示しない
ノズルが設けられて、冷媒や熱媒さらには恒温槽等で一
定にされた流体が前記ジャケット部20に流通し、所定
の温度に維持するようになっており、該ジャケット部2
0は後述する環状充填部34の温度保持機能を司る。
【0021】前記内筒14の上側の円形板部16の中央
部には、後述する回転軸44の貫通孔21が開設され、
下側の円環状板部17の中央部には、円形孔22が開設
される。前記外筒15は、上下に相対向する円環状板部
23,24と、両円環状板部23,24の内周部相互を
連接するように、両円環状板部23,24の間に内・外
に配設される内周壁部25と外周壁部26とから構成さ
れる。この内周壁部25と外周壁部26との間にはジャ
ケット部27が形成されている。すなわち、前記外周壁
部26外側の上部と下部それぞれに図示しないノズルが
設けられて、冷媒や熱媒さらには恒温槽等で一定にされ
た流体が前記ジャケット部27に流通し、所定の温度に
維持するようになっており、該ジャケット部27は前記
内筒14側のジャケット部20と同様に後述する環状充
填部34の温度保持機能を司る。
【0022】前記上蓋12は円形板から構成される。ま
た、前記架台13は円環状板から構成され、図示しない
スタンド等に固定支持されている。そして、前記上蓋1
2は、周方向に複数用意されたボルト・ナット28によ
り、外筒15の上側円環状板部23に、Oリング29を
介装して、取り付けられており、上蓋12は胴体11の
外筒15上端部に気密に接合されている。
【0023】前記架台13には、周方向に複数用意され
たボルト・ナット30により、外筒15の下側円環状板
部24が取り付けられると共に、周方向に複数用意され
たボルト・ナット31により、内筒14の円環状板部1
7が取り付けられる。なお、架台13と外筒15の下側
円環状板部24との接合面にはOリング32が、架台1
3と内筒14の円環状板部17との接合面にはOリング
33が、それぞれ介装され、架台13は、胴体11の外
筒15下端部と内筒14下端部とに気密に接合されてい
る。
【0024】上記のように装置本体10を構成すること
により、内筒14上面、すなわち、上側円形板部16の
上面は外筒15上端部位置により下側に位置し、外筒1
5と内筒14との間には環状に充填剤が充填される環状
充填部34が形成される。前記上蓋12の上面中央部に
は、円筒部35と該円筒部35の上端に接合される円板
部36とからなる原料供給筒37が一体に形成されてい
る。この原料供給筒37の円板部36上面には、支持部
38が固定取付されている。さらに、この支持部38の
上端部には、支持架台39を介して後述する回転軸44
の駆動装置40が保持されている。
【0025】この駆動装置40は、ステッピングモータ
41と、一対のスプロケット42aとチェーン42bと
からなる動力伝達装置42と、ウォームギヤ43とから
構成され、ステッピングモータ41の回転駆動力を動力
伝達装置42を介してウォームギヤ43に伝達して、該
ウォームギヤ43を回転させている。前記ウォームギヤ
43の軸には垂直方向に延びる回転軸44が連結され
る。この回転軸44は前記原料供給筒37、支持部3
8、上蓋12、内筒14および架台13の中央部を貫通
して該架台13の下方に突出される。
【0026】前記支持部38の陥凹部38a内側には、
回転軸保持用のブロック45が挿入されている。このブ
ロック45には、該ブロック45を貫通する回転軸44
が、接続ボルト46によって固定されている。前記支持
部38の陥凹部38a内側のブロック45下側には、該
ブロック45支持用のベアリング47とブロック位置決
め用のベアリング48とが挿入配置されている。
【0027】前記原料供給筒37の円筒部35内側と内
筒14の円形板部16の上面中央部に突出形成された円
筒部49内側には、原料(分離すべき被分離液)のフィ
ード用のブロック50が挿入されている。このブロック
50は、そのブロック50中央を貫通する回転軸44の
外周に、接続ボルト51によって固定取り付けられてい
る。前記原料供給筒37の円筒部35内周面とブロック
50外周面との間には、後述する原料が外部に漏れない
ようにするための上下一対のシールパッキン52と、シ
ールパッキン52,52間に位置し原料流入ラインの空
間部(デッド部)を減少させるためのスペーサ53とが
介装されている。上蓋12の下面には、前記シールパッ
キン52を押さえて支持する押さえ固定部材54が装着
される。また、内筒14の円筒部49内周面とブロック
50外周面との間には、原料が外部に漏れないようにす
るためのシールパッキン55が介装される。さらに、円
筒部49内側のブロック50下側には、該ブロック50
位置決め用のベアリング56が挿入配置されている。円
筒部49の上面には前記シールパッキン55の押さえ固
定部材57が装着されている。
【0028】前記原料供給筒37の円筒部35周壁に
は、原料入り口となる孔58が開設されていると共に、
この孔58を取り囲むように該円筒部35の周壁外面に
は、ボス部59が固着取付されている。このボス部59
の先端部には、原料入り口パイプ60がパイプ固定ナッ
ト61によって固定取付されている。また、このボス部
59内部の孔58周りの円筒部35外周面と原料入り口
パイプ60先端との間にはシールパツキンが装填されて
いる。前記円筒部35内側の孔58と連通する上下一対
の前記シールパッキン52,52間は、原料流入ライン
の空間部として形成される。ブロック50には、この空
間部と一端部が連通するべく該ブロック50外周面に開
口され、他端部が該ブロック50の前記内筒14上部と
上蓋12との間に形成される空間部に位置する部分の外
周面に孔63として開口する原料通路62が形成されて
いる。この孔63を取り囲むように該ブロック50外周
面には、ボス部64が固着取付されている。このボス部
64の先端部には、原料フィードパイプ65がパイプ固
定ナット66により固定取付されている。また、ボス部
64内側の孔63周りのブロック50外周面と原料フィ
ードパイプ65の基端部との間には、シールパッキン6
7が装填されている。原料フィードパイプ65は、ブロ
ック50外周面から前記内筒14上部と上蓋12との間
に形成される空間部を水平に延びた後、下方に折曲さ
れ、その先端部は環状充填部34の充填剤に突入され
る。
【0029】前記原料通路62と原料フィードパイプ6
5とは、原料(分離すべき被分離液)を環状充填部34
上方に供給する被分離液供給管を構成する。前記架台1
3の前記環状充填部34に対応する複数位置には、該環
状充填部34と連通する流出口68が形成されており、
該流出口68には弁(バルブ)69が設けられている。
【0030】なお、流出口68の内側にはフィルタ70
が介装されている。前記弁69の構成を図2に基づいて
説明する。弁69は、弁本体71と弁体72とから構成
される。弁本体71は、内筒71Aと外筒71Bとから
構成される。内筒71Aの上端部外周面にはおねじ部7
1aが形成され、該おねじ部71aを架台13の前記流
出口68下流に形成されためねじ部13aにねじ嵌合す
ることにより、内筒71Aが架台13に固定され、流出
口68と内筒71Aとが連通する。内筒71Aの下端部
外周面にはおねじ部71bが形成され、該おねじ部71
bに外筒71Bの上端部内周面に形成されためねじ部7
1cをねじ嵌合することにより、外筒71Bが内筒71
Aにねじ式にスライド可能に結合され、内筒71Aと外
筒71Bとが連通する。
【0031】前記弁体72は、ニードル部分72aと、
図2(B)に示すように円形孔72bが開設された目皿
形状部分72cとから構成され、前記ニードル部分72
aと目皿形状部分72cとは独立して形成される。前記
ニードル部分72aは、内筒71Aと外筒71Bとの結
合部に形成された空間部73に挿入配置され、その先端
部が内筒71A内側に位置される。また、前記目皿形状
部分72cは、前記空間部73のニードル部分72aの
下側の外筒71Bの段部71d上に挿入配置される。
【0032】かかる構成の弁69において、外筒71B
を内筒71Aに対して回転して、外筒71Bの内筒71
Aに対するねじ嵌合位置を変化させると、前記空間部7
3の大きさが大小に変化する。したがって、前記空間部
73を大きくすると、ニードル部分72aと目皿形状部
分72cとが自重で下方にスライド移動し、これによ
り、ニードル部分72aと内筒71A内側との隙間(通
路)が大きくなり、流量が大に調整される。逆に、前記
空間部73を小さくすると、ニードル部分72aと目皿
形状部分72cとが押し上げられて上方にスライド移動
し、これにより、ニードル部分72aと内筒71A内側
との隙間(通路)が小さくなり、流量が小に調整され
る。
【0033】一方、図1において、前記上蓋12には、
溶離液(溶離剤)を、内筒14上部と上蓋12との間に
形成される空間部を介して、環状充填部34に供給する
ための溶離剤供給管74が貫通して一体に取付られてい
る。前記架台13の下方には円板状の第1の受皿75が
配設されている。この受皿75の中央部は、回転軸44
の下端部にナット76により締め付け固定され、回転軸
44と一体に回転するようになっている。かかる第1の
受皿75の内側には複数の分取容器77が取り付けられ
ている。この分取容器77は、環状充填部34の流出口
68から排出される分離された成分を採取するもので、
その側板から少し内側に寄った底壁面(すなわち、分取
容器77の底壁中央部)には、回収された成分をその下
方に配置された第2の受皿78へ導く取出パイプ77a
が、設けられている。また、前記第1の受皿75の底壁
には、各分取容器77の取出パイプ77aを通す孔75
aが、所定の間隔をあけて複数環状に配設されている。
この孔75aを貫通した分取容器77の取出パイプ77
aは、回収された成分を前記第2の受皿78の後述する
成分用受容器80に導くための、流出液導入パイプ83
に接続されている。また、前記第1の受皿75底壁の回
転軸44近傍部位には、パイプ86が下向きに取り付け
られており、前記環状充填部34の流出口68から排出
される不要溶離剤を下方の第2の受皿78の後述する容
器部85に導くようになっている。
【0034】なお、分離成分数に応じて前記分取容器7
7が第1の受皿75に設けられるので、前記分取容器7
7の取出パイプ77aが貫通しない第1の受皿75の孔
75aには、ゴム栓175が挿入され液密になつてい
る。また、第1の受皿75の孔75a内周とその孔75
aに挿入される取出パイプ77a外周との間には隙間が
ある。しかし、取出パイプ77aが分取容器77の側板
から少し内側に寄った底壁面(分取容器77の底壁中央
部)に取り付けられているので、該取出パイプ77a近
傍の分取容器77の底壁下面と第1の受皿75の上面と
が密着し、一種のシール機構となって、前記環状充填部
34の流出口68から排出される不要溶離剤が、前記第
1の受皿75に流入しても、前記孔75a内周と取出パ
イプ77a外周との隙間から漏れることがない。また、
漏れやすい溶離剤の場合は、必要により取出パイプ77
a外周にシールテープが巻かれて第1の受皿75の孔7
5aに挿入され液密にされる。
【0035】第1の受皿75の下方には、前述の如く第
2の受皿78が、図示しないスタンド等に固定支持され
て配設されている。この受皿78の内側には、周方向に
環状に連続する仕切壁79が複数同心状に設けられてお
り、該受皿78内側は仕切壁79により仕切り形成され
た複数の環状溝からなる成分用受容器80が形成され
る。第2の受皿78の底壁の前記成分用受容器80それ
ぞれに対応する部位には、流出口81が開設されてお
り、該流出口81には流出パイプ82が接続されてい
る。さらに、前記流出パイプ82の下方には、各成分用
の製品受容器84が配置されている。
【0036】前記第2の受皿78内側の中央部には、第
1の受皿75のパイプ86から排出される不要溶離剤を
回収する円形の容器部85が形成され、該容器部85に
は回収された不要溶離剤を、該容器部85から外部に排
出させるためのパイプ87が接続されている。かかる構
成の環状クロマトグラフィー装置は、上述した説明から
明らかなように、被分離液供給管(原料通路62と原料
フィードパイプ65)と分離液取出部である分取容器7
7とが回転し、環状に充填剤を充填した環状充填部34
が固定される方式である。この環状クロマトグラフィー
装置と、15図の被分離液供給管6と分離液取出部8が
固定され環状充填部4が回転する従来例のものとを、そ
れぞれの環状充填部と被分離液供給管・分離液取出部と
の運動関係から見れば、相対的な運動関係は全く同じ状
態であることがわかる。したしたがって、この環状クロ
マトグラフィー装置においても、溶離剤流れと充填剤流
れは十字流となり、環状充填部34の充填剤上部に供給
された被分離液は溶離剤流れにより下方に流れるが、被
分離液供給管が充填剤に対して相対的に直角方向に移動
しているため、被分離液中の各成分は、充填剤との親和
性により螺旋状に流れる。その結果、充填剤との親和性
が大きい成分は被分離液供給管から離れた位置に溶出
し、親和性が小さい成分は被分離液供給管供給口から近
い位置に溶出する。
【0037】すなわち、上記実施例の環状クロマトグラ
フィー装置においては、まず前記内筒14のジャケット
部20と前記外筒15のジャケット部27に、必要によ
り冷媒や熱媒さらには恒温槽等で一定にされた流体等が
流通され、環状充填部34が所定の温度に維持される。
冷媒や熱媒をジャケット部20,27に流通させる場合
は、例えば、溶離剤の流下に影響の少ない流出口68,
68間の環状充填部34下部に温度計を取り付け、該温
度計の信号を基にジャケット部20,27への冷媒や熱
媒の供給量を制御して該環状充填部34の温度制御が行
われる。
【0038】そして、必要によって図示しない熱交換器
等で温度調整された原料(分離すべき被分離液)が原料
入口パイプ60から原料供給筒37に供給されると、原
料は該原料供給筒37の円筒部35内周とブロック50
外周と上下一対のシールパッキン52,52間に形成さ
れた原料流入ラインの空間部に流入する。前記回転軸4
4と同期回転するブロック50には、この空間部と一端
部が連通し、他端部が該ブロック50の前記内筒14上
部と上蓋12との間に形成される空間部で原料フィード
パイプ65に接続する原料通路62が形成されているの
で、原料は、この空間部から初めて回転移動する原料通
路62を介して原料フィードパイプ65に流入する。よ
って、分離すべき被分離液を供給する被分離液供給管を
構成する原料フィードパイプ65が、環状充填部34の
上部充填剤に埋没させられながら、回転軸44と同期し
て環状充填部34の周方向に沿って移動するので、原料
は環状充填部34の上部充填剤に確実に供給される。
【0039】本方式のように環状充填部34を固定式と
してある円環状クロマトグラフィー装置においては、少
なくとも被分離液供給管は、その先端が環状充填部34
の該環状に沿って移動しながら分離すべき被分離液を供
給する必要があるが、溶離剤(溶離液)を供給する溶離
剤供給管74は、この実施例装置においては、環状充填
部34と同様に固定式であり、溶離剤は環状充填部34
上部に所定レベルの液位を保持するように供給されて、
溶離剤が環状充填部34全体に均一に降下される。
【0040】さらに、環状充填部34からの排出液を導
出する流出口68の下流には流量調節用の弁(バルブ)
69が設けられ、これによりさらに溶離剤が環状充填部
34全体に均一に降下するように流量調整される。すな
わち、充填剤中を流下する溶離剤流速を均一にするため
に、溶離剤は環状充填部34上部に供給している状態で
(被分離液は、溶離剤に比べて供給量が少なくてほとん
ど影響しないので、供給しても供給しなくても良い)、
弁69の開度を調整する。小規模の装置では、流出口6
8からの流出液が弁69を介してぽたぽたと滴下するの
で、流量を調整するには、単位時間当たりの滴下数を数
えて同じ滴下数となるように弁69の開度を調整する。
大きい規模の装置やより精度を上げるには、弁69の下
流に流量計を設け、その値を見て弁69の開度を調整す
る。なお、この場合、分離すべき被分離液によっては、
流出口68全てに流量計を付ける必要はなく、複数個毎
でも流量測定する近傍はそれほど流速が大きく変わらな
いので、流量測定して弁69の開度を調整したものを見
て、その弁69の開度か流れの状態を目視で近似させて
調整することにより、初期目的は達成できる。また、移
動可能な流量計を用意し、一つの流出口68の流量を測
定したら、その流量計を外し、その流量計を次の流出口
68に接続して、その流出口68の弁69の開度を調整
することもできる。
【0041】そして、前記流出口68から弁69を介し
て流下する分離成分を含む溶離液は、被分離液供給管と
同期して回転してその相対位置がたえず一定に保持され
ている第1の受皿75上の分取容器77に流れる。流出
口68から弁69を介して流下する分離成分を含まない
溶離液のみの液は、第1の受皿75に直接流れ込むよう
になっている。分取容器77に流れ込んだ分離成分を含
む溶離液は、第1の受皿75下方に配設された第2の受
皿78の所定の環状溝からなる成分用受容器80に、該
分取容器77の取出パイプ77aとそれに接続している
流出液導入パイプ83とを介して導かれる。
【0042】かかる構成によると、環状充填部34から
の排出液を導出する流出口68の下流に弁69を設け、
溶離剤が環状充填部34全体に均一に降下するように流
量調整する構成としたから、分離すべき成分を効率的に
分離できる。また、従来の環状クロマトグラフィー装置
においては、充填剤中に流下する溶離剤の流速が遅く、
分離に時間が掛かる。分離効率を下げずに、分離速度を
上げるには、充填剤粒度を細かくし、溶離剤流量を増加
させることが必要となる。しかし、溶離剤流量の増加
は、溶離剤供給用のポンプの吐出圧の上昇をもたらすこ
とになる。
【0043】上記実施例の環状クロマトグラフィー装置
においては、原料入口パイプ60が接続する原料供給筒
37の円筒部35内側に、回転軸44と同期回転するブ
ロック50を挿入し、この円筒部35内周面とブロック
50外周面との間に、上下一対のシールパッキン52を
介装して、原料が外部に漏れないようにすると共に、円
筒部35内周とブロック50外周と上下一対のシールパ
ッキン52,52間に空間部を形成し、さらに、回転軸
44と同期回転するブロック50に、この空間部と一端
部が連通し、他端部が該ブロック50の前記内筒14上
部と上蓋12との間に形成される空間部で原料フィード
パイプ65に接続する原料通路62を形成し、原料入口
パイプ60が回転軸44と同期移動する原料フィードパ
イプ65に気密に連通する耐圧シール構造としたので、
溶離剤供給用のポンプとして、高圧ポンプの使用が可能
となり、迅速な分離が可能となる。
【0044】なお、このシールパッキン52に代えてメ
カニカルシールを適用すれば、上述した環状充填部の上
部の構造の耐圧性をさらに高めることができる。図3
は、上述した図1の実施例装置を大型にして、工業的に
使用する場合の全体のフローを示すフローシートであ
る。これについて説明すると、原料タンク88内に貯留
された原料(分離すべき被分離液)は、原料ポンプ89
により、流量制御弁90および流量計91を介装した原
料供給ライン92を介して環状クロマトグラフィー装置
Aの原料フィード部aに供給される。溶離液タンク93
内に貯留された溶離液は溶離液ポンプ94により、流量
制御弁95および流量計96を介装した溶離液供給ライ
ン97を介して環状クロマトグラフィー装置Aの溶離液
供給管bに供給される。
【0045】環状クロマトグラフィー装置Aの受皿cの
下方には、図1の実施例の第2の受皿78と成分用受容
器80に代えて、製品回収装置98が配設されている。
この製品回収装置98の本体99内側には周方向に環状
に連続する仕切壁100が複数同心状に設けられてお
り、該本体99内側は仕切壁100により仕切り形成さ
れた2つの環状の製品受容器101,102と、一つの
円形状の排出溶離液回収容器103が形成される。製品
A用の製品受容器101内の分離された製品Aは、製品
回収ポンプ104を介して製品回収タンク105に導入
される。また、製品B用の製品受容器102内の製品B
は、製品回収ポンプ106を介して製品回収タンク10
7に導入される。さらに、排出溶離液回収容器103内
の排出溶離液は、排出溶離液回収ポンプ108を介して
排出溶離液回収タンク109に導入される。
【0046】前記2つの製品受容器101,102と一
つの排出溶離液回収容器103内のレベルをそれぞれ制
御するレベル制御計110が設けられており、該レベル
制御計110からのレベル信号に基づいて前記各ポンプ
104,106,108が制御され、製品受容器10
1,102および排出溶離液回収容器103で、分離さ
れた製品または排出溶離液がオーバーフローを起こさな
いようにされている。
【0047】なお、回収された前記排出溶離液は、必要
により適宜精製されて再び再使用される場合がある。次
に、上記第1の発明の一実施例の環状クロマトグラフィ
ー装置の効果を本発明者らによる実験例および比較実験
例を挙げて説明する。 実験例1 下記の円環状クロマトグラフィー装置、下記の充填剤お
よび下記の溶離剤を用いて、下記の被分離液にて下記の
操作条件の基にクロマクトグラフィーを実施し、下記の
結果を得るに至った。 〔円環状クロマトグラフィー装置〕図1に示す装置と同
様な装置で次の構成を特徴とする装置。
【0048】胴部を構成する二重円筒部は、外筒内径1
60mm、内筒外径150mm、高さ450mmであ
る。流出口には、図2で示した流量調整用の弁を設け
た。前記二重円筒部で形成された環状充填部の下端には
10μmのステンレス製の焼結フィルタを設けた。
【0049】その他の材質は、パッキン類を除き、全て
ステンレス材を用いた。分離機能を評価するために、各
流出口(実験装置では48箇所)からの流出液を採取し
て、その成分の分析が行えるようにした。すなわち、図
1の実施例装置の第1の受皿上の分取容器は取り去り、
第1の受皿の48箇所の流出口直下部に、試験管(内径
8mm×長さ40mm)を立てた状態で保持できる保持
穴を設けた。
【0050】そして、実験装置の運転開始後に定常状態
になったときに、上記保持穴に試験管を挿入し、流出液
を全試験管に同時に1〜2ml程度採取した。 〔充填剤,溶離剤、被分離液〕 ・充填剤 カチオン交換樹脂 Dowex 50W−X
8 平均粒子径0.14mm ・溶離剤 0.1Mくえん酸ナトリウム緩衝液(pH
3.4) ・被分離液 アスパラギン酸とグリシン水溶液(濃度
各々20mol/m3) 〔操作条件〕 ・被分離液は被分離液供給管から、また溶離剤は溶離剤
供給管からそれぞれ供給する。
【0051】・被分離液供給流量 0.6cm3 /mi
n ・溶離剤(溶離液)供給流量 6.0cm3 /min ・被分離液供給管回転速度 1.44deg/min ・被分離液供給圧力 gravity(0 kg/cm
2 G) 〔試料分析〕 ・アスパラギン酸とグリシン水溶液の分析は、ニンヒド
リン法(検出器UVメーター)によった。 〔結果〕試験管に採取した試料のアスパラギン酸とグリ
シンの相対濃度(各流出液中の各濃度/被分離液中の各
濃度)を図4に示す。
【0052】この結果から、ピーク形状が鋭く、かつ各
成分の重なりが極めて少なく、2成分の分離は良好であ
ることが判る。 比較実験例1 実験例1と同様な環状クロマトグラフィー装置で、実験
例1の流出口の流量調整用の弁に代えて、内径1mmの
パイプを取り付けたもので、他の条件は上記実験例1と
全く同じであった。
【0053】結果は、図5に示したように両ピーク形状
が幅広く、重なりがあるので、上記実験例1より分離が
不十分であった。 実験例2 上記実験例1で使用した装置を用いて、下記のように被
分離液供給量と溶離剤供給量とを増加し排出部の流量調
整バルブの開度を調整して、実験例1より供給圧力が高
い状態の加圧運転を行ない、その分離精度や分離速度等
を実験例1の結果と比較した。
【0054】その他の充填剤、溶離剤、被分離液は実験
例1と全く同じである。 〔操作条件〕 ・被分離液は被分離液供給管から、また溶離剤は溶離剤
供給管からそれぞれ供給する。 ・被分離液供給流量 4.5cm3 /min ・溶離剤(溶離液)供給流量 45.0cm3 /min ・被分離液供給管回転速度 1.44deg/min ・被分離液供給圧力 0.1kg/cm2 G 〔結果〕アスパラギン酸とグリシンが図6に示す濃度分
布で取り出された。
【0055】この結果から、実験例1より処理スピード
(被分離液供給流量)を7.5倍に上げても、ピーク形
状が多少幅広くなって重なりが多少生じて分離精度は多
少低下しているが、問題なく分離できることが判る。し
たがって、この高圧環状クロマトグラフィー法を採用す
ると、小さい装置で多量原料を処理できることが判る。
なお、さらに上記結果より分離精度をアップするには、
通常充填剤粒度を小さくすれば良い。
【0056】図7は、第2の発明の一実施例を示す斜視
断面図である。すなわち、この図において、この実施例
にあっては、図1の第1の発明の実施例における流出口
68に設けた弁69に代えて、流量測定値に基づいて自
動的に流量を制御する流量制御装置111を設けるよう
にしたものであり、他は図1のものと同じである。
【0057】図8は、流量制御装置111の構成を示
し、図9はその作動説明図である。すなわち、この流量
制御装置111は、流量指示計112と、流量設定弁1
13と、流量制御弁114とから構成される。流量指示
計112は逆U字管115の一方の管部115aに形成
される。該逆U字管115の一方の管部115aの開口
部は流入口aとして形成されており、流出口68下流の
架台13のめねじ部13aにねじ嵌合されパイプ211
に接続している。なお、パイプ211には、ユニオン2
11aが介装されており、上記ねじ嵌合がやりやすいよ
うに成っている。また、他方の管部115bの開口部
は、流出口bが形成されており、該流出口bには前記流
量設定弁113が接続されている。この流量設定弁11
3は、本体113aと該本体113a内に配設される弁
体113bと該弁体113bの操作部113cとから構
成される。流量設定弁本体113aの周部には、前記流
出口bと接続される流入口cが形成され、底部には流出
口dが形成される。弁体113bは、この流出口dの開
口面積を調整して流量を調整するもので、弁軸113d
は本体113a上壁を貫通して外部に突出し、突出端部
に前記操作部113cが形成される。
【0058】一方、前記流量制御弁114は、本体11
4aと該本体114a内に配設されるダイヤフラム11
4bと、該ダイヤフラム114bに連結される弁体11
4cと、ダイヤフラム114bを上方に弾性付勢するス
プリング114dと、前記弁体114cにより通路開口
面積が調整される流通管114eとから構成される。そ
して、流通管114eの一端部は、前記流量設定弁11
3の流出口dに連通され、他端部は流出口eとして形成
され、分取容器77または第1の受皿75に向けて開口
するパイプ214に接続されている。流量制御弁本体1
14a内は、ダイヤフラム114bによって2室A,B
に仕切り形成されている。一方の室Aは導圧管115を
介して前記流量設定弁113の本体113a内と連通さ
れ、他方の室Bは導圧管116を介して前記流通管11
4e内と連通される。前記スプリング114dは、本体
114a上壁外面と該本体114a上部から突出する弁
体114cの上端部に設けられた係止部114fとの間
に介装されて、上記のように、ダイヤフラム114bを
上方に弾性付勢する。
【0059】かかる構成の流量制御装置111におい
て、流量Qが増加すると、流量設定弁113の縮流部C
前後の差圧(P1 −P2 )が大きくなる。圧力P1 ,P
2 は、導圧管115,116により、ダイヤフラム11
4b上下に導かれているため、ダイヤフラム114bに
スプリング114dの弾性力に抗した下向きの力が発生
し、流量制御弁114の弁体114cは下方に移動して
流量Qを減少させる。
【0060】以上の状態が安定すると、次式が成立す
る。 (P1 −P2 )×S=F−W 但し、S─ダイヤフラムの有効受圧面積 F─スプリングによる上向きの力 W─流体中の制御弁の重さ 上記の式を変形すると、次式となる。
【0061】P1 −P2 =(F−W)/S このように流量設定弁113の縮流部C前後の圧力差が
常に一定に保たれ、定流量が得られることになる。した
がって、かかる構成の流量制御装置111を、図7と図
8に示すように、環状クロマトグラフィー装置の全部の
流出口68にそれぞれ設けることにより、各流量設定弁
113を調整すると、充填剤中を流下する溶離液(被分
離液を含む)の流速を環状充填部34全周にわたり、乱
れずに均一に保つことができ、被分離液中の各成分が、
定まった螺旋状に流れることができ、各成分の流出位置
が変動せず、効率的な成分回収を行うことができる。
【0062】図10は、第2の発明の応用例というべき
第2の実施例を示している。この実施例においては、回
転軸44に支持されて原料フィードパイプ65と同期し
て回転している受皿75に代えて、流出口68下方に少
なくとも目的とする(得たい)分離成分数+1(溶離液
の分)の環状排出流路117を設けると共に、環状充填
部34下端の流出口68全部において、各流出口68に
接続され、流量制御装置111が設けられたそれぞれの
流出管118を、その流量制御装置111下流で分岐
し、それぞれの前記環状排出流路117に自動切換弁1
19を介して連絡し、かつ、被分離液供給管の環状移動
位置に応じて常に所定の環状排出流路117を選択する
ように自動切換弁119を制御する弁切換制御手段(後
に図に基づいて詳述する)を設けたもので、これにより
受皿75のような回転するものがなく、気密性も保てる
ことになるという利点を有する。
【0063】前記環状排出流路117は、完全な環状で
なくともよく、例えば、両端が閉塞したパイプを円弧状
に形成し、該パイプに全流出口68からの流出管118
が自動切換弁119を介して連通すると共に、製品受容
器84に連絡するパイプが設けられていればよい。ま
た、環状排出流路117を設ける数は、例えばA,B,
Cの3成分が機能的に分離可能である場合、通常3+1
(溶離剤の分)の4つとなるが、仮に成分Aのみを分離
目的としていた場合は、環状排出流路117の設定数
は、2つでも良く、要は、目的に応じて各分離成分と溶
離剤の対応した複数の環状排出流路117を設ければよ
い。
【0064】上記の環状クロマトグラフィー装置におい
て、環状充填部34の下端の各成分の見掛け上の横方向
(周方向)の移動に合わせて、それぞれ自動切換弁11
9を切り換え、各成分に対応した環状排出流路117
(溶離液のみの環状排出流路もある)を選択する。例え
ば、成分Aの移動に応じて成分Aのみが所定の環状排出
流路117に流入するように、成分Aが移動してきた流
出口68においては、成分Aを集める環状排出流路11
7に通じる自動切換弁119が一定の期間だけ開とな
り、当該流出口68の他の自動切換弁119は閉とな
る。
【0065】ここで、図11と表1は、上述の環状排出
流路117の選択機構の作動説明図である。
【0066】
【表1】
【0067】なお、図10の環状クロマトグラフィー装
置においては、通常数十の流出口を設けるが、図11で
は説明を簡単にするため8つの流出口を設けた場合を示
しており、環状充填部を平面状に展開したものである。
図11において、A1 〜A8 は製品A回収用の自動切換
弁、B1 〜B8 は製品B回収用の自動切換弁、C1 〜C
8 は排出溶離液用の自動切換弁である。
【0068】いま、図11の状態における自動切換弁の
開閉状態は、製品A回収用の自動切換弁の開く位置は、
原料フィード部から110°〜160°の範囲の自動切
換弁、また製品B回収用の自動切換弁の開く位置は、原
料フィード部から220°〜310°の範囲の自動切換
弁、排出溶離液用の自動切換弁の開く位置は、製品A,
B回収用の自動切換弁が共に閉のところの自動切換弁を
開とすることが必要である。これを具体的に示すと、製
品A回収用の自動切換弁の開はA4 、閉はA1 , 2 ,
3 , 5 , 6 ,A7 ,A8 、製品B回収用の自動切
換弁の開はB6 ,B7 、閉はB1 , 2 , 3 , 4
5 , 8 、排出溶離液用の自動切換弁の開はC1 ,
2 , 3 , 5 , 8 、閉はC4 ,C6 , 7 である。
【0069】各成分が流出する流出口68の位置は、被
分離液供給管を構成する原料フィードパイプ65の位置
からの所定位相ずれた位置であり、その位相ずれ位置は
クロマトグラフィーの諸条件により異なり、実験により
決定される。また、この流出口68から次の隣接する流
出口68への同様の操作タイミング(成分Aの移動速
度)は、溶離液供給量等のクロマトグラフィーの条件が
一定であれば、原料フィードパイプ65の周速度と同じ
であり、移動する原料フィードパイプ65の位置を基準
として、そこから離れた所定位置においては、常に特定
の環状排出流路117が選択される。
【0070】上記特定の環状排出流路117を選択する
タイミングは、図10に示すように、架台13内周面に
設けられた複数の近接センサ120と回転軸44下端部
に原料フィードパイプ65と同角度に取り付けられた位
置決めバー121とによって回転軸44の回転(原料フ
ィードパイプ65の回転位置)に同期して設定できるよ
うになっている。
【0071】そして、本実施例の前記弁切換制御手段
は、図12に示すように、複数の近接センサ120と、
位置決めバー121と、各近接センサ120から出力さ
れる位置決めバー121の接近信号に基づいて所定の自
動切換弁119に開閉信号を出力する制御装置122
(シーケンサー、プログラマブルコントローラまたはパ
ソコン)とから構成される。
【0072】すなわち、図11および表1に示すよう
に、原料フィードパイプ65と被分離液の各成分の流出
位置との関係は、常にその角度が一定である。そして、
図12の被分離液供給管位置確認手段123が原料フィ
ードパイプ65の位置を近接センサ120の信号に基づ
いて確認し、自動切換弁開閉タイミング設定手段124
が原料フィードパイプ65の位置を基準にして所定の角
度位置にある自動切換弁119が常に所定の環状排出流
路117を選択するように制御したものであり、具体的
な一例としては、表1に示すように、自動切換弁を制御
する。
【0073】表1において、例えば近接センサS−1が
ONとなると、開となる自動切換弁119は、A4 ,B
6 ,B7 ,C1 , 2 , 3 , 5 ,C8 である。な
お、原料フィードパイプ65の位置を直接測定する必要
はなく、間接的に測定すれば良く、位置決めバー121
と原料フィードパイプ65の位置が正確に一致している
必要はない。
【0074】したがって、位置決めバー121は単に回
転軸44に固定されていれば良く、その位置決めバー1
21の位置に対応して、自動切換弁119が常に所定の
環状排出流路117を選択するようにすれば良い。ま
た、上記実施例は、流出管118を各環状排出流路11
7に分岐させ、該分岐した各環状排出流路117それぞ
れに自動切換弁119を設ける構成としたが、流出管1
18に多方弁を設け、該多方弁から各環状排出流路11
7に通じる分岐管を設けた装置として、弁の使用数を減
らすようにしても良い。
【0075】さらに、弁切換制御手段として次のような
構成を採用しても良い。すなわち、原料フィードパイプ
65の移動スピードは一定であるから、各自動切換弁1
19の作動は原料フィードパイプ65の位置に対応して
周期的に同じ作動を繰り返している。したがって、起動
時の原料フィードパイプ65の位置に応じて各自動切換
弁119の周期の位相ずれを予め決めておけば近接セン
サ120の代わりに各自動切換弁119についてタイマ
を設けることにより、各自動切換弁119を制御するこ
とができる。
【0076】例えば、図13の如き弁切換制御手段が考
えられる。この弁切換制御手段においては、起動前の原
料フィードパイプ65の位置を例えば「基準位置からの
回転角度」または「原料フィードパイプ65の直下に位
置する自動切換弁119の番号」を原料フィードパイプ
位置入力手段125に入力すると、その情報に基づいて
原料フィードパイプ65に最も近い自動切換弁119が
表2中の弁番号1に相当するように、自動切換弁119
の位相ずれ補正手段126が自動切換弁開閉タイミング
設定手段127に補正信号を送る。起動スイッチ128
から起動信号が入力されると、設定完了判定手段129
が上記補正信号が出されたことを確認して、タイマ13
0を起動する。自動切換弁開閉タイミング設定手段12
7は、上記補正信号を受けてタイマ130の時間信号に
基づいて表2に示すように、各自動切換弁119に開閉
信号を出力する。
【0077】
【表2】
【0078】以上、それぞれの実施例を説明したが、第
1の発明である図1の実施例においては、被分離液供給
管を構成する原料フィードパイプ65等と分離液取出部
である分取容器77とが回転し、環状に充填剤を充填し
た環状充填部34が固定される方式、いわゆる固定式環
状クロマトグラフィー装置に第1の発明を適用した例に
ついて説明したが、被分離液供給管と溶離液供給管およ
び分取容器を固定し、環状充填部が回転される方式、い
わゆる回転式環状クロマトグラフィー装置にも第1の発
明を適用することが可能である。
【0079】また、第1の発明の実施例においては、流
出口68に直接弁69を設けるようにしたが、これに限
らず、流出口68に流出管を取り付け、この流出管に弁
を設けるようにしても良い。さらに、第1の発明の実施
例においては、流出口68の不要溶離剤を分取容器77
に受け入れないで、直接第1の受皿に流入させパイプ8
6を介して第2の受皿78の容器部85に流したが、該
不要溶離剤を分取容器77に受け入れ流出液導入パイプ
83を介して第2の受皿78の容器部85に流してもよ
いのはむろんである。
【0080】また、第2の発明の実施例において、流量
制御装置として非常に小型の流量制御装置111の例を
示したが、これに限定されることなく、例えば、大型の
環状クロマトグラフィー装置においては、図3の流量制
御弁90(95)と流量計91(96)とからなる流量
制御装置でもよい。さらに、第1および第2の発明の各
実施例においては、環状充填部34を円形の内筒と外筒
との2重円筒部により構成したが、円形に限らず、円錐
台あるいは楕円等でも良く。要は、環状であれば良い。
【0081】また、被分離液供給管としての原料フィー
ドパイプ65を環状充填部34内側に埋没させるように
したが、特に、これに限定されるものではない。例え
ば、環状充填部34上部にガラスビーズ層を設け、そこ
に被分離液供給管を埋没させるようにしてもよく、ま
た、環状充填部34を半径方向に区画する上下方向の隔
壁を設ければ、環状充填部34上方から被分離液を供給
してもよい。
【0082】さらに、第1および第2の発明の各実施例
においては、供給管としては溶離剤用と被分離液用の2
本を設けた例について説明したが、供給管が2本以上で
ある場合がある。すなわち、通常の回分方式で用いられ
る数種類の溶離剤を順次切り換えて数段階で溶出させ、
溶出を速めるステップ(段階)溶離法や除々に連続的に
その組成を変えて溶出させ、溶出時間の短縮やピーク形
状を鋭くする等の効果を意図とするグラジエント(グラ
ディエント)溶離法は、特開平2−189458号公報
や特開平4−227820号公報で知られているよう
に、環状クロマクトグラフィ装置においては、溶離剤供
給管を複数個設けて、溶離剤供給管から供給する溶離剤
の組成を各供給管毎に変えることによって行える。すな
わち、図15の環状充填部4が周方向に回転する環状ク
ロマトグラフィーにおいては、数個の溶離剤供給管から
供給する溶離剤を各供給管毎に変えることにより行え
る。また、被分離液供給管が回転し、環状充填部が回転
する前述の実験例の環状クロマトグラフィーにおいて
は、図14に示すように、被分離液供給管と類似の機構
からなり、環状充填部131の周方向に沿って移動する
数個の溶離剤供給管132から供給する溶離剤を各供給
管132毎に変えることにより行える。
【0083】グラジエント溶離は、溶離剤組成を連続的
に変化させるわけであるから、例えば2成分系の溶離剤
においては、複数個の溶離剤供給管より、一方の溶離剤
の供給量を順次増加させることにより、近似的に溶離剤
組成を連続的に(直線的に)変化させたことになる。複
数個の溶離剤供給管が無限に多くなれば、完全に直線的
変化になる。ステップ溶離においては、溶離剤組成を段
階的に変化させるので、限られた複数個の溶離剤供給管
より、もう一方の溶離剤の供給量を、段階的に変化させ
ることにより、実現できる。
【0084】したがって、上記環状充填部を固定式とし
てある円環状クロマトグラフィー装置においては、少な
くとも被分離液供給管は、その先端が上記環状充填部の
該環状に沿って移動しながら、分離すべき被分離液を供
給するようにしなければならないが、溶離剤供給管につ
いては、種々のクロマクトグラフィの方式により異な
り、例えば本実施例の如く溶離剤が環状充填部の上部に
所定レベルの液位であるように供給し、溶離剤が環状充
填部全体に均一に降下するようする場合は、環状充填部
と同様に固定式としても良く、また、例えばグラジエン
ト溶離およびステップ溶離の場合には、その先端が環状
充填部の該環状に沿って移動しながら溶離液を供給する
ようにしなければならない場合がある。
【0085】なお、これらステップ溶離法やグラジエン
ト溶離法を効果的に行うために、特開平4−22782
0号公報に開示された如く、環状充填部を半径方向に区
画する上下方向の隔壁を設けても良い。また、本発明に
係る環状クロマトグラフィー装置は、従来例で述べたイ
オン交換クロマトグラフィー法、サイズ排除クロマトグ
ラフィー法、分配クロマトグラフィー法、吸着クロマト
グラフィー法、光学分割クロマトグラフィー、ヒドロキ
シアパタイトクロマトグラフィー、アフィニテークロマ
トグラフィー等に適用できるのは勿論である。
【0086】以上のように、特定の実施例を参照して本
発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、当該技術分野における熟練者等により、本発明に
添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々
の変更及び修正が可能であるとの点に留意すべきであ
る。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明によれ
ば、環状に充填剤を充填した環状充填部と、該環状充填
部からの排出液を導出する流出口とを備えると共に、溶
離剤供給管と、被分離液供給管とを環状充填部上部に設
けた環状クロマトグラフィー装置において、全ての前記
流出口下流に弁を設け、この弁によって溶離剤が環状充
填部全体に均一に降下するように流量調整することによ
り、分離すべき成分を効率的に分離できる。
【0088】第2の発明によると、環状に充填剤を充填
した環状充填部と、該環状充填部からの排出液を導出す
る流出口とを備え、環状充填部を固定すると共に、溶離
剤供給管と、前記環状充填部の環状に沿って移動しなが
ら分離すべき被分離液を供給する被分離液供給管とを環
状充填部上部に設け、全ての前記流出口下流に流量制御
装置を設け、この全部の流量制御装置の設定値を調整す
ることにより、充填剤中に流下する溶離剤(被分離液を
含む)の流速を環状充填部全周にわたり、乱れずに均一
に保つことができ、被分離液中の各成分が、定まった螺
旋状に流れることができて、各成分の流出位置が変動す
ることがなく、効率的に回収ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の発明の一実施例を示す斜視断面図
【図2】 同上実施例における弁の構成を示す図で、
(A)は正面断面図、(B)は目皿形状部分の平面図
【図3】 図1の実施例装置を大型にして、工業的に使
用する場合の全体のフローを示すフローシート
【図4】 第1の発明の一実施例を用いた実験例1の結
果を示す図
【図5】 比較実験例の結果を示す図
【図6】 第1の発明の一実施例を用いた実験例2の結
果を示す図
【図7】 第2の発明の一実施例を示す斜視断面図
【図8】 同上実施例における流量制御装置の構成を示
す正面図
【図9】 同上の流量制御装置の作動説明図
【図10】 第2の発明の他の実施例を示す斜視断面図
【図11】 同上実施例の環状排出流路の選択機構の作動
説明図
【図12】 同上実施例の弁切換制御手段の構成を示す図
【図13】 同上実施例の他の弁切換制御手段の構成を示
す図
【図14】 更に他の実施例の概略説明図
【図15】 従来の環状クロマトグラフィー装置の概略説
明図
【符号の説明】
10 環状クロマトグラフィー装置本体 34 環状充填部 62 原料通路 65 原料フィードパイプ 68 流出口 69 弁 74 溶離剤供給管 77 分取容器 111 流量制御装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状に充填剤を充填した環状充填部と、
    該環状充填部下端に設けられ、当該環状充填部からの排
    出液を導出する流出口とを備えると共に、少なくとも前
    記環状充填部に溶離剤を供給する溶離剤供給管と、分離
    すべき被分離液を供給する被分離液供給管とを前記環状
    充填部上部に設けた環状クロマトグラフィー装置におい
    て、全ての前記流出口下流に弁を設けたことを特徴とす
    る環状クロマトグラフィー装置。
  2. 【請求項2】 環状に充填剤を充填した環状充填部と、
    該環状充填部下端に設けられ、当該環状充填部からの排
    出液を導出する流出口とを備え、前記環状充填部を固定
    すると共に、少なくとも前記環状充填部に溶離剤を供給
    する溶離剤供給管と、前記環状充填部の環状に沿って移
    動しながら分離すべき被分離液を供給する被分離液供給
    管とを前記環状充填部上部に設け、全ての前記流出口下
    流に流量制御装置を設けたことを特徴とする環状クロマ
    トグラフィー装置。
JP5351701A 1993-12-29 1993-12-29 環状クロマトグラフィー装置 Expired - Lifetime JP2817610B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5351701A JP2817610B2 (ja) 1993-12-29 1993-12-29 環状クロマトグラフィー装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5351701A JP2817610B2 (ja) 1993-12-29 1993-12-29 環状クロマトグラフィー装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07198700A true JPH07198700A (ja) 1995-08-01
JP2817610B2 JP2817610B2 (ja) 1998-10-30

Family

ID=18419035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5351701A Expired - Lifetime JP2817610B2 (ja) 1993-12-29 1993-12-29 環状クロマトグラフィー装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2817610B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015186183A1 (ja) * 2014-06-02 2017-04-20 株式会社フロム カラムの製造装置及び製造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06281639A (ja) * 1993-03-29 1994-10-07 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 円環状クロマトグラフィ装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06281639A (ja) * 1993-03-29 1994-10-07 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 円環状クロマトグラフィ装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015186183A1 (ja) * 2014-06-02 2017-04-20 株式会社フロム カラムの製造装置及び製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2817610B2 (ja) 1998-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10928365B2 (en) Chromatography columns, systems and methods
KR900008957B1 (ko) 액체 크로마토그라피 시스템용 장치
JP5198446B2 (ja) アキシャルクロマトグラフィーカラム及び方法
US6309541B1 (en) Apparatus and method for multiple channel high throughput purification
EP0008921A1 (en) Column chromatography and like processes and apparatus for the practice thereof
US20130134079A1 (en) Mobile phase solvent delivery module
US4900446A (en) Centrifugal fast chromatograph
US6458273B1 (en) Sample separation apparatus and method for multiple channel high throughput purification
WO2000026662A1 (en) Apparatus and method for multiple channel high throughput purification
US20020185442A1 (en) Sample separation apparatus and method for multiple channel high throughput purification
JPH07198700A (ja) 環状クロマトグラフィー装置
US5133869A (en) Continuous high performance liquid chromatography
CA2408410A1 (en) Apparatus and method for multiple channel high throughput purification
US6471859B1 (en) Intermittent moving layer type chromatographic separation device
JP2768255B2 (ja) 環状クロマトグラフィー装置
US7022229B1 (en) Adsorption separation system
JP3407985B2 (ja) 円環状液体クロマトグラフィ装置及び分離濃縮成分回収装置
JPH07151741A (ja) 混合物を液体クロマトグラフィー的に連続的に分離するための装置
SU1122965A1 (ru) Способ хроматографического анализа смесей веществ и устройство дл его осуществлени
JP2808064B2 (ja) 円環状液体クロマトグラフィ装置
WO1988010427A1 (en) Centrifugal fast chromatograph
KR20160059520A (ko) 판형크로마토그래피 칼럼 및 홀더를 포함하는 판형 크로마토그래피 장치
Shishibori et al. Radial-Flow Disk Chromatography for Continuous Separation