JPH07198037A - 自動変速機の摩擦係合装置の取付構造 - Google Patents

自動変速機の摩擦係合装置の取付構造

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JPH07198037A
JPH07198037A JP6000257A JP25794A JPH07198037A JP H07198037 A JPH07198037 A JP H07198037A JP 6000257 A JP6000257 A JP 6000257A JP 25794 A JP25794 A JP 25794A JP H07198037 A JPH07198037 A JP H07198037A
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JP
Japan
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clutch
friction engagement
drum member
engagement device
lubricating oil
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JP6000257A
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English (en)
Inventor
Koichi Tanaka
航一 田中
Kojiro Kuramochi
耕治郎 倉持
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半径方向に多段に配置された摩擦係合装置
の、特に外側の摩擦係合装置に十分な潤滑油を供給する
と共に、コストを低減し、ドラム部材等の強度を低下さ
せない。 【構成】 内側に配置される第1クラッチK111のド
ラム部材を、ピストン20と共に係合力発生部X1 を構
成する第1ドラム部材16と、外側に配置される第3ク
ラッチK113のクラッチハブを兼用する第2ドラム部
材18とで構成する。第2ドラム部材18は、内側及び
外側にスプライン28、29が形成され、これにより内
側の第1クラッチK111の摩擦係合要素12を保持す
る一方、外側の第3クラッチK113の摩擦係合要素3
2を保持する。更に、第2ドラム部材には、潤滑孔18
Aを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の摩擦係合
装置の取付構造、特に、その潤滑性能を向上させると共
にコスト低減を図るようにした自動変速機の摩擦係合装
置の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特に車両用自動変速機において、
その軸方向長を短縮するために複数の摩擦係合装置を半
径方向に多段にして配置する構成が提案されている。
【0003】このように、摩擦係合装置を半径方向に多
段に配置した場合、一般に外側に配置した摩擦係合装置
への潤滑が困難となる。
【0004】そこで、例えば特開平2−248748号
公報では、内側の摩擦係合装置のドラム部及びクラッチ
ハブを包み込むように外側の摩擦係合装置のクラッチハ
ブを配置し、外側摩擦係合装置では、通常の潤滑油路か
らの潤滑に加え、内側摩擦係合装置の潤滑に使用した潤
滑油も、この包み込むように形成した外側のクラッチハ
ブの案内によって外側摩擦係合装置へと供給するように
した構成を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな潤滑は、外側摩擦係合装置の摩擦係合部が内側の摩
擦係合装置の摩擦係合部の丁度外周に位置する時には有
効な手段となるものの、例えば、外側摩擦係合装置の摩
擦係合部が内側摩擦係合装置のピストン部の外周に位置
するような場合には、前記内側摩擦係合装置の潤滑に使
用した潤滑油を外側摩擦係合装置の特に内周側に供給す
るのが困難となり、やはり潤滑油量の確保が問題とな
る。
【0006】又、摩擦係合装置が近接しているにもかか
わらず、製造の困難なスプライン形成部材が別途に製造
されており、それだけコストアップを招いているという
問題もあった。
【0007】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、摩擦係合装置の軸方向に多少ず
れて半径方向に多段に配置されているような場合であっ
ても、外側の摩擦係合装置に十分な潤滑油を供給するこ
とができ、且つ、製造コストも低減することのできる自
動変速機の摩擦係合装置の取付構造を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、複数の摩擦係合装置を半径方向に多段に配置した自
動変速機の摩擦係合装置の取付構造において、内側に配
置される摩擦係合装置のドラム部材を、ピストンと共に
係合力発生部を構成する第1ドラム部材と、内側及び外
側にスプラインが形成され、該内側スプラインにより内
側に配置される摩擦係合装置の摩擦係合要素を保持する
一方、外側スプラインにより外側に配置される摩擦係合
装置の摩擦係合要素を保持する第2ドラム部材との2つ
の部材で構成し、且つ、該第2ドラム部材に、前記外側
に配置される摩擦係合装置の摩擦係合要素を潤滑する潤
滑油を供給するための潤滑孔を形成したことにより、上
記課題を解決したものである。
【0009】又、請求項2に記載の発明は、前記第2ド
ラム部材が、前記第1ドラム部材に対して前記内側に配
置される摩擦係合装置の摩擦係合要素を保持する側と軸
方向で反対側に延在され、該延在された部位に、前記潤
滑孔に前記係合力発生部の軸方向外側を流れる潤滑油を
導くための開口が形成されたことにより、外側摩擦係合
装置の潤滑油を更に十分に確保し得るようにしたもので
ある。
【0010】
【作用】複数の摩擦係合装置を半径方向に多段に配置し
た場合、特に、内側及び外側の摩擦係合装置の摩擦係合
要素の軸方向位置がずれていると、内側の摩擦係合装置
に使用した潤滑油を外側の摩擦係合装置の特に内周側に
供給することが非常に困難になる。
【0011】この場合、その1つの解決策として、例え
ば図4に示されるように、内側の摩擦係合装置2のドラ
ム部材4、及び外側の摩擦係合装置6のクラッチハブ8
にそれぞれ潤滑孔4a 、6a を設けるようにする構成が
考えられる。
【0012】この構成は、潤滑の面だけから考えるとか
なり良好な結果が期待できるが、内側の摩擦係合装置2
のクラッチドラム4はこれが係合している時において左
右に強く引張られるため、特に段差部に設けられた潤滑
孔4a の付近は非常に高い応力を受けることになる。そ
の結果、変形や破損の危険がそれだけ高くなり、耐久性
の面で新たな問題が生じる。又、スプラインを形成する
部材が2つあるため、コストの低減もうまくなされてい
ない。
【0013】本発明は、この点を考慮し、内側に配置さ
れる摩擦係合装置のドラム部材を第1ドラム部材と第2
ドラム部材とに分け、これを結合するようにした。第1
ドラム部材には、ピストンと共に係合力発生部を構成さ
せる。一方、第2ドラム部材には、内側及び外側にスプ
ラインを形成し、この内側スプラインにより内側に配置
される摩擦係合装置の摩擦係合要素を保持させると共
に、外側スプラインにより外側に配置させる摩擦係合装
置の摩擦係合要素を保持させる。その上で、該第2ドラ
ム部材に、前記外側に配置される摩擦係合装置の摩擦係
合要素を潤滑するための潤滑孔を形成するようにした。
【0014】この結果、係合力発生部を構成する第1ド
ラム部材には応力集中の恐れがある段差部での潤滑孔を
全く形成しなくてもよくなり、(平坦な)第2ドラム部
材の方に潤滑孔を形成できるようになったため、耐久性
を十分確保できるようになった。又、この第2ドラム部
材の側に内側及び外側スプラインを形成し、内側及び外
側の双方の摩擦係合要素をこの第2ドラム部材で保持さ
せるようにしたため、スプライン形成部材を1つの部材
にまとめることができ、製造も容易になった。
【0015】しかも、第2ドラム部材に形成した潤滑孔
を介して内側の摩擦係合装置で使用した潤滑油を効率良
く外側の摩擦係合装置にその内周側から供給することが
でき、外側の摩擦係合装置の潤滑油量の確保という初期
の目的を十分に達成することができる。
【0016】請求項2に記載の発明は、この第2ドラム
部材を軸方向に延在し、この延在した部分に、前記潤滑
孔に係合力発生部の軸方向外側を流れる潤滑油を導くた
めの開口を形成するようにしたので、外側の摩擦係合装
置は内側の摩擦係合装置で使用した前記潤滑孔からの潤
滑油の他に係合力発生部の軸方向外側を流れる潤滑油を
も利用することができるようになり、一層良好な潤滑性
能を確保することができる。
【0017】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例を詳細に
説明する。
【0018】図1〜図3に本発明が適用された車両用自
動変速機を示す。
【0019】この実施例に係る自動変速機は、シングル
ピニオン型の第1遊星歯車機構111とダブルピニオン
型の第2遊星歯車機構121とを備える。
【0020】図2に示されるように、第1遊星歯車機構
111は、サンギヤS111とリングギヤR111と、
これらに噛合したピニオンギヤP111を保持したキャ
リヤC101とを回転要素とする。
【0021】これに対し第2遊星歯車機構121は、サ
ンギヤS121とリングギヤR121との間に、サンギ
ヤS121に噛合するショートピニオンギヤPS121
と、このショートピニオンギヤPS121及びリングギ
ヤR121に噛合するピニオンギヤP121とを備え
る。ピニオンギヤP121が第1遊星歯車機構111の
ピニオンギヤP111と一体化されてロングピニオンと
なっている。更に、第1遊星歯車機構111と第2遊星
歯車機構121とのキャリヤC101が共通化されてい
る。又、出力部材であるドライブギヤ131が第2遊星
歯車機構121におけるリングギヤR121に一体的に
連結されている。
【0022】入力軸141は、キャリヤC101と第2
遊星歯車機構121のサンギヤS121とに選択的に連
結される。そのための摩擦係合装置として入力軸141
とキャリヤC101との間に第1クラッチK111が設
けられている。
【0023】又、第1遊星歯車機構111のサンギヤS
111とリングギヤR111との間には、互いに直列に
配置された第2クラッチK112と第1一方向クラッチ
F111とが配置されている。
【0024】更に、入力軸141とサンギヤS121と
の間に第3速のエンジンブレーキとリバースレンジを確
保するための第3クラッチK113が設けられている。
【0025】一方、ブレーキ手段として、第1遊星歯車
機構111のサンギヤS111とハウジング151との
間には、第2クラッチK112と直列に第1ブレーキB
111が設けられている。第1ブレーキB111のクラ
ッチ側のメンバは一方向クラッチF111を介して第1
遊星歯車機構111のリングギヤR111と連結されて
いる。このリングギヤR111は第3ブレーキB113
を介してケーシング151と連結されている。
【0026】又第2遊星歯車機構121のサンギヤS1
21とハウジング151との間には第2ブレーキB11
2が設けられている。
【0027】この第2ブレーキB112と並列に、互い
に直列に配列された第4ブレーキB114と第2一方向
クラッチF112とが配置されている。
【0028】なお、この第2一方向クラッチF112
は、サンギヤS121が逆回転しようとする際に係合す
るように設定されている。
【0029】この自動変速機の各摩擦係合装置の作動表
は図3のとおりである。
【0030】以下、この実施例に係る自動変速機で設定
される各変速段について説明する。
【0031】まず第1速は、第1クラッチK111と第
1ブレーキB111を係合させることに伴って第1一方
向クラッチF111が係合することによって設定され
る。即ちキャリヤ101が入力軸141と共に回転する
と、第2遊星歯車機構121のリングギヤR121に出
力側の負荷がかかっているために第1遊星歯車機構11
1のリングギヤR111が逆回転しようとするが、この
リングギヤR111に逆回転方向のトルクがかかると第
1一方向クラッチF111が係合する。その結果リング
ギヤR111の回転が阻止され(即ちリングギヤR11
1に反力トルクが与えられ)、出力部材である第2遊星
歯車機構121のリングギヤR121が入力軸141に
対して大きく減速されて正回転する。
【0032】この第1速での変速比は第1遊星歯車機構
111のギヤ比をρ12、第2遊星歯車機構121のギ
ヤ比をρ22、第2遊星歯車機構121の外周側のピニ
オンギヤとリングギヤの歯数比をγ22とすれば、 (1−ρ12)/(1−ρ12−2・γ22) …(1) で表わされる。
【0033】なおこの第1速でエンジンブレーキを効か
せるためには、第1一方向クラッチF111と並列に設
けられた第3ブレーキB113を係合させ、第1一方向
クラッチF111が空転する方向のリングギヤR111
の回転を阻止する。
【0034】一方、第2速は、第1クラッチK111と
第4ブレーキB114とを係合させることに伴って第2
一方向クラッチF112が係合すると共に第1一方向ク
ラッチF111が空転することによって設定される。即
ち、キャリヤC101が入力軸141と共に回転する
と、第2遊星歯車機構121のリングギヤR121に出
力側の負荷がかかってサンギヤS121が逆転しようと
し、そのために第2一方向クラッチF112が係合して
サンギヤS121が固定され(サンギヤS121に反力
トルクが与えられ)、その結果出力部材であるリングギ
ヤR121は入力軸141の回転を第2遊星歯車機構1
21で連結した回転数で正回転する。従って、この第2
速の変速比は、 1/(1−ρ22) …(2) で表わされる。なお、この場合第1一方向クラッチF1
11はそれまでの係合状態から空転状態へと変化し、第
1遊星歯車機構111のリングギヤR111の正回転を
許容する。
【0035】この第2速は第2一方向クラッチF112
を係合させて設定する関係上、エンジンブレーキを効か
せる場合には、その第2一方向クラッチF112が空転
する方向のサンギヤS121の回転を阻止するために、
第2ブレーキB112を係合させる。
【0036】この実施例では、第4ブレーキB114及
び第2一方向クラッチF112が設けられていることか
ら、第1速から第2速への変速は、この第4ブレーキB
114を新たに係合させることによって達成でき、従っ
て変速ショックの少ないワンウェイクラッチ ツー ブ
レーキによるスムーズな変速を行うことができる。
【0037】第3速は、第1クラッチK111及び第2
クラッチK112を係合させることに伴って第1一方向
クラッチF111が再び係合することにより設定され
る。即ち、第2クラッチK112が係合することで第1
遊星歯車機構111のサンギヤS111が正回転とな
り、第1一方向クラッチF111が係合し、その結果第
1遊星歯車機構111ではキャリヤC101、サンギヤ
S111、リングギヤR111が入力軸141と共に回
転するため、その全体が一体となって回転する。従って
出力部材であるリングギヤR121は入力軸141と等
速度で正回転し、変速比が「1」の直結段となる。
【0038】なお、この場合も、第1一方向クラッチF
111を係合させているため、エンジンブレーキを効か
せる場合には第3クラッチK113を係合させる。又、
第2一方向クラッチF112はこれを連結してある第2
遊星歯車機構121のサンギヤS121がこの第3速で
正転するまで空転状態となり、従って第3速において第
4ブレーキB114を係合させても第4ブレーキB11
4は動力の伝達には関与しない。従って第4ブレーキB
114は変速のために同期解放が必要なものではないた
め、第2速から第3速への変速は第2クラッチK112
を新たに係合させるだけで達成できる。
【0039】第4速は、第1クラッチK111、第2ク
ラッチK112、及び第1ブレーキB111を係合させ
ることによって設定される。即ち、キャリヤC101は
第1遊星歯車機構111と第2遊星歯車機構121とで
共通化されているため、キャリヤC101が入力軸14
1と共に回転すると、第1遊星歯車機構111では第1
ブレーキB111及び第2クラッチK112で固定して
いるサンギヤS111が反力トルクを受け、その結果共
通化されているキャリヤC101がサンギヤS121の
周りを正回転し、第2遊星歯車機構121のリングギヤ
R121が入力軸141に対して増設されて正回転す
る。即ち変速比が「1」より小さいオーバードライブ段
が達成される。この場合の変速比は、 (1−ρ12)/(1−ρ12+2・ρ12・γ22) …(3) で表わされる。
【0040】又この場合、第2遊星歯車機構121のサ
ンギヤS121は、入力軸141より速く正回転するた
め、第4ブレーキB114を係合させておいても、一方
向クラッチF111、F112が空転するため該第4ブ
レーキB114は動力の伝達に関与しない。従って第3
速から第4速への変速は第1ブレーキB111を新たに
係合させるだけで達成でき、円滑な変速が可能である。
【0041】一方、後進段は、第3クラッチK113及
び第3ブレーキB113を係合させることにより設定さ
れる。即ち第2遊星歯車機構121のサンギヤS121
が入力軸141と共に回転すると、共通化されているキ
ャリヤC101に出力側の負荷がかかっている上に、第
1遊星歯車機構111のピニオンギヤP111がロング
ピニオン化されているため、第1遊星歯車機構111の
リングギヤR111が正回転しようとするが、これがブ
レーキB111で固定されていて反力トルクを受け、そ
の結果第2遊星歯車機構121のリングギヤR121が
逆回転する。この場合の変速比は、 (2・γ22−ρ22+ρ12・ρ22)/ (ρ22−ρ12・ρ22−2・ρ22・γ22) …(4) で表わされる。
【0042】なお、この実施例では、キャリヤC201
の配置を工夫して回転数差の大きな両サンギヤS21
1、S221が直接隣り合うのを防止し、もってこの部
分に配置するスラストベアリングの耐久性が低下するの
を防止するようにしている。即ち、キャリヤC201
は、第1遊星歯車機構211のサンギヤS211と第2
遊星歯車機構221のサンギヤS221との間に配置さ
れている。このため、それぞれの摺動部位における相対
回転差は半減され、安価なスラストベアリングを介在さ
せるだけで足りるようになっている。
【0043】この実施例では、本発明を第1クラッチK
111及び第3クラッチK113の取付けに適用してい
る。図1から明らかなように、この例では第1クラッチ
K111が内側の摩擦係合装置、第3クラッチK113
が外側の摩擦係合装置にそれぞれ対応している。
【0044】第1クラッチK111は、摩擦係合要素で
あるクラッチディスク10及びセパレートプレート12
と、クラッチハブ14と、第1ドラム部材16及び第2
ドラム部材18とからなるドラム部材と、ピストン20
と、該ピストン20を押圧するオイルが供給される油室
24と、リターンスプリング26とから主に構成され
る。
【0045】前記第1ドラム部材16は、ピストン20
と共に油室24に供給された油圧により摩擦係合要素1
0、12を一体回転させるべく、係合力発生部X1 にお
いて所定の摩擦係合力を発生させるためのものである。
なお、ピストン20は、第1クラッチK111が係合さ
れているときでも潤滑油を良好に第3クラッチK113
側に供給するために溝20Aが形成されている。
【0046】この第1ドラム部材16には、摩擦係合要
素としてのクラッチディスク10、セパレートプレート
12のどちらもスプライン結合されない。
【0047】第2ドラム部材18は、第1ドラム部材1
6と溶接等で結合されており、内側に第1クラッチK1
11の摩擦係合要素であるセパレートプレート12を固
定するためのスプライン28を備えると共に、外側に第
3クラッチK113の摩擦係合要素であるクラッチディ
スク32を固定するためのスプライン29を備える。即
ち、この第1クラッチK111の第2ドラム部材18
は、第3クラッチK113のいわゆるクラッチハブを兼
用していることになる。
【0048】又、この第2ドラム部材18は、第3クラ
ッチK113のクラッチディスク32とスプライン嵌合
する部位に潤滑孔18Aが形成されており、更に第1ク
ラッチK111の摩擦係合要素10、12を保持する側
と軸方向で反対側に延在部18Bを備え、この延在部1
8Bに開口18Cが形成されている。この開口18C
は、前記潤滑孔18Aに係合力発生部(より具体的には
第1ドラム部材16)の軸方向外側を流れる潤滑油を導
く機能を果たす。
【0049】なお、第3クラッチK113は、セパレー
トプレート30、クラッチディスク32からなる摩擦係
合要素と、クラッチドラム34と、ピストン36と、リ
ターンスプリング38とを備え、油室40に供給された
油圧によってピストン36を摩擦係合要素30、32の
方向に移動させ、該摩擦係合要素30及び32を一体回
転させる構成とされている。ここで、前述したように、
前記第1クラッチK111の第2ドラム部材18がこの
第3クラッチK113のクラッチハブとして兼用されて
いる。
【0050】なお、図1において、符号60はトルクコ
ンバータのステータシャフト、62はオイルポンプのボ
ディ、64は第3クラッチK113の係合油圧油路、6
6は第1クラッチK111の係合油圧油路をそれぞれ示
している。
【0051】次にこの取付構成の作用を説明する。
【0052】油路66から矢印で示した経路を辿って第
1クラッチK111の摩擦係合要素10、12に供給さ
れた潤滑油は、第1ドラム部材16と第2ドラム部材1
8の間を該第2ドラム部材18のスプライン溝28を通
り、更に潤滑孔18Aを通って第3クラッチK113の
摩擦係合要素30、32を潤滑する。
【0053】前進時は、前述したとおり、この第1クラ
ッチK111は、常に係合しており、第1ドラム部材1
6には強い引張り応力が発生しているが、この第1ドラ
ム部材16には、スプラインも潤滑孔も形成されていな
いため、応力の集中を回避でき、耐久性を向上できる。
【0054】又、ピストン20にはその先端部に溝20
Aが形成されているため、第1クラッチK111が常に
係合していたとしても、この溝20Aを介して潤滑油が
潤滑孔18Cに向かうことができ、第3クラッチK11
3の潤滑が確保される。
【0055】一方、第3クラッチK113の中心部より
供給された潤滑油は、スラストベアリング68を潤滑し
た後、開口18Cより第2ドラム部材18の内側に入
り、潤滑孔18Cより第3クラッチK113の摩擦係合
要素30、32に供給される。
【0056】このように、第3クラッチK113は、潤
滑孔18Cを介し第1クラッチK111の係合、解放の
如何に拘らず常に十分な潤滑油の供給を受けることがで
きる。
【0057】なお、本発明は、特に外側の摩擦係合装置
と内側の摩擦係合装置の各々の摩擦係合要素の軸方向位
置が(実施例のように)ずれている場合に最も有効であ
るが、ずれていない場合にも無論適用可能である。
【0058】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
摩擦係合装置が半径方向に多段にどのように配置されて
いる場合であっても、外側に位置する摩擦係合装置に常
に十分な潤滑油を供給することができるようになると共
に、そのために内側の摩擦係合装置のドラム部材の強度
が低下したりするのを確実に防止することができ、更に
スプラインを形成する部材の共用化によりコスト低減も
図ることができるようになるという優れた効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された自動変速機の摩擦係合装置
を示す要部拡大断面図
【図2】上記自動変速機のギヤトレンの全体を示すスケ
ルトン図
【図3】上記自動変速機の各摩擦係合要素の係合状態を
示す線図
【図4】本発明の開発段階で考えられた改良案の一例を
示す要部断面図
【符号の説明】
K111…第1クラッチ(内側の摩擦係合装置) K113…第3クラッチ(外側の摩擦係合装置) 10、12、30、32…摩擦係合要素 16…第1ドラム部材 18…第2ドラム部材 18A…潤滑孔 18B…延在部 18C…開口 20、36…ピストン 28、29…スプライン部 X1 、X2 …係合力発生部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の摩擦係合装置を半径方向に多段に配
    置した自動変速機の摩擦係合装置の取付構造において、 内側に配置される摩擦係合装置のドラム部材を、ピスト
    ンと共に係合力発生部を構成する第1ドラム部材と、内
    側及び外側にスプラインが形成され、該内側スプライン
    により内側に配置される摩擦係合装置の摩擦係合要素を
    保持する一方、外側スプラインにより外側に配置される
    摩擦係合装置の摩擦係合要素を保持する第2ドラム部材
    との2つの部材で構成し、且つ、 該第2ドラム部材に、前記外側に配置される摩擦係合装
    置の摩擦係合要素を潤滑する潤滑油を供給するための潤
    滑孔を形成したことを特徴とする自動変速機の摩擦係合
    装置の取付構造。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記第2ドラム部材が、前記第1ドラム部材に対して前
    記内側に配置される摩擦係合装置の摩擦係合要素を保持
    する側と軸方向で反対側に延在され、 該延在された部位に、前記潤滑孔に前記係合力発生部の
    軸方向外側を流れる潤滑油を導くための開口が形成され
    たことを特徴とする自動変速機の摩擦係合装置の取付構
    造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011106520A (ja) * 2009-11-13 2011-06-02 Honda Motor Co Ltd 変速機
DE112006001481B4 (de) * 2005-06-07 2012-09-27 Toyota Jidosha K.K. Automatikgetriebe mit Kupplungsvorrichtungen

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