JPH07197254A - スパッタリング装置 - Google Patents
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- JPH07197254A JPH07197254A JP5354024A JP35402493A JPH07197254A JP H07197254 A JPH07197254 A JP H07197254A JP 5354024 A JP5354024 A JP 5354024A JP 35402493 A JP35402493 A JP 35402493A JP H07197254 A JPH07197254 A JP H07197254A
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- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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Abstract
させてなる磁石組立体を用いたスパッタリング装置で、
ターゲットのエッチング均一性、膜厚分布の均一性、タ
ーゲット利用効率を高めた。 【構成】 排気系を備えた真空容器2と、基板保持部材
14と、少なくとも一つのマグネトロンカソード電極20
と、ガス制御系16と、電源系24を備え、マグネトロンカ
ソード電極は、中心磁石及び外周磁石に関する磁極の極
性が互いに反対である異種の矩形磁石ユニットを交互に
隣接させた磁石組立体を有する。ターゲット面上には、
ドリフト電子運動方向が反対である二種類の環状軌跡が
交互に隣接され、相隣接するドリフト電子の軌道が混成
して形成される。端の磁石ユニットの外周磁石の反対極
が隣接しない長辺部の幅を他の長辺部の幅より小さくす
る。
Description
の表面に、ターゲット面の全体を有効に消費しながら、
均一の厚みでかつ均質な薄膜を作成できる電極を備えた
スパッタリング装置に関するものである。
の電極構造が提案されているが、その中で、工業的に、
マグネトロン方式の電極構造が最も多く使用されてい
る。その理由は、成膜速度が大きく生産性が高いためで
ある。従来のマグネトロン方式の電極には、様々なタイ
プが存在するが、現在のところ、マグネトロン方式の電
極の中で、特に平面形状を有するターゲットを備えた平
板マグネトロンカソードが工業的に最も有用である。近
年、特に、液晶表示装置製造用として、大面積の基板上
に均質で膜厚の分布が均一な成膜が要求されている。こ
のためのスパッタ装置としては、従来カソード電極を静
止固定しておき、基板を連続的に移動させながらカソー
ド電極前面を通過させて成膜を行なう方式がとられてい
た。しかし、このような装置は、ロードロック室、加熱
室、搬送用緩衝空間、スパッタ室などから構成されるた
め、装置が巨大化する傾向があった。また、ターゲット
面上にイオンによるエッチングが生じない領域が残るた
めに、パーティクルが発生し、液晶表示装置製造の歩留
りを低下させていた。また、ターゲットの不均一消耗に
よる不経済性や、スパッタ膜の膜質不均一性も問題とな
っていた。
および対向する電極を静止させ、ターゲットの消耗領域
を広範囲にしたスパッタ装置が、最近検討されている。
その中で特に、マグネトロンカソードで使用される磁石
の構造に注目すると、特開平5−239640号におい
て、マグネトロンカソード電極に、N極及びS極の磁極
の配置が互いに反対である第一及び第二の二種類の磁石
ユニットを交互に隣接させて配置するような構造の磁石
組立体を具備したスパッタ装置が開示されている。これ
には主として次のような作用があった。
列を、イオン電流発生領域が連結するように適切に決め
ることにより、ターゲット面上に複数のドリフト電子の
運動を表す環状軌跡を効率良く配置できる。これによ
り、隣接するドリフト電子の軌道同士が混成して、幅の
広いドリフト電子の軌道が形成される。この混成した幅
の広いドリフト電子の軌道により、ターゲット面を効率
良くエッチングできる。また、隣同士で接近したドリフ
ト電子の軌道が、反発せず混成されることで、ターゲッ
ト面上における放電を偏在させることなく安定に維持で
きる。
のエッチング領域が拡大するために、ターゲットの利用
効率を高くし、エッチングされる領域の偏在を少なくす
ることができる。また、基板に形成される薄膜の膜厚の
均一性及び膜質の均質性を向上し、併せてターゲット面
上の堆積膜に起因して発生するパーティクルを抑制する
という効果があった。
べられた発明と類似した磁極構造を有する磁石ユニット
の使用例が米国特許第5196105号に述べられてい
る。ここに示された電極では、一つのカソード電極に於
て、その中に一つの磁石ユニットが含まれる。かかるカ
ソード電極を真空室内に対向して二個設置し、それらの
中間部に薄膜を堆積させるための基板を配置している。
更に、これらの一対のカソード電極を結ぶ軸に直行した
軸上に、対向する一対の補助電極を設置した。この補助
電極は、N極及びS極の磁極の配置が互いに反対である
第一及び第二の二種類の磁石ユニットを備えており、通
常はアノード電極として使用する。ただし、この補助電
極がカソード電極としても使用可能であることが、本文
中に記述されている。しかし、カソード電極として使用
する場合の具体的記述が、全く示されておらず、その作
用、効果が不明確である。
うち、特に特開平5−239640号に開示された発明
では、その効果が一応認められている。しかしながら、
その効果は完全なものでなく、次のような不具合があっ
た。
配置が互いに反対である第一及び第二の二種類の磁石ユ
ニットを、図7の断面図に示すように交互に配置してい
た。そこでは、各磁石ユニットの寸法に関しては、全て
同一であり、磁極の極性のみが異なるものを使用してい
た。この場合、互いに隣接する磁石ユニットの外周磁石
の極性は反対であり、そのためこれらが互いに吸引しあ
う。これにより、単一磁石ユニットでは外周磁石と中心
磁石により構成されていた、電子の環状ドリフト運動を
発生させるためのトンネル状の磁力線が変化し、ターゲ
ット表面上の対応した位置における磁界が減少し、図7
の弱磁界部分が発生する。一方、互いに反対の磁極が隣
接することのない、端部に配置された磁石ユニットの外
周磁石の部分では、ターゲット表面上の磁界が他の部分
に比べて大きくなり、図7の強磁界部分が発生する。そ
のため、前記磁石ユニットを復数個配置した磁石組立体
を備えたマグネトロンカソード電極では、端部の磁石ユ
ニットの矩形長辺部分に対応するターゲット面の部分
が、選択的にエッチングされ、ターゲットの利用効率の
向上が十分でない。また、このことを反映して、基板上
に堆積した薄膜の膜厚分布にも不均一性が生じていた。
かった。図8は図7と同一の磁石ユニットを上方から見
た図である。同図において、各磁石ユニット間における
磁界は、磁石中心付近のB部702より磁石上下端部の
A部701のほうが大きくなる。これは磁石上下端部の
方が、互いに向い合う異なる極性の磁石の容量が大きい
ためである。この局所的に磁界の大きな部分、A部70
1の存在により、ターゲットのエッチングが不均一とな
り、膜厚分布の不均一性、ターゲット利用効率の低下が
生じていた。
られた電極を、そのまま動作させたとしても、上記の問
題が生じることは明らかである。
関する磁極の極性が互いに反対である異種の矩形磁石ユ
ニットを交互に隣接させて配置するような構造の磁石組
立体を用いたスパッタリング装置においても、前記ター
ゲットのエッチングの不均一性、膜厚分布の不均一性、
ターゲット利用効率の低下等が生じないような優れた特
性を有するスパッタリング装置を提供することにある。
に、内部を真空状態にする排気系を備えた真空容器と、
この真空容器の内部に配置され、成膜処理される基板を
取り付けた基板保持部材と、前記基板に対して対向する
位置関係で配置され、前記基板の面に成膜する矩形平面
状ターゲットを備えた少なくとも一つのマグネトロンカ
ソード電極と、前記真空容器の内部にガスを流通させて
内部圧力を適切に維持するガス制御系と、前記マグネト
ロンカソード電極に電力を供給する電源系を含むスパッ
タリング装置であり、前記一つのマグネトロンカソード
電極は、中心磁石及び外周磁石に関する磁極の極性が互
いに反対である異種の矩形磁石ユニットを交互に隣接さ
せて配置した磁石組立体を備え、前記ターゲットの面上
に、隣接する前記磁石ユニットによって、ドリフト電子
の運動方向が反対である二種類の環状軌跡が交互に隣接
され、相隣接するドリフト電子の軌道が混成して形成さ
れるようなマグネトロンカソード電極において、複数配
置した矩形の磁石ユニットの内、端部に配置した磁石ユ
ニットの外周磁石の反対極が隣接しない長辺部分の幅
を、他の部分の幅より小さく設定した。
記磁石ユニットの中心磁石の端部の外周磁石短辺部に対
向する部分を、前記磁石ユニットの上方から見てT 字型
に形成し、このT字型に形成した中心磁石端部と、それ
に対向する外周磁石部との間隔を、各磁石ユニット間の
間隔より狭く設定した。
記磁石ユニットを配置した磁石組立体全体を所定の方向
に揺動運動させるための駆動機構を備えた。
記矩形平面状ターゲットを接着した裏板の反対面に、多
数の溝を有する水冷ジャケットを取り付け、前記磁石組
立体を、前記水冷ジャケットの外側の大気部に配設し
た。
の反対極が隣接しない部分の幅を、反対極が隣接する部
分の幅より小さく設定することにより、この部分の磁界
が減少する。これにより、ターゲット面上の磁界の不均
一性が軽減される。上記の、反対極が隣接する部分の幅
を適切に設定すれば、外周磁石の反対極が隣接する部分
しない部分にかかわらず、偏りがなく、効率的に電子を
閉じ込めることのできるトンネル状の磁界を発生させる
ことができる。
磁石に対向する部分を、前記磁石ユニットの上方から見
てT字型に形成し、このT字型に形成した中心磁石部分
と、それに対向する外周磁石部との間隔を、各磁石ユニ
ット間の間隔より狭く設定することにより、各磁石ユニ
ット間の外周磁石端部で局所的に増大していたターゲッ
ト面上の磁界を減少させることができ、ターゲット面全
体にわたって、磁界の偏りを防止することができる。こ
の理由は以下に述べる通りである。各磁石ユニット間の
外周磁石端部では、対向する反対極性の磁石の体積が他
の部分に比べて大きいため、局所的に磁界が増大してい
た。ここで対向する磁石の磁束を考えると、外周磁石端
部のN極から出発する磁束は、ほとんどが対向する隣の
磁石ユニットの外周磁石端部のS極に流入し、同一磁石
ユニットの中心磁石のS極にはあまり流入しない。そこ
で、外周磁石端部に対向する同一磁石ユニットの中心磁
石の端部を、対向する面積が増加するような形、すなわ
ちT字型に形成し、かつそれらの間の間隔をより小さく
設定することにより、外周磁石端部のN極から出発する
磁束の多くを、同一磁石ユニットの中心磁石に流入させ
るようにできる。これにより、各磁石ユニット間の外周
磁石端部で増大していた磁界を減少させ、ターゲット全
面にわたって、磁界の偏りを防止することができる。
偏りを防止すれば、相隣接する環状ドリフト電子の軌道
の混成が有効に行なわれドリフト軌道の幅が増大するた
め、ターゲットのエッチングの均一性、膜厚分布の均一
性、ターゲット利用効率の増加が実現される。
説明する。
は、基板トレイ挿入室lと、トレイに装着された基板の
面に対して薄膜作製を行うためのスパッタリング室2
と、基板トレイ取出し室3から構成される。基板トレイ
挿入室lと、スパッタリング室2と、基板トレイ取出し
室3は直列的に連結される。これらの室は、それぞれ独
立に排気して真空状態に保持・管理することができる構
成を有した真空容器で形成される。基板トレイ挿入室l
とスパッタリング室2の間にはゲートバルプ4が設けら
れ、スパッタリング室2と基板トレイ取出し室3の間に
はゲートバルプ5が設けられる。スパッタリング室2
は、通常、真空状態に保持・管珪される。基板トレイ挿
入室lは、リークバルプ6を用いて大気に開放すること
ができ、基板トレイ取出し室3は、リークバルプ7を用
いて大気に開放することができる。基板トレイ挿入室l
では、排気パイプ8を経由して排気ポンプ(図示せず)
で矢印l0の方向へ排気される。基板トレイ取出し室3
では、排気パイプ9を経由して、排気ポンプ(図示せ
ず)で矢印llの方向ヘ排気される。基板トレイ挿入室
lの図lにおける左端は入り口扉l2であり、基板トレ
イ取出し室3の図lにおける右端は出ロ扉l3である。
12から基板トレイ挿入室lの内部に搬入される。トレ
イl4は基板を保持するための器具である。この基板
は、比較的に大型の基板である。その後、入り口扉l2
とゲートバルプ4を閉した状態で、排気系を用いて排気
が行われる。基板トレイ挿入室lの内部圧カが充分に低
下した時点でゲートバルプ4が開かれ、トレイl4はレ
ール(図示せず)に案内されて矢印l5の方向に搬送さ
れ、スパッタリング室2に送り込まれる。
作製機構により、トレイl4に装着された状態の基板の
表面に、スパッタリング法により薄膜が形成ざれる。基
板に薄膜が堆積される時、トレイl4は静止した状態に
ある。基板に薄膜を形成した後、トレイ14は、ゲート
バルプ5を経由して、基板トレイ取出し室3に送り込ま
れる。トレイl4が基板トレイ取出し室3に送られた後
に、ゲートバルプ5が閉じられ、リークバルプ7が開か
れる。こうして、トレイl4に装着された基板は、大気
圧環境の中に置かれる。その後、出口扉l3を開き、ト
レイl4を取出す。
ベからガス導入管l6を経て、矢印l8aの方向にガス
が導入される。またスパッタリング室2では、図示しな
い排気ポンプにより排気口l7を経て矢印18bの方向
に排気される。この結果、導入ガス流量と排気ガス流量
が均衡した状態で、スパッタリング室2は、放電状態に
維持され、且つスパッタリングを行うのに適したl0-3
〜l0-2Torrの圧力範囲内に含まれる一定圧に保たれ
る。
には、基板加熱ランプl9が配設される。基板加熱ラン
プl9は必要に応じて設けられる。この基板加熱ランプ
l9の熱線輻射により、薄膜を形成する前段階で、基板
の温度を高めることができるスパッタリング室2の後段
側には、矩形平面状の大型ターゲットを備えるマグネト
ロンカソード電極20(以下カソード電極20という)
が絶縁体2lを介して配設される。カソード電極20の
上部には、ターゲット組立体22が取り付けられる。図
l中タ一ゲット組立体22の上面がターゲット面であ
る。またカソード電極20には、電源24、カソード電
極と電源の間の給電線25、電源とアースの間の結線2
6からなる電源系23が接続される。電源系23の構成
によりカソード電極20に対して電力が供給される。
はカソード電極20に対して静止する。この静止状態
で、トレイl4上の基板は、ターゲット組立体22のタ
ーゲット面に対向する。基板の対向面には、ターゲット
組立体22から飛来するスパッタリング粒子が堆積し、
基板上に薄膜が形成される。図lにおける例では、1つ
のトレイl4と1つのカソード電極20との組み合わせ
が示されている。スパッタリング室2において、任意の
数のカソード電極20を設けることができる。スパツタ
リング室2の壁部はアースされている。
面図である。真空チャンバーの一部の壁部33に絶縁ス
ペーサー21を介してカソードボディ102が、またカ
ソードボディの上部に裏板103が、それぞれOリング
104及びOリング105を介して取り付けられてい
る。このカソードボディと裏板により、チャンバー壁の
一部が構成され、大気部と真空室内とが隔てられてい
る。真空と大気とのシールはOリング104、Oリング
105により行なわれる。裏板103の表面には所定の
材質のターゲット106がインジウム等の低融点ろう材
により接着されている。ターゲット106の周辺には、
ターゲット以外の部分がエッチングされるのを防止する
ためのシールド107が設けられている。裏板103の
大気側には裏板103とターゲット106を冷却するた
めの水冷ジャケット108が設けられている。この水冷
ジャケット108の内部には裏板103全体を均一に冷
却するために、全域にわたって水路109が設けられて
いて、水導入パイプ110から冷却用水が導入され、水
排出パイプ111から使用後の冷却用水が排出されるよ
うになっている。水冷ジャケット108の背後には、磁
石112及びヨーク113からなる磁石ユニット114
が4個配置されている。これら4個の磁石ユニットは磁
石ベース115上に固定されている。磁石ユニット11
4と磁石ベース115により磁石組立体150が構成さ
れている。さらに磁石組立体150はガイドレール11
6に拘束されて図2の左右方向に運動することが可能と
なっている。4個の磁石ユニットを搭載した磁石ベース
115は、ピン117、アーム118、ピン119を介
して回転円板120に接続される。また、この回転円板
120はモーター121に結合されており、モーター1
21のシャフトの回転により回転し、磁石組立体150
が左右に揺動されるようになっている。図2に示した揺
動距離122は、回転円板120に設けられたピン11
9の位置における直径に等しい。回転円板120上には
ピン119を固定する穴が複数設けられており、ピン1
19の位置を変えることにより、磁石ベース115の揺
動距離122を変えることが可能である。モーター12
1はカソード電極全体を覆うカソードカバー123に固
定される。カソードボディ102、裏板103、ターゲ
ット106、水冷ジャケット108は電気的に結合さ
れ、しかも他の部分からは絶縁されており、この部分に
外部の電源24から電力が供給される。
図3に従って説明する。図3の(a)は4個の磁石ユニ
ットを上側から見たもの、また図3の(b)はこれの中
心部分での断面図である。図3において、各磁石ユニッ
トは等間隔に設置した。ここでは、各磁石ユニットを上
側から順番に、磁石ユニットA、磁石ユニットB、磁石
ユニットC、磁石ユニットDと呼ぶことにする。また、
中心磁石、外周磁石、ヨークのそれぞれにも、A、B、
C、Dを付して区別する。各磁石ユニットは平面形状が
長方形である平板状のヨークの上に配置した、中心磁石
及びその周囲の矩形リング状の外周磁石とから構成され
る。中心磁石はその端部がT字型に形成される。これら
の磁石はヨークにエポキシ系の接着剤で固定される。ま
た、磁石の材質は、ここでは高い抗磁力及び残留磁束密
度を有するNd-Fe-B 系のものを用いているが、ターゲッ
ト表面上で200ガウス程度の磁界が得られればSm-Co
等他の材質の磁石でもかまわない。これら4個の磁石ユ
ニットの極性、寸法は同一ではない。磁石上面の極性が
磁石ユニットA301では中心磁石A305がN極、外
周磁石A309がS極であり、隣接する磁石ユニットB
302では中心磁石B306がS極、外周磁石B314
がN極である。このように、すべての磁石ユニットにお
いて、隣接する磁石ユニットは、N極及びS極に関する
磁極の配置が互いに反対であるように構成している。ま
た、図3中で、外周磁石A313の反対極が隣接しない
長辺部分の幅WAO320は、反対極が隣接する長辺部分の幅
WAI321よりも狭く設定している。同様に、最下部の外周
磁石D316においても、反対極が隣接しない長辺部分の幅
WDO327を反対極が隣接する長辺部分の幅WDI326よりも狭
く設定している。ここで、WAO320とWDO327は等しく設定
している。また、WAI321、WBI322、 WCI324、WDI326は
等しくした。また、外周磁石のうち、T型に形成した中
心磁石端部に向い合う部分の幅は、AからDの磁石ユニ
ットで等しく、またWAI321、 WBI322、WCI324、WDI326
とも等しくした。
A313との距離、GAH328及びGAV329は等しくとってあ
り、かつ各磁石ユニットの間隔GM330 よりも狭く設定し
てある。また、他の磁石ユニットA、C、Dにおいて
も、中心磁石端部と外周磁石との間隔はGAH328、GAV329
に等しくした。
を閉じ込めることのできるトンネル状の磁界を発生させ
ることができる。図3の磁石ユニットから構成される磁
石組立体により発生するターゲット表面上の磁界によ
り、電子の分布及びイオン電流密度分布が決定される。
ターゲット表面上の磁界の内、ターゲット表面に平行な
磁界成分は、電界と磁界に直行する電子ドリフト、すな
わちE×Bドリフトに直接影響するため、この磁界成分
の分布はターゲットのエッチング分布を決定する上で重
要である。図4は図3の構成の磁石組立体から発生する
ターゲット表面に平行な磁界成分の分布であり、ターゲ
ット表面位置におけるものである。ここでは50ガウス
間隔で、ターゲット表面に平行な磁界成分の絶対値の等
高線を示している。この図より、ターゲット表面に平行
な磁界成分の分布は、極大値をとる位置が、4つの磁界
の環状トラック401を形成し、一つのトラック上では
平行成分の磁界の絶対値は局所的に偏ることなく全周に
わたって均一であり、しかも200ガウス以上の領域で
形成される4つのトラックの幅もほぼ同等であることが
わかる。
に、磁石組立体150を静止したままの状態でスパッタ
成膜を行なった場合に生じる、ターゲットのエッチング
分布を図5に濃淡図として示した。同図において濃い部
分はターゲットが深くエッチングされていることを表し
ている。スパッタ時の圧力は10mTorr とした。この図
からわかるように、環状のドリフト電子により形成され
た4つのエッチングの環状トラック501のうち、どれ
か一つが他に比べてエッチングが深くなることはなく、
4つのトラックが均一に形成される。また、隣合うエッ
チングの環状トラックの中間部分においても、かなりの
エッチングが生じていることがわかる。この場合、隣合
うトラックの電子ドリフトの方向502は同一となり、
電子の軌道が隣合うトラックで混成することにより、タ
ーゲット上のエッチング領域が拡大し、ターゲットの利
用効率を増加させている。こうして、磁石を静止したま
までも、ターゲットの利用率を30%以上まで高めるこ
とが可能になった。
程度の速度で駆動させ、磁石組立体150全体を左右に
揺動運動させた。この場合の揺動距離は、回転円板上の
ピン119の位置を適当に設定して、図5の環状トラッ
クの中心部のエッチングされていない領域の幅程度とし
た。この揺動運動により、エッチングがターゲット全面
に亙って発生し、ターゲットの利用効率を約60%にま
で増大させることができた。またこれに対応して、均一
性の良い膜厚・膜質の分布がえられた。
石組立体は4個の磁石ユニットから構成されていた。し
かし、本発明はこの磁石ユニットの個数を限定していな
い。図6(a)に示すような磁石ユニットが2個の場
合、図6(b)に示すような磁石ユニットが3個の場
合、図6(c)に示すような磁石ユニットが5個の場
合、及び図6(d)に示すような磁石ユニットが6 個の
場合、あるいは更に多数の磁石ユニットを組み合わせて
用いた場合においても、本発明が有効であることは言う
までもない。
する2 つの電子ドリフト軌道が混成することにより、幅
広いイオン電流発生領域が生じ、ターゲット面上のエッ
チング領域を拡大させることができる。しかも、この際
発生する環状のエッチング・トラックは局所的に偏るこ
とがなく、さらに磁石の揺動を併用することにより、タ
ーゲットの消耗が均一に行なわれ、ターゲットの利用率
の飛躍的な向上が実現される。また、これにより、大面
積の基板上に成膜した薄膜の膜厚分布及び膜質分布の均
一性を向上させることが可能となった。
である。
る。
図である。
ーゲット面に平行な成分の、ターゲット表面上における
分布であり、50ガウス間隔で等高線表示したものであ
る。
トのエッチング分布を濃淡図で表したものであり、濃い
部分ほどエッチング深さが大きいことを示している。
磁石組立体に関する他の実施例であり、磁石ユニットが
2個の場合の図を示す。
を示す図である。
を示す図である。
を示す図である。
図である。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 内部を真空状態にする排気系を備えた真
空容器と、この真空容器の内部に配置され、成膜処理さ
れる基板を取り付けた基板保持部材と、前記基板に対し
て対向する位置関係で配置され、前記基板の面に成膜す
る矩形平面状ターゲットを備えた少なくとも一つのマグ
ネトロンカソード電極と、前記真空容器の内部にガスを
流通させて内部圧力を適切に維持するガス制御系と、前
記マグネトロンカソード電極に電力を供給する電源系を
含むスパッタリング装置であり、前記一つのマグネトロ
ンカソード電極は、中心磁石及び外周磁石に関する磁極
の極性が互いに反対である異種の矩形磁石ユニットを交
互に隣接させて配置した磁石組立体を備え、前記ターゲ
ットの面上に、隣接する前記磁石ユニットによって、ド
リフト電子の運動方向が反対である二種類の環状軌跡が
交互に隣接され、相隣接するドリフト電子の軌道が混成
して形成されるようなマグネトロンカソード電極におい
て、複数配置した矩形の磁石ユニットの内、端部に配置
した磁石ユニットの外周磁石の反対極が隣接しない長辺
部分の幅を、他の部分の幅より小さく設定したことを特
徴とするスパッタリング装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のスパッタリング装置に於
て、前記磁石ユニットの中心磁石の端部で外周磁石短辺
部に対向する部分を、前記磁石ユニットの上方から見て
T字型に形成し、このT字型に形成した中心磁石端部
と、それに対向する外周磁石部との間隔を、各磁石ユニ
ット間の間隔より狭く設定したことを特徴とするスパッ
タリング装置。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のスパッタリング
装置に於て、前記磁石ユニットを配置した磁石組立体全
体を所定の方向に揺動運動させるための駆動機構を備え
たことを特徴とするスパッタリング装置。 - 【請求項4】 請求項3記載のスパッタリング装置にお
いて、前記矩形平面状ターゲットを接着した裏板の反対
面に、多数の溝を有する水冷ジャケットを取り付け、前
記磁石組立体は、前記水冷ジャケットの外側の大気部に
配設されることを特徴とするスパッタリング装置。
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