JPH07197242A - アーク蒸着装置用異常放電防止電極及びその製造方法 - Google Patents

アーク蒸着装置用異常放電防止電極及びその製造方法

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JPH07197242A
JPH07197242A JP8688993A JP8688993A JPH07197242A JP H07197242 A JPH07197242 A JP H07197242A JP 8688993 A JP8688993 A JP 8688993A JP 8688993 A JP8688993 A JP 8688993A JP H07197242 A JPH07197242 A JP H07197242A
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JP
Japan
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electrode
oxide film
discharge
oxide
abnormal discharge
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JP8688993A
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English (en)
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Kazuyuki Sakamoto
本 和 志 坂
Yasushi Fukui
居 康 福
Minoru Saito
藤 実 斎
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】放電現象を利用する真空アーク蒸着装置内にお
いて、放電することが好ましくない電極面では放電の発
生がない異常放電防止蒸発電極を提供する。 【構成】蒸発電極表面を酸化膜で覆った真空アーク蒸着
装置用異常放電防止電極及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電現象を利用するア
ーク蒸着装置内において、放電することが好ましくない
電極面では放電を発生させない異常放電防止電極に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】アーク蒸着装置等の放電現象を利用して
金属材料を蒸発させる装置内では、蒸発させたい金属材
料を一方の電極(以下、蒸発電極という)とし、装置内
壁あるいは蒸発電極の近傍に設置した対極をもう一方の
電極として、両極間でアーク放電を発生させ、蒸発電極
の金属材料を蒸発させる。ここで、蒸着装置としての通
常の使用方法では、蒸発電極の面のうち被処理物(被蒸
着物)に対向する面において、連続して安定した放電が
発生することが望ましく、装置内壁に向いた面などの被
処理物以外の方向を向いた面で放電が発生することは好
ましくない。理由は、そのような蒸発によって生成した
蒸気は被処理物への蒸着に結び付かない無効蒸気である
ばかりでなく、装置内へ蒸着物が堆積することによって
電気絶縁の破壊などのトラブルにつながるからである。
【0003】このように、蒸発電極には放電することが
好ましい面(放電面)と好ましくない面がある。放電の
発生することが好ましくない面で放電することを異常放
電と呼ぶ。従来は、異常放電を極力抑えるために、放電
の発生することが好ましくない面を絶縁性材料からな
り、図2に示すような筒状などのスリーブを蒸発電極側
面に装着する等の方法により対応していた。そのスリー
ブは蒸発電極の形状や寸法に合わせて製作する必要があ
る。これは、作業も煩雑であり、また一般的にはアルミ
ナ等のセラミックスが使われており、コストが高いとい
う欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような対策を講
じても、完全に異常放電を防ぐことは不可能であり、実
際には極希ではあるが、絶縁性材料に異常放電が及ぶこ
ともある。絶縁性材料としては、アルミナのようなセラ
ミックス材料が用いられることが多いが、セラミックス
材料は一般的に熱衝撃に対して弱いので、放電が及ぶ一
瞬の急激な温度上昇に耐えられず、割れてしまうことが
多い。この結果、それまで絶縁性材料に覆われていた面
が露出し、放電の発生することが好ましくない面での異
常放電が継続して発生することになり、装置の運転に支
障をきたすことがある。したがって、放電の発生するこ
とが好ましくない面を絶縁性材料で作られた部品を装着
することによって覆うという対策は万全ではない。そこ
で、本発明者らは蒸発電極表面に放電を発生させない性
質を付与することによって、異常放電を防止する方法を
種々検討した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アーク放
電を利用して金属を蒸発させる蒸着装置において、蒸発
電極の表面が酸化すると、その表面では放電が発生しな
いことを経験している。その場合の蒸発電極表面は、電
気的に絶縁性の膜で覆われている。このような場合、一
旦装置の運転を停止し、蒸発電極の表面を研磨しなけれ
ばアーク放電が発生しない。このことから、放電の発生
することが好ましくない面を意図して電気的に絶縁性の
酸化膜で被覆すれば、異常放電を防止する材料として活
用できるものと考えた。
【0006】本発明は、上記の問題点や経験則に基づい
てなされたもので、蒸発電極を大気中で加熱することに
より、蒸発電極の表面を酸化膜で被覆したアーク蒸着装
置用異常放電防止電極とするものである。金属表面に
は、大気中に放置しただけでも自然酸化膜が生成する
が、この酸化膜は数十オングストローム程度の厚さしか
ないので、異常放電防止のための酸化膜としては有効で
ない。実際、大気中に放置しただけの金属は蒸発電極と
して全く正常に使用できる。異常放電防止のために有効
な蒸発電極を得るには、電気的に絶縁性の酸化膜を意図
的に厚く生成させなければならない。意図的に厚い酸化
膜を生成させるといっても、特別な条件で行う必要はな
く、蒸発電極を大気雰囲気の炉内(例えば電気炉)で加
熱し、蒸発電極そのものを加熱した後、自然冷却すれば
よい。この方法で、蒸発電極の表面に厚く生成した酸化
膜が電気的に絶縁性の酸化膜であるならば、異常放電防
止のために有効である。蒸発電極自体の酸化膜では十分
な絶縁性が得られない場合、イオンプレーティングある
いはスパッタリング等の方法を用いて蒸発電極の表面に
クロム酸化物,アルミニウム酸化物,シリコン酸化物等
の酸化膜を被覆することによっても異常放電防止が達成
できる。
【0007】
【作用】蒸発電極表面に意図して生成させた、あるいは
被覆した酸化膜は、電気的に絶縁性物質であるため、こ
の酸化膜を放電の発生することが好ましくない面に被覆
することによって、蒸発電極の異常放電を防止すること
ができる。電気炉等の温度を高くする程、また、高温に
保持する時間が長い程、生成する酸化膜は厚くなるが、
実用的には少なくとも0.1μmの厚さがあれば異常放
電防止に有効である。ちなみに、蒸発電極がCrの場
合、これを電気炉内に挿入し、蒸発電極の温度が300
℃に達した後、保持時間なしで電気炉のスイッチを切
り、蒸発電極を炉内に入れたまま冷却すると、0.1μ
m程度の厚さの酸化膜が生成する。
【0008】蒸発電極表面に意図して酸化膜を生成させ
るための手段として、前記方法を提案したが、この方法
では蒸発電極の全面が金属酸化膜で覆われることにな
る。そのため、放電を発生したい面に限っては予めシー
ルするか、酸化膜を除去する作業が必要になる。シール
方法としては、耐熱テープや耐熱塗料で被覆し、酸化膜
生成処理後これらを剥離、溶解する方法、あるいは、酸
化膜生成処理中シール面のみ還元性雰囲気と接触し続け
る等の方法があげられる。また、酸化膜を除去するに
は、エメリー紙等を用いて放電を発生したい面のみ研磨
するだけで十分である。本発明の異常放電防止蒸発電極
を適用することにより、これまで異常放電防止のために
使用したスリーブを用いなくても済む。もちろん両方を
併用することも、なんら差し障りはない
【0009】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
する。Cr蒸発電極の一例を図1に示す。図1におい
て、上面が放電面であり、この面内でアーク放電が継続
することは好ましいが、側面はアーク放電の発生するこ
とが好ましくない面である。特別な雰囲気制御をしてい
ない電気炉に金属Cr蒸発電極を挿入し、到達温度は3
00℃と400℃の2水準,保持時間は0,30分,6
0分の3水準の組み合わせで酸化膜を生成させた。Cr
酸化膜は蒸発電極の全面に生成しているので、上面のみ
酸化膜を除去するためにエメリー紙(#320)で研磨
し、側面はそのままとした。このCr蒸発電極を真空ア
ーク蒸着装置にスリーブを装着しないまま組み込んで、
アーク放電させ、連続蒸発運転を行った。運転中は真空
アーク蒸着装置の側面に設けられている覗き窓から放電
状態を監視した。真空アーク蒸着装置は、異常放電が発
生すると、保護回路が作動して放電が停止する。その後
しばらくして、自己復帰回路が働いてアーク放電が再開
する機構になっている。表1に、Cr蒸発電極の各酸化
膜生成条件と6時間のアーク放電による連続蒸発運転中
に発生した異常放電回数を示す。酸化膜厚の厚い程異常
放電が少なくなり、本発明が異常放電防止に効果的であ
ることがわかる。表1には、従来のスリーブによる異常
放電防止方法を比較例として、本発明と同じ連続蒸発運
転を行った場合の異常放電発生回数も示したが、本発明
に比べると異常放電の発生を防止する効果ははるかに小
さい。
【0010】
【表1】
【0011】
【発明の効果】以上のように本発明は簡便な方法によ
り、蒸発電極の表面に厚い酸化膜を意図して生成させる
ことによって、放電の発生することが好ましくない面で
の異常放電を防止することができる。高価で、しかも蒸
発電極の形状・寸法に合わせて製作しなければならない
スリーブを用いる煩わしさもなく、アーク蒸着装置の長
時間にわたる連続運転に貢献できる。本発明の異常放電
防止蒸発電極を単独で用いることはもちろん、従来のス
リーブと併用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の蒸発電極の形状の一例を示す斜視図
である。
【図2】 従来のスリーブの一例を示す斜視図である。
【符号の簡単な説明】
1 蒸発電極 2 スリーブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アーク放電を用いた蒸着装置において、蒸
    発金属の一部を酸化膜で覆うことを特徴とするアーク蒸
    着装置用異常放電防止電極。
  2. 【請求項2】アーク放電を用いた蒸着装置において、蒸
    発金属を大気中で加熱することにより、カソード金属表
    面を酸化膜で覆うことを特徴とするアーク蒸着装置用異
    常放電防止電極の製造方法。
JP8688993A 1993-03-23 1993-03-23 アーク蒸着装置用異常放電防止電極及びその製造方法 Withdrawn JPH07197242A (ja)

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JPH07197242A true JPH07197242A (ja) 1995-08-01

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015114917A1 (ja) * 2014-01-29 2015-08-06 株式会社島津製作所 金属電極、それを用いた電子銃、電子管並びにx線管

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015114917A1 (ja) * 2014-01-29 2015-08-06 株式会社島津製作所 金属電極、それを用いた電子銃、電子管並びにx線管
CN106165053A (zh) * 2014-01-29 2016-11-23 株式会社岛津制作所 金属电极、使用有所述金属电极的电子枪、电子管及x射线管
JPWO2015114917A1 (ja) * 2014-01-29 2017-03-23 株式会社島津製作所 X線管

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