JPH0719650Y2 - 鋳型装置 - Google Patents

鋳型装置

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JPH0719650Y2
JPH0719650Y2 JP1988071483U JP7148388U JPH0719650Y2 JP H0719650 Y2 JPH0719650 Y2 JP H0719650Y2 JP 1988071483 U JP1988071483 U JP 1988071483U JP 7148388 U JP7148388 U JP 7148388U JP H0719650 Y2 JPH0719650 Y2 JP H0719650Y2
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molten metal
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、鋳型装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、溶湯濾過用フィルターとして耐熱性ガラス繊維か
ら成る網状シートは、鋳物製品を製造する際に、上型と
下型とでその周縁部を単に挟持固定するか、或いはその
鋳造用鋳型の下型の上面に、該フィルターを設置する部
位に凹段部を形成し、これに該フィルターを載置した
後、その上から該上型を重合して、上型と下型との間に
該フィルターの周辺部を挟持して湯口系路と押湯系路を
横断して固定設置し、これにより、注湯時の溶湯中の不
純物を濾過して、その濾過された溶湯を鋳物製品の鋳造
用空間部に流入充填すると共に、鋳造後は、鋳物製品と
注湯系凝固部との分離、及び鋳物製品と押湯系凝固部と
の分離に用いることは公知である。
また、上記の鋳型に設置される網状シートとしては、そ
の周縁部の上下面に環状の金属製の押え板や環状の耐火
材から成る保持枠を接着し、網状シートを固定保持した
式のものを、上記と同様に鋳型の上面の凹段部に載置し
た後、その上面に上型を重合して上型と下型で、該環状
枠付き網状フィルターを挟持固定して使用するものは公
知である。
〔考案が解決しようとする課題〕
従来の固定枠なしの網状シートは、上型と下型とで初め
は所定の位置に挟持されているが、相当の勢いで注湯を
行い該網状シートを通過せしめると、該網状シートは、
その溶湯の通過時の流れに押されて或いは引っ張られて
流れ方向へ撓み変形し、更には、挟持力より大きい勢い
の流れにより、挟持位置がずれ、遂には、挟持部からの
離脱を生じて所要時間の間そのフィルター機能を保持で
きないと共に鋳造後の鋳造製品と湯口系凝固物間の分離
及び鋳造製品と押湯系凝固物との分離が困難となること
がしばしば認められる。
また、上記従来の環状の固定枠付きの網状シートは、上
型と下型との間に挟持されているにすぎないので、注湯
が該網状シートを通過する際、該環状金属固定枠の内周
面に溶湯が接触し、固定枠に付着する無駄を生じ、ま
た、接着剤が溶湯に溶出するなどの不都合を生じ、また
環状の金属材や耐火材から成る製固定枠のため、重量が
重くなり、また製造コストの増大をもたらすなどの不都
合を有する。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は、上記従来の網状シートの鋳型への設置時の位
置ずれ、産業用鋳物製品の鋳造時の溶湯の流れによる網
状シートの位置ずれ、脱落を防止し、更には、軽量な網
状フィルターを用い而も溶湯による固定枠との接触を防
止して上記の不都合を防止し、その設置箇所に応じて、
その所定位置で安定良好なフィルター作用のみを或いは
フィルター作用と鋳造後にその鋳物製品と注湯系凝固物
とのセパレーター作用を兼用せしめること、或いは鋳物
製品と又は押湯系凝固物とのセパレーター作用のみを夫
々容易に行うことを可能にし、又鋳物供試材の鋳造の場
合は、その鋳造後、その試験片部と注湯系凝固部とのハ
ンマーによる分断を容易に行うことを可能にした鋳造装
置を提供するもので、耐熱性繊維から成る方形の網状シ
ートの両側の辺部に沿い且つその少くとも片面から突出
する係止用突起を設けて成る鋳造用網状体を、鋳型の溶
湯通路の両側に該溶湯通路から離隔して設けた直線状の
嵌合用凹溝内にその両側の係止用突起を嵌合係止状態で
設置して成る。
〔作用〕
本考案の鋳造装置は、網状体の方形の該網状シートを該
鋳型の溶湯通路を横断させると共にその両側の係止用突
起をその鋳型の例えば、下型溶湯通路の両側に該溶湯通
路から離隔して設けた直線状の嵌合用凹溝内に両側の係
止用突起を嵌合係止させた状態に設置するので、該網状
体は、該鋳型に所定位置に不動に設置でき、従って、そ
の上面に上型を閉じたときの衝撃及び注湯時の溶湯の衝
撃でも不動であり、該網状体を所定位置に保たれる。更
に注湯に際し、これを通過する溶湯の流勢によってその
網状シートに押圧力及び引張り力がかゝっても、前記の
両側の係止用突起により該網状体の位置ずれはもとよ
り、鋳型からの離脱がなく、その所定の位置で安定良好
にフィルター作用を行わせることができる。
一方、該網状シートの両側の係止用突起は、溶湯との接
触から隔離させるので、溶湯の接触による汚染、接着剤
の剥離などが防止され、安定良好に係止作用を営む。
また、該鋳造用網状体の両側の係止用突起を点状部材や
線状部材の積層貼着により形成したり、断面L字状の成
形材で形成するときは、網状シートの両側辺部は補強さ
れ、安定堅牢な係止用突起として作用する。
この場合、該鋳造用網状体の網状シートは、湯口系路と
鋳造製品鋳造用空間部との間に設置したときは、その鋳
造後は、鋳造製品と湯口系凝固部との間に介在するの
で、該湯口系凝固部をハンマー等で叩くことにより容易
に分断できる分断促進用のセパレーターとして作用せし
めることができ、産業用鋳造製品の製造に夫々の用途に
有効に利用できる。
又、該鋳造用網状体の網状シートは、鋳物供試材を鋳造
した後の試験片部と湯口系凝固部とのセパレーターとし
て使用することもできる。この場合は、その鋳型の試験
片鋳造用空間部とその外側の湯口系路との間において、
その網状シートを介在させると共にその両側の係止用突
起を鋳型の溶湯通路の両側に該溶湯通路から離隔して設
けた直線状の嵌合用凹溝内に嵌合係止させた状態で設置
することは上記と同様である。溶湯の流れにより位置ず
れ、離脱が生ぜず、所定位置に安定状態に保持され、鋳
造後は該網状体はその所定位置に介在する結果、該試験
片部と湯口系凝固部との分離を、該湯口系凝固部をハン
マーで叩くことにより容易迅速に行うことができ而も試
験片を傷損せしめることなく確実に取得することができ
る。
〔実施例〕
本考案の実施例を添付図面に基き説明する。
図面で1は、本考案の鋳造鋳型の構成に用いる鋳造用網
状体を示し、該網状体は、耐熱性繊維を織り又は編むこ
とにより溶湯通過用の織目又は網目を多数もった方形の
網状シート1aとその網状シート1aの辺部に、例えば、中
央の溶湯通過部の左右両側の辺部に、これに沿いその網
状シート1aの少くとも片面から突出する係止用突起1b,1
bを設けて成るものである。耐熱性繊維としては、ガラ
ス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維などが使
用できる。該係止用突起1bの高さは、網状シート1aの大
きさが70〜100mm角の場合、2〜6mm、幅5〜20mmを一般
とする。
該網状シート1aは、耐熱性ガラス繊維のうち、高珪酸ガ
ラス繊維、特にシリカ成分96%以上の高珪酸ガラス繊維
又はこれを1000℃以上の温度で焼成して焼きしめたもの
が、高融点金属溶湯に対し熱安定性が大きく好ましい。
その形状は、正方形、矩形、円形等任意で、その寸法は
鋳型の溶湯通路の径よりも大きく、その両側辺部の係止
用突起1b,1bは、鋳型の溶湯通路の両側に設けた嵌合係
止用溝6,6内に嵌合される。その網状シートの織糸又は
編糸の密度は、例えば縦糸3本を揃え一束にまとめたも
のを25mm当たり7束、横糸3本を揃えて一束にまとめた
ものを25mm当たり5.7束から成り、厚さは0.5〜2mmとす
る。
該網状シート1aは、これらフェノール樹脂等の硬化性樹
脂を付着させて網状シート1aに剛直性を付与して運搬、
取扱い、鋳型面へのセット作業を容易にすることができ
るようにすることが好ましい。
第1図示の実施例では、各係止用突起1bは、該網状シー
ト1aと同じ耐熱性ガラス繊維の好ましくは、高珪酸ガラ
ス繊維の網布、不織布、織布の細幅の裁断片の複数枚を
ホチキス止め、その他の止め金具、耐熱性接着剤などを
介して方形の該網状シート1aの両側の辺部の片面に積層
貼着して形成したものである。耐熱性接着剤としては、
アルミナ・シリカ系、シリカ系などが使用できる。該耐
熱性布片の積層型の係止用突起1bは、その積層枚数を所
望に選択することにより、所望の高さの突起とすること
ができ、特に網状シート1aと同質材料であるから、網状
体1全体が同じ耐熱性と熱膨張及び収縮率を有し且つ軽
量で強靱な網状体1が得られて好ましい。
第2図は、第1図と同じ係止用突起1bを該網状シート1a
の両側辺部の両面に設けて成る他の実施例を示す。
第3図は、前記の高珪酸ガラス繊維から成る織布を方形
の短片に裁断したものの複数枚を重合貼着した点状の積
層型部材の多数個を、網状シート1aの片面の両側の辺部
にその辺縁に沿い間隔を存して配設貼着して不連続の点
状の係止用突起1b,1bを形成して成る他の実施例を示
す。
係止用突起部材は、前記の耐熱性ガラス繊維部材に代
え、耐熱性の成形部材でもよい。例えば、第4図示のよ
うに、耐熱性ガラス、耐熱性合成樹脂、アルミニウムな
どの軽金属などを原料として加熱溶融成形した断面L字
状の杆状成形枠材の一対を前記の網状シート1aの両側辺
部に貼着して左右一対の係止用突起1b,1bを形成して成
る。尚、金属材の場合は、板状成形体を機械加工でL字
状に屈曲しても得られる。
上記の各種の鋳造用網状体1は、例えば、炭素綱、合金
綱などの鋳鉄鋳物製品、青銅などの各種の非鉄金属又は
合金の鋳物製品の鋳造における各種の鋳型に設置し、湯
口系側では、フィルターとして或いはフィルター兼セパ
レーターとして機能せしめ、押湯系側では、セパレータ
ーとして機能せしめるが、本考案によれば、該網状体1
の両側の係止用突起1b,1bを、鋳型の溶湯通路の両側
に、該溶湯通路から離隔して配設した嵌合係止用嵌合溝
に差し込んで簡単に不動に設置された本考案の鋳造鋳型
を構成する。次に、本考案の鋳型装置の実施例について
詳述する。
第5a〜5c図は、前記の第1図示の鋳造用網状体1を使用
し、鋳型2に設置した本考案の鋳型装置の1例を示し、
該鋳型2は、上型2aと下型2bとから成り、その上型2aと
下型2bを閉じたときその中央部に鋳物製品鋳造用空間部
3を形成され、該空間部3はその1側面は湯道を介し上
方の注湯口に開口する湯口系路4と連通し、その他側上
面はその上方に押湯系路5に連通する。本考案によれ
ば、該下型2bに、その一方の溶湯通路である湯口系路4
の両側の上面に左右一対の嵌合係止用凹溝6,6を該湯口
系路4から離隔して形成し、この両側の凹溝6,6に、上
記網状体1の該網状シート1aを横断させると共にその両
側の係止用突起1b,1bの下半部を差し込んで不動に設置
する。一方その他方の溶湯通路である押湯系路5をはさ
んで、上型2aと下型2bの対向面に、該押湯系路5に開口
して横断方向に延びる網状シート1aの上下該辺部を嵌合
係止する上下一対の凹溝7′,7′と該凹溝7′,7′の片
面に、押湯の流れ方向に一対の上下方向に延びる係止用
突起1b,1bを嵌合するための嵌合係止用凹溝6,6を刻成
し、前記の第1図示の各鋳造用網状体1の下半部を、そ
の網状シート1aで該下型の該凹溝7′を横断させると共
にその該下型の該凹溝7′の両側の嵌合係止用凹溝6,6
に差し込んで不動に設置し、その後、上型の該凹溝7′
の両側の嵌合係止用凹溝6,6に、係止用突起1b,1bの上半
部を嵌め込んで本考案の鋳型装置を構成した。
このように、該網状体1は、その下型に差し込むことに
よって安定に設置させるので、その上面に上型を重ねた
ときの衝撃及び注湯時の溶湯の衝撃によっても、その位
置ずれが防止され、所定位置への設置が確保される。
この状態から、例えば、高融点金属溶湯を湯口より注入
するときは、該網状体1の網状シート1aを通り、かくし
て、濾過された溶湯は該空間部3内に充填され、更に、
該空間部3に充填された溶湯は、押湯系路5内に介在さ
せた該網状体1を通り上端開口側に上昇する。公知のよ
うに、溶湯内に含まれるガスは、押湯口より外部に放出
される。この溶湯注入充填作業において、湯口系路4を
通り抜けるとき、その流れによって湯口系路4を横断介
在する網状体1の網状シート1aは前方へ押され又引っ張
られるが、網状シート1aの左右に設けた該係止用突起1
b,1bにより鋳型の嵌合係止用凹溝6,6により係止固定さ
れているので、該網状体1は、横方向のずれはもとより
離脱が防止され、当初の位置に不動に固定保持され確実
にセパレーター作用を注湯が完了するまで安定に行うこ
とができる。
尚、上記の注湯作業において、網状体1の両側の係止用
突起1b,1bは、溶湯通路の両側の鋳型壁により溶湯との
接触から隔離されているので、溶湯の接触による接着剤
の溶出、これに伴う溶湯の汚染が防止される一方、当初
の安定良好な係止用突起6,6が確保される。
鋳型の冷却による溶湯の凝固後、鋳型2を解体するとき
は、第6図示の如く、鋳物製品pと湯口系凝固部yと押
湯系凝固部oとが一体の鋳物が得られるが、鋳物製品p
と湯口系凝固部yとの間及び鋳物製品pと押湯系凝固部
oとの間に夫々横断して網状体1の網状シート1aが横断
介在しているので、ハンマーで該湯口系凝固部yと該押
湯口系凝固部oとは鋳物製品pから容易に分断されるの
で、従来の各種の分断装置を要せず、鋳物製品pの製造
を容易にし製造コストの低下をもたらす。
鋳物製品の製造には鉄鋼品としては、球状黒鉛鋳鉄品、
炭素鋼鋳鋼品、溶接構造鋳造品、構造用高張力炭素鋼
品、その他各種鋳鋼品の製造、非鉄金属品としては、黄
銅鋳物、高力黄銅鋳物、青銅鋳物、アルミニウム青銅鋳
物、その他の各種鋳物品の製造が行われる際、その夫々
の製品の機械的性質として引張試験や衝撃試験などを試
験するための夫々の試験片を、前記各種の分断装置を選
択し、JIS規格に従って、その夫々の特性を試験するこ
とが行われている。
例えば、球状黒鉛鋳鉄製品の供試材については、JIS G
5502に従った鋳型を使用し、その溶湯を注湯、凝固させ
て所定の供試材を鋳造し、その鋳物供試材から、試験片
部を帯鋸で切断して採取していた。青銅鋳物製品の供試
材については、JIS H 5111に従った鋳型を使用し、その
溶湯を注湯凝固させて所定の供試材を鋳造し、その鋳物
供試材から、湯口系凝固部を帯鋸などで切断して試験片
部を採取していた。しかし、帯鋸による切断には、その
準備および切断に時間がかゝるばかりでなく、帯鋸が切
れることによる危険性がある。
本考案の鋳造装置は、かゝる鋳物供試材よりの試験片部
の分断を容易迅速になし得る鋳型装置にも適用できる。
即ち、所望の鋳物供試材の鋳造用鋳型において、鋳造さ
れるべき試験片の鋳造用空間部とその外側の湯口系路と
の間に、例えば第1図示の鋳造用網状体1を、その網状
シート1aにおいて、鋳型の溶湯通路を横断させると共に
その両側の係止用突起を該鋳型の該溶湯通路の両側に、
該溶湯通路から離隔して設けた嵌合係止用凹溝内に差し
込むことにより不動に設置し得られる。而して、該網状
体1の両側の係止用突起1b,1bは、硬質の成形枠で形成
されているので、該嵌合係止用凹溝6,6内への差し込み
が容易に行うことができると共に、網状体1の係止保持
を安定堅牢に行うことができる。一方、その係止用突起
は、該溶湯通路から隔離して鋳型内に固定された本考案
の鋳造装置が得られる。
第7図は、本考案を前記の球状黒鉛鋳鉄製品の供試材の
鋳型、即ち、JIS G 5502に従った鋳型に適用した鋳型装
置の実施例を示す。即ち、JIS G 5502に従い上型2aと下
型2bとから成る鋳型2を閉じたとき、中心に上面に開放
する所定形状の供試材鋳造用空間7が形成されるもの
で、該空間7は、下型2bに設けた断面方形のチャンネル
状の試験片鋳造用空間部7aと上型2aに設けた該空間7aと
連通し且つ上面の開放した断面逆台形の長手の押湯効果
を兼ねる湯口系路7bとから成るが、この鋳型において、
この上部の湯口系路7bと試験片鋳造用空間部7aとの間
に、即ち、第4図に示す実施例の鋳造用網状体1を、そ
の係止用突起1b,1bを下型2bの上面にその該チャンネル
状空間7a即ち溶湯通路の両側に沿い且つ該溶湯通路から
離隔して設けて長手の嵌合係止用凹溝6a,6a内に差し込
んで嵌合係止させ、その安定した網状体1の網状シート
1aを該鋳造用空間7を該湯口系路7bと該試験片鋳造用空
間部7aとの界面に沿い跨った状態に横設し、該下型2b上
面に、上方から上型2aを重ねて本考案の鋳型装置を構成
したものである。この場合も、網状体1の両側の係止用
突起1a,1aは、溶湯通路から隔離されて存する状態で設
置されることゝなる。
この状態において、球状黒鉛鋳鉄の溶湯を、該供試材鋳
造用空間部7内に満たし、冷却凝固した後、該鋳型2を
破壊して、第8図示の如く、鋳造供試材Sを取りだす。
該供試材Sは、その下部の試験片部S1とその上部の湯口
系凝固部S2とから成ると共にこれらの間に水平方向に介
在して延びる該網状体1を具備したものが得られる。従
って、該湯口系凝固部S2の部分をハンマーで叩けば、該
網状体1の水平方向に介在の網状シート1aの上面に沿い
分断されて、所要の試験片S1が簡単に損傷なく得られ
る。
この試験片と従来の鋳造用網状体1を介在させないで採
取した試験片とを、JIS Z 2241の引張試験を行った結
果、いずれも同じ値が得られ、該網状体1の介在により
供試材の鋳造に悪影響は全く認められないことを確認し
た。
第9図及び第10図は、青銅鋳物製品の供試材の鋳造に用
いられるJIS H 5111の鋳型の本考案を適用した鋳型装置
の実施例を示す。該鋳型2は、その上型2aと下型2bを閉
じたとき、その当接面の中央部の上下に亘り水平に延び
る一対の所定形状の試験片鋳造用空間部7aとその両側に
この一対の空間部7aと連通する水平底部とこれから上方
に上面に開放して延びる円弧状の垂直部とから成る左右
の湯口系路7b,7bとから成る供試材鋳造用空間7を有す
るもので、この上型2aと下型2bとの合わせ面には、その
上記中央部の試験片鋳造用空間部7a,7aとその左右の湯
口系路7b,7bの両端との間に、垂直方向の嵌合係止用凹
溝6,6,6,6をこれらの溶湯通路7a,7a,7b,7bから離隔して
夫々配設し、その上型と下型とを閉じる際、その下型の
左右の嵌合溝6,6に、第1図示と同形式の鋳造用網状体
1の2個をその左右の垂直方向に延びるリブ状の係止用
突起1b,1bの下半部及び1b,1bを夫々の係止用嵌合溝6,6
及び6,6内に嵌着して固定設した後、該上型の夫々の係
止用嵌合溝6,6及び6,6内に、その設置された夫々の網状
体1,1の係止用突起1b,1b及び1b,1bの上半部を間着し
て、該下型上面に該上型を重合する。かくして、その中
央の垂直方向の網状シート1a,1aが左右の湯口系路7b,7b
を横断する状態に設置される。かくしてこの状態から、
その左右の湯口系路を通して青銅溶湯を注湯し、その供
試材用空間7を満たす。この状態で冷却凝固し、鋳型2
を解体して第11図示の形状の鋳物供試材Sが得られる。
この注湯において、溶湯は、夫々の網状体1の係止用突
起1b,1bに接触することがない。該供試材Sは、その中
央部に平行する一対の試験片部S1とその左右に円弧状の
湯口系凝固部S2,S2とから成ると共にこれらの間に介在
してその左右に垂直方向に延びる該網状体1を具備した
ものが得られる。従って、該左右の湯口系凝固部S2,S2
をハンマーで叩けば、左右の各該網状体1の垂直方向に
介在の網状シート1aの外面に沿い分断されて、所要の試
験片S1が簡単に損傷なく得られる。
〔考案の効果〕
本考案によるときは、耐熱性繊維から成る方形の網状シ
ートの両側の辺部にこれに沿い少くとも片面から突出す
る係止用突起を設けて成る鋳造用網状体を、鋳型の所要
箇所に溶湯通路の両側に、該溶湯通路から離隔して配設
した係止用凹溝内にその両側の係止用突起を嵌合係止状
態で設置せしめて鋳型装置を構成するようにしたので、
該網状体を該鋳型の下型に差し込むだけで、その網状シ
ートを該溶湯通路に横断介在させた状態で鋳型に該網状
体に固定設置できると共に、その上面に上型を重合する
際の衝撃及び注湯時の溶湯の衝撃によっても位置ずれな
く、当初の介在位置を確保でき、更に同時に、網状体の
両側の係止用突起は、該溶湯通路の両側壁によって、該
溶湯通路を流れる溶湯との接触から隔離されるので、溶
湯との接触による損傷、接着剤の溶出、これに伴う溶湯
の汚染を防止し得られ、安定良好に良質の鋳物製品を鋳
造し得られ、また、鋳造後は、その該網状体の網状シー
トの介在面に沿い容易に分断できる等の効果を奏する。
更に、本考案の鋳造装置に備える該網状体の係止用突起
は、該網状シートの両側辺部に、点状部材又は線状部材
を突設して成るので、比較的軽量で而も機械的強度が増
大し、且つ嵌合係止用凹溝との安定堅牢な係止状態をも
たらし、かゝる部材を網状シートと同材質で構成する場
合は、全体が同じ物理的特性をもつ軽量且つ強靱な網状
体が得られ、また、該係止用突起を断面L字状の成形枠
で構成するときは、該嵌合係止用凹溝への差し込みを容
易に行うことができると共に、網状体の安定堅牢な係止
状態を確保することができる等の効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第4図は、本考案の実施例の鋳造装置に用い
る各種の鋳造用網状体の斜面図、第5a図は、本考案の鋳
型装置の1例の縦断面図、第5b図は、第5a図示の鋳型装
置のA−A線の断面図、第5c図は、その下型の平面図、
第6図は、その鋳造物の斜面図、第7図は、他の実施例
の鋳型装置の縦断面図、第8図はその鋳物供試片の斜面
図、第9図は、更に他の実施例の鋳型装置の縦断面図、
第10図は、第9図の鋳型装置A−A線の断面図、第11図
は、鋳物供試材の上面図を示す。 1…鋳造用網状体、1a…網状シート 1b…係止用突起、2…鋳型 2a…上型、2b…下型 3…鋳物製品鋳造用空間部 4…湯口系路、溶湯通路 5…押口系路、溶湯通路 6…嵌合係止用凹溝 7…供試材鋳造用空間、7′…凹溝、溶湯通路 7a…供試材鋳造用空間部 7b…押口系路、溶湯通路 p…鋳物製品、S…鋳物供試材 y…湯口系凝固部、S1…試験片部 o…押湯系凝固部、S2…湯口系凝固部

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性繊維から成る方形の網状シートの両
    側の辺部に沿い且つその少くとも片面から突出する係止
    用突起を設けて成る鋳造用網状体を、鋳型の溶湯通路の
    両側に該溶湯通路から離隔して設けた直線状の嵌合用凹
    溝内にその両側の係止用突起を嵌合係止状態で設置して
    成る鋳型装置。
  2. 【請求項2】該係止用突起は、点状又は線状突起である
    請求項1に記載の鋳造装置。
  3. 【請求項3】該係止用突起は、点状部材又は線状部材を
    該網状体に積層貼着して形成して成る請求項1に記載の
    鋳造装置。
  4. 【請求項4】該点状部材又は線状部材は、該網状シート
    と同材質の不織布、織布又は編布の裁断片の複数枚の積
    層体から成る請求項3に記載の鋳造装置。
  5. 【請求項5】該点状部材又は線状部材は、耐熱性の金属
    製又は合成樹脂製の断面L字状の成形枠材から成る請求
    項3に記載の鋳造装置。
  6. 【請求項6】鋳物製品の製造用鋳型において、鋳造され
    るべき鋳物製品鋳造用空間部とその外側の湯口系路と押
    湯系路との間に、該鋳造用網状体を、その網状シートを
    横断介在させると共にその両側の係止用突起を鋳型に該
    溶湯通路から離隔して設けた嵌合用凹溝内に嵌合係止状
    態に設置して成る請求項1乃至5のいずれか1つに記載
    の鋳型装置。
  7. 【請求項7】鋳物供試材の鋳造用鋳型において、鋳造さ
    れるべき試験片鋳造用空間とその外側の湯口系路との間
    に、該鋳造用網状体を、その網状シートを横断介在させ
    ると共にその両側の係止用突起を鋳型に該溶湯通路から
    離隔して設けた該嵌合用凹溝内に嵌合係止状態に設置し
    て成る請求項1乃至5のいずれか1つに記載の鋳型装
    置。
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