JPH07195783A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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Publication number
JPH07195783A
JPH07195783A JP33574693A JP33574693A JPH07195783A JP H07195783 A JPH07195783 A JP H07195783A JP 33574693 A JP33574693 A JP 33574693A JP 33574693 A JP33574693 A JP 33574693A JP H07195783 A JPH07195783 A JP H07195783A
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JP
Japan
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recording
endless belt
arm
recording head
recording apparatus
Prior art date
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Pending
Application number
JP33574693A
Other languages
English (en)
Inventor
Chiaki Daito
千秋 大東
Masao Yamada
昌雄 山田
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Panasonic System Solutions Japan Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Graphic Communication Systems Inc
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Publication date
Application filed by Matsushita Graphic Communication Systems Inc filed Critical Matsushita Graphic Communication Systems Inc
Priority to JP33574693A priority Critical patent/JPH07195783A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一方向回転移動する無端ベルトによりインク
ジェット記録ヘッドを搬送する場合でも、記録ヘッドへ
の振動の伝達を極力小さくできる記録装置を提供するこ
と。 【構成】 記録紙11に画像を形成するインクジェット
記録ヘッド32と、少なくとも記録紙11の主走査方向
における記録領域以上の長さを有し常に一方向に回転移
動する記録手段搬送用無端ベルト34と、この無端ベル
ト34と記録ヘッド32とを連結するとともに、無端ベ
ルト34の作動を記録ヘッド32に伝達する連結アーム
38と、無端ベルト34の回転移動に伴う連結アーム3
8の振動を減少あるいは防止させるストッパ41とを具
備した記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ、プリン
タ等に用いられるインクジェット式(バブルジェット式
を含む)、その他の形式の記録装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来のインクジェット式の記録装置を図1
8に概略図で示す。図18に示すように、従来のイック
ジェット式の記録装置は、着脱式のカセット101と、
カセット101に納められた記録紙102と、記録紙1
02を1枚づつ繰り出すピックアップローラ103と、
繰り出された記録紙102を搬送する送りローラ104
と、送りローラ104を回転させる送りモータ105
と、記録紙102を送りローラ104に押しつける第1
ピンチローラ106と、記録位置で記録紙102が浮き
上がらないようにする第2ピンチローラ107と、送り
モータ105の回転伝達を切り換えるギヤボックス10
8と、搬送される記録紙102の先端を検出する位置セ
ンサ109と、複数のインク吐出ノズルを持つインクジ
ェット記録ヘッド110と、このインクジェット記録ヘ
ッド110を記録紙102を横切るように移動させるた
めに設けられたガイドシャフト111と、ガイドシャフ
ト111に沿って往復移動させるベルト112と、ベル
ト112を正逆転させるキャリッジモータ113と、イ
ンクジェット記録ヘッド110に設けられてインクジェ
ット記録ヘッド110の初期位置を検出するキャリッジ
センサ114(被検出部材は本図には図示されていな
い)と、インクジェット記録ヘッド110の初期位置に
設けられてノズルのクリーニング及びキャッピングを行
うクリーニング部115と、記録が終了した記録紙10
2を互いの間に挟持して搬送する第1搬送ローラ116
及び第1押えローラ117並びに第2搬送ローラ118
及び第2押えローラ119と、記録紙102を案内する
第1記録紙ガイド120、第2記録紙ガイド121及び
第3記録紙ガイド122と、各センサ109,114か
らの信号を受けるとともに各モータ105,113及び
インクジェット記録ヘッド110の駆動を制御する制御
回路部123とを含んで構成されている。
【0003】以上のように構成されたインクジェット記
録装置の動作について説明する。電源が投入されると、
制御回路部123によりキャリッジセンサ114の出力
がチェックされ、インクジェット記録ヘッド110が初
期位置にあるかどうかが調べられる。もしインクジェッ
ト記録ヘッド110が初期位置になければ、キャリッジ
モータ113を動作させてインクジェット記録ヘッド1
10を初期位置に戻す。インクジェット記録ヘッド11
0が初期位置に戻ったことは、キャリッジセンサ114
が被検出部材(本図には図示されていない)を検出する
ことで判断される。インクジェット記録ヘッド110が
初期位置にあることが確認されると、装置は記録可能な
状態となり、制御回路部123は記録開始を待ち続け
る。
【0004】本図には図示されていないインターフェイ
ス等を通じて制御回路部123に記録開始信号が出され
ると、送りモータ105が作動される(本図には接続ケ
ーブルを図示していない)と共に、ギヤボックス108
の動作によりピックアップローラ103、送りローラ1
04が回転され、ピックアップローラ103によりカセ
ット101の最上段の記録紙102が押し出される。押
し出された記録紙102は第1記録紙ガイド120に沿
って進み、第1ピンチローラ106と送りローラ104
とに挟まれると、送りローラ104の搬送力により搬送
される。記録紙102が送りローラ104の搬送力によ
り搬送され始めると、ギヤボックス108の作用でピッ
クアップローラ103は駆動力を解除される。
【0005】記録紙102の先端が位置センサ109を
通過すると、その情報は制御回路部123に送られ(本
図には接続ケーブルを図示していない)、制御回路部1
23では記録紙102が記録開始位置に達する迄のカウ
ントが始まる。位置センサ109を通過した記録紙10
2の先端は更に第2ピンチローラ107に達し、その後
記録開始位置へと進む。第2ピンチローラ107と送り
ローラ104とに挟まれた記録紙102は、記録位置で
第2記録紙ガイド121に押しつけられ、浮き上がるの
を防止される。記録紙102の先端が記録位置を通過す
ることが制御回路部123のカウントにより検出される
と、送りローラ104が停止され、記録紙102も停止
する。
【0006】記録紙102が停止すると、制御回路部1
23からの信号によりキャリッジモータ113が一定速
度で回転され(本図には接続ケーブルを図示していな
い)、ベルト112に固定されているインクジェット記
録ヘッド110は、キャリッジセンサ114により被検
出部材(本図には図示されていない)を検知することで
予めセットされた初期位置から、決められた記録開始位
置までガイドシャフト111に沿って送られる。この移
動量は予め制御回路部123でキャリッジモータ113
を動作させる一定時間として制御される。インクジェッ
ト記録ヘッド110が記録開始位置まで来ると、次に制
御回路部123からキャリッジモータ113の一定周期
の駆動信号に同期した(インクのドット形成密度を8ド
ット/mmとした場合、ベルト112の1/8mmの移
動に相当するキャリッジモータ113の回転周期毎に)
吐出制御信号がインクジェット記録ヘッド110に送ら
れ(本図には接続ケーブルを図示していない)、インク
ジェット記録ヘッド110の複数のノズルから一定周期
でインクが吐出され、ガイドシャフト111に沿ってイ
ンクジェット記録ヘッド110が記録紙102を横切っ
て移動しながら、ノズルの個数に応じた一定幅画像の形
成が始まる。
【0007】更に、予め制御回路部123で決められた
時間だけキャリッジモータ113を回転させ、インクジ
ェット記録ヘッド110は一定長さの画像を形成して停
止する。その後制御回路部123は、いま記録した幅だ
け記録紙102を送るように送りモータ105を一定量
回転させる。このとき、第1搬送ローラ116及び第2
搬送ローラ118も同時に回転され、記録紙102を送
り出す。第1搬送ローラ116、第2搬送ローラ118
の回転数は、記録紙102が第2ピンチローラ107と
第1押えローラ117との間でたるまないようにするた
め、送りローラ104の搬送量よりも少し多くなるよう
にギヤボックス108で回転数が設定されており、か
つ、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ118の
搬送力が送りローラ104の搬送力よりも強くなって記
録紙102の搬送量の精度が低下しないように、第1押
えローラ117及び第2押えローラ119のピンチ圧は
小さく設定されている。
【0008】次に、今度はキャリッジモータ113を一
定速度で逆転させ、インクジェット記録ヘッド110を
前回とは逆の方向に移動させながら、同時にキャリッジ
モータ113の一定周期の駆動信号に同期した吐出制御
信号をインクジェット記録ヘッド110に送り(本図に
は接続ケーブルを図示していない)、同様にキャリッジ
モータ113を予め制御回路部123で決められた時間
だけ回転させ、一定長さの画像を記録した後キャリッジ
モータ113を停止させる。そして同時に制御回路部1
23で決められた時間だけ送りモータ104、第1搬送
ローラ116、第2搬送ローラ118を回転させ、記録
した幅だけ記録紙102を搬送する。
【0009】以上の動作を1枚の記録紙102の全長に
わたって画像を記録し終わるまで続ける。記録すべき長
さは、記録紙102の長さが決まっているため、予め、
制御回路部123では判っている。従って、制御回路部
123では記録紙102の後端が位置センサ109を通
過することが予測でき、この予測された時間が経過して
もまだ記録紙102の後端が検出できなければ、記録紙
102の搬送に何らかのトラブルが発生したとしてアラ
ームを発生させる。
【0010】以上のように記録が完全に終了した場合、
または、トラブルが発生した場合にはキャリッジモータ
113を回転させ、インクジェット記録ヘッド110を
初期位置に戻す。インクジェット記録ヘッド110が初
期位置に戻ったことは、キャリッジセンサ114が被検
出部材(本図には図示されていない)を検出したことで
判断される。このようにして記録紙102の記録が終了
される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の構成に
よれば、記録紙102を搬送する機構が複雑になり、イ
ンクジェット記録ヘッド110の移動量が安定せず、記
録画像の品質が低いと言う問題があった。
【0012】上述の問題は、以下の理由で生じる。機構
部に関しては、記録紙102を搬送するのに複数のロー
ラ(3本)104,116,118が必要であり、その
回転数も全て同じでないため、ギヤボックス108を設
け、それぞれのローラ104,116,118に異なっ
た回転数の駆動力を伝えなければならないため、機構が
複雑になる。また、記録紙102を搬送する駆動力を記
録紙102に伝える部分が不連続に配置され、しかもそ
れぞれの搬送量が異なるため(異なる理由については従
来例の説明参照)、記録紙後端の搬送量が大きくなり、
更に排紙側の押えローラ117,119の押圧により送
りローラ104とピンチローラ106,107のスリッ
プ量が異なり、記録紙102の搬送量がばらつく原因と
なった。
【0013】更に、インクジェット記録ヘッド110の
位置をキャリッジモータ113の回転数のみで制御する
ため、インクジェット記録ヘッド110の移動量が安定
せず、更に複数のノズルの特性がばらつき、均一な大き
さのドットが記録できないため、画像が低下していた。
【0014】このため、本出願人は、第一の目的とし
て、記録紙(記録媒体)全長にわたる安定した精度のよ
い搬送を行え、この結果均一なドットを精度良く形成で
きること、第二の目的としてインクジェット記録ヘッド
の移動制御を簡易な駆動手段で実施できること、第三の
目的としてインクジェット記録ヘッドの記録媒体に対す
る位置を簡易かつ正確に検出し、良好な記録画像を得る
こととして、特願平5−271993号「インクジェッ
ト記録装置及びこれを用いた記録方法」(先願発明)を
提案している。
【0015】この提案によれば、記録紙等の記録媒体の
搬送を、記録媒体搬送用無端ベルトで行うようにすると
ともに、記録媒体を収納した保持手段(カセット)をカ
ム等の移動手段により記録手段(インクジェット記録ヘ
ッド)の記録動作に対応させて記録媒体が無端ベルトに
押圧されるよう移動させる機構として構成し、第一の目
的を達成している。また、第二の目的は、記録手段であ
るインクジェット記録ヘッドの駆動用無端ベルトを常に
一方向に回転移動するように設けるとともに、この記録
手段駆動用無端ベルトとインクジェット記録ヘッド(記
録手段)とを、揺動自在なアーム等からなる連結手段に
より連結して達成している。更に、第三の目的は、イン
クジェット記録ヘッドの動作時及び初期位置をそれぞれ
示す位置マーク部及びこの位置マークと異なる初期マー
ク部を備えた被検出手段を設けるとともに、この被検出
手段をインクジェット記録ヘッドに設けられた検出手段
で検出してインクジェット記録ヘッドの位置を検出し、
この検出結果に基づいてインクジェット記録ヘッドの記
録動作を制御手段により制御することによって達成して
いる。
【0016】前述の先願発明によれば、各目的を十分に
達成できるが、新たな課題が生じている。すなわち、第
二の目的への対応において、一方向に回転移動する記録
手段駆動用無端ベルトと記録手段とを連結する連結手段
をアーム方式とした場合、無端ベルトによる記録手段の
駆動時に記録手段に振動が発生することがあり、記録精
度を低下させるという問題点が生じた。また、無端ベル
トの一方向駆動であるため、無端ベルトの両反転部にお
いて、搬送方向が逆となることにより、記録手段に大き
な衝撃が加わり、記録手段の搬送を安定して行い難いと
いう問題点も生じた。これらの問題は、記録手段がイン
クジェット方式(バブルジェット方式を含む)のものに
限らず、その他の方式のものであっても、無端ベルトに
よる一方向の搬送を行う場合には、同様な問題が生じる
ものである。
【0017】本発明の一つの目的は、一方向回転移動す
る無端ベルトにより記録手段を搬送する場合でも、記録
手段への振動の伝達を極力小さくできる記録装置を提供
することにある。
【0018】本発明の他の目的は、一方向回転移動する
無端ベルトにより記録手段を搬送する場合における反転
部に生じる衝撃を極力少なくできる記録装置を提供する
ことにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の記録装置は、上
述の一つの目的を達成するために、紙等の記録媒体にイ
ンクジェット式(含、バブルジェット式)、その他の形
式により画像を形成する記録手段と、少なくとも記録媒
体の主走査方向における記録領域以上の長さを有し常に
一方向に回転移動する記録手段搬送用無端ベルトと、こ
の無端ベルトと記録手段とを連結するとともに無端ベル
トの作動を記録手段に伝達する連結手段と、無端ベルト
の回転移動に伴う連結手段の振動を減少あるいは防止す
る振動抑止手段とを具備したものである。
【0020】本発明において、連結手段は、一端を記録
手段に回動自在に連結されるとともに、他端を無端ベル
トに回動自在に連結され、かつ、その長さは無端ベルト
の両端の反転部を通過するに十分な長さを有するアーム
から構成され、このアームは無端ベルトの回転移動(回
行)に伴い移動され、無端ベルトの両端反転部では所定
角度揺動するように構成されていてもよい。また、本発
明において振動抑止手段は、アームの揺動幅の両方の外
側位置においてアーム外縁にほぼ接する状態に配置さ
れ、かつ、記録手段に設けられたストッパにより構成さ
れていてもよい。この際、ストッパはアームの無端ベル
トとの連結部近傍でアーム外縁にほぼ接する状態とされ
ることが振動の抑止を容易に行う上で好ましい。また、
ストッパの無端ベルト側にはフェルト等からなるクッシ
ョン材が設けられていることが好ましい。
【0021】本発明において、振動抑止手段は、アーム
の記録手段との連結部におけるアームの揺動抵抗を増加
させる揺動抵抗増加手段、具体的には、アームの揺動支
軸に設けられたスプリングワッシャ等のばね材により構
成されていてもよい。
【0022】本発明において連結手段及び振動抑止手段
は、無端ベルトの走行方向と直交する方向に配置された
ガイド面を有し記録手段に設けられたガイド部材と、こ
のガイド部材のガイド面に係合して案内されるとともに
無端ベルトに設けられたスライダとを含んで構成されて
いてもよい。
【0023】本発明に係る記録装置は、前述の他の目的
を達成するために、前述の一つの目的を達成するための
構成に加えて、無端ベルトの反転端部近傍において記録
手段と記録装置の固定部との間に弾性手段が介装され、
この弾性手段は記録手段の反転位置に向かう移動時に、
記録手段により弾性変形可能に構成されてもよい。この
際、弾性手段は、一端を記録装置の固定部もしくは記録
手段に取付けられ、他端を記録手段もしくは記録装置の
固定部に当接可能にされた板ばねにより構成されてもよ
く、また、記録手段の移動時に当該記録手段を案内する
ガイド軸の周囲に設けられた圧縮コイルばねにより構成
されてもよい。
【0024】
【作用】本発明の構成において、無端ベルトを所定の一
方向に回動移動させると、アーム等の連結手段を介して
記録手段が無端ベルトに連れて移動される。この移動時
に、連結部材が振動しようとすると、この振動は、振動
抑止手段により抑止されて記録手段にはほとんど伝達さ
れず、記録手段の安定した走行が確保され、記録手段に
よる記録も精度よく行われる。
【0025】例えば、連結手段としてアームを用い、振
動抑止手段としてストッパを用いた場合、このアームが
振動しようとすると、その揺動中の外縁近傍に配置され
たフェルト等のクッション材を有する(あるいは有さな
い)ストッパにアームが接触することになる。これによ
り、その振動が抑止され、連結手段であるアームの防振
が図られる。また、連結手段としてアームを、振動抑止
手段としてアーム揺動支軸の位置にスプリングワッシャ
等の揺動抵抗増加手段を用いた場合、アームはこの場合
にもその揺動が制御され、無用の振動が抑止される。
【0026】更に、連結手段及び振動抑止手段が、記録
部材に設けられ無端ベルトの直線走行方向と直交する方
向のガイド面を有するガイド部材と、無端ベルトに設け
られるガイド面に係合するスライダとにより構成される
と、無端ベルトの直線走行方向と直交する方向の振動
は、スライダが、ガイド面上を移動することで吸収さ
れ、記録手段には伝達されない。一方、無端ベルトの直
線走行方向の動きはスライダとガイド面とで伝達される
から、記録手段の円滑な移動が行われ、記録精度が確保
される。
【0027】本発明の構成において、無端ベルトの反転
端部近傍において記録手段と記録装置の固定部との間に
板ばね、圧縮コイルばね、ゴムその他の弾性手段が介装
され、記録手段の反転位置に向う移動時に弾性手段が弾
性変形されると、この弾性変形により記録手段の反転時
の衝撃が吸収され、かつ、反転完了後は弾性手段の反発
力により反転方向への移動の加速が滑らかになる。
【0028】この際、弾性手段として板ばねを用いる
と、記録手段と記録装置の固定部との間の設置スペース
が小さなものになる。また、弾性手段として圧縮コイル
ばねを用い、この圧縮コイルばねを記録手段を案内する
ガイド軸の周囲に配置すれば、圧縮コイルばねの弾発力
を記録手段の移動軸線上で作用させることができ、より
記録手段の反転動作が円滑になる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。ここにおいて、各実施例の同一もしくは相当構成
部分には同一符号を用い、説明を省略もしくは簡略にす
る。
【0030】本発明をインクジェット式記録装置に適用
した第1実施例を図1ないし図5に基づいて説明する。
図1には本実施例に係る記録装置10の全体の概略構成
が示され、この図1において、記録装置10は、記録媒
体としての記録紙(カット紙)11を収納した保持手段
としてのカセット12を備えている。このカセット12
は、図2に示されるように、カセット中央部側の一端を
回動自在に支持されるとともに他端を起伏可能にされた
底板13と、この底板13を押し上げる押上手段として
の圧縮コイルばね14と、記録紙11がカセット12の
上端を越えて押し上げられないようにすると同時に、引
き出される記録紙11が1枚づつ分離されるようにする
分離手段としての分離爪15を備えて構成されており、
記録紙11の量に依らず常にカセット12の最上部の分
離爪15に記録紙11が押し付けられる構造になってい
る。この際、押上手段はカセット12内に設けられた圧
縮コイルばねに限らず、記録装置10側に設けられた弾
性力を有する舌片状等のものでもよい。
【0031】カセット12の一端、分離爪15側の上部
左右両側には突辺16が設けられ、これらの突辺16に
は、図1に示されるように、カセット12の一端側を上
下に起伏させる偏心カム17(一方のみ図示)が当接さ
れている。
【0032】カセット12の上方には、所定間隔を離し
て複数本、本実施例では3本の記録媒体搬送用無端ベル
ト18が配置されている。この無端ベルト18はゴムあ
るいはプラスチック引き布、合成ゴム板等から構成さ
れ、適度な摩擦係数を有している。これらの無端ベルト
18は、無端ベルト駆動用のローラ19と、一端部をロ
ーラ19より小半径に彎曲された板状の端部ガイド21
との間に掛け回されている。この端部ガイド21は記録
紙11のガイドもしている。ローラ19は、ギヤボック
ス22を介して送りモータ23により回転駆動され、ギ
ヤボックス22の切換えにより送りモータ23のローラ
19への回転伝達が切換えられるようになっている。
【0033】各無端ベルト18のローラ19に巻き掛け
られた部分に対向して記録紙11を各無端ベルト18側
に押しつける第1ピンチローラ24がそれぞれ設けられ
ている。この第1ピンチローラ24よりも記録紙11の
搬送方向下流側において設けられ、記録位置にある記録
紙11が浮き上がらないようにする第2ピンチローラ2
5が同じく各無端ベルト18に対向されている。これら
の第1、第2ピンチローラ24,25の中間位置におい
て、記録紙11の先端位置を光等により検出する位置セ
ンサ26が設けられている。
【0034】ローラ19の外周には記録紙11をガイド
する第1記録紙ガイド27が略半円筒状に設けられてい
る。この第1記録紙ガイド27には、第1、第2ピンチ
ローラ24,25及び位置センサ26との干渉を防止す
る切欠穴が適宜に設けられている。第1記録紙ガイド2
7と端部ガイド21との間には第2記録紙ガイド28が
設けられている。この第2記録紙ガイド28の記録紙搬
送方向下流側には、記録紙11を各無端ベルト18側に
押圧する第1、第2押えローラ29,31が設けられて
いる。これらの第1、第2押えローラ29,31はそれ
ぞれ軸により連結され、一体に転動するようになってい
る。
【0035】第2記録紙ガイド28の上方位置には、記
録手段としてのインクジェット記録ヘッド32が設けら
れ、このインクジェット記録ヘッド32は複数のインク
吐出ノズルを有している。インクジェット記録ヘッド3
2は、インクジェット記録ヘッド32を記録紙11を横
切るように移動させるために設けられたガイドシャフト
33に摺動自在に支持されている。このガイドシャフト
33と平行に、インクジェット記録ヘッド搬送用無端ベ
ルトとしてのキャリッジベルト34が設けられ、このキ
ャリッジベルト34によりインクジェット記録ヘッド3
2がガイドシャフト33に沿って往復移動される。キャ
リッジベルト34は、タイミングベルト(歯付ベルト)
により構成されるとともに、駆動側タイミングプーリ
(歯付車)35と従動側タイミングプーリ(歯付車)3
6との間に掛け回されている。駆動側タイミングプーリ
35は、無端ベルト駆動源としてのキャリッジモータ3
7の出力軸に取り付けられ、キャリッジベルト34を常
に一方向に回転移動(回行)させるようになっている。
また、キャリッジベルト34は、少なくとも記録媒体と
しての記録紙11の主走査方向(ガイドシャフト33の
軸方向)における記録領域以上の長さを有している。
【0036】キャリッジベルト34には、連結部材とし
てのアーム38の一端(先端)が回動自在に連結される
とともに、このアーム38の他端(基端)は揺動支軸3
9を介してインクジェット記録ヘッド32に回動自在に
支持されている。これにより、キャリッジベルト34が
所定方向に回転移動されると、インクジェット記録ヘッ
ド32はアーム38を介して連動されるようになってい
る。アーム38に連結されたキャリッジベルト34の先
端外方位置であってベルト34の上下位置には、後に詳
述するように、アーム38の振動を抑止するストッパ4
1の先端部がほぼ接触する状態に配置され、このストッ
パ41の本体部42はインクジェット記録ヘッド32に
ねじ等で固定されている。ストッパ41は、図3,4に
詳細に示されるように、本体部42が側面から略コ字形
に形成されるとともに、コ字形の開放端は、キャリッジ
ベルト34に連結されたアーム38の一端部の外縁にほ
ぼ接触するように配置されている。このストッパ41の
一端部のアーム38に対向される面には、フェルト、ス
ポンジ、軟質発泡合成樹脂(ウレタンフォーム等)、軟
質ゴム等から構成されるクッション材43が貼付等によ
り固定されている。この際、ストッパ41の上下の開端
部は、図4に示されるように、キャリッジベルト34の
アーム38との連結部が矢印方向に回転移動して従動側
タイミングプーリ36の位置を回って反転し、アーム3
8が実線位置から二点鎖線位置に変位しても、常にアー
ム38の先端にほぼ接触状態を保つようにされている。
【0037】インクジェット記録ヘッド32には、イン
クジェット記録ヘッド32の初期位置及び移動量を検出
する記録手段検出手段としての透過型キャリッジセンサ
45が固定されている。このキャリッジセンサ45は、
ガイドシャフト33に沿って配置された被検出手段とし
ての直線エンコーダ46を上下から挟むように設けられ
ている。この直線エンコーダ46は、例えば、幅及びピ
ッチが狭い連続する初期化マーク47と、それに続き0.
5 mm幅の位置マーク48が1mmの等ピッチで連続し
て印刷されたフィルムから構成されている。この際、直
線エンコーダ46の位置マーク48の幅及びピッチはこ
の値に限らない。また、直線エンコーダ46及びキャリ
ッジセンサ45は、透過型に限らず、反射型でもよく、
更には静電容量型、磁気型(マグネスケール:商品
名)、電磁気型(インダクトシン:商品名)等、他の型
式でもよい。
【0038】直線エンコーダ46の初期化マーク47が
形成された位置、すなわち初期位置に対応する位置にク
リーニング部49が設けられている。このクリーニング
部49は、インクジェット記録ヘッド32がその初期位
置に位置されたとき、インクジェット記録ヘッド32の
ノズルのクリーニング及びキャッピングを行う。
【0039】なお、図1中、符号51は制御回路部であ
り、この制御回路部51には位置センサ26及びキャリ
ッジセンサ45からの信号が入力されるとともに、これ
らの信号をも参照して送りモータ23及びキャリッジモ
ータ37の駆動を制御する信号を出力するようになって
いる。
【0040】以上のように構成された本実施例のインク
ジェット記録装置10の動作について説明する。電源が
投入されると制御回路部51によりキャリッジセンサ4
5の出力がチェックされ、インクジェット記録ヘッド3
2が初期位置にあるかどうかが調べられる。この調べる
方法は、インクジェット記録ヘッド32に固定されてい
るキャリッジセンサ45と直線エンコーダ46とが図3
に示す構造になっており、インクジェット記録ヘッド3
2が初期位置に戻ったことは、キャリッジセンサ45が
直線エンコーダ46の図1中、左端の初期化マーク47
を検出したことで判断される。もしインクジェト記録ヘ
ッド32が初期位置になければ、キャリッジモータ37
を動作させ、インクジェット記録ヘッド32を初期位置
に戻す。インクジェット記録ヘッド32を初期位置に戻
すには、キャリッジモータ37を僅かに動作させ、その
ときのキャリッジセンサ45の出力信号を調べる。出力
信号が短いパルスであるなら、直線エンコーダ46の左
端にある初期化マーク47を検出しており、初期位置に
ある。一方、そのパルス信号幅よりも長ければ、周期の
短いパルス信号を検出するまでキャリッジモータ37を
動作させ続ける。このとき、キャリッジベルト34とイ
ンクジェット記録ヘッド32は図3及び図4に示すよう
に揺動回転可能なアーム38で接続されているため、キ
ャリッジモータ37(キャリッジベルト34)を一方向
のみに回転させればよい。このようにしてインクジェッ
ト記録ヘッド11が初期位置にあることが確認される
と、記録装置10は記録可能な状態となり、制御回路部
51は記録開始を待ち続ける。
【0041】図1には図示されていないインターフェイ
ス等を通じて制御回路部51より記録開始信号が出され
ると、送りモータ23が作動され(図1には接続ケーブ
ルを図示していない)と共に、ギヤボックス22の動作
によりカム17が回転され、カセット12が上昇されて
一番上の記録紙11が搬送ベルト18に押し付けられ
る。カセット12は、図2に示されるように、記録紙1
1が底板13により押し上げられ、かつ、記録紙11の
最上部が分離爪15に係止されて一枚づつ分離搬出され
るようになっている。従って、ギヤボックス22の動作
によりローラ19が回転され、ローラ19の回転力によ
り搬送ベルト18が端部ガイド21とローラ19との間
で回転を始めると、最上段の記録紙11が搬送ベルト1
8の摩擦力で搬送される。搬送された記録紙11は第1
記録紙ガイド27に沿って進み、第1ピンチローラ24
と搬送ベルト18とに挟まれると、搬送ベルト18の搬
送力により搬送される。記録紙11が搬送ベルト18の
搬送力により搬送され始めると、ギヤボックス22の動
作によりカム17が回転し、カセット12が降下され、
最上段の記録紙11が搬送ベルト18から離れる。搬送
ベルト18の搬送により、記録紙11の先端が位置セン
サ26を通過すると、その情報は制御回路部51に送ら
れ(図1には接続ケーブルを図示していない)、制御回
路部51では記録紙11が記録開始位置に達する迄のカ
ウントが始まる。位置センサ26を通過した記録紙11
の先端は更に第2ピンチローラ25に達し、その後記録
開始位置へと進む。記録位置では図5に示すように搬送
ベルト18が第2記録紙ガイド28の下を通過する。こ
れは記録位置で第2記録紙ガイド28が無いと、搬送ベ
ルト18が無い部分の記録紙11の部分が不安定になる
のと、もし何らかのトラブルで記録紙11が無い状態で
インクジェット記録ヘッド32からインクが吐出した場
合、搬送ベルト18が汚れ、記録紙11の裏面を汚す。
これらを防止するために、第2記録紙ガイド28が設け
られている。
【0042】第2ピンチローラ25と搬送ベルト18に
挟まれた記録紙11は、記録位置で第2記録紙ガイド2
8に押し付けられ、浮き上がるのを防止される。記録紙
11の先端が記録位置を通過することが、制御回路部5
1のカウントにより検出されると、送りモータ23、ロ
ーラ19、搬送ベルト18が停止され、記録紙11も停
止される。記録紙11が停止されると、制御回路部51
からの信号により、一定速度でキャリッジモータ37が
回転され(図1には接続ケーブルを図示していない)、
図3,4に示されるようにキャリッジベルト34にアー
ム38で繋がれているインクジェット記録ヘッド32
は、キャリッジベルト34の図3に白矢印で示される方
向への回転に引っ張られ、ガイドレール33に沿って図
中黒矢印で示される方向に移動し始める。
【0043】インクジェット記録ヘッド32の移動時
に、インクジェット記録ヘッド32とガイドレール33
と隙間の影響や、キャリッジベルト34の可撓性の影響
により、アーム38とキャリッジベルト34との接続部
が振動しようとする。しかし、本実施例では、アーム3
8の外縁にほぼ接触した状態でストッパ41のクッショ
ン材43が位置されているため、アーム38の先端の外
方への移動がクッション43で抑止される。従って、ア
ーム38は振動することなく、インクジェット記録ヘッ
ド32をガイドレール33に沿って移動させ、この記録
ヘッド32も振動することがなく、ノズルからの記録の
精度が確保される。
【0044】また、インクジェット記録ヘッド32の移
動により、インクジェット記録ヘッド32と一体に構成
されているキャリッジセンサ34が直線エンコーダ46
の等間隔のマークを光の透過あるいは遮断により検出
し、パルス信号として制御回路部51に取り込ませる。
この取り込まれたパルス信号により、インクジェット記
録ヘッド32のノズルからのインクの吐出が制御され
る。図1において、インクジェット記録ヘッド32がキ
ャリッジベルト34により図中左端に位置されると、キ
ャリッジセンサ45により直線エンコーダ46の初期化
マーク47が検出され、この位置が初期位置であり、ま
だインク吐出は行われない。
【0045】次いで、キャリッジベルト34の図3中上
方の辺(上行辺)の右方への移動に伴い、アーム38を
検出してインクジェット記録ヘッド32も右方に移動
し、直線エンコーダ46により長い間隔の位置マーク4
8が検出される。この位置マーク48の検出により吐出
が開始され、この位置マーク48の通過数が制御回路5
1に取り込まれて所定の数が検出されると、吐出が停止
される(往路記録)。この吐出開始から停止までが記録
領域である。この後、インクジェット記録ヘッド32は
更に右方に移動するが、アーム38の先端が従動側タイ
ミングプーリ36の周囲を回り、下側に下ると、インク
ジェット記録ヘッド32は逆方向、すなわち左方向へと
移動を開始される。この左方向への移動開始後、所定の
タイミングで再びインクの吐出が開始され、左端の初期
化マーク47の手前の位置マーク(最初の位置マーク)
48の位置(記録開始位置)まで吐出が継続された後、
停止される。これが往路の記録である。なお、反転して
左方向への移動開始後のインクの吐出は、反転後に制御
回路部51に取り込まれる位置マーク48の数により決
定される。
【0046】以下、キャリッジベルト34の回転に伴い
アーム38の先端は駆動側タイミングプーリ35の周囲
を回り、再び上方に位置し、以下前述と同様な動作を繰
り返すので、必要だけインクジェット記録ヘッド32を
往復させて記録紙11の1枚分あるいは必要行数の記録
を行う。また、インクジェット記録ヘッド32の往復に
あたり、記録が停止しインクジェット記録ヘッド32の
移動方向が変えられている間に、制御回路部51は、い
ま記録した幅だけ搬送ベルト18及び記録紙11を送る
よう送りモータ23を一定量回転させる。これにより、
記録紙11は、第1押えローラ29、第2押えローラ3
1の順に搬送ベルト18により運ばれて停止する。
【0047】前述のような本実施例によれば、次のよう
な効果がある。すなわち、記録手段搬送用無端ベルトと
してのキャリッジベルト34を常に一方向に回転移動さ
せるようにし、このキャリッジベルト34と記録手段と
してのインクジェット記録ヘッド32とをアーム38に
より連結した構造としたから、従来のように往復駆動す
るベルトに記録手段を直接固定した機構に比べ、インク
ジェット記録ヘッド32の動きを円滑にできてインクジ
ェット記録ヘッド32の移動量を安定させることがで
き、延いては記録画像の品質の向上を図れる。
【0048】また、キャリッジベルト34による搬送時
にアーム38の先端部に生じ易い振動は、ストッパ41
により抑止され、その振動は減衰あるいは防止できるか
ら、この点でもインクジェット記録ヘッド32の安定走
行と、記録画像品質の向上を図れる。この際、ストッパ
41とアーム38の先端との間にはクッション材43が
介装されているので、振動の抑止をより良く達成でき
る。しかも、ストッパ41は簡単な構造で、鉄板等の金
属板からの板金加工あるいはプラスチックによる一体成
形等により容易に作成できるから、安価に提供できる。
【0049】更に、記録紙11の搬送を主として記録媒
体搬送用無端ベルト18により行うようにしたから、従
来の複数のローラとギヤボックスの切り換えによる複雑
な駆動と比べ、機構を簡易化でき、安価に提供できるば
かりでなく、記録紙11の搬送量を安定化できる。
【0050】図6,7には本実施例の第2実施例が示さ
れている。この第2実施例は、インクジェット記録ヘッ
ド32の反転時の衝撃を吸収し、加速時の立上がりを滑
らかにしたものである。反転時の衝撃は、記録ヘッド3
2の搬送速度を上げると顕著になる。図6,7におい
て、記録装置10の固定部としてのフレーム53には、
ガイドシャフト33が支持され、このガイドシャフト3
3に沿ってインクジェット記録ヘッド32が摺動自在に
支持されている。この記録ヘッド32のガイドシャフト
33への支持位置は偏心位置とされている。この偏心位
置での支持によりインクジェット記録ヘッド32は図7
中矢印で示す反時計方向に回動しようとするため、記録
ヘッド32に設けられたガイドローラ54がフレーム5
3に当接されて回動を阻止し、この当接状態でフレーム
53に沿って移動するようにされている。また、この記
録ヘッド32の偏心支持とガイドローラ54によるフレ
ーム53への当接とにより、インクジェット記録ヘッド
32のノズル部55が記録紙11の記録位置に正対する
ようにされている。
【0051】インクジェット記録ヘッド32は、前述の
第1実施例と同様に、連結手段としてのアーム38によ
りキャリッジベルト34に連結されているが、このアー
ム38の振動抑止手段は第1実施例とは相違する。すな
わち、アーム38の揺動支軸39への支持部近傍におい
て、アーム38の揺動幅の両方の外側位置に、それぞれ
L字状部材から構成された振動抑止手段としてのストッ
パ56が配置され、インクジェット記録ヘッド32にね
じ止め等で固定されている。このストッパ56のアーム
38に対向する面には、前述の第1実施例と同様なクッ
ション材57が固着されている。このクッション材57
は、アーム38の外縁にほぼ接触するように設けられ
る。
【0052】図6に明確に示されるように、固定部とし
てのフレーム55に弾性手段としての板ばね58が固定
されている。この板ばね58の他端は、キャリッジベル
ト34の反転端部近傍の位置にあるインクジェット記録
ヘッド32に当接され、記録ヘッド32の反転位置への
移動動作により、図6中実線位置から二点鎖線位置へと
弾性変形させられる。この弾性変形により、記録ヘッド
32の反転動作時の衝撃吸収(衝撃吸収手段として作
用)と、反転後の反転方向への移動時における加速の立
上がりの滑らかさ(加速手段として作用)とを行えるよ
うにされる。
【0053】前述のように構成された本実施例によれ
ば、インクジェット記録ヘッド32が反転動作をする
際、記録ヘッド32に加わる衝撃は、弾性部材としての
板ばね58により吸収されるから、衝撃に伴う記録ヘッ
ド32等への悪影響を減少できる。また、板ばね58の
弾性変形により蓄積されたエネルギーによって反転後の
加速時にその立上がりが滑らかになり、インクジェット
記録ヘッド32の移動を円滑にできる。しかも、板ばね
58は狭いスペースに配置できるから、フレーム53の
形状を反転終端位置にあるインクジェット記録ヘッド3
2に近接させることができ、フレーム形状、延いては記
録装置10の形状を小型にできる。
【0054】また、アーム38の揺動支軸39近傍の外
縁位置に設けたストッパ56によっても、アーム38の
振動抑止機能は十分達成できる。しかし、第1実施例の
ように、アーム38の先端部にストッパ48の先端を位
置させる方が、小さなエネルギで振動を減衰、防止でき
てクッション材43の長寿命化が図れる分、有利であ
る。反面、ストッパ56は、第1実施例のストッパ41
に比べ小型化できるという利点がある。
【0055】本実施例に係る弾性手段は、アーム式の連
結手段を用いる場合、キャリッジベルト34の左右の反
転部における衝撃の大きさに相違が生じ、弾性手段の衝
撃吸収効果も左右の反転部で異なることとなる。すなわ
ち、アーム38のインクジェット記録ヘッド32への連
結部、すなわち揺動支軸39の部分がキャリッジベルト
34の反転部において、その外側に位置する側(図1の
実施例では左端)に設ける方が、衝撃吸収効果が高い。
より具体的には、図8に示されるように、アーム38の
先端がキャリッジベルト34の反転端部において、半径
Rの円の半周分旋回する際、揺動支軸39の水平方向の
変位は、揺動支軸39がキャリッジベルト34の内側に
位置する右側位置では寸法L1 、一方、外側に位置する
左側では寸法L2 である。ここにおいて、寸法L1 は、
反転半径Rからアーム38の先端が上方から下方に変位
する間にその先端が水平方向に変位する寸法Sだけ引い
た値(L1 =R−S)となり、一方、寸法L2 は反転半
径Rに寸法Sを加えた値(L2 =R+S)となる。従っ
て、同一の上下方向の反転動作時に、左側の水平方向の
変位量(L2 )は右側の水平方向変位量(L1 )より大
きくなるため(L2 >L1 )、左側の方が衝撃力が大き
くなり、こちらに弾性手段を設ける方が、より効果が大
きいことが判る。
【0056】なお、本実施例において、板ばね58はイ
ンクジェット記録ヘッド32側に固定してもよく、要す
るに記録ヘッド32の反転時に、記録ヘッド32と固定
部としてのフレーム53との間で弾性変形として衝撃を
吸収できればよい。また、本実施例においては、アーム
38の揺動支軸39は記録ヘッド32の重心位置からは
ずれて設けられているが、第1実施例のように、ほぼ重
心位置に設ける方が、記録ヘッド32の移動を円滑にさ
せる上では有利と考えられる。
【0057】図9には本実施例の第3実施例が示され、
本実施例は第2実施例における弾性手段の変形例であ
る。図9において、本実施例の弾性手段は、圧縮コイル
ばね59として構成され、この圧縮コイルばね59はガ
イドシャフト33の外周に被嵌されている。
【0058】このような構成においても、インクジェッ
ト記録ヘッド32の反転時に、圧縮コイルばね59が記
録ヘッド32をフレーム53との間で弾性変形されて衝
撃の吸収と反転加速時の立上がりの滑らかさとを行え
る。また、本実施例においては、インクジェット記録ヘ
ッド32を案内するガイドシャフト33の位置で圧縮コ
イルばね59が変形するので、この変形に伴いガイドシ
ャフト33を中心として記録ヘッド32に不要なモーメ
ントを生じさせることがなく、衝撃吸収と反転加速とが
より円滑に行えるという利点がある。
【0059】図10ないし図12には、本発明の第4実
施例が示されている。本実施例は、第1実施例における
キャリッジベルト34とインクジェット記録ヘッド34
との連結手段及び振動抑止手段の変形例を示すもので、
本実施例では両手段を1つの構造で兼用した例である。
【0060】図10において、ガイドシャフト33に案
内されたインクジェット記録ヘッド32のキャリッジベ
ルト34側の側面には、ガイド部材61が固着されてい
る。このガイド部材61は、キャリッジベルト34の水
平な走行方向と直交する方向、すなわち鉛直方向のガイ
ド面62を有し、このガイド面62にはキャリッジベル
ト34に取付けられたスライダ63が係合されている。
【0061】図11には、ガイド部材61とスライダ6
3との詳細構造が示されている。ガイド部材61は、一
対のコ字形の部材を向い合せにして構成され、このガイ
ド部材61のコ字形の凹部内がガイド面62とされてい
る。このガイド部材61は、アルミニウム等の金属材を
引抜きあるいは押出し加工して作製してもよいし、プラ
スチックを押出成形して作製してもよい。
【0062】スライダ63は、ガイド部材61の凹部内
に丁度嵌合して周面がガイド面62に摺接されるローラ
状の頭部64と、キャリッジベルト34の突部に係合す
る軸部65とから構成されている。このスライダ63は
全体をプラスチックで一体成形してもよいが、軸部65
に加わる力を考慮して頭部64をポリアセタール等の樹
脂とし、軸部65をステンレス(SUS)軸とするのが
よい。
【0063】このように構成された本実施例において、
図10に示されるように、スライダ63がキャリッジベ
ルト34の上行辺(上側を走行している辺)に連結され
ている状態では、上行辺が右方向の矢印の方向へ回転移
動するのに伴いインクジェット記録ヘッド32も同方向
に送られる。キャリッジベルト34のスライダ63との
連結部が反転し、図12に示されるように、スライダ6
3がキャリッジベルト34の下行辺に連結されている状
態では、下行辺が左方向の矢印の方向に回転移動するの
に伴いインクジェット記録ヘッド32も同方向へ送られ
る。
【0064】このような走行状態において、キャリッジ
ベルト34に上下方向の振動が起生されたとしても、こ
の振動はスライダ63がガイド部材61のガイド面62
に沿って変位(スライド)することで吸収され、インク
ジェット記録ヘッド32に伝達されることはない。一
方、キャリッジベルト34の送り方向の動きは、スライ
ダ63の周面とガイド部材61のガイド面の接触によ
り、1対1に対応して搬送される。
【0065】このように構成された本実施例によれば、
ガイド面62を有するガイド部材61と、スライダ63
という簡単な構成で、キャリッジベルト34の回転移動
力を振動等を生じさせることなくインクジェット記録ヘ
ッド32に伝達できるという効果がある。また、仮にキ
ャリッジベルト34に振動が生じても、この振動はガイ
ド面62とスライダ63の摺動で吸収され、インクジェ
ット記録ヘッド32に悪影響を与えることがない。従っ
て、記録ヘッド32の安定走行が行え、高精度な記録が
可能となる。
【0066】図13(A)ないし(D)には、第4実施
例のガイド部材61とスライダ63とのそれぞれ異なる
変形例が示されている。図13(A)におけるガイド部
材61は、前述の第4実施例におけるコ字形のガイド部
材61の一辺を一体に形成し、平面C字状としたもので
ある。
【0067】このような構成によれば、ガイド部材61
のインクジェット記録ヘッド(図示せず)への取付け
が、コ字形に2分割した第4実施例より容易となるとい
う利点がある。また、このガイド部材61もアルミニウ
ム等の金属材による引抜加工、押出加工あるいはプラス
チック押出加工等により容易に加工できる利点もある。
更に、部品点数を減少できるという利点もある。
【0068】図13(B)に示されるものは、2条の突
条からなるガイド部材61をインクジェット記録ヘッド
32と合成樹脂、金属等により一体に形成するととも
に、ガイド部材61のカギ型部を削除し、かつ、スライ
ダ63の頭部64を角形にしたものである。このように
構成しても、第4実施例と同様な作用効果を達成でき、
かつ、両部材の係合が容易であるという効果がある。ま
た、部品点数を削減できる。
【0069】図13(C)に示されるものは、インクジ
ェット記録ヘッド32と一体に形成された1条の突条か
らなるガイド部材61に、このガイド部材61の前後の
ガイド面62に係合する凹溝66を有する頭部64を具
備したスライダ63を係合するようにしたものである。
このような構成にしても、第4実施例及びその変形例と
同様な作用効果がある。
【0070】図13(D)に示されるものは、インクジ
ェット記録ヘッド32と一体に形成された1条のガイド
部材61の一対のガイド面62に、スライダ63の板状
の頭部64に回転自在に取り付けられた一対のローラ6
7を係合するようにした例である。この例において、ロ
ーラ67の中心軸の少なくとも一方を回動可能な偏心軸
で構成すれば、この偏心軸を回転させることにより、両
ローラ67の表面間の間隔を調整できて、両ローラ67
をガイド面62にしっくり嵌合させることができる。こ
のように構成しても、第4実施例と同様な作用、効果を
達成できる他、ガイド部材61とスライダ63との両部
材の接触がより円滑となる効果を付加できる。
【0071】更に、ガイド部材61とスライダ63との
形状等は、これら以外の形状、構造でもよく、要するに
キャリッジベルト34の回転移動をインクジェット記録
ヘッド32に伝達するにあたり、振動等の不要な動きを
伝達することなく、走行方向の動きは伝達できる構造で
あればよい。
【0072】図14には、本発明の第5実施例が示され
ている。本実施例は、連結部材としてのアーム38の振
動抑止手段を、アーム38と記録手段であるインクジェ
ット記録ヘッド32との連結部におけるアーム38の揺
動抵抗を増加させる揺動増加手段により構成したもので
ある。すなわち、アーム38と記録ヘッド32とは、揺
動支軸39により揺動自在に連結されている。この揺動
支軸39には、揺動抵抗増加手段としての板ばね69が
嵌合され、この板ばね69によりアーム68が揺動支軸
39の大径頭部側に押圧される。これにより、アーム3
8の揺動抵抗が増加している。
【0073】このため、アーム38の揺動動作にブレー
キ作用が生じ、アーム38の回転が重くなる。これによ
り、キャリッジベルト34からの回転移動力の伝達によ
ってもアーム38に振動が生ずることがなく、振動の防
止が図れる。また、第5実施例においては、インクジェ
ット記録ヘッド32をガイドするガイドシャフト33が
記録ヘッド32の本体部を貫通する構造をとらず、記録
ヘッド32から右斜め下方に腕部71を突出させ、この
腕部71を貫通して軸受ブッシュ等を介して支持させて
いる。このように構成すれば、ガイドシャフト33がイ
ンクジェット記録ヘッド32の本体部を貫通していない
ため、インクジェット記録ヘッド32の内部構造の設計
の自由度が上がるとともに、ヘッドそのものを小型化で
きる利点がある。また、ガイドシャフト33の中心から
記録ヘッド32の重心までの距離が大きくできるから、
記録ヘッド32の自重による図中反時計方向の回転モー
メントを大きくでき、ガイドローラ54のフレーム53
への押圧力も大きくできる。従って、万一記録装置10
に外部から振動等が加わったとしても、インクジェット
記録ヘッド32がこの振動等によって揺れる可能性が減
少し、より安定した記録を行える。なお、第5実施例に
おける振動抵抗増加手段としての板ばね69は、他の構
造、例えば、圧縮コイルばね、皿ばね、スプリングワッ
シャ、高摩擦係数の素材から形成されたワッシャ、揺動
支軸39に巻回されて一端をインクジェット記録ヘッド
32に、他端をアーム38に係止されたねじりコイルば
ね等でもよく、要するに、アーム38の揺動(回動)を
重くする揺動抵抗増加作用を有するものであればよい。
【0074】図15,16には、本発明の第6実施例が
示されている。本実施例は、第5実施例と同様に、揺動
支軸39の部分にアーム38の揺動抵抗増加手段として
の板ばね69を有する他に、インクジェット記録ヘッド
32と、この記録ヘッド32をガイドするガイドシャフ
ト33との支持(係合)構造に特徴を有している。すな
わち、前述の各実施例のみならず、従来の記録手段とし
てのインクジェット記録ヘッド32と、この記録ヘッド
32をガイドするガイドシャフト33との支持構造は、
ガイドシャフト33として丸軸を用い、記録ヘッド32
側は、所謂メタル軸受(丸軸受)を介してこの丸軸に係
合されている。
【0075】しかしながら、丸軸とメタル軸受との間に
は、両者を揺動させる必要性から必ず全周にいくらかの
隙間(ガタ)があり、上下、左右あらゆる方向への振動
むらがインクジェット記録ヘッド32に生じるという問
題がある。これに伴い、インクジェット記録ヘッド32
による記録(印字)精度も低下するという問題点も派生
している。
【0076】そこで本実施例の目的は、ガイドシャフト
33へのインクジェット記録ヘッド32の係合部のガタ
(隙間)による振動発生をなくし、円滑な案内を行える
支持構造を提供することにある。
【0077】以下、本実施例を図15,16に基づいて
具体的に説明する。本実施例におけるガイドシャフト3
3の部分を除く全体構成は、第1実施例における図1と
同一であり、アーム38の揺動支軸39の部分の構造
は、前述のように第5実施例と同一の板ばね69である
ので、それらの構造の説明は省略し、ガイドシャフト3
3の部分の説明を詳細に行う。なお、第6実施例におい
て、振動抑止手段は、板ばね69に代えて第1実施例、
あるいは、第2、第3実施例と同様にストッパ41ある
いいは56を適用してもよく、また、連結手段と振動抑
止手段とを兼用した第4実施例を適用してもよいことは
勿論である。更に、第6実施例に第3、第4実施例の弾
性手段を適用してもよく、これら以外の各実施例の構造
も、第6実施例に適用でき、その適用により、各々の効
果も達成できる。ガイドシャフト33は、引抜き鋼材な
どから形成され、その外径寸法は全長にわたり精度よく
均一にされている。このガイドシャフト33には、その
上面側から一対の鼓形、すなわち、中央部が凹んだ円柱
状の第1の支持ローラ81が係止され、かつ、その下面
側からは一対のテーパ状、すなわち、截頭円錐状(円錐
台状)の第2の支持ローラ82が係止されている。これ
らの第1、第2の支持ローラ81,82は、例えばポリ
アセタール樹脂(ジュラコン)等から成形されている。
【0078】各一対の第1、第2の支持ローラ81,8
2は、共にインクジェット記録ヘッド32の下部一隅か
ら斜め下方に延長された偏平板状の腕部71と、この腕
部71に所定間隔を離して配置された支持板83との間
にそれぞれ支持ピン84を介して回転自在に支持されて
いる。この際、第1の支持ローラ81と腕部71及び支
持板83との間にはそれぞれスペーサ85が介装され、
第1の支持ローラ81の鼓状の外周がガイドシャフト3
3の外周に適切な状態、すなわち、鼓面を形成する左右
の斜面のガイドシャフト33への当りが均等となる状態
で当接されている。
【0079】一方、テーパ状の第2の支持ローラ82の
大径側端面と支持板83との間には付勢手段としての圧
縮コイルばね86が介装されている。この圧縮コイルば
ね86の付勢力により、第2の支持ローラ82は常時適
切な当接力でガイドシャフト33の周面に当接され、各
第1、第2の支持ローラ81,82とガイドシャフト3
3との間の隙間(ガタ)の発生が極小とされている。
【0080】各一対の第1、第2の支持ローラ81,8
2は、図16に示されるように、その回転中心間距離が
それぞれD1 ,D2 とされ、第1の支持ローラ81間の
距離D1 が第2の支持ローラ82間の距離D2 より大き
くされ(D1 >D2 )、かつ、左右への振り分けは等し
くされている。これにより、インクジェット記録ヘッド
32に図16中、時計方向あるいは反時計方向の回転モ
ーメントが加わっても(左右に押圧の差があっても)、
左右の各組となった第1、第2の支持ローラ81,82
が互いに反発する方向に作用して常に安定した支持がで
きる。
【0081】この際、仮に第1、第2の支持ローラ8
1,82が同一垂直面上に、その回転中心が位置するよ
うに設定されていると、その同一垂直面上に加わる力に
対しては安定支持可能だが、左右の各組の第1、第2の
支持ローラ81,82への押圧力に差異が生じた場合は
安定した支持が期待できない。換言すると、この構造で
左右方向に衝撃を受けたときは、左右どちらにでも動
き、モーメントを打ち消す作用は生じない。
【0082】以上のように構成された本実施例によれ
ば、ガイドシャフト33に上方から当接される第1の支
持ローラ81は鼓形にされ、下方から当接される第2の
支持ローラ82は圧縮コイルばね86で付勢されるテー
パ形状とされたから、第1の支持ローラ81による2点
支持と、第2の支持ローラ82による1点支持との計3
点支持とでき、しかも、テーパ形状の第2の支持ローラ
82により極小の隙間でガイドシャフト33と当接され
るから、常に安定した支持が可能となるという効果があ
る。
【0083】また、鼓形の第1の支持ローラ81は上方
からの支持(2点支持)であるから、インクジェット記
録ヘッド32の重量支持を円滑に行え、しかも、テーパ
ローラと異なり鼓形のローラであるから、記録ヘッド3
2の支持位置が一定となって高さ基準を一定にできる。
一方、第2の支持ローラ82にテーパローラを用いてい
るから、各部品の加工誤差に基づくガイドシャフト33
と、第1、第2の支持ローラ81,82間のガタは、全
てこの第2の支持ローラ82で吸収できるから、各部品
の加工精度を気にしなくてもよく、部品の製作を安価に
できる。
【0084】更に、ガイドシャフト33と第1、第2の
支持ローラ81,82とは回転支持のため、摺動支持に
比べて走行抵抗を小さくでき、キャリッジベルト34の
駆動用キャリッジモータ37の出力、形状を小さくでき
る。
【0085】なお、本実施例において、第1の支持ロー
ラ81は、鼓形ローラに代えて、2個の平ローラを所定
角度を持ってガイドシャフト33に当接させることで代
替してもよいが、2つの平ローラの支持構造が複雑にな
る他、部品点数も増加するので、本実施例のように鼓形
ローラとした方が有利である。また、ガイドシャフト3
3も円柱形とせず、三角柱あるいは多角柱状とし、この
各面に平ローラを押圧するようにしてガタを防止するこ
とも考えられるが、多角柱のシャフトの製造コストが高
くなるばかりでなく、シャフト支持構造も複雑となって
コスト高を招くので、円柱形が有利である。
【0086】更に、本実施例における第1、第2の支持
ローラ81,82の配置は、図16の配置に限らず、図
17の(A)に示されるように、第1の支持ローラ81
間の距離を第2の支持ローラ82間の距離より短くした
もの(図16とは逆)でもよい。また、第1、第2の支
持ローラ81,82の数もそれぞれ2個づつである必要
はなく、図17の(B),(C)に示されるように、第
1の支持ローラ81あるいは第2の支持ローラ82が1
個となるようにしてもよく、この場合の配置は図示のよ
うに左右対称にするのがよい。いずれにしても、第1、
第2の支持ローラ81,82は、同一垂直面内に並べて
配置しない方が前述の理由により、好ましい。
【0087】また、本実施例におけるガイドシャフト3
3と、第1、第2の支持ローラ81,82によるインク
ジェット記録ヘッド32の支持構造は、記録手段として
のインクジェット記録ヘッド32と無端ベルトとしての
キャリッジベルト34とをアーム38のような連結部材
で連結する構造に限らず、従来一般に行われている記録
ヘッド32とキャリッジベルト34とを直接連結した記
録装置にも適用できる。同様に、アーム38等の連結手
段の振動抑止手段を有しない従来一般の記録装置にも、
本実施例の支持構造は適用できる。
【0088】従って、本実施例の要旨は、インクジェッ
ト記録ヘッド32のような記録手段をガイドシャフト3
3に支持する記録装置における支持構造であって、この
支持構造は、ガイドシャフト33の上方から所定角度を
有した2点から当接させる第1の支持ローラ(個数、形
状を問わない)と、ガイドシャフト33の下方から当接
される第2の支持ローラ(個数、形状を問わない)と、
この第2の支持ローラをガイドシャフト33に付勢する
圧縮コイルばね86等の付勢手段から構成されるもので
ある。
【0089】上述の構成において、第1の支持ローラは
鼓状の支持ローラ81が好ましく、第2の支持ローラは
テーパ状の支持ローラ82が好ましい。また、付勢手段
は、圧縮コイルばね86に限らず、板ばね、スプリング
ワッシャ、ゴム板等の他の手段でもよい。更に、第1、
第2の支持ローラ81,82の配置位置は、同一垂直面
上からずらして配置するのが好ましく、かつ、左右方向
に対称に配置するのが好ましい。この際、第1、第2の
支持ローラ81,82はそれぞれ2個づつ設け、第1、
第2の支持ローラ81,82間の距離を異ならせるとと
もに、等間隔に振り分けるのが好ましい。
【0090】なお、本発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での改
良、変形等は、本発明に含まれるものである。例えば、
記録紙の搬送は無端ベルトによるものに限らず、ローラ
で行うものでもよいが、無端ベルトとすれば前述の利点
がある。また、各実施例の各部構造は、他の実施例に適
用してもよく、それぞれの効果を達成できる。要するに
本発明においては、インクジェット記録ヘッド等の記録
手段を連結手段で記録手段搬送用無端ベルトに連結した
場合、連結手段の振動を抑止できる手段を有していれば
足りる。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、インクジェットプリン
タ等の記録装置において、無端ベルトに一端を連結され
た連結部材の振動を減少あるいは防止する振動抑止手段
を設けたから、一方向回転移動する無端ベルトにより記
録手段を搬送する場合でも、記録手段への振動の伝達を
極力小さくできるという効果がある。また、記録手段の
反転時に、記録手段の反転位置への移動によって弾性変
形される弾性手段を、記録手段と記録装置の固定部との
間に設ければ、反転時における記録手段の衝撃をも極力
少なくできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における全体概略構成を示
す斜視図
【図2】第1実施例に用いられるトレイの一部を切り欠
いた斜視図
【図3】第1実施例の要部である振動抑止手段を含む部
分の斜視図
【図4】図3の正面図
【図5】第1実施例に用いられる第2記録紙ガイド部分
の斜視図
【図6】本発明の第2実施例の要部を示す斜視図
【図7】図6の略VII-VII 線に沿う断面図
【図8】第2実施例における反転時の衝撃発生の原理の
説明図
【図9】本発明の第3実施例の要部を示す背面図
【図10】本発明の第4実施例の要部を示す斜視図
【図11】第4実施例の要部の分解斜視図
【図12】第4実施例の要部の動作説明図
【図13】(A)〜(D)は第4実施例における連結構
造のそれぞれ異なる変形例を示す要部の斜視図
【図14】本発明の第5実施例の要部を示す断面図
【図15】本発明の第6実施例の要部を示す断面図
【図16】図15の一部を切り欠いた右側面図
【図17】(A)〜(C)は第6実施例に用いられる支
持構造のそれぞれ異なる変形例を示す説明図
【図18】従来例の概略の全体構成を示す斜視図
【符号の説明】
10 記録装置 11 記録媒体としての記録紙 32 記録手段としてのインクジェット記録ヘッド 34 記録ヘッド駆動用無端ベルトとしてのキャリッジ
ベルト 38 連結手段としてのアーム 39 揺動支軸 43 クッション材 45 記録手段検出手段としての透過型キャリッジセン
サ 46 被検出手段としての直線エンコーダ 56 振動抑止手段としてのストッパ 57 クッション材 58 弾性手段としての板ばね 59 弾性手段としての圧縮コイルばね 61 ガイド部材 62 ガイド面 63 スライダ 69 揺動抵抗増加手段としての板ばね

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙等の記録媒体に画像を形成する記録手
    段と、少なくとも前記記録媒体の主走査方向における記
    録領域以上の長さを有し常に一方向に回転移動する記録
    手段搬送用無端ベルトと、この無端ベルトと前記記録手
    段とを連結するとともに前記無端ベルトの作動を前記記
    録手段に伝達する連結手段と、前記無端ベルトの回転移
    動に伴う前記連結手段の振動を減少あるいは防止する振
    動抑止手段とを具備したことを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の記録装置において、前
    記記録手段はインクジェット記録ヘッドにより構成され
    たことを特徴とする記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の記録装置にお
    いて、前記連結手段は、一端を前記記録手段に回動自在
    に連結されるとともに、他端を前記無端ベルトに回動自
    在に連結され、かつ、その長さは前記無端ベルトの両端
    の反転部を通過するに十分な長さを有するアームから構
    成され、このアームは無端ベルトの回転移動に伴い移動
    され、無端ベルトの両端反転部では所定角度揺動するよ
    うに構成されていることを特徴とする記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の記録装置において、前
    記振動抑止手段は、前記アームの揺動幅の両方の外側位
    置においてアーム外縁にほぼ接する状態に配置され、か
    つ、前記記録手段に設けられたストッパにより構成され
    ていることを特徴とする記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の記録装置において、前
    記ストッパは前記アームの前記無端ベルトとの連結部近
    傍でアーム外縁にほぼ接する状態とされたことを特徴と
    する記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の記録装置にお
    いて、前記ストッパの無端ベルト側にはクッション材が
    設けられていることを特徴とする記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の記録装置において、前
    記振動抑止手段は、前記アームの前記記録手段との連結
    部における前記アームの揺動抵抗を増加させる揺動抵抗
    増加手段により構成されていることを特徴とする記録装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1または2に記載の記録装置にお
    いて、前記連結手段及び振動抑止手段は、前記無端ベル
    トの走行方向と直交する方向に配置されたガイド面を有
    し前記記録手段に設けられたガイド部材と、このガイド
    部材のガイド面に係合して案内されるとともに前記無端
    ベルトに設けられたスライダとを含んで構成されたこと
    を特徴とする記録装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の記
    録装置において、前記無端ベルトの反転端部近傍におい
    て前記記録手段と記録装置の固定部との間に弾性手段が
    介装され、この弾性手段は前記記録手段の反転位置に向
    かう移動時に、前記記録手段により弾性変形可能にされ
    たことを特徴とする記録装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載に記録装置において、
    前記弾性手段は、一端を前記記録装置の固定部もしくは
    前記記録手段に取付けられ、他端を前記記録手段もしく
    は前記記録装置の固定部に当接可能にされた板ばねによ
    り構成されたことを特徴とする記録装置。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の記録装置において、
    前記弾性手段は、前記記録手段の移動時に当該記録手段
    を案内するガイド軸の周囲に設けられた圧縮コイルばね
    により構成されたことを特徴とする記録装置。
JP33574693A 1993-12-28 1993-12-28 記録装置 Pending JPH07195783A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7735950B2 (en) 2006-08-28 2010-06-15 Seiko Epson Corporation Printing apparatus and printing medium conveying apparatus
JP2013208871A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Brother Industries Ltd 画像記録装置
JP2014030965A (ja) * 2012-08-03 2014-02-20 Seiko Epson Corp 記録装置
JP5952471B1 (ja) * 2015-07-24 2016-07-13 藤田 保宏 往復移動機構及びそれを利用したワイパー装置
JP5952472B1 (ja) * 2015-07-24 2016-07-13 藤田 保宏 ワイパー装置

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