JPH07195455A - 成形品の成形方法および装置 - Google Patents

成形品の成形方法および装置

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JPH07195455A
JPH07195455A JP34916193A JP34916193A JPH07195455A JP H07195455 A JPH07195455 A JP H07195455A JP 34916193 A JP34916193 A JP 34916193A JP 34916193 A JP34916193 A JP 34916193A JP H07195455 A JPH07195455 A JP H07195455A
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JP
Japan
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product
handle
cooling
runner
air
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Pending
Application number
JP34916193A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Nonomura
著 野々村
Kenichi Okabe
健一 岡部
Hirobumi Moriwaka
博文 森若
Toshimitsu Murofushi
敏光 室伏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温のまま成形品を金型から取出し,適切に
ゲート・カットを行い,かつ製品を傷つけることなく後
冷却する。 【構成】 製品(1)とランナ対応部等(6,7,8)
とが相互につながってなる成形品(9)を,製品の少な
くとも一部(2)およびランナ対応部等が後処理におい
て変形を生じない程度に金型(13)内で冷却する。その
後,製品とランナ対応部等とを保持しながら成形品を金
型から取出す。製品とランナ対応部とを保持した状態で
ランナ対応部等を製品から除去する。ランナ対応部等を
除去したのちに,製品の上記一部を把持して後冷却す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は成形品の成形方法および装置に
関し,特に多数個取り金型を用いて複数の製品を一挙に
成形する方法および装置に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】射出成形機において成形能率
を高めるためには成形サイクルを短くする必要がある。
成形サイクルを短縮する有効な方策の一つに成形品の金
型内冷却時間を短くする方法がある。必然的に成形品は
高温の状態で金型から取出され,金型の外部において空
冷または水冷される。これは後冷却または外部冷却とし
て知られている。
【0003】たとえば,特公平3−58287 号公報に記載
の成形装置および方法では,射出成形機の金型内で成形
品をわずかに冷却したのちに金型から取出し,振動式空
圧冷却装置の振動グリッド上に成形品を移し,グリッド
の振動と空気流とにより成形品を搬送しながら空冷す
る。
【0004】この方法によると,搬送される過程で成形
品が相互に干渉(衝突)したり,空気流搬送装置と干渉
したりすることにより,成形品に傷がつきやすい。とく
に空気流搬送に適さない形状,たとえば棒状,球状の成
形品については,このおそれが強い。
【0005】多数個取り金型により複数の製品を一挙に
成形するものにおいては,複数の製品が金型のランナ部
等に充填された樹脂(ランナ対応部等という)とつなが
った状態で金型から取出される。このような成形品は空
気流搬送には適さない。
【0006】一方,特開平4−208426号公報に記載の後
冷却方法は,射出成形品のスプール対応部を把持して成
形品を金型から取出し,スプール部を把持したまま冷却
装置に移しかつその状態でゆっくりと冷却するというも
のである。
【0007】スプール対応部のみを掴んで冷却装置内で
保持するものにおいては,もしスプール対応部が充分に
固化していなければ,内部熱によりスプール対応部,ラ
ンナ対応部に変形が生じる。とくに多数個取り成形の場
合にはランナ対応部に変形が生じると,製品が相互に干
渉して傷が生じる可能性がある。
【0008】上述したいずれの方法においても,多数個
取り成形に限らず,成形品に付いているランナ対応部等
の切除工程(ゲートカット)が必要であるが,ランナ対
応部等に変形が生じると,ゲートカットのための位置決
めが困難になる。
【0009】
【発明の開示】この発明は,成形された製品を傷つける
ことなく後冷却が可能な方法および装置を提供するもの
である。
【0010】この発明はまた,適切なゲートカットを容
易に行なうことができる方法および装置を提供するもの
である。
【0011】この発明による成形品の成形方法は,製品
とランナ対応部等とが相互につながってなる成形品を,
製品の少なくとも一部およびランナ対応部等が後処理に
おいて変形を生じない程度に金型内で冷却し,その後,
製品とランナ対応部等とを保持しながら成形品を金型か
ら取出し,製品とランナ対応部等とを保持した状態でラ
ンナ対応部等を製品から除去し,製品の上記一部を把持
して後冷却するものである。
【0012】この発明による成形品の成形装置は,製品
とランナ対応部等が相互につながってなる成形品を成形
し,製品の少なくとも一部およびランナ対応部等が後処
理において変形を生じない程度に金型内で冷却する成形
機,製品の少なくとも一部およびランナ対応部等が後処
理において変形を生じない程度に固化した成形品を,製
品とランナ対応部等とを保持しながら金型から取出す取
出装置,上記取出装置により取出された成形品の製品と
ランナ対応部等とを保持した状態で,ランナ対応部等を
除去する除去装置,ランナ対応部等が除去された製品の
上記一部を把持する把持装置,ならびに上記把持装置に
より把持された製品を後冷却するための冷却装置を備え
ている。
【0013】ここで後処理とはランナ対応部等の切除お
よび後冷却を意味する。また,ランナ対応部等は,製品
以外の部分,たとえばゲート対応部,ランナ対応部,ス
プール対応部等を指す。
【0014】この発明によると,後冷却の前にランナ対
応部等を切除している。後冷却では製品のみを冷却す
る。
【0015】後冷却において,変形の生じない程度に既
に固化された製品の一部を把持しているので,製品に傷
がつくおそれがない。たとえ製品が搬送されても,また
多数の製品が一挙に冷却されるとしても,製品が搬送装
置と干渉したり,製品が相互に干渉したりすることがな
い。ランナ対応部等は既に除去されているもので,ラン
ナ対応部等の変形の影響を受けることもない。ここで製
品の一部とは,把持のために設けた部分も含む。
【0016】また,製品の少なくとも一部およびランナ
対応部等が冷却されている状態で,製品およびランナ対
応部等を保持してランナ対応部等を除去しているので,
そのための位置決めが確実かつ容易である。
【0017】この発明はとくに,ランナ対応部等に複数
の製品がつながった多数個取り成形による成形品に適し
ている。もちろん,この発明が多数個取り成形品に限定
されることはない。また,この発明はコールド・ランナ
・タイプおよびセミ・ホット・ランナ・タイプのいずれ
の成形金型にも適用できる。
【0018】
【実施例】
成形品と製品
【0019】この実施例では製品は歯ブラシの柄(ハン
ドル)である。
【0020】成形品9の一例が図1および図2に示され
ている。成形品9は多数個取り金型(16個取り金型)を
用いて射出成形により形成される。成形品9には16個の
製品1の他に金型のスプール,ランナおよびゲートに対
応して形成される部分(これらをそれぞれスプール対応
部6,ランナ対応部7およびゲート対応部8と呼び,こ
れらを一括して総称するときにはランナ対応部等と呼ぶ
ことにする)が一体につながっている。
【0021】製品である歯ブラシの柄1は,植毛部2,
首部3および柄部4から構成される。
【0022】植毛部2は平坦で,多数の植毛用の小孔2a
があけられている。植毛部2を形成する金型のキャビテ
ィ部分には小孔2aを形成するための多数のピンが形成さ
れている。したがって植毛部2は金型内にあるときに最
も早期に冷却される。したがって植毛部2は早期固化部
といわれる。
【0023】柄部4はやや丸みを帯びかつ肉厚である。
この柄部4は固化が最も遅い。柄部4は首部3を介して
植毛部2とつながっている。首部3は細くかつその断面
がほぼ円形である。柄部4の首部3に近い部分において
その両面に平坦に形成された箇所がある(これを平坦部
4aという)。さらに柄部の末端には掛穴5があけられて
いる。
【0024】ランナ対応部等において,スプール対応部
6からランナ対応部7につながり,ランナ対応部7は最
終的に16の部分に分岐している。分岐したランナ対応部
7の先端は細いゲート対応部8を介して柄1の末端につ
ながっている。
【0025】成形装置の全体構成と動作
【0026】図3は成形装置の全体的な構成を示すもの
である。成形装置は,大きく分けると,射出成形機10,
取出しロボット20および後冷却のための装置群50より構
成される。
【0027】射出成形機10それ自体は公知のものであ
る。ホッパ11に投入された熱可塑性樹脂材料は,スクリ
ューをもつシリンダ12内で加熱流動化され,そのノズル
から金型13内に射出される。金型13は金型保持部(プラ
テン)14により保持され,かつ金型開閉装置15により開
閉自在である。
【0028】射出成形機10における一成形サイクル内に
は,射出,保圧,成形品の型内保持および金型の開閉,
成形品の取出しの工程がある。成形品の型内冷却時間
は,射出時間の一部と保圧工程の時間と型内保持工程の
時間との和に相当する。型内冷却時間は,少なくとも次
の点を考慮してできるだけ短くなるように設定される。
【0029】製品1の植毛部2が,そこを把持されたと
きに変形が生じることなく,かつ後収縮による変形が生
じない程度に固化していること。
【0030】製品1の他の部分(首部3および柄部4)
の表層部分が固化しており,後冷却を行うまでの間,変
形することなくその形状を保持できること。
【0031】ランナ対応部等の表層部分が固化してお
り,ランナ対応部を切除するまでその形状を保持できる
こと。
【0032】金型13が開き,エジェクタにより金型から
離型された成形品9は取出しロボット20によって金型か
ら取出され,後冷却のための装置群50が設けられている
場所に移送される。装置群50は大きなフレーム(基台)
上に設けられている。
【0033】この場所には搬送装置51が設けられてい
る。搬送装置51は,両端部に上下2段に回転自在に設け
られたスプロケット54A ,54B および55A ,55B と,こ
れらのスプロケット54A と54B ,および55A と55B にそ
れぞれ掛けられた上下2条のエンドレス・チェーン52お
よび53を含む。スプロケット54A ,54B は回転駆動装置
(図示略)により駆動される。上下2条のチェーン52と
53との間には,チェーンにそって一定の間隔で,把持具
60が設けられている。搬送装置51の搬送路にそって,受
渡しステーションS2,冷却ステーションS3,エアー
・ブロー・ステーションS4,乾燥ステーションS5お
よび排出ステーションS6が配置されている。搬送路か
ら少し離れた位置にゲート・カット・ステーションS1
が設けられている。
【0034】成形品9の後冷却動作の概略は次の通りで
ある。
【0035】金型13から取出された成形品はまずゲート
・カット・ステーションS1に運ばれ,ここでゲート対
応部8が切断される。後に詳述するように,成形品9
は,スプール対応部6がクランプされ,16個の柄1が各
2箇所で吸着されることにより,取出しロボット20に保
持されている。したがって,ゲート対応部8が切断さ
れ,16個の柄1とランナ対応部等に分離された状態にお
いても,16個の柄1とランナ対応部等の両方とも保持さ
れ続ける。
【0036】ランナ対応部等のみのクランプが解除さ
れ,ランナ対応部等はシュータ41の上に落され,容器42
内に回収される。そして粉砕機(図示略)にて粉砕され
た後,ホッパーに再投入される。
【0037】16個の柄1は次に取出しロボット20によっ
て受渡しステーションS2の位置に運ばれ,8個ずつ把
持具60に渡されかつ把持具60によって把持される。柄1
のうち,早期固化部である植毛部2が把持される。
【0038】把持具60に把持された8個の柄1は搬送装
置51によって,冷却ステーションS3に運ばれる。冷却
ステーションS3には水槽141 が設けられており,この
水槽141 内に温度調節された水が貯えられている。8個
の柄1は搬送装置51によって搬送されながら水槽141 内
の水に浸けられ,冷却される。柄1のうち把持されてい
る植毛部2を除く,首部3と柄部4とが水中に入れられ
る。
【0039】植毛部2は既にかなり冷却されているの
で,水によって後冷却する必要はない。また,植毛部2
には多数の小孔2aがあけられているので,この部分を水
に浸けると水滴が小孔2a内に入る。小孔2a内に入った水
分は除去しにくい。このような観点から,植毛部2を把
持することが好ましく,かつ把持することによって小孔
2aに水が入らなくなるので,非常に好都合である。
【0040】冷却された柄1は続いてエアー・ブロー・
ステーションS4に送られる。ここで柄1の表面に付着
した水滴や掛穴5内に入った水滴が除去される。
【0041】把持具60によって把持された8個の柄1は
さらに乾燥ステーションS5で温風に晒されることによ
り乾燥させられる。
【0042】最後に排出ステーションS6において把持
具60による把持が解除され,8個の柄1はベルト・コン
ベア212 に落下する。柄1はベルト・コンベア212 によ
って容器213 まで運ばれ,ここに集積される。
【0043】取出ロボット
【0044】図4は取出しロボット20の構成およびその
動きを示すものである。
【0045】射出成形機10の適所に支柱22が立設されて
いる。この支柱22の上端に水平支持体23がその一端部に
おいて水平に固定されている。水平支持体23は受渡しス
テーションS2の真上の位置まで延びている。水平支持
体23にはその長手方向に沿ってレール25が固定されてい
る。
【0046】移動体24は水平支持体23のレール25にその
長手方向に移動自在に支持されている。移動体24には駆
動モータ28が設けられ,この駆動モータ28の回転力によ
り移動体24は水平支持体23のレール25に沿って往復動す
る。
【0047】移動体24は水平支持体23と直交する方向に
水平に延びており,その上にレール26が固定されてい
る。走行体21がレール26に沿って移動自在に移動体24上
に支持されている。走行体21はモータ29を備え,このモ
ータ29の駆動力により移動体24上を往復動する。
【0048】走行体21には下方に延びるアーム27が上下
動自在に設けられている。このアーム27の下端にはハン
ド30が揺動自在に取付けられている。走行体21にはアー
ム27を上下動させるモータ(図示略)が設けられてい
る。アーム27にはさらにハンド30を垂直姿勢(実線で示
す)と水平姿勢(鎖線で示す)との間で動かすための駆
動装置(図示略)が設けられている。
【0049】走行体21の待機位置は射出成形機10の金型
13の上方位置である。この待機位置ではアーム27は上昇
しており,かつハンド30は垂直姿勢に保たれている。
【0050】金型13が開かれるとアーム27が下降し,走
行体21が移動体24上をわずかに移動してハンド30が成形
品9に近づいた後,エジェクタにより金型13から離型さ
れた成形品9がハンド30に,上述したようにクランプと
吸着により保持される。
【0051】走行体21が移動体24上をわずかに移動して
成形品9が金型パーティング面から離れた後,アーム27
が上昇し,さらにハンド30が水平姿勢に転向される。こ
の状態で移動体24が水平支持体23上をゲート・カット・
ステーションS1の方向に移動し,走行体21はゲート・
カット・ステーションS1の真上の位置に至る。
【0052】アーム27が下降し,ゲート・カット・ステ
ーションS1でゲートの切断が行なわれる。
【0053】アーム27が上昇したのち,走行体21は移動
体24上をさらにその先端に向って進みシュータ41の真上
の位置に至る。アーム27が下降し,ランナ対応部等のク
ランプが解除されるので,ランナ対応部等はシュータ41
上に落下する。アーム21を下降させずに,シュータ41の
真上の位置でクランプを解除して,ランナ対応部等を落
下させてもよい。
【0054】16個の柄1を吸着したままアーム27が上昇
し,その後走行体21は移動体24上を水平支持体23の方向
に戻る。移動体24が水平支持体23上をその先端に向って
進み,受渡しステーションS2の真上の位置に至る。
【0055】アーム27が下降して,後に説明するよう
に,受渡しステーションS2のターン・テーブル113
に,柄1がハンド30から渡される。
【0056】アーム27は上昇し,ハンドは再び垂直姿勢
になる。移動体24は待機位置に戻る。取出しロボット20
は次の成形品の取出しに備えて待機することになる。
【0057】ゲート・カット装置
【0058】ゲート・カット・ステーションS1に設け
られたゲート・カット装置および取出しロボット20のハ
ンド30の構成について,図5を参照して説明する。
【0059】ハンド30は複数本のロッド34により支持プ
レート33に取付けられている。取出しロボット20のアー
ム27の下端に軸36が設けられている。この軸36は支持プ
レート33に固定された軸受35に回転自在に受けられてい
る。これによって,ハンド30はアーム27の下端に揺動自
在に支持され,かつアーム27内に設けられた駆動装置
(図示略)により,軸36を中心として,垂直姿勢と水平
姿勢との間で回動することができる。
【0060】ハンド30の下面中央部には把持装置31が設
けられ,これによって成形品9のスプール対応部6がク
ランプされる。ハンド30の下面には1つの柄当り2個ず
つ吸着ノズル32が取付けられている。吸着ノズル32は吸
引管を通して吸引装置(図示略)に接続されている。こ
れらの吸着ノズル32によって柄1の植毛部2および平坦
部4aが吸着されて保持されることになる。
【0061】ゲート・カット装置80には合計8台のゲー
ト・カット機90が含まれている。ゲート・カット機90は
2列に配列されて,ゲート・カット・テーブル81上に設
けられている。各ゲート・カット機90は2枚の刃91を備
えている。これらのゲート・カット機90によって,ハン
ド30に保持された成形品9のゲート対応部8が,一つお
きに切断される。16個のゲート対応部8を8台のゲート
・カット機90によって切断するために,ハンド30の位置
を少しシフトして,2回にわたってゲート切断動作が行
なわれることになる。
【0062】ゲート・カット機90の内部には刃91を駆動
するためのゲート・カット用エア・シリンダ(図示略)
が設けられている。このエア・シリンダにエアー供給管
84からゲート・カット・エアーが供給されることによ
り,2枚の刃が互いの方向に動き,ゲート対応部8が切
断される。
【0063】ゲート・カット機90は2枚の刃が動く方向
と直交する方向に,すなわち切断されるべきゲート対応
部8の軸方向に往復移動自在に支持されている。この往
復移動の駆動のために,エア・シリンダ92がゲート・カ
ット機90に設けられ,このエア・シリンダ92にエアー供
給管85からエアーが供給される。
【0064】図6および図7を参照してゲート・カット
機90の支持機構について説明する。
【0065】ゲート・カット・テーブル81上に基台82が
固定され,この基台82上にゲート・カット機90を支持す
るための支持プレート86が固定されている。支持プレー
ト86は,基台82に位置する部分において,上方に向って
若干突出するように屈曲された台部86A を有している。
この台部86A の前後の部分において,支持プレート86は
基台82に固定されている。台部86Aは基台82から若干浮
き上っている。基台82から一方向に延びた部分は垂直に
立上っている(この部分を垂直部86B と呼ぶ)。
【0066】支持プレート86の台部86A には,ゲート・
カット機90の移動方向に長い2本の長穴87があけられて
いる。この長穴87を下方から上方に向ってねじ88がゆる
く通り,このねじ88はゲート・カット機90の底面にねじ
はめられて固定されている。ねじ88の頭と台部86A の下
面との間には若干の間隙がある。これによってゲート・
カット機90が移動自在に支持される。
【0067】ゲート・カット機90に設けられたエア・シ
リンダ92はゲート・カット機90の移動方向に延びてい
る。図9も参照して,シリンダ92のシャフト94は中空で
あり,一端はシリンダ92内に摺動自在に嵌め入れられた
プランジャ(ピストン)93に結合している。シリンダ92
内においてシャフト94にはエアー出入口94a があけられ
ている。シャフト94の他端部はシリンダ92から出て,支
持プレート86の垂直部86B にあけられた穴を通り,エア
ー供給管85の継手85A に接続されている。垂直部86B と
継手85A との間には,シャフト94に巻付けられたばね89
が設けられている。このばね89の一端は垂直部86B に固
定され,他端は継手85A に固定されている。ばね89は垂
直部86B と継手(供給管85)とを機械的に結合させ,相
互に補強する働きをする。
【0068】図6および図9はゲート・カット機90が初
期位置にある状態を示している。取出しロボット20のハ
ンド30が下降して,そこに保持された成形品9のゲート
対応部8が2枚の刃91の間に入る。
【0069】エアー供給管85およびシャフト94を通して
圧縮されたエアーをシリンダ92内に送り込むと,図9に
おいてプランジャ93よりも右側のシリンダ92内空間にエ
アーが入り,プランジャ93を押す。シャフト94の右端は
エアー供給管85に結合し,かつばね89を介して支持プレ
ート86の垂直部86B にも結合しているので,殆んど動か
ない。そこで,シリンダ92が右方に移動することにな
る。この状態が図10に示されている。
【0070】シリンダ92が右方向に動くことにより,ゲ
ート・カット機90が右方へ動く。この状態が図8に示さ
れている。この結果,刃91が柄1の末端に寄せられるこ
とになる。供給管84にエアーを供給することにより刃91
が動き,ゲート対応部8が切断される。刃91は柄1の末
端に寄せられこの末端においてゲート対応部8が切断さ
れるので,柄(製品)1にゲート対応部8が残ることが
なく,きれいに切断された端面をもつ柄1が得られる。
【0071】シリンダ92内のプランジャ93よりも左側の
空間のエアーは圧縮されているので,エア・シリンダ92
内のプランジャ93よりも右側の空間のエアーが,例えば
エアー供給管85に設けられている電磁弁(図示略)を開
放することにより排気されると,圧縮エアーの力によっ
てシリンダ92は初期位置に戻る。すなわちゲート・カッ
ト機90は初期位置に戻る。シリンダ92を初期位置に戻す
ために,圧縮エアーに代えてばね等の弾性体を用いても
よい。
【0072】ゲート・カット装置80と取出しロボット20
のゲート切断のための動きを統一的に説明する。
【0073】取出しロボット20の走行体21がゲート・カ
ット・ステーションS1の真上の位置に至ると,アーム
27が下降する。成形品9の一つおきにゲート対応部8が
初期位置にあるゲート・カット機90の刃91の間に入る。
【0074】シリンダ92に圧縮エアーを供給することに
より,ゲート・カット機90の刃91が柄1の方向に寄せら
れる。刃91が柄1の末端に当った状態で刃91が閉じ,ゲ
ート対応部8が切断される。
【0075】刃91を閉じた状態でゲート・カット機90が
初期位置に戻される。刃91を閉じた状態で再びゲート・
カット機90が柄1の方向に寄せられ,その後初期位置に
再び戻される。この動作は2〜3回繰返される。これは
ゲート対応部8を完全に切断するためである。刃91が1
回閉じただけではゲート対応部8が完全に切断されずに
柄1と部分的につながっていることがあり得る。刃91を
閉じたままゲート・カット機90を往復移動させることに
より,部分的につながっている箇所が完全に切断される
【0076】刃91が開かれたのち,取出しロボット20の
アーム27が上昇する。取出しロボット20の移動体24が少
し横方向に動き,再びアーム27が下降し,まだ切断され
ていないゲート対応部8がゲート・カット機90の刃91の
間にセットされる。上述した切断動作が繰返される。
【0077】すべてのゲート対応部8の切断が終了する
と,アーム27が上昇し,走行体21はシュータ41の真上の
位置に向う。
【0078】ゲート・カット動作の間,把持装置31はス
プール対応部6をクランプしたままであり,吸着ノズル
は柄1の吸着を維持する。走行体21がシュータ41の真上
の位置に至ると,アーム27が下降したのち把持装置31に
よるスプール対応部61のクランプが解除されるのは上述
した通りである。
【0079】搬送装置および把持具
【0080】図11は搬送装置51の一部を示すものであ
り,受渡しステーションS2から冷却ステーションS3
に向う部分を示している。
【0081】図12から図14は搬送装置の一部および柄1
を把持する把持具を示すものである。
【0082】上下2条のチェーン52と53との間に,ピー
ス72を介して取付板71が取付けられている。この取付板
71の表面にはブラケット73が固定され,このブラケット
73に軸74により支持板70が揺動自在に取付けられてい
る。支持板70の先端に把持具60が固定されている。取付
板71(すなわち支持板70および把持具60)は一定の間隔
をおいて多数個設けられている。
【0083】取付板71の裏面にはローラ76が回転自在に
設けられている。上下2条のチェーン52,53の走行路の
高さの中間付近に,支持レール56が走行路にそって設け
られている。ローラ76はこの支持レール56上を転動す
る。これによって,取付板71,支持板70および把持具の
安定した走行が可能となる。
【0084】支持板70のほぼ中央部にはもう一つのロー
ラ77が回転自在に設けられている。このローラ77は支持
板70の両面にその一部が突出している。一方,チェーン
52,53の走行路の外側に2条の姿勢変更用レール57が設
けられている。ローラ77はこれらのレール57にその両側
から挾まれる。2条のレール57の相互の位置および間隔
ならびにレール56との位置関係は搬送路の場所に応じて
変っている。ローラ77がこれらのレール57によって規制
された軌道を走行することにより,支持板70(したがっ
て把持具60および把持具60によって把持された8個の柄
1)の姿勢が水平姿勢から垂直姿勢へ,またはこの逆に
連続的に変更される。
【0085】受渡しステーションS2においては支持板
70は水平姿勢に保たれ,冷却ステーションS3に向うに
つれてしだいに傾いて,冷却ステーションS3では完全
に垂直姿勢になる。冷却ステーションS3の水槽140 か
ら出ていくときに再び傾いて水平姿勢に戻る。エアー・
ブロー・ステーションS4では再び垂直姿勢になり,垂
直姿勢のまま乾燥ステーションS5および排出ステーシ
ョンS6を通り,その後水平姿勢に変更されて受渡しス
テーションS3に戻る。
【0086】チェーン52,53の駆動は間欠的に行なわれ
る。必ずしも常に一定時間停止して一定時間動くという
ように,周期的である必要はない。各ステーション,と
くに受渡しステーションS2,エアー・ブロー・ステー
ションS4および排出ステーションS6においては,停
止している把持具60に把持された柄1に何らかの操作が
加えられるので,これらのステーションにおいて要求さ
れる停止時間が満たされるように,一時停止時間が定め
られる。
【0087】一方,これらのステーションS1〜S6に
おける動作は射出成形機10における成形サイクルとも同
期している必要がある。1成形サイクルで16個の柄1が
成形され,これらが8個ずつ把持具60に把持され,各ス
テーションにおける操作の対象になる。1成形サイクル
に2回ずつのチェーン52,53(把持具60)の移動と停止
が行なわれるであろう。詳細については受渡しステーシ
ョンS2における動作説明で明らかにされるであろう。
【0088】把持具60は上板61と下板62とを含む。下板
62が支持板70に固定されている。
【0089】特に図14を参照して,下板62には中央と両
端の3箇所においてピン64が立設されている。一方,上
板61の下面にはピン64に対応する箇所に軸受66が設けら
れ,この軸受66の外周にはそれを保護する軸受ホルダ65
が固定されている。ピン64が軸受66の内部を摺動自在に
通っている。ピン64の上端の頭部と上板61との間には圧
縮ばね67が介装されている。したがって,上板61は下板
62に対して開閉(ピン64の軸方向に移動)自在であり,
ばね67の力によって常時は閉じた状態にある。中央のピ
ン64の下端は支持板70にあけられた穴70a の中にあり,
支持板70の下面には突出していない。
【0090】上板61と下板62の内面にはピン64の間にお
いて緩衝材63が取付けられている。緩衝材63はたとえば
ゴム板である。上述したように柄1の植毛部2がこれら
の緩衝材63の間に完全に挾まれることにより,柄1が把
持される。
【0091】下板62の両端部において,ピン64の外側の
位置に半円形の切欠き62a が形成されている。
【0092】受渡し装置および把持具開放装置
【0093】受渡しステーションS2には受渡し装置10
0 と把持具開放装置120 とが設けられており,これらが
図15に描かれている。受渡し装置100 はまた図16にも示
され,把持具開放装置120 は図17にも図示されている。
【0094】図15および図16を参照して,受渡し装置10
0 の固定台101 の上面には2本のレール102 が,搬送路
の接線に直交する方向に設けられている。これらのレー
ル102 には可動台103 がレール102 に沿って移動自在に
支持されている。
【0095】固定台101 にブラケット105 によりエア・
シリンダ104 が固定され,そのロッド105aの先端部は,
可動台103 に固定されたブラケット106 に固定されてい
る。したがって,可動台103 はシリンダ104 の駆動によ
り,搬送路に近づく方向と搬送路から遠ざかる方向に動
く。この動きをそれぞれ前進および後退と呼ぶ。
【0096】可動台103 上には2本の案内筒108 が立設
されている。これらの案内筒108 内にロッド109 が上下
動自在に受けられている。ロッド109 の先端には昇降台
111が固定されている。案内筒108 およびロッド109 は
固定台101 にあけられた開口101aから下方にのびてい
る。
【0097】可動台103 の中央の下面にはまた,エア・
シリンダ110 が固定されている。エア・シリンダ110 は
固定台101 の開口101a内を通っている。エア・シリンダ
110のロッド110aの上端は昇降台111 に固定されてい
る。したがって,エア・シリンダ110 の駆動により,昇
降台111 は上昇および下降する。
【0098】昇降台111 の中央にはロータリ・アクチュ
エータ112 が設けられ,このロータリ・アクチュエータ
112 によってターン・テーブル113 が水平面内で回転自
在に支持され,かつ回転駆動される。
【0099】ターン・テーブル113 は,取出しロボット
20のハンド30に保持された16個の柄1をそのままの状態
で受取ることのできる大きさに形成されている。柄1の
首部3の位置を定めるための位置決めピン114 と,柄1
の末端部を位置決めするための位置決め板115 がターン
・テーブル113 上に設けられている。位置決め板115に
は柄1の末端部が入る位置決め切欠き115aが形成されて
いる。
【0100】昇降台111 の四隅の位置には腕116 が立設
され,これらの腕116 に2つの透過形光電検出器117 と
118 が高さを違えて取付けられている。低い方の光電検
出器117 の光路は,ターン・テーブル113 上に正しく置
かれた柄1によって遮光されるように定められている。
光電検出器117 からの出力信号によって,ターン・テー
ブル113 上に柄1が置かれたことが検出される。光電検
出器118 の光路は柄1の一部が位置決め板115 の上に乗
ってしまった場合のように,正規の位置よりも高い位置
にある柄によって遮光されるように設定されている。こ
れによって,ターン・テーブル113 上に正しく置かれな
かった柄の存在が検知される。
【0101】図15および図17を参照して,受渡しステー
ションS2に停止した把持具60の両端からその延長上に
少し離れた位置において,押えアーム122 がフレーム12
1 に軸123 により揺動自在に取付けられている。この押
えアーム122 の先端には爪122aが直角に取付けられてい
る。爪122aの先端には半円状の切欠き122bが形成されて
いる。
【0102】フレーム121 にはまたエア・シリンダ125
がその基端でブラケット126 を介して揺動自在に取付け
られ,上方に延びている。一方,押えアーム122 の長さ
の中央には直角にリンク124 が固定されている。このリ
ンク124 の先端とエア・シリンダ125 のロッド125aの先
端とがピン連結されている。
【0103】常時はエア・シリンダ125 のロッド125aは
退入位置にある(図17に実線で図示の位置)。把持具60
が受渡しステーションS2に至ったときにロッド125aが
進出し,押えアーム122 は90度回転して垂直姿勢にな
る。したがって,その爪122aが把持具60の下板62の両端
部に上から掛り,下板62を押さえることになる(図15に
実線で示す状態)。
【0104】上述したように,把持具60の下板62の両端
部62には半円形状の切欠き62a が形成されている。爪12
2aにも半円形状の切欠き122bが形成されている。爪122a
と下板62の両端部とが重なるので,これらの切欠き122b
と62a とが重なる部分に円形に近い穴が形成されること
になる。
【0105】これらのシリンダ125 の位置のほぼ中間に
あって,搬送される把持具60が通る位置の下方に支持台
134 が固定されている。この支持台134 には2本のロッ
ド132 が上下動自在に支持されている。2本のロッド13
2 の上端に昇降プレート131が固定されている。支持台1
34 にはまたエア・シリンダ133 が垂直に固定され,そ
のロッド133aが昇降プレート131 に連結されている。し
たがって,昇降プレート131 はシリンダ133 の駆動によ
り上下動される。昇降プレート131 は常時下降位置にあ
る。
【0106】昇降プレート131 の両端には押し上げ棒13
0 が立設されている。この押し上げ棒130 は昇降プレー
ト131 が上昇したときに,上述した切欠き122bと62a と
によって形成される穴を通って,把持具60の上板61を押
上げる働きをする。
【0107】受渡しステーションS2における全体的な
動作は次の通りである。
【0108】チェーン52,53によって搬送される把持具
60は受渡しステーションS2に到達すると停止する(チ
ェーン駆動が停止する)。
【0109】把持具開放装置120 において,エア・シリ
ンダ125 のロッド125aが突出し,押えアーム122 が回動
してその爪122aが停止した把持具60の下板62の両端部を
上方から押える。
【0110】この後,エア・シリンダ133 のロッド133a
が進出して昇降プレート131 が上昇する。これによって
押し上げ棒130 が上記の穴を通って把持具60の上板61に
達し,上板61をばね67の力に抗して押し上げる。上板61
が上昇する(上板61が開く)ので,上,下板61,62間
(上下の緩衝材63間)には間隙が生じる。
【0111】受渡し装置100 において可動台103 は後退
位置にあり,かつターン・テーブル113 は上昇位置に待
機している。把持具60の上板61の開放動作が行なわれて
いる間に,取出しロボット20の走行体21がターン・テー
ブル113 の真上の位置に到着し,そのアーム27が下降
し,かつノズル32による柄1の吸着が解除されることに
より,16個の柄1のすべてがターン・テーブル113 上に
置かれる。
【0112】把持具60を開放するためのエア・シリンダ
133 の動作が終了した後,光電検出器117 ,118 からの
出力信号に基づいて柄1がターン・テーブル113 上の正
しい位置に置かれたことが確認される。この確認のの
ち,エア・シリンダ104 の駆動により可動台103 が前進
する。これによってターン・テーブル113 も前進するの
で,その上に置かれた8個の柄1の植毛部2が既に開い
ている把持具60の上板61と下板62との間に進入する。タ
ーン・テーブル113 が停止したのちエア・シリンダ110
の駆動によりターン・テーブル113 (昇降台111 )がわ
ずかに下降するので,柄1の植毛部2は下板62の緩衝材
63の上に置かれる。
【0113】把持具開放装置120 のエア・シリンダ133
のロッド133aが退入して昇降プレート131 が下降し,元
の位置に戻る。これにより,押し上げ棒130 も下降する
ので,把持具60の上板61はばね67の力により下降し,下
板62との間で柄1の植毛部2を挾持する(把持具60の閉
鎖)。
【0114】エア・シリンダ125 のロッド125aも退入
し,押えアーム122 は元の位置に戻る。すなわち,爪12
2aによる下板62の押えが解除される。
【0115】受渡し装置100 において,エア・シリンダ
110 のロッド110aが退入し,ターン・テーブル113 (昇
降台111 )が下降する。そして,エア・シリンダ104 の
駆動によりターン・テーブル113 (可動台103 )が後退
する。ロータリ・アクチュエータ112 の駆動によりター
ン・テーブル113 が180 度回転する。これにより,ター
ン・テーブル113 上の残りの8個の柄1が把持具60の走
行路寄りの場所に移される。さらにエア・シリンダ110
の駆動によりターン・テーブル113 (昇降台111 )が上
昇して,待機することになる。
【0116】ターン・テーブル113 が下降を完了し,か
つ押えアーム122 が元の位置に戻った後に,8個の柄1
を把持した把持具60(チェーン52,53)は移動して冷却
ステーションS3の方向に向う。
【0117】受渡しステーションS2には次の把持具60
が到着する。この間にターン・テーブル113 は上昇動作
を終了している。
【0118】次の把持具60が受渡しステーションS2に
到着すると,把持具開放装置120 が動作し,先に説明し
たのと同じ把持具開放動作,すなわち押えアーム122 の
爪122aによる下板62の押さえおよび押し上げ棒130 によ
る上板61の押し上げが行なわれる。この後,ターン・テ
ーブル113 が前進し,残りの8個の柄1の植毛部2が開
放した上板61と下板62との間に入る。ターン・テーブル
113 はわずかに下降する。把持具開放装置120 の上述し
た復帰動作により柄1の植毛部2は上板61と下板62との
間に挾持される。ターン・テーブル113 は下降,後退,
180 度の逆回転の一連の動作を行い,把持具60が移動し
た後,上昇して待機する。ターン・テーブル113 上には
柄1は既に無く,取出しロボット20からの次の16個の柄
1の搬入を待つことになる。
【0119】把持具60(チェーン52,53)は受渡しステ
ーションS2に停止してから一定時間が経過したとき
に,冷却ステーションS3に向って移動を開始すること
になる。この一定時間はターン・テーブル113 が後退を
開始した後になるようにタイマによって定められる。そ
の理由は次の通りである。
【0120】把持具60に把持された柄1が受渡しステー
ションS2と冷却ステーションS3との間に留まってい
る時間が長いとヒケ等が発生する可能性がある。したが
って把持具60に把持された柄1はすみやかに冷却ステー
ションS3に搬送される必要がある。射出成形機10にお
ける形成サイクルが長い場合や,射出成形機10等の異常
により次の成形品が来ない場合であっても,把持具60に
把持された柄1をすみやかに冷却ステーションS3に移
すことができる。
【0121】射出成形機10の形成サイクル,取出しロボ
ット20の動き,受渡しステーションS2における16個の
柄1の受渡しおよびターン・テーブルの運動,ならびに
冷却ステーションS3における後冷却のタイミングを,
柄1が8個ずつ2回に分けて把持具に把持される16個の
成形品に着目して示したのが図18である。この図におい
て,第1把持具は第1回目に8個の柄1を把持するもの
であり,第2把持具は第2回目に残りの8個の柄1を把
持するものである。これらの第1把持具と第2把持具は
チェーン52,53に隣接して取付けられた2個の把持具で
ある。
【0122】第1把持具および第2把持具ともに移動し
ている時間Tt (停止から次の停止までの時間)は同じ
である。第2把持具が受渡しステーションS2に停止し
ている時間TS2は上述のようにタイマによって管理さ
れ,8個の柄の受渡しに要する最低限のまたはこれに近
い時間に設定される。第1把持具が受渡しステーション
S2に停止している時間TS1は,成形サイクル(および
取出しロボットの一連の動作に要する時間)を考慮し
て,8個の柄の受渡しに要する最低限の時間以上に設定
される。この時間TS1は成形サイクルと柄の搬送との同
期をとるための調整時間である。この実施例では1成形
サイクルの間に2回の受渡し動作が必要となるからであ
る。もちろん,この時間TS1にもその上限が定められる
のはいうまでもない。したがって,射出成形機等におい
て異常が生じて,受渡しステーションS2での受渡し動
作を停止した場合であっても,この上限時間をすぎると
把持具の移動が開始する。
【0123】受渡しステーションS2で把持具60に把持
された柄はほぼ1成形サイクル後には後冷却が開始され
ていることになる。
【0124】冷却装置
【0125】図19から図22は冷却ステーションに設けら
れた冷却装置140 を示している。
【0126】冷却装置140 は水槽141 を含む。水槽141
は把持具60の搬送路にそって長い。搬送装置51によって
搬送される把持具60に把持された柄1は水槽141 の一側
壁寄りのところを進む。上述したように,柄1のうち柄
部4および首部3の一部が水槽141 内の水中に設けられ
る(図23参照)。
【0127】受渡しステーションS2において把持具60
に把持された柄1は,支持板70が姿勢変更用レール77に
よって規制されることにより,水平姿勢からしだいに傾
いていく。柄1は傾いた姿勢で水槽141 内の冷却水内に
入り,その後垂直姿勢に変更されて水槽141 内を搬送さ
れていく(間欠的に搬送)。柄1が水槽141 から引上げ
られて出ていくときには傾いた姿勢となり,水槽141 か
ら完全に出たあとに水平姿勢となる。
【0128】柄1,とくに柄部4はその温度が室温近く
になり,冷却による樹脂の収縮がほぼ終る程度まで冷却
される。一例をあげれば,成形サイクル20〜40秒,水槽
141による後冷却時間90〜150 秒程度である。
【0129】水冷による後冷却を施こすと成形品(柄
1)の外面に近い部分が急激に冷える。このため一般に
は型内冷却に比べて収縮率は小さい。また外側部分が冷
却されたのちに内部(特に中心部分)が冷却されていく
ので,中心に小さな空胴ができることがある。この空胴
は成形品の品質を低下させることは一般的にはない。と
くに実施例のような歯ブラシの柄の場合には柄部4の内
部に空胴ができても全く問題はない。
【0130】水槽141 内に満たされた冷却水の温度は次
のようにして常に一定温度に保たれる。水槽141 の壁14
2 の一部(一方の側壁と柄1が進入する側の端壁)には
冷却水供給管144 の一端が開口(給水口)して冷却水が
供給される。また,水槽141の他方(柄1が搬送される
側)の側壁142 には排水管145 の一端が開口(排水口)
して冷却水が排出される。これらの供給管144 と排水管
145 は温度調節機(図示略)に接続されている。温度調
節機は,柄1を冷却することによって温度が上昇した水
を排水管145 を通して集め,熱交換器を通してその温度
を下げたのち供給管144 を通して水槽141 内に戻す。こ
のような循環方式により水槽141 内の冷却水は常にほぼ
一定温度(たとえば20度C)に保たれる。図22において
給水口と排水口は同じ高さに設置されているが,柄1が
走行する側の排水口(もしあれば,給水口も)を水流が
直接柄1に当らないように水槽底近くに設置してもよ
い。
【0131】水槽141 のまわりには溢水受143 が設けら
れている。溢水受143 に溢れた冷却水は排水管146 を通
って排水される。これにより,水槽141 内の冷却水の水
面WFはその壁142 の上端の位置に常に一定に保持され
る。常時一定量の冷却水を補給しかつオーバフローした
水を排水することにより,水槽141 内の水の腐食を防止
することができる。
【0132】温度調節機から水槽141 に供給される冷却
水の温度は任意に設定できるのはいうまでもない。水槽
141 に供給される冷却水は,必要に応じて,フィルタを
通すことにより細かい不純物を除去したり,殺菌または
滅菌させる。
【0133】搬送される柄1が水槽141 から出て行く箇
所に近い場所に設けられた供給管144 は水槽141 内にの
び,その先端部144Aが柄1の進行方向に斜めに立上って
いる。先端部144Aの開口(給水口)は水平WFの下,水
中にある。温度調節機から供給される温度調節された冷
却水はこの先端部144Aの給水口から噴き出す冷却水によ
って,搬送される柄1が傾いた姿勢で水槽141 から出て
行く箇所の付近においては,水面に波WAが生じる。こ
の水面の波立ちによって,水槽141 から出る柄1に水滴
が残りにくくなる。すなわち水切りが良くなる。
【0134】その実験結果を図24に示す。一つの把持具
には8個の柄が保持されている。これは,水槽から上っ
て出てきた8個の柄のうち何個に水滴が付着しているか
を目視により確認した結果である。水滴の有無は柄が水
槽から出た直後に観察して調べた。
【0135】図23も参照して,Aは掛穴5にのみ水滴が
付着していた(掛穴以外に水滴は付着していない)柄の
個数である。Bは柄部の平坦部4aに水滴が付着してお
り,それ以外の柄部4には水滴が付着していない(掛穴
には一般的には付着している)柄の個数である。Cは水
滴が柄部4(4aを含む)の表面に付着していた柄の個
数である。
【0136】波を発生させない状態で46組(8個×46)
について(No.1〜No.46),波を発生させて47組(8
個×47)について(No.47〜No.93),実験を行った。
【0137】図24から明らかなように,波を発生させな
い場合(波立ちなし)と波を発生させた場合(波立ちあ
り)とでは,明らかに差がある。波を発生させない場合
には圧倒的にCが多く,柄部4の全体に水滴が付いてい
ることが分る。これに対して,波を発生させると圧倒的
にAが多く,掛穴5を除いて殆んど水滴が付いていな
い。
【0138】水槽141 から出てきた柄に水滴が付いてい
るかどうかは,次のエアー・ブロー・ステーションS4
および乾燥ステーションS5に大きな影響を及ぼす。エ
アー・ブロー・ステーションS4は掛穴5に付着した水
滴を除去する作業も行うものであるから,いずれの場合
にも必要である。もし,掛穴5以外に水滴が殆んど付着
していなければ,乾燥ステーションS5を省略する,そ
の長さを短くする,または乾燥能力を小さくする(温風
の温度を低くする,もしくは温風の風力を弱くする)こ
とが可能となる。
【0139】最後に,水槽141 の底には水槽141 の水を
完全に抜きとるための排水口147 があけられていること
を示しておく。
【0140】エアー・ブロー装置
【0141】エアー・ブロー・ステーションS4には,
図25に示すように,搬送方向にそって2つのエアー・ブ
ロー装置160 と170 が配置されている。冷却ステーショ
ンS3からエアー・ブロー・ステーションS4に至る間
に把持具60に把持された柄1は垂直姿勢に変更される。
これらの2つのエアー・ブロー装置160 と170 のところ
で隣接する2つの把持具60が垂直姿勢で停止する。把持
具60が停止している間に,第1のエアー・ブロー装置16
0 ではその把持具60に把持された柄1の全体に付着して
いる水滴の除去が,第2のエアー・ブロー装置170 では
柄1の掛穴5に付着している水滴の除去がそれぞれ行な
われる。
【0142】これらのエアー・ブロー装置160 ,170 を
囲むように,搬送方向にそって囲い173 が形成されてい
る。また,柄1から吹き飛ばされて落下した水滴を受け
るための樋174 が搬送路の直下の位置に設けられてい
る。
【0143】第1のエアー・ブロー装置160 は搬送路の
両側に対向するように2台設けられている。各エアー・
ブロー装置160 は搬送方向に長くかつ水平に配置された
缶163 を備え,この缶163 にエアー・ノズル161 が取付
けられている。エアー・ノズル161 にはスリット162 が
形成されている。スリット162 は搬送方向に水平であ
り,把持具60に把持された8個の柄1のすべてにエアー
を吹きつけることができる長さを持つ。缶163 の端部に
はフレキシブル・エアー供給管169 が接続されており,
供給管169 から供給されたエアーは缶163 内を通り,ノ
ズル161 のスリット162 から8個の柄1に吹きつけられ
る。エアー・ノズル163 の傾きは手動で任意に設定可能
である。また,エアーの流量も調節弁により調節可能で
ある。
【0144】図26を参照して,2本の支柱167 の上端に
横桟166 が渡されかつ固定されている。この横桟166 に
案内筒165 が固定されている。案内筒165 にはロッド16
4 がそれぞれ上下摺動自在に受けられている。ロッド16
4 の下端は缶163 の取付部材163aに固定されている。横
桟166 にはまたエア・シリンダ168 が垂直に固定され,
そのロッド168aの下端は取付部材163aに固定されてい
る。したがって,ノズル161 はエア・シリンダ168 の駆
動により上下方向に運動する。
【0145】把持具60が第1のエアー・ブロー装置160
の間に停止している間に,ノズル161 は上下に2回往復
動する。スリット162 からは常時エアーが吹き出してい
る。したがって,把持具60に把持された8個の柄1は,
その両面に,上から下まで,スリット162 から吹き出さ
れるエアーが吹き付けられ,柄1に付着している水滴が
吹き飛ばされる。エアー・ブロー効果を向上させるため
に,ノズル161 の上下動作の前にノズル161 を柄1に近
づける動作を加えてもよい。
【0146】再び図25において,第2のエアー・ブロー
装置170 は搬送路の一方側に設けられ,固定された8個
のエアー・ノズル171 を備えている。これらのエアー・
ノズル171 は,停止した把持具60に把持された柄1の下
端にある掛穴5にそれぞれ対向する位置に設けられてい
る。
【0147】把持具60がエアー・ブロー装置170 の位置
に停止したのち,適当な時間の間,1回,エアー・ノズ
ル171 からエアーが吹き出す。これによって掛穴5内に
付着している水滴が吹き飛ばされる。
【0148】これらのエアー・ブロー装置160 ,170 に
おいて使用されるブロー・エアーは,好ましくは柄1に
エアーに含まれている塵埃が付着することを防止するた
めに,前もってフィルタ等を通して塵埃が除去される。
【0149】乾燥装置
【0150】乾燥ステーションS5に設けられた乾燥装
置180 が図27に示されている。この乾燥装置180 はエア
ー・ブロー・ステーションS4で除去されなかった小さ
な水滴を温風乾燥により蒸発させるものである。上述し
たように,この乾燥装置180は,場合によっては不要と
なるか,またはその長さを短くすることができる。
【0151】使用される温風の温度は成形品(柄)の材
質,乾燥状態に応じて適宜調節可能となっている。温風
の温度が高すぎたり,乾燥時間が長すぎると成形品に変
形が生じるからである。一例を挙げれば,温風の温度は
50〜55度Cである。
【0152】把持具60によって把持された柄1の搬送路
にそってU字形の内壁182A,182Bが形成され,これらの
内壁の外側に外壁183 が形成されている。これらの両壁
182A,182B,183 によって温風室181Aと181Bとが形成さ
れている。温風室181Aと181Bとは仕切板184 によって仕
切られている。また,温風室181A,181Bはそれぞれ仕切
板185 によって搬送方向に分割され,独立した室となっ
ている。
【0153】これらの分割された各室181A,181Bの対向
する一方に温風供給管188 が,他方に温風吸込管189 が
それぞれ接続されている。これらの供給管188 と吸込管
189とは搬送方向に交互に設けられている。供給管188
が接続された室の内壁の内側にはフィルタ187 が設けら
れ,かつ内壁に多数の温風吹出口186Aがあけられてい
る。吸込管189 が接続された室の内壁には温風吸込口18
6Bがあけられている。
【0154】したがって,供給管188 から供給された温
風はそれが接続された室に入り,吸出口186Aから吸出さ
れる。吸出口186Aが形成された内壁に対向する内壁に吸
込口186Bがあけられているので,温風は吸込口186Bから
吸込管189 を通って排出される。排出された温風はエア
ー・フィルタを通り,温風調節機で温度調節されたのち
再び供給管に供給される。
【0155】把持具60によって把持された柄1は,垂直
姿勢のまま,対向する内壁182Aと182B間の空間を通って
搬送される(間欠搬送)。この搬送過程で温風により柄
1の表面に付着している小さな水滴が除去される。柄1
が搬送される通路は内壁182A,182Bによってほぼ囲まれ
ているので外部に逃げる温風はわずかであり,乾燥効果
が高められる。
【0156】把持具解除装置
【0157】図28は排出ステーションS6に設けられた
把持具解除装置200 を示すものである。搬送されてきた
把持具はこのステーションS6で停止する。
【0158】把持具60の搬送路の両側には2本の支柱20
4 ,214 が立てられている。把持具60と向い合う側に立
てられた支柱204 上には支持板70を押えるための装置
が,チェーン52,53の側に立てられた支柱214 には把持
具60の上板61を押すための装置がそれぞれ設けられてい
る。
【0159】支柱204 上には支持台203 が固定され,こ
の支持台203 に2本のロッド205 が水平方向にかつ停止
した把持具60に向う方向に,互いに平行に,その軸方向
に移動自在に支持されている。ロッド205 の先端には支
持板202 が固定され,この支持板202 に押え板201 が固
定されている。押え板201 は支持板70の下板62が取付け
られている根元に向っている。ロッド205 の末端にはス
トッパ207 が取付けられている。
【0160】支持台203 にはまたエア・シリンダ206 が
水平方向に固定され,そのロッド206aの先端は支持板20
2 に固定されている。シリンダ206 の駆動により,押え
板201 が進退する。
【0161】支柱214 上にも支持台213 が固定され,こ
の支持台213 に2本のロッド215 が平行にかつその軸方
向に移動自在に支持されている。2本のロッド215 は排
出ステーションS6に停止した把持具60に水平に向って
いる。ロッド215 の先端には支持板212 が固定され,こ
の支持板212 の両端には押棒211 が把持具60の両端部に
向う方向に水平に固定されている。ロッド215 の末端に
はストッパ217 が取付けられている。
【0162】支持台213 にはまたエア・シリンダ216 が
水平方向に固定され,そのロッド216aの先端は支持板21
2 に固定されている。ロッド216aは通常は退入位置にあ
る。把持具60が停止したときに,後述するように,シリ
ンダ216 が駆動され,ロッド216aが進出する。これによ
り,押棒211 が把持具60の両端部めがけて突出し,下板
62の両端部に形成された円形状欠部62a を通って上板61
を押す。
【0163】この把持具解除装置200 の動作は次の通り
である。
【0164】把持具60は垂直姿勢のまま排出ステーショ
ンS6に至ると停止する。エア・シリンダ206 が駆動さ
れ,そのロッド206aが進出することにより,押え板201
が支持板70の根元を押しつける。
【0165】この後,シリンダ216 が駆動され,そのロ
ッド216aが進出する。これにより,押棒211 が進出して
把持具60の上板61の両端を,ばね67の力に抗して押す。
すると,上板61が下板62から離れる方向に動き,両板6
1,62に取付けられた緩衝材63間が開く。
【0166】したがって,把持具60に把持されていた8
個の柄1は自重により一斉に落下し,フレームの開口22
0 を通ってシュータ211 上に移る。この後,柄1はシュ
ータ211 からベルト・コンベア212 に移り,ベルト・コ
ンベア212 により容器213 まで搬送されるのは上述した
通りである。
【0167】排出ステーションS6には,停止した把持
具60に把持されている8個の柄1をそれぞれ検出する8
個の光電検出器(図示略)が設けられている。これらの
光電検出器によって柄1のすべてが排出されたことが確
認される。
【0168】受渡しステーション等で異常が発生して,
搬送装置が自動的に停止した場合,乾燥ステーションの
成形品(柄)は,長い時間,温風に晒されて,変形する
おそれがある。また,成形品は,受渡しステーションと
水槽の間で長い時間留まると,ヒケが発生する。そこ
で,搬送装置がたとえば2分以上停止した場合には,受
渡しステーションおよび水槽と受渡しステーションの間
にある成形品は,強制的に排出される。搬送装置がたと
えば20分以上停止した場合には,乾燥ステーションにあ
る成形品は強制的に排出される。
【0169】実施例の特徴
【0170】多数個取り金型を用いて複数個の製品を一
挙に射出成形する。製品は早期固化部とそれ以外の部分
がある。早期固化部が把持に耐えうる程度に固化しかつ
それ以外の部分(ランナ対応部を含む)の少なくとも表
層部分が搬送において変形を生じない程度に固化するま
で金型内冷却を行う。この金型内冷却ののち製品および
それに連結したランナ対応部等を金型から取出す。金型
内冷却を最小限の時間にしているので,成形機における
成形サイクルを短くすることができる。
【0171】製品とランナ対応部の両方を保持(吸着,
クランプ)してゲート・カット(ランナ対応部の除去)
を行っている。製品およびランナ対応部は搬送において
変形を生じない程度に固化しているので,ゲート・カッ
トのための位置決めが適切に行なえる(ランナ対応部が
変形してしまうと位置決めを適切に行なえない)。これ
によりランナの除去が容易かつきれいにできる。
【0172】ゲート・カット後,早期固化部を把持して
外部冷却(後冷却)を行っている。製品の一部を把持し
ているので,冷却工程において製品が相互にまたは他の
装置に干渉することがなく,製品に傷がつくことがな
い。製品の他の部分は搬送において変形が生じない程度
に固化しているので,冷却工程で変形を生じることがな
い。製品の一部を把持しているので把持手段が複雑にな
ることがない(ランナ対応部や製品の複数箇所を把持す
るとすれば把持手段の構成が複雑になる)。冷却ムラや
変形の問題も生じない。成形品(製品)に早期固化部が
ないときには,成形品にわざわざ早期固化部を設けても
よい。これは特に,不要な部分(早期固化部)が存在し
ても,製品の機能,外観等に大きな影響を与えないよう
な場合(たとえば不要な部分が隠れてしまうような場
合)に有効である。
【0173】後冷却として水冷部を採用している。小孔
をもつ製品を水冷却すると小孔内に水が入り,その除去
が困難である。小孔のある部分は金型内で早期に固化し
やすい。小孔のある早期固化部を把持して,この部分を
水槽内に入れていないので,小孔内に水が浸入すること
がない。
【0174】製品が歯ブラシであり,多数の小孔を有す
る植毛部を把持して,それ以外の部分を水冷却してい
る。したがって多数の小孔に水が入ることがない。とく
に,小孔内に入った水をそのまま放置すると菌が繁殖す
るので,小孔内の水は必ず除去しなければならない。ま
た,水が残っていると汚れの原因となる。後冷却ののち
小孔内の水を除去する装置が不要である。
【0175】製品の重心が下方に位置するように把持し
ている。これにより変形を防止することができる。製品
が歯ブラシの柄であり,早期固化部が植毛部であって,
製品を垂直姿勢に保ちながら冷却している。
【0176】水槽内の水面に,製品が出て行く箇所にお
いて波を発生している。水槽から出てくる製品に水滴が
殆ど付かない,または付いたとしても数が非常に少な
い。製品が歯ブラシの柄であって,柄を垂直姿勢で水槽
内を搬送し,水槽から出すときには斜めに傾かせてい
る。
【0177】水冷却ののち,製品に付いた水滴を除去し
かつ乾燥させている。製品が歯ブラシの柄であって,そ
の掛穴に付着した水滴をエアー・ブローで吹き飛ばして
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形品および製品(歯ブラシの柄)を示す平面
図である。
【図2】成形品および製品を示す側面図である。
【図3】成形装置の全体的構成を示す斜視図である。
【図4】取出しロボットおよびその動作を示す斜視図で
ある。
【図5】取出しロボットのハンドおよびゲート・カット
装置の全体を示す斜視図である。
【図6】ゲート・カット機の初期位置を示す側面図であ
る。
【図7】図6におけるVII −VII 線にそう断面図であ
る。
【図8】製品の方向に寄せられたゲート・カット機を示
す側面図である。
【図9】初期位置にあるゲート・カット機内のエア・シ
リンダを示す断面図である。
【図10】製品の方向に寄せられたゲート・カット機の
エア・シリンダを示す断面図である。
【図11】搬送装置の一部および把持具を示す斜視図で
ある。
【図12】チェーンに取付けられた支持板および把持具
を示す平面図である。
【図13】スプロケット,チェーン,取付板,支持板お
よび把持具の側面図である。
【図14】把持具の正面図である。
【図15】受渡しステーションに設けられた受渡し装置
および把持具開放装置を示す斜視図である。
【図16】受渡し装置を示す正面図である。
【図17】把持具開放装置を示す正面図である。
【図18】成形サイクル,取出しロボットの動作,受渡
し動作および後冷却時点の関係を示すタイム・チャート
である。
【図19】冷却装置を示す斜視図である。
【図20】図19のXX−XX線にそう矢視図である。
【図21】冷却装置の波立ち用給水口が設けられた部分
の平面図である。
【図22】図19のXXII−XXII線にそう断面図である。
【図23】柄の正面図である。
【図24】水滴の有無を波立てない場合と波立てた場合
とで比較した実験結果を示す。
【図25】2種類の第1および第2のエアー・ブロー装
置を示す斜視図である。
【図26】第1のエアー・ブロー装置を示す正面図であ
る。
【図27】乾燥装置を示す一部切欠き斜視図である。
【図28】把持具解除装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 製品(歯ブラシの柄) 2 植毛部 2a 小孔 4 柄部 5 掛穴 6 スプール対応部 7 ランナ対応部 8 ゲート対応部 9 成形品 10 射出成形機 13 金型 20 取出しロボット 21 走行体 27 アーム 30 ハンド 51 搬送装置 52,53 チェーン 56 支持レール 57 姿勢変更用レール 60 把持具 61 上板 62 下板 62a 半円形切欠き 63 緩衝材 64 ピン 65 軸受ホルダ 66 軸受 67 圧縮ばね 70 支持板 71 取付板 76,77 ローラ 80 ゲート・カット装置 86 支持プレート 90 ゲート・カット機 91 刃 92 エア・シリンダ 100 受渡し装置 103 可動台 111 昇降台 113 ターン・テーブル 114 位置決めピン 115 位置決め板 120 保持具開放装置 122 押えアーム 122a 爪 122b 半円形切欠き 130 押し上げ棒 131 昇降プレート 140 冷却装置 141 水槽 144A 波を発生させるための給水管の先端部 160 第1のエアー・ブロー装置 161 エアー・ノズル 162 スリット 170 第2のエアー・ブロー装置 171 エアー・ノズル 180 乾燥装置 200 把持具解除装置 201 押え板 211 押棒 S1 ゲート・カット・ステーション S2 受渡しステーション S3 冷却ステーション S4 エアー・ブロー・ステーション S5 乾燥ステーション S6 排出ステーション

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製品とランナ対応部等とが相互につなが
    ってなる成形品を,製品の少なくとも一部およびランナ
    対応部等が後処理において変形を生じない程度に金型内
    で冷却し,その後,製品とランナ対応部等とを保持しな
    がら成形品を金型から取出し,製品とランナ対応部等と
    を保持した状態でランナ対応部等を製品から除去し,製
    品の上記一部を把持して後冷却する,成形品の成形方
    法。
  2. 【請求項2】 上記成形品が多数個取り金型を用いて成
    形されるものであり,複数の製品とこれらをつなぐラン
    ナ対応部等とから構成されている,請求項1に記載の成
    形方法。
  3. 【請求項3】 製品とランナ対応部等が相互につながっ
    てなる成形品を成形し,製品の少なくとも一部およびラ
    ンナ対応部等が後処理において変形を生じない程度に金
    型内で冷却する成形機,製品の少なくとも一部およびラ
    ンナ対応部等が後処理において変形を生じない程度に固
    化した成形品を,製品とランナ対応部等とを保持しなが
    ら金型から取出す取出装置,上記取出装置により取出さ
    れた成形品の製品とランナ対応部等とを保持した状態
    で,ランナ対応部等を除去する除去装置,ランナ対応部
    等が除去された製品の上記一部を把持する把持装置,な
    らびに上記把持装置により把持された製品を後冷却する
    ための冷却装置,を備えた成形品の成形装置。
  4. 【請求項4】 上記成形機が射出成形機である,請求項
    3に記載の成形装置。
  5. 【請求項5】 ランナ対応部等が除去された製品を上記
    取出装置から上記把持装置に渡す装置をさらに備えた,
    請求項3に記載の成形装置。
  6. 【請求項6】 上記把持装置が,製品の上記一部を把持
    する把持具と,この把持具を上記冷却装置内を搬送する
    搬送装置とから構成されている,請求項3に記載の成形
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002067104A (ja) * 2000-08-31 2002-03-05 Star Seiki Co Ltd ゲートカット装置及び同装置付き取出機
JP2010194773A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Fujifilm Corp 射出成形品の冷却方法及び装置

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