JPH07194109A - 電源回路 - Google Patents

電源回路

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JPH07194109A
JPH07194109A JP5337505A JP33750593A JPH07194109A JP H07194109 A JPH07194109 A JP H07194109A JP 5337505 A JP5337505 A JP 5337505A JP 33750593 A JP33750593 A JP 33750593A JP H07194109 A JPH07194109 A JP H07194109A
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JP
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circuit
voltage
mos
power supply
current
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Application number
JP5337505A
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English (en)
Inventor
Takahiro Nishihara
孝広 西原
Tetsuo Omori
哲男 大森
Toshiaki Fujie
利章 藤江
Toshihiko Mizukami
俊彦 水上
Koji Saga
晃治 嵯峨
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Hitachi Computer Electronics Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Computer Electronics Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 負荷率に対応してゲートドライブ電圧、MO
S−FETのゲート入力容量を変化させ、直流電源の負
荷率が低いときの変換効率を向上させ、スタンバイ時の
省エネルギー化、継続使用の長時間化が可能な電源回路
を提供する。 【構成】 MOS−FETを1個使用してスイッチング
素子として動作するパルス幅変調方式の電源回路であっ
て、高周波変換回路101、整流平滑回路102、整流
回路103、出力電圧第1安定化制御回路104、出力
電圧第2安定化制御回路105、出力電流制限回路10
6の構成に、出力電流制限回路106の出力信号に基づ
いて電圧を1/2倍化する電圧1/2逓倍回路107が
付加されている。この出力電流制限回路106におい
て、MOS−FET6のドレイン端子に流れる電流があ
る値を下回る場合に、電圧1/2逓倍回路107が動作
してMOS−FET6のドライブ電圧が基本電圧の1/
2倍に低下される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器に安定なる直
流電圧を供給する定電圧電源の電源回路技術に関し、特
バッテリーを電源として使用する小型電子機器、および
スタンバイ状態動作時の消費電力を低く抑えるように設
計された小型電子計算機などの電源に有用な電源回路に
適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、電源の小型化を図るため、動
作周波数を高くして磁性部品およびフィルターを小型化
することは良く用いる手法である。このため、スイッチ
ング素子にMOS−FETを使用したスイッチング方式
の直流安定化電源が良く用いられる。また、電源装置の
省電力化を図るためには、電源における損失を低下させ
ること、つまり負荷率に拘らずに変換効率を向上させる
ことが必須である。
【0003】このようなMOS−FETを、スイッチン
グ素子とした場合の直流電源の損失は、入力整流部、高
周波変換部、出力整流部、制御部の各部での損失に大別
できる。これらの損失のうち、入力整流部、高周波変換
部、出力整流部における損失は出力電力の正の関数とな
る。つまり、出力電力が大きい場合には、損失は大とな
り、逆に出力電力が小さい場合には損失は小となる関係
にある。
【0004】また、最後の制御部における損失は、出力
電力にはほぼ無関係に一定の損失が発生する。これの意
味するところは、出力電流が減少すると変換効率が大き
く低下することを意味する。特に、小型電子計算機など
においてスタンバイ時に消費する電力を低減できない、
無駄なエネルギーを消費し続けるということになる。こ
れは、ハンディコンピュータなどのバッテリーで動作さ
せている装置では大きな問題である。
【0005】ここで、制御部における損失を細分する
と、安定化制御回路における損失と、MOS−FETの
ゲートドライブ回路の損失とに分けることができる。安
定化制御回路における損失は、動作周波数とほとんど因
果関係はないが、ゲートドライブ損失は、MOS−FE
Tのゲート−ソース間の静電容量が大きい、入力抵抗は
高いという特徴があるため、動作周波数に比例して増加
する。そのため、高周波化における省電力化という要求
に対して大きな問題である。
【0006】式(1)にMOS−FETのドライブ損失
を示す。
【0007】 Pd=Ciss×Vgs2 ×f (W) ・・・・・・式(1) ここで、 Ciss:MOS−FETのゲート入力容
量 Vgs :ゲート−ソース間電圧 f :動作周波数 である。
【0008】式(1)においても明らかなように、ドラ
イブ損失は、ゲート入力容量と動作周波数に比例し、ゲ
ート−ソース間電圧の2乗に比例することがわかる。
【0009】ところで、スイッチング電源に使用される
MOS−FETのゲート入力容量は、10A定格の素子
で1270pF、20A定格の素子で2460pFもあ
る。また、ゲート入力容量は見かけ上ドレイン−ソース
電圧の関数であり、ドレイン−ソース電圧が低下して行
くと著しく増加するという性質がある。これは帰還容量
Crssによるためである。
【0010】今、試算として20A定格の素子(Cis
s=2460pF)を使用し、動作周波数を1MHzと
し、ゲート−ソース間電圧(Vgs=15V)とした場
合のドライブ損失を計算すると、Pd=0.56Wとな
る。これは、純粋なMOS−FETのゲート容量による
損失のみを計算したが、この他にドライブトランジスタ
における損失、ダンピング抵抗における損失などを包含
すると、ドライブ回路全体での損失は1W以上となる。
【0011】たとえば、出力電力を定格近くの値で使用
している場合には、比率的には小さい値であるが、負荷
率が低下して行くと大きなウェイトを占めてくる。この
出力電力50Wの直流電源の損失は、効率80%として
計算すると、直流電源内部での損失は12.5Wである。
これは、全損失に占めるゲート−ドライブ損失の8%、
同一電源で負荷率を1/2の25Wとすると、全損失の
約16%をゲート−ドライブ損失が占めることになる。
試算では、動作周波数を1MHzとしたが今後益々高周
波化の方向にあり、現在以上に小型化のネックとなるこ
とは明らかである。
【0012】ここで、図10において、現在良く用いら
れているプライマリー制御方式のスイッチング電源につ
いて説明する。このスイッチング電源は、高周波変換回
路101、整流平滑回路102、整流回路103、出力
電圧第1安定化制御回路104、出力電圧第2安定化制
御回路105、出力電流制限回路106などから構成さ
れている。
【0013】高周波変換回路101は、直流電源1の両
端に接続され、抵抗2、コンデンサ3、高周波変圧器
4、ダイオード5、MOS−FET6、電流検出用の抵
抗7、パルストランス8、抵抗9から構成され、抵抗
2、コンデンサ3およびダイオード5は高周波変圧器4
の1次巻線4aの励磁電流のリセット用となっている。
【0014】整流平滑回路102は、高周波変圧器4の
2次巻線4bの両端に接続され、ダイオード10、リア
クトル11、コンデンサ12、ダイオード13から構成
され、その出力は出力電圧第1安定化制御回路104に
供給されている。
【0015】整流回路103は、高周波変圧器4の3次
巻線4cの両端に接続され、整流用のダイオード14、
フィルター用のコンデンサ15と、さらに制御用のトラ
ンジスタ16、コンデンサ17、抵抗18、定電圧ダイ
オード19から構成され、このプラス側には抵抗20が
接続されている。
【0016】出力電圧第1安定化制御回路104は、整
流平滑回路102の出力端に接続され、分圧用の抵抗2
1,22、制御用素子23、フォトカプラ24の発光ダ
イオード24a、電流抑制用の抵抗25およびコンデン
サ26から構成され、この出力は出力端子27,28を
通して負荷の電子回路29に供給されるようになってい
る。
【0017】出力電圧第2安定化制御回路105は、出
力電圧第1安定化制御回路104のフォトカプラ24の
トランジスタ24b、抵抗30〜32、定電圧ダイオー
ド33、誤差増幅器34から構成され、この出力は電圧
・パルス幅変換回路35、さらにトランジスタ36,3
7で構成されるパルス増幅回路で電力増幅されて、コン
デンサ38、パルストランス8を経由してMOS−FE
T6のゲート−ソース間に印加される。
【0018】出力電流制限回路106は、高周波変換回
路101の電流検出用の抵抗7の両端に接続され、ダイ
オード39、コンデンサ40と、さらに抵抗41〜4
3、定電圧ダイオード44、抵抗45、誤差増幅器46
から構成され、その出力は前述の出力電圧第2安定化制
御回路105の出力に接続されている。
【0019】以上のように構成される電源回路におい
て、MOS−FET6のドレイン電流がi1 、i2 の場
合には、図11に示すように、それぞれ(a) ドレイン−
ソース間電圧Vds、(b) ドレイン電流Id、(c) ゲー
ト−ソース電圧Vgs、(d) ドライブ損失のような時間
に対する特性波形が得られる。
【0020】なお、このようなパルス幅デューティ制御
方式による定電圧電源の回路技術としては、たとえばC
Q出版株式会社、1993年2月10日発行、「改訂ス
イッチング・レギュレータ設計ノウハウ」などに詳述さ
れている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
な技術において、電源回路の定格出力電流比、すなわち
負荷率に対する変換効率をグラフ化してみると図12の
ようになり、従来例による電源回路では、出力電流比が
50%以下になると効率が急激に低下することが明白で
ある。
【0022】また、図13は、スイッチング素子として
使用するパワーMOS−FETのゲート−ソース間電圧
と、MOS−FETのドレイン電流との関係(MOS−
FETの伝達特性)を示したグラフであり、このグラフ
によると、ドレイン電流がId2 と大きい場合には、V
gsはVgs2 の電圧だけ必要であるが、ドレイン電流
がId1 と小さい場合には、VgsはVgs1 と小さい
電圧値でよいことが判る。
【0023】前記のような従来技術においては、負荷率
の低下に伴いゲートドライブ損失の占める割合が増加
し、効率の低下が著しいという問題があり、これは出力
電力の低下に伴い顕著になり、特にバッテリーを電源と
するハンディコンピュータでは大きな問題となってい
る。
【0024】そこで、本発明の目的は、この問題を解決
するために、MOS−FETのドレイン電流は直流電源
の出力電力にほぼ比例するとともに、ゲートのドライブ
電圧はMOS−FETのドレイン電流に比例し、出力電
流が小さい場合にはむやみに過大なゲートのドライブ電
圧を必要としないという特性を利用して、(1).負荷率に
対応してゲートドライブ電圧を変化させる、(2).負荷率
に対応してMOS−FETのゲート入力容量を変化させ
る、という手法を用いることにより、直流電源の効率向
上を図ることができる電源回路を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明における電源回路
は、MOS−FETを1個もしくは複数個使用してスイ
ッチング素子として動作するパルス幅変調方式の電源で
あって、負荷に供給する出力電流またはこの出力電流に
関連する電流を監視する監視回路と、この監視回路によ
る電流値と規定値との関係を判別する判別回路と、この
判別回路の出力結果の信号に基づいて電圧を1/n倍化
する1/n倍化回路とを備えるものである。
【0026】また、本発明の電源回路は、MOS−FE
Tのドレイン電流を監視する監視回路と、この監視回路
による電流値を電圧値に変換する変換回路とを備え、M
OS−FETのドレイン電流が上昇すると電圧値も上昇
し、逆にMOS−FETのドレイン電流が減少すると電
圧値も減少するように構成するものである。
【0027】さらに、本発明の電源回路は、MOS−F
ETを複数個並列接続して使用する場合に、負荷に供給
する出力電流またはこの出力電流に比例する電流を監視
する監視回路と、この監視回路による電流値が規定値の
上か下かの判別を行う判別回路と、この判別回路の出力
結果の信号に基づいて並列接続されたMOS−FETの
ゲートを接続もしくは開離させる接続・開離回路とを備
えるものである。
【0028】
【作用】前記した電源回路によれば、電流の監視回路、
規定値に対する判別回路および電圧の1/n倍化回路が
備えられることにより、電流値が規定値と所定の関係に
ある場合に、1/n倍化回路を動作させてMOS−FE
Tのドライブパルスの電圧レベルを低下させることがで
きる。
【0029】これにより、負荷に対する出力電流、また
はこの出力電流に比例する電流の値が規定値より下回っ
た場合、たとえばスタンバイ状態のような電源回路の出
力電流の減少時に、MOS−FETのドライブ回路に印
加する電圧を基本電圧の1/n倍にしてドライブ回路の
損失を低下させることができる。
【0030】また、上記第2の発明の電源回路によれ
ば、ドレイン電流の監視回路および電圧値への変換回路
が備えられることにより、監視回路によるMOS−FE
Tのドレイン電流が上昇すると、変換回路による電圧値
も上昇し、逆にMOS−FETのドレイン電流が減少す
ると電圧値も減少するように構成し、この電圧値に基づ
いてMOS−FETのドライブパルスの電圧レベルを連
続的に変化させることができる。
【0031】これにより、MOS−FETのドライブ電
圧を連続的に変化させて制御し、たとえばスタンバイ状
態のような電源回路の出力電流の減少時に、MOS−F
ETのドライブ回路に印加する電圧を変化させてドライ
ブ回路の損失を連続的に低下させることができる。
【0032】さらに、上記第3の発明の電源回路によれ
ば、電流の監視回路、規定値に対する判別回路およびゲ
ートの接続・開離回路が備えられることにより、監視回
路により監視された負荷に対する出力電流、またはこの
出力電流に比例する電流の値が、判別回路による判別結
果において規定値より下になった場合に、並列接続され
たMOS−FETのゲートを段階的に切り放すことがで
きる。
【0033】これにより、負荷に対する出力電流、また
はこの出力電流に比例する電流の値に対応させてMOS
−FETの入力容量を段階的に制御し、たとえばスタン
バイ状態のような電源回路の出力電流の減少時に、ドラ
イブ回路の損失を段階的に制御してドライブ回路の損失
を段階的に低下させることができる。
【0034】この結果、特にハンディコンピュータなど
に使用される電源装置の変換効率を負荷率が低いときに
向上させ、スタンバイ時の省エネルギー化を図り、バッ
テリーなどのソース電源の継続使用の長時間化を図るこ
とができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0036】(実施例1)図1は本発明の実施例1であ
る電源回路を示す回路図、図2は本実施例の電源回路に
おける電圧1/2逓倍回路の一例を示す回路図、図3は
電圧1/2逓倍回路のスイッチ駆動回路の一例を示す回
路図、図4は電源回路における各部の動作を説明する波
形図、図5は本実施例における負荷率に対する効率特性
を示す特性図、図6は電圧1/2逓倍回路のスイッチ動
作を示すタイミング図である。
【0037】まず、図1により本実施例の電源回路の構
成を説明する。
【0038】本実施例の電源回路は、たとえばバッテリ
ーを電源として使用する小型電子機器、またはスタンバ
イ状態動作時の消費電力を低く抑えるように設計された
小型電子計算機などの電源に適用され、MOS−FET
を1個使用してスイッチング素子として動作するパルス
幅変調方式の電源回路とされ、高周波変換回路101、
整流平滑回路102、整流回路103、出力電圧第1安
定化制御回路104、出力電圧第2安定化制御回路10
5、出力電流制限回路(監視回路、判別回路)106か
らなる従来の構成に加えて、出力電流制限回路106の
出力信号に基づいて電圧を1/2倍化する電圧1/2逓
倍回路(1/n倍化回路)107が付加された構成とな
っている。なお、図1において、従来の図10の回路例
と同一部品は同一の符号で示してある。
【0039】高周波変換回路101は、直流電源1の両
端に接続され、抵抗2、コンデンサ3、高周波変圧器
4、ダイオード5、スイッチング用のMOS−FET
6、電流検出用の抵抗7、パルストランス8および抵抗
9から構成され、抵抗2、コンデンサ3およびダイオー
ド5は高周波変圧器4の1次巻線4aの励磁電流のリセ
ット用となっている。
【0040】この高周波変換回路101において、直流
電源1のプラス側は高周波変圧器4の1次巻線4aを通
してMOS−FET6のドレイン端子に接続され、ソー
ス端子は電流検出用の抵抗7を通して直流電源1のマイ
ナス側に接続されている。
【0041】整流平滑回路102は、高周波変圧器4の
2次巻線4bの両端に接続され、ダイオード10、リア
クトル11およびコンデンサ12の直列接続と、2次巻
線4bとダイオード10との間に互いのカソード端子が
接続されるダイオード13とから構成され、その出力は
出力電圧第1安定化制御回路104に供給されている。
【0042】整流回路103は、高周波変圧器4の3次
巻線4cの両端に接続され、整流用のダイオード14、
フィルター用のコンデンサ15と、このコンデンサ15
の両端に接続される制御用のトランジスタ16、コンデ
ンサ17と、トランジスタ16のベース端子にコンデン
サ15より抵抗18を通してカソード端子が接続される
定電圧ダイオード19とから構成され、この整流回路1
03のプラス側には、一端が直流電源1のプラス側に接
続される抵抗20の他端が接続されている。
【0043】この定電圧ダイオード19と制御用のトラ
ンジスタ16との動作により、直流電源1の電圧が変化
してもコンデンサ17の電圧は一定となり、通常この電
圧は、制御用素子の動作電圧およびスイッチング用のM
OS−FET6のゲートドライブ電圧として約15Vに
設定されている。
【0044】出力電圧第1安定化制御回路104は、整
流平滑回路102の出力端に接続され、分圧用の抵抗2
1,22、制御用素子23、フォトカプラ24の発光ダ
イオード24aと、電流抑制用の抵抗25およびコンデ
ンサ26より構成され、この安定化された出力電圧は、
出力端子27,28を通して電子回路(負荷)29に供
給されるようになっている。
【0045】出力電圧第2安定化制御回路105は、出
力電圧第1安定化制御回路104のフォトカプラ24の
トランジスタ24bと、抵抗30〜32、定電圧ダイオ
ード33、誤差増幅器34で構成され、この出力は電圧
・パルス幅変換回路35に加えられ、さらにその出力
は、トランジスタ36,37で構成されるパルス増幅回
路で電力増幅されて、コンデンサ38、パルストランス
8、抵抗9を経由してMOS−FET6のゲート−ソー
ス間に印加されている。
【0046】出力電流制限回路106は、高周波変換回
路101の電流検出用の抵抗7の両端に接続され、ダイ
オード39、コンデンサ40が直列接続され、このコン
デンサ40の両端に接続される抵抗41〜43、定電圧
ダイオード44、抵抗45、誤差増幅器46から構成さ
れ、その出力は出力電圧第2安定化制御回路105の出
力に接続されている。
【0047】この出力電流制限回路106において、電
子回路29に供給する出力電流に関連、たとえば比例す
る電流は、電流検出用の抵抗7の両端に接続されたダイ
オード39およびコンデンサ40による監視回路により
監視され、さらにこの監視回路による電流値が、抵抗4
1〜43、定電圧ダイオード44、抵抗45および誤差
増幅器46による判別回路により規定値と所定の関係、
たとえば規定値の上か下かが判別されるようになってい
る。
【0048】電圧1/2逓倍回路107は、整流回路1
03の両端に接続され、図2のような一般的なスイッチ
ドキャパシタ回路47と、図3のようなスイッチドライ
ブ回路48とから構成され、特に電子回路29に供給す
る出力電流に比例する電流の値が規定値より下になった
場合に、MOS−FET6のドライブパルスの電圧レベ
ルを低下させる機能を備え、この出力はパルス電力増幅
回路のバイアス用としてトランジスタ36のコレクタ端
子に供給されている。
【0049】スイッチドキャパシタ回路47は、図2に
示すように、6個のスイッチ(S1)491 〜(S6)
496 とコンデンサ50〜52とから構成され、このス
イッチS1〜S6はスイッチドライブ回路48によりオ
ン/オフされる。なお、図2における各接続点の信号の
符号P,Q,R,Sは図1に付加した符号と合致してい
る。
【0050】スイッチドライブ回路48は、図3に示す
ように、スイッチS1〜S6に対応するドライブ素子
(DR1)531 〜(DR6)536 、MOS−FET
6のドレイン電流の変換電圧Bと、抵抗54と定電圧ダ
イオード55による定電圧が入力される比較増幅器5
6、フリップフロップ動作する2個のNANDゲート5
7,58、プルアップ用の抵抗59,60および発信器
61から構成されている。
【0051】なお、以上のように構成される回路は、た
とえば基板上に組み立てられたり、あるいはハイブリッ
ドまたはモノリシックの集積回路でチップ化された形状
で構成されるようになっている。
【0052】次に、本実施例の動作について、始めに電
源回路の各部の動作を定常時の場合について説明する。
【0053】ここでは、出力端子27,28間の出力電
圧を5V、整流回路103の出力電圧を15Vとして説
明する。この出力端子27,28間の出力電圧は、電子
回路29の要求する電圧、たとえば+12V,−12
V,+3.3Vなどでも良いが、整流回路103の出力電
圧の15Vは、現在使用できるMOS−FET6のゲー
ト−ソース間電圧としては妥当な値である。ただし、こ
こでの電圧は、パルストランス8の巻数比を、通常良く
使用される1:1としたときの値であって、巻数比が異
なれば当然異なった値となることはいうまでもない。
【0054】たとえば、出力端子27,28間の出力電
圧が5Vより低下すると、出力端子27,28間に接続
された分圧用の抵抗21,22の中点の電圧も低下す
る。ここで、制御用素子23に、良く知られているTI
社製TL431と言う素子を使用すれば、この電圧は2.
5Vに設定されている。この設定電圧より低下すると、
制御用素子23は遮断方向に移行するため、フォトカプ
ラ24の発光ダイオード24aに流れる電流も低下す
る。
【0055】そして、このフォトカプラ24の発光ダイ
オード24aに流れる電流が低下すると、フォトカプラ
24のトランジスタ24bに伝達するエネルギーが低下
し、トランジスタ24bは遮断方向に移行するため、誤
差増幅器34の正入力端子の電圧が負入力端子の電圧よ
りも上昇する。これにより、誤差増幅器34の出力電圧
は上昇する。
【0056】さらに、電圧・パルス幅変換回路35を、
誤差増幅器34の出力電圧が上昇するとパルス幅が増加
し、逆に出力電圧が低下するとパルス幅が減少するよう
に構成しておくと、前記動作モードでは、パルス幅が減
少したパルスがトランジスタ36,37で構成するドラ
イブ回路に加えられる。
【0057】そして、トランジスタ36はNPNトラン
ジスタ、トランジスタ37はPNPトランジスタで構成
し、互いのベース端子およびエミッタ端子を接続してお
くと、ドライブ回路を構成するトランジスタ36,37
のエミッタ電圧がベース電圧の変化に伴って同様に変化
し、パルストランス8の2次巻線にも同様の波形が発生
する。
【0058】このパルス電圧を、MOS−FET6のゲ
ート端子に印加すると、MOS−FET6はパルス電圧
波形に対応してオン/オフを行う。このMOS−FET
6がオン、つまり導通すると直流電源1のプラス側より
高周波変圧器4の1次巻線4a、MOS−FET6のド
レイン−ソース間、抵抗7を通して直流電源1のマイナ
ス側へと電流が流れる。
【0059】一方、MOS−FET6がオフ、つまり遮
断方向に動作すると、高周波変圧器4に蓄えられた磁気
エネルギーは、ダイオード5を通してコンデンサ3の電
圧エネルギーに変化する。このとき、抵抗7の両端に発
生する電圧はダイオード39で整流され、コンデンサ4
0に蓄積されて直流電圧となる。
【0060】そして、出力電流が増大してコンデンサ4
0の両端電圧が増加し、この電圧を抵抗41,42で分
圧した電圧が定電圧ダイオード44の電圧よりプラス側
に増大すると、誤差増幅器46の出力電圧は低下し、電
圧・パルス幅変換回路35の出力パルス幅は減少方向に
変化して出力が制限されるために、結局、出力電圧は低
下する。
【0061】以上の定常動作において、スイッチング素
子であるMOS−FET6の各部の波形は図4のように
なり、MOS−FET6のドレイン電流がi1 (A)、
2(B)の場合に、それぞれ(a) ドレイン−ソース間
電圧Vds、(b) ドレイン電流Id、(c) ゲート−ソー
ス電圧Vgs、(d) ドライブ損失のような時間に対する
特性波形となる。
【0062】これにより、従来回路では、図11のよう
に出力電流(MOS−FET6のドレイン電流と等価)
が減少しても、ゲート−ソース間電圧は一定のためにド
ライブ損失は変化しなかったが、本実施例においては、
図4のようにゲート−ソース間電圧をv2 まで低減すれ
ば、ドライブ損失も低減できることがわかる。
【0063】すなわち、MOS−FET6のドレイン電
流の値に対し、従来例(図11)ではゲート−ソース間
電圧がv1 =v2 のため、ドライブ損失が同一である
が、本実施例(図4)では、v1 >v2 となるためにド
ライブ損失が小さくなる。これを、従来例と本実施例に
おける負荷率と効率の特性をグラフ化したものが図5で
あり、曲線Aは従来例における負荷率と効率の特性、曲
線Bは本実施例1における負荷率と効率の特性、さらに
曲線Cは後述する実施例2,3における負荷率と効率の
特性をそれぞれ示している。
【0064】従って、本実施例1を使用することによ
り、図5に示すように出力電流の低下時における効率を
改善でき、これは特にスタンバイ時などにおける省エネ
ルギー化に効果がある。
【0065】続いて、本実施例の特徴となる電圧1/2
逓倍回路107の動作を図2および図3により詳細に説
明する。
【0066】始めに、電圧1/2逓倍回路107の出力
電圧が、入力電圧と同一となる場合を説明する。図2に
おいて、出力電圧V2 は信号R−S間の電圧であり、入
力電圧V1 は信号P−Q間の電圧である。
【0067】まず、MOS−FET6のドレイン端子に
流れる電流を電圧に変換し、この変換された電圧Bを比
較増幅器56の負入力端子に加える。一方、比較増幅器
56の正入力端子には、抵抗54と定電圧ダイオード5
5で作成された定電圧を加える。
【0068】この場合に、定電圧ダイオード55の電圧
よりも電圧Bが大きいときは、比較増幅器56の出力電
圧はLOWレベルとなる。このようにLOWの場合は、
ドライブ素子DR6が動作し、2個のNANDゲート5
7,58で構成されたフリップフロップの動作により、
ドライブ素子DR1,DR3は動作するが、ドライブ素
子DR2,DR4,DR5は不動作となる。
【0069】よって、それぞれのスイッチS1〜S6
は、図6(B)に示すようにオン/オフし、電圧1/2
逓倍回路107の出力電圧V2 は入力電圧V1 と同一と
なり、従って比較増幅器56の出力電圧がLOWレベル
の場合は1/1倍の出力電圧が得られる。
【0070】逆に、定電圧ダイオード55の電圧よりも
電圧Bが小さいときは、比較増幅器56の出力電圧はH
IGHレベルとなる。この場合、NANDゲート57,
58で構成するフリップフロップの出力は、NANDゲ
ート57側の出力がLOW、NANDゲート58側の出
力がHIGHとなるが、入力側に接続されている発信器
61の周期でそれぞれオン/オフする。
【0071】これをタイムチャートで示すと図6(A)
のようになり、このようにスイッチS1〜S6が発信器
61の周期でオン/オフ動作すると、出力電圧V2 は入
力電圧V1 の1/2倍となり、従って比較増幅器56の
出力電圧がHIGHレベルの場合は1/2倍の出力電圧
を得ることができる。
【0072】これにより、MOS−FET6のドレイン
端子に流れる電流がある値を越える場合には、スイッチ
ドライブ回路48に印加される電圧は基本の電圧がその
ままの値となり、ある値を下回る場合には、スイッチド
ライブ回路48に印加される電圧を基本の電圧の1/2
倍とすることができる。
【0073】従って、本実施例の電源回路によれば、高
周波変換回路101、整流平滑回路102、整流回路1
03、出力電圧第1安定化制御回路104、出力電圧第
2安定化制御回路105、出力電流制限回路106によ
る従来の構成に、出力電流制限回路106の出力信号に
基づいて電圧を1/2倍化する電圧1/2逓倍回路10
7が付加されることにより、MOS−FET6のドレイ
ン電流は電源回路の出力電流とほぼ等価であるので、出
力電流が低下するとスイッチング素子であるMOS−F
ET6のドライブ損失も低下することになり、これによ
って出力電流の減少時におけるドライブ回路の損失を低
下させ、電源装置の効率を向上させることができる。
【0074】また、この電源回路において、発信器61
は別途設置する必要はなく、電源回路ユニット内に保有
する発信回路パルスを使用することでも良く、またスイ
ッチドキャパシタ回路47は、集積回路などに集積する
ことによって小さく、かつ安価に構成することができ
る。
【0075】さらに、本実施例においては、スイッチS
1〜S6と一般的に呼称したが、具体的にはフォトモス
リレーなどの素子で構成が可能である。
【0076】また、1/n倍化回路として電圧1/2逓
倍回路107を説明したが、同様に1/3逓倍回路、1
/4逓倍回路も同様な回路で構成でき、さらに本実施例
では、効率を低下させることなく、電圧を1/n逓倍す
る手段としてスイッチドキャパシタ回路47で構成した
が、これに代わる手法であっても良いことはいうまでも
ない。
【0077】(実施例2)図7は本発明の実施例2であ
る電源回路を示す回路図である。
【0078】本実施例の電源回路は、実施例1と同様に
MOS−FETを1個使用してスイッチング素子として
動作するパルス幅変調方式の電源回路とされ、図7に示
すように高周波変換回路101、整流平滑回路102、
整流回路103、出力電圧第1安定化制御回路104、
出力電圧第2安定化制御回路105などから構成され、
実施例1との相違点は、MOS−FET6のドレイン電
流を監視する監視回路108と、この監視回路108に
よる電流値を電圧値に変換する変換回路109とを備え
ている点である。なお、図7において、実施例1の回路
と同一部品は同一の符号で示してある。
【0079】すなわち、本実施例においては、監視回路
108によるMOS−FET6のドレイン電流が上昇さ
れると、変換回路109による電圧値も上昇され、逆に
MOS−FET6のドレイン電流が減少されると電圧値
も減少されるように構成され、電圧値に基づいてMOS
−FET6のドライブパルスの電圧レベルが連続的に変
化されるようになっている。
【0080】詳細には、図7に示すように、監視回路1
08としての電流変成器62は、直流電源1のプラス側
より高周波変圧器4の1次巻線4a、MOS−FET6
のドレイン−ソース間を経由して電流変成器62の1次
巻線62aに接続され、そして直流電源1のマイナス側
に接続されている。
【0081】また、電流変成器62の2次巻線62b
は、抵抗63、ダイオード64およびコンデンサ65に
よる変換回路109に接続され、2次巻線62bに発生
する電流が抵抗63により電圧に変換され、この電圧が
ダイオード64およびコンデンサ65により整流して平
滑される。
【0082】さらに、抵抗66は、MOS−FET6の
ドレイン端子に流れる電流が非常に小さいときに、トラ
ンジスタ36へのバイアス電圧がゼロとなってドライブ
不能となることを防止するために接続されている。
【0083】次に、本実施例の作用について説明する。
なお、一般的な回路動作は、実施例1と同等のため、異
なる部位のみを説明するものとする。
【0084】まず、MOS−FET6がパルス動作を行
うと、電流変成器62の1次巻線62aには負荷電流に
対応したパルス電流が流れる。この電流により、電流変
成器62の2次巻線62bには電流変成器62の巻数比
に対応した電流が流れる。
【0085】この電流変成器62の1次電流と2次電流
は、等アンペアターンの法則より、 N1 ×I1 =N2 ×I2 ・・・・・・・式(2) N1 :1次側巻数 N2 :2次側巻数 I1 :1次巻線の電流 I2 :2次巻線の電流 の関係式が成立する。
【0086】そして、2次巻線62bに発生する電流を
抵抗63により電圧に変換し、この電圧をダイオード6
4およびコンデンサ65により整流、平滑して過電流検
出用の検知電圧にするとともに、ドライブ回路のバイア
ス電圧としてトランジスタ36のコレクタに印加する。
【0087】ここで、たとえば電源回路の最大電流供給
時には、コンデンサ65の両端電圧を15V、最小出力
電流時の電圧を約5Vに設定しておけば、ドライブ損失
における最大時と最小時の損失比は1/9となる。
【0088】また、コンデンサ65の両端電圧は出力電
流に比例するので、出力電流の減少とともにドライブ回
路のバイアス電圧も減少し、結局、ドライブ回路の損失
も連続的に減少する。また、コンデンサ65の両端電圧
は、式(2)に示されるように巻数比により簡単に設定
が可能である。
【0089】従って、本実施例の電源回路によれば、高
周波変換回路101、整流平滑回路102、整流回路1
03、出力電圧第1安定化制御回路104、出力電圧第
2安定化制御回路105の他に、監視回路108および
変換回路109が備えられることにより、出力電流の減
少に比例させてドライブ回路のバイアス電圧を減少させ
ることができるので、ドライブ回路の損失を連続的に減
少させ、実施例1と同様に電源装置の効率の向上を図る
ことができる。
【0090】なお、本実施例2においては、実施例1の
図5に示す曲線Cの負荷率と効率の特性グラフのよう
に、実施例1の曲線Bに比べてさらに出力電流の低下時
における効率を連続的に改善することができる。
【0091】(実施例3)図8は本発明の実施例3であ
る電源回路を示す回路図、図9は本実施例の電源回路に
おけるMOS−FETの接続・開離回路の一例を示す回
路図である。
【0092】本実施例の電源回路は、MOS−FETを
複数個並列接続して使用し、スイッチング素子として動
作するパルス幅変調方式の電源回路とされ、図8に示す
ように高周波変換回路101、整流平滑回路102、整
流回路103、出力電圧第1安定化制御回路104、出
力電圧第2安定化制御回路105、出力電流制限回路
(監視回路、判別回路)106などから構成され、実施
例1および2との相違点は、電流の監視機能および規定
値に対する判別機能の他に、出力電流制限回路106の
出力結果の信号に基づいて並列接続されたMOS−FE
Tのゲートを接続もしくは開離させる接続・開離回路1
10を備えている点である。
【0093】すなわち、本実施例においては、特に出力
電流制限回路106の監視機能による負荷に供給する出
力電流に比例する電流の値が、判定機能による判定結果
が規定値より下になった場合に、並列接続されたMOS
−FETのゲートが接続・開離回路110により段階的
に切り離されるようになっている。
【0094】詳細には、図9に示すように、スイッチ
(S1)671 〜(S8)678 と、このスイッチS1
〜S8に対応するドライブ素子(DR1)681 〜(D
R8)688 、MOS−FET691 〜698 および抵
抗701 〜708 と、4bitのA/Dコンバータ71
と、8bitのデコーダ72およびダイオードマトリッ
クス回路73から構成されている。
【0095】これらのスイッチS1〜S8は、それぞれ
ドライブ素子DR1〜DR8に対応し、それぞれのスイ
ッチS1〜S8は一端が全て同一端子に接続され、他端
がそれぞれMOS−FET691 〜698 のゲート端子
に抵抗701 〜708 を通して接続されている。たとえ
ば、スイッチS1は、抵抗701 を通してMOS−FE
T691 に、スイッチS2は、抵抗702 を通してMO
S−FET692 に接続され、以下同様に8個のMOS
−FET691 〜698 が並列に接続されている。
【0096】次に、本実施例の作用について説明する。
なお、一般的な回路動作は、実施例1の図1と同等のた
め、異なる部位のみを説明するものとする。
【0097】まず、MOS−FET691 〜698 のド
レイン端子を流れる電流を電圧に変換した信号電圧をd
とし、この電圧dをA/Dコンバータ71に入力する。
このA/Dコンバータ71では、入力電圧dの値に対応
してディジタル信号に変換する。
【0098】そして、この2進化信号をデコーダ72に
入力し、出力信号をダイオードマトリックス回路73で
集積してそれぞれのドライブ素子DR1〜DR8をドラ
イブするように構成する。たとえば、bit0がLOW
の場合にはドライブ素子DR1が動作、bit1がLO
Wの場合にはドライブ素子DR2が動作し、以下ドライ
ブ素子DR3〜DR8についても同じように構成する。
【0099】ここで、信号電圧dが予想された電圧値の
上限の場合には、ドライブ素子DR1〜DR8の全てが
動作し、これに連動するスイッチS1〜S8の全てが閉
じて、信号bのゲートドライブ信号はMOS−FET6
1 〜698 に供給されて全てのMOS−FET691
〜698 が動作する。
【0100】この状態におけるゲート損失は、 Pg=8×Cgs×Vgs2 ×f ・・・・・式(3) となる。
【0101】逆に、信号電圧dが予想された電圧値の下
限の場合には、ドライブ素子DR1のみが動作するよう
にA/Dコンバータ71、デコーダ72、ダイオードマ
トリックス回路73を構成しておけばスイッチS1のみ
がクローズとなり、MOS−FET691 のみに信号が
加えられ、他のMOS−FET692 〜698 にはゲー
ト信号が入力されないために不動作となる。
【0102】この状態におけるゲート損失は、 Pg=1×Cgs×Vgs2 ×f ・・・・・式(4) となり、全てのMOS−FET692 〜698 が動作す
る場合の1/8となる。
【0103】同様に、電圧値に応じて動作させるドライ
ブ素子DR1〜DR8を選択し、これに連動させてスイ
ッチS1〜S8を閉じることにより、MOS−FET6
1〜698 に供給するゲートドライブ信号を制御し、
MOS−FET691 〜698 の入力容量を段階的に減
少させることができる。
【0104】従って、本実施例の電源回路によれば、高
周波変換回路101、整流平滑回路102、整流回路1
03、出力電圧第1安定化制御回路104、出力電圧第
2安定化制御回路105、出力電流制限回路106の他
に、接続・開離回路110が備えられることにより、出
力電流に対応させてMOS−FET691 〜698 の入
力容量を制御して減少させることができるので、ドライ
ブ回路の損失を段階的に減少させ、実施例1と同様に電
源装置の効率の向上を図ることができる。
【0105】なお、本実施例において、接続・開離回路
110の回路構成の形状は、たとえば基板上に組み立て
られたものと、またハイブリッドまたはモノリシックの
集積回路でチップ化したものとで差異を付けるものでは
ない。
【0106】また、本実施例では、それぞれの素子を8
個使用したが、この数より少なくても多くても構わず、
さらにモノリシックIC化することにより、64個、2
56個なども簡単に構成することができる。
【0107】本発明は前記実施例に限定されるものでは
なく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である
ことはいうまでもない。
【0108】たとえば、前記実施例の電源回路において
は、いずれも直流電源1による直流電圧を印加する場合
について説明したが、本発明は前記実施例に限定される
ものではなく、交流電源からの交流電圧を整流し、ろ波
回路を設置して生成した直流電圧を印加する場合などに
ついても広く適用可能である。
【0109】また、前記実施例では、プライマリー制御
方式としたが、たとえば制御回路用電源を別途用意する
方式や、2次側制御方式であっても構わず、さらにそれ
ぞれの回路、およびそれぞれの一部もしくは一部を組み
合わせて構成することにより、広い出力電力範囲に渡っ
て効率を高めることも可能である。
【0110】たとえば、MOS−FETを複数個並列接
続して動作させる場合に、MOS−FETのドレイン電
流を監視する回路と、この電流値が規定値の上か下かの
判別を行う回路と、この判別回路の出力結果の信号に基
づいて並列接続されてなるMOS−FETのゲートを接
続もしくは開離させる回路を備えて、並列接続されるM
OS−FETのゲートを段階的に切り放すように構成す
ることができる。
【0111】また、MOS−FETのドレイン電流を監
視する回路と、この電流値が規定値の上か下かの判別を
行う回路と、この判別回路の出力結果の信号に基づいて
電圧を1/n倍化する回路とを備えて、1/n倍化によ
りMOS−FETのドライブ電圧を低下させるように構
成することも可能である。
【0112】さらに、MOS−FETのドレイン電流を
監視する回路と、この電流値を電圧値に変換する回路
と、電圧値に基づいて並列接続されるMOS−FETの
ゲートを接続もしくは開離させる回路を備え、MOS−
FETのドレイン電流が上昇すると並列個数を多くし、
減少すると並列個数を減少させるように構成して、電圧
値に基づいてMOS−FETの並列個数をきめ細かく、
ほぼ連続的に制御させるように構成することも可能であ
る。
【0113】また、実施例1および2においては、MO
S−FET6を1個使用したパルス幅変調方式の電源回
路としたが、複数個のMOS−FETによるスイッチン
グ素子を使用した回路構成とすることも可能である。
【0114】さらに、実施例1および3の監視回路とし
ては、負荷の出力電流に比例する電流を監視する場合の
他に、負荷に供給する出力電流そのものを監視する場合
についても適用可能である。
【0115】以上の説明では、主として本発明者によっ
てなされた発明をその利用分野であるバッテリーを電源
として使用する小型電子機器、スタンバイ状態動作時の
消費電力を低く抑えるように設計された小型電子計算機
などの電源に用いられる電源回路に適用した場合につい
て説明したが、これに限定されるものではなく、他の電
源、もしくは電子機器、システムなどについても広く適
用可能である。
【0116】たとえば、MOS−FETを複数個使用し
てスイッチング素子として動作する電力変換装置などに
おいて、出力電流もしくは負荷率を監視する回路と、こ
の値がどのレベルにあるかを判断する回路と、信号にて
制御できる電源とを備え、出力電流もしくは負荷率の値
によって制御電源の電圧を変化させるように構成する電
力変換装置もしくは電力変換システムなどにも適用する
ことができる。
【0117】
【発明の効果】
(1).本発明によれば、電源回路の出力電流の減少時にM
OS−FETのドライブ回路に印加する電圧を基本電圧
の1/n倍にすることができるので、ドライブ回路の損
失を低減することが可能となる。
【0118】(2).また本発明によれば、MOS−FET
のドレイン電流が上昇すると電圧値も上昇し、逆にMO
S−FETのドレイン電流が減少すると電圧値も減少す
るように構成することにより、MOS−FETのドライ
ブ電圧を連続的に変化させて制御することができるの
で、ドライブ回路の損失を連続的に低減することが可能
となる。
【0119】(3).さらに本発明によれば、負荷に供給す
る出力電流またはこの出力電流に比例する電流を監視
し、この監視の結果に基づいて並列接続されたMOS−
FETのゲートを接続もしくは開離させる接続・開離回
路を備えることにより、負荷に対する出力電流、または
この出力電流に比例する電流の値に対応させてMOS−
FETの入力容量を段階的に制御することができるの
で、ドライブ回路の損失を段階的に低減させることが可
能となる。
【0120】(4).前記(1) 〜(3) により、特にバッテリ
ーを電源として使用する小型電子機器、およびスタンバ
イ状態動作時の消費電力を低く抑えるように設計された
小型電子計算機などの電源に用い、電源の変換効率を負
荷率が低い出力電流低下時に向上させ、スタンバイ時の
省エネルギー化と、ソース電源の継続使用の長時間化と
が可能とされる電源回路を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1である電源回路を示す回路図
である。
【図2】実施例1の電源回路における電圧1/2逓倍回
路の一例を示す回路図である。
【図3】実施例1において、電圧1/2逓倍回路のスイ
ッチ駆動回路の一例を示す回路図である。
【図4】実施例1の電源回路における各部の動作を説明
する波形図である。
【図5】実施例1において、負荷率に対する効率特性を
示す特性図である。
【図6】実施例1において、電圧1/2逓倍回路のスイ
ッチ動作を示すタイミング図である。
【図7】本発明の実施例2である電源回路を示す回路図
である。
【図8】本発明の実施例3である電源回路を示す回路図
である。
【図9】実施例3の電源回路におけるMOS−FETの
接続・開離回路の一例を示す回路図である。
【図10】従来技術の一例である電源回路を示す回路図
である。
【図11】従来技術の一例である電源回路における各部
の動作を説明する波形図である。
【図12】従来技術の一例である電源回路における負荷
率に対する効率特性を示す特性図である。
【図13】従来技術の一例である電源回路において、M
OS−FETの伝達特性を示す特性図である。
【符号の説明】
1・・直流電源,6・・MOS−FET,29・・電子
回路(負荷),35・・電圧・パルス幅変換回路,10
1・・高周波変換回路,102・・整流平滑回路,10
3・・整流回路,104・・出力電圧第1安定化制御回
路,105・・出力電圧第2安定化制御回路,106・
・出力電流制限回路(監視回路、判別回路),107・
・電圧1/2逓倍回路(1/n倍化回路),108・・
監視回路,109・・変換回路,110・・接続・開離
回路
フロントページの続き (72)発明者 大森 哲男 神奈川県海老名市下今泉810番地 株式会 社日立製作所オフィスシステム事業部内 (72)発明者 藤江 利章 神奈川県海老名市下今泉810番地 株式会 社日立製作所オフィスシステム事業部内 (72)発明者 水上 俊彦 神奈川県海老名市下今泉810番地 株式会 社日立製作所オフィスシステム事業部内 (72)発明者 嵯峨 晃治 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立コンピュータエレクトロニクス内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MOS−FETを1個もしくは複数個使
    用してスイッチング素子として動作するパルス幅変調方
    式の電源であって、負荷に供給する出力電流または該出
    力電流に関連する電流を監視する監視回路と、該監視回
    路による電流値と規定値との関係を判別する判別回路
    と、該判別回路の出力結果の信号に基づいて電圧を1/
    n倍化する1/n倍化回路とを備え、電流値が規定値と
    所定の関係にある場合に、前記1/n倍化回路が動作し
    てMOS−FETのドライブパルスの電圧レベルを低下
    させるように構成されていることを特徴とする電源回
    路。
  2. 【請求項2】 MOS−FETを1個もしくは複数個使
    用してスイッチング素子として動作するパルス幅変調方
    式の電源であって、前記MOS−FETのドレイン電流
    を監視する監視回路と、該監視回路による電流値を電圧
    値に変換する変換回路とを備え、前記MOS−FETの
    ドレイン電流が上昇すると電圧値も上昇し、逆に前記M
    OS−FETのドレイン電流が減少すると電圧値も減少
    するように構成し、前記電圧値に基づいて前記MOS−
    FETのドライブパルスの電圧レベルを連続的に変化さ
    せるように構成されていることを特徴とする電源回路。
  3. 【請求項3】 MOS−FETを複数個並列接続して使
    用し、スイッチング素子として動作するパルス幅変調方
    式の電源であって、負荷に供給する出力電流または該出
    力電流に比例する電流を監視する監視回路と、該監視回
    路による電流値が規定値の上か下かの判別を行う判別回
    路と、該判別回路の出力結果の信号に基づいて並列接続
    された前記MOS−FETのゲートを接続もしくは開離
    させる接続・開離回路とを備え、前記負荷に供給する出
    力電流または該出力電流に比例する電流の値が規定値よ
    り下になった場合に、前記並列接続されたMOS−FE
    Tのゲートを段階的に切り放すように構成されているこ
    とを特徴とする電源回路。
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JP2009136138A (ja) * 2007-11-07 2009-06-18 Panasonic Corp パワースイッチング素子の駆動回路、その駆動方法及びスイッチング電源装置
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