JPH0719280U - ステップチェーン摩耗検出器の点検治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乗客コンベアのステップチェーン摩耗の点検
作業を容易かつ的確に実施できるステップチェーン摩耗
検出器の点検治具を提供すること。 【構成】 引っ張りばね１の軸３の軸端付近に同軸的に
取り付けられた円盤形作動片５１または５２に対して同
一円弧をなして着脱自在に弾着される装着部分７１と、
装着部分７１によりこれに対して直角をなすように支持
され、前記円弧と同心的円弧断面を有して検出器６の下
端の位置決めをする底部７２と底部７２の所定の位置か
ら直角に立ち上がり検出器６の前または後側端の位置決
めをする側部を主たる構成要素とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、乗客コンベアのステップチェーン摩耗検出器の点検治具に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

この種の参考公知例としては特開昭５４−１２２５９２号公報及び実開昭５４ −１５６３９１号公報等があげられる。前者は、従動側の駆動ギヤの移動量を明 示するために、従動側の駆動ギヤの移動に応じて後退移動する部分にスケールを 取り付けて、ステップチェーンの摩耗を管理するものであり、後者は、従動側の 駆動ギヤの移動に応じて後退移動する部分の延長上に安全スイッチを設けて、ス テップチェーンの摩耗限界を自動的に検出しようとするものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記参考公知例の前者による時は、ステップチェーンの摩耗を従動側駆動ギヤ の後退量として数値把握できるが、安全スイッチが無いので、例えばステップチ ェーンが突然異常に伸びる、すなわちチェーン切断時などの対策とはなり得ず、 また、後者による時は安全スイッチが作動するまでにばねが伸び切るおそれがあ り、従動側駆動ギヤの後退量の経過の把握が十分でない。そこで、この両者の短 所を相補うべく前記後退限界に検出器を設けると共に検出器と従動側駆動ギヤ応 動部分との相関位置が把握できるスケールを前記応動部分に取り付けることも検 討されたが、スケールが何かの拍子に検出器に接触して誤動作する恐れもあるこ とから、点検の時にばねの復帰力を所定値に調整するため、前記応動部分に簡単 に装着できて作業を容易にする前記スケール相当品が求められていた。

【０００４】 この考案の目的は、簡単に取り付けられ、点検作業を容易化することのできる ステップチェーン摩耗検出器の点検治具を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するためにこの考案は、乗客コンベアのステップチェーンを駆 動する従動ギヤの引っ張りばねの軸端付近に同軸的に取り付けられた円盤形作動 片との接触によって前記従動ギヤの後退限界を検出するステップチェーン摩耗検 出器の点検治具において、前記円盤形作動片に対して同一円弧を有して着脱自在 に取り付けられる装着部分と、この装着部分により、この装着部分に対して直角 をなすように支持され、前記円弧と同心的円弧断面を有して前記検出器の下端の 位置決めをする底部と、この底部の所定の位置から直角に立ち上がり、前記検出 器の前または後側端に当接する側部とを備えたものである。

【０００６】

【作用】

この考案によれば、ステップチェーン摩耗検出器と作動片との相関位置点検時 に、それまでにばねの伸びによって後退移動した従動側駆動ギヤ応動部分、すな わち円盤形作動片に簡単に取り付けられて点検作業を容易化するステップチェー ン摩耗検出器の点検治具を提供することができる。

【０００７】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図１および図２により説明する。

【０００８】 図１は点検治具を装着したステップチェーン摩耗検出器付近の要部側面図、図 ２は図１の要部説明図である。

【０００９】 図において、１は乗客コンベアのステップチェーンを駆動する従動側ギヤの引 っ張りばね、３は引っ張りばね１の軸、２は引っ張りばね１の座金、４は乗客コ ンベアの固定部分にボルト等で固定された引っ張りばねの軸３の案内ブラケット 、５１、５２は引っ張りばね１の復帰力調整時に検出器６との関係で螺進調整さ れる円盤形作動片、７はこの考案のステップチェーン摩耗検出器の点検治具、７ １は円盤形作動片５２に対して同一円弧を有して着脱自在に取り付けられる弾着 式装着部分、７２は弾着式装着部分７１に対して直角をなすように支持され、前 記円弧と同心的円弧断面を有して検出器６の下端の位置決めをする底部、７３は 底部７２の所定の位置から直角に立ち上がり検出器６の前端に当接する側部、９ は円盤形作動片５１、５２相互を所定の間隔に保つため軸３に嵌められたカラー 状スペーサ、１０、１１はそれぞれ円盤形作動片５１、５２を軸３に沿って螺進 退させるナットである。

【００１０】 以上のような構成においてステップチェーンの摩耗状態を点検するに当っては 、まず円盤形作動片５２の縁にステップチェーン摩耗検出器の点検治具７の装着 部分７１を一杯に挿し込んで弾着させ、装着部分７１を円盤形作動片５２の縁に 沿わせながらずらして底部７２、側部７３と検出器６の位置関係を目視する。こ のとき側部７３が検出器６に重なるようであれば、図２のように側部７３が検出 器６に当接するようにナット１０、１１を螺進退させるのである。底部７２と検 出器６の位置関係は一度セットした後は殆ど変化することはない。

【００１１】 この実施例では治具７を作動片５２に装着させたが、作動型５１に装着させる ように治具７を作成してもよく、要は装着部分７１を円盤形作動片５１または５ ２と同一円弧として間隙なく密着を保ちながら作動方の円周に沿ってずらすこと を可能とすることである。

【００１２】

【考案の効果】

この考案によれば、ステップチェーン摩耗検出器と作動片との相関位置点検時 に、それまでにばねの伸びによって後退移動した従動側駆動ギヤ応動部分、すな わち円盤形作動片に簡単に取り付けられて点検作業を容易化するステップチェー ン摩耗検出器の点検治具を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のステップチェーン摩耗検出器の点検治
具の一実施例を示す要部側面図である。

【図２】図１の要部説明図である。

【符号の説明】

１ 引っ張りばね ２ ばね座 ３ 軸 ４ ブラケット ５１、５２ 作動片 ６ 検出器 ７ ステップチェーン摩耗検出器の点検治具 ７１ 装着部分 ７２ 底部 ７３ 側部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗客コンベアのステップチェーンを駆動
   する従動ギヤの引っ張りばねの軸端付近に同軸的に取り
   付けられた円盤形作動片との接触によって前記従動ギヤ
   の後退限界を検出するステップチェーン摩耗検出器の点
   検治具において、前記円盤形作動片に対して同一円弧を
   有して着脱自在に取り付けられる装着部分と、この装着
   部分により、この装着部分に対して直角をなすように支
   持され、前記円弧と同心的円弧断面を有して前記検出器
   の下端の位置決めをする底部と、この底部の所定の位置
   から直角に立ち上がり、前記検出器の前または後側端に
   当接する側部とを備えたことを特徴とするステップチェ
   ーン摩耗検出器の点検治具。