JPH0719220A - 繊維強化複合材料からなるボルト用基材 - Google Patents
繊維強化複合材料からなるボルト用基材Info
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- JPH0719220A JPH0719220A JP16250693A JP16250693A JPH0719220A JP H0719220 A JPH0719220 A JP H0719220A JP 16250693 A JP16250693 A JP 16250693A JP 16250693 A JP16250693 A JP 16250693A JP H0719220 A JPH0719220 A JP H0719220A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 繊維の持つ強度特性を十分に発揮させ、しか
も、ボルトの製作加工も容易化し得る繊維強化複合材料
からなるボルト基材を提供すること。 【構成】 UDシート(1)(2)(3)のみ又は織物
シート(7)(8)のみ或いはこれらの組合せ積層物
を、強化繊維の配列方向がボルトの軸方向に対して0
度、90度、±θ度となるように組合せ積層し、マトリ
ックスを含浸させ、硬化又は焼成して構成した。上記積
層物にはウェブ(9)を重ねてニードルパンチングして
もよい。また、三次元織物(10)を使用してもよい。
も、ボルトの製作加工も容易化し得る繊維強化複合材料
からなるボルト基材を提供すること。 【構成】 UDシート(1)(2)(3)のみ又は織物
シート(7)(8)のみ或いはこれらの組合せ積層物
を、強化繊維の配列方向がボルトの軸方向に対して0
度、90度、±θ度となるように組合せ積層し、マトリ
ックスを含浸させ、硬化又は焼成して構成した。上記積
層物にはウェブ(9)を重ねてニードルパンチングして
もよい。また、三次元織物(10)を使用してもよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高耐熱性、高強度、軽
量化等が要求される用途、例えば、宇宙航空産業等で利
用される繊維強化複合材料からなるボルト用基材に関
し、更に詳しくは、樹脂、炭素、セラミックス、金属等
を母材にし、硝子繊維、アラミド繊維、炭素繊維や炭化
珪素繊維等の強化繊維で強化された繊維強化複合材料か
らなるボルト用基材に関するものである。
量化等が要求される用途、例えば、宇宙航空産業等で利
用される繊維強化複合材料からなるボルト用基材に関
し、更に詳しくは、樹脂、炭素、セラミックス、金属等
を母材にし、硝子繊維、アラミド繊維、炭素繊維や炭化
珪素繊維等の強化繊維で強化された繊維強化複合材料か
らなるボルト用基材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化プラスチックスからなる
ボルトが特開昭61−130605号公報に紹介されて
いる。これは、図10の(A)(B)に示すように、ボ
ルト(a)の長さ方向と強化繊維(d)の配列が0−9
0度になるような配列状態を採っている。この場合、上
記0−90度とは、ボルト(a)の長さ方向に対する強
化繊維の配列の向きが、ボルト(a)の長さ方向と同一
方向に配置されている繊維の方向を0度とし、ボルト
(a)の長さ方向と直交する方向に配置されている繊維
の方向を90度として表わしたものと理解されたい。
ボルトが特開昭61−130605号公報に紹介されて
いる。これは、図10の(A)(B)に示すように、ボ
ルト(a)の長さ方向と強化繊維(d)の配列が0−9
0度になるような配列状態を採っている。この場合、上
記0−90度とは、ボルト(a)の長さ方向に対する強
化繊維の配列の向きが、ボルト(a)の長さ方向と同一
方向に配置されている繊維の方向を0度とし、ボルト
(a)の長さ方向と直交する方向に配置されている繊維
の方向を90度として表わしたものと理解されたい。
【0003】強化繊維の配列状態が上記0−90度のボ
ルト(a)のネジ山に図10の(B)上に示すように矢
印方向の剪断荷重(P)がかかった場合、90度方向の
繊維がこの剪断荷重を受けることになり、この場合の引
張、圧縮応力(σt)(σc)は同図下に示したよう
に、強化繊維の配列方向と異なっている。従って、ネジ
山強度は、90度方向の繊維の充填率に影響されること
になる。この90度方向の繊維の充填率を増加させた場
合、引張強度が低下するという問題点が生じる。さら
に、繊維の持つ高強度特性は、引張や圧縮荷重を受けた
場合に発揮されるものであり、上記90度方向の繊維の
ように受ける応力が剪断であると、繊維の強度を十分に
発揮させることができない。
ルト(a)のネジ山に図10の(B)上に示すように矢
印方向の剪断荷重(P)がかかった場合、90度方向の
繊維がこの剪断荷重を受けることになり、この場合の引
張、圧縮応力(σt)(σc)は同図下に示したよう
に、強化繊維の配列方向と異なっている。従って、ネジ
山強度は、90度方向の繊維の充填率に影響されること
になる。この90度方向の繊維の充填率を増加させた場
合、引張強度が低下するという問題点が生じる。さら
に、繊維の持つ高強度特性は、引張や圧縮荷重を受けた
場合に発揮されるものであり、上記90度方向の繊維の
ように受ける応力が剪断であると、繊維の強度を十分に
発揮させることができない。
【0004】また、ネジ山と同一形状に繊維を配置して
強化する方法も提案されてきたが、ネジ部とロッド部の
つながりがなかったり、ネジピッチが小さい場合、繊維
の太さの関係上、目的とするネジピッチが得られなかっ
たり、非常にコスト高になるという欠点があった。
強化する方法も提案されてきたが、ネジ部とロッド部の
つながりがなかったり、ネジピッチが小さい場合、繊維
の太さの関係上、目的とするネジピッチが得られなかっ
たり、非常にコスト高になるという欠点があった。
【0005】さらに、ネジ山強度を上げる方法として、
ナットの厚みを大きくする方法もあるが、この場合、通
常の金属製ナットの倍程度の厚みを必要とし、一般ボル
ト材からかけ離れた材料になり、使用できない場合が多
い。
ナットの厚みを大きくする方法もあるが、この場合、通
常の金属製ナットの倍程度の厚みを必要とし、一般ボル
ト材からかけ離れた材料になり、使用できない場合が多
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
のボルト用繊維強化複合材料は、実用面で解決すべき問
題点が多く残されていた。
のボルト用繊維強化複合材料は、実用面で解決すべき問
題点が多く残されていた。
【0007】本発明は、従来技術の上記問題点に鑑みて
提案されたもので、その目的とするところは、繊維の持
つ強度特性を十分に発揮させ、しかも、ボルトの製作加
工も容易化し得る繊維強化複合材料からなるボルト用基
材を提供することにある。
提案されたもので、その目的とするところは、繊維の持
つ強度特性を十分に発揮させ、しかも、ボルトの製作加
工も容易化し得る繊維強化複合材料からなるボルト用基
材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、UDシートの繊維の配列方向を、ボルト
の軸方向に対して、0度のUDシートと±θ度(但し、
+θ=+45〜+60度、−θ=−45〜−60度
で、+θと−θは1:1の割合)のUDシートとを±θ
と0度との割合を85:15〜40:60として複数枚
積層してマトリックスを含浸させ、硬化又は焼成して繊
維強化複合材料からなるボルト用基材を構成したことを
特徴とする。
め、本発明は、UDシートの繊維の配列方向を、ボルト
の軸方向に対して、0度のUDシートと±θ度(但し、
+θ=+45〜+60度、−θ=−45〜−60度
で、+θと−θは1:1の割合)のUDシートとを±θ
と0度との割合を85:15〜40:60として複数枚
積層してマトリックスを含浸させ、硬化又は焼成して繊
維強化複合材料からなるボルト用基材を構成したことを
特徴とする。
【0009】また本発明は、繊度並びに経、緯密度が同
一の織物シートを、ボルトの軸方向に対して、繊維配列
方向が45度(−45度)の織物シートと0度(90
度)の織物シートとを85:15〜40:60の割合で
複数枚積層してマトリックスを含浸させ、硬化又は焼成
して繊維強化複合材料からなるボルト用基材を構成した
ことを特徴とする。
一の織物シートを、ボルトの軸方向に対して、繊維配列
方向が45度(−45度)の織物シートと0度(90
度)の織物シートとを85:15〜40:60の割合で
複数枚積層してマトリックスを含浸させ、硬化又は焼成
して繊維強化複合材料からなるボルト用基材を構成した
ことを特徴とする。
【0010】さらに本発明は、UDシートと織物シート
とを、ボルトの軸方向に対して、繊維配列方向が0度、
90度及び±θ度(但しθは、0<θ>90)となり、
かつ、±θ度方向と(0度+90度)方向の繊維配向割
合を85:15〜40:60として複数枚組み合わせて
積層してマトリックスを含浸させ、硬化又は焼成して繊
維強化複合材料からなるボルト用基材を構成したことを
特徴とする。
とを、ボルトの軸方向に対して、繊維配列方向が0度、
90度及び±θ度(但しθは、0<θ>90)となり、
かつ、±θ度方向と(0度+90度)方向の繊維配向割
合を85:15〜40:60として複数枚組み合わせて
積層してマトリックスを含浸させ、硬化又は焼成して繊
維強化複合材料からなるボルト用基材を構成したことを
特徴とする。
【0011】また本発明は、上記のいずれかに記載の積
層物の表面、裏面、中間層面のいずれか1面、2面又は
複数面にウェブを積層し、ニードルパンチングを施し、
マトリックスを含浸させ、硬化又は焼成して繊維強化複
合材料からなるボルト用基材を構成したことを特徴とす
る。
層物の表面、裏面、中間層面のいずれか1面、2面又は
複数面にウェブを積層し、ニードルパンチングを施し、
マトリックスを含浸させ、硬化又は焼成して繊維強化複
合材料からなるボルト用基材を構成したことを特徴とす
る。
【0012】更にまた本発明は、ボルトの軸方向に対し
て、繊維配列方向が0度、90度、+θ度、−θ度(但
しθは、0<θ>90)及びこれらの繊維配向面と直交
する方向に配向して製織した三次元織物にマトリックス
を含浸させ、硬化又は焼成して繊維強化複合材料からな
るボルト用基材を構成したことを特徴とする。
て、繊維配列方向が0度、90度、+θ度、−θ度(但
しθは、0<θ>90)及びこれらの繊維配向面と直交
する方向に配向して製織した三次元織物にマトリックス
を含浸させ、硬化又は焼成して繊維強化複合材料からな
るボルト用基材を構成したことを特徴とする。
【0013】上記した本発明において、UDシートと
は、平面上に連続した強化繊維を1方向に平行に配列さ
せて構成したシートをいう。また、織物シートとは、強
化繊維を経糸、緯糸に使用して製織したシートをいう。
さらに、三次元織物とは、強化繊維の配向方向を三次元
方向に配向して製織されたもの或いは複数枚のUDシー
ト又は織物シートを積層したものを積層方向にミシン等
で縫合して構成した立体織物を云う。
は、平面上に連続した強化繊維を1方向に平行に配列さ
せて構成したシートをいう。また、織物シートとは、強
化繊維を経糸、緯糸に使用して製織したシートをいう。
さらに、三次元織物とは、強化繊維の配向方向を三次元
方向に配向して製織されたもの或いは複数枚のUDシー
ト又は織物シートを積層したものを積層方向にミシン等
で縫合して構成した立体織物を云う。
【0014】
【作用】UDシートの繊維の配列方向を、ボルトの軸方
向に対して、0度のUDシートと±θ度(但しθは、0
<θ>90)のUDシートとを複数枚積層してマトリッ
クスを含浸させ、硬化又は焼成して構成した繊維強化複
合材料からなるボルト用基材は、ボルトの軸方向に対し
て、±θ度方向の繊維がボルトのネジ山にかかる応力に
対して、引張及び圧縮方向に配向されており、これらの
方向に対して十分な強度を発揮させることができる。し
かも、0度方向の繊維によって、ボルト軸方向の強度も
向上する。
向に対して、0度のUDシートと±θ度(但しθは、0
<θ>90)のUDシートとを複数枚積層してマトリッ
クスを含浸させ、硬化又は焼成して構成した繊維強化複
合材料からなるボルト用基材は、ボルトの軸方向に対し
て、±θ度方向の繊維がボルトのネジ山にかかる応力に
対して、引張及び圧縮方向に配向されており、これらの
方向に対して十分な強度を発揮させることができる。し
かも、0度方向の繊維によって、ボルト軸方向の強度も
向上する。
【0015】また、繊度並びに経、緯密度が同一の織物
シートを、ボルトの軸方向に対して、繊維配列方向が0
度(90度)の織物シートと45度(−45度)の織物
シートとを複数枚積層してマトリックスを含浸し硬化又
は焼成して構成した繊維強化複合材料からなるボルト用
基材は、UDシートを積層する場合よりも作業効率がよ
く、前記と同程度かそれ以上の強度特性が得られる。
シートを、ボルトの軸方向に対して、繊維配列方向が0
度(90度)の織物シートと45度(−45度)の織物
シートとを複数枚積層してマトリックスを含浸し硬化又
は焼成して構成した繊維強化複合材料からなるボルト用
基材は、UDシートを積層する場合よりも作業効率がよ
く、前記と同程度かそれ以上の強度特性が得られる。
【0016】さらに、UDシートと織物シートとを、ボ
ルトの軸方向に対して、繊維配列方向が0度、90度及
び±θ度(但しθは、0<θ>90)となるように複数
枚組み合わせて積層してマトリックスを含浸させ、硬化
又は焼成して構成した繊維強化複合材料からなるボルト
用基材は、UDシートを積層する場合よりも作業効率が
よく、かつ、織物シートのみを積層する場合よりも±θ
度方向の繊維配向角度の選択幅が大きく、前記と同程度
かそれ以上の強度特性が得られる。
ルトの軸方向に対して、繊維配列方向が0度、90度及
び±θ度(但しθは、0<θ>90)となるように複数
枚組み合わせて積層してマトリックスを含浸させ、硬化
又は焼成して構成した繊維強化複合材料からなるボルト
用基材は、UDシートを積層する場合よりも作業効率が
よく、かつ、織物シートのみを積層する場合よりも±θ
度方向の繊維配向角度の選択幅が大きく、前記と同程度
かそれ以上の強度特性が得られる。
【0017】また、上記のいずれかに記載の積層物の表
面、裏面、中間層面のいずれか1面、2面又は複数面に
ウェブを積層し、ニードルパンチングを施し、マトリッ
クスを含浸させ、硬化又は焼成して構成した繊維強化複
合材料からなるボルト用基材は、各積層物がニードルパ
ンチングされたウェブによって縫い合わされ、強度特性
が一層向上する。
面、裏面、中間層面のいずれか1面、2面又は複数面に
ウェブを積層し、ニードルパンチングを施し、マトリッ
クスを含浸させ、硬化又は焼成して構成した繊維強化複
合材料からなるボルト用基材は、各積層物がニードルパ
ンチングされたウェブによって縫い合わされ、強度特性
が一層向上する。
【0018】また、ボルトの軸方向に対して、繊維配列
方向が0度、90度、+θ度、−θ度(但しθは、0<
θ>90)及びこれらの繊維配向面と直交する方向に配
向して製織され、又は、繊維配列方向を上記と同様とし
た複数枚のUDシート積層物を積層方向に縫合した三次
元織物にマトリックスを含浸させ、硬化又は焼成して構
成した繊維強化複合材料からなるボルト用基材は、強化
繊維が三次元方向に配向されているため、前記ウェブを
ニードルパンチングしたものと同程度かそれ以上の強度
特性が得られる。
方向が0度、90度、+θ度、−θ度(但しθは、0<
θ>90)及びこれらの繊維配向面と直交する方向に配
向して製織され、又は、繊維配列方向を上記と同様とし
た複数枚のUDシート積層物を積層方向に縫合した三次
元織物にマトリックスを含浸させ、硬化又は焼成して構
成した繊維強化複合材料からなるボルト用基材は、強化
繊維が三次元方向に配向されているため、前記ウェブを
ニードルパンチングしたものと同程度かそれ以上の強度
特性が得られる。
【0019】
【実施例】図1(A)は本発明のUDシート積層物から
ボルトを製作する場合の説明図、(B)は織物シート積
層物からボルトを製作する場合の説明図、(C)はUD
シートと織物シートとを積層したものからボルトを製作
する場合の説明図、(D)はそれらの積層物の上下面に
ウェブを配置し、ニードルパンチングしたものからボル
トを製作する場合の説明図、(E)は三次元織物からボ
ルトを製作する場合の説明図である。
ボルトを製作する場合の説明図、(B)は織物シート積
層物からボルトを製作する場合の説明図、(C)はUD
シートと織物シートとを積層したものからボルトを製作
する場合の説明図、(D)はそれらの積層物の上下面に
ウェブを配置し、ニードルパンチングしたものからボル
トを製作する場合の説明図、(E)は三次元織物からボ
ルトを製作する場合の説明図である。
【0020】先ず、本発明は、図1(A)に示すよう
に、ボルト軸方向に対して、0度のUDシート(1)と
+θのUDシート(2)と−θのUDシート(3)とを
複数枚積層してマトリックスを含浸させ、硬化又は焼成
して板状物(4)を作成し、これを、0度方向がボルト
軸方向となるように切り出して角棒材(5)とし、これ
に旋盤等でネジ加工を行い、ボルト(6)を得る。上記
3種類のUDシート(1)(2)(3)は、一方向プリ
プレグシートが望ましいが、これに制約されるものでは
ない。使用する繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミ
ド繊維、セラミックス繊維等この種繊維強化複合材料に
使用される強化繊維が適用され、また、マトリックスと
しては、炭素、セラミックス、エポキシ樹脂、その他の
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等この種繊維強化複合材料
に使用されるマトリックスが使用される。上記θは、0
<θ>90の範囲の任意な角度から選択され、望ましく
は、+θ=+45〜+60度、−θ=−45〜−60度
がよい。また、+θと−θの割合は、1:1が望まし
く、±θと0度との配向割合は、85:15〜40:6
0が望ましい。
に、ボルト軸方向に対して、0度のUDシート(1)と
+θのUDシート(2)と−θのUDシート(3)とを
複数枚積層してマトリックスを含浸させ、硬化又は焼成
して板状物(4)を作成し、これを、0度方向がボルト
軸方向となるように切り出して角棒材(5)とし、これ
に旋盤等でネジ加工を行い、ボルト(6)を得る。上記
3種類のUDシート(1)(2)(3)は、一方向プリ
プレグシートが望ましいが、これに制約されるものでは
ない。使用する繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミ
ド繊維、セラミックス繊維等この種繊維強化複合材料に
使用される強化繊維が適用され、また、マトリックスと
しては、炭素、セラミックス、エポキシ樹脂、その他の
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等この種繊維強化複合材料
に使用されるマトリックスが使用される。上記θは、0
<θ>90の範囲の任意な角度から選択され、望ましく
は、+θ=+45〜+60度、−θ=−45〜−60度
がよい。また、+θと−θの割合は、1:1が望まし
く、±θと0度との配向割合は、85:15〜40:6
0が望ましい。
【0021】本発明はまた、図1(B)に示すように、
繊度並びに経、緯密度が同一の織物シート(7)(8)
を、ボルトの軸方向に対して、繊維配列方向が0度(9
0度)の織物シート(7)と45度(−45度)の織物
シート(8)とを複数枚積層してマトリックスを含浸さ
せ、硬化又は焼成して板状物(4)を作成し、これを、
0度方向がボルト軸方向となるように切り出して角棒材
(5)とし、これに旋盤等でネジ加工を行い、ボルト
(6)を得る。この場合、45度(−45度)の織物シ
ート(7)と0度(90度)の織物シート(8)との配
向割合は、85:15〜40:60が望ましい。また、
+45度と−45度とは、1:1がよい。
繊度並びに経、緯密度が同一の織物シート(7)(8)
を、ボルトの軸方向に対して、繊維配列方向が0度(9
0度)の織物シート(7)と45度(−45度)の織物
シート(8)とを複数枚積層してマトリックスを含浸さ
せ、硬化又は焼成して板状物(4)を作成し、これを、
0度方向がボルト軸方向となるように切り出して角棒材
(5)とし、これに旋盤等でネジ加工を行い、ボルト
(6)を得る。この場合、45度(−45度)の織物シ
ート(7)と0度(90度)の織物シート(8)との配
向割合は、85:15〜40:60が望ましい。また、
+45度と−45度とは、1:1がよい。
【0022】さらに本発明は、図1(C)に示すよう
に、3種類のUDシート(1)(2)(3)の1種また
は2種或いは3種と、2種類の織物シート(7)(8)
の1種または2種とをボルトの軸方向に対して、繊維配
列方向が0度、90度及び±θ度(但しθは、0<θ>
90)となるように複数枚組合せて積層してマトリック
スを含浸させ、硬化又は焼成して板状物(4)を作成
し、これを、0度方向がボルト軸方向となるように切り
出して角棒材(5)とし、これに旋盤等でネジ加工を行
い、ボルト(6)を得る。この場合、±θ度方向と、
(0度+90度)方向の繊維配向割合は、85:15〜
40:60が望ましく、また、+θと−θの割合は、
1:1が望ましい。
に、3種類のUDシート(1)(2)(3)の1種また
は2種或いは3種と、2種類の織物シート(7)(8)
の1種または2種とをボルトの軸方向に対して、繊維配
列方向が0度、90度及び±θ度(但しθは、0<θ>
90)となるように複数枚組合せて積層してマトリック
スを含浸させ、硬化又は焼成して板状物(4)を作成
し、これを、0度方向がボルト軸方向となるように切り
出して角棒材(5)とし、これに旋盤等でネジ加工を行
い、ボルト(6)を得る。この場合、±θ度方向と、
(0度+90度)方向の繊維配向割合は、85:15〜
40:60が望ましく、また、+θと−θの割合は、
1:1が望ましい。
【0023】また本発明は、図1(D)に示すように、
図1(A)〜(C)のいずれかの積層物の表面、裏面、
中間層面のいずれか1面、2面又は複数面にウェブ
(9)を積層し、ニードルパンチングを施し、マトリッ
クスを含浸させ、硬化又は焼成して板状物(4)を作成
し、これを、0度方向がボルト軸方向となるように切り
出して角棒材(5)とし、これに旋盤等でネジ加工を行
い、ボルト(6)を得る。
図1(A)〜(C)のいずれかの積層物の表面、裏面、
中間層面のいずれか1面、2面又は複数面にウェブ
(9)を積層し、ニードルパンチングを施し、マトリッ
クスを含浸させ、硬化又は焼成して板状物(4)を作成
し、これを、0度方向がボルト軸方向となるように切り
出して角棒材(5)とし、これに旋盤等でネジ加工を行
い、ボルト(6)を得る。
【0024】また本発明は、図1(E)に示すように、
ボルトの軸方向に対して、繊維配列方向が0度、90度
及び±θ度(但しθは、0<θ>90)及びこれらの繊
維配向面と直交する方向に配向して製織された三次元織
物(10)にマトリックスを含浸させ、硬化又は焼成し
て板状物(4)を作成し、これを、0度方向がボルト軸
方向となるように切り出して角棒材(5)とし、これに
旋盤等でネジ加工を行い、ボルト(6)を得る。この場
合、0度、90度、+θ度、−θ度及びこれらと直交す
る方向に配向された繊維配向割合は10:10:35:
35:10とし、θを±45度とするのが望ましい。
ボルトの軸方向に対して、繊維配列方向が0度、90度
及び±θ度(但しθは、0<θ>90)及びこれらの繊
維配向面と直交する方向に配向して製織された三次元織
物(10)にマトリックスを含浸させ、硬化又は焼成し
て板状物(4)を作成し、これを、0度方向がボルト軸
方向となるように切り出して角棒材(5)とし、これに
旋盤等でネジ加工を行い、ボルト(6)を得る。この場
合、0度、90度、+θ度、−θ度及びこれらと直交す
る方向に配向された繊維配向割合は10:10:35:
35:10とし、θを±45度とするのが望ましい。
【0025】また本発明は、図1(B)に示すような織
物シート(7)(8)を複数枚積層し、これらをその積
層方向にミシン等で縫合して一体の三次元織物を構成
し、これにマトリックスを含浸させ、硬化又は焼成して
板状物(4)を作成し、これを、0度方向がボルト軸方
向となるように切り出して角棒材(5)とし、これに旋
盤等でネジ加工を行い、ボルト(6)を得るようにして
もよい。
物シート(7)(8)を複数枚積層し、これらをその積
層方向にミシン等で縫合して一体の三次元織物を構成
し、これにマトリックスを含浸させ、硬化又は焼成して
板状物(4)を作成し、これを、0度方向がボルト軸方
向となるように切り出して角棒材(5)とし、これに旋
盤等でネジ加工を行い、ボルト(6)を得るようにして
もよい。
【0026】上記した本発明のボルトは、図10の
(C)にその部分拡大断面図を示しているように、ボル
トの軸方向に対して、±θ度方向の繊維がボルトのネジ
山にかかる応力に対して、引張及び圧縮方向に配向され
ており、これらの方向に対して十分な強度を発揮させる
ことができる。即ち、ボルトに矢印方向の剪断荷重
(P)がかかった場合、引張、圧縮応力(σt)(σ
c)は図10(D)に示したように、強化繊維の配列方
向と同方向となり、該繊維の持つ強度が最大限に発揮さ
れる。しかも、0度方向の繊維によって、ボルト軸方向
の強度も向上する。次に、本発明の具体的な実施例を説
明する。
(C)にその部分拡大断面図を示しているように、ボル
トの軸方向に対して、±θ度方向の繊維がボルトのネジ
山にかかる応力に対して、引張及び圧縮方向に配向され
ており、これらの方向に対して十分な強度を発揮させる
ことができる。即ち、ボルトに矢印方向の剪断荷重
(P)がかかった場合、引張、圧縮応力(σt)(σ
c)は図10(D)に示したように、強化繊維の配列方
向と同方向となり、該繊維の持つ強度が最大限に発揮さ
れる。しかも、0度方向の繊維によって、ボルト軸方向
の強度も向上する。次に、本発明の具体的な実施例を説
明する。
【0027】(実施例1)炭素繊維(東レ(株)製、商
品名;トレカM40−12K)にフラン樹脂を含浸させ
て、一方向のフラン樹脂プリプレグシートを作成した。
一方向プリプレグシートを図2に示すように、繊維軸方
向を長さ方向として切り出したもの(以下0度と呼ぶ)
(1)と、長さ方向を中心に0〜90度の様々な方向に
角度をつけて切り出したもの(以下±θ度と呼ぶ)
(2)(3)を作成した。この0度と±θ度との配向比
率をいろいろ変え、図3に示すようなパターンにて積層
した。図3はシートの積層数を48枚とし、中央部の2
4枚目と25枚目とを対称中心として両側へ同じものを
ミラー対称に積層したものである。そして、+は+θ度
のシート(2)を表し、−は−θ度のシート(3)を表
し、0は0度のシート(1)を表している。図3中の上
段には、斜方向(±θ)のシート(2)(3)の配向比
率を(%)で表しており、数値の100は、±θのシー
ト(2)(3)だけを積層したものを表し、83は±θ
のシート(2)(3)が83%で残り17%が0度のシ
ート(1)で構成したものを表し、以下、0は±θのシ
ート(2)(3)が0%で全部0度のシート(1)を積
層したものを表している。
品名;トレカM40−12K)にフラン樹脂を含浸させ
て、一方向のフラン樹脂プリプレグシートを作成した。
一方向プリプレグシートを図2に示すように、繊維軸方
向を長さ方向として切り出したもの(以下0度と呼ぶ)
(1)と、長さ方向を中心に0〜90度の様々な方向に
角度をつけて切り出したもの(以下±θ度と呼ぶ)
(2)(3)を作成した。この0度と±θ度との配向比
率をいろいろ変え、図3に示すようなパターンにて積層
した。図3はシートの積層数を48枚とし、中央部の2
4枚目と25枚目とを対称中心として両側へ同じものを
ミラー対称に積層したものである。そして、+は+θ度
のシート(2)を表し、−は−θ度のシート(3)を表
し、0は0度のシート(1)を表している。図3中の上
段には、斜方向(±θ)のシート(2)(3)の配向比
率を(%)で表しており、数値の100は、±θのシー
ト(2)(3)だけを積層したものを表し、83は±θ
のシート(2)(3)が83%で残り17%が0度のシ
ート(1)で構成したものを表し、以下、0は±θのシ
ート(2)(3)が0%で全部0度のシート(1)を積
層したものを表している。
【0028】この積層したプリプレグシートを、ホット
プレスにて100℃で硬化させ、CFRPの板状物を得
た。このようにして製作されたCFRPの板状物を、窒
素ガス雰囲気下で1000℃まで焼成してC/Cコンポ
ジット材を得た。このC/Cコンポジット材は、気孔が
存在したため、樹脂の含浸−焼成を3回繰り返し、最終
的なC/Cコンポジット材を得た。このC/Cコンポジ
ット材を、0度方向をボルトの軸方向として切り出し
て、M10×1.5Pのネジ部材を得、このネジ部材に
金属ナットを取付け、引張試験を行なった。その結果を
図4に示す。図4からも判断できるように、積層角度
(±θ)は45〜60度、±θと0度の配向比は85:
15〜40:60(類推値)の間で、高強度ボルトが得
られた。
プレスにて100℃で硬化させ、CFRPの板状物を得
た。このようにして製作されたCFRPの板状物を、窒
素ガス雰囲気下で1000℃まで焼成してC/Cコンポ
ジット材を得た。このC/Cコンポジット材は、気孔が
存在したため、樹脂の含浸−焼成を3回繰り返し、最終
的なC/Cコンポジット材を得た。このC/Cコンポジ
ット材を、0度方向をボルトの軸方向として切り出し
て、M10×1.5Pのネジ部材を得、このネジ部材に
金属ナットを取付け、引張試験を行なった。その結果を
図4に示す。図4からも判断できるように、積層角度
(±θ)は45〜60度、±θと0度の配向比は85:
15〜40:60(類推値)の間で、高強度ボルトが得
られた。
【0029】(実施例2)炭素繊維織物(7)(8)
(八枚朱子、東レ(株)製、商品名;トレカクロスC0
6341)を図5に示すように、0−90度と±45度
方向に切り出し、両者の配向割合を図6に示すように、
0:100〜100:0にまで振り分け、24枚積層し
た後、上下の最外層に炭素繊維フェルト(クレハ製、商
品名;F−105)を積層した。この基材を積層方向に
対して垂直な方向にニードルパンチングを行い、炭素繊
維を挿入した。このようにして得られた基材にコールタ
ールピッチを真空含浸させ、圧力容器にて800℃で焼
成し、アルゴン雰囲気で2000℃で焼成を行い、これ
らを5回繰り返した。このようにして得られたC/Cコ
ンポジットの板状物を、0度方向をボルトの軸方向とし
て切り出して、M10×1.5Pのネジに加工(図8
(B)ご参照)し、引張試験を行なった。その結果が図
7に示してあり、図7から判断できるように、±45度
と0−90度の繊維の配向割合は、85:15〜40:
60が望ましく、0−90度積層物に比べ1.5倍程度
の強度が得られた。さらに、このボルトは0−90度積
層物に比べて、垂直方向に繊維を有しているため、図8
(A)に示す従来品のようなネジ部(b)に欠損部
(c)がない高強度ボルトが得られた。
(八枚朱子、東レ(株)製、商品名;トレカクロスC0
6341)を図5に示すように、0−90度と±45度
方向に切り出し、両者の配向割合を図6に示すように、
0:100〜100:0にまで振り分け、24枚積層し
た後、上下の最外層に炭素繊維フェルト(クレハ製、商
品名;F−105)を積層した。この基材を積層方向に
対して垂直な方向にニードルパンチングを行い、炭素繊
維を挿入した。このようにして得られた基材にコールタ
ールピッチを真空含浸させ、圧力容器にて800℃で焼
成し、アルゴン雰囲気で2000℃で焼成を行い、これ
らを5回繰り返した。このようにして得られたC/Cコ
ンポジットの板状物を、0度方向をボルトの軸方向とし
て切り出して、M10×1.5Pのネジに加工(図8
(B)ご参照)し、引張試験を行なった。その結果が図
7に示してあり、図7から判断できるように、±45度
と0−90度の繊維の配向割合は、85:15〜40:
60が望ましく、0−90度積層物に比べ1.5倍程度
の強度が得られた。さらに、このボルトは0−90度積
層物に比べて、垂直方向に繊維を有しているため、図8
(A)に示す従来品のようなネジ部(b)に欠損部
(c)がない高強度ボルトが得られた。
【0030】(実施例3)炭素繊維(東レ(株)製、商
品名;トレカT−300 3K)を用いて、図9
(A)(B)に示すような2種類の三次元織物(10)
(11)を作成した。三次元織物の具体的構造は、例え
ば、特公平1−47583号公報に示されているよう
に、折返し点に切断端を形成することなく同一平面上に
配列された後、次の配列面に移り前記第1の平面におけ
る繊維配列方向と異なる方向に配列され、以後上記積層
動作を繰り返すX方向の繊維と、折返し点に切断端を形
成することなく前記X方向の繊維の配列面を2つ折り状
態で貫通して蛇行配置され、かつ、夫々の2つ折り端が
隣接のものと絡み合うことなく独立したループを形成し
ているY方向の繊維と、前記X方向の繊維の積層の最上
面に前記Y方向の繊維のループ内を通って蛇行配置され
るZ方向の繊維とで所定形状の立体織物を製織したもの
であり、図9(A)のものは、繊維をXYZの3方向に
配向比、X:Y:Z=45:45:10で配向して板状
物を製織したものであり、(B)はXYZの3方向の他
に、XYに対してθ=±45度の方向U及びVにも繊維
を配列し、その配向比を、X:Y:Z:U:V=10:
10:10:35:35として板状物を製織したもので
ある。この2種類の三次元織物(10)(11)に前記
実施例2と同様にコールタールピッチを真空含浸させ、
圧力容器にて800℃で焼成し、さらにアルゴン雰囲気
で2000℃で焼成してC/C化を行い、3D−C/C
材を得た。このようにして得られたC/Cコンポジット
の板状物を、X方向をボルトの軸方向となるように切り
出して、M10×1.5Pのネジに加工し、引張試験を
行なった。その結果、図9(A)のものは150Kg
f、(B)のものは350Kgfで約2倍の強度が得ら
れた。
品名;トレカT−300 3K)を用いて、図9
(A)(B)に示すような2種類の三次元織物(10)
(11)を作成した。三次元織物の具体的構造は、例え
ば、特公平1−47583号公報に示されているよう
に、折返し点に切断端を形成することなく同一平面上に
配列された後、次の配列面に移り前記第1の平面におけ
る繊維配列方向と異なる方向に配列され、以後上記積層
動作を繰り返すX方向の繊維と、折返し点に切断端を形
成することなく前記X方向の繊維の配列面を2つ折り状
態で貫通して蛇行配置され、かつ、夫々の2つ折り端が
隣接のものと絡み合うことなく独立したループを形成し
ているY方向の繊維と、前記X方向の繊維の積層の最上
面に前記Y方向の繊維のループ内を通って蛇行配置され
るZ方向の繊維とで所定形状の立体織物を製織したもの
であり、図9(A)のものは、繊維をXYZの3方向に
配向比、X:Y:Z=45:45:10で配向して板状
物を製織したものであり、(B)はXYZの3方向の他
に、XYに対してθ=±45度の方向U及びVにも繊維
を配列し、その配向比を、X:Y:Z:U:V=10:
10:10:35:35として板状物を製織したもので
ある。この2種類の三次元織物(10)(11)に前記
実施例2と同様にコールタールピッチを真空含浸させ、
圧力容器にて800℃で焼成し、さらにアルゴン雰囲気
で2000℃で焼成してC/C化を行い、3D−C/C
材を得た。このようにして得られたC/Cコンポジット
の板状物を、X方向をボルトの軸方向となるように切り
出して、M10×1.5Pのネジに加工し、引張試験を
行なった。その結果、図9(A)のものは150Kg
f、(B)のものは350Kgfで約2倍の強度が得ら
れた。
【0031】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、ボルトの軸方
向に対して、±θ度方向の繊維がボルトのネジ山にかか
る応力に対して、引張及び圧縮方向に配向されており、
これらの方向に対して十分な強度を発揮させることがで
きる。しかも、0度方向の繊維によって、ボルト軸方向
の強度も向上する。
向に対して、±θ度方向の繊維がボルトのネジ山にかか
る応力に対して、引張及び圧縮方向に配向されており、
これらの方向に対して十分な強度を発揮させることがで
きる。しかも、0度方向の繊維によって、ボルト軸方向
の強度も向上する。
【0032】請求項2の発明によれば、UDシートを積
層する場合よりも作業効率がよく、前記UDシートと同
程度かそれ以上の強度特性が得られる。
層する場合よりも作業効率がよく、前記UDシートと同
程度かそれ以上の強度特性が得られる。
【0033】請求項3の発明によれば、UDシートを積
層する場合よりも作業効率がよく、かつ、織物シートの
みを積層する場合よりも±θ度方向の繊維配向角度の選
択幅が大きく、前記と同程度かそれ以上の強度特性が得
られる。
層する場合よりも作業効率がよく、かつ、織物シートの
みを積層する場合よりも±θ度方向の繊維配向角度の選
択幅が大きく、前記と同程度かそれ以上の強度特性が得
られる。
【0034】請求項4の発明によれば、各積層物がニー
ドルパンチングされたウェブによって縫い合わされ、積
層物の層間剥離が防止されるため強度特性が一層向上す
る。
ドルパンチングされたウェブによって縫い合わされ、積
層物の層間剥離が防止されるため強度特性が一層向上す
る。
【0035】請求項5の発明によれば、強化繊維が三次
元方向に配列されているため、前記ウェブをニードルパ
ンチングしたものと同程度かそれ以上の強度特性が得ら
れる。
元方向に配列されているため、前記ウェブをニードルパ
ンチングしたものと同程度かそれ以上の強度特性が得ら
れる。
【図1】(A)は本発明のUDシート積層物からボルト
を製作する場合の説明図、(B)は織物シート積層物か
らボルトを製作する場合の説明図、(C)はUDシート
と織物シートとを積層したものからボルトを製作する場
合の説明図、(D)はそれらの積層物の上下面にウェブ
を配置し、ニードルパンチングしたものからボルトを製
作する場合の説明図、(E)は三次元織物からボルトを
製作する場合の説明図。
を製作する場合の説明図、(B)は織物シート積層物か
らボルトを製作する場合の説明図、(C)はUDシート
と織物シートとを積層したものからボルトを製作する場
合の説明図、(D)はそれらの積層物の上下面にウェブ
を配置し、ニードルパンチングしたものからボルトを製
作する場合の説明図、(E)は三次元織物からボルトを
製作する場合の説明図。
【図2】3種類のUDシートの説明図。
【図3】図2の3種類のUDシートの積層パターンの複
数例を表した図表。
数例を表した図表。
【図4】図3の積層物から製作したボルトの強度を示し
た図表。
た図表。
【図5】織物シートの説明図。
【図6】図5の織物シートの積層パターンの複数例を表
した図表。
した図表。
【図7】図6の積層物から製作したボルトの強度を示し
た図表。
た図表。
【図8】(A)は従来のボルトの斜視図、(B)は本発
明に係るボルトの斜視図。
明に係るボルトの斜視図。
【図9】(A)(B)は2種類の三次元織物の説明用斜
視図。
視図。
【図10】(A)は従来のボルトの部分拡大断面図、
(B)はそのボルトのネジ山部に矢印方向の剪断荷重が
作用した場合の引張、圧縮応力の作用方向を示す説明
図、(C)は本発明のボルトの部分拡大断面図、(D)
はそのボルトのネジ山部に矢印方向の剪断荷重が作用し
た場合の引張、圧縮応力の作用方向を示す説明図。
(B)はそのボルトのネジ山部に矢印方向の剪断荷重が
作用した場合の引張、圧縮応力の作用方向を示す説明
図、(C)は本発明のボルトの部分拡大断面図、(D)
はそのボルトのネジ山部に矢印方向の剪断荷重が作用し
た場合の引張、圧縮応力の作用方向を示す説明図。
1 UDシート 2 UDシート 3 UDシート 4 板状物 5 角棒材 6 ボルト 7 織物シート 8 織物シート 9 ウェブ 10 三次元織物
Claims (5)
- 【請求項1】 UDシートの繊維の配列方向を、ボルト
の軸方向に対して、0度のUDシートと±θ度(但し、
+θ=+45〜+60度、−θ=−45〜−60度
で、+θと−θは1:1の割合)のUDシートとを±θ
と0度との割合を85:15〜40:60として複数枚
積層してマトリックスを含浸させ、硬化又は焼成して構
成したことを特徴とする繊維強化複合材料からなるボル
ト用基材。 - 【請求項2】 繊度並びに経、緯密度が同一の織物シー
トを、ボルトの軸方向に対して、繊維配列方向が45度
(−45度)の織物シートと0度(90度)の織物シー
トとを85:15〜40:60の割合で複数枚積層して
マトリックスを含浸させ、硬化又は焼成して構成したこ
とを特徴とする繊維強化複合材料からなるボルト用基
材。 - 【請求項3】 UDシートと織物シートとを、ボルトの
軸方向に対して、繊維配列方向が0度、90度及び±θ
度(但しθは、0<θ>90)となり、かつ、±θ度方
向と(0度+90度)方向の繊維配向割合を85:15
〜40:60として複数枚組み合わせて積層してマトリ
ックスを含浸させ、硬化又は焼成して構成したことを特
徴とする繊維強化複合材料からなるボルト用基材。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の積層物
の表面、裏面、中間層面のいずれか1面、2面又は複数
面にウェブを積層し、ニードルパンチングを施し、マト
リックスを含浸させ、硬化又は焼成して構成したことを
特徴とする繊維強化複合材料からなるボルト用基材。 - 【請求項5】 ボルトの軸方向に対して、繊維配列方向
が0度、90度、+θ度、−θ度(但しθは、0<θ>
90)及びこれらの繊維配向面と直交する方向に配向し
て製織した三次元織物にマトリックスを含浸させ、硬化
又は焼成して構成したことを特徴とする繊維強化複合材
料からなるボルト用基材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16250693A JP3446025B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 繊維強化複合材料からなるボルト用基材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16250693A JP3446025B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 繊維強化複合材料からなるボルト用基材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0719220A true JPH0719220A (ja) | 1995-01-20 |
JP3446025B2 JP3446025B2 (ja) | 2003-09-16 |
Family
ID=15755920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16250693A Expired - Fee Related JP3446025B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 繊維強化複合材料からなるボルト用基材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3446025B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9028635B2 (en) | 2009-06-03 | 2015-05-12 | Sk Chemicals Co., Ltd. | Fiber reinforced plastic bolt and method for producing the same |
KR20170083566A (ko) * | 2014-11-14 | 2017-07-18 | 허친슨 | 열경화 셀형 매트릭스를 가진 복합 패널, 제조 방법 및 패널의 조립체로부터 형성된 벽을 피복하기 위한 구조 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IT201800003447A1 (it) * | 2018-03-12 | 2019-09-12 | Microtex Composites S R L | Prodotto laminare ad uso strutturale ottenuto da feltro di fibra di carbonio riciclata e procedimento di produzione |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP16250693A patent/JP3446025B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9028635B2 (en) | 2009-06-03 | 2015-05-12 | Sk Chemicals Co., Ltd. | Fiber reinforced plastic bolt and method for producing the same |
US9316244B2 (en) | 2009-06-03 | 2016-04-19 | Sk Chemicals Co., Ltd. | Fiber reinforced plastic bolt and method for producing the same |
KR20170083566A (ko) * | 2014-11-14 | 2017-07-18 | 허친슨 | 열경화 셀형 매트릭스를 가진 복합 패널, 제조 방법 및 패널의 조립체로부터 형성된 벽을 피복하기 위한 구조 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3446025B2 (ja) | 2003-09-16 |
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---|---|---|---|
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