JPH07190546A - 廃熱利用の空調システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中間期ないし冬期において、ペリメータゾー
ン側の空調が暖房を必要とし、同時に、インテリアゾー
ン側の空調がＯＡ機器等による内部発熱に対して冷房を
必要とする場合に、暖房空調系を省エネルギーおよび省
システム化することができる廃熱利用の空調システムの
提供。 【構成】 ペリメータゾーン側を暖房空調し、インテリ
アゾーン側を冷房空調する中間期ないし冬期に、インテ
リアゾーン空調サイクルの室外熱交換器と並列に設けた
熱交換器より排出される廃熱を、ペリメータゾーン空調
の熱源として利用する構成。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ビル内における空調シ
ステムに係わり、特に、１年のうち中間期ないし冬期に
かけて、ペリメータゾーン側の空調が暖房を必要とし、
同時に、インテリアゾーン側の空調がＯＡ機器等による
内部発熱に対して冷房を必要とする際、インテリアゾー
ン側空調の外気に放出している廃熱を、ペリメータゾー
ン側空調に利用するのに好適な廃熱利用の空調システム
に関する。

【０００２】

【従来の技術】ビル内の空調は、外気条件の影響を受け
やすいペリメータゾーンと、外気条件の影響を受けにく
く比較的安定した負荷を持つインテリアゾーンとが存在
する。このため従来は、この２つのゾーンをそれぞれ別
の空調系統で空調し、省エネルギーを図っている。

【０００３】しかし年間のうち、中間期ないし冬期の空
調形態においては、近年オフィスのＯＡ機器等の普及に
伴い、インテリアゾーンにおける熱負荷が増大して該イ
ンテリアゾーンに対する通年冷房の必要性が生じてい
る。一方、この時期はペリメータゾーン側が暖房を必要
とすることが多い。このため、インテリアゾーン側が冷
房を必要としている時、ペリメータゾーン側の空調系統
は冷風を外気に放出し、インテリアゾーン側の空調系統
は温風を廃熱として外気に放出していて、廃熱の利用は
なされていないのが実情である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記のように、中間期
ないし冬期において、ペリメータゾーン側の空調が暖房
を必要とし、反対に、インテリアゾーン側の空調がＯＡ
機器等による内部発熱に対して冷房を必要とする際、イ
ンテリアゾーン側空調系の外気に放出している廃熱は利
用されず捨てており、省エネルギーの観点からも無駄の
多い問題点を有していた。

【０００５】また、前記中間期ないし冬期において、ペ
リメータゾーン側を暖房空調する場合には、ペリメータ
ゾーン側の暖房空調用空調機が独立して必要となり、省
システムの観点から問題点を有していた。

【０００６】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
中間期ないし冬期において、ペリメータゾーン側の空調
が暖房を必要とし、同時に、インテリアゾーン側の空調
がＯＡ機器等による内部発熱に対して冷房を必要とする
場合に、暖房空調系を省エネルギーおよび省システム化
することができる廃熱利用の空調システムを提供するこ
とを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記従来技術の問題点に
鑑み、本発明は、ペリメータゾーンに外気負荷に対応さ
せた空調系統と、インテリアゾーンにＯＡ機器の廃熱等
の負荷に対応させた空調系統とを備えた空調システムに
おいて、前記ペリメータゾーン側を暖房空調し、インテ
リアゾーン側を冷房空調する中間期ないし冬期に、イン
テリアゾーン空調サイクルの室外熱交換器と並列に設け
た熱交換器より排出される廃熱を、ペリメータゾーン空
調の熱源として利用する構成にしたものである。

【０００８】そして、インテリアゾーン空調用空調機の
室外側熱交換器と並列に設けた熱交換器を有する空調機
を、ペリメータゾーン空調用として設け、インテリアゾ
ーン空調サイクルの運転時に発生する廃熱を熱源として
ペリメータゾーンの空調を行う構成にするとよい。

【０００９】また、インテリアゾーン空調用空調機の室
外側熱交換器と並列に設けた熱交換器を、ペリメータゾ
ーン空調用空調機の室外側熱交換器と並列に設置し、イ
ンテリアゾーン空調サイクルの運転時に発生する廃熱に
より加熱された空気を用いて、ペリメータゾーン空調用
空調機の室外側熱交換器の熱交換を行う構成にしてもよ
い。

【００１０】さらに、インテリアゾーン空調用空調機の
室外側熱交換器と並列に設けた熱交換器を用いて熱媒体
に蓄熱を行い、蓄熱された熱媒体または熱媒体より熱を
受け取った二次熱媒体を、ペリメータゾーン空調用空調
機の室内熱交換器に循環させる構成にしてもよい。

【００１１】

【作用】上記構成としたことにより、インテリアゾーン
の室内熱交換器で熱交換された本来ならば廃熱となって
いた熱がペリメータゾーンに送風され、ペリメータゾー
ン空調の熱源として暖房に利用される。このため、ペリ
メータゾーン側が暖房を必要とし、同時に、インテリア
ゾーン側が冷房を必要とする場合に、暖房空調系のシス
テムが簡素化され、かつ省エネルギーとなり、しかも省
工事化も可能となる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の第１の実施例を図１および図
２を参照して説明する。図１はインテリアゾーン空調用
空調機系統図、図２は図１に接続されるペリメータゾー
ン空調用空調機系統図を示す。

【００１３】図において、インテリアゾーン空調用空調
機のサイクル構成のうち、室外機Ａは、圧縮機１、冷房
運転暖房運転を切り替える四方弁２、室外熱交換器３、
暖房運転時減圧を行う室外流量制御弁４、四方弁２の低
圧側端部と接続されるアキュームレータ５、室外送風機
１０からなる。又、１台以上の室内機Ｂ及び室内機Ｃの
冷凍サイクル構成は同一であり、一端を四方弁２と接続
する室内熱交換器６、冷房時に減圧を行う室内流量制御
弁７からなる。室外機Ａと室内機Ｂ，Ｃとは管９ａ，９
ｂにより接続されている。更に室外熱交換器３の入口と
出口に廃熱利用接続バルブ３４をもうける。

【００１４】ペリメータゾーン空調用空調機のサイクル
構成は、接続バルブ３４よりインテリアゾーン空調用空
調機の室外熱交換器３に並列させて設けた１ないし複数
台の室内熱交換器１１、液・ガス用の管９、流量制御弁
１２、室内送風機１３から構成されている。

【００１５】上記構成において、中間期ないし冬期にペ
リメータゾーン側が暖房を必要とし、インテリアゾーン
側が冷房を必要とする際、インテリアゾーン空調用空調
機のサイクル運転は次のようになる。

【００１６】すなわち、アキュームレータ５、圧縮機
１、四方弁２、室外熱交換器３、室外流量制御弁４、室
内流量制御弁７、室内熱交換器６を順次連結して、冷房
運転を行う。この時、圧縮機１から吐出された高温高圧
の冷媒は、四方弁２を介して、室外熱交換器３で凝縮さ
れ、室外送風機１０により温風が廃熱として室外に放出
されている。図２においては、接続バルブ３４を介して
圧縮機１から吐出された高温高圧の冷媒をペリメータゾ
ーン空調用空調機の室内熱交換器１１に流し、該室内熱
交換器１１で凝縮を行い前記インテリアゾーン空調用空
調機のサイクルに戻す。この場合、室内熱交換器１１を
流れる冷媒の流量は、室内流量制御弁１２によって制御
される。ここで、室内送風機１３は、室内熱交換器１１
で熱交換された本来ならば廃熱となっていた熱を、ペリ
メータゾーンに送風して空調を行う。このように、冷房
空調の室外熱交換器の一部が暖房に利用される。

【００１７】上記システムでは、ペリメータゾーン空調
用空調機が別置ではあるが、インテリアゾーン空調用空
調機の一部となっているため、従来のシステムに比べて
ペリメータゾーン空調用のサイクル運転を必要とせず、
省エネルギーや室外機の低騒音化に有効である。また、
システムが簡素なため省工事にも有効である。

【００１８】図３は第２の実施例で、図１に示す接続バ
ルブ３４に接続されてインテリアゾーン空調用空調機の
室外熱交換器３と並列に１ないし複数台の室外熱交換器
１４、室外流量制御弁１５が設置されている。ペリメー
タゾーン空調用空調機のサイクル構成としては、アキュ
ームレータ２１、圧縮機１９、冷房運転暖房運転を切り
替える四方弁２０、室外熱交換器１７、室外流量制御弁
１８、室外送風機１６、室内熱交換器２２、管９、室内
流量制御弁２３、室内送風機２４からなる。

【００１９】第２の実施例では、インテリアゾーン空調
用空調機の室外熱交換器３と並列して設けた１ないし複
数台の室外熱交換器１４に、バルブ３４を介して圧縮機
１から吐出された高温高圧の冷媒を流し、室外熱交換器
１４で凝縮させる。室外熱交換器１４を流れる冷媒の流
量は、室外流量制御弁１５によって制御される。

【００２０】本第２の実施例のペリメータゾーン空調用
空調機のサイクルは、インテリアゾーン空調用空調機の
サイクルと同じであるが、ペリメータゾーン空調用の室
外熱交換器１７の換気に、インテリアゾーン空調用の室
外熱交換器１４の廃熱による温風を用いるため、暖房能
力が増加しペリメータゾーン空調の省エネルギーが実現
出来る。

【００２１】図４は第３の実施例で、図１に示す接続バ
ルブ３４に接続されてインテリアゾーン空調用空調機の
室外側熱交換器３と並列に、熱媒体２６の入れられた蓄
熱槽２５を蓄熱する蓄熱用熱交換器２７、蓄熱用流量制
御弁２８を設置する。ペリメータゾーン空調用空調機の
サイクル構成としては、蓄熱された熱媒体２６を循環さ
せる循環用ポンプ２９、循環用配管３０、室内熱交換器
３１、室内流量制御弁３２、室内送風機３３からなる。

【００２２】本第３の実施例においては、インテリアゾ
ーン空調用空調機の室外熱交換器３と並列させて設けた
１ないし複数台の蓄熱用熱交換器２７に、バルブ３４を
介して圧縮機１から吐出された高温高圧の冷媒を流し、
蓄熱槽２５内の熱媒体２６に廃熱を蓄熱する。蓄熱用熱
交換器２７を流れる冷媒の流量は、蓄熱用流量制御弁２
８によって制御される。ペリメータゾーン空調用は、蓄
熱槽２５で蓄熱された熱媒体２６を循環ポンプ２９によ
り室内熱交換器３１に循環させることによって行うファ
ンコイル方式とし、熱媒体２６の循環量は流量制御弁３
２によって制御される。このように、冷房空調の室外熱
交換器の廃熱を、熱媒体２６に蓄熱し、熱媒体２６を循
環させてペリメータゾーンの暖房空調を行うことができ
る。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、中間期な
いし冬期において、ペリメータゾーン側の空調が暖房を
必要とし、同時に、インテリアゾーン側の空調がＯＡ機
器等による内部発熱に対して冷房を必要とする場合に、
暖房空調系を省エネルギーおよび省システム化すること
ができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例のインテリアゾーン空調
用空調機系統図である。

【図２】図１に接続されるペリメータゾーン空調用空調
機系統図である。

【図３】本発明の第２の実施例の図１に接続されるペリ
メータゾーン空調用空調機系統図である。

【図４】本発明の第３の実施例の図１に接続されるペリ
メータゾーン空調用空調機系統図である。

【符号の説明】

１…圧縮機、２…四方弁、３…室外熱交換器、４…室外
流量制御弁、５…アキュームレータ、６…室内熱交換
器、７…室内流量制御弁、８…室内送風機、９…液・ガ
ス用の管、１０…室外送風機、１１…ペリメータゾーン
側の室内熱交換器、１２…ペリメータゾーン側の室内流
量制御弁、１３…ペリメータゾーン側の室内送風機、１
４…室外熱交換器、１５…室外流量制御弁、１６…室外
送風機、１７…ペリメータゾーン側の室外熱交換器、１
８…ペリメータゾーン側の室外流量制御弁、１９…ペリ
メータゾーン側の圧縮機、２０…ペリメータゾーン側の
四方弁、２１…ペリメータゾーン側のアキュームレー
タ、２２…ペリメータゾーン側の室内熱交換器、２３…
ペリメータゾーン側の室内流量制御弁、２４…ペリメー
タゾーン側の室内送風機、２５…蓄熱槽、２６…熱媒
体、２７…蓄熱用熱交換器、２８…蓄熱用流量制御弁、
２９…循環ポンプ、３０…循環用配管、３１…ペリメー
タゾーン側の室内熱交換器、３２…ペリメータゾーン側
の室内流量制御弁、３３…ペリメータゾーン側の室内送
風機、３４…接続バルブ。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ペリメータゾーンに外気負荷に対応させ
   た空調系統と、インテリアゾーンにＯＡ機器の廃熱等の
   負荷に対応させた空調系統とを備えた空調システムにお
   いて、前記ペリメータゾーン側を暖房空調し、インテリ
   アゾーン側を冷房空調する中間期ないし冬期に、インテ
   リアゾーン空調サイクルの室外熱交換器と並列に設けた
   熱交換器より排出される廃熱を、ペリメータゾーン空調
   の熱源として利用することを特徴とする廃熱利用の空調
   システム。
2. 【請求項２】 インテリアゾーン空調用空調機の室外側
   熱交換器と並列に設けた熱交換器を有する空調機を、ペ
   リメータゾーン空調用として設け、インテリアゾーン空
   調サイクルの運転時に発生する廃熱を熱源としてペリメ
   ータゾーンの空調を行う請求項１記載の廃熱利用の空調
   システム。
3. 【請求項３】 インテリアゾーン空調用空調機の室外側
   熱交換器と並列に設けた熱交換器を、ペリメータゾーン
   空調用空調機の室外側熱交換器と並列に設置し、インテ
   リアゾーン空調サイクルの運転時に発生する廃熱により
   加熱された空気を用いて、ペリメータゾーン空調用空調
   機の室外側熱交換器の熱交換を行う請求項１記載の廃熱
   利用の空調システム。
4. 【請求項４】 インテリアゾーン空調用空調機の室外側
   熱交換器と並列に設けた熱交換器を用いて熱媒体に蓄熱
   を行い、蓄熱された熱媒体または熱媒体より熱を受け取
   った二次熱媒体を、ペリメータゾーン空調用空調機の室
   内熱交換器に循環させる請求項１記載の廃熱利用の空調
   システム。