JPH07190505A - 空気調和装置の制御装置 - Google Patents

空気調和装置の制御装置

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JPH07190505A
JPH07190505A JP5327917A JP32791793A JPH07190505A JP H07190505 A JPH07190505 A JP H07190505A JP 5327917 A JP5327917 A JP 5327917A JP 32791793 A JP32791793 A JP 32791793A JP H07190505 A JPH07190505 A JP H07190505A
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expansion valve
control
discharge temperature
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    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 目標とする圧縮機の吐出温度もしくは吐出過
熱度を、簡便な構成にも拘らず速やかに達成することが
できるとともに、運転状態の変化によらず安定して維持
することが可能な空気調和装置の制御装置の提供。 【構成】 (1)圧縮機の所定の吐出温度もしくは吐出
過熱度と膨張弁開度との関係を、予め段階的にヒステリ
シスを持たせて記憶し、該記憶内容に応じて膨張弁開度
を決定する第1の制御手段と、(2)前記決定された膨
張弁開度を補正する第2の制御手段と、(3)第1の制
御手段を介した吐出温度もしくは吐出過熱度が、所定範
囲内か否かの判定手段を有し、該判定手段により所定範
囲外と判定されたとき第2の制御手段を作動させる第3
の制御手段と、(4)第2の制御手段の補正結果に応じ
て第1の制御手段の記憶内容を補正する第4の制御手段
とからなる構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気調和装置の制御装
置に係わり、特に、簡単な構成でに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、圧縮機の吐出温度もしくは吐出過
熱度を制御調整する制御装置として、特開昭60−26
3065号公報、特開昭62−119370号公報等が
提案されている。
【0003】特開昭60−263065号公報は、圧縮
機、凝縮器、電子式リニア膨張弁、蒸発器、アキュムレ
ータから構成される冷媒回路、この回路の冷媒の飽和温
度検出手段、吸入温度検出手段、これら両手段からの検
出温度温度信号から過熱度を算出する手段、この手段に
より算出された過熱度が、予め設定された適正過熱度領
域を中心とした複数の領域のいずれにあるかを判定する
手段、過熱度が上記領域のいずれにあるかによって異な
った所定の補正値を現弁開度に加え、または減じた値に
弁開度を決定する手段、およびこの手段によって決定さ
れた弁開度に上記電子式リニア膨張弁の弁開度を制御す
る手段を備え、これら手段による検出、算出、判定、決
定および制御を所定時間ごとに行い、上記過熱度を所定
範囲内となるよう制御する構成からなる冷凍サイクルの
制御方式である。
【0004】上記冷凍サイクルの制御方式においては、
冷凍サイクルにおけるLEVの開度制御を、過熱度が適
正領域を中心にした複数の領域のいずれにあるかを判定
し、その判定結果に応じて異なった補正値を現弁開度に
加え、または減じて弁開度を決定し、LEVを制御する
ようにしたので、速くかつ滑らかに適正な弁開度に達
し、圧縮機の容量制御時や室内外の空気条件の変化時で
も常に最適な過熱度での高効率運転が可能となる等の効
果を有するとしている。
【0005】また、特開昭62−119370号公報
は、圧縮機、凝縮器、減圧機構またはおよび蒸発器を順
次接続してなる冷媒循環回路を備えた冷凍装置におい
て、上記減圧機構または蒸発器に直列に接続される電動
弁を備えるとともに、現在の運転モードを検出する運転
モード検出手段と、該運転モード検出手段の出力を受
け、現在の運転モードに応じて過熱度がほぼ所定値にな
るよう上記電動弁を予め求められた固定開度にオープン
ループ制御する制御手段とを備えた構成からなる冷凍装
置である。
【0006】上記冷凍装置においては、冷媒循環回路の
減圧機構と直列に電動弁を接続し、この電動弁の開度を
運転モードに応じて予め求めた固定開度にオープンルー
プ制御したので、運転モードの変化に拘らず常に冷媒の
過熱度を所定値に保持しつつ、電動弁の開度制御系を大
幅に簡易化できるとともに、冷媒を大きく減圧する場合
の冷媒通過音を小さく低減することができる効果を有す
るとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記前者の従来技術
は、圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度が、目標値に
一致するように、温度検出器の検出値と目標値との偏差
に応じて膨張弁の開度を決定するというフィードバック
制御の原理に基づいている。この方式では常に検出値を
監視しているので、圧縮機の容量制御時や室内外の空気
条件の変化時にも、これに速やかにかつ滑らかに追従で
きるという特徴がある。しかし、このためには、フィー
ドバック制御の制御定数を各運転モードに適合するよう
に適切に決定しなければならないという課題を有してい
る。そこでこの課題に対して前記後者の従来技術が提案
されたものである。
【0008】前記後者の従来技術は、圧縮機の吐出温度
もしくは吐出過熱度が、目標値に一致するように、運転
モードに応じて予め求めておいた固定開度に膨張弁を制
御するというオープンループ制御の原理に基づいてい
る。この方式では、運転モードの変化に拘らず常に目標
値を保持できるとともに、制御系が一方向のみになるの
で大幅に簡単化できるという特徴がある。しかし、この
ためには、運転モードに応じて予め膨張弁の固定開度を
求めておかなければならないという課題を有している。
この固定開度の選定が誤っていると、目標値を達成保持
できないばかりでなく、安定したサイクル運転状態を維
持できないという不都合がある。従ってこの方式を採用
するためには、膨張弁の固定開度が適切に決定されてい
ることが前提となる問題点を有していた。
【0009】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
目標とする圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度を、簡
便な構成にも拘らず速やかに達成することができるとと
もに、運転状態の変化によらず安定して維持することが
可能な空気調和装置の制御装置を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、圧縮機、室外ファンおよび室外熱交換器
を備えた室外機と、開度可変の膨張弁、室内ファンおよ
び室内熱交換器を備えた室内機とからなり、これらを順
次連結して冷房サイクルもしくは暖房サイクルを構成し
た空気調和装置の制御装置において、(1)圧縮機の所
定の吐出温度もしくは吐出過熱度と膨張弁開度との関係
を、予め段階的に開度増加方向と開度減少方向にヒステ
リシスを持たせて記憶しておき、該記憶内容に応じて検
出器を介して検出された圧縮機の吐出温度もしくは吐出
過熱度に対応させて膨張弁開度を決定する第1の制御手
段と、(2)前記第1の制御手段により決定された膨張
弁開度を補正する第2の制御手段と、(3)前記第1の
制御手段を介した圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度
が、所定範囲内か否かの判定手段を有し、該判定手段に
より所定範囲外と判定されたとき前記第2の制御手段を
作動させる第3の制御手段と、(4)前記第2の制御手
段の補正結果に応じて前記第1の制御手段の記憶内容を
補正する第4の制御手段と、を備える構成にしたもので
ある。
【0011】
【作用】上記構成としたことにより、まず、第1の制御
手段によって予め記憶している圧縮機の吐出温度もしく
は吐出過熱度と膨張弁開度との適切な関係を使用して、
検出器を介して検出された圧縮機の吐出温度もしくは吐
出過熱度に応じて膨張弁開度をオープンループ制御す
る。このため、簡単な制御系の構成により目標とする前
記吐出温度もしくは吐出過熱度を速やかに達成すること
ができる。
【0012】そして、前記第1の制御手段による制御結
果により圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度が、所定
範囲内に安定して実現されていないと判定された場合に
は、第2の制御手段により圧縮機の吐出温度もしくは吐
出過熱度が、所定範囲内に安定して実現されるように、
第1の制御手段によって決定された膨張弁開度をフィー
ドバック制御により補正する。これにより第1の制御手
段に使用する膨張弁の固定開度の選定が容易になるとと
もに、圧縮機の容量制御時や室内外の空気条件の変化時
にも容易に追従可能になる。
【0013】また、前記第2の制御手段自体も、第1の
制御手段によって目標値近傍の状態が達成されているこ
とを前提としているため、制御定数の選択が容易であ
る。
【0014】さらに、前記第2の制御手段による補正結
果に基づいて、第1の制御手段の記憶内容を補正するよ
うにしているから、第1の制御手段の制御性能が次第に
向上するようになり、この性能向上により第1の制御手
段に使用する膨張弁の固定開度の選定が一層容易になる
とともに、圧縮機の容量制御や、室内外の空気条件の変
化が予想外に大きい場合、さらには設計時と異なったよ
うな場合にも、速やかに対応することが可能になる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図4を
参照して説明する。図1は空気調和装置の制御装置の構
成を示す図、図2は図1の制御装置の構成を示すブロッ
ク図、図3は圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度と膨
張弁開度との適切な関係を示す図、図4は制御動作説明
用のタイムチャート、図5は第2の制御手段の制御動作
を示すフローチャート、図6は弁開度の発生頻度の度数
分布図、図7は圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度と
膨張弁開度との関係の補正結果の一例を示す図、図8は
第4の制御手段の制御動作を示すフローチャートであ
る。
【0016】図1において、1は回転数を固定もしくは
可変にした圧縮機、2は冷房時と暖房時とで冷媒の流れ
る方向を切り換える四方弁、3は室外熱交換器、4は室
外ファンで、冷房時には蒸発器に、暖房時には凝縮器に
なる。5は開度を可変とした膨張弁、6は室内熱交換
器、7は室内ファンで、冷房時には凝縮器に、暖房時に
は蒸発器になる。8はアキュムレータである。9は制御
装置で、圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度を検出す
る検出器10の検出値を入力し、膨張弁5の開度を制御
する。冷房時には図示矢印方向に冷媒が流れ、暖房時に
はこれと反対方向に流れる。制御は冷房、暖房いずれの
場合も同様であるが、以下の説明においては、冷房の場
合について説明する。
【0017】図2において、図1に示した制御装置9を
点線で囲んで示す。11は第1の制御手段、12は第2
の制御手段、13は第3の制御手段、14は第4の制御
手段、15は第1の制御手段11と第2の制御手段12
との出力を第3の制御手段13によって切り換える切り
換え手段、16は膨張弁5の開度制御器、17は圧縮機
1の回転数制御器、18は前記図1に示す冷凍サイク
ル、19は回転数制御器17に接続された制御手段であ
る。膨張弁5の開度は、切り換え手段15の出力に基づ
いて開度制御器16によって制御され、冷凍サイクル1
8の運転状態が制御される。
【0018】上記第1の制御手段11は、適正な圧縮機
1の吐出温度もしくは吐出過熱度と膨張弁5の開度との
関係を予め記憶しておき、圧縮機1の吐出温度もしくは
吐出過熱度を検出する検出器10により検出された吐出
温度もしくは吐出過熱度に応じて、直接膨張弁5の開度
を決定し制御するものである。このようなオープンルー
プ制御の原理に基づいた簡便な方式を実施するには、上
記の関係の記憶方法や膨張弁5の開度の実現方法に、制
御の安定性を向上させる必要がある。
【0019】このため、図3に示すような圧縮機1の吐
出温度もしくは吐出過熱度と膨張弁5の開度との適正な
関係を予め記憶しておく。図3の横軸は圧縮機1の吐出
温度もしくは吐出過熱度T0、縦軸は膨張弁5の開度V
を示す。これら2変数の関係は、基本的には空気調和装
置の容量に応じて1対1に表示されるものであるが、圧
縮機や熱交換器の運転状態によって変化する。すなわ
ち、圧縮機の回転数、室外熱交換器に対する負荷を示す
外気温度や運転状態を表す蒸発温度、凝縮温度および室
内熱交換器に対する負荷を示す室温や運転状態を表す蒸
発温度、凝縮温度等によって変化する。
【0020】このとき、吐出温度もしくは吐出過熱度に
応じてそのつど調整すると、膨張弁5の開度が頻繁に変
化し過ぎ、運転状態の安定性の面からも好ましくない
し、膨張弁5の信頼性の面からも不都合であるので、こ
のような簡便な関係を用いたオープンループ制御の特徴
を生かすために、図3に示す圧縮機1の吐出温度もしく
は吐出過熱度と膨張弁5の開度との適正な関係を、段階
的に関係づけるとともに、開度の増加方向を開度の減少
方向にヒステリシスを持たせて記憶する。すなわち、圧
縮機1の吐出温度もしくは吐出過熱度の所定幅以内は、
膨張弁5の開度が変化しないようになっており、さら
に、吐出温度もしくは吐出過熱度が上昇して膨張弁5の
開度が増加する場合と、反対に吐出温度もしくは吐出過
熱度が下降して膨張弁5の開度が減少する場合とで幅を
持たせている。これによって、圧縮機1や熱交換器の運
転状態の変化がさして大きくなければ、膨張弁5の開度
が頻繁に変化することがなく、この関係に基づいた安定
な状態が維持される。
【0021】また、上記関係を記憶するメモリ容量も少
なくてすむという製造上の効果もあるので実用的であ
る。さらに、このような関係にしておけば、この関係に
それほどの正確な精度を必要とせず、幅広い運転状態の
変化を吸収することができるという設計上の効果もあ
る。従って通常は、これだけの制御手段で十分である。
【0022】もっとも、上記制御手段を備えていても、
運転状態の変化の程度によってはその変化を吸収できな
い場合も想定される。図4はそのような場合の例で、横
軸に時間をとり、前記圧縮機1の吐出温度もしくは吐出
過熱度の変化とそれに対応する膨張弁5の開度の制御結
果を示す。前記図3の関係を用いて制御したときに、図
4(a)に示すように圧縮機1の吐出温度もしくは吐出
過熱度がT31からT32の幅に大きく変化すると、これに
つれて膨張弁5の開度もV3とV4の2つの値を交互にと
るような不安定な場合が連続して発生しやすい。このよ
うな場合には、前記図3の関係を後述する第2の制御手
段12によって補正することにより、簡単に安定化させ
ることができる。
【0023】上記第2の制御手段12によって補正する
前に、その補正が必要か否かを図2に示す第3の制御手
段13により判定する。この判定動作を図5および図6
を参照して説明する。判定動作は、膨張弁5の制御周期
ごとに起動する。そして、各時点の弁開度の発生頻度を
計数することにより図6(a),(b)に示すような度
数分布を作成する。ついで、サイクルが安定の場合に
は、特定の1つの弁開度のみを長時間保持するため、所
定時間で区切ると特定の1つの弁開度のみの発生頻度が
しきい値Nmaxを超える。また、サイクルが過渡的に
推移している場合には、弁開度が様々に変化する。この
ときには所定時間で区切ると、弁開度の発生頻度がばら
つく。
【0024】図4(b)に実線で示すように、特定の2
つの弁開度を繰り返す場合には、所定時間で区切るとそ
の2つの弁開度の発生頻度がしきい値Nmaxを超え
る。この場合には不安定な状態になっていると判定し、
第2の制御手段12によって図4(b)に点線で示すよ
うに弁開度を補正する。ここで、第2の制御手段12に
よる補正は、第1の制御手段11の制御結果に基づいて
膨張弁5の開度を補正し、前記圧縮機1の吐出温度もし
くは吐出過熱度が所定範囲内に安定して実現されるよう
にする。この具体的な対策としては、膨張弁5の開度を
2つの値の中間の値になるように補正する簡便な方法が
ある。これにより、2つの膨張弁5の開度の差によって
圧縮機1の吐出温度もしくは吐出過熱度が大きく変動す
る状態から抜け出すことが可能になる。これは図4
(b)に点線で示すように、膨張弁5の開度を、V3
4の丁度中間の値にとっており、これにより圧縮機1
の吐出温度もしくは吐出過熱度が、同様に図4(a)に
点線で示すように、T31とT32との中間の値になり、前
記変動状態を低減させることが可能になる。
【0025】上記した対策は、前記圧縮機1の吐出温度
もしくは吐出過熱度と膨張弁5の開度との関係を、上方
もしくは下方へ所定量だけずらしたことに相当するもの
である。このほかの方法としては、この関係を左方もし
くは右方へ所定量だけずらす方法、2つの温度の幅を広
げるかもしくは狭くする方法、さらには、これらの方法
を併用する方法等がある。いずれの方法を用いても、圧
縮機1の吐出温度もしくは吐出過熱度が、所定範囲内に
安定して実現される方向に膨張弁5の開度を補正し、そ
の所定範囲内に入ったと判定された時点で補正を終了す
る。
【0026】上記した第2の制御手段12による補正
は、図4に実線で示すような運転状態において有効であ
るが、同様の補正が運転状態全般を通じて必要であるこ
とが多い。かかる場合には、第2の制御手段12による
補正結果に基づいて、前記第1の制御手段11の記憶内
容を第4の制御手段14により補正(修正)する。
【0027】図7は上記補正結果の一例を示す。図7
(a)は前記図3に示すT0とVとの関係に基づいて、
前記圧縮機1の吐出温度もしくは吐出過熱度に対する膨
張弁5の開度を、上方へずらす補正をした例である。こ
れは前記図4に示した補正内容を、運転状態全般を通し
て適用したことに相当している。また、図7(b)は同
様に前記図3に示すT0とVとの関係に基づいて、前記
圧縮機1の吐出温度もしくは吐出過熱度を、膨張弁5の
開度に対して右方にずらす補正をした例である。このよ
うに、第4の制御手段14により補正した結果を改めて
記憶し、以後、この記憶内容に基づいて第1の制御手段
11により制御される。このため、前記圧縮機1の吐出
温度もしくは吐出過熱度の幅広い範囲にわたって、安定
した運転状態を実現することが可能になる。
【0028】図8は、前記第3の制御手段13により起
動される第4の制御手段14の制御動作を示すフローチ
ャートである。第2の制御手段12において特定の弁開
度に対する補正を行った内容に準拠して、第1の制御手
段11に記憶してある前記図3に示す圧縮機1の吐出温
度もしくは吐出過熱度と膨張弁5との関係を補正して第
1の制御手段11に記憶させる。
【0029】図8(a)は、第2の制御手段12におい
て、前記図3に示す圧縮機1の吐出温度もしくは吐出過
熱度と膨張弁5との関係を、上方に補正した場合の例で
ある。ここで、該関係を上方に補正したときには、前記
図7(a)に示した関係になるように補正が行われる。
【0030】また、図8(b)は、第2の制御手段12
において、前記図3に示す圧縮機1の吐出温度もしくは
吐出過熱度と膨張弁5との関係を、右方または左方に補
正する場合の例である。ここで、該関係を右方に補正し
たときには、前記図7(b)に示した関係になるように
補正が行われる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、適正な圧
縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度と膨張弁開度との関
係に基づいたオープンループ制御に基づく制御手段によ
って、簡便な構成にも拘らず、目標とする圧縮機の吐出
温度もしくは吐出過熱度を、速やかに達成することがで
きる。
【0032】さらに、上記機能を補正して補完するフィ
ードバック制御に基づく調整と学習制御手段とによっ
て、運転状態の変化によらず目標とする圧縮機の吐出温
度もしくは吐出過熱度を、安定して維持することが可能
になる。
【0033】することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の空気調和装置の制御装置の
構成を示す図である。
【図2】図1の制御装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度と膨張弁
開度との適切な関係を示す図である。
【図4】第1および第2の制御手段の制御動作説明用の
タイムチャートである。
【図5】第2の制御手段の制御動作を示すフローチャー
トである。
【図6】弁開度の発生頻度の度数分布図である。
【図7】圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度と膨張弁
開度との関係の補正結果の一例を示す図である。
【図8】第4の制御手段の制御動作を示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
1…圧縮機、3…室外熱交換器、4…室外ファン、5…
膨張弁、6…室内熱交換器、7…室内ファン、8…アキ
ュムレータ、9…制御装置、10…検出器、11…第1
の制御手段、12…第2の制御手段、13…第3の制御
手段、14…第4の制御手段、15…切り換え手段、1
6…開度制御器、17…回転数制御器、18…冷凍サイ
クル、19…制御手段。
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 空気調和装置の制御装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気調和装置の制御装
置に係わり、特に、目標とする圧縮機の吐出温度もしく
は吐出過熱度を、簡単な構成にも拘らず速やかに達成す
るとともに、運転状態の変化によらず安定して維持する
のに好適な空気調和装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、圧縮機の吐出温度もしくは吐出過
熱度を制御調整する制御装置として、特開昭60−26
3065号公報、特開昭62−119370号公報等が
提案されている。
【0003】特開昭60−263065号公報は、圧縮
機、凝縮器、電子式リニア膨張弁、蒸発器、アキュムレ
ータから構成される冷媒回路、この回路の冷媒の飽和温
度検出手段、吸入温度検出手段、これら両手段からの検
出温度温度信号から過熱度を算出する手段、この手段に
より算出された過熱度が、予め設定された適正過熱度領
域を中心とした複数の領域のいずれにあるかを判定する
手段、過熱度が上記領域のいずれにあるかによって異な
った所定の補正値を現弁開度に加え、または減じた値に
弁開度を決定する手段、およびこの手段によって決定さ
れた弁開度に上記電子式リニア膨張弁の弁開度を制御す
る手段を備え、これら手段による検出、算出、判定、決
定および制御を所定時間ごとに行い、上記過熱度を所定
範囲内となるよう制御する構成からなる冷凍サイクルの
制御方式である。
【0004】上記冷凍サイクルの制御方式においては、
冷凍サイクルにおけるLEVの開度制御を、過熱度が適
正領域を中心にした複数の領域のいずれにあるかを判定
し、その判定結果に応じて異なった補正値を現弁開度に
加え、または減じて弁開度を決定し、LEVを制御する
ようにしたので、速くかつ滑らかに適正な弁開度に達
し、圧縮機の容量制御時や室内外の空気条件の変化時で
も常に最適な過熱度での高効率運転が可能となる等の効
果を有するとしている。
【0005】また、特開昭62−119370号公報
は、圧縮機、凝縮器、減圧機構またはおよび蒸発器を順
次接続してなる冷媒循環回路を備えた冷凍装置におい
て、上記減圧機構または蒸発器に直列に接続される電動
弁を備えるとともに、現在の運転モードを検出する運転
モード検出手段と、該運転モード検出手段の出力を受
け、現在の運転モードに応じて過熱度がほぼ所定値にな
るよう上記電動弁を予め求められた固定開度にオープン
ループ制御する制御手段とを備えた構成からなる冷凍装
置である。
【0006】上記冷凍装置においては、冷媒循環回路の
減圧機構と直列に電動弁を接続し、この電動弁の開度を
運転モードに応じて予め求めた固定開度にオープンルー
プ制御したので、運転モードの変化に拘らず常に冷媒の
過熱度を所定値に保持しつつ、電動弁の開度制御系を大
幅に簡易化できるとともに、冷媒を大きく減圧する場合
の冷媒通過音を小さく低減することができる効果を有す
るとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記前者の従来技術
は、圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度が、目標値に
一致するように、温度検出器の検出値と目標値との偏差
に応じて膨張弁の開度を決定するというフィードバック
制御の原理に基づいている。この方式では常に検出値を
監視しているので、圧縮機の容量制御時や室内外の空気
条件の変化時にも、これに速やかにかつ滑らかに追従で
きるという特徴がある。しかし、このためには、フィー
ドバック制御の制御定数を各運転モードに適合するよう
に適切に決定しなければならないという課題を有してい
る。そこでこの課題に対して前記後者の従来技術が提案
されたものである。
【0008】前記後者の従来技術は、圧縮機の吐出温度
もしくは吐出過熱度が、目標値に一致するように、運転
モードに応じて予め求めておいた固定開度に膨張弁を制
御するというオープンループ制御の原理に基づいてい
る。この方式では、運転モードの変化に拘らず常に目標
値を保持できるとともに、制御系が一方向のみになるの
で大幅に簡単化できるという特徴がある。しかし、この
ためには、運転モードに応じて予め膨張弁の固定開度を
求めておかなければならないという課題を有している。
この固定開度の選定が誤っていると、目標値を達成保持
できないばかりでなく、安定したサイクル運転状態を維
持できないという不都合がある。従ってこの方式を採用
するためには、膨張弁の固定開度が適切に決定されてい
ることが前提となる問題点を有していた。
【0009】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
目標とする圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度を、簡
便な構成にも拘らず速やかに達成することができるとと
もに、運転状態の変化によらず安定して維持することが
可能な空気調和装置の制御装置を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、圧縮機、室外ファンおよび室外熱交換器
を備えた室外機と、開度可変の膨張弁、室内ファンおよ
び室内熱交換器を備えた室内機とからなり、これらを順
次連結して冷房サイクルもしくは暖房サイクルを構成し
た空気調和装置の制御装置において、(1)圧縮機の所
定の吐出温度もしくは吐出過熱度と膨張弁開度との関係
を、予め段階的に開度増加方向と開度減少方向にヒステ
リシスを持たせて記憶しておき、該記憶内容に応じて検
出器を介して検出された圧縮機の吐出温度もしくは吐出
過熱度に対応させて膨張弁開度を決定する第1の制御手
段と、(2)前記第1の制御手段により決定された膨張
弁開度を補正する第2の制御手段と、(3)前記第1の
制御手段を介した圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度
が、所定範囲内か否かの判定手段を有し、該判定手段に
より所定範囲外と判定されたとき前記第2の制御手段を
作動させる第3の制御手段と、(4)前記第2の制御手
段の補正結果に応じて前記第1の制御手段の記憶内容を
補正する第4の制御手段と、を備える構成にしたもので
ある。
【0011】
【作用】上記構成としたことにより、まず、第1の制御
手段によって予め記憶している圧縮機の吐出温度もしく
は吐出過熱度と膨張弁開度との適切な関係を使用して、
検出器を介して検出された圧縮機の吐出温度もしくは吐
出過熱度に応じて膨張弁開度をオープンループ制御す
る。このため、簡単な制御系の構成により目標とする前
記吐出温度もしくは吐出過熱度を速やかに達成すること
ができる。
【0012】そして、前記第1の制御手段による制御結
果により圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度が、第3
の制御手段により所定範囲内に安定して実現されていな
いと判定された場合には、第2の制御手段により圧縮機
の吐出温度もしくは吐出過熱度が、所定範囲内に安定し
て実現されるように、第1の制御手段によって決定され
た膨張弁開度をフィードバック制御により補正する。こ
れにより第1の制御手段に使用する膨張弁の固定開度の
選定が容易になるとともに、圧縮機の容量制御時や室内
外の空気条件の変化時にも容易に追従可能になる。
【0013】また、前記第2の制御手段自体も、第1の
制御手段によって目標値近傍の状態が達成されているこ
とを前提としているため、制御定数の選択が容易であ
る。
【0014】さらに、第4の制御手段により、前記第2
の制御手段による補正結果に基づいて、第1の制御手段
の記憶内容を補正するようにしているから、第1の制御
手段の制御性能が次第に向上するようになり、この性能
向上により第1の制御手段に使用する膨張弁の固定開度
の選定が一層容易になるとともに、圧縮機の容量制御
や、室内外の空気条件の変化が予想外に大きい場合、さ
らには設計時と異なったような場合にも、速やかに対応
することが可能になる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図
参照して説明する。図1は空気調和装置の制御装置の構
成を示す図、図2は図1の制御装置の構成を示すブロッ
ク図、図3は圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度と膨
張弁開度との適切な関係を示す図、図4は制御動作説明
用のタイムチャート、図5は第2の制御手段の制御動作
を示すフローチャート、図6は弁開度の発生頻度の度数
分布図、図7は圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度と
膨張弁開度との関係の補正結果の一例を示す図、図8は
第4の制御手段の制御動作を示すフローチャートであ
る。
【0016】図1において、1は回転数を固定もしくは
可変にした圧縮機、2は冷房時と暖房時とで冷媒の流れ
る方向を切り換える四方弁、3は室外熱交換器、4は室
外ファンで、冷房時には凝縮器に、暖房時には蒸発器に
なる。5は開度を可変とした膨張弁、6は室内熱交換
器、7は室内ファンで、冷房時には蒸発器に、暖房時に
凝縮器になる。8はアキュムレータである。9は制御
装置で、圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度を検出す
る検出器10の検出値を入力し、膨張弁5の開度を制御
する。冷房時には図示矢印方向に冷媒が流れ、暖房時に
はこれと反対方向に流れる。制御は冷房、暖房いずれの
場合も同様であるが、以下の説明においては、冷房の場
合について説明する。
【0017】図2において、図1に示した制御装置9を
点線で囲んで示す。11は第1の制御手段、12は第2
の制御手段、13は第3の制御手段、14は第4の制御
手段、15は第1の制御手段11と第2の制御手段12
との出力を第3の制御手段13によって切り換える切り
換え手段、16は膨張弁5の開度制御器、17は圧縮機
1の回転数制御手段、18は前記図1に示す冷凍サイク
ル、19は回転数制御器である。膨張弁5の開度は、切
り換え手段15の出力に基づいて開度制御器16によっ
て制御され、また、圧縮機1の回転数は、回転数制御手
段17の出力に基づいて回転数制御器19により制御さ
れて、冷凍サイクル18の運転状態が制御される。
【0018】上記第1の制御手段11は、適正な圧縮機
1の吐出温度もしくは吐出過熱度と膨張弁5の開度との
関係を予め記憶しておき、圧縮機1の吐出温度もしくは
吐出過熱度を検出する検出器10により検出された吐出
温度もしくは吐出過熱度に応じて、直接膨張弁5の開度
を決定し制御するものである。このようなオープンルー
プ制御の原理に基づいた簡便な方式を実施するには、上
記の関係の記憶方法や膨張弁5の開度の実現方法に、制
御の安定性を向上させる必要がある。
【0019】このため、図3に示すような圧縮機1の吐
出温度もしくは吐出過熱度と膨張弁5の開度との適正な
関係を予め記憶しておく。図3の横軸は圧縮機1の吐出
温度もしくは吐出過熱度T0、縦軸は膨張弁5の開度V
を示す。これら2変数の関係は、基本的には空気調和装
置の容量に応じて1対1に表示されるものであるが、圧
縮機や熱交換器の運転状態によって変化する。すなわ
ち、圧縮機の回転数、室外熱交換器に対する負荷を示す
外気温度や運転状態を表す蒸発温度、凝縮温度および室
内熱交換器に対する負荷を示す室温や運転状態を表す蒸
発温度、凝縮温度等によって変化する。
【0020】このとき、吐出温度もしくは吐出過熱度に
応じてそのつど調整すると、膨張弁5の開度が頻繁に変
化し過ぎ、運転状態の安定性の面からも好ましくない
し、膨張弁5の信頼性の面からも不都合であるので、こ
のような簡便な関係を用いたオープンループ制御の特徴
を生かすために、図3に示す圧縮機1の吐出温度もしく
は吐出過熱度と膨張弁5の開度との適正な関係を、段階
的に関係づけるとともに、開度の増加方向開度の減少
方向にヒステリシスを持たせて記憶する。すなわち、圧
縮機1の吐出温度もしくは吐出過熱度の所定幅以内は、
膨張弁5の開度が変化しないようになっており、さら
に、吐出温度もしくは吐出過熱度が上昇して膨張弁5の
開度が増加する場合と、反対に吐出温度もしくは吐出過
熱度が下降して膨張弁5の開度が減少する場合とで幅を
持たせている。これによって、圧縮機1や熱交換器の運
転状態の変化がさして大きくなければ、膨張弁5の開度
が頻繁に変化することがなく、この関係に基づいた安定
な状態が維持される。
【0021】また、上記関係を記憶するメモリ容量も少
なくてすむという製造上の効果もあるので実用的であ
る。さらに、このような関係にしておけば、この関係に
それほどの正確な精度を必要とせず、幅広い運転状態の
変化を吸収することができるという設計上の効果もあ
る。従って通常は、これだけの制御手段で十分である。
【0022】もっとも、上記制御手段を備えていても、
運転状態の変化の程度によってはその変化を吸収できな
い場合も想定される。図4はそのような場合の例で、横
軸に時間をとり、前記圧縮機1の吐出温度もしくは吐出
過熱度の変化とそれに対応する膨張弁5の開度の制御結
果を示す。前記図3の関係を用いて制御したときに、図
4(a)に示すように圧縮機1の吐出温度もしくは吐出
過熱度がT31からT32の幅に大きく変化すると、これに
つれて膨張弁5の開度もV3とV4の2つの値を交互にと
るような不安定な場合が連続して発生しやすい。このよ
うな場合には、前記図3の関係を後述する第2の制御手
段12によって補正することにより、簡単に安定化させ
ることができる。
【0023】上記第2の制御手段12によって補正する
前に、その補正が必要か否かを図2に示す第3の制御手
段13により判定する。この判定動作を図5および図6
を参照して説明する。判定動作は、膨張弁5の制御周期
ごとに起動する。そして、図6(a)のような各時点の
弁開度の発生頻度を計数することにより図6(b)に示
すような度数分布を作成する。冷凍サイクルが安定の場
合には、特定の1つの弁開度のみを長時間保持するた
め、所定時間で区切ると特定の1つの弁開度のみの発生
頻度がしきい値Nmaxを超える。また、冷凍サイクル
が過渡的に推移している場合には、弁開度が様々に変化
する。このときには所定時間で区切ると、弁開度の発生
頻度がいくつかの弁開度にばらつく。
【0024】図4(b)に実線で示すように、特定の2
つの弁開度を繰り返す場合には、所定時間で区切るとそ
の2つの弁開度の発生頻度がしきい値Nmaxを超え
る。この場合には不安定な状態になっていると判定し、
第2の制御手段12によって図4(b)に点線で示すよ
うに弁開度を補正する。ここで、第2の制御手段12に
よる補正は、第1の制御手段11の制御結果に基づいて
膨張弁5の開度を補正し、前記圧縮機1の吐出温度もし
くは吐出過熱度が所定範囲内に安定して実現されるよう
にする。この具体的な対策としては、膨張弁5の開度を
2つの値の中間の値になるように補正する簡便な方法が
ある。これにより、2つの膨張弁5の開度の差によって
圧縮機1の吐出温度もしくは吐出過熱度が大きく変動す
る状態から抜け出すことが可能になる。これは図4
(b)に点線で示すように、膨張弁5の開度を、V3
4の丁度中間の値にとっており、これにより圧縮機1
の吐出温度もしくは吐出過熱度が、同様に図4(a)に
点線で示すように、T31とT32との中間の値になり、前
記変動状態を低減させることが可能になる。
【0025】上記した対策は、前記圧縮機1の吐出温度
もしくは吐出過熱度と膨張弁5の開度との関係を、上方
もしくは下方へ所定量だけずらしたことに相当するもの
である。このほかの方法としては、この関係を左方もし
くは右方へ所定量だけずらす方法温度の幅あるいは弁
開度の幅を広げるかもしくは狭くする方法、さらには、
これらの方法を併用する方法等がある。いずれの方法を
用いても、圧縮機1の吐出温度もしくは吐出過熱度が、
所定範囲内に安定して実現される方向に膨張弁5の開度
を補正し、その所定範囲内に入ったと判定された時点で
補正を終了する。
【0026】上記した第2の制御手段12による補正
は、図4に実線で示すような運転状態において有効であ
るが、同様の補正が運転状態全般を通じて必要であるこ
とが多い。かかる場合には、第2の制御手段12による
補正結果に基づいて、前記第1の制御手段11の記憶内
容を第4の制御手段14により補正(修正)する。
【0027】図7は上記補正結果の一例を示す。図7
(a)は前記図3に示すT0とVとの関係に基づいて、
前記圧縮機1の吐出温度もしくは吐出過熱度に対する膨
張弁5の開度を、上方へずらす補正をした例である。こ
れは前記図4に示した補正内容を、運転状態全般を通し
て適用したことに相当している。また、図7(b)は同
様に前記図3に示すT0とVとの関係に基づいて、前記
圧縮機1の吐出温度もしくは吐出過熱度を、膨張弁5の
開度に対して右方にずらす補正をした例である。このよ
うに、第4の制御手段14により補正した結果を改めて
記憶し、以後、この記憶内容に基づいて第1の制御手段
11により制御る。このため、前記圧縮機1の吐出温
度もしくは吐出過熱度の幅広い範囲にわたって、安定し
た運転状態を実現することが可能になる。
【0028】図8は、前記第3の制御手段13により起
動される第4の制御手段14の制御動作を示すフローチ
ャートである。第2の制御手段12において特定の弁開
度に対する補正を行った内容に準拠して、第1の制御手
段11に記憶してある前記図3に示す圧縮機1の吐出温
度もしくは吐出過熱度と膨張弁5との関係を補正して第
1の制御手段11に記憶させる。
【0029】図8(a)は、第2の制御手段12におい
て、前記図3に示す圧縮機1の吐出温度もしくは吐出過
熱度と膨張弁5との関係を、上方に補正した場合の例で
ある。ここで、該関係を上方に補正したときには、前記
図7(a)に示した関係になるように補正が行われる。
【0030】また、図8(b)は、第2の制御手段12
において、前記図3に示す圧縮機1の吐出温度もしくは
吐出過熱度と膨張弁5との関係を、右方または左方に補
正する場合の例である。ここで、該関係を右方に補正し
たときには、前記図7(b)に示した関係になるように
補正が行われる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、適正な圧
縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度と膨張弁開度との関
係に基づいたオープンループ制御に基づく制御手段によ
って、簡便な構成にも拘らず、目標とする圧縮機の吐出
温度もしくは吐出過熱度を、速やかに達成することがで
きる。
【0032】さらに、上記関係を補正して補完するフィ
ードバック制御に基づく調整と学習制御手段とによっ
て、運転状態の変化によらず目標とする圧縮機の吐出温
度もしくは吐出過熱度を、安定して維持することが可能
になる。
【0033】また、これらの機能によって各制御手段の
設計および調整の手間を軽減することができる効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の空気調和装置の制御装置の
構成を示す図である。
【図2】図1の制御装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度と膨張弁
開度との適切な関係を示す図である。
【図4】第1および第2の制御手段の制御動作説明用の
タイムチャートである。
【図5】第2の制御手段の制御動作を示すフローチャー
トである。
【図6】弁開度の発生頻度の度数分布図である。
【図7】圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度と膨張弁
開度との関係の補正結果の一例を示す図である。
【図8】第4の制御手段の制御動作を示すフローチャー
トである。
【符号の説明】 1…圧縮機、3…室外熱交換器、4…室外ファン、5…
膨張弁、6…室内熱交換器、7…室内ファン、8…アキ
ュムレータ、9…制御装置、10…検出器、11…第1
の制御手段、12…第2の制御手段、13…第3の制御
手段、14…第4の制御手段、15…切り換え手段、1
6…開度制御器、17…回転数制御手段、18…冷凍サ
イクル、19…回転数制御器
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機、室外ファンおよび室外熱交換器
    を備えた室外機と、開度可変の膨張弁、室内ファンおよ
    び室内熱交換器を備えた室内機とからなり、これらを順
    次連結して冷房サイクルもしくは暖房サイクルを構成し
    た空気調和装置の制御装置において、(1)圧縮機の所
    定の吐出温度もしくは吐出過熱度と膨張弁開度との関係
    を、予め段階的に開度増加方向と開度減少方向にヒステ
    リシスを持たせて記憶しておき、該記憶内容に応じて検
    出器を介して検出された圧縮機の吐出温度もしくは吐出
    過熱度に対応させて膨張弁開度を決定する第1の制御手
    段と、(2)前記第1の制御手段により決定された膨張
    弁開度を補正する第2の制御手段と、(3)前記第1の
    制御手段を介した圧縮機の吐出温度もしくは吐出過熱度
    が、所定範囲内か否かの判定手段を有し、該判定手段に
    より所定範囲外と判定されたとき前記第2の制御手段を
    作動させる第3の制御手段と、(4)前記第2の制御手
    段の補正結果に応じて前記第1の制御手段の記憶内容を
    補正する第4の制御手段と、を備えたことを特徴とする
    空気調和装置の制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012255599A (ja) * 2011-06-09 2012-12-27 Mitsubishi Heavy Ind Ltd マルチ形空気調和機およびその制御方法
JP2014181869A (ja) * 2013-03-21 2014-09-29 Fujitsu General Ltd 空気調和機
JP2017101850A (ja) * 2015-11-30 2017-06-08 ダイキン工業株式会社 製氷装置
CN113739340A (zh) * 2021-09-17 2021-12-03 宁波奥克斯电气股份有限公司 多联机盘管温度自修复控制方法、装置、空调及存储介质

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