JPH0718846B2 - 陰イオン交換樹脂 - Google Patents
陰イオン交換樹脂Info
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- JPH0718846B2 JPH0718846B2 JP62271556A JP27155687A JPH0718846B2 JP H0718846 B2 JPH0718846 B2 JP H0718846B2 JP 62271556 A JP62271556 A JP 62271556A JP 27155687 A JP27155687 A JP 27155687A JP H0718846 B2 JPH0718846 B2 JP H0718846B2
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- protein
- anion exchange
- exchange resin
- anion
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、クロマト管に充填されタンパク質が共存して
いる試料中の陰イオンを液体クロマトグラフィー手法
(イオンクロマトグラフィー手法も含む)を用いて定量
分析するのに用いて好適な陰イオン交換樹脂(充填剤)
に関する。
いる試料中の陰イオンを液体クロマトグラフィー手法
(イオンクロマトグラフィー手法も含む)を用いて定量
分析するのに用いて好適な陰イオン交換樹脂(充填剤)
に関する。
<従来の技術> 一般に、タンパク質が共存している試料中の陰イオンを
液体クロマトグラフィー手法(イオンクロマトグラフィ
ー手法も含む)を用いて定量分析すると次のような問題
が生じていた。即ち、分離カラム内に充填された陰イオ
ン交換樹脂の表面若しくはイオン交換基に試料中のタン
パク質などが吸着し、みかけ上のイオン交換容量が低下
して陰イオンの分離性能が低下したり定量性が低下する
ことが多かった。また、このようにして吸着したタンパ
ク質が蓄積することにより上記分離カラムの圧力が上昇
することも多く、このような圧力上昇が生ずると上記分
離カラムの再生は実際上不可能となっていた。このよう
な問題を解決する方法としては、試料からあらかじめタ
ンパク質を除去する方法,上記分離カラムを頻繁に洗浄
して吸着したタンパク質を除去する方法,及びタンパク
質を吸着するプレカラムを備えた切換弁を分離カラムの
前に設置してタンパク質を除去する方法などが行なわれ
ていた。
液体クロマトグラフィー手法(イオンクロマトグラフィ
ー手法も含む)を用いて定量分析すると次のような問題
が生じていた。即ち、分離カラム内に充填された陰イオ
ン交換樹脂の表面若しくはイオン交換基に試料中のタン
パク質などが吸着し、みかけ上のイオン交換容量が低下
して陰イオンの分離性能が低下したり定量性が低下する
ことが多かった。また、このようにして吸着したタンパ
ク質が蓄積することにより上記分離カラムの圧力が上昇
することも多く、このような圧力上昇が生ずると上記分
離カラムの再生は実際上不可能となっていた。このよう
な問題を解決する方法としては、試料からあらかじめタ
ンパク質を除去する方法,上記分離カラムを頻繁に洗浄
して吸着したタンパク質を除去する方法,及びタンパク
質を吸着するプレカラムを備えた切換弁を分離カラムの
前に設置してタンパク質を除去する方法などが行なわれ
ていた。
<発明が解決しようとする問題点> 然しながら、試料があらかじめタンパク質を除去する方
法の場合、第1に試料の前処理に時間がかかること、第
2に除タンパク剤が測定対象イオンの分離に悪影響を及
ぼす可能性があること、第3に沈澱などで除去されるタ
ンパク質の中に目的成分が取りこまれてしまうことなど
の欠点があった。また、分離カラムを頻繁に洗浄して吸
着したタンパク質を除去する方法の場合は、第1に分析
を一旦停止しカラムに移動相と異なる溶媒を流さなけれ
ばならず、分析の連続性を維持したりメンテナンスの効
率確保などの面から好ましいことではないこと、第2に
一旦吸着したタンパク質は簡単に洗い流すことができず
結果的にカラムの消耗が早いという欠点があった。タン
パク質を吸着するプレカラムを分離カラムの前に設置し
てタンパク質を除去する方法は、上述のような欠点がな
く現在では最も優れた方法であるが、装置が複雑なうえ
プレカラム(吸着カラム)のメンテナンスが必要となる
という新たな欠点があった。
法の場合、第1に試料の前処理に時間がかかること、第
2に除タンパク剤が測定対象イオンの分離に悪影響を及
ぼす可能性があること、第3に沈澱などで除去されるタ
ンパク質の中に目的成分が取りこまれてしまうことなど
の欠点があった。また、分離カラムを頻繁に洗浄して吸
着したタンパク質を除去する方法の場合は、第1に分析
を一旦停止しカラムに移動相と異なる溶媒を流さなけれ
ばならず、分析の連続性を維持したりメンテナンスの効
率確保などの面から好ましいことではないこと、第2に
一旦吸着したタンパク質は簡単に洗い流すことができず
結果的にカラムの消耗が早いという欠点があった。タン
パク質を吸着するプレカラムを分離カラムの前に設置し
てタンパク質を除去する方法は、上述のような欠点がな
く現在では最も優れた方法であるが、装置が複雑なうえ
プレカラム(吸着カラム)のメンテナンスが必要となる
という新たな欠点があった。
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、そ
の目的は、クロマト管に充填されタンパク質が共存して
いる試料中の陰イオンを液体クロマトグラフィー手法
(イオンクロマトグラフィー手法も含む)を用いて定量
分析するのに用いて好適な陰イオン交換樹脂(充填剤)
を提供することを目的としている。
の目的は、クロマト管に充填されタンパク質が共存して
いる試料中の陰イオンを液体クロマトグラフィー手法
(イオンクロマトグラフィー手法も含む)を用いて定量
分析するのに用いて好適な陰イオン交換樹脂(充填剤)
を提供することを目的としている。
<問題点を解決するための手段> このような目的を達成するために、本発明は、 タンパク質が共存している水溶液中の陰イオンを分離、
定量する球状体の陰イオン交換樹脂において、 前記球状体は、 表面に結合されていて、前記タンパク質が帯電する電荷
に反発する負の電荷を有する固定タンパク質と、 構造のいたるところにあって、前記タンパク質の分子径
より小さな径の微細孔と、 この微細孔の内部表面に結合されていて、前記微細孔に
入った前記陰イオンをイオン交換する陰イオン交換基
と、 を具備し、前記タンパク質が負電荷を有するpH領域で前
記陰イオンを定量分析することを特徴としている。
定量する球状体の陰イオン交換樹脂において、 前記球状体は、 表面に結合されていて、前記タンパク質が帯電する電荷
に反発する負の電荷を有する固定タンパク質と、 構造のいたるところにあって、前記タンパク質の分子径
より小さな径の微細孔と、 この微細孔の内部表面に結合されていて、前記微細孔に
入った前記陰イオンをイオン交換する陰イオン交換基
と、 を具備し、前記タンパク質が負電荷を有するpH領域で前
記陰イオンを定量分析することを特徴としている。
<実施例> 以下、本発明について図を用いて詳細に説明する。第1
図は、本発明の陰イオン交換樹脂の構成図で、一部を拡
大して示したものである。
図は、本発明の陰イオン交換樹脂の構成図で、一部を拡
大して示したものである。
陰イオン交換樹脂は、球状体をしていて、その表面には
pH値が約10のとき弱い負電荷を有している固定タンパク
質(例えば、アルブミン(牛血清)であって、以下、ア
ルブミンBという)が多数結合している。また、陰イオ
ン交換樹脂Aの表面の一部には微細孔(図中では、楔上
に示した部分、以下、細孔Dという)があり、この細孔
Dには陰イオン交換基Cが多数結合している。このよう
な構造の陰イオン交換樹脂において、試料中のタンパク
質Pは分子半径が大きいため細孔Dに入れず、しかも負
の電荷を有しているため上記アルブミンBによってイオ
ン排除される。また、試料中の陰イオンS-は細孔D内の
陰イオン交換基Cと陰イオン交換し、試料中の陽イオン
S+は上記アルブミンBと極めて弱い陽イオン交換するよ
うになっている。
pH値が約10のとき弱い負電荷を有している固定タンパク
質(例えば、アルブミン(牛血清)であって、以下、ア
ルブミンBという)が多数結合している。また、陰イオ
ン交換樹脂Aの表面の一部には微細孔(図中では、楔上
に示した部分、以下、細孔Dという)があり、この細孔
Dには陰イオン交換基Cが多数結合している。このよう
な構造の陰イオン交換樹脂において、試料中のタンパク
質Pは分子半径が大きいため細孔Dに入れず、しかも負
の電荷を有しているため上記アルブミンBによってイオ
ン排除される。また、試料中の陰イオンS-は細孔D内の
陰イオン交換基Cと陰イオン交換し、試料中の陽イオン
S+は上記アルブミンBと極めて弱い陽イオン交換するよ
うになっている。
図2は、本発明に係わる陰イオン交換樹脂の製造方法を
説明するための工程説明図である。この図において、最
初、反応方法に合わせて一定の官能基をもつ高分子ゲル
を用意する。これは、基材となるものである。例示する
ならば、エポキシ基が350μmol/g導入された粒子径12μ
mのヒドロキシアルキルメタクリレート系架橋高分子ゲ
ルなどが挙げられる。尚、反応方法に合わせて一定の官
能基を導入した樹脂を作っても良い。次に、上記高分子
ゲルをタンパク質が固定化されやすい緩衝液中に分散さ
せる。例示するならば、上記ヒドロキシアルキルメタク
リレート系架橋高分子ゲルの5g(乾燥重量)を、20mlの
1%アルブミン(牛血清)を含むpH9のトリス−塩酸緩
衝液中に分散させる。その後、該分散溶液(スラリー)
中に、結合させるタンパク質を混合し固定化させ、反応
終了後、上記緩衝液で充分洗浄する。例示するならば、
30℃のインキュベータ中で12時間反応させ、反応終了
後、上記緩衝液で充分洗浄する。次に、イオン交換基と
なる化合物を混合し、一定温度(タンパク質の変性を避
けるため室温以下が好ましい)の下で一定時間反応させ
る。例示するならば、10%のトリメチルアミン溶液中に
分散させ、30℃で15時間反応させる。次に、反応によっ
て生じた樹脂を緩衝液で洗浄してのち充分に洗浄し、そ
の後、目的の対イオンに交換する。例示するならば、反
応によって生じた樹脂を50mlの緩衝液で洗浄してのち10
0mlの純水で充分に洗浄し、その後、0.5Mの塩化ナトリ
ウム水溶液中に分散させ濾過し、更に、0.5Mの塩化ナト
リウム水溶液50mlで洗浄した後、純水で充分に洗浄し、
0.1Mの塩化ナトリウム水溶液中に分散し1晩放置する。
例示したようにして得られた陰イオン交換樹脂は、65μ
Eq/mlのイオン交換容量を持っていた。また、この陰イ
オン交換樹脂は、例えば、内径5.0mm、長さ100mmのステ
ンレス製クロマト管に高圧スラリー充填法を用いて充填
し、イオンクロマトグラフや液体クロマトグラフ用分離
カラム等として使用される。
説明するための工程説明図である。この図において、最
初、反応方法に合わせて一定の官能基をもつ高分子ゲル
を用意する。これは、基材となるものである。例示する
ならば、エポキシ基が350μmol/g導入された粒子径12μ
mのヒドロキシアルキルメタクリレート系架橋高分子ゲ
ルなどが挙げられる。尚、反応方法に合わせて一定の官
能基を導入した樹脂を作っても良い。次に、上記高分子
ゲルをタンパク質が固定化されやすい緩衝液中に分散さ
せる。例示するならば、上記ヒドロキシアルキルメタク
リレート系架橋高分子ゲルの5g(乾燥重量)を、20mlの
1%アルブミン(牛血清)を含むpH9のトリス−塩酸緩
衝液中に分散させる。その後、該分散溶液(スラリー)
中に、結合させるタンパク質を混合し固定化させ、反応
終了後、上記緩衝液で充分洗浄する。例示するならば、
30℃のインキュベータ中で12時間反応させ、反応終了
後、上記緩衝液で充分洗浄する。次に、イオン交換基と
なる化合物を混合し、一定温度(タンパク質の変性を避
けるため室温以下が好ましい)の下で一定時間反応させ
る。例示するならば、10%のトリメチルアミン溶液中に
分散させ、30℃で15時間反応させる。次に、反応によっ
て生じた樹脂を緩衝液で洗浄してのち充分に洗浄し、そ
の後、目的の対イオンに交換する。例示するならば、反
応によって生じた樹脂を50mlの緩衝液で洗浄してのち10
0mlの純水で充分に洗浄し、その後、0.5Mの塩化ナトリ
ウム水溶液中に分散させ濾過し、更に、0.5Mの塩化ナト
リウム水溶液50mlで洗浄した後、純水で充分に洗浄し、
0.1Mの塩化ナトリウム水溶液中に分散し1晩放置する。
例示したようにして得られた陰イオン交換樹脂は、65μ
Eq/mlのイオン交換容量を持っていた。また、この陰イ
オン交換樹脂は、例えば、内径5.0mm、長さ100mmのステ
ンレス製クロマト管に高圧スラリー充填法を用いて充填
し、イオンクロマトグラフや液体クロマトグラフ用分離
カラム等として使用される。
ところで、上記基材としては、比較的親水性の多孔性架
橋高分子ゲルでその表面に一定の官能基を有している
か、その表面にタンパク質が結合できるような官能基を
導入できる樹脂でなければならない。更に、このような
樹脂の持つ細孔は、結合したり試料中に存在するタンパ
ク質が浸透できないか若しくは僅かしか浸透でない程度
に小さくなければならない。具体的には、下記(イ)又
は(ロ)のような樹脂が望ましい。
橋高分子ゲルでその表面に一定の官能基を有している
か、その表面にタンパク質が結合できるような官能基を
導入できる樹脂でなければならない。更に、このような
樹脂の持つ細孔は、結合したり試料中に存在するタンパ
ク質が浸透できないか若しくは僅かしか浸透でない程度
に小さくなければならない。具体的には、下記(イ)又
は(ロ)のような樹脂が望ましい。
(イ)カルボニル基,アミノ基,ホルミル基,水酸基,
又はエポキシ基などを有するポリメタクリレート樹脂,
ポリビニルアルコール樹脂,若しくはポリエーテル樹脂
など。
又はエポキシ基などを有するポリメタクリレート樹脂,
ポリビニルアルコール樹脂,若しくはポリエーテル樹脂
など。
(ロ)ハロゲン基または水酸基を有し、且つ、上記官能
基およびタンパク質が化学的に結合できる官能基の導入
が可能なポリメタクリレートは樹脂,ポリビニルアルコ
ール樹脂,若しくはポリエーテル樹脂など。
基およびタンパク質が化学的に結合できる官能基の導入
が可能なポリメタクリレートは樹脂,ポリビニルアルコ
ール樹脂,若しくはポリエーテル樹脂など。
また、上記表面結合タンパク質は、前記基材の官能基と
反応し且つ前記基材の細孔内部には浸透できないような
分子半径を持ち使用する移動相中で負の電荷を示すよう
な等電点を持つタンパク質でなければならない。
反応し且つ前記基材の細孔内部には浸透できないような
分子半径を持ち使用する移動相中で負の電荷を示すよう
な等電点を持つタンパク質でなければならない。
更に、上記細孔内部のイオン交換基は、基材細孔内部に
充分浸透できタンパク質と未反応の官能基(必ずしもタ
ンパク質を結合させた官能基と同じでなくとも良い)と
反応して陰イオン交換基となる物質でなければならな
い。具体的には一般的なアルキルアミン類,エタノール
アミンなどのアルカノールアミン類,ジアミン類,ヒド
ロキシアルキルアンモニウムなどが該当する。
充分浸透できタンパク質と未反応の官能基(必ずしもタ
ンパク質を結合させた官能基と同じでなくとも良い)と
反応して陰イオン交換基となる物質でなければならな
い。具体的には一般的なアルキルアミン類,エタノール
アミンなどのアルカノールアミン類,ジアミン類,ヒド
ロキシアルキルアンモニウムなどが該当する。
第3図は一般的なサプレスト型イオンクロマトグラフ装
置の構成説明図であり、送液ポンプ2aが駆動すると、溶
離液槽1a内の溶離液が、送液ポンプ2a→インジェクタ3
→分離カラム4→サプレッサ5の内室5c→検出器6を経
由し、廃液槽7aへと流れる。また、送液ポンプ2bが駆動
すると、除去液槽1bの除去液が、送液ポンプ2b→サプレ
ッサ5の外室5bを経由し、廃液槽7bへと流れる。このた
め、サプレッサ5の内室5cに存在する陽イオンが陽イオ
ン交換膜5aを介してサプレッサ5の外室5bとイオン交換
するようになり、結果的にサプレッサ5の内室5cに存在
する流体の導電率バックグランドが除去される。尚、分
離カラム4,サプレッサ5,および検出器6は、恒温槽9内
に収納されて一定温度(例えば40℃)に保たれると共
に、送液ポンプ2,インジェクタ3,分離カラム4,サプレッ
サ5,および検出器6が分析装置の筐体10内に収納されて
いることが多い。このような構成からなるイオンクロマ
トグラフ装置において、インジェクタ3に一定量注入さ
れた試料に含まれている陰イオンは、分離カラム4で分
離され、その後、サプレッサ5で上述のようにして導電
率のバックグランドが除去されてのち検出器6で検出さ
れる。このようにして検出器6で検出された信号は、表
示装置8(例えば記録計)に導かれクロマトグラムを描
くようになっている。
置の構成説明図であり、送液ポンプ2aが駆動すると、溶
離液槽1a内の溶離液が、送液ポンプ2a→インジェクタ3
→分離カラム4→サプレッサ5の内室5c→検出器6を経
由し、廃液槽7aへと流れる。また、送液ポンプ2bが駆動
すると、除去液槽1bの除去液が、送液ポンプ2b→サプレ
ッサ5の外室5bを経由し、廃液槽7bへと流れる。このた
め、サプレッサ5の内室5cに存在する陽イオンが陽イオ
ン交換膜5aを介してサプレッサ5の外室5bとイオン交換
するようになり、結果的にサプレッサ5の内室5cに存在
する流体の導電率バックグランドが除去される。尚、分
離カラム4,サプレッサ5,および検出器6は、恒温槽9内
に収納されて一定温度(例えば40℃)に保たれると共
に、送液ポンプ2,インジェクタ3,分離カラム4,サプレッ
サ5,および検出器6が分析装置の筐体10内に収納されて
いることが多い。このような構成からなるイオンクロマ
トグラフ装置において、インジェクタ3に一定量注入さ
れた試料に含まれている陰イオンは、分離カラム4で分
離され、その後、サプレッサ5で上述のようにして導電
率のバックグランドが除去されてのち検出器6で検出さ
れる。このようにして検出器6で検出された信号は、表
示装置8(例えば記録計)に導かれクロマトグラムを描
くようになっている。
前述のようにして製造した陰イオン交換樹脂を分離カラ
ム4内に充填すると共に次のような実験条件で後述の試
料を分析したところ第4図に示すようなクロマトグラム
が得られた。即ち、4.4mMNa2CO3/1.2mMNaHCO3(pHは10.
3)の移動相を使用(流量は2.0ml/min.)し、恒温槽9
の温度40℃,試料注入量50μ,検出器6の種類は紫外
吸収検出器とし、15ppmのNO2 -イオンと30ppmのNO3 -イオ
ンを含む試料を上述のようにして分析した。第3図から
明らかなように、上記2成分とも良好なピーク形状を示
し、これら各成分が分離カラム4でほぼ完全に分離して
いることが分かる。同様にして同一の実験条件で、0.5
%のアルブミンを含む試料を分析したところ第5図に示
すようなクロマトグラムが得られた。第5図から明らか
なように、紫外吸収のあるアルブミンは溶媒ピークのと
ころに溶出しており、陰イオン類に関しては第4図のク
ロマトグラムとほぼ同様のクロマトグラムとなることが
分かる。なお、第5図のクロマトグラムを第4図のクロ
マトグラムと同様、保持時間,ピーク高さ共に十分な再
現性を示すものである。また、アルブミンの回収率は約
90%(リン酸緩衝液では98%であった)で、タンパク質
分析用のイオン交換樹脂と殆ど変らなかった。
ム4内に充填すると共に次のような実験条件で後述の試
料を分析したところ第4図に示すようなクロマトグラム
が得られた。即ち、4.4mMNa2CO3/1.2mMNaHCO3(pHは10.
3)の移動相を使用(流量は2.0ml/min.)し、恒温槽9
の温度40℃,試料注入量50μ,検出器6の種類は紫外
吸収検出器とし、15ppmのNO2 -イオンと30ppmのNO3 -イオ
ンを含む試料を上述のようにして分析した。第3図から
明らかなように、上記2成分とも良好なピーク形状を示
し、これら各成分が分離カラム4でほぼ完全に分離して
いることが分かる。同様にして同一の実験条件で、0.5
%のアルブミンを含む試料を分析したところ第5図に示
すようなクロマトグラムが得られた。第5図から明らか
なように、紫外吸収のあるアルブミンは溶媒ピークのと
ころに溶出しており、陰イオン類に関しては第4図のク
ロマトグラムとほぼ同様のクロマトグラムとなることが
分かる。なお、第5図のクロマトグラムを第4図のクロ
マトグラムと同様、保持時間,ピーク高さ共に十分な再
現性を示すものである。また、アルブミンの回収率は約
90%(リン酸緩衝液では98%であった)で、タンパク質
分析用のイオン交換樹脂と殆ど変らなかった。
試料成分が充填剤へ保持される挙動は次のようであると
考えられる。まず、タンパク質は両性電解質で、そのお
かれる環境(例えば溶液中)のpH値によって正の電荷に
なったり負の電荷になったりする。例えば、充填剤に結
合されたタンパク質の等電点が5であるとpH値10の緩衝
液中では負の電荷を帯びてくる。このとき、充填剤細孔
内部のイオン交換基が4級アンモニウム型であれば、こ
の緩衝液中でも解離しており正の電荷を帯びている。こ
のような充填剤に低分子陰イオンが近づくと、上記陰イ
オン交換樹脂の表面のタンパク質の負の電荷によりイオ
ン排除されるが、細孔内部の陰イオン交換基の正電荷の
ほうが強いため細孔内部に低分子陰イオンが入りイオン
交換吸着される。また、この充填剤に等電点が緩衝液よ
りも小さいタンパク質が近づくと、試料タンパク質もま
た負の電荷を帯びているため、上記陰イオン交換樹脂の
表面の負の電荷によりイオン排除を受ける。しかし、タ
ンパク質は分子量が大きく細孔内部には浸透できず、細
孔内のイオン交換基とイオン交換吸着できずに溶出され
てしまう。実際には、若干の疎水的吸着があるため、充
填剤には若干保持される。低分子陽イオンの場合は、樹
脂表面のタンパク質の負の電荷にイオン交換吸着する
が、表面の負電荷は極微量であるため濃度の小さい移動
相でも簡単に樹脂から脱離してしまう。試料中にタンパ
ク質と低分子陰イオンが共存している場合は、上記2つ
の現象が同時におこり、低分子陰イオンだけが充填剤な
保持されて分離されるようになる。
考えられる。まず、タンパク質は両性電解質で、そのお
かれる環境(例えば溶液中)のpH値によって正の電荷に
なったり負の電荷になったりする。例えば、充填剤に結
合されたタンパク質の等電点が5であるとpH値10の緩衝
液中では負の電荷を帯びてくる。このとき、充填剤細孔
内部のイオン交換基が4級アンモニウム型であれば、こ
の緩衝液中でも解離しており正の電荷を帯びている。こ
のような充填剤に低分子陰イオンが近づくと、上記陰イ
オン交換樹脂の表面のタンパク質の負の電荷によりイオ
ン排除されるが、細孔内部の陰イオン交換基の正電荷の
ほうが強いため細孔内部に低分子陰イオンが入りイオン
交換吸着される。また、この充填剤に等電点が緩衝液よ
りも小さいタンパク質が近づくと、試料タンパク質もま
た負の電荷を帯びているため、上記陰イオン交換樹脂の
表面の負の電荷によりイオン排除を受ける。しかし、タ
ンパク質は分子量が大きく細孔内部には浸透できず、細
孔内のイオン交換基とイオン交換吸着できずに溶出され
てしまう。実際には、若干の疎水的吸着があるため、充
填剤には若干保持される。低分子陽イオンの場合は、樹
脂表面のタンパク質の負の電荷にイオン交換吸着する
が、表面の負電荷は極微量であるため濃度の小さい移動
相でも簡単に樹脂から脱離してしまう。試料中にタンパ
ク質と低分子陰イオンが共存している場合は、上記2つ
の現象が同時におこり、低分子陰イオンだけが充填剤な
保持されて分離されるようになる。
<発明の効果> 以上詳しく説明したような本発明の実施例によれば、ク
ロマト管に充填されタンパク質が共存している試料中の
陰イオンを液体クロマトグラフィー手法(イオンクロマ
トグラフィー手法も含む)を用いて定量分析するのに用
いて好適な陰イオン交換樹脂(充填剤)を製造する方法
が実現する。また、このようにして製造された陰イオン
交換樹脂は、タンパク質で基材の表面を被覆したこと
で、タンパク質などを含む試料中の低分子陰イオンをタ
ンパク質の影響なしに測定できるという利点がある。更
に、タンパク質などを含む試料を直接注入でき洗浄など
の余分な操作を必要としないため、分析条件が簡単で測
定時間が大幅に減少するという利点もある。また、試料
中のタンパク質などがカラム充填剤へ吸着することによ
って引起こされるイオン交換容量の見掛け上の減少に起
因する保持時間の短縮という問題も無くなり、結果的に
再現性の良いクロマトグラムが得られるという利点もあ
る。更に、試料中のタンパク質などがカラム充填剤へ吸
着することなどによるカラム圧力の上昇などに起因する
カラム性能の劣化がなくなりカラムの延命化が図れると
いう利点もある。
ロマト管に充填されタンパク質が共存している試料中の
陰イオンを液体クロマトグラフィー手法(イオンクロマ
トグラフィー手法も含む)を用いて定量分析するのに用
いて好適な陰イオン交換樹脂(充填剤)を製造する方法
が実現する。また、このようにして製造された陰イオン
交換樹脂は、タンパク質で基材の表面を被覆したこと
で、タンパク質などを含む試料中の低分子陰イオンをタ
ンパク質の影響なしに測定できるという利点がある。更
に、タンパク質などを含む試料を直接注入でき洗浄など
の余分な操作を必要としないため、分析条件が簡単で測
定時間が大幅に減少するという利点もある。また、試料
中のタンパク質などがカラム充填剤へ吸着することによ
って引起こされるイオン交換容量の見掛け上の減少に起
因する保持時間の短縮という問題も無くなり、結果的に
再現性の良いクロマトグラムが得られるという利点もあ
る。更に、試料中のタンパク質などがカラム充填剤へ吸
着することなどによるカラム圧力の上昇などに起因する
カラム性能の劣化がなくなりカラムの延命化が図れると
いう利点もある。
第1図は本発明の陰イオン交換樹脂の構成図、第2図は
本発明の陰イオン交換樹脂の製造方法を説明するための
工程説明図、第3図は一般的なイオンクロマトグラフ装
置の構成説明図、第4図および第5図はクロマトグラム
である。 Aはイオン交換樹脂、Bはアルブミン、Cは陰イオン交
換基、Pはタンパク質、S+は陽イオン、S-は陰イオン。
本発明の陰イオン交換樹脂の製造方法を説明するための
工程説明図、第3図は一般的なイオンクロマトグラフ装
置の構成説明図、第4図および第5図はクロマトグラム
である。 Aはイオン交換樹脂、Bはアルブミン、Cは陰イオン交
換基、Pはタンパク質、S+は陽イオン、S-は陰イオン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−60261(JP,A) 特開 昭58−223062(JP,A) 特開 昭58−177140(JP,A) 特開 昭62−153306(JP,A) 特開 昭62−79356(JP,A) 特開 昭58−20235(JP,A) 米国特許4447559(US,A)
Claims (1)
- 【請求項1】タンパク質が共存している水溶液中の陰イ
オンを分離、定量する球状体の陰イオン交換樹脂におい
て、 前記球状体は、 表面に結合されていて、前記タンパク質が帯電する電荷
に反発する負の電荷を有する固定タンパク質と、 構造のいたるところにあって、前記タンパク質の分子径
より小さな径の微細孔と、 この微細孔の内部表面に結合されていて、前記微細孔に
入った前記陰イオンをイオン交換する陰イオン交換基
と、 を具備し、前記タンパク質が負電荷を有するpH領域で前
記陰イオンを定量分析することを特徴とした陰イオン交
換樹脂。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62271556A JPH0718846B2 (ja) | 1987-10-27 | 1987-10-27 | 陰イオン交換樹脂 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62271556A JPH0718846B2 (ja) | 1987-10-27 | 1987-10-27 | 陰イオン交換樹脂 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01113653A JPH01113653A (ja) | 1989-05-02 |
JPH0718846B2 true JPH0718846B2 (ja) | 1995-03-06 |
Family
ID=17501718
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62271556A Expired - Lifetime JPH0718846B2 (ja) | 1987-10-27 | 1987-10-27 | 陰イオン交換樹脂 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0718846B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015025063A1 (en) * | 2013-08-23 | 2015-02-26 | Boehringer Ingelheim Rcv Gmbh & Co Kg | Microparticles for cell disruption and/or biomolecule recovery |
-
1987
- 1987-10-27 JP JP62271556A patent/JPH0718846B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01113653A (ja) | 1989-05-02 |
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