JPH0718835B2 - イオン濃度の測定方法 - Google Patents

イオン濃度の測定方法

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JPH0718835B2
JPH0718835B2 JP60137938A JP13793885A JPH0718835B2 JP H0718835 B2 JPH0718835 B2 JP H0718835B2 JP 60137938 A JP60137938 A JP 60137938A JP 13793885 A JP13793885 A JP 13793885A JP H0718835 B2 JPH0718835 B2 JP H0718835B2
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憲一 菅野
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昌夫 小山
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] 本発明は被測定試液中のイオン濃度の測定を行なうイオ
ンセンサ体を用いたイオン濃度の測定方法、さらに詳し
くはノイズの混入を少なくできるイオン濃度の測定方法
に関する。
[発明の技術的背景とその問題点] 従来より液中の特定のイオンの濃度を選択的に定量でき
るイオン選択性電極が特定イオンのモニターや水質分析
等の広い分野で用いられている。イオン選択性電極はこ
の電極から発生する電位と同じ測定系に配置された参照
電極から得られる基準電位との間に生ずる電位差ΔEが
特定イオンの濃度の対数と直線関係にあることを用いる
ものであり、これより測定したΔEの値からイオン濃度
が容易に求められる。このようなイオン選択性電極を利
用して、近年では特に血液中のNa+,K+,Cl等の各種イオ
ンの定量などがさかんに行なわれている。そしてその構
造も最近では内部に電解質液を持たず、金属等の導電部
材に直接イオン感応膜を形成したイオン選択性電極が用
いられ、さらにはこれらのイオン選択性電極を参照電極
とともに被測定液の流通路に並設して一体化し、複数の
種類のイオンの濃度を測定するフローセル方式のイオン
センサ体等が考案されている。このようなイオン選択性
電極及び参照電極を組み合わせてなるイオンセンサ体は
近年ますます小型化されて、多くの種類のイオンの定量
分析が少量の被測定液で行えるようになってきている。
しかしながら、このように小型化されたイオンセンタ体
においても原理的に基準電位を生じる参照電極が必要で
あるが、従来の参照電極では、他のイオン選択性電極と
ともに小型化一体化するのに次のような問題点を有して
いた。すなわち従来の参照電極の構成は、内部電解質
液及び前記内部電解質液と被測定液との間の導通をとる
ため微量の液が流通する程度の大きさの孔すなわち液絡
部とを有した飽和甘コウ電極や、KCl等の飽和溶液中に
銀/塩化銀電極材を浸してなる電極等が用いられていた
り、あるいは銀/塩化銀電極材をKCl含有PVC膜で被覆
し、さらにその上をシリコーン系ポリマー膜等の保護膜
で被覆した参照電極が用いられていた。しかしながら
の内部電解質および液絡部を有した構成からなる参照電
極では、その液絡部の流通状態によって電極内の内部電
解質液が被測定液で汚染されやすく、また小型化されて
いるので内部電解質液が少量しか入らないため短寿命で
あり、参照電極としての電位が変動しやすかった。そし
てこのような構成を有した小型の参照電極を作成する場
合、液絡部の形成や内部電解質液を保持する構造の形成
等の難かしく、液絡部のわずかな形状、大きさ等のちが
いによって出力される基準電位が大きく異なり、参照電
極としての充分な信頼性が得難かった。またの銀/塩
化銀電極材をKCl含有PVCで被覆した構成からなる参照電
極では、測定を行なうに従って前記PVC膜からなるKClが
溶出しその結果参照電極としての基準電位が早期に不安
定になり、電極の寿命も短い等の問題点を有していた。
さらに、前記問題点を解消するものとして測定に関係な
い項目に対応するイオン選択性電極を疑似参照電極とし
て組み込んだ流通型イオンセンサ体がある。前記流通型
イオンセンサ体では前記疑似参照電極として使われるイ
オン選択性電極が一般にインピーダンスの高いイオン感
応膜を有している。したがって、前記疑似参照電極を基
準にしてイオン濃度を測定しようとすると、通常のイオ
ン選択性電極もまた、高インピーダンスのイオン感応膜
を有しているため、実際のイオン濃度測定の際に、ノイ
ズの混入が大きな問題となる。これは高インピーダンス
のイオン感応膜を介して被測定液のイオン濃度を測定し
ているためと考えられる。ところで、上記流通型イオセ
ンサ体の中に前記第1のイオン選択性電極群の中に前記
導電部材として銀、前記イオン感応膜として塩化銀層を
有する銀/塩化銀電極を塩素イオン選択性電極として含
む流通型イオンセンサ体がある。このタイプの電極にお
いては銀/塩化銀電極だけは低インピーダンスであり、
前記高インピーダンスを有する疑似参照電極を基準に測
定する場合でもノイズの影響を回避できることが考えら
れる。しかし、塩素イオン濃度以外の測定項目において
は高インピーダンスのイオン選択性電極と高インピーダ
ンスの疑似参照電極とを介して測定が行なわれるため、
上記のノイズの影響を受けることになる。
[発明の目的] 本発明は上記欠点に対処するために提案されたものであ
る。すなわち、測定しようとするイオンに対するイオン
選択性電極群が塩素イオン選択性電極としてのAg/AgCl
電極と高インピーダンスのCl-イオン以外に対するイオ
ン選択性電極とから成り、これらの電極群と高インピー
ダンスの疑似電極としてのイオン選択性電極とが一体化
された流通型イオンセンサ体においてノイズの影響を受
けずに測定できるイオン濃度の測定方法を提供すること
を目的とする。
[発明の概要] 本発明は絶縁材料からなる基体に穿設された貫通孔の内
周面の少なくとも一部を形成するように配設された導電
部材と前記貫通孔の内周面を形成する導電部材表面を被
覆するイオン感応膜とからなり被測定液中に含まれた測
定対象物質に感応する第1のイオン選択性電極群と、絶
縁材料からなる基体に穿設された貫通孔の内周面の少な
くとも一部を形成するように配設された導電部材と、前
記貫通孔の内周面を形成する導電部材表面を被覆する膜
抵抗が10kΩ以上のイオン感応膜からなり被測定液中に
含まれた測定対象物質に感応しない第2のイオン選択性
電極よりなる参照電極とが、互いに導電部材間に電気絶
縁性を保って連結され、かつ前記第1のイオン選択性電
極群及び第2のイオン選択性電極の貫通孔が連結されて
前記被測定試料の流通路を形成するように一体化されて
いる流通型イオンセンサ体で、前記第1のイオン選択性
電極群の中に前記導電部材として銀、前記イオン感応膜
として塩化銀層を有する銀/塩化銀電極を塩素イオン選
択性電極として含む流通型イオンセンサ体を用いるイオ
ン濃度の測定方法において、塩素イオン濃度の測定は前
記第1の電極群の1個である銀/塩化銀電極と前記参照
電極としての前記第2のイオン選択性電極との電位差の
測定により行ない、塩素イオン以外のイオン濃度を測定
する場合には、前記第1のイオン選択性電極と前記参照
電極としての第2のイオン選択性電極とともに第3の電
極として前記銀/塩化銀電極を用いることにより、前
記第3の電極に対する前記第1のイオン選択性の電位と
前記第3の電極に対する前記第2の参照電極としての
イオン選択性電極が電位との差として求めた第1のイオ
ン選択性電極の電位から算出することを特徴とするイオ
ン濃度の測定方であり、新たに白金電極などの低インピ
ーダンスの電極を加えることなしに、内蔵されている低
インピーダンスの塩素イオン選択性電極としての銀/塩
化銀電極を活用したノイズの影響が少ないイオン濃度の
測定方法である。
[発明の効果] 本発明はインピーダンスの低い銀/塩化銀電極を巧みに
利用することによって、安価でインピーダンスの比較的
高い電極を用いても構造が簡単で測定ノイズの少ないイ
オン濃度を測定出来るという特徴を有するもので工業的
にすぐれ実用価値が大である。
[発明の実施例] 以下、本発明を実施例にもとづきさらに詳しく説明す
る。第1図は本発明の測定方法による測定回路の一実施
例を示す模式図である。
(1)は高インピーダンスであるナトリウムイオン(Na
+)カリウムイオン(K+)選択性電極(第1のイオン選
択性電極群に相当)及び疑似参照電極(被測定系におい
て濃度等の変化が無視できるイオンに対する選択性電
極)としてCa2+イオン選択性電極(第2のイオン選択性
電極に相当)と、低インピーダンスである銀/塩化銀
(Ag/AgCl)からなるClイオン選択性電極(第1のイオ
ン選択性電極群で、上記Na+,K+を測定する際には第3
の電極となる)とを一体に構成した流通型イオンセンサ
体である。(4a),(5a),(6a)および(7a)はそれ
ぞれ、前記Na+,K+,Clイオン選択性電極および疑似参照
電極としてのCa2+センサからのリード線2aは測定液の流
入路、2bは測定液の流出路である。(8),(9)はそ
れぞれ演算増幅器、(10),(10′)はそれぞれ切換え
スイッチ,(11)は電位差計である。この回路では塩素
イオン濃度を測定する場合には塩素イオン選択性電極と
参照電極からの出力が切換えスイッチのa接点と演算増
幅器(8)を経由して電位差計(11)に送られる。この
場合には塩素イオンセンサが低インピーダンスであり、
ノイズの影響は受けない。続いてナトリウム、カリウム
イオン濃度を測定するときは低インピーダンスである塩
素イオンセンサからの出力は演算増幅器(8),(9)
のコム(COM)に接続され、また疑似参照電極としてのC
a2+イオンセンサとナトリウム、カリウムイオンセンサ
からの出力は夫々演算増幅器(8),(9)の高インピ
ーダンス入力回路へ接続されている。この場合には被測
定液は低インピーダンスの塩素イオンセンサを通じてア
ースされることによってノイズが減少されることにな
る。第2図は本発明の測定法の適用対象となる流通型イ
オンセンサ体(1)の詳細図である。図中4はナトリウ
ムイオン選択性電極、5はカリウムイオン選択性電極、
6は塩素イオン選択性電極、7はカルシウム選択性電極
(疑似参照電極となる)である。ここで、前記塩素イオ
ン選択性電極のみは低インピーダンスのAg/AgCl電極で
あり、その他は高インピーダンスの高分子イオン感応膜
を有するイオン選択性電極である。これらの各イオン選
択性電極は電気絶縁材料3を介することにより互いに電
気絶縁性を保ってセルボデイー(1a)内に連結一体化し
て配設されている。そして各々の電極には信号を取り出
すリード線(4)a,(5)a,(6)a(7)aがそれぞ
れ接続されている。この電極は絶縁材料からなる基体に
穿設された貫通孔の内周面にイオン感応部が設けられて
おり、これらの電極の貫通孔が連絡して流通路(2a),
(2b)を形成している。また、これらの電極のイオン感
応部は、前記貫通孔の内周面の少なくとも一部を形成す
るように配設された導電部材を被覆したイオン感応膜か
らなっており、このイオン感応膜(12)はNa+,K+,Ca
2+イオン選択性電極に関してはイオン選択性物質を分散
させた高分子膜、Cl-イオン選択性電極に関しては導電
部材として用いた銀の上に形成した塩化銀より成る感応
層よりなっている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明測定方法の一実施例を説明するための測
定回路図、第2図は検出部の詳細断面図(4),)
(5),(6),(7)は電極.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7363−2J G01N 27/46 356

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁材料からなる基体に穿設された貫通孔
    の内周面の少なくとも一部を形成するように配設された
    導電部材と、前記貫通孔の内周面を形成する導電部材表
    面を被覆するイオン感応膜とからなり被測定液中に含ま
    れた測定対象物質に感応する第1のイオン選択性電極群
    と、絶縁材料からなる基体に穿設された貫通孔の内周面
    の少なくとも一部を形成するように配設された導電部材
    と、前記貫通孔の内周面を形成する導電部材表面を被覆
    するイオン感応膜とからなり被測定液中に含まれた測定
    対象物質に感応しない第2のイオン選択性電極よりなる
    疑似参照電極とが、互いに導電部材間に電気絶縁性を保
    って連結され、かつ前記第1のイオン選択性電極群及び
    第2のイオン選択性電極の貫通孔が連結されて前記被測
    定試料の流通路を形成するように一体化されている流通
    型イオンセンサ体で、前記第1のイオン選択性電極群の
    中に、前記導電部材として銀、前記イオン感応膜として
    塩化銀層を有する銀/塩化銀電極を塩素イオン選択性電
    極として含む流通型イオンセンサ体を用いるイオン濃度
    の測定方法において、塩素イオン濃度の測定は前記第1
    の電極群の1個である銀/塩化銀電極と前記疑似参照電
    極としての前記第2のイオン選択性電極との電位差の測
    定により行ない、塩素イオン以外のイオン濃度を測定す
    る場合に、前記第1のイオン選択性電極と前記疑似参照
    電極としての第2のイオン選択性電極とともに第3の電
    極として前記銀/塩化銀電極を用いることにより、前記
    第3の電極に対する前記第1のイオン選択性電極の電位
    と、前記第3の電極に対する前記疑似参照電極としての
    第2のイオン選択性電極の電位との差として求めた第1
    のイオン選択性電極の電位から算出することを特徴とす
    るイオン濃度の測定方法。
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JP2702392B2 (ja) * 1993-11-09 1998-01-21 財団法人塩事業センター 溶液組成測定システム
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