JPH07188051A - 骨代謝調節物質及び代謝性骨疾患治療薬 - Google Patents

骨代謝調節物質及び代謝性骨疾患治療薬

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JPH07188051A
JPH07188051A JP5315547A JP31554793A JPH07188051A JP H07188051 A JPH07188051 A JP H07188051A JP 5315547 A JP5315547 A JP 5315547A JP 31554793 A JP31554793 A JP 31554793A JP H07188051 A JPH07188051 A JP H07188051A
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bone
peptide
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amino acid
metabolic
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JP5315547A
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Yoshio Koide
芳夫 小出
Koji Kawauchi
浩司 川内
Yuuji Yoshiko
裕二 吉子
Tetsuya Kosugi
哲也 小杉
Kinya Nagata
欽也 永田
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Pola Chemical Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 骨吸収抑制作用と骨形成促進作用を併せ持
ち、さらに製造や精製が容易である骨代謝調節物質を提
供する 【構成】 硬骨魚類のスタニオカルシンのN末端付近に
共通なアミノ酸配列を有するペプチドを代謝性骨疾患治
療薬の有効成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は骨代謝調節物質及びそれ
を含む代謝性骨疾患治療薬に関する。
【0002】
【従来の技術】骨粗ショウ症は、様々な要因によって全
身的な骨の脆弱化による骨格の機能不全をきたす疾患で
ある。この疾病は老人、特に女性の半数以上が罹患する
と言われており、高齢化が進む現代に於いては重大な社
会問題と言える。
【0003】骨粗ショウ症は、生理的な骨の老化と代謝
性骨疾患の二面性を持っており、骨の質的変化を伴わな
い非生理的骨量の減少を招く。従って、治療薬の要件
は、骨量減少の抑制、骨量増加、骨代謝回転の刺
激の何れかの作用を持つことである。
【0004】上記の作用を有するものとしてカルシト
ニン、イプリフラボン、ビスフォスフォネ−トが、の
作用を持つものとしてエストロジェン、ビタミンkが、
の作用を持つものとして1α,25(OH)23、パ
ラチロイドホルモン(PTH)等が知られている。
【0005】このうち、カルシトニンは、安全性と、血
清カルシウム濃度を低下させるのみならず破骨細胞に直
接作用して骨吸収を抑制するという優れた作用を持つと
いう点で骨粗ショウ症治療薬として、現在最も有力な物
質であるが、1)骨吸収を抑制するという対症療法的な
作用しかないこと、2)骨形成促進作用という本来的な
治療効果の無いこと、3)比活性の高いものは他動物種
由来の蛋白であり、人体に於いては異物として認識さ
れ、抗体により中和されてしまうこと等の重大な欠点を
有しており、骨粗ショウ症治療薬として決して満足の行
くものとは言えない。
【0006】一方、スタニオカルシンは、硬骨魚類に於
いて血中カルシウム濃度を低下させる物質として知られ
ており、分子量約25000の糖蛋白が2分子結合した
ホモダイマ−構造をとることが知られている。
【0007】又、オ−ストラリア・ウナギのスタニオカ
ルシンcDNAは、1987年にバッカス(Butku
s)らがクローニングに成功しており、シロザケのスタ
ニオカルシンのアミノ酸配列は1990年に小出らが明
らかにしている。さらに、ギンザケでは、1992年に
ワーグナー(Wagner)がcDNAクローニングに
成功している。
【0008】しかし、多くの研究者が種々の検討を行っ
た結果、これらのスタニオカルシンは、骨吸収抑制作用
及び骨形成促進作用が小さい上に、天然物由来の巨大な
蛋白質であるために製造或いは精製が大変困難であり、
医薬品として開発されるには至らなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、骨吸収抑制作用と骨形成促進作
用を併せ持ち、さらに製造や精製が容易である骨代謝調
節物質を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、硬骨魚類由来
のスタニオカルシンの部分ペプチドが、優れた骨吸収抑
制作用と骨形成促進作用を併せ持つことを見いだし、発
明を完成させた。
【0011】即ち本発明は、硬骨魚類のスタニオカルシ
ンに共通なアミノ酸配列を有するペプチドからなる骨代
謝調節物質である。また、本発明はこの骨代謝調節物質
を有効成分として含有する代謝性骨疾患治療薬を提供す
る。
【0012】以下、発明について詳しく説明する。本発
明者らは、硬骨魚類のカルシウム代謝において、骨粗シ
ョウ症治療薬として期待されているカルシトニンが果た
している役割は明確ではなく、スタニオカルシンが主役
であることに着目した。さらに、スタニオカルシンが骨
吸収や骨形成に作用する部分は、同一分子内に有するの
ではないかと推測し、スタニオカルシンの部分ペプチド
に、優れた骨吸収抑制作用または骨形成促進作用を有す
るものがあるのではないかと考えた。この部分ペプチド
は、各種硬骨魚類のスタニオカルシンに共通して保存さ
れていると考えられる。また、分子量の小さい部分ペプ
チドであれば、合成が容易であり、製造上の問題も解決
できると考えた。
【0013】すなわち、本発明の骨代謝調節物質は、硬
骨魚類のスタニオカルシンに共通なアミノ酸配列を有す
るペプチドからなる。また、以下に示すように、本発明
の骨代謝調節物質は、配列番号1に記載のアミノ酸配列
の少なくとも一部の配列を有するペプチドであることが
好ましい。
【0014】各種硬骨魚類のスタニオカルシンのアミノ
酸配列を比較した結果、共通な配列なアミノ酸配列が存
在し、特にN末端のペプチド部分が、魚の種属を越えて
相同性が高いことを見いだし、スタニオカルシンの基本
的性格に骨代謝調節作用があるならば、この部分が最も
その作用の強い部分ではないかと推論した。この共通な
配列の一例として、N末端より20個のアミノ酸配列を
配列番号1に示す。
【0015】上記推論に従って、ペプチドシンセサイザ
ーを用いて、上記配列と同一のアミノ酸配列を有するペ
プチドを合成し、その骨代謝に与える影響を調べたとこ
ろ、後記実施例に示す如く、優れた骨吸収抑制作用と骨
形成促進作用を併せ持つことを見いだした。また、この
ペプチドがアミノ酸20個の極めて小さい分子であるこ
とから、その抗原性も極めて少ないことが期待できた。
【0016】尚、上記20アミノ酸からなる配列中に
は、骨吸収抑制作用と骨形成促進作用を担う部分が含ま
れていると推察され、これらの作用に関与しないアミノ
酸も含まれていると考えられる。本発明においては、上
記ペプチドからこのようなアミノ酸を除いた残余部分、
例えばN末端及び/又はC末端の1あるいは2以上のア
ミノ酸を除いたペプチドも同様な作用を有すると推定さ
れる。本明細書においては、このようなペプチドも含め
て「本発明のペプチド」ということがある。同様に、本
発明のペプチドの少なくとも一端に他のアミノ酸あるい
はペプチドを付加したものも、骨吸収抑制作用と骨形成
促進作用を有するものであれば、本発明の範囲に含まれ
る。
【0017】本発明のペプチドは、市販のペプチドシン
セサイザーを用いれば、常法通り容易に合成できるが、
その製造方法については、上記アミノ酸配列を有するも
のであれば特に限定はされない。
【0018】また、本発明のペプチドは、後記実施例に
示す如く、安全性も極めて高いので、代謝性骨疾患の治
療剤として、とりわけ骨粗ショウ症の治療薬として、大
変有用である。
【0019】本発明のペプチドを骨代謝治療薬として用
いる場合、本発明のペプチドの水溶性が極めて高いこと
から、注射剤として用いるのが最も好ましい。注射剤に
するにあたっては、塩化ナトリウム等の等張剤や、燐酸
塩やクエン酸塩等の緩衝剤、グルコース等の糖類等、一
般的に注射剤形に用いられる任意成分とともに用いるこ
とができる。
【0020】注射剤として投与する場合、本発明のペプ
チドは、生理食塩水等の水性担体に溶解させて滅菌処理
したものを用いても良いし、滅菌後、凍結乾燥などして
おいた注射用粉末を予め用意しておき、用時に溶解して
用いても良い。
【0021】注射剤の投与経路は特に限定されないが、
ペプチダーゼの影響を受けにくい筋肉内投与が最も望ま
しい。本発明のペプチドを代謝性骨疾患の治療剤として
用いる場合、成人1人1日あたりの投与量は、症状、年
令、体重、体調により異なるが、0.001μg〜10
mgが適当である。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。 <部分ペプチドの合成>ペプチドシンセサイザー(島津
PMSSM−8)に、配列番号1に示すアミノ酸配列を
入力し、本発明のペプチドの自動合成を行った。得られ
たペプチドのアミノ酸配列をアミノ酸シークェンサー
(島津PS−1)を用いて決定した結果、入力通りのア
ミノ酸配列であった。以下、このペプチドを単に「部分
ペプチド」ともいう。
【0023】<本発明のペプチドの評価> (1)SDラット頭蓋冠器官培養による骨吸収抑制作用
の検討 妊娠17日目の雌性SDラットの母体に、45CaCl2
を100μCi皮下投与し、胎仔の骨をプレラベルし
た。一方、24ウェルプレートにポアサイズ0.45μ
mのフィルターをのせたグリッドを入れ、2mg/ml
のアルブミン入りBGJb培地(SIGMA製)を60
0μlづつ添加した。
【0024】プレラベル2日後に胎仔から無菌的に頭蓋
冠を摘出し、正中で2分割した。別々の個体から摘出し
た頭蓋冠を1枚づつ上記フィルターにのせ、37℃ C
2インキュベーター(ホルマ製)で、空気と培地の界
面で24時間前培養した。前培養後に、bPTH(bo
vine PTH 1−34;ペニンシュララボラトリ
ー製)1×10ー9モル添加及び非添加の2条件のもと
に、上記で得られた部分ペプチドを添加し、4日間培養
した後、頭蓋冠を取り出し、1規定の塩酸で1晩脱灰し
た。
【0025】培地と脱灰液にそれぞれシンチレーター
(アクアゾル;デュポン製)を10mlづつ加え、液体
シンチレーションシステム(アロカLSC−700)で
45Caを測定した。45Caが骨吸収によって培地中へ溶
出した割合、即ち、培地中の45Caの放射活性を培地中
45Caの放射活性と脱灰液中の45Caの放射活性の和
で除した値を骨吸収活性値とした。この値を表1に示
す。
【0026】
【表1】
【0027】この結果から、本発明のペプチドがbPT
Hによって励起される骨吸収を抑制しているのは明白で
ある。又、bPTH非共存下では共存下よりも骨吸収へ
の影響が少ないことから、本発明のペプチドがbPTH
と拮抗していることが判る。又、bPTH非共存下で
も、少ないながらも骨吸収を抑制することから内在性因
子による骨吸収も抑制していることが判る。
【0028】(2)マウス頭蓋冠器官培養に於ける骨吸
収抑制作用の検討 3日齢の新生仔ICRマウスに、45CaCl2を2μC
i皮下投与しプレラベルした後、4日後頭蓋冠を取り出
し、前記と同様の手技で器官培養を行い、上記部分ペプ
チドの骨吸収に対する影響を調べた。但し、bPTH共
存下での検討は行わなかった。結果を表2に示す。
【0029】
【表2】 この結果から、本発明のペプチドが骨吸収を抑制してい
るのが明らかである。
【0030】(3)骨芽細胞様細胞株のcAMP産生応
答の検討 理化学研究所ジーンバンクより入手したラット・オステ
オザルコーマ由来の骨芽細胞様細胞株ROS17/2.
8−5を用いて、部分ペプチドのPTH依存性のcAM
P産生に対する影響を調べた。ROS17/2.8−5
細胞は、10%FBS(ウシ胎仔血清;ハイクロンラボ
ラトリー製)を含むハムのF12培地(GIBCO製)
で継代10代以内のものを用いた。
【0031】ROS17/2.8−5細胞を、5%FB
S含有ハムのF12培地で、48ウェルプレートに5×
104個/ウェル播種し、37℃ CO2インキュベータ
ー(ホルマ製)で3日間培養した。又、この時一部に部
分ペプチドを添加して培養した。細胞が一様に一層にな
ったところでPBS(リン酸緩衝生理食塩水)ですす
ぎ、予め37℃に加温したbPTHもしくは部分ペプチ
ドを含む0.5%FBS含有PBSを各ウェルに300
μl添加した。
【0032】5分後上清を除去して反応を止め、氷冷し
た65%エタノールを各ウェルに加え、超音波処理によ
り細胞を破壊し、処理液を2000Gで15分間遠心し
た。上清を遠心乾燥機で乾燥させ、これをPBSに溶解
させ、バイオトラークcAMPEIAシステム(アマシ
ャム製)を用いて、cAMP量を定量した。表3にbP
TH及び部分ペプチド単独でのcAMP産生に対する影
響を、表4にbPTH共存下での部分ペプチドのcAM
P産生に対する影響を示した。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】これらの結果より、本発明のペプチドはc
AMP産生に何等影響しないが、bPTHに励起される
cAMPの産生をbPTHに拮抗して抑制していること
が判る。これより、本発明のペプチドはPTHの作用を
骨芽細胞のレベルでも抑制していることが判る。従っ
て、破骨細胞に直接作用して骨吸収を抑制すると言われ
ているカルシトニンと作用機序が全く異なり優れてい
る。
【0036】(4)骨髄細胞培養系に於ける破骨細胞形
成への影響の検討 8週齢のddyマウスのケイ骨を摘出し、付着する筋肉
を剥離した。70%エタノールで骨表面を消毒し、遠心
部、膝関節部を切断した。α−MEM(α−ミニマムエ
ッセンシャルメディウム)(GIBCO製)を注射用シ
リンジに取り、24Gの注射針を遠心部に挿入すること
により、骨髄細胞を10%FBS含有α−MEM懸濁液
として採取し、7.5×105個/0.5ml/ウェル
で24ウェルプレートに播種した。
【0037】ここに、bPTH、1α,25(OH)2
3、或いは部分ペプチドを添加して37℃ CO2イン
キュベーター(ホルマ製)にて培養した。3日後、培地
の半量を新鮮培地と交換し、更に、5日間培養した。培
養終了後TRAP(酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ)
を細胞化学的に染色した。即ち、培養後プレートをPB
Sで洗浄し、10%ホルマリン含有PBSで10分間固
定した。さらにエタノール/アセトン(50:50V/
V)で1分間再固定し、プレートを乾燥させ、これに基
質液を添加して15分間放置した。この基質液は、ナフ
トールAS−MX(シグマ製)5mgをN,N−ジメチ
ルホルムアミド0.5mlに溶解させ、50ミリモル酒
石酸ナトリウム−0.1モル酢酸ナトリウム緩衝液(p
H5,0)を50ml加え、更にファーストレッドバイ
オレットLB塩(シグマ製)30mlを溶かしてろ過し
て調製したものである。
【0038】プレートを水洗、乾燥後、TRAP陽性の
多核細胞を破骨細胞として数えた。部分ペプチドの破骨
細胞形成への影響を表5、6に示す。尚、表5はbPT
H1×10-8モル存在下での結果、表6は1α,25
(OH)23(VD3)1×10-9モル存在下での結果
である。
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】これらの結果より、本発明のペプチドは、
bPTH或いは1α,25(OH) 23によって誘導さ
れる破骨細胞の形成に対して、優れた抑制作用を有して
いるのが明らかである。
【0042】(5)骨形成活性への影響の検討 新生仔マウスの頭蓋冠を用いて、コラーゲン合成率を指
標に本発明のペプチドの骨形成への作用を検討した。即
ち、2日齢のICRマウス新生仔の頭蓋冠を無菌的に取
り出し、正中で2分割し、血液及び結合組織を除去し
た。
【0043】これらを、4mg/mlアルブミン添加B
GJb培地を6ml加えた10cmシャーレで4時間、
37℃ CO2インキュベーター(ホルマ製)で前培養し
た。前培養後、同新鮮培地を2ml入れた30ml三角
フラスコに頭蓋冠を3枚づつ移し、同時に5%FCS、
ウシインスリン(GIBCO製)、bPTH、或いは部
分ペプチドをそれぞれ添加し、前培養の条件に加えて、
37℃ CO2インキュベーター(ホルマ製)にて1分間
60振幅で96時間振盪培養した。培地は毎日新鮮培地
と交換した。
【0044】培養終了2時間前に、5μCi/mlにな
る様にしたL−[2,3−3H]プロリン(アマシャム
製)を添加してパルスラベルした。培養終了後、頭蓋冠
を取り出し、氷冷したPBSですすいだ後、5%TC
A、アセトン、エーテルで抽出し、ドラフト内で乾燥さ
せ、頭蓋冠重量を測定した。乾燥した頭蓋冠を0.5モ
ル酢酸でホモジナイズし、このホモジネートに0.5N
水酸化ナトリウム、1モルのHEPES(pH7.2)
を加えサンプル液とした。これを、表7に示すコラゲナ
ーゼ混合液を用いてコラゲナーゼによる消化を行った。
【0045】
【表7】
【0046】表7に示す混合液と上記サンプル液を混合
し、37℃3時間で消化した。途中1時間毎に撹はんを
加えた。酵素消化後、それぞれを氷冷下、20μlの
0.5%BSAを加えて反応を止め、10%TCA/
0.5%タンニン酸を加え、充分に撹はん後氷冷した。
5分放置後、5000rpm15分間遠心し上清を回収
した。
【0047】沈澱に5%TCA/0.25%タンニン酸
を加え、充分に撹はん後再遠心した。この上清を最初の
上清に加え、10mlのシンチレーターと混和し放射活
性を測定した。コラゲナーゼ存在下での試料のカウント
からコラゲナーゼ非存在下での試料のカウントを差し引
いたものをコラゲナーゼ消化性蛋白(CDP)に取り込
まれたトリチュウムラベルプロリンによる放射活性とし
た。又、沈澱には0.5mlの0.5%ドデシル硫酸ナ
トリウム5ミリモルジチオスレイトール溶液を加え、5
分間煮沸して溶解した。これに5mlのシンチレーター
を加えて放射活性を測定し、これをコラゲナーゼ非消化
性蛋白(NDP)中に取り込まれたトリチュウムラベル
プロリンによる放射活性とした。骨形成に於けるコラー
ゲン合成活性は、コラーゲン合成率として式1に示す式
より算出した。
【0048】
【式1】コラーゲン合成率(%)=(CDP中の放射活
性×100)/(CDP中の放射活性+NDP中の放射
活性×5.4)
【0049】結果を表8に示す。
【0050】
【表8】
【0051】この結果から、bPTHは骨形成を抑制
し、インスリンと本発明のペプチドは骨形成を促進して
いるのが判る。又、本発明のペプチドはインスリンより
も優れた骨形成促進作用を有していることが明白であ
る。
【0052】(6)急性毒性試験 5週齢の雄性ICRマウス(25〜30g)を用いて急
性毒性を調べた。部分ペプチドを生理食塩水に溶解さ
せ、マウスに経口投与しその14日後に生死を判定し急
性毒性を求めた。最高投与量は5000mg/Kgとし
た。
【0053】その結果、最高投与量に於いても死亡例は
なく、従って、急性毒性値は5000mg/Kg以上で
あった。これより本発明のペプチドの安全性の高いこと
が明白である。
【0054】
【発明の効果】本発明のペプチドは、破骨細胞を介して
のみならず、骨芽細胞を介しても骨吸収を抑制し、且
つ、骨形成も促進する上、安全性も高い。したがって、
これを含む本発明の治療薬は、骨粗ショウ症を始めとす
る代謝性骨疾患の治療薬として有益である。
【0055】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Phe Ser Pro Asn Ser Pro Ser Asp Val Ala Arg Cys Leu Asn Gly Ala 1 5 10 15 Leu Asp Val Gly 20
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 14/585 8318−4H (72)発明者 小杉 哲也 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560ポーラ化 成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 永田 欽也 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560ポーラ化 成工業株式会社戸塚研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬骨魚類のスタニオカルシンに共通なア
    ミノ酸配列を有するペプチドからなる骨代謝調節物質。
  2. 【請求項2】 配列番号1に記載のアミノ酸配列の少な
    くとも一部の配列を有するペプチドである請求項1記載
    の骨代謝調節物質。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の骨代謝調節物質
    を有効成分として含有する代謝性骨疾患治療薬。
  4. 【請求項4】 代謝性骨疾患が骨粗ショウ症である請求
    項3記載の代謝性骨疾患治療薬。
JP5315547A 1993-11-16 1993-12-15 骨代謝調節物質及び代謝性骨疾患治療薬 Pending JPH07188051A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000038707A1 (en) * 1998-12-24 2000-07-06 Garvan Institute Of Medical Research Method for the treatment of bone loss
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WO2013008681A1 (ja) 2011-07-09 2013-01-17 国立大学法人東北大学 線維症予防又は治療用医薬組成物

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