JPH0718735Y2 - 曲げガラスの成形装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は軟化点近くまで加熱した板ガラスを曲げ成形す
る装置に関する。

（従来の技術） 加熱炉にて加熱した板ガラスを成形装置まで搬送して曲
げ成形する場合、搬送中や成形型上に載置する際にズレ
を生じると正確な成形が行なえない。このため従来から
各種方法が採用されている。

例えば、板ガラスの搬送方向に沿ってレールを設け、こ
のレールに結合したガイド部材にて搬送中の板ガラスの
位置決めを行なう方法（実開昭62-129036号）、板ガラ
スをエアーにて浮して搬送するベッドを斜めにして板ガ
ラスを搬送方向と直交する方向の一方へ押し付けるよう
にした方法（特公昭47-2110号）或いは板ガラスの位置
をセンサーで検出し、その後の搬送制御により位置決め
する方法（特開昭62-230516号）などが知られている。

（考案が解決しようとする課題） 上述した先行技術はいずれも位置決め装置を別途設けな
ければならず、大掛りとなり且つ制御も面倒である。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決すべく本考案は、板ガラスの搬送方向を
基準として左右いずれか一方に板ガラスを押出す押出し
手段と、押出されてきた板ガラスを受け止めるガイド部
材を成形型の側方に進退自在に配置した。

（作用） 加熱された板ガラスは搬送方向を基準として、左右いず
れかの方向に寄せられつつ成形型上まで搬送され、また
このとき成形型の一側にはガイド部材が進出しているの
で、板ガラスの側縁と成形型の側縁とが位置合わせされ
る。

（実施例） 以下に本考案の実施例を添付図面に基いて説明する。

第１図は本考案に係る曲げガラス成形装置の全体図、第
２図は同成形装置の要部斜視図であり、加熱炉１に隣接
して設けた成形装置２のフレーム３の下部フレームにリ
ンク４を介して昇降板５を支持し、この昇降板５をシリ
ンダユニット６で昇降動せしめるとともに、昇降板５上
に下型としてのリングモールド７及び位置決めの際に板
ガラスＧの先端に当接するストッパ８を昇降せしめるシ
リンダユニット９を設け、フレーム３の上部フレームに
はリンク10を介して上型11を取付け、この上型11をシリ
ンダユニット12にて上下動せしめるようにしている。

一方、フレーム３の左右の中間フレーム13間には加熱炉
１から搬出された板ガラスＧをリングモールド７の直前
まで移送する搬送ロール14とリングモールド７内に配設
される型内搬送ロール15が回転自在に支持されている。

型内搬送ロール15は第２図に示すように、ロッド状の芯
材16の周囲に耐熱性材料からなるフレキシブルスリーブ
17を外挿してなり、芯材16については固定としスリーブ
17については図示しない駆動機構を介して回転せしめ、
板ガラスを搬送するようにしている。特に本実施例にあ
っては、リングモールド７及び型内搬送ロール15を矢印
で示した板ガラスＧの搬送方向に対して直交する方向に
傾斜せしめるとともに、型内搬送ロール15の形状をリン
グモールド７内側の部分については板ガラスＧの曲げ形
状に近いものとし、リングモールド７の直下部分につい
ては下方に湾曲せしめてリングモールド７と干渉しない
ようにしている。

また、リングモールド７の傾斜して下がった方の側方に
はガイド部材18を設けている。このガイド部材18は図示
しないシリンダユニットなどによって板ガラスの搬送方
向と直交する方向に進退可能とされ、前進位置でリング
モールド７の側縁に倣う形状をしたプレート19がリング
モールド７側縁に当接するようにしている。尚、プレー
ト19の搬送方向を基準として上流側部分19aは外側に湾
曲し、リングモールド７よりも若干下方にズレて搬送さ
れてきた板ガラスＧをスムーズにリングモールド７上に
押戻すようにしている。ここで、プレート19は板ガラス
Ｇの側縁が摺接する部材であるため摩擦係数の小さな材
質、たとえばカーボン（黒鉛）のブロック材、テフロ
ン、窒化ボロンなどを用いる。

第３図は別実施例を示す第２図と同様の図であり、この
実施例にあっては、ガイド部材18の本体に摺動性に優れ
たプレートを取付ける代りに上流部分が外方に湾曲した
アーム20を取付け、このアーム20上に前進位置において
板ガラスＧの側縁に接触するローラ21…を設けている。
このローラ21に就いては、モータ等によって回転せしめ
るようにして積極的に板ガラスの搬送機能をもたせても
よい。

以上において、加熱炉１から搬出された板ガラスＧは搬
送ロール14にて型内搬送ロール15上に受け渡され、型内
搬送ロール15によって予備成形されつつ且つ型内搬送ロ
ール15は傾斜しているので一側に寄りながらリングモー
ルド７上まで搬送される。そしてこのときガイド部材18
は前進位置にあるので、板ガラスＧの側縁はリングモー
ルド７の側縁に正確に一致することとなる。尚、板ガラ
スＧの前端縁とリングモールド７の前端縁との位置合わ
せはストッパ８にておこなう。

このようにして板ガラスＧとリングモールド７との位置
決めが終了したら、ストッパ８を下げるとともにガイド
部材18を後退させ、更にリングモールド７を上昇せしめ
て型内搬送ロール15から板ガラスを受取り、下降してき
た上型11との間で板ガラスをプレス成形する。

尚、実施例にあっては、板ガラスを搬送方向と直交する
方向に押し出す押し出し手段として、傾斜した型内搬送
ロールを用いたが、これ以外の手段でもよい。また成形
型としてはリングモールドの他に全面型を用いることも
可能である。

（効果） 以上に説明したように本考案によれば、成形型上に機械
的に正確に板ガラスを位置決めすることがで気、しかも
この位置決めを複雑な構造の装置を必要とせずに行なう
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る曲げガラス成形装置の全体図、第
２図は同成形装置の要部斜視図、第３図は別実施例を示
す第２図と同様の図である。 尚、図面中、２は曲げガラスの成形装置、７はリングモ
ールド、11は上型、15は型内搬送ロール、18はガイド部
材である。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】搬送ロールによって加熱した板ガラスを成
   形型上まで搬送して曲げ成形するようにした装置におい
   て、この成形装置は板ガラスの搬送方向を基準として左
   右いずれか一方へ板ガラスを押出す押出し手段と、押出
   されてきた板ガラスの側縁を受け止めて成形型に対して
   位置決めすべく成形型の一側に板ガラスの搬送方向と直
   交する方向に進退自在に配置されたガイド部材とを備え
   ていることを特徴とする曲げガラスの成形装置。
2. 【請求項２】前記押出し手段は板ガラスの搬送方向と角
   度をなす方向に対して傾斜した型内搬送ロールであるこ
   とを特徴とする請求項１に記載の曲げガラスの成形装
   置。