JPH0718731Y2 - 保安帽 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、工事現場において着用する保安帽に関す
る。

「従来の技術」 各種工事現場においては、各作業員は安全上の問題から
保安帽を着用することが義務付けられている。

第６図ないし第８図はかかる保安帽の従来例を示してい
る。この保安帽は、鉄骨などの落下物から頭を保護する
硬質プラスチック樹脂等からなるヘルメット１の内部
に、頭に被せて装着するネット２が配置されているもの
で、このネット２基端に設けられた内部バンド３を締め
たり緩めたりしてその径を調節することにより、頭への
着脱操作を行う構造とされている。

「考案が解決しようとする課題」 しかしながら、上記内部バンド３の構造は、第７図に示
すようにバンド重ね合わせ部４において、内部バンド３
の一端側５に連続して設けられた係止孔６…のいずれか
箇所に、内部バンド３の他端側７の図示しない突起を係
合させることで、バンド径を調節しているため、以下の
ような不都合があった。

即ち、保安帽を頭にかぶる際、内部バンド３を両手に持
って重ね合わせながら係合孔６をずらしつつ自分の頭に
合うように調整しているが、これでは、内部バンド３が
緩すぎたりきつすぎたりして、何度がかぶり直して頭に
合わせる面倒があり、その装着性に劣っていた。

この考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、装着性
に優れ、頭に即フィットさせることのできる保安帽を提
供することを目的としている。

「課題を解決するための手段」 この考案に係る保安帽は、頭を保護するヘルメットと、
このヘルメット内部に配置されたネットと、このネット
を頭に着脱自在に装着する内部バンドと、この内部バン
ドの径を調整するハンドルとを備えた構成とし、前記内
部バンドの一端に上面にラック状の溝を有する長孔を設
け、前記内部バンドの他端に下面にラック状の溝を有す
る長孔を設け、前記ハンドルに前記両長孔の各上下のラ
ック状の溝に噛み合う歯車を設けたものである。

「作用」 この考案の保安帽によれば、ハンドルを一方向へ回すこ
とにより、ハンドルの歯車に内部バンド両端の各長孔に
設けられた上下のラック状の溝が噛み合って内部バンド
の両端がそれぞれ前進し、内部バンドを縮径させる。ま
た、ハンドルを他方向へ回すことにより、内部バンドの
両端がそれぞれ後退し、内部バンドを拡径させる。これ
により、ハンドルを左右に回すことにより、内部バンド
の径を自分の頭にピッタリと合う寸法に素早く合わせる
ことが可能となる。

「実施例」 以下、この考案の一実施例について第１図ないし第５図
を参照して説明する。なお、従来例と同一部材には同一
符号を付してある。

この考案にかかる保安帽は、第１図ないし第３図に示す
ように、頭を保護するヘルメット１と、このヘルメット
内部に配置されたネット２と、このネットを頭に着脱自
在に装着する内部バンド３と、この内部バンドの径を調
整するハンドル10とを備えた主要構成とされている。

ヘルメット１は、頭を保護するため材料強度の高い硬質
プラスチック樹脂等からなる半球状のもので、その前頭
部側にはひさし11が設けられている。

ネット２は、保安帽を頭にかぶる際に直接頭に装着する
もので、頂部からヘルメット１内面に沿って放射状に延
びる各ネット部材12の下端に前記内部バンド３がリング
状に取り付けられ、この内部バンド３および各ネット部
材12の頂部が取付部13を介してヘルメット１の内面に一
体に取り付けられている。

内部バンド３は、プラスチック樹脂からなるもので、リ
ング状の内部バンド３の両端は互いに重ね合わされて内
部バンド３の径を調整する重ね合わせ部４を形成してい
る。この内部バンド３の一端には上面にラック状の溝14
を有する長孔15が設けられ、内部バンド３の他端には下
面にラック状の溝16を有する長孔17が設けられている。

ハンドル10は、第４図および第５図に示すように、手で
押さえて回し操作するつまみ部18と、つまみ部18の底面
に固定された回転軸19と、この回転軸19の先端に設けら
れた歯車20とから構成されている。かかるハンドル10
は、内部バンド３の重ね合わせ部４に被せられるカバー
21を介して重ね合わせ部４に取り付けられ、歯車20が前
記両長孔15、17の各上下のラック状の溝14、16に同時に
噛み合うとともに、回転軸19がカバー21の貫通孔22に支
持されている。

したがって、ハンドル10を右（時計回り）に回すこと
で、歯車20に上下のラック状の溝14、16が噛み合う内部
バンド３の両端がそれぞれ前進し、これによりバンド径
が縮径されることになる。また、ハンドル10を左（反時
計方向）へ回すことで、内部バンドの両端がそれぞれ後
退し、これによりバンド径が拡径されることになる。

このように構成された保安帽は、以下の如くして使用す
る。

保安帽を頭にかぶり、内部バンド３の重ね合わせ部４に
付けたハンドル10を右に回す。これにより歯車20に上の
ラック状の溝14が噛み合う内部バンド３の一端が前進す
る一方、歯車20に下のラック状の溝16が噛み合う内部バ
ンド３の他端も前進する。これにより内部バンド３が徐
々に縮径され、自分の頭にピッタリ合う寸法に素早く合
わせることができる。

内部バンド３を締めすぎたと感じたら、ハンドル10を左
に若干回せば、歯車20に上のラック状の溝14が噛み合う
内部バンド３の一端が若干後退する一方、歯車20に下の
ラック状の溝16が噛み合う内部バンド３の他端も若干後
退する。これにより内部バンド３が若干拡径され、自分
の頭にピッタリ合う寸法に素早く修正することができ
る。

この実施例によれば、ハンドル10を左右に回すだけで、
歯車20および上下のラック状の溝14、16の作用に基づ
き、内部バンド３の径を素早く頭にピッタリ合うように
合わせることができる。しかも、その操作は頭に保安帽
を被ったまま容易に行えるから非常に楽であり、従来の
ように何度も被り直す面倒がない他、たとえば手袋を着
用したままでも操作できる利点がある。

「考案の効果」 以上詳細に説明したように、この考案に係る保安帽は、
頭を保護するヘルメットと、このヘルメット内部に配置
されたネットと、このネットを頭に着脱自在に装着する
内部バンドと、この内部バンドの径を調整するハンドル
とを備えた構成とし、前記内部バンドの一端に上面にラ
ック状の溝を有する長孔を設け、前記内部バンドの他端
に下面にラック状の溝を有する長孔を設け、前記ハンド
ルに前記両長孔の各上下のラック状の溝に噛み合う歯車
を設けたから、保安帽を頭に被ったまま、ハンドルの回
し操作により内部バンドの径を自分の頭にうまく合う寸
法に素早く合わせることができる。これにより、保安帽
の装着性に非常に優れるとともに、バンド径の微調整も
行える効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１ないし第５図はこの考案の一実施例を示すもので、
第１図は保安帽の側面図、第２図は保安帽の内面図、第
３図は保安帽の背面図、第４図は内部バンドの重ね合わ
せ部およびハンドルの分解斜視図、第５図は内部バンド
の重ね合わせ部の一部断面斜視図、第６図ないし第８図
はこの考案の従来例を示すもので、第６図は保安帽の側
面図、第７図は保安帽の内面図、第８図は内部バンドの
重ね合わせ部の正面図である。 １……ヘルメット、２……ネット、３……内部バンド、
10……ハンドル、14、16……ラック状の溝、15、17……
長孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】頭を保護するヘルメットと、このヘルメッ
   ト内部に配置されたネットと、このネットを頭に着脱自
   在に装着する内部バンドと、この内部バンドの径を調整
   するハンドルとを備え、前記内部バンドの一端には上面
   にラック状の溝を有する長孔が設けられ、前記内部バン
   ドの他端には下面にラック状の溝を有する長孔が設けら
   れ、前記ハンドルには前記各長孔の上下のラック状の溝
   に噛み合う歯車が設けられていることを特徴とする保安
   帽。