JPH0718723B2 - 熱式流量センサの信号処理方法 - Google Patents
熱式流量センサの信号処理方法Info
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- JPH0718723B2 JPH0718723B2 JP1072617A JP7261789A JPH0718723B2 JP H0718723 B2 JPH0718723 B2 JP H0718723B2 JP 1072617 A JP1072617 A JP 1072617A JP 7261789 A JP7261789 A JP 7261789A JP H0718723 B2 JPH0718723 B2 JP H0718723B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、流体の流量を検出する熱式流量センサに関
するもので、特に、流量変化に対する応答性を向上させ
るとともに過補正を防止させる信号処理方法に関するも
のである。
するもので、特に、流量変化に対する応答性を向上させ
るとともに過補正を防止させる信号処理方法に関するも
のである。
従来の熱式流量センサとしては、内燃機関の吸入空気流
量を検出する熱式空気流量センサがよく知られており、
代表的なものとして吸気通路内に配設された白金線の温
度が一定となるよう白金線への通電電流を制御し、この
電流値に対応して空気流量信号を得るホットワイヤ式空
気流量センサが公知である。又、該白金線の代りにアル
ミナ基板やフィルムに白金を蒸着した熱式空気流量セン
サがホットワイヤ式空気流量センサの廉価版として最近
注目されてきている。
量を検出する熱式空気流量センサがよく知られており、
代表的なものとして吸気通路内に配設された白金線の温
度が一定となるよう白金線への通電電流を制御し、この
電流値に対応して空気流量信号を得るホットワイヤ式空
気流量センサが公知である。又、該白金線の代りにアル
ミナ基板やフィルムに白金を蒸着した熱式空気流量セン
サがホットワイヤ式空気流量センサの廉価版として最近
注目されてきている。
ところで、これらの熱式空気流量センサにおいては、定
温度に制御された温度依存抵抗への通電電流を検知して
空気流量を計測するものであるため、該温度依存抵抗な
らびにその保持部材への熱伝導及び蓄熱により計測すべ
き空気流量が変化した時出力応答が遅れ、検出特性に誤
差を生じることが知られている。
温度に制御された温度依存抵抗への通電電流を検知して
空気流量を計測するものであるため、該温度依存抵抗な
らびにその保持部材への熱伝導及び蓄熱により計測すべ
き空気流量が変化した時出力応答が遅れ、検出特性に誤
差を生じることが知られている。
第5図(a)はこの種の熱式空気流量センサ(1)を示すもの
で、(11)は空気が流れる通路を兼ねる管状のハウジング
であり、空気の流れる方向を矢印で示している。RHは空
気流量を検出する為の温度依存抵抗で、第5図(b)に示
すようにアルミナ基板(14)の上に白金を印刷あるいは蒸
着した後トリミングして形成されたもので、他の抵抗
RK,RMとともに空気通路内に配設されている。RH,RM,
RK,R1,R2は周知のブリッジ回路構成で抵抗値検出装置
を形成し、作動増巾器(12)とによって閉ループを形成し
てRHの温度又は抵抗値が一定となるよう制御される。こ
のため、空気流量に対応してRHの通電電流が決定され、
該電流値とRMの抵抗値の積から出力電圧(13)を得ること
ができる。
で、(11)は空気が流れる通路を兼ねる管状のハウジング
であり、空気の流れる方向を矢印で示している。RHは空
気流量を検出する為の温度依存抵抗で、第5図(b)に示
すようにアルミナ基板(14)の上に白金を印刷あるいは蒸
着した後トリミングして形成されたもので、他の抵抗
RK,RMとともに空気通路内に配設されている。RH,RM,
RK,R1,R2は周知のブリッジ回路構成で抵抗値検出装置
を形成し、作動増巾器(12)とによって閉ループを形成し
てRHの温度又は抵抗値が一定となるよう制御される。こ
のため、空気流量に対応してRHの通電電流が決定され、
該電流値とRMの抵抗値の積から出力電圧(13)を得ること
ができる。
次に、このような熱式空気流量センサ(1)の空気流量変
化時の応答遅れについて説明する。第6図は空気流量を
ステップ状に変化させた時の熱式空気流量センサの応答
を示す図であり、その特性はA点を筋とする折れ線に略
等しい応答を示す。ここで横軸はステップ変化後の経過
時間、縦軸は空気流量変化率を示す。A点までの時間遅
れは、白金抵抗RHの熱応答及び回路の応答遅れが主とし
て起因し、A点での目標値との偏差及びA点から目標へ
収れんするまでの時間は主として白金抵抗RHの保持部材
であるアルミナ基板(14)への熱伝導,蓄熱により生じる
ものである。第7図は上記動作を説明するための図であ
り、アルミナ基板(14)に対し白金抵抗RHの位置を基準に
距離を横軸にとった時のアルミナ基板(14)上の温度分布
を示す。白金抵抗RH部付近の温度は前述の回路により空
気温度に対し十分高い一定の温度に制御されている。こ
こで、白金抵抗RHにおいて発生した熱は空気中へ放出さ
れるとともに白金抵抗RH部からアルミナ基板(14)へ伝熱
・蓄熱されることになる。該閉ループ回路はこの熱損失
を補って白金抵抗RHへの電流を制御する。従って、所定
の空気流量に対する熱式空気流量センサ(1)の出力はア
ルミナ基板(14)への伝熱蓄熱分を含んだものとなるが、
アルミナ基板(14)上の熱の平衡がとれた状態での特性即
ち定常状態では正確な流量特性が得られる。ところが、
空気流量が変化する場合は上記熱平衡がとれない為流量
特性に誤差を生ずることになる。第7図のl1は空気流量
が少ない時の温度分布であり、l2は空気流量が大きい時
を示す。ここで、l2がl1の下方になるのは流れる空気流
量によってアルミナ基板(14)の冷却効果が異なる為であ
る。小流量から大流量へ空気流量をステップ変化させた
時は最終的には温度分布がl2になるが、初期はl2に対応
する空気流量であるのにl1の温度分布となり白金抵抗RH
への供給電流、即ち、熱式空気流量センサ(1)出力は本
来の出力より少なくなる。このため、空気流量の変化が
あった時は変化前の空気流量に対応する温度分布と変化
後の空気流量に対応する温度分布の差に対応した初期流
量誤差を生じ、温度分布が変化後の空気流量に対する定
常状態になるまでの時間誤差が暫減しながら継続するこ
とになる。この度合いは第5図に示す熱式空気流量セン
サ(1)では、保持部材であるアルミナ基板(14)の伝熱・
蓄熱の影響が大きく、内燃機関の燃料噴射装置で実用化
可能な程度の応答性・耐久性をもつセンサとすべく白金
抵抗RHの面積、アルミナ基板(14)の厚みなどを考慮して
製作したものでも初期流量偏差が最大30%、偏差の継続
時間が500ms程度となり、このような応答遅れは内燃機
関の燃料制御上許容し難いものである。
化時の応答遅れについて説明する。第6図は空気流量を
ステップ状に変化させた時の熱式空気流量センサの応答
を示す図であり、その特性はA点を筋とする折れ線に略
等しい応答を示す。ここで横軸はステップ変化後の経過
時間、縦軸は空気流量変化率を示す。A点までの時間遅
れは、白金抵抗RHの熱応答及び回路の応答遅れが主とし
て起因し、A点での目標値との偏差及びA点から目標へ
収れんするまでの時間は主として白金抵抗RHの保持部材
であるアルミナ基板(14)への熱伝導,蓄熱により生じる
ものである。第7図は上記動作を説明するための図であ
り、アルミナ基板(14)に対し白金抵抗RHの位置を基準に
距離を横軸にとった時のアルミナ基板(14)上の温度分布
を示す。白金抵抗RH部付近の温度は前述の回路により空
気温度に対し十分高い一定の温度に制御されている。こ
こで、白金抵抗RHにおいて発生した熱は空気中へ放出さ
れるとともに白金抵抗RH部からアルミナ基板(14)へ伝熱
・蓄熱されることになる。該閉ループ回路はこの熱損失
を補って白金抵抗RHへの電流を制御する。従って、所定
の空気流量に対する熱式空気流量センサ(1)の出力はア
ルミナ基板(14)への伝熱蓄熱分を含んだものとなるが、
アルミナ基板(14)上の熱の平衡がとれた状態での特性即
ち定常状態では正確な流量特性が得られる。ところが、
空気流量が変化する場合は上記熱平衡がとれない為流量
特性に誤差を生ずることになる。第7図のl1は空気流量
が少ない時の温度分布であり、l2は空気流量が大きい時
を示す。ここで、l2がl1の下方になるのは流れる空気流
量によってアルミナ基板(14)の冷却効果が異なる為であ
る。小流量から大流量へ空気流量をステップ変化させた
時は最終的には温度分布がl2になるが、初期はl2に対応
する空気流量であるのにl1の温度分布となり白金抵抗RH
への供給電流、即ち、熱式空気流量センサ(1)出力は本
来の出力より少なくなる。このため、空気流量の変化が
あった時は変化前の空気流量に対応する温度分布と変化
後の空気流量に対応する温度分布の差に対応した初期流
量誤差を生じ、温度分布が変化後の空気流量に対する定
常状態になるまでの時間誤差が暫減しながら継続するこ
とになる。この度合いは第5図に示す熱式空気流量セン
サ(1)では、保持部材であるアルミナ基板(14)の伝熱・
蓄熱の影響が大きく、内燃機関の燃料噴射装置で実用化
可能な程度の応答性・耐久性をもつセンサとすべく白金
抵抗RHの面積、アルミナ基板(14)の厚みなどを考慮して
製作したものでも初期流量偏差が最大30%、偏差の継続
時間が500ms程度となり、このような応答遅れは内燃機
関の燃料制御上許容し難いものである。
このような欠点を改善する方法として例えば特開昭63−
134919号公報に示されるように熱式空気流量センサの構
造を工夫して空気流量変化に対する応答特性を改善する
ものが知られている。
134919号公報に示されるように熱式空気流量センサの構
造を工夫して空気流量変化に対する応答特性を改善する
ものが知られている。
しかしながら、このような従来の熱式空気流量センサに
おいては、センサ自体で応答性を改善しているため、構
造が複雑化して製造が困難なものとなり、あるいは価格
が高くなるなどの問題点があった。
おいては、センサ自体で応答性を改善しているため、構
造が複雑化して製造が困難なものとなり、あるいは価格
が高くなるなどの問題点があった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされ
たもので、構造が簡単で廉価な熱式流量センサを用い、
信号処理によって応答性を改善するとともに補正の行き
過ぎを防止するようにした信号処理方法を提供するもの
である。
たもので、構造が簡単で廉価な熱式流量センサを用い、
信号処理によって応答性を改善するとともに補正の行き
過ぎを防止するようにした信号処理方法を提供するもの
である。
この発明は、温度依存抵抗と該抵抗を支持する保持部材
とからなる熱式流量センサを備えたものにおいて、流量
が定常状態を維持した平衡状態にあるときの流量に対応
し第1の演算値を予じめ設定しておき、流量に対応した
値から第1の演算値を求めるとともに、流量が変動した
ときの上記第1の演算値からのずれに対応した第2の演
算値を求め、上記第1の演算値と上記第2の演算値との
偏差から求められる補正値により上記流量センサの出力
を補正するものであって、上記補正値に上限または下限
を設けるように構成したものである。
とからなる熱式流量センサを備えたものにおいて、流量
が定常状態を維持した平衡状態にあるときの流量に対応
し第1の演算値を予じめ設定しておき、流量に対応した
値から第1の演算値を求めるとともに、流量が変動した
ときの上記第1の演算値からのずれに対応した第2の演
算値を求め、上記第1の演算値と上記第2の演算値との
偏差から求められる補正値により上記流量センサの出力
を補正するものであって、上記補正値に上限または下限
を設けるように構成したものである。
この発明における信号処理方法は、平衡状態にあるとき
の流量に対応して設定された第1の演算値と第1の演算
値とのずれに対応して演算される第2の演算値とにより
流量センサの出力を補正するとともに、補正に用いられ
る値が上限または下限を越えないように設定することに
より、温度依存抵抗及び抵抗保持部材の温度特性に伴な
う応答遅れを解消させるとともに過補正を防止させるこ
とができる。
の流量に対応して設定された第1の演算値と第1の演算
値とのずれに対応して演算される第2の演算値とにより
流量センサの出力を補正するとともに、補正に用いられ
る値が上限または下限を越えないように設定することに
より、温度依存抵抗及び抵抗保持部材の温度特性に伴な
う応答遅れを解消させるとともに過補正を防止させるこ
とができる。
〔実施例〕 以下、この発明を一実施例である熱式空気流量センサを
用いた燃料噴射装置について説明する。第1図におい
て、(1)は上述の第5図に示された形式の熱式空気流量
センサ、(2)は該空気流量センサ(1)を収容する吸気通
路、(3)は吸入空気量を調整するスロットルバルブ、(4)
はサージタンク、(5)はインテークマニホールド、(6)は
エンジン、(7)はエンジン(6)における気筒毎のインテー
クマニーホールドに取付けられたインジェクタ、(8)は
エンジン(6)のカムシャフト軸に取付けられたディトリ
ビュータ内に設けられ、クランク軸の回転位置を検出す
るクランク角センサ、(9)は空気流量センサ(1)からの空
気流量信号及びクランク角センサ(8)からのエンジン回
転数信号を主に図示しない各種センサなどによる補正演
算を行ないインジェクタ(7)の噴射パルス巾を制御する
信号処理器で、第2図に示すように熱式空気流量センサ
(1)の出力電圧信号をディジタル交換するA/D変換器(9
1)と、クランク角センサ(8)の出力信号を波形整形する
ディジタルインタフェース(92)と、これらの出力を受
けて演算処理を行なう中央処理装置(CPU)(93)と、
プログラムおよびデータなどが記憶されたROM(94)
と、データを一時記憶するRAM(95)と、出力信号を発
生する駆動回路(96)とから構成されている。基本の演
算処理方法としては、空気流量センサのA/D値、クラン
ク角センサからの回転数信号などを用い後述する空気流
量の補正演算を行ない、これらの信号、演算値により周
知の方法で燃料噴射パルス巾を計算して駆動回路(96)
によりインジェクタ(7)を制御することになる。
用いた燃料噴射装置について説明する。第1図におい
て、(1)は上述の第5図に示された形式の熱式空気流量
センサ、(2)は該空気流量センサ(1)を収容する吸気通
路、(3)は吸入空気量を調整するスロットルバルブ、(4)
はサージタンク、(5)はインテークマニホールド、(6)は
エンジン、(7)はエンジン(6)における気筒毎のインテー
クマニーホールドに取付けられたインジェクタ、(8)は
エンジン(6)のカムシャフト軸に取付けられたディトリ
ビュータ内に設けられ、クランク軸の回転位置を検出す
るクランク角センサ、(9)は空気流量センサ(1)からの空
気流量信号及びクランク角センサ(8)からのエンジン回
転数信号を主に図示しない各種センサなどによる補正演
算を行ないインジェクタ(7)の噴射パルス巾を制御する
信号処理器で、第2図に示すように熱式空気流量センサ
(1)の出力電圧信号をディジタル交換するA/D変換器(9
1)と、クランク角センサ(8)の出力信号を波形整形する
ディジタルインタフェース(92)と、これらの出力を受
けて演算処理を行なう中央処理装置(CPU)(93)と、
プログラムおよびデータなどが記憶されたROM(94)
と、データを一時記憶するRAM(95)と、出力信号を発
生する駆動回路(96)とから構成されている。基本の演
算処理方法としては、空気流量センサのA/D値、クラン
ク角センサからの回転数信号などを用い後述する空気流
量の補正演算を行ない、これらの信号、演算値により周
知の方法で燃料噴射パルス巾を計算して駆動回路(96)
によりインジェクタ(7)を制御することになる。
ところで、このような燃料噴射装置に用いられる熱式空
気流量センサ(1)は上述したようにアルミナ基板(14)の
伝熱・蓄熱特性により応答遅れが避けられないものであ
り、本発明による応答性改善処理が必要となる。
気流量センサ(1)は上述したようにアルミナ基板(14)の
伝熱・蓄熱特性により応答遅れが避けられないものであ
り、本発明による応答性改善処理が必要となる。
以下、この発明の一実施例である信号処理方法を第3
図、第4図、第5図を用いて説明する。第3図におい
て、まず、信号処理器(9)は所定の時間間隔で空気流量
センサ(1)の出力電圧をA/D変換した値により予じめ測定
された流量特性に基づき相当する流量を求めておき、ス
テップ101においてクランク角センサ(8)による割込み信
号(4気筒エンジンの場合1000rpmの回転時は30m秒毎)
が入力されると、これらの時間における流量の積算値と
積算回数とから回転信号間の平均空気流量Qaを演算す
る。次に、ステップ102において、空気流量センサ(1)が
定常状態、すなわち熱的に平衡状態にあるときの平均空
気流量Qaに対するデータCQmaxを予じめ設定されたテー
ブルを参照して求める。このテーブルは、内燃機関に用
いられる実用空気流量計計測減が数g/秒〜100g/秒程度
の場合、第3図(b)に示すように最低流量で0.3、中流量
以上で0となり、しかも、低流量減で空気流量Qaの増加
に伴なって減少する値を持つように構成されている。
図、第4図、第5図を用いて説明する。第3図におい
て、まず、信号処理器(9)は所定の時間間隔で空気流量
センサ(1)の出力電圧をA/D変換した値により予じめ測定
された流量特性に基づき相当する流量を求めておき、ス
テップ101においてクランク角センサ(8)による割込み信
号(4気筒エンジンの場合1000rpmの回転時は30m秒毎)
が入力されると、これらの時間における流量の積算値と
積算回数とから回転信号間の平均空気流量Qaを演算す
る。次に、ステップ102において、空気流量センサ(1)が
定常状態、すなわち熱的に平衡状態にあるときの平均空
気流量Qaに対するデータCQmaxを予じめ設定されたテー
ブルを参照して求める。このテーブルは、内燃機関に用
いられる実用空気流量計計測減が数g/秒〜100g/秒程度
の場合、第3図(b)に示すように最低流量で0.3、中流量
以上で0となり、しかも、低流量減で空気流量Qaの増加
に伴なって減少する値を持つように構成されている。
この第1の演算値CQmaxは空気流量Qaに対応して変化す
るアルミナ基板(14)の温度特性を表わすものと考えられ
る。
るアルミナ基板(14)の温度特性を表わすものと考えられ
る。
次に、ステップ103において、第3図(c)に示された処理
ルーチンにより演算された第2の演算値CQをRAM(95)よ
り読み出す。この第2の演算値CQは次のルーチンにより
設定される。すなわち、図において、例えば100msに設
定された定時間割込信号が入力されると、ステップ301
において、平均空気Qaに対応する新しい値CQmaxが直前
の値と等しいか否かを判別し、両者が一致している場合
は平衡状態にあるものとしてその値CQmaxを第2の演算
値CQとして保持する。また、両者が不一致である場合、
ステップ302において、直前の値CQが第1演算値CQmaxよ
り大であるか否かを判定して大である場合にはステップ
303で所定値△Cを減算し、小である場合にはステップ3
04で所定値△Cを加算する。このようにして第2の演算
値CQを第1の演算値CQmaxに近づけるように演算処理を
行なわせ、第1の演算値CQmaxとの大小関係に応じた第
2の演算値CQをRAM(95)に記憶させることができる。
ルーチンにより演算された第2の演算値CQをRAM(95)よ
り読み出す。この第2の演算値CQは次のルーチンにより
設定される。すなわち、図において、例えば100msに設
定された定時間割込信号が入力されると、ステップ301
において、平均空気Qaに対応する新しい値CQmaxが直前
の値と等しいか否かを判別し、両者が一致している場合
は平衡状態にあるものとしてその値CQmaxを第2の演算
値CQとして保持する。また、両者が不一致である場合、
ステップ302において、直前の値CQが第1演算値CQmaxよ
り大であるか否かを判定して大である場合にはステップ
303で所定値△Cを減算し、小である場合にはステップ3
04で所定値△Cを加算する。このようにして第2の演算
値CQを第1の演算値CQmaxに近づけるように演算処理を
行なわせ、第1の演算値CQmaxとの大小関係に応じた第
2の演算値CQをRAM(95)に記憶させることができる。
次に、ステップ104において、第1の演算値CQmaxと第2
の演算値CQとから補正係数Cを求め、ステップ105にお
いてこの補正係数Cが所定の上限値Kmaxより大であるか
否かを判定し、上限値Kmaxより大であればステップ106
で補正係数Cを上限値Kmaxに設定する。また、上限値Km
axより小である場合、ステップ107において下限値Kmin
より小であるか否かを判定し、小であればステップ108
で補正係数Cを下限値Cminに設定する。このようにして
補正係数Cを上限値Kmaxと下限値Kminの間の値に制限
し、ステップ109においてこの補正係数Cを平均空気流
量Qaに乗算して実質空気流量Qa*を算出することにな
る。
の演算値CQとから補正係数Cを求め、ステップ105にお
いてこの補正係数Cが所定の上限値Kmaxより大であるか
否かを判定し、上限値Kmaxより大であればステップ106
で補正係数Cを上限値Kmaxに設定する。また、上限値Km
axより小である場合、ステップ107において下限値Kmin
より小であるか否かを判定し、小であればステップ108
で補正係数Cを下限値Cminに設定する。このようにして
補正係数Cを上限値Kmaxと下限値Kminの間の値に制限
し、ステップ109においてこの補正係数Cを平均空気流
量Qaに乗算して実質空気流量Qa*を算出することにな
る。
第4図は、このような空気流量センサ(1)を用い空気流
量が急激に増減した場合のタイムチャートを示すもの
で、時間toにスロットバルブ(3)を急激に解放してその
流量状態(大流量状態)を維持し、その後、t3時にスロ
ットルバルブ(3)を急激に閉鎖状態に復帰させた場合を
示している。ここで、第4図(a)の実戦は実際の吸入空
気量Qの変化を示し、点線は空気流量センサ(1)により
示される吸入空気量Qaの変化を示している。すなわち、
空気流量センサ(1)の出力Qaはセンサ自体の応答特性に
より変化した後、A点(t1時)において、第6図に示す
ようなアルミナ基板(14)の温度特性に伴なって応答性が
低下し、実際の空気流量を示す信号が得られるt2時まで
の時間遅れが生じる。このt1〜t2時の時間は数100m秒〜
1秒とt0〜t1時の50m秒に比して無視できないものであ
る。一方、空気流量センサ(1)の出力Qaに伴なって第1
の演算値CQmaxは第4図(b)に点線で示すように変化し、
また、第2の演算値CQも第3図(c)に示す演算に伴なっ
て実線で示すように変化する。したがって、補正係数C
は第4図(c)に示すように第1,第2の演算値CQmax,CQの
偏差に応じて変動することになり、この補正係数Cを空
気流量センサ(1)の出力Qaに乗算することによって実際
の吸入空気量Qに近似した吸入空気量Qa*を表わす信号
を得ることができる。
量が急激に増減した場合のタイムチャートを示すもの
で、時間toにスロットバルブ(3)を急激に解放してその
流量状態(大流量状態)を維持し、その後、t3時にスロ
ットルバルブ(3)を急激に閉鎖状態に復帰させた場合を
示している。ここで、第4図(a)の実戦は実際の吸入空
気量Qの変化を示し、点線は空気流量センサ(1)により
示される吸入空気量Qaの変化を示している。すなわち、
空気流量センサ(1)の出力Qaはセンサ自体の応答特性に
より変化した後、A点(t1時)において、第6図に示す
ようなアルミナ基板(14)の温度特性に伴なって応答性が
低下し、実際の空気流量を示す信号が得られるt2時まで
の時間遅れが生じる。このt1〜t2時の時間は数100m秒〜
1秒とt0〜t1時の50m秒に比して無視できないものであ
る。一方、空気流量センサ(1)の出力Qaに伴なって第1
の演算値CQmaxは第4図(b)に点線で示すように変化し、
また、第2の演算値CQも第3図(c)に示す演算に伴なっ
て実線で示すように変化する。したがって、補正係数C
は第4図(c)に示すように第1,第2の演算値CQmax,CQの
偏差に応じて変動することになり、この補正係数Cを空
気流量センサ(1)の出力Qaに乗算することによって実際
の吸入空気量Qに近似した吸入空気量Qa*を表わす信号
を得ることができる。
ところで、このような吸気流量センサ(1)においては、
熱応答モデルの近似誤差が生じたり、また、内燃機関の
過度偏流の影響などが避けられず、この場合、上述のよ
うな補正演算を行なわせると、補正後の流量値が大きく
なり過ぎる欠点が認められた。このため、本願発明にお
いては、ステップ105,ステップ106において補正係数C
が上下限Kmax,Kminの範囲内にあるが否かを判定させ、
上下限を越えている場合には上限値Kmaxまたは下限値Km
inに設定することによって補正演算の行き過ぎを阻止し
ている。
熱応答モデルの近似誤差が生じたり、また、内燃機関の
過度偏流の影響などが避けられず、この場合、上述のよ
うな補正演算を行なわせると、補正後の流量値が大きく
なり過ぎる欠点が認められた。このため、本願発明にお
いては、ステップ105,ステップ106において補正係数C
が上下限Kmax,Kminの範囲内にあるが否かを判定させ、
上下限を越えている場合には上限値Kmaxまたは下限値Km
inに設定することによって補正演算の行き過ぎを阻止し
ている。
このように、本発明においては、空気流量センサ(1)の
出力に対してこの出力が平衡状態において発生する第1
の演算値CQmaxを予じめ記憶させておき、この第1の演
算値CQmaxの変化及び第1の演算値CQmaxとの大小関係に
応じて変化する第2の演算値CQを形成させるとともにこ
れらの演算値によって補正係数Cを算出させ、しかも、
補正係数Cに上限値Kmax,または下限値Kminに制限を設
け、この補正係数Cを空気流量センサ(1)の出力に乗算
させて補正させるように構成したため、温度依存抵抗を
支持する保持部材による熱的影響を解消することがで
き、空気流量を検出する際の応答特性を改善することが
可能となるとともに補正の行き過ぎを防止することがで
きる。
出力に対してこの出力が平衡状態において発生する第1
の演算値CQmaxを予じめ記憶させておき、この第1の演
算値CQmaxの変化及び第1の演算値CQmaxとの大小関係に
応じて変化する第2の演算値CQを形成させるとともにこ
れらの演算値によって補正係数Cを算出させ、しかも、
補正係数Cに上限値Kmax,または下限値Kminに制限を設
け、この補正係数Cを空気流量センサ(1)の出力に乗算
させて補正させるように構成したため、温度依存抵抗を
支持する保持部材による熱的影響を解消することがで
き、空気流量を検出する際の応答特性を改善することが
可能となるとともに補正の行き過ぎを防止することがで
きる。
なお、上述の実施例においては、第1、第2の演算値CQ
max,CQを0.3〜0の範囲に設定し、補正係数Cを(1+C
Q−CQmax)により求めるように構成したが、第1,第2の
演算値CQmax,CQをそれぞれ流量値を表す値30〜0の範囲
とし、これらの差(CQ−CQmax)平均空気流量Qaから加
減算するように構成しても同等の効果が得られるもので
ある。このとき、差(CQ−CQmax)の値を所定の上下限
値Kmax,Kminに制限しておくことは言うまでもない。
max,CQを0.3〜0の範囲に設定し、補正係数Cを(1+C
Q−CQmax)により求めるように構成したが、第1,第2の
演算値CQmax,CQをそれぞれ流量値を表す値30〜0の範囲
とし、これらの差(CQ−CQmax)平均空気流量Qaから加
減算するように構成しても同等の効果が得られるもので
ある。このとき、差(CQ−CQmax)の値を所定の上下限
値Kmax,Kminに制限しておくことは言うまでもない。
また第1の演算値を空気流量センサ(1)の出力に応じて
予じめ設定するように構成したが、この第1の演算値は
空気流量に対応した値にすぎないものであり、内燃機関
において空気流量を表わすパラメータとして用いられて
いるブースト値と回転数あるいはスロットル開度と回転
数とによって第1の演算値を求めるように構成してもよ
い。さらに、熱式流量センサとして内燃機関の空気流量
センサについて説明したが、温度依存抵抗及びその保持
部材の温度又は温度分布が流体の流量変化に対して流量
に対する平衡値からずれを生じ、流量特性に誤差を生じ
る熱式流量センサであればよく、例えば、内燃機関のEG
Rガス流量センサにも適用することができる。
予じめ設定するように構成したが、この第1の演算値は
空気流量に対応した値にすぎないものであり、内燃機関
において空気流量を表わすパラメータとして用いられて
いるブースト値と回転数あるいはスロットル開度と回転
数とによって第1の演算値を求めるように構成してもよ
い。さらに、熱式流量センサとして内燃機関の空気流量
センサについて説明したが、温度依存抵抗及びその保持
部材の温度又は温度分布が流体の流量変化に対して流量
に対する平衡値からずれを生じ、流量特性に誤差を生じ
る熱式流量センサであればよく、例えば、内燃機関のEG
Rガス流量センサにも適用することができる。
また、信号処理方法として、実施例では熱式空気流量セ
ンサの流量値を補正するように構成したが、流量センサ
の出力値又はこの出力値をA/D変換した値を用いるよう
にしてもよい。
ンサの流量値を補正するように構成したが、流量センサ
の出力値又はこの出力値をA/D変換した値を用いるよう
にしてもよい。
以上のように、この発明によれば熱式流量センサにおけ
る温度依存抵抗及びその保持部材の熱応答遅れを信号処
理により補正することが可能となり、しかも、補正値に
上限又は下限を設けることにより補正の行き過ぎを防止
するようにしたため、構造が簡単で安価な熱式流量セン
サを用い、応答性が良好で精度のよい流量測定を行なわ
せることができる。
る温度依存抵抗及びその保持部材の熱応答遅れを信号処
理により補正することが可能となり、しかも、補正値に
上限又は下限を設けることにより補正の行き過ぎを防止
するようにしたため、構造が簡単で安価な熱式流量セン
サを用い、応答性が良好で精度のよい流量測定を行なわ
せることができる。
第1図はこの発明の一実施例である内燃機関の燃料噴射
装置を示す基本構成図、第2図は第1図における燃料噴
射装置の信号処理器を示すブロック図、第3図は本発明
の信号処理方法を示すフローチャートおよび特性図、、
第4図はタイムチャートを示す図、第5図は内燃機関の
熱式空気流量センサを示すブロック図、第6図は空気流
量をステップ変化させた時の該センサの空気流量変化率
を示す図、第7図はセンサの熱応答遅れを説明する図で
ある。 図中、(1)は空気流量センサ、(3)はスロットルバルブ、
(6)はエンジン、(7)はインジェクタ、(8)はクランク角
センサ、(9)は信号処理器、RH温度依存抵抗、(14)は保
持部材であるアルミナ基板、CQmaxは第1の演算値、CQ
は第2の演算値を示す。 なお、図中、同一符号は同一あるいは相当する部分を示
すものとする。
装置を示す基本構成図、第2図は第1図における燃料噴
射装置の信号処理器を示すブロック図、第3図は本発明
の信号処理方法を示すフローチャートおよび特性図、、
第4図はタイムチャートを示す図、第5図は内燃機関の
熱式空気流量センサを示すブロック図、第6図は空気流
量をステップ変化させた時の該センサの空気流量変化率
を示す図、第7図はセンサの熱応答遅れを説明する図で
ある。 図中、(1)は空気流量センサ、(3)はスロットルバルブ、
(6)はエンジン、(7)はインジェクタ、(8)はクランク角
センサ、(9)は信号処理器、RH温度依存抵抗、(14)は保
持部材であるアルミナ基板、CQmaxは第1の演算値、CQ
は第2の演算値を示す。 なお、図中、同一符号は同一あるいは相当する部分を示
すものとする。
Claims (1)
- 【請求項1】温度に依存して抵抗値が変動する温度依存
抵抗とこの温度依存抵抗を支持する保持部材とを有し、
上記温度依存抵抗を介して形成される出力信号に基づ
き、液体の流量を検出する熱式流量センサを備えたもの
において、上記流体の流量が定常状態を維持した平衡状
態にあるときの上記流量に対応した第1の演算値を予じ
め設定しておき、上記流量に対応した値から上記第1の
演算値を求めるとともに、上記流体の流量が変動したと
きの上記第1の演算値からのずれに対応した第2の演算
値を求め、上記第1の演算値と上記第2の演算値との偏
差から求められる補正値により上記流量センサの出力を
補正するものであって、上記補正値に上限または下限を
設けたことを特徴とする熱式流量センサの信号処理方
法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1072617A JPH0718723B2 (ja) | 1989-03-24 | 1989-03-24 | 熱式流量センサの信号処理方法 |
DE4004552A DE4004552C2 (de) | 1989-02-14 | 1990-02-14 | Signalverarbeitungsverfahren für einen thermischen Durchflußsensor |
KR1019900001772A KR930004080B1 (ko) | 1989-02-14 | 1990-02-14 | 열식 유량 감지기의 신호 처리방법 |
US07849812 US5301126C1 (en) | 1989-02-14 | 1992-03-11 | Method of processing a signal from a thermal type flow sensor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1072617A JPH0718723B2 (ja) | 1989-03-24 | 1989-03-24 | 熱式流量センサの信号処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02249922A JPH02249922A (ja) | 1990-10-05 |
JPH0718723B2 true JPH0718723B2 (ja) | 1995-03-06 |
Family
ID=13494524
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1072617A Expired - Fee Related JPH0718723B2 (ja) | 1989-02-14 | 1989-03-24 | 熱式流量センサの信号処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0718723B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112814793B (zh) * | 2020-12-29 | 2022-08-23 | 潍柴动力股份有限公司 | 一种发动机进气信号修正方法、装置和系统 |
-
1989
- 1989-03-24 JP JP1072617A patent/JPH0718723B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02249922A (ja) | 1990-10-05 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |