JPH07187068A - 船舶衝突時の船体損傷緩和装置 - Google Patents

船舶衝突時の船体損傷緩和装置

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JPH07187068A
JPH07187068A JP33328093A JP33328093A JPH07187068A JP H07187068 A JPH07187068 A JP H07187068A JP 33328093 A JP33328093 A JP 33328093A JP 33328093 A JP33328093 A JP 33328093A JP H07187068 A JPH07187068 A JP H07187068A
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JP
Japan
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ship
bow
collision
hull
rotating body
Prior art date
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Application number
JP33328093A
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English (en)
Inventor
Yuichi Taniguchi
友一 谷口
Kazuo Kata
和夫 賀田
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 既存船にも簡単に適用でき、二重殻構造の対
策とあいまって衝突時の油流出による海洋汚染を効果的
に防止しうる船舶衝突時の船体損傷緩和装置を提供す
る。 【構成】 船舶の船首部分1に設けられる損傷緩和装置
であって、船首の吃水線WLの上方にあって、該船首先
端部に回転体Rを回転自在に設け、回転体Rの先端位置
を船首船体より突出する。回転体Rを円筒ローラ5或い
は球形ローラで形成してもよい。回転体Rの先端位置が
船底部分に存在する船首バルブ7の先端より突出するよ
うにする。また、回転体Rを船首のほぼ船側ラインに沿
って平面上に複数配設してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この出願に係る発明は、船舶同士
の衝突時に船体の損傷を緩和して、特に貨物油船にとっ
ては油流出事故を防止する上で効果的な装置であって、
衝突を引き起こした側の船舶(以下「衝突船」という)
側の対策として設けられる、既存船にも簡単に装備可能
な船体損傷緩和装置に関する。
【0002】
【従来技術と発明が解決しようとする課題】近年、衝突
や座礁等によって船外への油流出を招いて大規模な海洋
汚染を引き起こした事故に鑑み、大型タンカーの船体
(船底および船側)の二重殻化等が国際条約上義務づけ
られるに至っている。
【0003】従来から座礁に対しては船底部分に十分な
高さの二重底を形成することでほぼ解消されているとい
ってもよいが、船舶同士の衝突の場合、例えば図6に示
すように、一つの船舶(衝突船)S1 が、他方の船舶
(被衝突船)S2 の船側にほぼ真横から衝突した、特に
中・大規模事故の場合については、たとえ規則通り船側
を二重殻構造(ダブルハル構造)にしたとしても完全と
は言えない。
【0004】図6(a) (b) はこのような船舶同士の衝突
の様子を示した平面図と横断面図であり、通常船首は船
体抵抗軽減のため先端が鋭角形状をなしており、しかも
構造的にも剛であるため、衝突船S1 が被衝突船S2
ほぼ真横から衝突したは場合、たとえ被衝突船S2 が二
重殻構造を採用していても、衝突船S1 の船首部分が舷
側の二重殻1bを突き破って破損させ、その損傷も甚大
である。従って、これに対処するためには船側部分を二
重殻にした上で、中・大規模の衝突時の強度を高める観
点から船側を広範囲にわたって大幅に補強する必要があ
るが、これは非現実的かつ非経済的である。
【0005】一方、特開平4−138992号公報には
衝突時の油流出を防止する目的の装置が記載されてい
る。本装置はセンタータンクおよびウイングタンクがと
もに一重底で、舷側だけを、その内側に伸縮可撓性を有
する内壁を設けて、二重殻構造にしたものである。これ
によって、衝突時に他の船の船首部が船側外板を突き破
っても、内壁は伸縮可撓性を有するので、局所的に伸び
て衝突エネルギーを吸収することにより破損を免れ、船
外への油流出を防止するというものである。しかし、伸
縮可撓性の内壁といっても具体的にはいかなる材質のも
のを油密構造を確保しつつ船体構造の中に組み込んでい
くか技術的に困難な問題である。
【0006】上述した対策からわかるように、従来は衝
突される側、即ち、被衝突船側の対策にのみ着目してお
り、衝突する側、即ち、衝突船側の対策について着眼す
るところがない。
【0007】これは、衝突船側の対策については、これ
と言った効果的なものがなく、油流出防止という観点か
らすればどうしても被衝突船側の対策ということに目が
向けられがちにならざるを得ないことが原因していると
考えられる。
【0008】近年の条約上の法規制によって、船舶の船
底のみならず舷側も二重殻構造にすることは、被衝突船
側のとる対策としては確かに効果的であることには相違
ない。しかし、中・大規模の衝突事故の場合を考えると
決して万全とは言い切れない面があることは前述した通
りである。
【0009】また、現在就航している多数の既存船が二
重殻構造を採用した船舶に完全にとって代わるのは、ず
っと先になるわけであり、二重殻を採用していない既存
船が当分の間は就航するわけであるから、この既存船が
衝突事故に遭遇した場合依然として油流出による海洋汚
染の危険性は去らないという現実がある。
【0010】かかる事情に鑑み、この出願にかかる発明
の主たる目的は、衝突船側の対策に着目し、既存船にも
簡単に適用でき、二重殻構造の対策とあいまって衝突時
の油流出による海洋汚染を効果的に防止しうる船舶衝突
時の船体損傷緩和装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、こ
の出願に係る発明の船体損傷緩和装置の基本構成は、船
舶の船首部に設けられる損傷緩和装置であって、船首の
吃水線の上方にあって、該船首先端部に回転体を回転自
在に設け、該回転体の先端位置が船首船体より突出して
いることを特徴とする。
【0012】上記基本構成において、回転体を円筒ロー
ラで形成してもよいし、或いは、回転体を球形ローラで
形成してもよい。
【0013】上記のいずれかの構成において、回転体の
先端位置が船底部分に存在する船首バルブの先端より突
出するようにする。また、回転体を船首のほぼ船側ライ
ンに沿って平面上に複数配設してもよい。
【0014】
【作用】図5を用いて作用を説明する。上記船体損傷緩
和装置を装備した衝突船S1 が、被衝突船S2 の船側の
ほぼ真横から衝突した場合、衝突した瞬間には衝突船S
1 の船首先端に設けた船体損傷緩和装置を構成する回転
体Rがまず被衝突船S2の船側外板1aに当たり、次の
瞬間に衝突船S1 の進行につれて回転体Rが回転して船
側外板1a上に沿って滑り現象を起こし、衝突船S1
進行方向が矢印X方向に自動的速やかに変わり、衝突船
1 の船体が被衝突船S2 と並進するような動作をし、
衝突時のエネルギーが直接的にそのまま被衝突船S2
伝達されないように作用する。特に、被衝突船S2 も前
進していた場合には、回転体Rの回転が瞬時に起こり、
従って上記滑り現象がより速やかに起こることから、衝
突船S1 の速やかなる進行方向の変更を促進し、衝突時
の船体損傷緩和作用を一段と増進させる。その結果、被
衝突船S2 の船側の二重殻1bを突き破る可能性が極め
て低くなる。このことは、船体の二重殻構造を意義あら
しめ、海洋汚染防止作用を大いに発揮することを意味す
る。回転体が円筒ローラであっても球形ローラであって
も同様な作用を奏し、これが複数個並んで平面上に配設
されていた場合にはより効果的である。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照しながらこの出願にかかる
発明の実施例を具体的に説明する。図1(a)(b)は、主に
新造船に当該発明装置を装備するのに好適な実施例であ
って、その船首先端部に回転体を組み込んだ状態の船首
部分の平面図と側面図である。
【0016】通常の船舶では、船首部分1はその先端が
鋭角状に尖った形状をしており、船首部分1の吃水線W
L上の船体構造を抉り込んで凹部2を形成し、上下に平
坦状の支持部3、4を形成する。この凹部2に回転体R
となるべき好ましくは竹輪状の円筒ローラ5を回動自在
に軸着する。すなわち、上下支持部3、4の間に垂直軸
6を設け、この垂直軸6に円筒状の回転体Rが装備され
ている。図(b) に示すように回転体たる円筒ローラ5の
回転周面の先端位置5aが、船底部に突出した船首バル
ブ7の先端位置よりδだけ前方に突き出している。これ
は船首バルブ7等の船首船体に衝突する前に円筒ローラ
5が先に被衝突船に当たる必要があるからである。円筒
ローラ5は船体抵抗の増加を招かないように吃水線WL
より上方に設けられる。上記円筒ローラ5は、通常は船
体側に固定された垂直軸6に遊嵌されてそれ自身自由に
回動自在に構成されているが、この構成に代えて、垂直
軸5に円柱体を固定して垂直軸5の方を船体側に回動自
在にしてもよい。
【0017】図2は上記の円筒ローラ5に代えて、球形
ローラ(球体)8を回転体Rとして船首部の凹部9に回
動自在に設けたものである。つまり、船首部分1に球形
ローラ8が嵌り込むような球面状の凹部9が設けられ、
この凹部球面には、球形ローラ8との間に介在する摩擦
係数の小さい(滑り易い)ゴムのような弾性体10が貼
り付けられている。凹部9の先端部は、球形ローラ8の
中心より少し張り出しており、凹部9に球形ローラ8が
嵌まり込んだ後は球形ローラ8を弾性体10の弾力で凹
部9内に保持できるようになっており、そのため上記の
ような垂直軸は特に設けられていない。もっとも上記実
施例のように垂直軸を設けることによって球形ローラ8
を軸回りに回転自在に構成しても差し支えない。なお、
球形ローラ8の回転周面の先端位置8aが、船底部に突
出した船首バルブ7の先端位置よりδだけ前方に突き出
していることは上記実施例と同様である。
【0018】上記の2つの実施例では回転体Rを船首先
端部に一つだけ設けた例を示したが、図3のように回転
体Rを平面上並んで複数、この例では先端に一つと、船
側ラインLに沿って船体中心線Cに対称的にもう2 つの
回転体Rを設けてもよい。このような構成を採用すれ
ば、衝突船の衝突方向の偏り(衝突船が被衝突船に直角
方向に衝突しない場合でも)に対応でき、衝突時の滑り
を促進して衝突船の進路方向を速やか且つ円滑に変更さ
せうるうえで有効である。
【0019】上記実施例では船首船体に凹部を形成する
必要上、既存船の船首部分に適用することが難しい場合
がある。そこで、図4(a)(b)は主に既存船に上記した回
転体を設けた場合を示す平面図と側面図である。図(a)
に示すように既存船の船側ラインLに沿って支持部材1
1を張り出して設けるとともに、船体抵抗の増加を招か
ないよう吃水線WLの上方位置にも支持部材12を張り
出して設け、この上下一対の支持部材11、12の間に
垂直軸13を設ける。そしてこの垂直軸13に回転体R
を回転自在に設けたものである。この場合、回転体R
は、上記実施例のような円筒ローラまたは球形ローラで
もよいが、船首ラインBとの関係で設置しにくい場合に
は、船首ラインBに沿うような略ソロバン玉の如き回転
体Rを回動自在に設けるようにしてもよい。
【0020】図5は回転体を設けた場合の作用説明図で
あるが、既に前述したのでここでは省略する。
【0021】上記構成によれば、衝突時の被衝突船の損
傷を最小限に抑えることができることから、本願の対象
とする船は貨物油船に限らず一般の船にも適用しても意
義が大きいことはいうまでもない。
【0022】
【発明の効果】 衝突時に回転体がまず当たることにより滑り現象を
起こして衝突船の進行方向が速やかに変わり、それによ
って被衝突船の損傷を最小限に押さえることができる。 対象が貨物油船の場合には、被衝突船の船側を二重
殻構造にした効果を一層高めつつ、中・大規模の衝突事
故であっても、油流出による海洋汚染の可能性を著しく
軽減できる。 既存船でも広範囲に適用可能であるため、本願の
造船界等に裨益するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は、この出願に係る発明の船体損傷緩和
装置を構成する回転体( この例は円筒ローラの場合) を
船首部に装備した状態の平面図と側面図である。
【図2】回転体として球形ローラを船首部に装備した場
合の平面図と側面図である。
【図3】回転体を船側ラインに沿って複数設けた場合の
平面図である。
【図4】(a)(b)は、特に既存船に好適な回転体の装備例
を示した平面図と側面図である。
【図5】この出願に係る発明の作用説明図であって、
(a) は船舶同士の衝突時の様子を経時的に示した平面
図、(b) は同側断面図である。
【図6】従来技術における船舶同士の衝突の様子を示し
たものであって、(a) は船舶同士の衝突時の様子を経時
的に示した平面図、(b) は同側断面図である。
【符号の説明】
1…船首部分 2…凹部 3、4…支持部 5…円筒ローラ 6…垂直軸 7…船首バルブ 8…球形ローラ 9…凹部 10…弾性体 11、12…支持部材 13…垂直軸 R…回転体 L…船側ライン B…船首ライン S1 …衝突船 S2 …被衝突船 WL…吃水線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船舶の船首部に設けられる損傷緩和装置
    であって、船首の吃水線の上方にあって、該船首先端部
    に回転体を回転自在に設け、該回転体の先端位置が船首
    船体より突出していることを特徴とする船舶衝突時の船
    体損傷緩和装置。
  2. 【請求項2】 回転体を円筒ローラで形成したことを特
    徴とする請求項1記載の船舶衝突時の船体損傷緩和装
    置。
  3. 【請求項3】 回転体を球形ローラで形成したことを特
    徴とする請求項1記載の船舶衝突時の船体損傷緩和装
    置。
  4. 【請求項4】 回転体の先端位置が船底部分に存在する
    船首バルブの先端より突出したことを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の船舶衝突時の船体損傷緩
    和装置。
  5. 【請求項5】 回転体を船首のほぼ船側ラインに沿って
    平面上に複数配設したことを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の船舶衝突時の船体損傷緩和装置。
JP33328093A 1993-12-27 1993-12-27 船舶衝突時の船体損傷緩和装置 Pending JPH07187068A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101411538B1 (ko) * 2012-04-05 2014-07-01 삼성중공업 주식회사 유회수기 및 이를 구비한 오일 회수 선박
CN110341906A (zh) * 2019-08-20 2019-10-18 浙江海洋大学 一种防轮船碰撞装置

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