JPH07185579A - 浄化処理装置 - Google Patents

浄化処理装置

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JPH07185579A
JPH07185579A JP5333589A JP33358993A JPH07185579A JP H07185579 A JPH07185579 A JP H07185579A JP 5333589 A JP5333589 A JP 5333589A JP 33358993 A JP33358993 A JP 33358993A JP H07185579 A JPH07185579 A JP H07185579A
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charcoal
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 浮き体36を取り付けたポンプ14の排水口に排
水管38を接続する。浮き体36を取り付けた浄化処理ユニ
ット13の流通孔に、ポンプ14の吸水口に接続した本管34
を接続する。浄化処理装置本体12を、集水管21の軸方向
が水面に対して略平行で、排水管38を湖沼11の底部近傍
に開口させ、湖沼11の水面に浮かべる。ポンプ14を駆動
し、十分な酸素を含んだ水面近傍の被処理水25を、水面
近傍の藻類とともに浄化処理ユニット13内に吸引する。
被処理水25を浄化処理ユニット13の処理層の木炭の微生
物に酸素を供給しつつ流過させて浄化処理し、集水管21
に集水した処理水を本管34を介して排水管38から湖沼11
の底部近傍に排水する。 【効果】 藻類の発生を防止でき、簡単な構造で容易に
効率良く浄化処理できる。湖沼11全体に還流が生じて、
自浄作用が活性化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば湖沼、池、ダ
ム、溜池、などの閉鎖性水域において、木炭に担持され
た微生物により汚水の浄化処理を行う浄化処理装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、水の流動が少なく長期間水が滞
留したままとなる、例えば湖沼、池、ダム、溜池などの
閉鎖性水域においては、酸素濃度が比較的高い水面近傍
では、アオコなどの藻類が発生し、また、酸素濃度が低
い底部近傍では、アオコなどの藻類や各種生物の死骸が
腐敗して汚泥として底部に堆積し、水質汚染が進行して
いく。特に、夏期においては、これらのような水質汚染
が顕著に生じ悪臭が発生する。
【0003】このため、閉鎖性水域における水質汚染の
防止として、従来、閉鎖性水域の上部および中部の水を
噴水および攪拌により酸素を供給して、微生物によって
アオコなどの藻類や有機性汚泥などを酸化分解したり、
濾過装置により分離したり、微生物を担持する多孔質セ
ラミックス材料などを充填した充填層を設けた装置を閉
鎖性水域近傍に設置し、この充填層に酸素を曝気しつつ
ポンプにて流過させて酸化分解するなど、様々な浄化装
置が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
公園の人口池などの容積の小さい閉鎖性水域において
は、噴水や攪拌などでは効果を奏することがあるが、湖
沼やダムなどの容積の大きい閉鎖性水域では、単なる噴
水や攪拌によって酸素を供給し微生物にて酸化分解して
浄化することは非常に困難である。また、濾過装置では
溶解性の有機物質は分離できず、実質的な浄化処理を行
えない。
【0005】一方、充填層を設けた曝気式の浄化装置に
よる浄化処理においては、水域外の陸地に別途設備を設
置するスペースが必要となり、特にダムなどの場合に
は、水面近傍の岸辺の傾斜が大きく、設置スペースを確
保できないとともに、美観を損なう。
【0006】さらに、充填層として多孔質セラミックス
材料を用いるものについては、多孔質セラミックス材料
の製造上および強度上、気孔率および比表面積の増大に
制限があり、単位重量辺りの微生物の担持量に限界があ
り、微生物の担持量を増大するために、多孔質セラミッ
クス材料を多量に用いる必要があり、装置が大型化す
る。
【0007】また、浄化処理設備の運転や保守管理など
の費用も高価である。
【0008】さらに、木炭や活性炭などを用いて被処理
水を処理する処理装置も知られているが、木炭や活性炭
の吸着性にて処理するものは、適宜木炭や活性炭を交換
しなければならず、保守管理が煩雑であるとともにコス
トが増大する。また、木炭や活性炭に微生物を担持して
処理するものは、被処理水を微生物にて確実に浄化処理
するためには、微生物との接触時間を長くする必要があ
り、装置が大型化し、広域の設置スペースを必要とする
問題がある。
【0009】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、構造が簡単で設置スペースを必要とせず、安価で容
易に効率よく浄化処理できる浄化処理装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の浄化処理
装置は、被処理水が流通可能な通水孔が設けられた長手
筒状の集水体と、この集水体が長手方向を前記被処理水
の水面に対し略平行に内包されるとともに前記被処理水
が流通可能な集水孔が設けられた収容体と、この収容体
に設けられ前記集水体の一端縁に連続する流通孔と、前
記収容体を前記被処理水の水面近傍に支持する浮き体
と、前記集水体と前記収容体との間に設けられ微生物を
担持する木炭を有する処理層と、前記流通孔に連通して
前記収容体に取り付けられる本管と、この本管が接続さ
れ前記集水体に集水される前記被処理水を前記流通孔を
介して流通させるポンプとを具備したものである。
【0011】請求項2記載の浄化処理装置は、請求項1
記載の浄化処理装置において、ポンプの排水口に下端が
前記被処理水の水域底部に向けて導出する排水管が接続
されたものである。
【0012】
【作用】請求項1記載の浄化処理装置は、収容体に収容
した長手筒状の集水体を水面に対して略平行に浮き体に
て収容体を水面近傍に支持し、水面近傍の被処理水をポ
ンプにて収容体の集水孔を介して集水体と収容体との間
に設けた微生物を担持する安価な木炭を有する処理層に
て浄化処理して、通水孔から集水体に集水するため、水
域の被処理水を抜き出して施工せずに浮き体にて水面近
傍に支持するのみで設置スペースを必要とせず、施工性
が向上するとともに、簡単な構造で例えば水面近傍に発
生する藻類を確実に捕捉し、安価で容易に浄化処理効率
が増大する。
【0013】請求項2記載の浄化処理装置は、請求項1
記載の浄化処理装置において、例えば水面近傍の溶存酸
素量が多い被処理水を、ポンプにて収容体の集水孔を介
して集水体と収容体との間に設けた微生物を担持する安
価な木炭を有する処理層にて浄化処理しつつ、通水孔か
ら集水体に集水し、流通孔から本管を介して吸水した処
理水を排水口を介して排水管から被処理水の水域底部に
排水するため、例えば水面近傍に発生する藻類を確実に
捕捉して、水域に還流が生じ、水域の自己浄化作用が活
性化して、浄化処理効率が向上する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の浄化処理装置の一実施例を図
面を参照して説明する。
【0015】図1において、11は水域としての湖沼で、
この湖沼11の水面近傍には、浄化処理装置本体12が設け
られている。また、浄化処理装置本体12は、浄化処理ユ
ニット13とこの浄化処理ユニット13に接続されたポンプ
14とから構成されている。
【0016】そして、この浄化処理ユニット13は、図2
ないし図4に示すように、ステンレス製や塩化ビニル製
などの非腐食性の部材や非腐食処理された鋼板などに
て、直径が例えば60〜100cmの円筒状に収容体とし
ての筒体15が形成され、この筒体15の外周面には、無数
の集水孔16が穿設されている。
【0017】さらに、浄化処理ユニット13の長手方向の
一端面は、無数の集水孔16が穿設された端板17にて閉塞
されている。また、浄化処理ユニット13の長手方向の他
端面には、略中央に略円形の流通孔18が穿設され、無数
の集水孔16が穿設された環状の環端板19が設けられてい
る。さらに、筒体15の中心軸には、集水体としての集水
管21が内包されている。
【0018】そして、この集水管21は、塩化ビニル製の
例えば直径50〜200mmの円筒状の管体22にて形成さ
れ、この管体22の一端がキャップ体23にて閉塞されてい
る。また、この集水管21は、外周面に所定の間隔で例え
ば10mm程度の径の湖沼11の被処理水25が流通可能な通
水孔26が複数穿設されている。
【0019】なお、キャップ体23の端面の略中央には、
空気などの気体が流出可能に通孔状に穿設された空気孔
28が形成されている。
【0020】また、集水管21には、通水孔26に異物が閉
塞しないように、集水管21の外径と略同寸法の内径の円
筒形で、例えば5mm程度の網目に組まれた網状の網体30
が嵌合固定されている。
【0021】そして、この集水管21は、キャップ体23に
て閉塞されていない側の一端の内周縁が、環端板19の流
通孔18の縁に連続して取り付けられて、浄化処理ユニッ
ト13が二重管構造に形成されている。
【0022】なお、29は仕切板で、この仕切板29は、略
中央を集水管21が貫通するように環状に形成されてい
る。そして、仕切板29は、集水管21が浄化処理ユニット
13の略中心に位置するように、位置決めの作用があると
ともに、浄化処理ユニット13に、後述する木炭32を充填
して処理層33を形成する際に、略均一に木炭32が充填さ
れるように設けられている。
【0023】さらに、この浄化処理ユニット13は、筒体
15と集水管21との間に、例えばバクテリア、プランクト
ンおよび各種好気性菌などの微生物を担持する通水孔26
より径大の粒径が10〜50mmの木炭32が充填されて、
処理層33を形成している。なお、木炭32とともに、適宜
吸着材として活性炭などを混合してもよい。
【0024】なお、浄化処理ユニット13において、筒体
15の集水孔16は、木炭32がこぼれ落ちないように、木炭
32の径より小さい径で穿設されており、この筒体15は、
集水管21に嵌合する網体30のように細かく編み込まれた
構造のものや透水膜を設けた枠状のものなどでもよい。
また、集水管21も同様に、管状に限られず、さらには透
水膜にて形成するなどいずれの構造のものでもよい。
【0025】さらに、集水管21の一端が開口する環端板
19に、内周縁が流通孔18の縁に一致するように、可撓性
を有する本管34に接続されている。
【0026】そして、この浄化処理ユニット13は、筒体
15に適宜浮き体36が取り付けられ、長手方向である軸方
向が、湖沼11の水面に対して略平行となるように、浮き
体36にて支持されて水面近傍に配設されている。
【0027】なお、通水孔26、集水管21および本管34
は、1本の集水管21の断面積と、この集水管21に穿設さ
れた通水孔26の全開口面積とが略同面積で、かつ、1本
の本管34の断面積と、この本管34に接続される複数の集
水管21の全断面積とが略同面積となるように形成されて
いることが好ましい。また、通水孔26の間隔寸法が、処
理層33の厚さ寸法と略同寸法となるように、通水孔26が
穿設されていることが好ましい。
【0028】また、集水管21の通水孔26の縁近傍に微生
物が付着してフロック状となる場合には、通水孔26の開
口面積が減少してしまうため、通水孔26の全開口面積が
集水管21の断面積の1.5〜2.3倍となるように形成
する。
【0029】そして、浄化処理ユニット13は、湖沼11の
一定の場所に漂うように、ワイヤやロープ、アンカなど
にて、位置決め固定してもよい。さらに、木炭32を充填
した処理層33の浮力が大きく、浄化処理ユニット13が水
面に浮き上がってしまう場合には、処理層33として、適
宜木炭32とともに重りとして砂利などを混合して形成し
てもよい。
【0030】一方、ポンプ14は、浄化処理ユニット13か
ら導出する本管34が接続される図示しない吸水口、およ
び、吸水した処理水を排水する図示しない排水口が開口
形成されている。また、ポンプ14の上部には、浮き体36
が設けられて、浄化処理ユニット13とともに、湖沼11の
水面近傍に支持されて配設されている。さらに、排水口
には、一端が湖沼11の底部近傍に開口する排水管38が接
続されている。なお、この排水管38は、一端が底部近傍
に位置するように、重りなどを取り付けたり、アンカな
どにて支持固定してもよい。
【0031】そして、湖沼11の水面近傍の被処理水25が
浄化処理ユニット13にて浄化処理され、本管34を介して
ポンプ14に吸水され、排水管38を介して湖沼11の底部近
傍に排水されて、湖沼11全体が還流するようになってい
る。
【0032】次に、上記の実施例の施工方法について説
明する。
【0033】まず、湖沼11の岸近傍に給電装置を配設す
る。そして、図示しない排水口に排水管38を接続し浮き
体36を取り付けたポンプ14に、給電装置からの電線39を
接続する。
【0034】次に、あらかじめ形成された浄化処理ユニ
ット13に浮き体36を取り付け、この浄化処理ユニット13
の流通孔18に、本管34の一端を接続するとともに、本管
34の他端をポンプ14の図示しない吸水口に接続し、一体
に浄化処理装置本体12を形成する。
【0035】そして、この浄化処理装置本体12を、集水
管21の軸方向が水面に対して略平行で、排水管38の一端
が湖沼11の底部近傍に開口するように、湖沼11の水面に
浮かべる。
【0036】なお、浄化処理ユニット13およびポンプ14
の本管34を介した接続は、水中で行ってもよい。
【0037】次に、上記の実施例の浄化処理装置の浄化
処理について説明する。
【0038】まず、ポンプ14を駆動させ、吸水口に接続
する本管34内の水を排水口を介して排水管38から湖沼11
の底部近傍に排水する。
【0039】そして、この本管34内の水の吸水により、
湖沼11の被処理水25が、浄化処理ユニット13の筒体15の
集水孔16を介して処理層33を流過し、通水孔26より集水
管21に集水され、本管34を通ってポンプ14に吸水され
る。
【0040】また、この被処理水25の処理層33の流過
は、木炭32に担持された微生物により被処理水25を効率
よく浄化処理するために、被処理水25が処理層33の厚さ
方向に0.25〜4cm/分、好ましくは1〜2cm/分程
度の速度で流過するように、ポンプ14の吸引量を調整し
たり、あらかじめ、通水孔26および集水管21の径や、通
水孔26の穿設数、浄化処理ユニット13の配設数などを設
定しておく。
【0041】なお、処理速度は、0.25cm/分より遅
いと処理量が低下するとともに、木炭32に担持された微
生物に必要な酸素が供給できなくなり、浄化処理効率が
低下する。一方、4cm/分より早いと微生物がアオコな
どの藻類や有機質浮遊物質、溶解性有機物質などを捕捉
できず、そのまま処理されずに流過してしまう問題があ
る。したがって、処理速度は、0.25〜4cm/分、好
ましくは1〜2cm/分に設定される。
【0042】そして、この被処理水25の処理層33の流過
の際に、被処理水25は、有機質浮遊物質や溶解性有機物
質などが、木炭32に担持された微生物により分解され、
浄化処理される。
【0043】ところで、特に夏期において、閉鎖性水域
である湖沼11の水面近傍にアオコなどの藻類が発生する
とともに、湖沼11の底部近傍は、被処理水25の溶存酸素
量が低下する。また、この水面近傍の被処理水25は、溶
存酸素量が比較的多く、また、特に藻類であるアオコな
どは酸素を多量に含んでいる。
【0044】このため、十分な酸素が含まれた水面近傍
の被処理水25は、水面近傍に支持した浄化処理ユニット
13の処理層33を流過する際に、水面近傍に発生する酸素
を多量に含んだアオコなどの藻類や、有機質浮遊物質、
溶解性有機物質などを、木炭32に担持された微生物に十
分な酸素を供給しつつ微生物により分解される。
【0045】さらに、排水口を介して排水管38から湖沼
11の底部近傍に排水される処理水は、酸素を十分に含ん
でいるとともに、底部近傍の水温より高いため、暖かく
溶存酸素量が多い処理水を湖沼11の底部にまで供給で
き、湖沼11の自浄作用をも活性化できる。なお、湖沼11
の底部近傍の溶存酸素量が低下した被処理水25は、処理
水が湖沼11の底部に排水されることにより、湖沼11全体
に還流が生じて、水面近傍にまで還流し、水面近傍にて
大気から再び酸素を溶存して、浄化処理装置本体12にて
浄化処理される。
【0046】また、冬期などの場合には、湖沼11の底部
近傍の水温が水面近傍の水温より高いため、湖沼11に生
ずる還流により、底部近傍の暖かい被処理水25が水面近
傍に還流し、浄化処理装置本体12の処理層33を構成する
木炭32に担持された微生物の活動が活発化でき、効率良
く浄化処理できる。
【0047】したがって、上記実施例によれば、水面近
傍に発生するアオコなどの藻類の発生を防止でき、清澄
度を向上することができるとともに、湖沼11の底部にま
で酸素を供給でき、湖沼11全体の水温分布差を低減で
き、容易に効率良く浄化処理できる。
【0048】さらに、湖沼11の被処理水25を抜き出して
浄化処理装置本体12を設置する必要がなく、水面に浮か
べるのみで容易に施工できるとともに、湖沼11の周辺に
設置する必要がなく、美観の損傷も防止できる。
【0049】また、筒体15と集水管21との二重管構造
で、この筒体15と集水管21との間に微生物を担持する木
炭32を充填して処理層33を形成するのみで、簡単な構造
で、浄化処理ユニット13を安価で容易に製造することが
できる。
【0050】一方、木炭32は、気孔率および比表面積が
極めて大きく、さらに、微生物の生化学的反応に必要な
ナトリウム(Na)、カリウム(K) 、カルシウム(Ca)、マグ
ネシウム(Mg)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)などの元素を
含有しているため、木炭32の単位重量辺りの微生物の担
持量が増大し、微生物を良好に担持でき、浄化処理効率
を向上することができる。
【0051】また、木炭32は、気孔径が活性炭より大き
く、担持される微生物により気孔が閉塞されることも抑
制できるとともに、活性炭に担持可能なバクテリアやプ
ランクトンなどの微生物のほかに、微小動物までも担持
でき、浄化処理効率を向上することができる。
【0052】さらに、微生物が分解できない無機農薬や
十分処理されていない工場排水などが誤って湖沼11に流
入しても、無機農薬などは木炭32に吸着され湖沼11の生
態系を破壊することも防止できる。
【0053】一方、通水孔26を穿設した集水管21にて、
処理層33を流過する被処理水25を集水するため、処理層
33内を偏って流過する被処理水25の路が形成されること
を防止でき、被処理水25と処理層33の木炭32に担持され
た微生物との接触効率が向上して、効率よく浄化処理す
ることができる。
【0054】また、集水管21に空気孔28を設けたため、
集水管21中に流入する空気が空気孔28より流出し、集水
管21の全容積を利用でき、効率よく浄化処理することが
できる。
【0055】なお、上記実施例において、収容体および
集水体として円筒状の筒体15および集水管21を用いて説
明したが、角状のものなど、いずれの形状のものを用い
ても、同様の効果が得られる。
【0056】また、浄化処理ユニット13の一端側に集水
管21の内周縁に連続する流通孔18を設けて説明したが、
浄化処理ユニット13の長手方向の両端に、集水管21の両
端の内周縁に連通する流通孔18を略中央に穿設した環端
板19を設け、複数の浄化処理ユニット13を直列状に接続
しても、同様の効果が得られる。
【0057】次に、本発明の浄化処理装置の他の実施例
を図面を参照して説明する。
【0058】図5において、41は水域としてのダムで、
このダム41の水面近傍には、浄化処理装置本体42が設け
られている。また、浄化処理装置本体42は、浮き体とし
ての浮き島43と、この浮き島43に吊り下げ支持された浄
化処理ユニット44とから構成されている。
【0059】そして、浮き島43は、図示しない箱状の浮
力部材が適宜連結されて平板状に形成され、この浮力部
材の上面に層状に適宜土壌が形成され植物が植設され
て、島のごとく形成されている。
【0060】また、浮き島43を構成する浮力部材のいく
つかには、適宜図示しないポンプが収容され、ポンプが
平板状に連結された浮力部材の所定の位置となるように
なっている。さらに、この浮き島43には、電力発生用の
太陽電池46や風力発電装置47が配設されているととも
に、発電された電力を変電するとともにポンプの駆動を
制御する制御屋48が設けられている。
【0061】一方、浄化処理ユニット44は、図5および
図6に示すように、ステンレス製や塩化ビニル製などの
非腐食性の部材や非腐食処理された鉄筋などにて、各面
が格子状の略直方体形状に、格子体50が形成されてい
る。また、この格子体50の内面には、細かく編み込まれ
たネット51が設けられて収容体52が形成されている。
【0062】さらに、このネット51内には、図1ないし
図4に示す実施例と同様に、微生物を担持するための木
炭32が充填されて、処理層33が形成されている。
【0063】また、処理層33の厚さ方向の略中間には、
図1ないし図4に示す実施例の集水管21と同様に、図示
しない空気孔が穿設されたキャップ体23にて一端が閉塞
され、周面に通水孔26が複数穿設され、網体30が嵌合さ
れた円筒状の集水体である集水管21が、連結管54に複数
本所定間隔で連結されて木炭32に覆われるように配設さ
れている。さらに、連結管54の一端側は、収容体52の側
面より突出して外方に流通孔55を開口して配設され、浄
化処理ユニット44が形成されている。
【0064】なお、浄化処理ユニット44のネット51は、
木炭32がこぼれ落ちないように、木炭32の径より細かく
編み込まれて、編み込みによる間隔が収容体51の集水孔
16となる。
【0065】そして、複数の浄化処理ユニット44が、突
出する連結管54が適宜直列状に接続されて平板状に一体
的に連結され、一端側に位置する浄化処理ユニット44の
突出する連結管54には、図示しない本管が接続されてい
る。さらに、この本管は、浮き島43の図示しないポンプ
の吸水口に接続されている。また、図示しないポンプの
排水口には、図1ないし図4に示す実施例と同様に、一
端がダム41の底部近傍に開口する図示しない排水管が接
続されている。
【0066】そして、平板状に複数連結された浄化処理
ユニット44は、浮き島43の下面から導出する図示しない
アンカにて、集水管21の長手方向が水面に対して略平行
となるように吊り下げ支持されて、浄化処理装置本体42
が形成されている。
【0067】次に、上記図5および図6に示す実施例の
施工方法について説明する。
【0068】まず、図示しない箱状の浮力部材を平板状
に複数連結し、浮力部材の上面に太陽電池46や風力発電
装置47を配設するとともに、制御屋48を設ける。
【0069】また、浮力部材のうちのいくつかには、あ
らかじめ図示しないポンプを収容し、ポンプが平板状に
連結された浮力部材の所定の位置となるように、複数の
浮力部材を連結する。そして、浮力部材の上面に層状に
適宜土壌を形成して植物などを植設して浮き島43を形成
する。さらに、浮き島43に、電力発生用の太陽電池46お
よび風力発電装置47や変電および制御用の制御屋48を配
設し、制御屋48からの図示しない電線をポンプに接続す
る。
【0070】一方、あらかじめ形成された複数の浄化処
理ユニット44を、側面から突出する連結管54をそれぞれ
直列状に接続して平板状に一体的に連結し、一端側に位
置する浄化処理ユニット44の突出する連結管54に図示し
ない本管を接続し、この本管を浮き島43の図示しないポ
ンプの吸水口に接続する。さらに、ポンプの排水口に排
水管を接続し、一体に浄化処理装置本体42を形成する。
【0071】そして、この浄化処理装置本体42を、集水
管21の軸方向が水面に対して略平行で、排水管の一端が
ダム41の底部近傍に開口するように、ダム41の水面に浮
かべる。
【0072】なお、浄化処理ユニット44、ポンプおよび
本管などの接続は、水面に浮き島43を浮かべた後、水中
で行ってもよい。
【0073】次に、上記の実施例の浄化処理装置の浄化
処理について説明する。
【0074】まず、制御屋48からの制御命令により図示
しないポンプを駆動させ、吸水口に接続する本管内の水
を排水口を介して排水管からダム41の底部近傍に排水す
る。
【0075】そして、この本管内の水の吸水により、ダ
ム41の被処理水25が、浄化処理ユニット44のネット51を
介して処理層33を流過し、通水孔26より集水管21に集水
され、連結管54から本管を通ってポンプに吸水される。
【0076】なお、この被処理水25の処理層33の流過
は、図1ないし図4に示す実施例と同様に、0.25〜
4cm/分、好ましくは1〜2cm/分程度の速度で流過さ
せる。
【0077】そして、図1ないし図4に示す実施例と同
様に、この被処理水25の処理層33の流過の際に、被処理
水25は、有機質浮遊物質や溶解性有機物質などが、木炭
32に担持された微生物により分解され、浄化処理され
る。
【0078】なお、上記図1ないし図4に示す実施例、
および、図5および図6に示す実施例において、ポンプ
14の排水口に排水管38を接続し、排水管の一端が湖沼や
ダムなどの水域底部の近傍で開口するようにして説明し
たが、排水管を設けず、排水口から水域底部に向けて直
接噴出させるなどしてもよい。
【0079】
【発明の効果】請求項1記載の浄化処理装置によれば、
集水体を水面に対して略平行に位置させて浮き体にて水
面近傍に支持し、水面近傍の被処理水をポンプにて微生
物を担持する木炭を有する処理層にて浄化処理するた
め、水域の被処理水を抜き出して施工する必要がなく、
浮き体にて水面近傍に支持するのみで設置スペースを必
要とせず、施工性が向上できるとともに、簡単な構造で
水面近傍に発生する藻類を確実に捕捉でき、安価で容易
に浄化処理効率を増大できる。
【0080】請求項2記載の浄化処理装置によれば、請
求項1記載の浄化処理装置において、水面近傍の溶存酸
素量が多い被処理水を、ポンプにて微生物を担持する木
炭を有する処理層にて浄化処理しつつ、処理水を排水管
から被処理水の水域底部に排水するため、水面近傍に発
生する藻類を確実に捕捉できるとともに、水域に還流が
生じ、水域の自己浄化作用が活性化でき、安価で容易に
浄化処理効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浄化処理装置の一実施例を湖沼に設け
た状況を示す説明図である。
【図2】同上浄化処理ユニットを示す一部を切り欠いた
斜視図である。
【図3】同上径方向の断面図である。
【図4】同上長手方向の断面図である。
【図5】本発明の浄化処理装置の他の実施例をダムに設
けた状況を示す説明図である。
【図6】同上浄化処理ユニットを示す一部を切り欠いた
斜視図である。
【符号の説明】
11 水域としての湖沼 12,42 浄化処理装置本体 14 ポンプ 15 収容体としての筒体 18,55 流通孔 21 集水体としての集水管 25 被処理水 26 通水孔 32 木炭 33 処理層 34 本管 36 浮き体 41 水域としてのダム 43 浮き体としての浮き島 52 収容体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理水が流通可能な通水孔が設けられ
    た長手筒状の集水体と、 この集水体が長手方向を前記被処理水の水面に対し略平
    行に内包されるとともに前記被処理水が流通可能な集水
    孔が設けられた収容体と、 この収容体に設けられ前記集水体の一端縁に連続する流
    通孔と、 前記収容体を前記被処理水の水面近傍に支持する浮き体
    と、 前記集水体と前記収容体との間に設けられ微生物を担持
    する木炭を有する処理層と、 前記流通孔に連通して前記収容体に取り付けられる本管
    と、 この本管が接続され前記集水体に集水される前記被処理
    水を前記流通孔を介して流通させるポンプとを具備した
    ことを特徴とする浄化処理装置。
  2. 【請求項2】 ポンプの排水口に下端が前記被処理水の
    水域底部に向けて導出する排水管が接続されたことを特
    徴とする請求項1記載の浄化処理装置。
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