JPH07184625A - 紙巻たばこ製造機の刻たばこ給送装置 - Google Patents

紙巻たばこ製造機の刻たばこ給送装置

Info

Publication number
JPH07184625A
JPH07184625A JP5333627A JP33362793A JPH07184625A JP H07184625 A JPH07184625 A JP H07184625A JP 5333627 A JP5333627 A JP 5333627A JP 33362793 A JP33362793 A JP 33362793A JP H07184625 A JPH07184625 A JP H07184625A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tobacco
suction
band
cut tobacco
passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5333627A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Fujiwara
淳一 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP5333627A priority Critical patent/JPH07184625A/ja
Publication of JPH07184625A publication Critical patent/JPH07184625A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】刻たばこ給送装置における刻たばこの破砕を減
少し原料ロス及び刻粒度の向上をはかる。 【構成】刻たばこを吸着して巻管セクション16に搬送
するたばこバンド8と、たばこバンド8に向かって延び
た通路82と、該通路82の入口部に刻たばこを送り込
む送り込み装置2と、該通路82を通ってたばこバンド
8に向かって刻たばこを吸引するサクションボックス1
4とを備え、該たばこバンド8に近接する通路82の上
端近傍部の幅が広げて設けるとともに、前記通路82の
上端近傍部の幅の最大寸法と略等しい有効吸引寸法を有
するたばこバンド8により構成されている。通路82を
上昇したばこバンド8に向かっていく刻たばこは、たば
こバンド8に近接する近傍部における吸着最終速度が低
減されるから、上昇する刻たばことたばこバンド8に部
分的に蓄積された刻たばことの衝突による破砕を軽減す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、刻たばこを巻紙に包み
込み連続的なたばこロッドを製造する紙巻たばこ製造機
の刻たばこ給送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の紙巻たばこ製造機において刻たば
こを給送し巻上げる構成を、図8に表す。従来より、紙
巻たばこ製造機においては、送り込み装置2から送り込
まれた刻たばこが、チムニ4内に供給され、上昇する空
気流によってチムニ4の上方に配置された吸着搬送ユニ
ット6に向かって搬送される。吸着搬送ユニット6は、
多数の孔を有する金属製のたばこバンド8と、たばこバ
ンド8を駆動させる駆動ホィール10、従動ホィール1
2、および下側のたばこバンド8の表面に連通し上下の
たばこバンド8の間に挟まれて配置されるサクションボ
ックス14などから構成されている。したがって、たば
こバンド8に供給された刻たばこは、たばこバンド8の
下面に吸着保持され、図でみて左方にある巻管セクショ
ン16の方へ搬送される。
【0003】なお、吸着搬送過程においては、途中にト
リミング装置18が配置されており、たばこバンド8の
下面に吸着された刻たばこの層厚を調整している。これ
は、後工程にある量目検出器(図示せず)のてん充量目
の信号に基づき、たばこバンド8の下面と回転駆動され
るエクレターディスク20との間隙を調整することによ
り、余分な刻たばこ量を掻き落とし、巻上げる紙巻たば
このてん充量目をコントロールするものである。
【0004】巻管セクション16では、トリミング装置
18で量目を一定にされた刻たばこを巻紙22に包み込
みながら成形し重ね合わされた巻紙の端面をのり付け
し、たばこロッドを製造する。より詳しく言えば、たば
こバンド8で吸着搬送されてくる刻たばこは、たばこバ
ンド8の駆動ホィール10に連接されているシュー26
によって引きはがされ、布製のガニチャテープ24上に
乗せ合わされて走行する巻紙22上に移し換えられると
ともに、ここでたばこロッドに成形するためにある程度
圧縮される。次に、このシュー26に引き続きトング2
8が設けられており、ここでさらに刻たばこが圧縮され
てほぼたばこロッドの原形が成形される。次に、ショー
トホルダ32により、U字形に曲成された巻紙22のー
方の側縁が折り込まれた後、巻紙22の他方の側縁には
糊付け器34により糊が塗布される。そして、ショート
ホルダ32に続くロングホルダ36が糊付けした巻紙2
2の側縁を既に折り込まれた巻紙22の片方の表面に折
り込んでいく。最後に、ヒータ38が巻紙22の糊付け
された部分の糊を乾燥させて巻紙22を接着させる。
【0005】なお、巻管セクション16の下部には、長
尺なプレートからなる成形ベース30を備えており、ガ
ニチャテープ24の走行方向に水平に延びている。この
成形ベース30は、その上面に凹みが形成されている。
【0006】上記のように、刻たばこを有孔たばこバン
ドに吸着し巻管セクションに搬送させる公知の供給装置
として、特公昭37ー4945号公報などにその基本的
な装置が開示されている。また、最近では、連続した2
本のたばこロッドを同時に製造する紙巻たばこ製造機と
して、特開平1ー132366号公報、特開平2ー25
7869号公報などに開示されているチムニ、たばこバ
ンド及び巻管セクションを2組平行に配置したダブルト
ラック方式のものがある。
【0007】これらに開示されている給送装置における
チムニ及びたばこバンドとの取り合わせを示す構造は、
たばこバンドから垂直方向下方に延びた狭い通路を形成
する相対する壁が一定寸法の間隙幅をもってたばこバン
ドの直近まで設けられている。したがって、チムニの通
路入口に送り込まれた刻たばこは、この相対する壁で形
成された通路内を上昇する空気流によって上方のたばこ
バンドの方へ運ばれる。そして、空気流に乗ってたばこ
バンドに向かっていく刻たばこは、たばこバンドあるい
は部分的に吸着された刻たばこの層に衝突するが、たば
こバンドに設けられている多数の孔を通じて吸引力が働
き、刻たばこは吸引保持されながら搬送される過程で徐
々に蓄積して一定の刻の層を形成していく。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、チムニ
内を上昇する空気の速度は高速度であるので、空気によ
り搬送される刻たばこがたばこバンドに既に部分的に吸
着保持された刻たばこと衝突することによって、刻たば
この破砕が発生するという問題がある。この刻たばこの
破砕によって発生する細粉は、原料ロスならびに刻の粒
度の低下をもたらすものであり、上昇空気の流速が増加
するほどその傾向は大きい。
【0009】また、上述したダブルトラック方式の場合
においては、確かに2倍の生産性向上が期待できるが、
それぞれのたばこバンドに対応してチムニ内通路を分岐
した構成としなければならないため構造上の取り合わせ
が複雑になり、装置全体も大型化するという傾向があ
る。さらに、このダブルトラック方式においても、上記
のような刻たばこの破砕という問題からチムニ内を上昇
する刻たばこの速度は一定範囲内に抑えられているが、
刻たばこの供給量を低下させることなくすなわち高い生
産性を確保しつつ原料ロス、刻粒度の向上をはかる要求
は、依然として残されている。
【0010】このような従来の刻たばこ給送装置では、
紙巻たばこの製造速度の高速化に伴ってたばこバンドに
よる刻たばこの吸着搬送量を増やすべく、チムニ内を上
昇する刻たばこの速度を上げることによって理論的には
可能である。しかし、品質面、原料ロス面あるいはチム
ニ内での刻たばこの搬送を円滑に行わせることなどか
ら、チムニ内の上昇空気の速度は、ほぼ一定範囲に設定
されているのが現状である。
【0011】また、刻たばこを吸着搬送するたばこバン
ドは、多数の穿孔を有した無端の金属製のバンドである
が、一定の引張強度を保ちながら高速度で連続運転使用
しているので、その走行経路での機械的接触等により表
面が摩耗して孔がつながりひいては破断されて、その機
能を果たさなくなる。したがって、運転状態を見ながら
定期的に交換している。そして、この点は、紙巻たばこ
の製造速度が高速化になればなるほど、たばこバンドの
寿命は短くなる傾向にある。また、従来のたばこバンド
では長時間使用によるたばこバンドの伸びに対応してた
ばこバンドの引張強度を一定に保持するように調整して
いるが、たばこバンドの伸びの進行度合いが大きいた
め、たばこバンドの引張強度を一定に常に保持すること
は容易でなく、適正に保持できない場合にはたばこバン
ドを駆動する駆動ホィールとたばこバンドとのスリップ
が起こり、紙巻たばこのてん充量目のバラツキなどの原
因にもつながることがあった。したがって、たばこバン
ドの長時間使用による伸びの少ないたばこバンドが要求
されていた。
【0012】この発明は、上述した事情に基づいてなさ
れたものであり、たばこバンドへのたばこ刻の吸着最終
速度を減速させて、刻たばこの衝突による破砕を減少さ
せて原料ロス並びに刻粒度の向上させるとともに、紙巻
たばこのてん充量目の安定化、生産性向上に対応可能な
紙巻たばこ製造機の刻たばこ給送装置を提供するもので
ある。
【0013】
【発明が解決しようとする手段】この発明の刻たばこ給
送装置は、刻たばこを吸着して巻管セクションに搬送す
る吸引搬送コンベヤと、該吸引搬送コンベヤに向かって
延びた通路と、該通路の入口部に刻たばこを送り込む送
り込み装置と、該通路を通って吸引搬送コンベヤに向か
って刻たばこを風送する装置とを備え、上記吸引搬送コ
ンベヤの搬送方向に対する垂直断面における上記通路の
下端入口部から上方に向かって形成された相対する側壁
の一定の間隙寸法に対し、該吸引搬送コンベヤに近接す
る該通路の上端近傍部の幅が広げて設けられ、該通路の
上端近傍部の幅の最大寸法と略等しい吸着有効寸法を有
する吸引搬送コンベヤであるように構成されている。
【0014】好ましくは、前記通路は、前記吸引搬送コ
ンベヤに近接する上端近傍部の幅の最大寸法が、前記通
路の下端入口部から上方に向かって形成された相対する
側壁の一定の間隙寸法より、1.5乃至2.0倍である
ことように構成されている。
【0015】さらに、好ましくは、前記吸引搬送コンベ
ヤの幅方向の吸着有効寸法と略等しい幅寸法の矩形状の
開口部を備え、刻たばこの搬送方向に向かって幅方向を
テーパ状に絞るとともに断面形状を徐々に円弧形状に形
成してなる成形圧縮部材を、巻管セクション入口部に設
けている。
【0016】なお、前記吸引搬送コンベヤの前記巻管セ
クションへの乗り移り直前において、該吸引搬送コンベ
ヤに吸着保持されてくる刻たばこの幅方向を規制するガ
イドが搬送方向に向かってテーパ状に絞る構造となって
いてもかまわない。
【0017】
【作用】上記の送り込み装置から上記の通路の入口部に
送り込まれた刻たばこは、吸引搬送コンベヤに向かって
風送する装置によって発生される通路内の空気の流れを
受けて方向転換されて上方に配置された吸引搬送コンベ
ヤの方へ運ばれる。
【0018】この通路内を上昇する空気流の速度は、上
記巻管セクションに送り込みたばこロッドを製造するの
に十分な刻たばこ量を吸着保持させ、且つ紙巻たばこの
刻粒度の品質を保証する等の必要性から、前述したよう
にほぼ一定の範囲内に設定されている。
【0019】通路内を上昇する刻たばこは、高速度の空
気流により個々に分離した状態で通路を形成する対向す
る側壁に案内されて吸引搬送コンベヤまで運ばれてい
く。上記通路を形成して対向する側壁は一定の間隙寸法
を保持されて上方に延びているが、上記吸引搬送コンベ
ヤに近接する該通路の上端近傍部においては、通路の幅
が広げられているので、上昇する空気の流速は減速され
る。したがって、空気とともに搬送される刻たばこの速
度も減速されて、通路の上端近傍部の幅の最大寸法と略
等しい吸着有効寸法の幅を有する吸引搬送コンベヤへ刻
たばこの吸着されていく。
【0020】このとき、空気により搬送され吸着される
刻たばこは、紙巻たばこを製造する速度に応じて高速度
に設定され走行する吸引搬送コンベヤの表面あるいは徐
々に蓄積されていき部分的に吸着された刻たばこの層の
表面と、衝突が発生する。しかし、上述したように、通
路の上端近傍部で幅方向の寸法が広げられている構造と
なっているため、この部分では刻たばこの空気による搬
送速度は減速しておりその速度の2乗に比例する衝撃度
は大幅に軽減されている。
【0021】上記の吸引搬送コンベヤには一般に多数の
穿孔が設けられており、刻たばこを風送する装置によっ
て搬送された刻たばこはこの吸着搬送コンベヤに吸着さ
れるが、空気はこの孔を通過しサクションされて送風機
等を通過して系外に排出される。
【0022】さらに、吸引搬送コンベヤに吸着された刻
たばこは吸引力によって逐次蓄積され圧縮された状態で
所定の厚みの刻の層が形成される。そして、紙巻たばこ
のてん充に必要な量目を調整する装置で吸着形成された
刻たばこの一部をトリミングした後、巻管セクションの
巻紙上に供給される。巻管セクションでは、送り込まれ
た刻たばこを巻紙に包み込んでいき、圧縮成形しながら
たばこロッドに成形する。
【0023】
【実施例】図1は、本発明における紙巻たばこ製造機の
刻たばこ給送装置の構成を示す概略断面図であり、図2
は本発明の要部を示す実施例の部分拡大図である。
【0024】本発明においては、巻管セクションに吸引
搬送するたばこバンド8と、たばこバンド8に向かって
形成され刻たばこを上昇空気により案内する通路82
と、通路82の入口部に刻たばこを送り込む吸引ローラ
等からなる送り込み装置2と、たばこバンド8に向かっ
て空気の上昇気流を生じさせ刻たばこを風送するサクシ
ョンボックス14などから構成されており、前記たばこ
バンド8に近接する通路上端部の幅が広げられた構造と
なっているのが特徴である。
【0025】まず、本発明の刻たばこの送給装置におい
て、刻たばこがたばこバンド8に吸着されるまでの刻た
ばこの流れについて、以下に説明する。
【0026】刻たばこは、風送によりホッパ40内に運
ばれる。ホッパ40内に供給された刻たばこの量は、ホ
ッパ内に設けられた光電管42によりその量を一定量管
理されている。すなわち、ホッパ40内部の刻たばこの
量が増加しその上面が光電管42の位置よりも上がれ
ば、刻たばこが投入されるようになっている。ホッパ4
0内に貯留された刻たばこは、ホッパ40の下部に逆く
の字形に形成された有針状のエレベータベルト44によ
り、上方にかき上げられる。そして、かき上げられた刻
たばこは、エレベータベルト44の上端部近傍にあるか
き落としローラ46によって適当な層厚に整えられると
ともに、不必要な刻たばこはかき落とされる。かき落と
しローラ46を通過するたばこ刻は、エレベータベルト
44に保持された後、第1の羽根48により払い落とさ
れ、刻だまり50上に落下する。なお、この刻だまり5
0の中には、前記エクレターディスク20によってたば
こバンド8に余分に吸着搬送された刻たばこをトリミン
グした刻たばこが、図示しない振動コンベアを介して混
入されている。
【0027】刻だまり50の刻たばこは、円筒表面上に
多数の針を植え込まれてなるかき上げドラム52の回転
によって上方にかき上げられ、さらに、かき上げドラム
52と回転と逆方向に回転する有針状のかきならしドラ
ム54によってかきならされる。その結果、刻たばこ
は、かき上げドラム52の上部でロール状に形成され
る。
【0028】このロール状の刻たばこの高さを、かきな
らしドラム54の入口側に位置する光電管56により検
出しエレベータベルト44の速度をコントロールさせる
ことによって、ロール状の刻たばこの保有量を一定にし
ている。このことによって、さらにかき上げドラム52
の回転によって運ばれる刻たばこは、かき上げドラム5
2とかきならしドラム54との間隙を通過する刻たばこ
の量が常に一定になるようにされている。なお、かきな
らしドラム54の上方にある第2の羽根58は、かきな
らしローラ54に付着した刻たばこをかき上げドラム5
2の方へ払い落としている。
【0029】かき上げドラム52とかきならしドラム5
4の間隙を通過した刻たばこは、出口側に設けられかき
ならしドラム54と同方向に回転するピッカーローラ6
0によりかき上げドラム上にあるものがかき落とされた
後、ピッカーローラ60に続いて設けられピッカーロー
ラ60と同方向に回転するウィノアローラ62によって
加速されて、通路の上方にある吸着ローラ64と通路の
下方にある湾曲多孔板66の間に形成された空間に放出
される。ここで、湾曲多孔板66では、その下方あるダ
クト68から湾曲形状の整流板70を介して整流された
空気流が湾曲多孔板66の孔を通って刻たばこを吹き上
げており、一方、吸着ローラ64は表面に多数の孔を有
しておりその孔から空気を吸引しながら図1でみて右方
向に回転している。したがって、ウィノアローラ62に
よって飛ばされた刻たばこは、上方の向きに方向変換さ
れる。そして、適当な重量の刻たばこは、方向変換され
て垂直に延びるチムニ4に運ばれて上昇していく。しか
し、中骨などの重い刻たばこは方向変換されずに落下し
て下方にある投げ出しドラム72上に送られる。この投
げ出しドラム72は図1でみて左方向に回転しており、
ここに送られてきた重い刻たばこは、この回転力により
投げ出し側に沿って垂直に形成されたセパレータチャン
ネル74へ送られる。ここで、セパレータチャンネル7
4及びその上方に位置されているトップチャンネル76
は、チムニ4につながる空間が形成されており、空気が
上昇している。そこで、この上昇する空気流によりさら
に重すぎる刻たばこはセパレータチャンネル74の下部
に設けられたエアロッカ78へ落下するが、重すぎない
刻たばこはトップチャンネル76を通過してチムニ4内
に送り込まれる。なお、エアロッカ78に落下した重す
ぎる刻たばこは、図示しない送風管によって排出され
る。
【0030】チムニ4内を上昇する空気流とともに搬送
される刻たばこは、前記たばこバンド8に向かって延び
た相対する側壁80で形成される狭い通路82を約12
〜14m/秒の高速度で上昇する。ここで、正面からみ
て、チムニ4はたばこバンド8の走行方向に向いて所定
の角度で傾斜されて設けられているので、搬送される刻
たばこには、垂直方向の上昇速度と併せてたばこバンド
8の進行方向に分速度が与えられている。したがって、
理論的には、紙巻たばこ製造機の製造速度に対応してた
ばこバンド8の搬送速度が増加されても、それに応じて
刻たばこの搬送速度を変えれば前記分速度の上昇が可能
となるから、紙巻たばこ製造機のいかなる製造速度にも
対応できる。なお、通路82を形成する側壁の一方の側
壁80(この実施例では本体奥側に位置する右側の側
壁)の上部には開口グリル84が、機械本体正面からみ
て図8の点線で示すようにチムニ4内をほぼ横断する範
囲に設けられている。この開口グリル84は吸引室86
につながっており、刻たばこを搬送し上昇する空気の一
部を分離し逸脱させている。なお、たばこバンド8に続
く巻管セクション16において刻たばこを巻紙22に包
み込んで所定のてん重量目のたばこロッドを形成するに
は、適度な空隙率を持った所定の層厚の刻たばこ層をた
ばこバンド8面に吸着保持しなければならない。これ
は、主にたばこバンド8の吸引力によって左右されるも
のであるが、その前段として、あらかじめ前記のように
たばこバンド8に向かう刻たばこを搬送するための上昇
空気の一部を分離し離脱させることによって上昇気流を
整えているわけである。また、吸引室86の構造は、図
示していないが、開口グリル84からの吸引力がたばこ
バンド8の進行方向に向かって徐々に増加するような構
造になっている。これは、たばこバンド8の進行方向に
向かって吸着蓄積されてくる刻たばこの抵抗の増大に従
って、吸引する圧力をほぼ一様にするためである。
【0031】さらに、開口グリル84面を通過したたば
こ刻は、たばこバンド8に近接する通路82の上端近傍
部でその間隙幅が広がって形成されている所を通過し
て、通路82の上端近傍部の最大寸法幅と略等しい有効
吸引寸法の幅を持つたばこバンド8に逐次吸引され蓄積
されていく。詳しく言えば、機械正面でみて、チムニ4
内を上昇する刻たばこは、チムニ4の上部右側からたば
こバンド8の走行方向に向かって、初期の段階では直接
たばこバンド8の表面に刻たばこが吸着されるが、その
後、吸着されて運ばれる刻たばこの上に徐々に蓄積吸着
されて所定の厚さを持つ刻たばこの層が形成される。そ
して、前述したように、たばこロッドのてん重量目を調
整するために、トリミング装置18のエクレターディス
ク20によりたばこバンド8に吸着形成された刻たばこ
の一部をトリミングして、巻管セクション16の巻紙上
へ送られる。
【0032】なお、たばこバンド8は、表面に多数の小
孔を有する無端の金属性バンドであって、略15mm〜
20mmの吸引有効寸法の幅を有するものである。
【0033】たばこバンド8の上部には、サクションボ
ックス14が連設されている。たばこバンド8の孔を介
してサクションボックス14側に吸引力が働き、この吸
引力がチムニ4内の上昇させる空気流を発生させ、その
空気とともに刻たばこを上昇させてたばこバンド8に吸
着させている。たばこバンド8に形成された小孔を通過
する細粉を含んだ空気は、サクションボックス14から
吸引管88を介して連結されている第1の吸引ファン9
0によって吸引された後、第1の吸引ファン90の吐出
管92に配置されているサイクロン94で細粉と空気を
分離している。
【0034】一方、前記の吸着ローラ64に形成されて
いる多数の孔を介して吸引した空気は、孔を通過した細
粉とともに、吸着ローラ64の上部から横方向に引き出
している吸引管96に吸引される。また、前記の開口グ
リル84から吸引室86に吸引される空気は開口グリル
の孔を通過する細粉とともに吸引管98の方へ取り出さ
れる。これらの吸引管96と吸引管98は合流して、細
粉分離装置100の入口側に連結されている。この細粉
分離装置100において、吸着ローラ64で孔を通過し
て吸引された細粉及び開口グリルの孔を通過し吸引され
た細粉が風選分離される。そして、分離された細粉は、
前記の第1の吸引ファンに入る吸引管88につながれて
いるので、風送空気とともに吸引され、前記サイクロン
94において前記たばこバンド8を通過した細粉と一緒
になって系外に排出される。さらに、細粉分離装置10
0には、吸引管102を介して第2の吸引ファン104
につながれている。第2の吸引ファン104の吐出管1
06が前記ダクト68に連結されている。したがって、
第2の吸引ファン104は、上述したところのウィノア
ローラ62から放出された刻たばこに対して、前記の湾
曲多孔板66の孔から吹き上げる空気流を発生させると
ともに吸着ローラ64に吸引させ、方向変換させてい
る。
【0035】次に、本発明の特徴部であるたばこバンド
8に近接する通路上端部の構造とたばこバンド8及びサ
クションボックス14との関係について、図2により説
明する。たばこバンド8に向かって延びる相対する側壁
80により形成された通路82は、チムニ4の上端部ま
で一定の間隙寸法をもって延びている。また、チムニ4
は、機械正面からみて、手前側の側壁80aを有するチ
ムニドア部108と奥側の側壁80bを有するチムニ背
面部110から構成され、チムニ背面部110の上方に
は開口グリル84が設けられている。開口グリル84
は、多数の開口孔112と前記開口孔112を形成し下
方に傾斜してなる多数の仕切114を備えたエキスバン
ド金属により構成されており、前記開口孔112により
通路82は吸引室86に連通されている。そして、吸引
室86は、略台形でその底辺部を側壁80bに向けた形
状になっており、その下方部は機械正面でみてチムニ4
の左側側壁近傍部に位置されている前記吸引管98に接
続されている。さらに、図示していないが、吸引室86
は、たばこバンド8の走行方向に向かってその断面積の
大きさを増大するように深さの方向にテーパが付けられ
ている。したがって、チムニ4内を上昇する空気の一部
は、通路82から多数の開口孔112を通り逸脱されて
吸引室86の下方に案内される。また、たばこバンド8
の進行方向に向かって刻たばこが徐々に蓄積され、たば
こバンド8を通過する空気の流れに対してその抵抗が増
大することとなるが、それに従って開口グリルからの空
気の量も多く吸引するように構成されているから、刻た
ばこを上昇吸引する空気の乱れを起こすことはない。
【0036】チムニ4の上端部には、2個のL字型形状
のエクステンションガイド116が手前側のチムニドア
部108と奥側のチムニ背面部110の直上にその垂直
壁面を内側にしてそれぞれ対向するように立設されてい
る。なお、その対向面はチムニ4内に形成された通路8
2の側壁80a、80bの面に沿って平行に延びた後、
途中からテーパ状に拡大して左右対称の形状となってい
る。2個のエクステンションガイド116の対向する間
隙の最大寸法は、その上端部において形成されており通
路82の幅の約1.5〜2倍となっている。また、それ
ぞれのエクステンションガイド116のL字型の底部
は、チムニドア部108の上端上面部あるいはチムニ背
面部110の上端上面部と凹凸面を嵌合してボルト11
8により固着されている。
【0037】そして、2個の前記エクステンションガイ
ド116の上方には、前記通路82と2個のエクステン
ションガイド116により形成される間隙を通って上昇
する刻たばこを巻管セクション16の方へ吸引搬送する
吸引搬送手段6が設けられている。この吸引搬送手段6
は、図8で示す従来装置と同様な構造となっており、駆
動ホィール10と従動ホィール12に掛け回されて走行
する無端状のたばこバンドが2本のスプリングバンド1
24を介して取り付けられ、刻たばこをたばこバンド8
に設けられた多数の孔を通じて吸引するサクションボッ
クス14が前記たばこバンド8及び前記駆動ホィール1
0、従動ホィール12に囲まれて構成されている。詳し
く言えば、吸引搬送手段6の下部は、たばこバンド8の
走行を規制するために、鍵型状の先端を上向きに向けて
突出して形成されたレール部122を対向するように設
けられた1対のトラフガイド120が、配置されてい
る。このトラフガイド120は、そのレール部122の
下方部の内側端面が、前記前記2個のエクステンション
ガイド116の上方を囲むようにして構成されており、
それぞれのエクステンションガイド116の端面とは
0.5mm程度の均一な間隙を有している。この間隙を
通じて空気が一部吸い込まれることによって、たばこバ
ンド8への刻たばこの吸着をより促進させている。ただ
し、この間隙が大きいとたばこバンド8への吸着力が弱
くなりチムニ詰まりを発生させるので、0.5mm程度
の間隙に設定している。
【0038】トラフガイド120の上には、サクション
ボックス14が図示しないボルト等で固定されて載置さ
れている。このサクションボックス14は、その下部に
たばこバンド8から吸引するための開口部を有してお
り、前記開口部はチムニ4内のたばこバンド8の走行方
向に沿ってチムニ4内の刻たばこを吸着させるのに有効
な吸引長さを保有している。また、前記トラフガイド1
20のレール部122に規制されて走行するたばこバン
ド8の両端部は、スプリングバンド124により前記レ
ール部122側に付勢して接した状態にあるから、シー
ルされた状態となっている。なお、サクションボックス
14内の開口部には、サクションボックス14内の強い
吸引力によってたばこバンド8が屈曲しないように図示
しない支持部材がたばこバンド8の走行長さ方向に等間
隔に設けられている。また、サクションボックス14の
機械奥側の位置する図2でいえば右側の側壁面には、そ
の駆動ホィール10側において、開口穴126が設けら
れており、この開口穴126には吸引管88が接続され
て前記第1の吸引ファン90につながっている。したが
って、第1の吸引ファン90の駆動により、吸引管88
を介してサクションボックス14に吸引力が働き、たば
こバンド8の有孔部を通じてチムニ4内の上昇気流を生
じさせる。なお、サクションボックス14の内部は、空
洞の状態になっておりその空洞部の高さをたばこバンド
8の進行方向に向かって徐々に高くしそれに伴って断面
積が増加するような構造になっている。これは、たばこ
バンド8の走行方向に向かって吸着されて蓄積されてく
る刻たばこの抵抗の増大に従って、吸引する圧力をたば
こバンドの全長にわたってほぼ一様にするためである。
【0039】サクションボックス14の上部には、無端
状のたばこバンド8のリターン側が走行しており、その
走行部を保護するとともに安全のためにカバー128が
取り付けられている。このカバー128ははめ込み式の
着脱構造になっており、清掃あるいはトラブル時にワン
タッチで外すことができる。
【0040】なお、チムニ4内に原料詰まりが発生した
場合には、吸引搬送手段6が従動ホィール12側をヒン
ジとして油圧により持ち上げた後、チムニドア部108
の上部に設けられたエクステンションガイド116の上
端部と吸引搬送手段6の下部にあるトラフガイド120
の下端部との間隔を広げ、下側がヒンジになっているチ
ムニドア部108を機械正面手前側に倒して開いて原料
詰まりの箇所を解除して対応する。
【0041】上記の実施例において、通路82を上昇す
る空気流とともに搬送される刻たばこは、2個のエキス
テンションガイド116を通過する際に、相対向するエ
キステンションガイド116の間隙幅を徐々に広げ最終
端での最大間隙寸法を前記通路82の間隙幅の1.5乃
至2.0倍に形成させているから、エクステンショガイ
ド116の上方にあって同じく幅寸法を広げてなるたば
こバンド8に向かう最終の吸着速度を通路82内の上昇
速度より減速している。その最終吸着速度は、例えば前
記最大寸法が通路82の2倍のときには、速度も1/2
に減速される。そして、減速された刻たばこは、たばこ
バンド8に吸着されるていくわけである。すなわち、チ
ムニ4上方に最初に突出して走行するたばこバンド8の
部分においては刻たばこがたばこバンド8の表面に直接
吸着され、それ以降は徐々に蓄積されて部分的に吸着さ
れている刻たばこの層にさらに蓄積吸着される。ここ
で、衝突が発生し、既に部分的に吸着されている刻たば
この表層部及び上昇する刻たばこには衝突による衝撃に
よって破砕が生じる。しかし、刻たばこの衝突直前の速
度が前述したように1/2に減速されているので、刻た
ばこの衝突速度の2乗に比例する衝撃度は大幅に軽減さ
れている。
【0042】このように、刻たばこの破砕によって生ず
る細粉の生出をおさえることができるから、たばこバン
ド8の小孔を通過しサクションボックス14及び吸引管
88を経由して第1の吸引ファン90に圧送されてサイ
クロン94によって回収される細粉の生出量が少なくな
り原料ロスの低減に結び付く。また、ここでの破砕は、
たばこバンド8の孔を通過せずに巻管セクション16側
に吸引搬送されて巻紙に包まれて製造される紙巻たばこ
の刻粒度にも影響されるので、紙巻たばこの粒度の向上
をもたらすことができる。
【0043】さらに、本発明においては、相対向する2
個のエキステンションガイド116の上端の最大間隙寸
法と略等しい吸引幅を持つたばこバンド8で構成されて
いるので、通路82の間隙寸法とほぼ等しい吸引有効寸
法の幅を持つ従来のたばこバンドに比べ、幅の広い強度
の高いたばこバンド8が使用できる。このことは、サク
ションボックス14への吸引空気量すなわち有効吸引面
積に対する全体の吸引力を従来とほぼ同程度に設定し使
用することから、たばこバンド8の単位面積当たりの使
用による負荷を軽減させ、摩耗等による消耗の度合を抑
制することが可能となり、使用寿命を延長することがで
きる。これは、また、たばこバンド8の交換周期を長く
とることができ、保全コストの低減さらには機械の稼働
率の向上にもつながる。さらに、本発明で使用するたば
こバンド8は、幅の広い強度の高いものであるから、運
転時においてたばこバンド8の引張強度を常に安定的に
強く維持することもでき、このたばこバンド8を駆動す
る駆動ホィール10上におけるたばこバンド8のスリッ
プが発生することはほとんどなくなる。このスリップ
は、硬軟巻の不良品発生の原因にもなるので、本発明は
紙巻たばこのてん充量目の安定化にも寄与するものとい
える。
【0044】ところで、巻管セクション16に送り込む
刻たばこの搬送方向における単一長さ当たりの吸着保持
量目は、巻き上げ側の速度に関係なく紙巻たばこのてん
充量目によって一義的に決まってくる。したがって、紙
巻たばこ製造機の製造能力をアップさせるためには、そ
れに応じて所定量の刻たばこを吸着保持したたばこバン
ド8の搬送速度を増速させるとともにチムニ4内の刻た
ばこの上昇速度を上げることにより理論的には可能であ
る。しかしながら、これによって、従来装置においては
たばこバンド8への刻たばこの最終吸着速度が著しく高
速度になり刻たばこの衝突によって破砕がさらに増加す
るなどの問題が生じてくる。この点、本発明において
は、紙巻たばこ製造機の高速化の要望に応じて、チムニ
4内の刻たばこの搬送量を増加させるべく対応しても、
たばこバンド8に吸着保持される刻たばこの最終吸着速
度を従来装置での最終吸着速度に比べておさえることが
できるから、従来よりも刻たばこの破砕を軽減すること
が可能である。すなわち、本発明においては、刻たばこ
の破砕を軽減させつつ、紙巻たばこの製造速度に応じて
刻たばこの給送能力を向上させることが可能となる。
【0045】なお、たばこバンド8に近接する部位にお
ける通路82との取合せについては、相対向する2個の
エキステンションガイド116の間隙寸法をテーパ状に
徐々に広げてたばこバンド8の最近接部で最大間隙幅を
有するタイプである上記実施例の他、例えば図3のよう
に通路82で形成された一定間隙幅からテーパ状に広が
った後その最大間隙寸法幅を維持して平行にたばこバン
ド8まで延びる形状のもの、さらには、図4に示すよう
に一定の間隙幅を形成する通路82に続いて一気に拡散
するよう最大間隙幅を有して平行にたばこバンド8に延
びる形状のものなどの種々の変形例が考えられる。要す
るに、たばこバンド8に最も近接する所において、通路
82から広がった最大間隙寸法を構成するようになして
いればよい。図3及び図4のタイプのものは、上記実施
例のエキステンションガイド116の形状を変更したも
のをチムニ4の上部に取り付けることにより達成でき
る。
【0046】ところで、本発明と違って、仮にチムニ4
の入口部からたばこバンド8に近接する位置まで全域に
わたって従来の幅よりも一様にひろげた構造にした場
合、通路82の入口への刻たばこの供給量を維持した中
で、確かに上昇空気の速度を従来よりも減速させること
によってたばこバンド8あるいは部分的に吸着された刻
たばこ層と上昇する刻たばことの間の衝突により発生す
る破砕の減少が期待できるが、減速した風速でもって刻
たばこを搬送する経路が長くなるため、途中のチムニ4
内で原料詰まりが発生してしまうという問題が起きる。
これに比べ、たばこバンド8に向かって延びている通路
82の上端近傍部の幅を広げた構成としている本発明
は、たばこバンド8に吸着させる刻たばこの最終吸着速
度を上端近傍部の幅を広げることによって達成している
ものであり減速された刻たばこの搬送経路は長くないか
ら、原料詰まりの危険性はない。また、本実施例の図2
のようにエキステンションガイド116を従来の機械の
一部を改作して取り付けることにより簡単に実施できる
という利点がある。
【0047】一方、本発明において、巻管セクション1
6の巻紙上へ送られる刻たばこは、幅の広いたばこバン
ド8に吸着搬送したものであるから、刻み層の進行方向
の断面形状でみると、従来の装置のものと比べて幅方向
が略1.5〜2倍に広がったものとなっている。この吸
着搬送されてくる刻たばこを、たばこバンド8の駆動ホ
ィール10に連接されているシュー26により引きはが
して布製のガニチャテープ24上に乗せね合わされて走
行する巻紙22上に移し換えられる。ここで、巻管セク
ション16におけるガニチュアテープ24は、約22m
m程度の幅の従来のものと同じものを使用するものと
し、その上に乗せ合わされる巻紙の幅が通常27mm程
度であるので、刻たばこを十分に巻紙22上へ乗せてた
ばこロッドに成形することができる。また、従来と同様
に、巻管セクション16の下部には、長尺なプレートか
らなる成形ベース30を備えており、ガニチャテープ2
4の走行方向に水平に延びている。そして、この成形ベ
ース30は、その上面に凹みが成形されており、その凹
みはその上流端からガニチャテープ24の走行方向下流
側に向かってシュー26の出口部までの間と、トング2
8の入口部からそれに続くトング28の出口部までの間
の2段階で徐々に絞られていき、トング28の出口部で
は断面半円形に収束され、その断面半円形が成形ベース
30の下流端まで延びている。
【0048】巻紙22上に移し換えられた刻たばこは、
前記のシュー26、トング28によって押さえ込んでい
くとともに、下側にある成形ベース30の上面を走行す
る巻紙22がU字形断面に絞られて曲成されるから、圧
縮されながら成形されていく。なお、この圧縮しながら
たばこロッドに成形していくのは、従来と同様に主にシ
ュー26とトング28により行われ、このトング出口で
は巻管セクション16に吸着搬送されてくる刻たばこの
断面積がおよそ1/2に圧縮されたものになる。
【0049】ただし、従来と違う点は、たばこバンド8
に吸着搬送されてくる刻たばこの層の断面形状が、断面
積としては同じであるが、幅方向に略1.5〜2倍に広
がり、逆に垂直方向はその分小さくなっているので、シ
ュー26では上から押さえこむと同時に幅方向に絞り込
んでいく構造となっている。そして、シュー26の出口
での断面形状ならびにその断面積は従来装置の場合とほ
ぼ同じであり、トング28以降で圧縮してたばこロッド
を成形するのは従来と同じ機械構成で行うことができ
る。
【0050】この点について、巻管セクション16に入
る直前からシュー26を経てトング出口までの刻たばこ
層の断面形状の変化を示す図5(a)〜(e)に基づ
き、説明する。
【0051】巻管セクション16に入る直前において、
たばこバンド8に吸着保持されている刻たばこ層は、図
5(a)の斜線部のように、たばこバンド8の下面に吸
着保持されながらサクションボックス14の下方に延び
る一対の側縁ガイド132によって幅方向を規制されて
いる。その断面形状は、本実施例の場合、たばこバンド
8の幅よりやや狭い(14mm〜18mm程度)のもの
で、垂直方向の長さが6mm〜4mm程度の長方形の形
状になっている。これは、従来の装置におけるものがほ
ぼ正方形になっているのとかなり異なっている。次に、
シュー26の入口では、図5(b)に示すように、刻た
ばこ層の断面形状をみると、幅方向は巻管セクション1
6に入る直前を示す図5(a)の場合とほぼ同じである
が、垂直方向は、サクションボックス14の吸引がない
ので凸み面を形成する成形ベース30の上にあるガニチ
ャテープ24上の乗せられている。このとき、図5
(a)の場合と比べて、刻たばこ層の断面積は一時的に
増大し刻たばこの圧縮状態が弱くなる。(垂直方向の高
さは約8mm程度である。)そして、シュー26を通過
するときに、刻たばこは上方から押さえられるととも
に、幅方向においてシュー26の内面と成形ベース30
の上方にある左右の側縁ガイドによって絞っていき、シ
ュー26の出口では、上下が円弧状態で圧縮されてお
り、巻管セクション16の直前での刻たばこの層を約7
割程度圧縮した状態になっている。シュー26に続くト
ング28の入口では、刻たばこの断面形状は、図5
(d)のように若干広がってほぼ円に近い状態になって
いる。そして、トング28を通過するとき、刻たばこ
は、その断面の円形状のままで絞っていき、トング28
出口では、図5(e)のように、巻管セクション16の
直前の断面積の約1/2に圧縮されている。
【0052】なお、従来装置においては、このシュー2
6に相当する圧縮成形部材が、幅方向にはテーパ状に絞
られていなく主に上下方向に圧縮しながら成形するもの
であり、本発明におけるシュー26が上記のように、た
ばこバンド8の幅方向の吸着有効寸法と略等しい幅寸法
の矩形状の開口部を備え、刻たばこの搬送方向に向かっ
て幅方向をテーパ状に絞るとともに断面形状を徐々に円
弧形状に形成してなる成形圧縮部材であり、上下方向と
ともに幅方向に圧縮成形するものである。
【0053】このように、本発明のように幅の広いたば
こバンド8を用いて吸着搬送する刻たばこの層形状が幅
方向で増加しても、巻管セクションにおいて乗り移りの
部分で要素であるシュー26の構造を変えたものとする
ことにより、たばこロッドの成形には何ら支障なく行う
ことができる。
【0054】ところで、たばこバンド8に吸着保持され
てくる刻たばこを、巻管セクション16におけるたばこ
ロッドの成形圧縮を円滑に行わせるには、上記実施例の
ような構造の成形圧縮部材に限定されない。要は、たば
こバンド8の幅方向の刻たばこの吸着有効寸法と略等し
い幅寸法を持つ開口部を備えた成形圧縮部材によって所
定断面寸法のたばこロッドを成形するものであればよ
く、いろいろな構造のものが考えられる。
【0055】また、巻管セクション16の直前すなわち
前記吸引搬送手段6の巻管セクション側に近接する部分
において、たばこバンド8に吸着保持された刻たばこを
搬送方向に対して幅方向に規制するガイド(図2のトラ
フガイド120に相当するもの)を、搬送方向に向かっ
てテーパ形状に絞る構造として巻管セクション16での
乗り移り入口部での刻たばこの幅方向を従来装置の幅と
略等しくすることにより、従来の巻管セクションと同じ
構造のものを使用することができる。
【0056】さらに、本発明は、図6、図7のように、
連続した2本のたばこロッドを同時に製造するためにた
ばこバンド及び巻管セクションを2組平行に配置したダ
ブルトラック方式にも、適用できる。図6は、刻たばこ
をチムニ内の通路入口部に送り込んだ後、同じ通路幅を
持つ2つの通路の分岐部の直前下方に設けた空気吹き込
みノズル130により2つ通路82に分配してそれぞれ
2本のたばこバンド8に吸引吸着させる例であり、図7
は、たばこバンドの走行方向に対してチムニー内を2つ
の通路に2分割してそれぞれの奥側、手前側の通路の上
方端にたばこバンドを設けた例である。前記いずれの場
合においても、奥側、手前側のそれぞれのたばこバンド
に近接する通路の上端近傍部の幅を広げて設けてあるか
ら、それぞれのたばこバンドに吸着する刻たばこの最終
速度を低減でき、上昇する刻たばことたばこバンドに部
分的に吸着され刻たばことの衝突による破砕を軽減する
ことができる。
【0057】
【効果】本発明の紙巻たばこ製造機の刻たばこ給送装置
においては、吸引搬送コンベヤに向かって延びた通路を
形成する相対する側壁の間隙幅が、吸引搬送コンベヤの
近傍部にて広げられて設けられているから、空気ととも
に上昇する刻たばこがこの広げられた部分を通過すると
きに刻たばこの上昇速度は減少していき吸引搬送コンベ
ヤに吸着される直前での最終速度をかなり減速させるこ
とができる。この刻たばこの吸着最終速度の減少によ
り、吸引搬送コンベヤの表面あるいは既に部分的に吸着
されている刻たばこの層の表面に衝突する刻たばこの衝
撃が軽減されるので、刻たばこの破砕が防止できる。そ
のため、破砕による細粉の増加を押さえるから、製造さ
れる紙巻たばこの刻粒度を向上させるが可能となり、ま
た、原料ロスの低減にもつながる。
【0058】一方、吸引搬送コンベヤに向かって延びた
通路の上端部の幅の最大寸法と略等しい寸法を有する吸
引搬送コンベヤにより構成されているから、従来のよう
に吸引搬送コンベヤの直近まで一定間隙寸法を持って形
成された通路と略等しい幅を有する吸引搬送コンベヤに
比べ、幅の広い吸引搬送コンベヤのものを使用すること
ができる。このことから、本発明の一部を構成する吸引
搬送コンベヤは耐久性にすぐれ使用寿命を延長すること
が可能となる。すなわち、吸引搬送コンベヤを交換する
周期が長く確保でき保全コストの低減が期待できる。さ
らに、幅の広い吸引搬送コンベヤを使用することによっ
て、吸引搬送コンベヤの引張強度を安定的に強く保持で
きるので、吸引搬送コンベヤを駆動する駆動ホィールと
吸引搬送コンベヤとのスリップが生じなくなり、スリッ
プにより発生する軟巻,硬巻等の不良巻がなくなり、紙
巻たばこのてん充量目の安定化がはかれる。
【0059】さらに、本発明においては、紙巻たばこ製
造機の製造速度の高速化に伴って、吸引搬送コンベヤの
搬送速度を上げ、さらに吸引搬送コンベヤに吸着保持す
る刻たばこ量の保有量を所定量に維持するためにチムニ
内で上昇搬送させる刻たばこ量を増加させるべく対応し
ても、最終的に吸引搬送コンベヤへ吸着される刻たばこ
の最終吸着速度はかなりおさえることができる。したが
って、刻たばこの破砕をおさえたうえで、紙巻たばこ製
造機の製造速度の高速化の要望に応じて巻管セクション
側への刻たばこの給送能力を向上させることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す略解断面図である。
【図2】前記実施例の特徴部を示す部分拡大図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す略解断面図である。
【図4】上記と同じく本発明の他の実施例を示す略解断
面図である。
【図5】本発明の実施例における巻管セクション乗り移
り部での刻たばこ層の形状変化を示す部分断面図であ
る。
【図6】本発明をダブルトラック方式に適用した略解断
面図である。
【図7】上記と同じく本発明をダブルトラック方式に適
用した略解断面図である。
【図8】従来の紙巻たばこ製造機の巻上工程の一例を示
した概略図である。
【符号の説明】
4 チムニ 6 吸引搬送手段 8 たばこバンド 10 駆動ホィール 12 従動ホィール 14 サクションボックス 16 巻管セクション 18 トリミング装置 80 側壁 82 通路 84 開口グリル 86 吸引室 90 第1の吸引ファン 104 第2の吸引ファン 116 エクステンションガイド 120 トラフガイド 122 レール部 124 スプリングバンド 128 カバー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刻たばこを吸着して巻管セクションに搬
    送する吸引搬送コンベヤと、該吸引搬送コンベヤに向か
    って延びた通路と、該通路の入口部に刻たばこを送り込
    む送り込み装置と、該通路を通って吸引搬送コンベヤに
    向かって刻たばこを風送する装置とを備えてなる紙巻た
    ばこ製造機の刻たばこ給送装置において、上記吸引搬送
    コンベヤの搬送方向に対する垂直断面における上記通路
    の下端入口部から上方に向かって形成された相対する側
    壁の一定の間隙寸法に対し、該吸引搬送コンベヤに近接
    する該通路の上端近傍部の幅が広げて設けられ、該通路
    の上端近傍部の幅の最大寸法と略等しい吸着有効寸法を
    有する吸引搬送コンベヤであることを特徴とする紙巻た
    ばこ製造機の刻たばこ給送装置。
  2. 【請求項2】 前記通路は、前記吸引搬送コンベヤに近
    接する上端近傍部の幅の最大寸法が、前記通路の下端入
    口部から上方に向かって形成された相対する側壁の一定
    の間隙寸法より、1.5乃至2.0倍であることを特徴
    とする請求項1の紙巻たばこ製造機の刻たばこ給送装
    置。
  3. 【請求項3】 前記吸引搬送コンベヤの幅方向の吸着有
    効寸法と略等しい幅寸法の矩形状の開口部を備え、刻た
    ばこの搬送方向に向かって幅方向をテーパ状に絞るとと
    もに断面形状を徐々に円弧形状に形成してなる成形圧縮
    部材を、巻管セクション入口部に設けたことを特徴とす
    る請求項1乃至2の紙巻たばこ製造機の刻たばこ給送装
    置。
  4. 【請求項4】 前記吸引搬送コンベヤの前記巻管セクシ
    ョンへの乗り移り直前において、該吸引搬送コンベヤに
    吸着保持されてくる刻たばこの幅方向を規制するガイド
    が搬送方向に向かってテーパ状に絞る構造となっている
    ことを特徴とする請求項1乃至2の紙巻たばこ製造機の
    刻たばこ給送装置。
JP5333627A 1993-12-27 1993-12-27 紙巻たばこ製造機の刻たばこ給送装置 Pending JPH07184625A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5333627A JPH07184625A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 紙巻たばこ製造機の刻たばこ給送装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5333627A JPH07184625A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 紙巻たばこ製造機の刻たばこ給送装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07184625A true JPH07184625A (ja) 1995-07-25

Family

ID=18268168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5333627A Pending JPH07184625A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 紙巻たばこ製造機の刻たばこ給送装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07184625A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007094318A1 (ja) * 2006-02-14 2007-08-23 Japan Tobacco Inc. シガレット製造機の刻たばこ原料供給装置
EP3320788B1 (de) 2016-11-11 2021-04-21 Hauni Maschinenbau GmbH Strangherstellmaschine zur herstellung von produkten der tabak verarbeitenden industrie und zugehörige formatgarnitur

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007094318A1 (ja) * 2006-02-14 2007-08-23 Japan Tobacco Inc. シガレット製造機の刻たばこ原料供給装置
US7874295B2 (en) 2006-02-14 2011-01-25 Japan Tobacco Inc. Shredded tobacco material feeder of a cigarette manufacturing apparatus
JP4822462B2 (ja) * 2006-02-14 2011-11-24 日本たばこ産業株式会社 シガレット製造機の刻たばこ原料供給装置
EP3320788B1 (de) 2016-11-11 2021-04-21 Hauni Maschinenbau GmbH Strangherstellmaschine zur herstellung von produkten der tabak verarbeitenden industrie und zugehörige formatgarnitur

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0649604A1 (en) Separating apparatus and method
JPH02186968A (ja) 巻きたばこ製造装置へ連続的にたばこを供給する装置に使用するためのロータリーシール
US20010052346A1 (en) A process of feeding a tobacco stream, a hopper and a machine equipped with a hopper
JPH07184625A (ja) 紙巻たばこ製造機の刻たばこ給送装置
IE66152B1 (en) Method and apparatus for separation of objectionable particles from tobacco material
GB2216768A (en) Method of and apparatus for eliminating irregularities from a stream of fibrous material
EP1652437B1 (en) Cut tobacco feeding device for cigarette manufacturing machine
GB2132873A (en) Apparatus for building a continous tobacco stream
JP3431716B2 (ja) シガレット製造機の刻みたばこ給送装置
JPH08256750A (ja) たばこ加工機械の分配機から過剰の作業空気を導出するための装置
JP3398503B2 (ja) シガレット製造機の刻みたばこ給送装置
NZ268123A (en) Particle separation; separating heavy particles from particulate material; use of a coanda sifter followed by a zigzag sifter
US6877515B2 (en) Method of making a tobacco rod
JPH02190175A (ja) 2つの連続した紙巻煙草棒状体の同時製造機械
JPS61219372A (ja) たばこ微片分離装置を有する紙巻たばこ製造機械
JP2527772B2 (ja) たばこ加工産業におけるシガレット連続体製造機のための空気案内機構
US4964500A (en) Tabacco processing pneumatic alignment method and apparatus
US5027953A (en) Pneumatic plant-blade-from-stem separator
US5083577A (en) Apparatus for metering tobacco
US5810017A (en) Supplying device for supplying shredded tobacco to rod forming section of cigarette manufacturing machine
CN220879581U (zh) 一种风选系统
GB2035042A (en) Method and apparatus for separating tobacco from rejected cigarettes
GB2132875A (en) Method of and apparatus for building a tobacco stream
JP3910109B2 (ja) 巻上機の刻たばこ給送装置
SE508639C2 (sv) Svängöverföring vid bandtransportörer