JPH07180653A - 斜板形ピストンポンプモータのシリンダブロック係着装置 - Google Patents
斜板形ピストンポンプモータのシリンダブロック係着装置Info
- Publication number
- JPH07180653A JPH07180653A JP5323470A JP32347093A JPH07180653A JP H07180653 A JPH07180653 A JP H07180653A JP 5323470 A JP5323470 A JP 5323470A JP 32347093 A JP32347093 A JP 32347093A JP H07180653 A JPH07180653 A JP H07180653A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 シリンダブロックを弁板に押付ける力を強く
せず、しかも回転軸とシリンダブロックのスプライン係
合長さを短くすることなく、シリンダブロックと弁板の
良好な接触状態と潤滑状態を維持し得るコンパクト化可
能な斜板形ピストンポンプモータのシリンダブロック係
着装置を提供する 【構成】 斜板形ピストンポンプモータの回転軸2に形
成されるスプライン3に係着されるシリンダブロックの
係着位置を、該回転軸方向のたわみの軸心線の接線16
が弁板9の板面に垂直となる位置Aから該回転軸の長さ
方向に等距離の2点B、Cを含む2箇所とした 【効果】 回転軸のたわみによるシリンダブロックの弁
板に対する傾きを防止でき、潤滑性がよいのでシリンダ
ブロックと弁板の焼付きがなく、スプラインが長いので
その摩耗がなく耐久性が向上する
せず、しかも回転軸とシリンダブロックのスプライン係
合長さを短くすることなく、シリンダブロックと弁板の
良好な接触状態と潤滑状態を維持し得るコンパクト化可
能な斜板形ピストンポンプモータのシリンダブロック係
着装置を提供する 【構成】 斜板形ピストンポンプモータの回転軸2に形
成されるスプライン3に係着されるシリンダブロックの
係着位置を、該回転軸方向のたわみの軸心線の接線16
が弁板9の板面に垂直となる位置Aから該回転軸の長さ
方向に等距離の2点B、Cを含む2箇所とした 【効果】 回転軸のたわみによるシリンダブロックの弁
板に対する傾きを防止でき、潤滑性がよいのでシリンダ
ブロックと弁板の焼付きがなく、スプラインが長いので
その摩耗がなく耐久性が向上する
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、斜板形ピストンポンプ
又は斜板形ピストンモータのシリンダブロックと回転軸
との係着装置に関する。
又は斜板形ピストンモータのシリンダブロックと回転軸
との係着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のポンプモータは、図1に
示すように、ケーシングaにスプラインbを形成した回
転軸cを挿通し、該スプラインbに一方の端面が弁板d
に当接したシリンダブロックeの中心部を挿通させて1
箇所で係着し、該シリンダブロックeの他方の端面の前
方に設けた斜板fに該シリンダブロックから出没自在の
複数本のピストンgの頭部をシューhを介して摺接させ
た構成を備えるを一般とする。該弁板dには、通常、2
個の繭形の透孔が形成されており、この透孔を介してピ
ストン室iの内部がケーシングaの外部に接続される。
該回転軸cの周囲にはガイドlにより支えられて該シリ
ンダブロックeをその端面が弁板dの板面に当接するよ
うに押圧するばねmが設けられる。該回転軸cがエンジ
ン等により回転されることに伴ってシリンダブロックe
が回転されると、該ピストンgが斜板fの傾斜により出
没され、弁板dの一方の透孔を介してピストン室iに吸
入した流体を他方の透孔から吐出してポンプ作動を行な
い、該弁板dの一方の透孔を介して圧力流体がピストン
室iに圧入されると、該ピストンgは斜板fの板面に沿
ってシリンダブロックeと共に回転し、回転軸cから回
転力が取出されてモータ作動を行なう。
示すように、ケーシングaにスプラインbを形成した回
転軸cを挿通し、該スプラインbに一方の端面が弁板d
に当接したシリンダブロックeの中心部を挿通させて1
箇所で係着し、該シリンダブロックeの他方の端面の前
方に設けた斜板fに該シリンダブロックから出没自在の
複数本のピストンgの頭部をシューhを介して摺接させ
た構成を備えるを一般とする。該弁板dには、通常、2
個の繭形の透孔が形成されており、この透孔を介してピ
ストン室iの内部がケーシングaの外部に接続される。
該回転軸cの周囲にはガイドlにより支えられて該シリ
ンダブロックeをその端面が弁板dの板面に当接するよ
うに押圧するばねmが設けられる。該回転軸cがエンジ
ン等により回転されることに伴ってシリンダブロックe
が回転されると、該ピストンgが斜板fの傾斜により出
没され、弁板dの一方の透孔を介してピストン室iに吸
入した流体を他方の透孔から吐出してポンプ作動を行な
い、該弁板dの一方の透孔を介して圧力流体がピストン
室iに圧入されると、該ピストンgは斜板fの板面に沿
ってシリンダブロックeと共に回転し、回転軸cから回
転力が取出されてモータ作動を行なう。
【0003】該シューhは、斜板fの板面に垂直な方向
へピストン室i内の流体圧とシリンダブロックの反力に
より押され、この力の回転軸cの直角方向成分がピスト
ンgを介してシリンダブロックeをその回転軸と直角方
向へ押す。具体的には、その回転軸と直角方向へ押す力
F1 は、(ピストンgの断面積)×(ピストン室内の流
体圧)×(ピストンgの本数)×(tanα)÷2で表
される。αは、斜板fの傾転角である。該シリンダブロ
ックeは回転軸cによって支持されているので、前記回
転軸と直角方向へ押す合力F1 で回転軸cはたわめられ
ることになる。該シリンダブロックeの端面と弁板dの
板面は、その間から流体の漏れが少なくなるように全面
で当接して回転摺動させ、高効率と高圧運転を可能にす
る必要があり、回転軸cにたわみが生じても該端面と板
面の間には該端面の傾きによる大きな隙間を生じないよ
うにシリンダブロックeを保持しておかなければならな
い。該回転軸cは前後の2箇所で軸受j、jによりケー
シングaに支持されており、その中間の部分が前記回転
軸と直角方向の合力F1 でたわみ、このたわみに倣って
シリンダブロックeを傾けるモーメントが発生する。こ
のたわみの影響で該シリンダブロックeが傾かないよう
に、たわんだ回転軸cの軸心線kの接線が弁板dの板面
に対して垂直な線とほぼ平行になるような回転軸c上の
位置でシリンダブロックと回転軸を係着させている。ま
た、このスプライン係着部に、回転軸cと直角方向の力
が作用するようにしている。こうすると、弁板dに対す
るシリンダブロックeの傾きが小さくなり、良好な接触
状況と潤滑状態を保持できることから、このような位置
にシリンダブロックeをスプライン係着するのが一般的
である。
へピストン室i内の流体圧とシリンダブロックの反力に
より押され、この力の回転軸cの直角方向成分がピスト
ンgを介してシリンダブロックeをその回転軸と直角方
向へ押す。具体的には、その回転軸と直角方向へ押す力
F1 は、(ピストンgの断面積)×(ピストン室内の流
体圧)×(ピストンgの本数)×(tanα)÷2で表
される。αは、斜板fの傾転角である。該シリンダブロ
ックeは回転軸cによって支持されているので、前記回
転軸と直角方向へ押す合力F1 で回転軸cはたわめられ
ることになる。該シリンダブロックeの端面と弁板dの
板面は、その間から流体の漏れが少なくなるように全面
で当接して回転摺動させ、高効率と高圧運転を可能にす
る必要があり、回転軸cにたわみが生じても該端面と板
面の間には該端面の傾きによる大きな隙間を生じないよ
うにシリンダブロックeを保持しておかなければならな
い。該回転軸cは前後の2箇所で軸受j、jによりケー
シングaに支持されており、その中間の部分が前記回転
軸と直角方向の合力F1 でたわみ、このたわみに倣って
シリンダブロックeを傾けるモーメントが発生する。こ
のたわみの影響で該シリンダブロックeが傾かないよう
に、たわんだ回転軸cの軸心線kの接線が弁板dの板面
に対して垂直な線とほぼ平行になるような回転軸c上の
位置でシリンダブロックと回転軸を係着させている。ま
た、このスプライン係着部に、回転軸cと直角方向の力
が作用するようにしている。こうすると、弁板dに対す
るシリンダブロックeの傾きが小さくなり、良好な接触
状況と潤滑状態を保持できることから、このような位置
にシリンダブロックeをスプライン係着するのが一般的
である。
【0004】一方、シリンダブロックeが弁板dから離
れないように押し付ける力F2は、(ピストンgの断面
積)×(ピストン室内の流体圧)×(高圧側のピストン
の本数)×(1/2)×K+(ばねmの力)で表され、
係数Kは0.03以下のものが多い。
れないように押し付ける力F2は、(ピストンgの断面
積)×(ピストン室内の流体圧)×(高圧側のピストン
の本数)×(1/2)×K+(ばねmの力)で表され、
係数Kは0.03以下のものが多い。
【0005】回転軸cはたわみを少なくするために、で
きるだけ軸径を大きくする必要があり、場合によって
は、回転軸c上のスプラインbの歯長を、係着に必要と
する以上に長く形成して回転軸cの剛性を高めることも
行なわれている。更に、シリンダブロックの端面が弁板
の板面に対して傾いても、そこに大きな隙間が発生する
ことを防止するため、該端面および板面を球状面に形成
することも行なわれている。
きるだけ軸径を大きくする必要があり、場合によって
は、回転軸c上のスプラインbの歯長を、係着に必要と
する以上に長く形成して回転軸cの剛性を高めることも
行なわれている。更に、シリンダブロックの端面が弁板
の板面に対して傾いても、そこに大きな隙間が発生する
ことを防止するため、該端面および板面を球状面に形成
することも行なわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近時、斜板形ピストン
ポンプモータをコンパクトに構成することの要望が多
く、この要望に従った場合、上記のように回転軸cのた
わみ軸心線kの接線が弁板dの板面と垂直になる該軸心
線k上の点に、回転軸cとシリンダブロックeの係着点
を選択できないことがある。この場合、回転軸cのスプ
ラインbの長さをできるだけ短くして、回転軸cにたわ
みが発生してもシリンダブロックeを傾けるモーメント
を小さくし、シリンダブロックeを弁板dに押付ける力
F2を大きくする対策を採ってシリンダブロックeが弁
板dから傾かないようにすることが考えられるが、該ス
プラインbの長さを短くすると、その歯面に回転伝達に
伴い作用する面圧が大きくなり、スプラインbに摩耗が
発生し、F2を大きくすると、シリンダブロックeと弁
板dは離れにくくなるが、シリンダブロックeと弁板d
は焼付きやすくなる不都合を生じる。シリンダブロック
の端面と弁板の板面を球状面に形成して該回転軸のたわ
みによるシリンダブロックと弁板の隙間の増大を防止す
ることは、球状面の加工が高価につくので好ましくな
い。
ポンプモータをコンパクトに構成することの要望が多
く、この要望に従った場合、上記のように回転軸cのた
わみ軸心線kの接線が弁板dの板面と垂直になる該軸心
線k上の点に、回転軸cとシリンダブロックeの係着点
を選択できないことがある。この場合、回転軸cのスプ
ラインbの長さをできるだけ短くして、回転軸cにたわ
みが発生してもシリンダブロックeを傾けるモーメント
を小さくし、シリンダブロックeを弁板dに押付ける力
F2を大きくする対策を採ってシリンダブロックeが弁
板dから傾かないようにすることが考えられるが、該ス
プラインbの長さを短くすると、その歯面に回転伝達に
伴い作用する面圧が大きくなり、スプラインbに摩耗が
発生し、F2を大きくすると、シリンダブロックeと弁
板dは離れにくくなるが、シリンダブロックeと弁板d
は焼付きやすくなる不都合を生じる。シリンダブロック
の端面と弁板の板面を球状面に形成して該回転軸のたわ
みによるシリンダブロックと弁板の隙間の増大を防止す
ることは、球状面の加工が高価につくので好ましくな
い。
【0007】本発明は、シリンダブロックを弁板に押付
ける力を強くせず、しかも回転軸とシリンダブロックの
スプライン係合長さを短くすることなく、シリンダブロ
ックと弁板の良好な接触状態と潤滑状態を維持し得るコ
ンパクト化可能な安価な斜板形ピストンポンプモータの
シリンダブロック係着装置を提供することを目的とする
ものである。
ける力を強くせず、しかも回転軸とシリンダブロックの
スプライン係合長さを短くすることなく、シリンダブロ
ックと弁板の良好な接触状態と潤滑状態を維持し得るコ
ンパクト化可能な安価な斜板形ピストンポンプモータの
シリンダブロック係着装置を提供することを目的とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、スプライン
を形成した回転軸に、一方の端面が弁板に当接したシリ
ンダブロックを挿通させて係着し、該シリンダブロック
の他方の端面の前方に設けた斜板に該シリンダブロック
から出没自在の複数本のピストンの頭部をシューを介し
て摺接させた斜板形ピストンポンプモータに於いて、該
回転軸とシリンダブロックの係着位置を、該回転軸方向
のたわみの軸心線の接線が該弁板の板面に垂直となる位
置から該回転軸の長さ方向に等距離の2点を含む2箇所
とすることにより、上記の目的を達成するようにした。
該2箇所の係着位置の一方は該ピストンの該回転軸と直
角方向の力の合力の作用点の近傍とすることが好まし
い。
を形成した回転軸に、一方の端面が弁板に当接したシリ
ンダブロックを挿通させて係着し、該シリンダブロック
の他方の端面の前方に設けた斜板に該シリンダブロック
から出没自在の複数本のピストンの頭部をシューを介し
て摺接させた斜板形ピストンポンプモータに於いて、該
回転軸とシリンダブロックの係着位置を、該回転軸方向
のたわみの軸心線の接線が該弁板の板面に垂直となる位
置から該回転軸の長さ方向に等距離の2点を含む2箇所
とすることにより、上記の目的を達成するようにした。
該2箇所の係着位置の一方は該ピストンの該回転軸と直
角方向の力の合力の作用点の近傍とすることが好まし
い。
【0009】
【作用】該回転軸が例えばエンジンにより回転されてポ
ンプ作動する場合、該回転軸にスプラインで係着された
シリンダブロックが回転され、その回転に伴いシリンダ
ブロックからピストンが斜板に沿って出没し、その出没
でシリンダ室へ外部から弁板を介して吸入した作動流体
を加圧して再び該弁板を介して外部へ吐出する。該ピス
トンがシリンダブロックへ没入する行程に於いて、流体
の加圧のために斜板の板面に垂直な力が発生し、この力
の該回転軸と直角方向成分により回転軸がたわめられる
ことになる。斜板形ピストンポンプモータをその回転軸
方向の長さを小さく設計してコンパクトに構成する場
合、該回転軸のたわみの軸心線の接線が弁板の板面に垂
直になる位置でシリンダブロックを係着できない場合が
生じ、該シリンダブロックの端面が弁板の板面から傾い
てそこに予定以上の漏れを生じることになるが、シリン
ダブロックを、該回転軸のたわんだ軸心線の接線が該弁
板の板面に垂直となる位置から該回転軸の長さ方向に等
距離の2点を含む2箇所で該回転軸に係着することによ
り、該回転軸にたわみが生じてもシリンダブロックはた
わみのピークの前後に係着されているために該シリンダ
ブロックは一方へ傾かず、その端面と弁板の板面は適正
な接触状態と潤滑状態を維持する。また、この傾きの防
止のためにスプラインを短くする必要がなく、スプライ
ンの係着長さを長く形成することができ、更に、2箇所
でスプラインが係着するため、スプライン歯の面圧を低
くして摩耗を防止することができる。また、シリンダブ
ロックの回転軸心線が該板面に直角になるように、シリ
ンダブロックが回転軸に支持されるので、シリンダブロ
ックと弁板の摺動面を球面状に形成する必要がないの
で、安価に製造できる。
ンプ作動する場合、該回転軸にスプラインで係着された
シリンダブロックが回転され、その回転に伴いシリンダ
ブロックからピストンが斜板に沿って出没し、その出没
でシリンダ室へ外部から弁板を介して吸入した作動流体
を加圧して再び該弁板を介して外部へ吐出する。該ピス
トンがシリンダブロックへ没入する行程に於いて、流体
の加圧のために斜板の板面に垂直な力が発生し、この力
の該回転軸と直角方向成分により回転軸がたわめられる
ことになる。斜板形ピストンポンプモータをその回転軸
方向の長さを小さく設計してコンパクトに構成する場
合、該回転軸のたわみの軸心線の接線が弁板の板面に垂
直になる位置でシリンダブロックを係着できない場合が
生じ、該シリンダブロックの端面が弁板の板面から傾い
てそこに予定以上の漏れを生じることになるが、シリン
ダブロックを、該回転軸のたわんだ軸心線の接線が該弁
板の板面に垂直となる位置から該回転軸の長さ方向に等
距離の2点を含む2箇所で該回転軸に係着することによ
り、該回転軸にたわみが生じてもシリンダブロックはた
わみのピークの前後に係着されているために該シリンダ
ブロックは一方へ傾かず、その端面と弁板の板面は適正
な接触状態と潤滑状態を維持する。また、この傾きの防
止のためにスプラインを短くする必要がなく、スプライ
ンの係着長さを長く形成することができ、更に、2箇所
でスプラインが係着するため、スプライン歯の面圧を低
くして摩耗を防止することができる。また、シリンダブ
ロックの回転軸心線が該板面に直角になるように、シリ
ンダブロックが回転軸に支持されるので、シリンダブロ
ックと弁板の摺動面を球面状に形成する必要がないの
で、安価に製造できる。
【0010】
【実施例】本発明の実施例を別紙図面に基づき説明する
と、図2に於いて符号1は斜板形ピストンポンプモータ
のケーシング、2は該ケーシング1を挿通して軸受1
7、18により両端側が軸支された回転軸を示す。該回
転軸2の中間部にはスプライン3を形成してそこにシリ
ンダブロック4を挿通して係着する。該シリンダブロッ
ク4は、その円周方向に複数本のシリンダ室6を備えて
おり、各室6にピストン5が出没自在に設けられる。各
ピストン5の球状に形成した頭部5aは、これに嵌着し
たシュー7を介して斜板8の板面に当接される。該斜板
8はケーシング1に固定したものを示したが、これを適
当な手段により傾転させる構成とすることも可能であ
る。9はケーシング1の後蓋1aにピン10で固定した
弁板を示し、これの板面にシリンダブロック4の端面4
aが当接され、該シリンダブロック4が回転したときシ
リンダ室6と外部の配管11、12との間に流体を流通
させるための透孔が該弁板9に形成される。該透孔は通
常は2個の繭形のものが形成されることが多い。該回転
軸2のスプライン3には外周が球面となったガイド14
を係着し、これでシリンダブロック4を弁板9の板面に
押付けるためのばね15が保持される。
と、図2に於いて符号1は斜板形ピストンポンプモータ
のケーシング、2は該ケーシング1を挿通して軸受1
7、18により両端側が軸支された回転軸を示す。該回
転軸2の中間部にはスプライン3を形成してそこにシリ
ンダブロック4を挿通して係着する。該シリンダブロッ
ク4は、その円周方向に複数本のシリンダ室6を備えて
おり、各室6にピストン5が出没自在に設けられる。各
ピストン5の球状に形成した頭部5aは、これに嵌着し
たシュー7を介して斜板8の板面に当接される。該斜板
8はケーシング1に固定したものを示したが、これを適
当な手段により傾転させる構成とすることも可能であ
る。9はケーシング1の後蓋1aにピン10で固定した
弁板を示し、これの板面にシリンダブロック4の端面4
aが当接され、該シリンダブロック4が回転したときシ
リンダ室6と外部の配管11、12との間に流体を流通
させるための透孔が該弁板9に形成される。該透孔は通
常は2個の繭形のものが形成されることが多い。該回転
軸2のスプライン3には外周が球面となったガイド14
を係着し、これでシリンダブロック4を弁板9の板面に
押付けるためのばね15が保持される。
【0011】以上の構成は従来のものと略同様であり、
該回転軸2がエンジン等で駆動されてシリンダブロック
4に回転が与えられるときは、ピストン5が圧力流体を
弁板9を介して送り出すポンプ作動を行ない、一方の配
管12から弁板9を介して圧力流体がシリンダ室6に押
し込まれるときは、ピストン5がシリンダブロック4を
伴って斜板8に沿って回転し、回転軸2が回転するモー
タ作動を行なう。
該回転軸2がエンジン等で駆動されてシリンダブロック
4に回転が与えられるときは、ピストン5が圧力流体を
弁板9を介して送り出すポンプ作動を行ない、一方の配
管12から弁板9を介して圧力流体がシリンダ室6に押
し込まれるときは、ピストン5がシリンダブロック4を
伴って斜板8に沿って回転し、回転軸2が回転するモー
タ作動を行なう。
【0012】ポンプ作動或はモータ作動を行なうとき、
シリンダ室6内の流体圧力でピストン5が発生する推力
のために、シュー7には弁板9の板面に垂直な力が作用
し、この力の合力は各球状頭部5aの中心を通る面Dに
対して垂直であり、この力の回転軸2の直角方向成分が
上記したようにピストン5を介してシリンダブロック4
をその円周方向へ押し、回転軸2の軸心線13がたわむ
ことになるが、このたわみによってシリンダブロック4
の後端4aが弁板9の板面に対して傾くことを防止する
ため、本発明では、たわんだ軸心線13の接線16が弁
板9の板面に垂直になる回転軸2の軸心上の位置Aから
回転軸2の相反する軸方向に等距離Lの点B、Cの近傍
に於いてシリンダブロック4を回転軸2のスプライン3
に係着した。点Bの係着位置をピストン5の円周方向の
力の合力の作用点の近傍とし、点A、B間と等距離の点
Cを選定し、シリンダブロック4がスプライン3と係合
する範囲に点B、Cが包含されるように係着することが
好ましい。該回転軸2のスプライン3の長さは、B、C
間の距離以上にとなるように設けられる。
シリンダ室6内の流体圧力でピストン5が発生する推力
のために、シュー7には弁板9の板面に垂直な力が作用
し、この力の合力は各球状頭部5aの中心を通る面Dに
対して垂直であり、この力の回転軸2の直角方向成分が
上記したようにピストン5を介してシリンダブロック4
をその円周方向へ押し、回転軸2の軸心線13がたわむ
ことになるが、このたわみによってシリンダブロック4
の後端4aが弁板9の板面に対して傾くことを防止する
ため、本発明では、たわんだ軸心線13の接線16が弁
板9の板面に垂直になる回転軸2の軸心上の位置Aから
回転軸2の相反する軸方向に等距離Lの点B、Cの近傍
に於いてシリンダブロック4を回転軸2のスプライン3
に係着した。点Bの係着位置をピストン5の円周方向の
力の合力の作用点の近傍とし、点A、B間と等距離の点
Cを選定し、シリンダブロック4がスプライン3と係合
する範囲に点B、Cが包含されるように係着することが
好ましい。該回転軸2のスプライン3の長さは、B、C
間の距離以上にとなるように設けられる。
【0013】該回転軸2は、上記のようにポンプ或はモ
ータとして作動するとき、たわみを生じるが、シリンダ
ブロック4はたわみのピークを避けた2点B、Cを含む
2箇所にて支持されているから、たわみにより一方向に
傾くことがなく、本来の軸心線に対して略平行に移動す
るようになり、シリンダブロック4の端面と弁板9の板
面との間に傾きにより予定以上の漏れが発生することを
防止でき、該ポンプモータをコンパクトに構成してもこ
れらの点B、Cは存在するのでそこにシリンダブロック
4を係着することができる。またスプライン3の長さを
可能な限り長く形成できるから、回転軸2の剛性を高め
てたわみを少なくし、更にはシリンダブロック4の傾き
がないからその端面と弁板9の板面に球状面を形成しな
くても板面からの大きな漏れを生じやすい高圧用途に適
合させ得られ、スプライン3の歯面の面圧を軽減でき、
その摩耗が減って耐久性が向上する。
ータとして作動するとき、たわみを生じるが、シリンダ
ブロック4はたわみのピークを避けた2点B、Cを含む
2箇所にて支持されているから、たわみにより一方向に
傾くことがなく、本来の軸心線に対して略平行に移動す
るようになり、シリンダブロック4の端面と弁板9の板
面との間に傾きにより予定以上の漏れが発生することを
防止でき、該ポンプモータをコンパクトに構成してもこ
れらの点B、Cは存在するのでそこにシリンダブロック
4を係着することができる。またスプライン3の長さを
可能な限り長く形成できるから、回転軸2の剛性を高め
てたわみを少なくし、更にはシリンダブロック4の傾き
がないからその端面と弁板9の板面に球状面を形成しな
くても板面からの大きな漏れを生じやすい高圧用途に適
合させ得られ、スプライン3の歯面の面圧を軽減でき、
その摩耗が減って耐久性が向上する。
【0014】
【発明の効果】以上のように本発明によるときは、斜板
形ピストンポンプモータのシリンダブロックをスプライ
ンを形成した回転軸に係着する位置を、該回転軸方向の
たわみ軸心線の接線が該弁板の板面に垂直となる中心位
置から該回転軸の長さ方向に等距離の2点を含む2箇所
としたので、該回転軸のたわみによるシリンダブロック
の弁板に対する傾きを防止し得て適正な接触状態と潤滑
状態を維持でき、シリンダブロックを弁板に押付ける力
を増大する必要がないから弁板の焼付きがなく、平坦面
の板面の弁板を使用出来、充分な長さのスプラインでシ
リンダブロックを係着できるので回転軸の摩耗を防止し
て耐久性を向上させ得られ、回転軸の剛性も高めて性能
の良い安価でコンパクトな斜板形ピストンポンプモータ
が得られる等の効果がある。
形ピストンポンプモータのシリンダブロックをスプライ
ンを形成した回転軸に係着する位置を、該回転軸方向の
たわみ軸心線の接線が該弁板の板面に垂直となる中心位
置から該回転軸の長さ方向に等距離の2点を含む2箇所
としたので、該回転軸のたわみによるシリンダブロック
の弁板に対する傾きを防止し得て適正な接触状態と潤滑
状態を維持でき、シリンダブロックを弁板に押付ける力
を増大する必要がないから弁板の焼付きがなく、平坦面
の板面の弁板を使用出来、充分な長さのスプラインでシ
リンダブロックを係着できるので回転軸の摩耗を防止し
て耐久性を向上させ得られ、回転軸の剛性も高めて性能
の良い安価でコンパクトな斜板形ピストンポンプモータ
が得られる等の効果がある。
【図1】 従来例の截断側面図
【図2】 本発明の実施例の截断側面図
1 ケーシング 2 回転軸 3
スプライン 4 シリンダブロック 4a 端面 5
ピストン 7 シュー 8 斜板 9
弁板 13 軸心線 16 接線
スプライン 4 シリンダブロック 4a 端面 5
ピストン 7 シュー 8 斜板 9
弁板 13 軸心線 16 接線
Claims (2)
- 【請求項1】 スプラインを形成した回転軸に、一方の
端面が弁板に当接したシリンダブロックを挿通させて係
着し、該シリンダブロックの他方の端面の前方に設けた
斜板に該シリンダブロックから出没自在の複数本のピス
トンの頭部をシューを介して摺接させた斜板形ピストン
ポンプモータに於いて、該回転軸とシリンダブロックの
係着位置を、該回転軸方向のたわみの軸心線の接線が該
弁板の板面に垂直となる位置から該回転軸の長さ方向に
等距離の2点を含む2箇所としたことを特徴とする斜板
形ピストンポンプモータのシリンダブロック係着装置。 - 【請求項2】 上記2箇所の係着位置の一方は上記ピス
トンの上記回転軸と直角方向の力の合力の作用点の近傍
としたことを特徴とする請求項1に記載の斜板形ピスト
ンポンプモータのシリンダブロック係着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32347093A JP3509907B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 斜板形ピストンポンプモータのシリンダブロック係着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32347093A JP3509907B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 斜板形ピストンポンプモータのシリンダブロック係着装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07180653A true JPH07180653A (ja) | 1995-07-18 |
JP3509907B2 JP3509907B2 (ja) | 2004-03-22 |
Family
ID=18155050
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32347093A Expired - Fee Related JP3509907B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 斜板形ピストンポンプモータのシリンダブロック係着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3509907B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1082353A (ja) * | 1996-09-09 | 1998-03-31 | Hitachi Ltd | 燃料ポンプ |
JP2012013088A (ja) * | 2010-07-02 | 2012-01-19 | Linde Material Handling Gmbh | ハイドロスタティック式のアキシャルピストン機械 |
-
1993
- 1993-12-22 JP JP32347093A patent/JP3509907B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1082353A (ja) * | 1996-09-09 | 1998-03-31 | Hitachi Ltd | 燃料ポンプ |
JP2012013088A (ja) * | 2010-07-02 | 2012-01-19 | Linde Material Handling Gmbh | ハイドロスタティック式のアキシャルピストン機械 |
US9080549B2 (en) | 2010-07-02 | 2015-07-14 | Linde Hydraulics Gmbh & Co. Kg | Hydrostatic axial piston machine |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3509907B2 (ja) | 2004-03-22 |
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