JPH07180601A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

内燃機関の失火検出装置

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JPH07180601A
JPH07180601A JP32864393A JP32864393A JPH07180601A JP H07180601 A JPH07180601 A JP H07180601A JP 32864393 A JP32864393 A JP 32864393A JP 32864393 A JP32864393 A JP 32864393A JP H07180601 A JPH07180601 A JP H07180601A
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JP
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misfire
rotation
internal combustion
combustion engine
variable quantity
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Application number
JP32864393A
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English (en)
Inventor
Yasutoshi Baba
泰年 馬場
Masaaki Nakayama
中山  昌昭
Shuji Sakakibara
修二 榊原
Takehiko Terada
岳彦 寺田
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転変動量に含まれる誤差成分を低減させ、
良好に失火検出を行う内燃機関の失火検出装置を提供す
ること。 【構成】 電子制御装置(ECU)9は、120°CA
回転するのに要する時間を検出し(ステップ105)、
これより、平均回転数変動量Δωi を演算する(ステッ
プ106)。さらに、平均回転数変動量Δωi から本発
明の特徴である変動量なまし値dωijを演算し(ステッ
プ107)、この変動量なまし値dωijに基づいて、失
火検出を行う(ステップ108)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多気筒内燃機関におい
て内燃機関の回転速度の変化によって失火を検出する装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、代表的な失火検出方法として、内
燃機関の回転数の瞬間的な変化を測定するものがある
(例えば、特開平4−365958号公報)。詳しく
は、点火毎に瞬時回転数を求め、この瞬時回転数に基づ
いて、過去の瞬時回転数との一階差分や二階差分を行
う。そして、回転数の変動量を求め、この回転変動量に
基づいて失火の有無を判定している。
【0003】なお、この際、上記回転変動量の演算は毎
回更新される瞬時回転数により行われ、回転変動量の履
歴については考慮されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような失火判定
に用いられる瞬時回転数には、測定による誤差や燃焼の
ばらつきによる回転変動等が含まれる。したがって、こ
の瞬時回転数に基づき演算される回転変動量にも誤差が
含まれることになる。また、エンジン回転数が高くなる
ほど、失火発生によるトルク変化によって引き起こされ
る回転変動量が小さくなる。そのため、高回転域におい
ては、相対的に真値に対して誤差変動量が大きくなる。
よって、S/N(信号雑音比)が確保できず、失火を誤
検出するおそれが生じる。
【0005】本発明では、回転変動量に含まれる誤差成
分を低減させ、良好に失火検出を行う内燃機関の失火検
出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、図11
に示すように、内燃機関の回転に応じて所定の回転角度
毎に回転信号を出力する回転信号出力手段と、前記回転
信号出力手段の出力信号に基づき、各気筒の膨張行程に
おける所定回転角度間の回転に要した期間を計測するこ
とにより定まる実測値を求める実測値演算手段と、前記
実測値演算手段の演算結果に基づいて、前記膨張行程が
連続する2つの気筒間の実測値の偏差を求めることによ
り第1の変動量を演算する第1の変動量演算手段と、前
記回転信号出力手段および前記実測値演算手段からの情
報に基づいて、前記第1の変動量演算手段で演算された
今回の前記第1の変動量と、前記内燃機関のクランク角
で360度の整数倍回転前に演算された前記第1の変動
量との偏差を求めることにより第2の変動量を演算する
第2の変動量演算手段と、前記第2の変動量を平滑化す
る平滑化手段と、前記平滑化された第2の変動量に基づ
いて失火を検出する失火検出手段とを備えることを特徴
とする内燃機関の失火検出装置を提供する。
【0007】
【作用】回転信号出力手段は、内燃機関の回転に応じて
所定の回転角度毎に回転信号を出力し、実測値演算手段
は、前記回転信号出力手段の出力信号に基づき、各気筒
の膨張行程における所定回転角度間の回転に要した期間
を計測することにより定まる実測値を求める。
【0008】そして、第1の変動量演算手段は、前記実
測値演算手段の演算結果に基づいて、前記膨張行程が連
続する2つの気筒間の実測値の偏差を求めることにより
第1の変動量を演算し、第2の変動量演算手段は、前記
回転信号出力手段および前記実測値演算手段からの情報
に基づいて、前記第1の変動量演算手段で演算された今
回の前記第1の変動量と、前記内燃機関のクランク角で
360度の整数倍回転前に演算された前記第1の変動量
との偏差を求めることにより第2の変動量を演算する。
【0009】平滑化手段は、前記第2の変動量を平滑化
し、失火検出手段は、前記平滑化された第2の変動量に
基づいて失火を検出する。
【0010】
【実施例】本発明の第1実施例を説明する。図1に本発
明を6気筒内燃機関(エンジン)に採用した第1実施例
の構成図を示す。図1において、1は6つの気筒からな
り3気筒毎にV字型に配設されたエンジンであり、2は
図示しないエアクリーナから導入された吸入空気を内燃
機関1内に導く吸気管である。3は吸気管2内の圧力を
検出する吸気管圧力センサであり、吸気管圧力センサ3
の検出信号は後述する電子制御装置(ECU)9に入力
される。
【0011】5はエンジン1の図示しないクランク軸に
配設され、所定クランク角度毎に信号を出力して、エン
ジン1の回転速度Ne (エンジン回転数)を求めるため
の回転角センサであり、6は同じくディストリビュータ
7に内蔵され、気筒を判別するための信号を出力する、
詳しくは、例えば、第1気筒(♯1)のピストン13が
最も上にきた時点(上死点:TDC)毎に信号を出力す
る基準位置センサである。なお、回転角センサ5,基準
位置センサ6からの信号も後述するECU9に入力され
る。8はエンジン1の冷却水路に配設され、冷却水の温
度を検出する水温センサであり、水温センサ8からの信
号も後述するECU9に入力される。
【0012】9は上記各センサおよび図示しないセンサ
からの検出信号に基づいて燃料系および点火系の最適な
制御量を演算し、インジェクタ10およびイグナイタ1
1等を的確に制御するための制御信号を出力する公知の
ECUである。また、ECU9は演算処理を行う公知の
CPU9a,制御プログラムおよび演算に必要な制御定
数を記憶しておくための読み出し専用のROM9b,上
記CPU9aの動作中に演算データを一時記憶するため
のRAM9c,およびECU9外部からの信号を入出力
するための入出力(I/O)ポート9dにより構成され
ている。さらに、ECU9は内燃機関等に異常が生じた
ときに、警告ランプ12を点灯する。
【0013】次に、ECU9により実行される失火判定
処理を図2に示すフローチャートに従って説明する。な
お、このフローチャートは30°CA(クランク角度)
毎に実行される。本処理が実行されると、ステップ10
1において、前回の割り込み時刻と今回の割り込み時刻
との偏差から30°CA回転するのに要した時間T30
i を算出する。ステップ102では、今回の割り込みタ
イミングが上死点(TDC)であるか否かを判別する。
上死点でないときにはステップ103に進み、T30
n(n= i,i-1,i-2)をT30n-1(n=i,i-1,i-2)として、本ル
ーチンを終了する。一方、今回の割り込みタイミングが
上死点であるなら、ステップ104に進む。
【0014】ステップ104では、気筒インデックスj
を更新する。ここで、気筒インデックスjとは、今回、
回転変動量を算出される気筒の番号である。例えば、点
火順序が、♯1→♯2→♯3→♯4→♯5→♯6→♯1
→・・と続く内燃機関では、気筒インデックスも♯1→
♯2→♯3→♯4→♯5→♯6→♯1→・・の順(つま
り、jが1→2→3→4→5→6→1→・・の順)で更
新されていく。
【0015】次に、ステップ105ではステップ10
2,ステップ103によって求めたT30
n(n=i,i-1,i-2)から120°CA回転するのに要する時
間T120i を算出し、さらに、この算出したT120
i の逆数を求めることにより平均回転数ωiを算出す
る。ステップ106では、次式に基づいて、平均回転数
変動量Δωi を算出する。
【0016】
【数1】 Δωi =(ωi-1 −ωi )−(ωi-4 −ωi-3 ) なお、ωi はステップ105で算出した今回の平均回転
数であり、ωi-1 は前回の平均回転数である。そして、
(ωi-1 −ωi )は膨張行程が連続する気筒の変動量
(第1の変動量)である。また、ωi-3 は3回前の平均
回転数であり、ωi- 4 は4回前の平均回転数である。そ
して、(ωi-4 −ωi-3 )は360°CA前における膨
張行程が連続する気筒の変動量(360°CA前の第1
の変動量)である。
【0017】また、ここでは上記第1の変動量と360
°CA前の第1の変動量とを同じルーチンで求めたが、
360°CA前の第1の変動量を予め別のルーチンで求
め、ECU9のRAM9cに格納し、このルーチンの実
行時に360°CA前の第1の変動量をRAM9cから
読み込むというようにしてもよい。次に、ステップ10
7において、次式より変動量なまし値dωijを算出す
る。
【0018】
【数2】 dωij=((K−1)×dωi-1j+Δωi )/K ここで、jは気筒インデックス,dωi-1jは前回の変動
量なまし値である。また、定数Kの値は本実施例では8
とする。なお、この定数Kの値は、コンピュータの処理
上、2n となる値を設定するのが好ましい。このよう
に、平均回転数変動量をなますことにより、図10に示
す特性が得られ、容易に失火検出ができるようになる。
【0019】そして、ステップ108において、ステッ
プ107で求めたdωijが失火判定値VREF より大きい
か否かを判定し、失火判定を実行する。dωijが失火判
定値VREF より大きいときは、失火と判断してステップ
109に進み、気筒別失火カウンタCMISCj をイン
クリメントする。そして、ステップ110に進む。ま
た、ステップ108で、dωijが失火判定値VREF より
大きくなかったときは、失火でないと判断し、そのまま
ステップ110に進む。
【0020】ステップ110では、次回の平均回転数変
動量を算出するための前処理として、ω
n(n=i,i-1,i-2,i-3)をωn-1(n=i,i-1,i-2,i-3)とし、さ
らに、dωijをdω i-1jとして、ステップ111に進
む。そして、ステップ111において、カウンタCの値
をインクリメントして、本処理を終了する。以上の処理
により、失火が発生した回数だけ気筒別にカウントされ
ることになる。
【0021】次に、気筒別失火カウンタCMISCj
基づいて失火検出する処理を図3に示すフローチャート
に従って説明する。なお、このフローチャートは64m
s毎の時間割込みにて実行される。本処理が実行される
と、まず、ステップ201において、カウンタCの値が
3000以上か否かを判定する。肯定判断されると、ス
テップ202に進み、以降のステップで失火判定処理を
実行する。否定判断されると、そのまま本ルーチンを終
了する。つまり、本実施例の場合、エンジン回転数が1
000回をこえる毎に一回、ステップ202以降の失火
判定処理を実行することになる。
【0022】ステップ202では、気筒インデックスj
を1に、つまり、始めは♯1気筒について失火検出処理
を行う。ステップ203では、気筒別失火カウンタCM
ISCj (始めは、j=1)の値が所定値kより大きい
かを判定する。ここで肯定判断されると、失火と判断
し、ステップ204に進む。ステップ204では、失火
判別フラグXMFを1として、ステップ206に進む。
また、否定判断されると、ステップ205に進み失火判
別フラグXMFを0として、ステップ206に進む。ス
テップ206では気筒別失火カウンタCMISCj の値
をクリア(0に)し、ステップ207に進む。
【0023】ステップ207では、気筒インデックスの
値が6であるかを判断し、6であれば本処理を終了す
る。6でなければ、ステップ208に進み、気筒インデ
ックスの値をインクリメントし、ステップ203以降の
処理を繰り返す。つまり、♯1から♯6までの全ての気
筒に対して失火判定処理が終了すると、ステップ207
において肯定判断され、本処理を終了する。
【0024】次に、図4に示すフローチャートにしたが
って、失火が検出されたときの処理を説明する。このフ
ローチャートは所定時間毎の時間割り込みにて実行され
る。本処理が実行されると、ステップ301において、
失火判別フラグXMFが1であるか否かを判定する。肯
定判断されると、失火が検出されているものとし、ステ
ップ302にすすみ、警告ランプ12を点灯する。さら
に、ステップ303に進み、フェイルセーフ処理が実行
される。このフェイルセーフ処理としては、例えば、触
媒保護や排出ガス中のHC濃度の増大を防止する目的
で、失火発生と判定された気筒への燃料供給を遮断した
りする。そして、本処理を終了する。
【0025】また、ステップ301で、否定判断された
ときには、失火が発生していないものと判断し、ステッ
プ304に進む。ステップ304では、警告ランプ12
が点灯して入れば消灯する。ステップ305では、ステ
ップ302において、フェイルセーフ処理が行われてい
たときに、このフェイルセール処理を終了し、正常時の
制御を実行する。そして、本処理を終了する。
【0026】図5(a)は正常運転時の平均回転数変動
量を平滑化する前の平均回転数変動量の出現頻度を表し
た特性図であり、図5(b)は上記実施例のように、平
均回転数変動量を平滑化したときの出現頻度を表した特
性図である。図5(a)に示すように、平滑化する前の
平均回転数変動量は出現頻度にばらつきが大きく(誤差
変動量が大きく)、正常運転時にもかかわらず、失火判
定レベルをこえる場合もある。しかしながら、平均回転
数変動量を平滑化することにより、ばらつきを抑制する
ことができるため、図5(b)に示すような特性とな
る。この図に示すように、平滑化された平均回転数変動
量では失火判定レベルをこえることはほとんどなく、よ
って、精度の高い失火検出を行うことができる。
【0027】図6(a)は平滑化した平均回転数変動量
の正常運転時の特性図であり、図6(b)は所定気筒に
連続的に失火が発生したときの特性図である。図6
(a)に示すように、正常運転時には、dωijはほぼ0
の値に収束している。しかし、所定気筒に連続的に失火
が発生すると、図6(b)に示すように、dωijの値が
ばらつく。このとき、dωijが一番大きくなる気筒に失
火が発生している(実験結果から本発明者らが発見)た
め、失火判定レベルVREF を図に示すように設定するこ
とにより、失火を検出できる。なお、この失火判定レベ
ルV REF の値は運転状態により変えてもよいし、各気筒
毎に設定してもよい。さらに、上記実施例では、図3の
ステップ202〜ステップ207で各気筒毎に順番に失
火判定を行うため、どの気筒に失火が発生しているかが
わかる。
【0028】第1実施例において、回転角センサが回転
信号出力手段に、ステップ101,ステップ105が実
測値演算手段に、ステップ106において、第1の変動
量を演算する処理が第1の変動量演算手段に、ステップ
106において、Δωi を算出する処理が第2の変動量
算出手段に、ステップ107が平滑化手段に、ステップ
108が失火検出手段にそれぞれ相当し、機能する。
【0029】なお、上記第1実施例では、クランク軸が
120°CA回転するのに要する時間T120i から平
均回転速度を求め、この平均回転速度の変動量から失火
を判定している、クランク軸が120°CA回転するの
に要する時間T120i から時間変化量を求め、失火検
出を行ってもよい。以下、時間変化量を算出し、これに
基づいて失火検出を行う第2実施例を説明する。
【0030】図7に第2実施例のフローチャートを示
す。このフローチャートは図2に示すフローチャートの
ステップ105〜ステップ108,ステップ110をス
テップ105’〜ステップ108’,ステップ110’
としたものである。以下、この相違点を中心に説明す
る。ステップ105’では、T120i (第2実施例で
は、Ti と表す)のみを算出し、図2のステップ105
で算出した平均回転数ωi を算出せずに、次のステップ
106’に進む。ステップ106’では平均回転数変動
量Δωi の代わりに平均時間変化量ΔTi を次式より算
出する。
【0031】
【数3】 ΔTi =(Ti −Ti-1 )−(Ti-3 −Ti-4 ) なお、Ti はステップ105’で算出されたクランク軸
が120°CA回転するのに要する時間(120°CA
回転時間)であり、Ti-1 は前回の120°CA回転時
間である。そして、(Ti −Ti-1 )は膨張行程が連続
する気筒の変動量(第1の変動量)である。また、T
i-3 は3回前の120°CA回転時間であり、Ti-4
4回前の120°CA回転時間である。そして、(T
i-3 −Ti-4 )は360°CA前における膨張行程が連
続する気筒の変動量(360°CA前の第1の変動量)
である。
【0032】そして、ステップ107’において、ステ
ップ106’で算出されたΔTi に基づいて変化量なま
し値dTijを次式より求める。
【0033】
【数4】 dTij=((K−1)dTi-1j+ΔTi )/K 次に、ステップ108’にて、dTijが失火判定値V
REF'より大きいかを判定する。ここで、肯定判断された
とき(つまり、失火と判断されたとき)はステップ10
9に進む。そして、ステップ109にて、気筒別失火カ
ウンタCMISC j をインクリメントしてステップ11
0’に進む。また、ステップ108’にて否定判断され
たとき(つまり、失火でないと判断されたとき)は、そ
のままステップ110’に進む。ステップ110’では
n(n=i,i-1,i-2,i-3)をTn-1(n=i, i-1,i-2,i-3)とし、
さらに、dTijをdTi-1jとして、ステップ111に進
む。ステップ111ではカウンタCをインクリメントし
て、本処理を終了する。
【0034】以上の実施例では、失火が発生すると、1
20°CA回転するのに要する時間T120i が正常運
転時に比べて大きくなることを利用して失火検出を行っ
ている。つまり、失火が発生すると数式4にて算出され
るdTijの値が失火判定値V REF'より大きくなり、失火
と判断できる。第2実施例において、回転角センサ5が
回転信号出力手段に、ステップ101,ステップ10
5’が実測値演算手段に、ステップ106’において、
第1の変動量を演算する処理が第1の変動量演算処理
に、ステップ106’において、ΔTi を算出する処理
が第2の変動量演算手段に、ステップ107’が平滑化
手段に、ステップ108’が失火検出手段にそれぞれ相
当し、機能する。
【0035】次に、第3実施例を説明する。この第3実
施例は、変動量なまし値の算出法や失火検出後のダイア
グ処理は第1実施例と同じであるが、失火の判定方法が
異なる。よって以下では、この相違点を中心に説明す
る。図8のフローチャートに第3実施例の失火検出処理
を示す。以下、図8を図2との相違点を中心に説明す
る。なお、このフローチャートは30°CA毎の角度割
り込みにて実行される。
【0036】本処理が実行されると、ステップ101〜
ステップ107において、第1実施例で説明したよう
に、変動量なまし値dωijが算出される。そして、ステ
ップ120において、本第2実施例の特徴である失火検
出処理が実行される。この失火検出処理のフローチャー
トを示したものが図9である。以下、図9にしたがって
説明する。
【0037】ステップ120にて、失火検出処理が実行
されると、ステップ121にて、今回算出された変動量
なまし値dωijが、いままでに算出された変動量なまし
値の最大値(dωi max より大きいかを判定する。こ
こで、肯定判断されると、ステップ122に進む。ステ
ップ122では、今回算出された変動量なまし値を新た
に(dωi max とし、ステップ123に進む。ステッ
プ121にて否定判断されると、そのままステップ12
3に進む。ステップ123では、今回算出された変動量
なまし値dωijが、いままでに算出された変動量なまし
値の最小値(dωi min より小さいかを判定する。こ
こで、肯定判断されると、ステップ124に進む。ステ
ップ124では、今回算出された変動量なまし値を新た
に(dω i min とし、ステップ125に進む。ステッ
プ123にて、否定判断されたときには、そのままステ
ップ125に進む。
【0038】ステップ125では、次式より最大最小偏
差d2 ωi を求める。
【0039】
【数5】 d2 ωi =(dωi max −(dωi min そして、次のステップ126において、最大最小偏差d
2 ωi が失火判定レベルVREF1より大きいかを判定す
る。ここで、肯定判断されると、失火と判断してステッ
プ129に進む。ステップ129では、今回失火検出処
理を行った気筒に失火が発生したとして、失火気筒メモ
リCMF1に気筒インデックス番号を記憶させる。そし
て、ステップ131に進み、失火判別フラグXMFを1
として本処理を終了する。
【0040】また、ステップ126で否定判断されたと
きには、ステップ127に進む。ステップ127では、
最大最小偏差d2 ωi が失火判定レベルVREF2より大き
いかを判定する。ここで、肯定判断されると、複数気筒
が失火しているものとして、ステップ130に進む。ス
テップ130では複数気筒失火判別フラグXMF2を1
とする。これらステップ127,ステップ130の処理
により、複数気筒の失火も検出することができる。そし
て、ステップ131に進み、失火判別フラグXMFを1
として、本処理を終了する。
【0041】ステップ127にて、否定判断されたとき
には、失火が発生していないものとして、ステップ12
8に進み、失火判別フラグXMFを0として、本処理を
終了する。以上、図9に示したフローチャートの処理
(失火検出処理)が終了すると、図8のステップ110
に進み。第1実施例で説明した処理を行い、本ルーチン
を終了する。
【0042】図10は図6と同じく、平滑化された平均
回転数変動量の正常時の特性図(図10(a))と、特
定気筒に連続的に失火が発生したときの特性図(図10
(b))である。図10(a)に示すように、正常点火
時にはdωijの最大値(dωi max と最小値(d
ωi min との差がほとんどない。しかし、特定気筒に
失火が発生すると、図10(b)に示すように、dωij
の最大値(dωi max と最小値(dωi min との間
に大きく差が生じる。このため、上記実施例のように、
数式5により算出されたd2 ωi を失火判定レベルV
REF1と比較することにより、容易に失火を検出すること
ができる。さらに、各気筒毎に本処理を実行するので、
どの気筒に失火が発生しているかも容易に判定すること
ができる。
【0043】第3実施例において、回転角センサ5が回
転信号出力手段に、ステップ106において、第1の変
動量を演算する処理が第1の変動量演算手段に、ステッ
プ106において、Δωi を算出する処理が第2の変動
量演算手段に、ステップ107が平滑化手段に、ステッ
プ121〜ステップ126が失火検出手段にそれぞれ相
当し、機能する。
【0044】以上第1実施例から第3実施例に述べたよ
うな失火検出装置を用いることにより、悪路走行時の失
火検出も良好に行うことができる。つまり、悪路によっ
て生じる回転変動は回転速度を増加させる方向と、減少
させる方向とに現れるため、これを平滑化することによ
り、悪路によって生じる回転変動の影響をなくすことが
できる。
【0045】上記第1から第3実施例では、数式2,数
式5により平滑化しているが、他にも算術平均や、幾何
平均、あるいは、メジアン(中央値)で平滑化してもよ
い。例えば、算術平均を用いて平滑化するときには、数
式2(または数式5)の代わりに、次式を用いればよ
い。
【0046】
【数6】 dωij=(Δωi +dωi-1j+dωi-2j+dωi-3j+・・・)/n なお、ここで、nはサンプルする今回および過去のdω
ijの数である。nの数が少ないほど、過去のdωijを記
憶しておくメモリの容量を減らすことができる。また、
幾何平均を用いて平滑化するときには、数式2(または
数式5)の代わりに、次式を用いればよい。
【0047】
【数7】 なお、ここで、各定数a,b,c・・・はそれぞれのサ
ンプル値に対する重みであり、自由に設定できる。例え
ば、過去に検出された値ほど重みを大きくしようとする
ときには、a<b<c<・・・というように設定すれば
よい。また、分母は、各重みの総和である。
【0048】以上の数式で平滑化を行っても、同様の効
果を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、第
2の変動量に含まれる誤差成分や燃焼によるばらつきを
低減することができるため、精度のよい失火検出を実行
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いた第1実施例の内燃機関の概略構
成図である。
【図2】第1実施例のECUにて実行される失火検出処
理のフローチャートである。
【図3】第1実施例のECUにて実行される失火検出処
理のフローチャートである。
【図4】第1実施例のECUにて実行されるフェイルセ
ーフ処理のフローチャートである。
【図5】(a),(b)は平均回転数変動量の出現頻度
を示す特性図である。
【図6】(a)は正常運転時の変動量なまし値のタイム
チャートである。(b)は失火発生時の変動量なまし値
のタイムチャートである。
【図7】第2実施例のECUにて実行される失火検出処
理のフローチャートである。
【図8】第3実施例のECUにて実行される失火検出処
理のフローチャートである。
【図9】第3実施例のECUにて実行される失火検出処
理のフローチャートである。
【図10】(a)は正常運転時の変動量なまし値のタイ
ムチャートである 。(b)は失火発生時の変動量なま
し値のタイムチャートである。
【図11】本発明の構成要件を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 エンジン 5 回転角センサ 6 基準位置センサ 9 ECU
フロントページの続き (72)発明者 寺田 岳彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の回転に応じて所定の回転角度
    毎に回転信号を出力する回転信号出力手段と、 前記回転信号出力手段の出力信号に基づき、各気筒の膨
    張行程における所定回転角度間の回転に要した期間を計
    測することにより定まる実測値を求める実測値演算手段
    と、 前記実測値演算手段の演算結果に基づいて、前記膨張行
    程が連続する2つの気筒間の実測値の偏差を求めること
    により第1の変動量を演算する第1の変動量演算手段
    と、 前記回転信号出力手段および前記実測値演算手段からの
    情報に基づいて、前記第1の変動量演算手段で演算され
    た今回の前記第1の変動量と、前記内燃機関のクランク
    角で360度の整数倍回転前に演算された前記第1の変
    動量との偏差を求めることにより第2の変動量を演算す
    る第2の変動量演算手段と、 前記第2の変動量を平滑化する平滑化手段と、 前記平滑化された第2の変動量に基づいて失火を検出す
    る失火検出手段とを備えることを特徴とする内燃機関の
    失火検出装置。
  2. 【請求項2】 前記実測値演算手段は、前記膨張行程に
    おける平均回転時間を演算する手段を含むことを特徴と
    する請求項1に記載の内燃機関の失火検出装置。
  3. 【請求項3】 前記実測値演算手段は、前記膨張行程に
    おける前記内燃機関の機関回転数を演算する手段を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の失火検出
    装置。
  4. 【請求項4】 前記失火検出手段は、各気筒毎に失火を
    検出する手段を備えることを特徴とする請求項1から請
    求項3のいずれかに記載の内燃機関の失火検出装置。
  5. 【請求項5】 前記失火検出手段は、予め設定された所
    定の値と、前記第2の変動量とを比較することにより失
    火を検出することを特徴とする請求項1から請求項4の
    いずれかに記載の内燃機関の失火検出装置。
  6. 【請求項6】 前記失火検出手段は、前記第2の変動量
    の最大値を検出する手段と、前記第2の変動量の最小値
    を検出する手段と、前記第2の変動量の最大値と最小値
    とから演算される値に基づいて失火を検出する手段とを
    含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか
    に記載の内燃機関の失火検出装置。
JP32864393A 1993-12-24 1993-12-24 内燃機関の失火検出装置 Pending JPH07180601A (ja)

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US08/363,211 US5499537A (en) 1993-12-24 1994-12-23 Apparatus for detecting misfire in internal combustion engine

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011252428A (ja) * 2010-06-01 2011-12-15 Toyota Motor Corp 燃焼悪化検出装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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