JPH0718059Y2 - 磁気ディスク装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は磁気ディスク装置に係り、特に駆動モータの回
転力をベルトを用いてスピンドルに伝達する構造を有す
る磁気ディスク装置に関する。

従来の技術 一般に磁気ディスク装置には、磁気ディスクを定速回転
させるディスク駆動機構が設けられている。このディス
ク駆動機構としては種々の構造のものが知られている
が、その一種としてベルトを利用した駆動機構がある。
これは、スピンドルと駆動モータを磁気ディスク装置の
シャーシ上に離間配設し、スピンドル及び駆動モータに
取付けられたプーリ間にベルトを巻架し、駆動モータの
回転力をこのベルトを介してスピンドルに伝達する構成
とされている。

考案が解決しようとする課題 しかるに従来のベルト駆動方式の磁気ディスク装置で
は、ベルトが単にスピンドル及び駆動モータに設けられ
たプーリ間に巻架されただけの構成であったため、ベル
トが各プーリから外れ易いという課題があった。この傾
向は特にベルトのゆるみ側で発生することが知られてい
る。

本考案は上記の点に鑑みてなされたものであり、ベルト
外れの防止を図った磁気ディスク装置を提供することを
目的とする。

課題を解決するための手段及び作用 上記課題を解決するために、本考案では、シャーシに配
設された駆動モータに取付けられた原動車と、ディスク
を回転させるスピンドルに取付けられた従動車との間に
ベルトを巻架し駆動モータの回転をスピンドルに伝達す
る構成の磁気ディスク装置において、 シャーシに配設されており、シャーシと協働してベルト
の少なくともゆるみ側部分を直線的に包囲してベルト走
行を案内する案内部材を設けることによりベルトが曲線
的にゆるむことを防ぎ、ベルトの外れを防止し磁気ディ
スク装置の信頼性を向上させたものである。

実施例 次に本考案の実施例について図面と共に説明する。第１
図乃至第３図は本考案の一実施例である磁気ディスク装
置１の底面図，平面図，分解斜視図である。尚、各図に
示された磁気ディスク装置１は、以下述べる本願考案の
特徴を説明する便宜上、シャーシ２を覆うカバー及びデ
ィスクが挿入されこれを搬送するディスクホルダーの図
示を省略している。

磁気ディスク装置１は、例えば3.5インチ径のディスク
に対応した装置であり、シャーシ２の上面には第２図に
示すようにヘッドキャリッジ3,ステッピングモータ4,イ
ジェクトアーム5,カムプレート6,スピンドル7,駆動モー
タ８等を配設すると共に、シャーシ２の裏面には第１図
に示すように回路基板9,10、プーリ11,12、ベルト13及
び本考案の特徴となるベルトカバー14等が配設されてい
る。

ヘッドキャリッジ３はシャーシ２に配設されるガイドシ
ャフト15（第３図，第４図に現われる）に軸承されてお
り、図中矢印A₁，A₂方向へ移動可能な構成されている。
このヘッドキャリッジ３はステッピングモータ４に駆動
されA₁，A₂方向へ移動し、取付けられた磁気ヘッド16を
ディスク上の所定トラック位置へ位置決めする機能を奏
する。また、ヘッドキャリッジ３の移動を案内するガイ
ドシャフト15は、シャーシ２に形成された長孔17（第３
図に詳しい）に止め具18を用いてねじ止めされている。

イジェクトアーム５はシャーシ２に回動可能な構成で配
設されており、ディスクが収納されたディスクカートリ
ッジの挿入時にはディスクカートリッジに設けられたシ
ャッタを開蓋する機能を奏し、ディスクホルダがイジェ
クト位置にある時にはカムプレート６のA₂方向の移動を
規制し、またディスクカートリッジがイジェクトされる
時にはディスクカートリッジを後方より押圧操作し排出
動作させる機能を奏するものである。

カムプレート６はディスクカートリッジの挿入操作及び
イジェクト釦19の押圧操作によりA₁，A₂方向へ移動し、
この移動に伴い図示しないディスクホルダを上下動させ
ることにより、ディスクをイジェクト位置とスピンドル
７に載置される所定装着位置の間で移送させるものであ
る。このカムプレート６はA₁方向への操作時（即ち、イ
ジェクト操作時）において、ディスクホルダが所定上動
限位置に達した時そのA₁方向の移動を規制する必要があ
る。これは、ディスクホルダがカムプレート６より離脱
するのを防止するためである。

スピンドル７は、シャーシ２に回転自在の構成で取付け
られた支軸20に固定されており、上部にディスクが載置
され後述するように駆動モータ８に付勢されディスクを
回転させるものである。

駆動モータ８は、スピンドル７と離間したシャーシ２の
A₁方向側方部に配設されている。この駆動モータ８の回
転軸は、第１図に示すようにシャーシ２の裏面に突出し
ており、この突出部分にプーリ11が設けられている。

回路基板9,10は駆動モータ８の回転制御を行なう制御回
路やステッピングモータ４の駆動制御を行なう制御回路
等が配設されており、シャーシ２の裏面にねじ止めされ
ている。また各回路基板9,10の間はフレキシブルコード
21により接続されている。

プーリ12は、前記した支軸20に固定されている。即ち、
支軸20はシャーシ２を貫通して上下に突出しており、上
面側にはスピンドル７が取付けられ、裏面側にはプーリ
12が取付けられる。よって、スピンドル７はプーリ12と
一体的に回転する。

ベルト13はゴム製の平ベルトであり、各プーリ11,12間
に巻架されている。よって、駆動モータ８が駆動しプー
リ11（原動車となる）が回転すると、この回転力はベル
ト13を介してプーリ12（従動車となる）に伝達されスピ
ンドル７は回転する。この時、各プーリ11,12及びスピ
ンドル７は第１図及び第２図に矢印で示す方向に回転す
る。よって、ベルト13の図中矢印Ｂで示す側が張り側と
なり、また矢印Ｃで示す側がゆるみ側となる。

次に、本考案の特徴となるベルトカバー14について説明
する。第１図に示すように、ベルトカバー14（他の部品
との区別を明確とするため第１図では梨地を付した）
は、ベルト13のゆるみ側Ｃを覆いベルト走行を案内する
ベルト案内部14aと、ガイドシャフト15を覆うシャフト
カバー部14bとを形成してなり、取付ねじ22によりシャ
ーシ２に取付けられている。

ベルト案内部14aは、同図に示すようにベルト13のゆる
み側を直線的に長く覆ってその走行を直線的に案内して
いる。また、ベルト案内部14a内において、ベルト13は
このベルト案内部14a及びシャーシ２の裏面により周囲
を直線的に囲まれた状態となっている。よって前記した
ようにベルトの離脱が生じ易いゆるみ側であっても、ベ
ルト３の各プーリ11,12からの離脱は確実に防止され、
磁気ディスク装置１の信頼性を向上させることができ
る。

また、シャフトカバー部14bは、少なくともベルト13近
傍におけるガイドシャフト15及び長孔17を覆うように形
成されている。ここで、ベルトカバー14を取外した状態
の磁気ディスク装置の１の底面を第４図に示す。同図に
示すように、ベルト13の張り側は丁度ガイドシャフト15
及び長孔17の上部位置に位置している。周知のように、
ガイドシャフト15にはヘッドキャリッジ３の移動を円滑
に行なうためグリス（潤滑剤）が塗布されており、よっ
て同図に示す状態でベルト13の巻架作業を行なうとグリ
スがベルト13に付着しベルト13の劣化を早める原因とな
り、またベルト13の走行時にグリスが付着する虞れもあ
る。しかるに、ベルトカバー14にシャフトカバー部14b
を形成しガイドシャフト15を覆うことにより、上記の不
都合を回避することができる。

また、取付ねじ22はシャーシ２に形成されたねじ孔23に
螺着されベルトカバー14をシャーシ２に固定すると共
に、カムプレート６（第２図参照）のA₁方向への移動規
制を行なう。前記したように、カムプレート６はディス
クホルダの離脱防止を図るためA₁方向の移動を所定位置
で規制する必要がある。そこで、取付ねじ22のねじ部分
の寸法を長くし、ベルトカバー14がシャーシ２に固定さ
れた状態でねじ部分の一部がシャーシ２の上面に突出す
るよう構成すると共に、その配設位置をカムプレート６
がA₁方向限まで移動した時カムプレート６の当接部6aと
当接する位置に選定した。この構成とすることにより、
カムプレート６のA₁方向の移動を規制する部材を別個に
設ける必要がなくなり、部品点数の削減、構造の簡単
化、及び組立て作業の容易化を図ることができる。

上記のようにベルトカバー14はベルト13の離脱防止、ベ
ルト13へのグリスの付着防止、及びベルトカバー14を固
定する取付ねじ22によりカムプレート６の移動規制を一
括的に行なうという機能を有している。かつ、ベルトカ
バー14は樹脂を一体成形したものであるため、ベルト案
内部14a及びシャフトカバー部14bを形成するのに困難を
伴うものではなく、また取付ねじ22の配設位置の選定を
行なうにも比較的自由度を有している。よって、上記種
々の効果を有するベルトカバー14を容易に実現すること
ができる。

尚、上記実施例では、ベルト外れが発生し易いベルト13
のゆるみ側Ｃのみにベルト案内部14aを設けたベルトカ
バー14を示したが、これに加えベルト13の張り側にもベ
ルト案内部を形成しても良い。これにより、更にベルト
の外れを確実に防止することができる。

考案の効果 上述の如く、本考案によれば、シャーシと協働してベル
トの少なくともゆるみ側部分を直線的に包囲してベルト
走行を案内する案内部材が設けられているためベルトに
不要な張力を付与することなくベルトが曲線的にゆるむ
ことを防ぐことができ、原動車及び従動車（プーリ）か
らのベルト外れを防止できるとともにベルトを長寿命と
することができ、磁気ディスク装置の信頼性を向上する
ことができる等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である磁気ディスク装置の底
面図、第２図は磁気ディスク装置の平面図、第３図は磁
気ディスク装置の分解斜視図、第４図は第２図において
ベルトカバーを取外した状態を示す図である。 １…磁気ディスク装置、２…シャーシ、３…ヘッドキャ
リッジ、６…カムプレート、７…スピンドル、８…駆動
モータ、11,12…プーリ、13…ベルト、14…ベルトカバ
ー、14a…ベルト案内部、14b…シャフトカバー部、15…
ガイドシャフト、17…長孔、22…取付ねじ、23…ねじ
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シャーシに配設された駆動モータに取付け
   られた原動車と、ディスクを回転させるスピンドルに取
   付けられた従動車との間にベルトを巻架し該駆動モータ
   の回転を該スピンドルに伝達する構成の磁気ディスク装
   置において、 該シャーシに配設されており、該シャーシと協働して該
   ベルトの少なくともゆるみ側部分を直線的に包囲してベ
   ルト走行を案内する案内部材を設けてなる磁気ディスク
   装置。