JPH07180510A - 内燃機関のバルブタイミング調整装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング調整装置

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JPH07180510A
JPH07180510A JP32723593A JP32723593A JPH07180510A JP H07180510 A JPH07180510 A JP H07180510A JP 32723593 A JP32723593 A JP 32723593A JP 32723593 A JP32723593 A JP 32723593A JP H07180510 A JPH07180510 A JP H07180510A
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JP
Japan
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hydraulic chamber
side member
crankshaft
camshaft
cam shaft
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JP32723593A
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English (en)
Inventor
Yasushi Morii
泰詞 森井
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 筒状歯車の外歯と噛合する歯の形成および検
査を容易にするとともに、装置体格の小さな内燃機関の
バルブタイミング調整装置を提供する。 【構成】 タイミングプーリ5はカムシャフト1に対し
て回動自在に組付けられ、スプロケットスリーブ7は、
フランジ部7bでタイミングプーリ5にボルト6で組付
けられている。リング部材8は両端に開口した円筒状に
形成され、スプロケットスリーブ7の突起部7dに凹部
8aを嵌合してスプロケットスリーブ7に圧入し、嵌合
部でかしめ固定されている。筒状歯車10は、カムシャ
フトスリーブ4とリング部材8間に形成される径方向隙
間に噛合している。このため、筒状歯車10の各外歯ヘ
リカルスプラインと噛合する内歯ヘルカルスプライン8
bをリング部材8の内壁面に軸方向両端部まで容易に形
成することができ、装置の軸長を短縮することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の吸排気弁の開
弁タイミングを運転条件に応じて変更するためのバルブ
タイミング調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関のバルブタイミング調整
装置のクランク軸側部材とカム軸側部材との間に筒状歯
車を噛合させ、この筒状歯車を油圧力もしくはバネ力に
よって駆動してカム軸の軸方向に移動することによりク
ランク軸側部材とカム軸側部材とを相対回動させ、吸排
気弁の開弁タイミングを変更することが知られている。
【0003】このとき、特に筒状歯車のピストン面積の
確保と装置の大型化抑制との両面から、大径のシリンダ
部とシリンダ部よりも小径のスプライン部とをクランク
軸側部材の内壁に形成する。さらに、スプライン部を小
径にすることにより、筒状歯車が軸方向に移動するとき
のストロークに対する変換角の割合が大きくなるため、
筒状歯車のピストンストロークが小さくなり、装置の軸
長を短縮でき装置を小型化できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の内燃機関のバルブタイミング調整装置では、
クランク軸側部材の内径側閉塞部に形成するスプライン
の加工が困難であり、ある程度の距離の未加工部分が残
るためこの未加工部分の距離だけ装置の軸長が延びると
いう問題がある。
【0005】この問題を解決するため、クランク軸側部
材に蓋部材を有し、蓋部材を除去した状態でクランク軸
側部材の内壁にスプラインを形成した後ボルト等で蓋部
材をクランク軸側部材に固定することにより、クランク
軸側部材の内径側閉塞部直前までスプラインを形成可能
にしたバルブタイミング調整装置も考えられている。し
かし、このバルブタイミング調整装置は未加工部分が殆
ど無いため装置の軸長が短縮できるという利点はある
が、油圧で筒状歯車を移動させる構成では蓋部材の結合
部でのオイルシールが困難であるという問題がある。
【0006】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたもので、筒状歯車の外歯と噛合する歯の形成
および検査を容易にするとともに、装置体格の小さな内
燃機関のバルブタイミング調整装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
内燃機関のバルブタイミング調整装置は、内燃機関の吸
気バルブまたは排気バルブの少なくとも一方のバルブを
駆動するためのカム軸と、前記カム軸に固定され、前記
カム軸と一体に回動するカム軸側部材と、内燃機関のク
ランク軸と同期して回転するクランク軸側部材と、前記
クランク軸側部材の内壁に挿入固定され、前記クランク
軸側部材と一体に回動する両端に開口した円筒状の回転
伝達部材と、前記カム軸側部材と前記回転伝達部材との
間に噛合し、内外周に設けられる歯のうち少なくともい
ずれか一方がはす歯であり、前記回転伝達部材および前
記カム軸側部材を介して前記クランク軸側部材の回転力
を前記カム軸に伝達する筒状歯車と、油圧によって前記
カム軸の軸方向に前記筒状歯車を移動させ、前記クラン
ク軸側部材に対して前記カム軸を遅角側に相対回動させ
る遅角側油圧室と、油圧によって前記カム軸の軸方向に
前記筒状歯車を移動させ、前記クランク軸側部材に対し
て前記カム軸を進角側に相対回動させる進角側油圧室
と、前記遅角側油圧室および前記進角側油圧室へオイル
を供給する油圧供給手段と、前記遅角側油圧室および前
記進角側油圧室へのオイルの供給と、前記遅角側油圧室
および前記進角側油圧室からのオイルの排出とを制御す
る油圧制御弁と、を備えたことを特徴とする。
【0008】また、本発明の請求項2記載の内燃機関の
バルブタイミング調整装置は、内燃機関の吸気バルブま
たは排気バルブの少なくとも一方のバルブを駆動するた
めのカム軸と、前記カム軸に固定され、前記カム軸と一
体に回動するカム軸側部材と、内燃機関のクランク軸と
同期して回転するクランク軸側部材と、前記クランク軸
側部材の内壁に挿入固定され、前記クランク軸側部材と
一体に回動する両端に開口した円筒状の回転伝達部材
と、前記カム軸側部材と前記回転伝達部材との間に噛合
し、内外周に設けられる歯のうち少なくともいずれか一
方がはす歯であり、前記回転伝達部材および前記カム軸
側部材を介して前記クランク軸側部材の回転力を前記カ
ム軸に伝達する筒状歯車と、前記筒状歯車を遅角方向に
付勢する付勢手段と、油圧によって前記カム軸の軸方向
に前記筒状歯車を移動させ、前記クランク軸側部材に対
して前記カム軸を進角側に相対回動させる進角側油圧室
と、前記進角側油圧室へオイルを供給する油圧供給手段
と、前記進角側油圧室へのオイルの供給および前記進角
側油圧室からのオイルの排出を制御する油圧制御弁と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明の内燃機関のバルブタイミング調整装置
によると、筒状歯車の外歯と噛合する両端に開口した円
筒状の回転伝達部材をクランク軸側部材に固定する構成
にしたことにより、筒状歯車の外歯と噛合する歯を回転
伝達部材の両端部まで容易に形成できるので装置の軸方
向長を短縮できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明の第1実施例による内燃機関のバルブタイ
ミング調整装置を図1〜図5に示す。カムシャフト1の
端部には、カムシャフト1と一体に回動するようにボル
ト2およびピン3により円筒状のカム軸側部材であるカ
ムシャフトスリーブ4が固定されている。このカムシャ
フトスリーブ4の外周壁の一部には、外歯ヘリカルスプ
ライン4aが形成されている。
【0011】タイミングプーリ5はカムシャフト1に対
して回動自在に組付けられている。スプロケットスリー
ブ7は、同一内径の円筒状に形成された円筒部7a、こ
の円筒部7aの一方の端部の径方向外側に延びる円環状
のフランジ部7b、円筒部7aの他方の端部に径方向内
側に延びる円環状の内側壁端部7cにより一体に形成さ
れている。スプロケットスリーブ7はフランジ部7bで
タイミングプーリ5にボルト6で組付けられ、フランジ
部7bとタイミングプーリ5との接触面はOリング26
で油密されている。円筒部7aの内壁には突起部7dが
形成されている。内側壁端部7cに形成されている穴に
はボルト34が取り付けられ、ボルト34と内側壁端部
7cとの接触面はOリング35で油密されている。
【0012】リング部材8は両端に開口した円筒状に形
成され、円筒部7aに形成された突起部7dに嵌合可能
な凹部8aが外周壁に形成されている。リング部材8
は、スプロケットスリーブ7に圧入された後、突起部7
dを凹部8aに嵌合するように形成することにより嵌合
部でかしめ固定されている。リング部材8の内壁には内
歯ヘリカルスプライン8bが形成されている。
【0013】この内歯ヘリカルスプライン8bは、外歯
ヘリカルスプライン4aとは逆方向のねじれ角を有する
ように形成されている。なお、外歯ヘリカルスプライン
4aまたは内歯ヘリカルスプライン8bのいずれか一方
は、ねじれ角をゼロとして、軸方向に平行な直線歯を有
するスプラインとしてもよい。リング部材8は、カムシ
ャフト1の径方向にカムシャフトスリーブ4と所定間隔
を形成して対向し、この所定間隔を有する径方向隙間に
筒状歯車10が噛合している。筒状歯車10のピストン
部17とスプロケットスリーブ7の内周壁との接触面は
ピストンリング20により油密され、進角側油圧室21
および遅角側油圧室22を構成している。
【0014】図2および図3に示すように、筒状歯車1
0のピストン部17には、貫通孔11aおよび11bに
挿入したピン12および13により弧型歯車11が組付
けられ、貫通孔14aおよび14bに挿入したピン15
および16により弧型歯車14が組付けられている。ピ
ン12、13、15および16はピストン部17とは圧
入固定されているが、組付け時の軸方向および径方向の
移動を可能とする範囲で、ピン12および13と弧型歯
車11間、ピン15および16と弧型歯車14間の軸お
よび径方向にはクリアランスが形成されている。弧型歯
車11および14の内周壁にはそれぞれ内歯ヘリカルス
プライン11cおよび14cが形成され、外周壁にはそ
れぞれ外歯ヘリカルスプライン11dおよび14dが形
成されている。
【0015】弧型歯車27は係止部を有する貫通孔27
aおよび27bにスプリング29を挿入し、ピン30お
よび31によりピストン部17に組付けられている。弧
型歯車27は、弧型歯車11および14と同様のクリア
ランスをスプリング29を介して径方向に形成してい
る。また、弧型歯車28も弧型歯車27と同様にピン3
2および33によりピストン部17に組付けられ、貫通
孔28aおよび28bに挿入されたスプリング29を介
して弧型歯車27と同様のクリアランスを径方向に形成
している。弧型歯車27および28の軸方向の移動はス
プリング27の圧縮範囲で可能である。弧型歯車27お
よび28の内周壁にはそれぞれ内歯ヘリカルスプライン
27cおよび28cが形成され、外周壁にはそれぞれ外
歯ヘリカルスプライン27dおよび28dが形成されて
いる。
【0016】弧型歯車11および14の内歯ヘリカルス
プライン11cおよび14c、弧型歯車27および28
の内歯ヘリカルスプライン27cおよび28cがカムシ
ャフトスリーブ4の外歯ヘリカルスプライン4aと嵌合
し、外歯ヘリカルスプライン11dおよび14d、外歯
ヘリカルスプライン27dおよび28dがリング部材8
の内歯ヘリカルスプライン8bと嵌合する。弧型歯車2
7および28は弧型歯車11および14に対してバック
ラッシュを吸収する分だけカムシャフト1の軸方向およ
び径方向に微少距離変位して嵌合する。つまり、内歯ヘ
リカルスプライン11cおよび14cに対して内歯ヘリ
カルスプライン27cおよび28cの歯筋が僅かにずれ
て嵌合し、外歯ヘリカルスプライン11dおよび14d
に対して外歯ヘリカルスプライン27dおよび28dの
歯筋が僅かにずれて嵌合することになる。従って、弧型
歯車11、14、27および28によって構成される見
かけ上の1つの円筒歯車において、スプライン間のバッ
クラッシュをゼロにするまであたかも歯厚を増大したか
のようになり、スプラインの歯打ち音が抑制される。な
お、弧型歯車11、14、27および28は、スプライ
ンの加工が容易である両端に開口したリング形状の1部
となっており、そのために弧型歯車11および14はピ
ストン部17と一体に構成されていない。
【0017】このようなスプライン同士の噛み合いによ
り、タイミングプーリ5の回転は、スプロケットスリー
ブ7、リング部材8、筒状歯車10、カムシャフトスリ
ーブ4を経てカムシャフト1に伝達する。本実施例で
は、筒状歯車10が図1の右側へ移動するとバルブタイ
ミングが遅角側に変化するように前記各ヘリカルスプラ
インのねじれ角は形成されている。なお、この筒状歯車
10により、カムシャフトスリーブ4、タイミングプー
リ5、スプロケットスリーブ7、リング部材8によって
形成される内部空間は2室に分割され、筒状歯車10の
図1の右側に進角側油圧室21、左側に遅角側油圧室2
2が形成されている。
【0018】カムシャフト1にカムシャフトスリーブ4
を固定しているボルト2には、カムシャフトスリーブ4
の内壁に形成された油圧室4bおよび油圧孔4cを介し
て進角側油圧室21へ導通する油圧通路2aが軸方向を
貫通して形成されている。この油圧通路2aのカムシャ
フト1側の端部は、カムシャフト1の軸中心部に形成さ
れる油圧通路1aと連通し、油圧通路1aはカムシャフ
ト1の側壁を貫通する油圧孔1bに連通している。これ
により、油圧通路1aは、油圧通路2aを介して進角側
油圧室21と連通する。
【0019】一方、カムシャフト1には、油圧通路1a
と別の油圧通路1cが形成され、この油圧通路1cは、
カムシャフト1に形成される環状溝1dに繋げられてい
る。環状溝1dは、タイミングプーリ5に形成される油
圧通路5aに連通し、この油圧通路5aが遅角側油圧室
22に開口することにより、油圧通路1cが、環状溝1
dおよび油圧通路5aを介して遅角側油圧室22と連通
する。
【0020】制御装置18は、内燃機関の運転情報等か
ら油圧制御弁19に制御信号を送出し、油圧制御弁19
を切り換え制御することにより、進角側油圧室21およ
び遅角側油圧室22に供給するオイル、または進角側油
圧室21および遅角側油圧室22から排出するオイルを
制御する。制御装置18の制御信号によって制御弁19
を切り換え、遅角側油圧室22とオイルポンプ23とを
導通するとともに、進角側油圧室21とドレン24とを
導通すると、遅角側油圧室22の圧力が進角側油圧室2
1の圧力より上昇し、筒状歯車10は図1の矢印P方向
へ移動し、図1に示す最遅角位置に到達する。このと
き、ヘリカルスプラインのねじれ方向によりタイミング
プーリ5に対してカムシャフト1が相対的に回転して角
度位相が遅れる。
【0021】一方、制御弁19を切り換えて、進角側油
圧室21とオイルポンプ23とを導通するとともに、遅
角側油圧室22とドレン24とを導通させると、進角側
油圧室21の圧力が遅角側油圧室22の圧力より上昇
し、筒状歯車10は図1の矢印Q方向へ移動し、図4に
示す最進角位置に到達する。このとき、ヘリカルスプラ
インのねじれ方向によりタイミングプーリ5に対してカ
ムシャフト1が相対的に回転して角度位相が進む。
【0022】また、油圧制御弁19を切り換えてオイル
の供給量および排出量を制御することにより、軸方向の
任意の位置に筒状歯車10を移動または停止させること
でき、タイミングプーリ5とカムシャフト1の位相関係
を制御範囲内で任意に変化させ、内燃機関のバルブタイ
ミングを連続的に制御することができる。次に、図6に
示す比較例と第1実施例の構成を比較し、第1実施例の
効果について説明する。
【0023】図6に示すように、スプロケットスリーブ
107の内壁に筒状歯車10と噛合する内歯ヘリカルス
プライン107aを加工する場合、スプロケットスリー
ブ107の図6の矢印P方向の内側壁端部107cまで
有効な歯を形成することは製造上困難なため、内歯ヘリ
カルスプライン107aの図6に示す矢印P方向の有効
範囲端部107bと内側壁端部107cとの間には距離
cが形成される。ここで、筒状歯車10の図6の矢印P
方向への移動を規制する係止部107dおよび有効範囲
端部107bの軸方向位置を同一にするとき、筒状歯車
10の軸方向可動距離をa、筒状歯車10の軸方向全長
をbとすると、スプロケットスリーブ107の内側壁端
部107cから、筒状歯車10の図6の矢印Q方向への
移動を規制するタイミングプーリ5に設けられた係止部
5aまでの距離dは次式(1) で求められる。
【0024】d=a+b+c ・・・(1) ここで、図4に示す最進角状態において、ピストン部1
7の軸受部17bの長さをe、筒状歯車10の軸方向可
動距離をa、弧型歯車11および14とタイミングプー
リ5のP方向端部5bとのクリアランスをf、弧形歯車
11および14の内歯ヘリカルスプライン11cおよび
14cとカムシャフトスリーブ4の外歯ヘリカルスプラ
イン4aとの必要嵌合長さをgとすると、筒状歯車10
の軸方向全長bは次式(2) で求められる。
【0025】b=e+a+f+g ・・・(2) 図6において、距離dを短縮するために、スプロケット
スリーブ107の内側壁端部107cまでを筒状歯車1
0の可動範囲とするには、スプロケットスリーブ107
の内歯ヘリカルスプライン107aのQ方向端部107
eと、ピストン部17の進角側油圧室21に面した受圧
面17cとの間に若干のクリアランスが残る程度まで内
歯ヘリカルスプライン107a、距離c部、内側壁端部
107cの軸方向位置を図6の矢印Q方向へ移動してス
プロケットスリーブ107の大径部107fを短縮する
必要がある。さらに、筒状歯車10のP方向最大位置で
ある内側壁端部107bまで達した状態において、必要
嵌合長さgを確保するために、弧型歯車11および14
の外歯ヘリカルスプライン11cおよび14cもまた図
6の矢印Q方向へ延長する必要がある。しかし、このと
き弧型歯車11および14の各内歯ヘリカルスプライン
および外歯ヘリカルスプライン位置は軸方向にズレが生
じるため、弧型歯車11および14の加工が複雑化し、
コストが増大する。すなわち、距離c部分を設ける必要
があるため、加工コストアップや装置の大型化といった
悪影響が発生する。
【0026】一方、第1実施例の構成によれば、リング
部材8は両端に開口する円筒状に形成されているため、
軸方向両端部まで有効な内歯ヘルカルスプライン8bを
リング部材8の内壁面に容易に形成することができる。
次に、内歯ヘリカルスプライン8bを加工したリング部
材8をスプロケットスリーブ7に圧入し、かしめ固定す
ることにより内歯ヘリカルスプライン8bの軸方向位置
は任意の位置に設定可能であり、前述の距離cを製造上
の誤差のみを考慮した距離hにまで短縮化でき、図6に
おける距離dは距離cと距離hの差だけ縮小される。従
って、部品点数は増加するが、スプロケットスリーブ7
の円筒部7aが同一内径になり形状が簡素化するととも
に、リング部材8に内歯ヘリカルスプライン8bを容易
に形成できるため加工工数を短縮できる。さらにスプロ
ケットスリーブ7の軸方向長を短縮できるため、筒状歯
車10の構造を複雑化することなく装置の大型化を抑制
することが可能である。
【0027】第1実施例では、遅角方向および進角方向
への筒状歯車10の移動は油圧で制御しているが、本発
明では、筒状歯車を遅角方向に付勢する付勢手段を設
け、筒状歯車の進角方向への移動だけを油圧で制御する
ことは可能である。本発明の第2実施例による内燃機関
のバルブタイミング調整装置を図5に示す。
【0028】第2実施例では、スプロケットスリーブ4
1にリング部材42を圧入後、スプロケットスリーブ4
1とリング部材42とのQ方向端部を溶接により固定す
る。第2実施例では、第1実施例に較べ嵌合部を形成す
る必要がなく、スプロケットスリーブ41およびリング
部材42の加工がさらに容易になり、製造工数を低減で
きる。
【0029】
【発明の効果】本発明による内燃機関のバルブタイミン
グ調整装置は、クランク軸側部材とは別体の両端に開口
した円筒状の回転伝達部材とカム軸側部材との間に筒状
歯車を噛合する構成のため、筒状歯車の外歯と噛合する
内歯を回転伝達部材に容易に形成できるとともに、装置
の軸方向長を短縮できるので、簡単な構成で製造工数が
短縮し装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による内燃機関のバルブタ
イミング調整装置の最遅角状態時を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例の筒状歯車を示す平面図で
ある。
【図3】図2のA−O−A線断面図である。
【図4】本発明の第1実施例による内燃機関のバルブタ
イミング調整装置の最進角状態時を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施例による内燃機関のバルブタ
イミング調整装置の最遅角状態時を示す断面図である。
【図6】比較例による内燃機関のバルブタイミング調整
装置の最遅角状態時を示す断面図である。
【符号の説明】
1 カムシャフト(カム軸) 4 カムシャフトスリーブ(カム軸側部材) 5 タイミングプーリ(クランク軸側部材) 7 スプロケットスリーブ(クランク軸側部材) 8 リング部材(回転伝達部材) 10 筒状歯車 19 油圧制御弁 21 進角側油圧室 22 遅角側油圧室 23 オイルポンプ(油圧供給手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブ
    の少なくとも一方のバルブを駆動するためのカム軸と、 前記カム軸に固定され、前記カム軸と一体に回動するカ
    ム軸側部材と、 内燃機関のクランク軸と同期して回転するクランク軸側
    部材と、 前記クランク軸側部材の内壁に挿入固定され、前記クラ
    ンク軸側部材と一体に回動する両端に開口した円筒状の
    回転伝達部材と、 前記カム軸側部材と前記回転伝達部材との間に噛合し、
    内外周に設けられる歯のうち少なくともいずれか一方が
    はす歯であり、前記回転伝達部材および前記カム軸側部
    材を介して前記クランク軸側部材の回転力を前記カム軸
    に伝達する筒状歯車と、 油圧によって前記カム軸の軸方向に前記筒状歯車を移動
    させ、前記クランク軸側部材に対して前記カム軸を遅角
    側に相対回動させる遅角側油圧室と、 油圧によって前記カム軸の軸方向に前記筒状歯車を移動
    させ、前記クランク軸側部材に対して前記カム軸を進角
    側に相対回動させる進角側油圧室と、 前記遅角側油圧室および前記進角側油圧室へオイルを供
    給する油圧供給手段と、 前記遅角側油圧室および前記進角側油圧室へのオイルの
    供給と、前記遅角側油圧室および前記進角側油圧室から
    のオイルの排出とを制御する油圧制御弁と、 を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング
    調整装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブ
    の少なくとも一方のバルブを駆動するためのカム軸と、 前記カム軸に固定され、前記カム軸と一体に回動するカ
    ム軸側部材と、 内燃機関のクランク軸と同期して回転するクランク軸側
    部材と、 前記クランク軸側部材の内壁に挿入固定され、前記クラ
    ンク軸側部材と一体に回動する両端に開口した円筒状の
    回転伝達部材と、 前記カム軸側部材と前記回転伝達部材との間に噛合し、
    内外周に設けられる歯のうち少なくともいずれか一方が
    はす歯であり、前記回転伝達部材および前記カム軸側部
    材を介して前記クランク軸側部材の回転力を前記カム軸
    に伝達する筒状歯車と、 前記筒状歯車を遅角方向に付勢する付勢手段と、 油圧によって前記カム軸の軸方向に前記筒状歯車を移動
    させ、前記クランク軸側部材に対して前記カム軸を進角
    側に相対回動させる進角側油圧室と、 前記進角側油圧室へオイルを供給する油圧供給手段と、 前記進角側油圧室へのオイルの供給および前記進角側油
    圧室からのオイルの排出を制御する油圧制御弁と、 を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング
    調整装置。
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