JPH0718045B2 - 繊維製品 - Google Patents

繊維製品

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JPH0718045B2
JPH0718045B2 JP61168142A JP16814286A JPH0718045B2 JP H0718045 B2 JPH0718045 B2 JP H0718045B2 JP 61168142 A JP61168142 A JP 61168142A JP 16814286 A JP16814286 A JP 16814286A JP H0718045 B2 JPH0718045 B2 JP H0718045B2
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政春 安江
文隆 星合
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、染色仕上加工等の後加工が施される際に形態
保持性、寸法安定性に優れ且つ後加工後の最終繊維製品
にソフトな風合及び均染性を与えることができる繊維製
品に関する。
〔従来の技術〕
一般的に衣服に代表される縫製品等の最終繊維製品は、
原糸、原綿を織物、編物、不織布等に加工し、さらに染
色仕上加工を施した後、アパレル等用に縫い合わされ製
品となり、流通販売される。
しかし、近年、ファッションの多様化、消費者ニーズの
個性化等がより進展するにつれ、いかにして生産システ
ムの短縮化、効率化を図るかが重要課題としてとりあげ
られ、特に多品種、小ロット、短サイクルの生産システ
ム化の対策として種々開発検討が行なわれている。その
中で縫製後に染色を行なう方法、いわゆる製品染なる加
工開発が促進されているが、この製品染による最終繊維
製品は染ムラ、シワ、形崩れ、寸法・サイズ変化、風合
硬化などの欠点が発生するという制約から素材的にもか
なり限定されていた。即ち、従来の製品染は、綿100
%、ウール100%を主体としたTシャツ、トレーナーな
どのニット製品にはじまり最近では、ポリエステル繊維
100%及びポリエステル繊維/綿の混紡製品を主体に開
発が進められているが、ポリエステル繊維を主体とした
製品は高温高圧で染めなければならないなどのことよ
り、上記問題点の解消に高い技術力を要するばかりでな
く、同色染が難しく染ムラの発生も顕著であり又、接着
芯地が剥離するなどの問題があるということで満足なも
のが得られていなかった。特に、ポリエステル繊維が10
0%で構成される繊維製品は、形態保持性、寸法安定性
等はかなり満足されるものの、風合的に極めて粗硬なも
のとなり、着用感、フィット性に欠ける粗悪な製品とな
っていた。この製品染においては、組合せる部材、例え
ば、表地、裏地、芯地、ミシン糸、テープ等の部材が多
くなればなる程、収縮挙動の均一化、形態安定性をはじ
め、染ムラ、風合硬化等を満足ならしめることは極めて
難かしく、現状においては上記課題を十分満足する製品
染による最終繊維製品は見当たらない実情にある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は従来から用いられている後加工による繊維製品
の有する前述の問題点を解決して、染色仕上加工等の後
加工が施される時に形態保持性、寸法安定性に優れ且後
加工後の最終繊維製品にソフトな風合及び均染性を与え
ることができる繊維製品を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の目的は、沸水収縮率が4%以下である複数の部
材を組合せて成り、且つ前記複数の部材中の付属品を除
く主要構成部材の通液量が10l/200cm2・分以上であるこ
とを特徴とする繊維製品によって達成される。
本発明による繊維製品を構成する部材が表地、裏地、芯
地、ミシン糸、テープである場合、その中の一種類でも
沸水収縮率が4%を越し、あるいはミシン糸の付属品を
除く主要構成部材中の一種類でもその通液量が10l/200c
m2・分以下である時には、繊維製品としてのバランスが
崩れ、形崩れ、ツレ、シワ、縫目パッカリング等の欠点
を生じるばかりでなく、染ムラ、芯地の剥離、風合硬化
の原因となってくる。
本発明の繊維製品を用いて作られる最終繊維製品として
は、ワイシャツ、ワンピース、スカート、スラックス、
ブレザー等の一般衣料をはじめ、スポーツ衣料、インナ
ー衣料、カジュアル衣料、又、ユニホーム、作業服等の
衣料関連に加え、寝装品、装飾品、帽子等の一般的な縫
製品にも適用できる。又、構成する部材としては、表地
はむろんのこと裏地、芯地、ミシン糸、ベルト芯、テー
プ、リボン、ブレード、ファスナー、テープ、刺繍糸な
どがあり、これ等の全ての部材の沸水収縮率が4%以下
であることが必要である。又前述のようにミシン糸等の
付属品を除く主要構成部材の全ての通液量が10l/200cm2
・分以下であることが必要である。
本発明の繊維製品に用いられ部材は前述の条件を満たす
限り、原材料・組織を問わず如何なる布帛状等材料を用
いることができる。例えば表地は、ポリエステル合成繊
維、ポリアミド系合成繊維及び再生セルロース繊維等の
フィラメント糸、加工糸、あるいは紡績糸を用いた織
物、編物が適用され、又、これ等の素材は用途、ファッ
ションなどの利用分野によって、100%使いはむろんの
こと他の合成繊維、天然繊維とも適宜、交編織、交撚、
混繊、混紡して用いることができる。
但し本発明の目的を達成するためには、表地として用い
られる部材の原材料(例えば繊維)について種々配慮す
ることが好ましい。例えば表地に用いるポリエステル繊
維としては、紡糸速度7000m/分以上で紡糸された糸条、
いわゆる高速紡糸糸条が適正であり、特にこの高速紡糸
糸条は常圧の染色が可能であるので、この目的に最も達
したものとなる。又、ポリアミド系合成繊維において
も、紡糸速度4000m/分以上の高速紡糸糸条を用いること
が寸法安定化、ソフト風合化の面より適正なものとな
る。一方、キュプラ、レーヨン等の再生セルロース繊維
としては、従来の再生セルロース繊維を液体アンモニア
を用いて処理することでセルロース分子鎖の歪を解放
し、より緻密で安定した構造に再構成された改質再生セ
ルロース繊維を用いると好ましい。
裏地については、一般的には表地と同様の素材を用いる
とよい。しかし制電特性、吸湿特性、滑り特性等の性能
が加味するために、再生セルロース繊維100%及び他素
材との混用品を用いるとより好ましい。
又、芯地についても、表地、裏地と同様の素材を用いれ
ばよいが、特に接着芯地においては、後加工の剥離現象
に十分配慮したものとする必要がある。即ち、接着芯地
に用いる合成樹脂接着剤は後加工での熱水処理に対する
耐久性が望まれることから耐熱性があり、膨潤性の少な
いポリエステル系合成樹脂接着剤が好ましく、更に接着
強力の面よりドット形態で10〜15g/m2の樹脂付着量とな
るよう貼着されたものが好ましい。又、前記表地と接着
したとき接着強力として、1000g〜1300g/2.5cm巾が必要
であり、1000g/2.5cm巾以下では後加工で剥離現象を起
すこととなり、1300g/2.5cm巾以上では接着による風合
硬化により目的の柔軟なソフト風合が得られ難くなる。
又特に接着芯地の場合は表地と接着したものでの通液量
が10l/200cm2・分以上であるこの点をあらかじめ配慮す
る必要がある。
前述の表地、裏地あるいは芯地に用いる織編物の種類及
び構成デニール、目付、厚み等は用途、アイテム、使用
部位等により適宜選択されているものであり特に限定さ
れるものではないが、例えば、表地では、デニールとし
て20d〜150d、目付40g/m2〜300g/m2、厚み0.10mm〜0.50
mmの経編地、丸編地、緯編地あるいは平織、綾織などの
織物を使用すると好ましく、裏地としては、デニール15
d〜100d、目付30g/m2〜100g/m2、厚み0.05mm〜0.30mmの
トリコットなどの経編地、又、平織物、綾織物などが適
当であり、芯地としてはデニール10d〜100d、目付30g/m
2〜80g/m2、厚み0.05mm〜0.30mmのトリコットなどの経
編地、緯糸挿入トリコット編地及び平織物などが好まし
い。
又本発明の繊維製品に用いられるミシン糸は、表地、裏
地、芯地と同様の繊維が用いられるが、特に、ポリエス
テル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維の高速紡糸糸条
であって50d〜150dを2本もしくは3本撚加工して得ら
れるミシン糸が、沸水収縮率が適正な上に縫目の強度保
持、柔軟特性維持としても好ましい。又、ベルト芯、テ
ープ、リボン、ブレード、ファスナーテープ、刺繍糸な
ども特に限定するものではないが、ポリエステル系合成
繊維、ポリアミド系合成繊維、再生セルロース繊維など
の沸水収縮率4%以下のものであればよく、又通液量に
対しても十分配慮されたものであればより好ましい。
沸水収縮率が4%以下の構成部材を用いるということ
は、例えば、沸水収縮率が1.0%以下となるような全て
の構成部材を用いれば、より寸法安定性に優れた繊維製
品が得易いことは言うまでもないが、繊維製品を構成す
る各種の部材全てを1.0%以下にするには素材の制約が
極めて大きくなるばかりか、風合をソフトなものとする
ことが非常に困難となる。従って、後加工後の最終繊維
製品でのソフト風合の維持と寸法安定性を兼ね合わせた
適正な沸水収縮率が重要なポイントであり、好ましくは
2.0〜3.0%の沸水収縮率を有する各種構成部材を適宜選
択することが望ましい。又、経方向、緯方向共バランス
よく近似した収縮率であることが必要である。このよう
に、構成される全ての部材の沸水収縮率が4%以下の均
一なものを選定することで最終繊維製品での寸法変化が
明確になり、各部材のパターン化の段階で後加工におけ
る収縮分を見込んだパターン作成が可能となり、サイズ
の均一化においても十分満足されるものとなる。
一方、通液量とは、繊維製品を染色する際の各構成部材
を透過する染液の通液量をみたもので、この通液量が少
ないと染料の吸着が表面的な淡染傾向の染着となり、染
ムラは言うに及ばず染色竪牢度的にも不満足なものとな
る。
即ち、通液量10l/200cm2・分以上を有する構成部材を用
いるということは、均一な染色性及び染色竪牢度向上に
かかせざるものであり特に染ムラのない最終繊維製品を
得る為に重要である。例えば、通液量10l/200cm2・分以
下の構成部材を繊維製品の一部又は適当に用いるとその
部分の染色加工中における染色液の通液性が極めて不良
となり、染ムラ発生を促進させるばかりか、繊維製品全
体の染色不良となる。特に部分的に通液量の少ないもの
を使用すると染ムラ現象はさらに顕著になる。即ち、後
加工繊維製品においては、この通液量の適正化は重要な
ポイントであり、好ましくは、10l/200cm2・分〜50l/20
0cm2・分の通液量を有する構成部材を用いるようにすれ
ば極めて均一な染色性を有するものが得られる。又、こ
の通液量は沸水収縮率などの収縮挙動との関係が大き
い。即ち、沸水収縮率の大きな部材は部材当初の通液量
に比べ沸水処理後は収縮により部材の密度、厚み、目付
等の増加が起る為通液量が低下することになる。従っ
て、通液量は、あらかじめ、沸水処理等を施した後で、
適正な通液量を有している構成部材を選定することが望
ましい。更に、繊維製品の構成においては、表地単独で
構成される部位又は、表地と芯地を接着し2層化させて
構成する部位、又は表地、芯地、裏地の3層となってい
る部位等があり、これ等の部位のいずれもが通液量10l/
200cm2・分以上であることが必要である。
一方、縫製仕様としては特に限定するものではないが可
能なかぎりミシン縫製とし後加工での縫目のほつれ、使
用部材のほつれなどの欠点が起らない縫製仕様とするこ
とが後加工繊維製品として望ましい。又、ボタン、カギ
ホックなどの硬い付属部品は後加工繊維製品とした後そ
の繊維製品に取付けるようにすればれ後加工での脱落な
どの懸念もなく、加工中の摩擦、スレなどによるキズを
発生させない最終繊維製品とすることができ望ましい方
法といえる。
〔実施例〕
以下実施例をあげて本発明を更に詳述する。但し本発明
はこれら実施例に限定されるものではない。
なお実施例の説明に先立つ、本発明の繊維製品の構成又
は性能評価に用いられる技術用語の定義およびその測定
方法を下記に示す。
沸水収縮率 〈表地、裏地などの平面部材の場合〉 試料サイズ:経方向×緯方向25cm×25cm 収縮率測定マーク:経方向×緯方向 20cm×20cmの長さを3点測長しマークをつける。
次の数式により算出する。
(試料数5点の平均値をもとめる) 〈ミシン糸などの糸状部材の場合〉 試料長:糸長方向30cm 測定マーク:糸長方向20cmを測長しマークをつける 次の数式により算出する。
(試料数10点の平均値をもとめる) 但し、沸水処理条件は次のとうりとする。
処理機器:(平面部材)カラーペット染色機 (糸状部材)電気定温湯煎器 浴比:(平面部材)1:30 温度:100℃(ボイル処理) 時間:30分 脱水:濾紙2枚の間にはさんで軽く押え水を切る。
乾想:スクリーン上で自然乾燥する 通液量 直径16cm長さ40cmのポリ塩化ビニル製の筒の下部開口部
に、あらかじめ沸水処理(部材の沸水収縮率測定の場合
と同一条件)を施した経方向×緯方向35cm×35cmの測定
試料を開口部を塞ぐように取付け漏れないよう固定し
た。次いで上部より常温水を給水しながらその時の試料
を通過して落下する常温水をストップウォッチで1分間
計測し、透過した常温水量を通液量とした。
剛軟度(柔軟性) JIS−1096剛軟性A法45°カンチレバー法 (絶対値が小さい程柔軟な風合を示す) 形態保持性 最終繊維製品として着用が可能か否かを熟練者5名によ
って、着用感、視覚の総合的見方により判定し着用可能
なものを○印とし、着用不可能なものを×印としその中
間を△として判定した。又その判定基準のさらに中間の
場合を○〜△、及び△〜×という判定とした。
寸法変化 後加工前の繊維製品で測長した主要部(ワンピースの場
合:総丈,胴廻り,裄丈,背巾,腰廻り、ブレザーの場
合:背丈,胴廻り,裄丈,背巾,裾巾)の長さを基準長
とし、染色後の長さを測長し、次の数式により算出し、
各々の収縮率をアイテム別に平均し寸法変化を求めた。
シームパッカリング、染ムラ、シワ、接着芯地の剥離
状態 熟練者5名による視覚判定により、前記欠点が全く認め
られないものを5級とし、やゝ認められるものを4級、
認められるものを3級、かなり認められるもの2級、甚
しく認められるものを1級とした5段階判定により評価
した。尚その中間判定は3〜4級という表示で表わすこ
ととした。
風合 熟練者5名による官能判定により特に風合がソフトで好
ましいもの○印、やゝソフトなもの△印、ハードなもの
×印の3段階で判定し、その中間は○〜△、及び△〜×
というように判定した。
実施例1 表地として紡糸速度8000m/分で紡糸された75d/36fのポ
リエステル合成繊維を経糸として用い、緯糸にスパンベ
ンベルグ(キュプラ)40/1を1500T/M(Z撚)の撚りを
かけ更に、液体アンモニア処理により防縮加工を施した
ものを使用して、平織地(交織パレス、経糸密度170本/
38.8mm、緯糸密度120本/38.8mm、目付110g/m2、厚み0.1
4mm)を用意し、次に裏地として50d/30fのベンベルグ
(キュプラ)フィラメント糸を経糸,緯糸に用い平織物
(タフタ、経糸密度190本/38.8mm、緯糸密度130本/38.8
mm、目付50g/m2、厚み0.07mm)を用意し、さらに液体ア
ンモニア処理により防縮加工を施し、次いで精練処理を
行い裏地としての白生地を作成した。
芯地は、紡糸速度6000m/分で紡糸された30d/10fのナイ
ロン66フィラメント糸でトリコット編地(組織:ハー
フ、目付:45g/m2、厚み0.06mm)を編立て、更に下晒し
処理を施した後、その編地の片面にポリエステル系合成
繊維接着剤をドット形態(ドット数:経方向×緯方向35
ポイント×35ポイント/インチ)で13g/m2の樹脂付着量
となるように貼着し接着芯地とした。
ミシン糸は、紡糸速度6000m/分紡糸された70d/24fのナ
イロン66糸条を800T/Mで(S方向)の撚りをかけ(下
撚)次いでその糸条を3本引き揃えて600T/M(Z方向)
に撚糸(上撚)し撚止セット、オイリング処理を施し、
ミシン糸番手#50相当のミシン糸とした。
この方法で得られた表地、裏地、芯地、ミシン糸に加
え、ファスナー、テープ(いずれもポリエステル合成繊
維使い)を市販品の中より、沸水収縮率、通液量、剛軟
度のバランスの良いものを選定し、これ等の構成部材を
組合せてワンピースを縫製し、アイロン、プレスで形態
を整え繊維製品とした。
ワンピースを構成する各部材の沸水収縮率、通液量およ
び剛軟度の値を第1表に示す。
尚、表地と芯地の接着処理は、ローラータイプ接着機を
用い接着強力1000g/2.5cm巾の接着布とし、衿部、前立
部、カフス部に用いた。又縫いピッチは地縫14針/2.5c
m、ステッチ縫い8針/2.5cmとした。
又、この繊維製品の主要部の寸法を測定すると共に外観
をつぶさに見ておいた。
続いて常圧パドル染色機を用い染色温度95℃〜98℃、時
間60分の条件で構成部材に用いられている繊維の易染染
料(色相:ブルー)を適正に配合し、染色を行い最終繊
維製品を得た。得られた繊維製品について、形態保持
性、寸法変化、シームパッカリング、風合、染ムラ、シ
ワ、接着芯地の剥離状態について判定しその結果を第2
表に示す。
実施例2 表地に紡糸速度8000m/分で紡糸された75d/36fのポリエ
ステル合成繊維とカシミロン(ポリアクリル繊維)1/40
を用いて交編編地(組織:ポンチローマ、目付:230g/
m2、厚み:0.24mm)とし精練仕上処理をして婦人ブレザ
ー用表地として白生地を作成した。
裏地は実施例1と同等のものとし、芯地については前身
頃芯、見返し芯、衿芯は経糸速度8000m/分で紡糸された
50d/30fのポリエステル合成繊維、緯糸にカシミロン
(ポリアクリル繊維)1/40を用いた緯糸挿入トリコット
(目付:75g/m2、厚み:0.16mm)編地を作成し、その片面
にポリエステル系合成樹脂接着剤をドット形態(ドット
数:経方向×緯方向17ポイント×17ポイント/インチ)
で14g/m2の樹脂付着量となるよう貼着させた接着芯地と
し、上記表地と1200g/2.5cm巾の接着強力となる様に接
着した。又、裾芯、ベンツ芯、袖口芯、ポケット口芯な
どは実施例1と同様の接着芯地とし1000g/2.5cmとなる
接着強力で接着した。
ミシン糸は、地縫用は実施例1のミシン糸と同等の#50
相当のものを用いたが、ステッチ縫用としては、紡糸速
度6000m/分で紡糸れた100d/34fのナイロン66糸条を700T
/M(S方向)の撚りをかけ(下撚)次いで、3本を引揃
えて500T/M(Z方向)で撚糸(上撚)し撚止めセット、
オイリング処理を施し#30相当のミシン糸として用い
た。
又、他の構成部材として、テープ、胸増芯、肩パット、
織ネームなどは、ポリエステル合成樹脂使いとし、沸水
収縮率、通液量、剛軟度のバランスの良いものを市販品
の中より選定して用いて、これ等の全ての部材を組合せ
て婦人用ブレザーを縫製し、アイロン、プレス機で形態
を整え、繊維製品とした。
ブレザーを構成する各部材の沸水収縮率、通液量および
剛軟度の値を第1表に示す。
尚、縫ピッチは地縫い13針/2.5cm、ステッチ縫い8針/
2.5cmとした。更に、この繊維製品の外観をつぶさに観
察すると共に主要部の寸法を測定しておいた。続いて、
実施例1と同様にして、常圧染色を行ない最終繊維製品
を得た。その得られた最終繊維製品を実施例1と同様の
判定を行ない第2表に示す。
比較例1 表地の経糸として用いるポリエステル合成繊維を、従来
の紡糸速度2000m/分で紡糸された75d/36fとしたこと以
外は実施例1と同等の糸使い及び規格の白生地を作成し
た。
芯地及びミシン糸は、紡糸速度1500m/分で紡糸されるナ
イロン66の従来の製造方法のものを用いた以外は実施例
1に準じて作成し使用した。又、裏地、ファスナー、テ
ープなども実施例1に準じた。これ等の構成部材を用い
て、実施例1と同様の繊維製品とし、次いで、高温高圧
パドル染色機を用い染色温度130℃、時間60分の条件で
高温高圧染色を行ない最終繊維製品を得た。繊維製品を
構成する各部材の性能値を第1表に示すと共に、最終繊
維製品について実施例1と同様の判定を行ないその結果
を第2表に示す。
比較例2 表地、芯地、ミシン糸に用いるポリエステル合成繊維
(紡糸速度2000m/分の従来製造方法)、ナイロン66糸条
(紡糸速度1500m/分の従来製造方法)が変った以外は実
施例2と全く同様の規格とし構成部材及びその使用法も
同様なものとして従来品としての婦人ブレザーの繊維製
品を得た。繊維製品を構成する各部材の性能値を第1表
に示す。続いて、比較例1と同等の高温高圧染色加工を
施し、得られた繊維製品を実施例1に準じ判定しその結
果を第2表に示す。
第1表に示す如く、実施例1,2の繊維製品の構成部材の
沸水収縮率は、2.°〜3.°%の範囲にありしかも、経方
向、緯方向の収縮バランスが極めてよいもので、本発明
の目的に十分合致したものであるが、比較例1,2に用い
た構成部材中には、沸水収縮率が4.°%を越すものもあ
り、経方向、緯方向のバランスの悪いものであった。又
通液量についても比較例に用いた部材は10l/200cm・分
を下廻るものもあることで、染ムラの発生が懸念される
ものとなっている。一方、風合においても実施例1,2に
用いたものは柔軟なソフト風合に富んでいるのに比べ、
比較例1,2の構成部材特に、表地、芯地の風合は硬くな
っていることが判る。
この様な構成部材から白生地による繊維製品を得たが、
実施例1,比較例1のワンピース及び実施例2、比較例2
のブレザーの4種共、形態不良、シワ、シームパッカリ
ングなどはなく、サイズも特に大きな変化のない見映え
のする繊維製品であった。しかし、風合面では、比較例
1,2の方が硬い感じがあった。
第2表は、前述のように、繊維製品を染色した後の性能
を判定したものである。この第2表にも示すが如く、比
較例1、比較例2のワンピース、ブレザーは、寸法変化
が大きく、又各部位による寸法差が起っているばかりで
なく、縫目のシームパッカリング、シワ、染ムラ等もか
なり激しく認められた。しかし、芯地の剥離は、実施例
1,2と同様の接着樹脂、接着強力としたことで一部の部
分剥離程度となっていた。又、比較例1,2の最終繊維製
品は、風合もかなりハードなものとなり、染ムラも顕著
に発生し形態も極めて不良なものとなった。これは、繊
維製品を構成する一部の部材には沸水収縮率、通液量、
剛軟度バランスの適正な部材(裏地、芯地の一部)を用
いたが、表地、芯地の一部、ミシン糸等は沸水収縮率が
大きく通液量が少ない上、剛軟度的にハードな風合の部
材となっていたものを組合せたことによるものと考えら
れる。又、この比較例1,2の繊維製品は、高温高圧条件
での染色処理を施した事によりさらに形態変化、風合硬
化、染ムラを促進させたものと判断される。これに比
べ、実施例1,2で得られた繊維製品は、形態保持性はむ
ろんのこと、風合も極めてソフト感に富み、染ムラも少
なく部分的な欠点(シームパッカリング、シワ、剥離現
象など)も殆んどないものとなった。このことは、繊維
製品を構成する全ての部材の沸水収縮率挙動をいかに均
一なものとするか、又通液性の適正化による染ムラの減
少をいかに少なくするか、又風合においても構成する部
材の剛軟度をいかに適正化させるかが重要なポイントで
あることが判る。即ち、後加工が可能な繊維製品を得る
為には、構成される全ての部材の沸水収縮率を低くし更
に経方向、緯方向の差の小さいものを用いること又、通
液性の適正化を図ること且つ、後加工による風合変化の
少ないソフトな風合を有するものと組合せることで達成
することができることが判明した。また、この繊維製品
は後加工での寸法変化も均一であることから、構成部材
のパターン化の段階で十分寸法変化を見込むことができ
る。一方、この後加工による繊維製品化技術をポリエス
テル合成繊維を含む繊維製品に適用すれば、従来のポリ
エステル合成繊維のウィークポイントであった高温高圧
染色方法より脱却し、ポリエステル合成繊維のみなら
ず、全ての構成部材が、常圧で染色できることになり、
素材の制約を大幅に解消するばかりでなく、繊維製品の
アクテム拡大はもとより、生産システムの短縮化、効率
化に大いに寄与できるものである。
〔発明の効果〕
本発明による繊維製品を用いて作られた最終繊維製品
は、風合も非常にソフトで且つ、形態保持性、寸法安定
性、サイズの均一性のみならず、均染性にも極めて優れ
たものであり、ワイシャツ、ワンピース等の一般的衣服
はもとより、ファッション性に富んだドレッシーな衣
服、スポーツ、カジュアル、インナー、ユニホーム、作
業服等の衣料分野でその効果を大いに発揮できる。又帽
子、装飾品等の最終繊維製品への適用も十分考えられ
る。
本発明の後加工による繊維製品化技術は、従来の製品染
での課題とされていた素材及び染色工程などにおける制
約を大幅に解消することができるばかりでなく、多品
種、小ロット、短サイクルの生産システムの短縮化、効
率化にも大いに寄与できるものである。又、着用、洗濯
による寸法安定性、ソフト風合維持、及び耐久性も十分
満足されることは言うまでもない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】沸水収縮率が4%以下である複数の部材を
    組合せて成り、且つ前記複数の部材中の付属品を除く主
    要構成部材の通液量が10l/200cm2・分以上であることを
    特徴とする繊維製品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0728251U (ja) * 1993-10-26 1995-05-23 東海ゴム工業株式会社 流体封入ダンパ

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JPH0728251U (ja) * 1993-10-26 1995-05-23 東海ゴム工業株式会社 流体封入ダンパ

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