JPH0717961Y2 - 熱交換器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、たとえばコンプレッサ用オイルクーラ、ア
フタークーラ、ラジエータなどに用いられる熱交換器に
関する。

この明細書において、上下、左右は第１図の上下、左右
をいうものとする。また、前後方向とは、上下方向およ
び左右方向と直交する方向をいうものとする。

従来の技術 従来、この種の熱交換器としては、両端が開口するとと
もにその長さ方向が上下を向くように並列状に配置され
た複数の流体流通用偏平状中空体、隣り合う中空体間に
配置されたフィン、および隣り合う中空体間の上下両端
部間に配置されたスペーサバーより形成されている熱交
換部と、横断面略Ｕ字形でかつ開口が中空体側を向くよ
うに熱交換部の両端に接合されているヘツダ本体と、ヘ
ッダ本体の両端および熱交換部に接合されている閉鎖板
とを備えており、少なくともいずれか一方のヘッダ本体
が左右２以上のヘッダ本体構成部材で形成され、隣り合
うヘッダ本体構成部材どうしの間に、スペーサーバーに
溶接された仕切り壁が介在せしめられているものが知ら
れている。この熱交換器は、中空体とフィンとスペーサ
バーとをろう付して熱交換部を形成した後、複数のヘッ
ダ本体構成部材でヘッダ本体が形成されている側におけ
る所定位置のスペーサバーに仕切り壁を溶接し、ヘッダ
本体構成部材を熱交換部および仕切り壁に溶接し、左右
両端のヘッダ本体構成部材の端部に閉鎖板を溶接するこ
とにより製造されていた。

考案が解決しようとする課題 しかしながら、従来の熱交換器では、仕切り壁をスペー
サバーに溶接する必要があり、工程数が多くなって作業
が面倒になるという問題があった。また、仕切り壁とス
ペーサバーとの溶接部に欠陥がある場合に、この溶接不
良部分から洩れが生じるという問題があった。しかも、
熱交換器を組み立てた後は、上記洩れを視認することは
できず、かつこの溶接部を補修することもできなかっ
た。

この考案の目的は、上記問題を解決した熱交換器を提供
することにある。

課題を解決するための手段 この考案による熱交換器は、 両端が開口するとともにその長さ方向が上下を向くよう
に並列状に配置された複数の流体流通用偏平状中空体、
および隣り合う中空体間の上下両端部間に配置されたス
ペーサバーより形成されている熱交換部と、横断面略Ｕ
字形でかつ開口が中空体側を向くように熱交換部の両端
に接合されているヘツダ本体と、ヘッダ本体の両端およ
び熱交換部に接合されている閉鎖板とを備えており、少
なくともいずれか一方のヘッダ本体が左右２以上のヘッ
ダ本体構成部材で形成され、隣り合うヘッダ本体構成部
材どうしの間に仕切り壁が介在せしめられている熱交換
器において、 仕切り壁が、スペーサバーの外面に、外方突出状に一体
的に設けられ、ヘッダ本体構成部材の端部が仕切り壁に
接合されているものである。

作用 仕切り壁が、スペーサバーの外面に、外方突出状に一体
的に設けられ、ヘッダ本体構成部材の端部が仕切り壁に
接合されていると、仕切り壁とスペーサバーとの溶接作
業が不要で、しかも両者間から洩れが発生することはな
い。

実施例 以下、この考案の実施例を、図面を参照して説明する。
以下の説明において、「アルミニウム」という語には、
純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとす
る。

オイルクーラとして使用する熱交換器の１つの実施例を
示す第１図および第２図において、熱交換器（１）は、
左右方向に所定間隔をおいて並列状に配置された上下に
長い複数のオイル流通用偏平状中空体（２）と、左右両
端の中空体（２）の外側に、該中空体（２）との間に所
定間隔をおいて配置されたアルミニウム製サイドプレー
ト（６）と、隣り合う中空体（２）間の上下両端および
左右両端の中空体（２）とサイドプレート（６）との間
の上下両端に配置されたスペーサバー（３）とを有する
熱交換部（４）を備えている。熱交換部（４）における
隣り合う中空体（２）どうしの間の部分、および中空体
（２）とサイドプレート（６）との間の部分が、前後方
向に空気を流通させる空気流路（５）となっている。空
気流路（５）内には、アルミニウム製ルーバ付コルゲー
トフィン（７）が配置されている。熱交換部（４）にお
ける各中空体（２）の上端は上部ヘッダ（８）に、下端
は下部ヘッダ（９）にそれぞれ接続されている。そし
て、空気流路（５）内に、強制送風または自然送風によ
って空気が流れるようになっている。

オイル流通用偏平状中空体（２）は、左右一対のアルミ
ニウム製垂直平板（10）と、平板（10）どうしの間に介
在させられかつ平板（10）にろう付されたアルミニウム
押出型材製の流体通路形成部材（11）とによって形成さ
れている。流体通路形成部材（11）は、左右の平板（1
0）の前後両側縁どうしを連結する１対の垂直状側壁部
（11a）と、両側壁部（11a）の幅の中央部どうしを連結
する平板（10）と平行な連結壁部（11b）と、連結壁部
（11b）の左右両側面にそれぞれ前後方向に所定間隔を
おいて連結壁部（11b）に対して直角をなすように設け
られ、かつ先端が平板（10）に接合された上下方向に伸
びるフィン部（11c）とよりなる。オイル流通用偏平状
中空体の流体通路形成部材としては、両平板（10）間の
前後両側縁に配置されるサイドバーを用いてもよい。ま
た、オイル流通用偏平状中空体としては、偏平管を用い
てもよい。

上下部両ヘッダ（８）（９）は、横断面略Ｕ字形でかつ
開口が熱交換部（４）側を向くように熱交換部（４）の
上下両端に溶接された上下部両ヘッダ本体（13）（14）
と、上下部両ヘッダ本体（13）（14）の左右両端部およ
びサイドプレート（６）に溶接された閉鎖板（15）とよ
りなる。上下部両ヘッダ本体（13）（14）の前後両側縁
部は、平板（10）の前後両側縁、流体通路形成部材（1
1）の両側壁部（11a）、およびスペーサバー（３）の前
後両端に溶接されている。上部ヘッダ本体（13）は、左
右２つの構成部材（13a）（13b）よりなる。両構成部材
（13a）（13b）間には、上部のスペーサバー（３）のう
ち左右方向の中央部に位置するもの（このスペーサバー
を（3A）で示す）の上面に一体的に設けられ、かつ前後
方向にのびる垂直仕切り壁（16）が介在させられてい
る。仕切り壁（16）は、両構成部材（13a）（13b）の端
面に接合されている。左側の構成部材（13a）にオイル
供給管が接続されるオイル入口（17）が設けられるとと
もに、右側の構成部材（13b）にオイル排出管が接続さ
れるオイル出口（18）が設けられている。

閉鎖板（15）は、ヘッダ本体（13）（14）の端面に接合
されている。すべての閉鎖板（15）の内面には、それぞ
れヘッダ本体（13）（14）内方に突出した水平補強壁
（20）が一体的に設けられており、その前後両側縁部が
ヘッダ本体（13）（14）内面に溶接されている。補強壁
（20）の前後方向の幅は、閉鎖板（15）の前後方向の幅
よりも小さい。閉鎖板（15）は、たとえば押出成形され
た横断面略Ｔ字形型材を、ヘッダ本体（13）（14）の前
後方向の幅と同じ長さに切断し、補強壁（20）となる部
分の前後両端部を、ヘッダ本体（13）（14）の肉厚分だ
け切除することにより形成される。

熱交換部（４）は、平板（10）用のアルミニウム・ブレ
ージング・シート、流体通路形成部材（11）、スペーサ
バー（３）、アルミニウム・ブレージング・シート製コ
ルゲートフィン（７）、およびサイドプレート（６）用
のアルミニウム・ブレージング・シートを配置し、例え
ば真空ろう付法によりこれらを一体に接合することによ
り形成される。一方、上部ヘッダ本体（13）の左側構成
部材（13a）の左端部および右側構成部材（13b）の右端
部に、閉鎖板（15）を、その補強壁（20）が両構成部材
（13a）（13b）内に嵌まるように配置して、両構成部材
（13a）（13b）と閉鎖板（15）および補強壁（20）とを
溶接する。また、下部ヘッダ本体（14）の両端部に、閉
鎖板（15）を、その補強壁（20）がヘッダ本体（14）内
に嵌まるように配置して、ヘッダ本体（14）と閉鎖板
（15）および補強壁（20）とを溶接する。ついで、上部
ヘッダ本体（13）の両構成部材（13a）（13b）を熱交換
部（４）および仕切り壁（16）に溶接するとともに、下
部ヘッダ本体（14）を熱交換部（４）に溶接する。この
ような溶接は、たとえばアルゴンアーク溶接法により行
われる。このようにして、熱交換器（１）が製造され
る。

なお、上記熱交換器（１）は、中空体（２）の長さ方向
を左右に向けて使用されることもある。

考案の効果 この考案の熱交換器によれば、仕切り壁とスペーサバー
との溶接作業が不要であるから、工程数が従来のものよ
りも少なくなって、製造作業が容易になる。また、しか
も仕切り壁とスペーサバーとの間から洩れが発生するこ
とはない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の熱交換器の１つの実施例を示し、第１
図は一部切欠き正面図、第２図は一部切欠き部分斜視図
である。 （１）…熱交換器、（２）…オイル流通用偏平状中空
体、（３）（3A）…スペーサバー、（４）…熱交換部、
（13）（14）…ヘッダ本体、（13a）（13b）…ヘッダ本
体構成部材、（15）…閉鎖板、（16）…仕切り壁。

フロントページの続き (72)考案者 田子 雄三 大阪府堺市海山町６丁224番地 昭和アル ミニウム株式会社内 (72)考案者 塚原 常雄 大阪府堺市海山町６丁224番地 昭和アル ミニウム株式会社内 (56)参考文献 実開 昭２−54079（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】両端が開口するとともにその長さ方向が上
   下を向くように並列状に配置された複数の流体流通用偏
   平状中空体、および隣り合う中空体間の上下両端部間に
   配置されたスペーサバーより形成されている熱交換部
   と、横断面略Ｕ字形でかつ開口が中空体側を向くように
   熱交換部の両端に接合されているヘツダ本体と、ヘッダ
   本体の両端および熱交換部に接合されている閉鎖板とを
   備えており、少なくともいずれか一方のヘッダ本体が左
   右２以上のヘッダ本体構成部材で形成され、隣り合うヘ
   ッダ本体構成部材どうしの間に仕切り壁が介在せしめら
   れている熱交換器において、 仕切り壁が、スペーサバーの外面に、外方突出状に一体
   的に設けられ、ヘッダ本体構成部材の端部が仕切り壁に
   接合されている熱交換器。