JPH07179315A - 土壌活性化除菌剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 土壌中の植物栽培上有効な微生物の減少は少
なく、有害な微生物はこれを著しく減少させて土壌を活
性化する。 【構成】 二酸化塩素水溶液を有効成分とする土壌活性
化除菌剤。濃度約５００ｐｐｍ〜７００ｐｐｍの二酸化
塩素水溶液を土壌中に撒布すると、植栽上、有効な微生
物である細菌や放線菌の減少量は少なく、有害な微生物
である糸状菌は著しく減少する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は土壌中の微生物を有効に
除菌できるようにした土壌活性化除菌剤に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】土壌中には細菌、放線菌等の植物栽培上
有効な微生物や糸状菌等の有害な微生物が生息している
が、土壌処理に際して用いる除菌剤の殺菌力が弱いもの
では有害な菌を充分に除くことができず、またクロルピ
クリンやトラペックサイド油剤等の強力な除菌剤では植
栽に有効な菌までも除去してしまう欠点があった。その
上、これらの従来の各種除菌剤は刺激臭が強く、人畜に
も有害なものがあり、農作業上の面からも問題があっ
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のような実情に鑑
み、本発明の目的は、植栽上有効な菌を充分に土壌中に
残存せしめ、有害な菌を効果的に除去して土壌を活性化
できると共に、臭気が少なく、人畜に無害な土壌活性化
除菌剤を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、種々研
究の結果、これらの目的は二酸化塩素水溶液を有効成分
とする土壌活性化除菌剤により達成できることが確かめ
られた。

【０００５】

【作用】二酸化塩素は、種々の方法で作られ、例えば亜
塩素酸ナトリウムに塩素ガスを反応させて作られ、非常
に水に溶けやすく、強力な酸化作用があるが、低濃度で
使用すれば安全であるので、従来紙、パルプ、油脂類、
デンプンの漂白や浄水場での水消毒剤等として広く使用
されている。したがって二酸化塩素水溶液を適当な濃度
で土壌中に撒布することにより、細菌、放線菌等の菌は
有効量残存させ、糸状菌等の植栽に有害な菌は著しく減
少させることができる。

【０００６】

【実施例】濃度６０，０００ｐｐｍの二酸化塩素水溶液
２０Ｌを約２，０００Ｌの水により希釈し、濃度約６０
０ｐｐｍの二酸化塩素水溶液を作り、この希釈液を土壌
一反当り約２，０００〜２，５００Ｌの割合で撒布し
た。撒布後、二酸化塩素がほぼ消失するまで約２週間放
置し、土壌を乾燥させた後、施肥し、植物を栽培した。
放置、乾燥後の土壌中の微生物の数を調査した結果、次
の表１に示す通りであった。

【０００７】

【表１】

【０００８】上記表１から明らかなように、二酸化塩素
約６００ｐｐｍの水溶液による処理では植栽に有効な細
菌は、処理前が土壌１ｇ当り、２，２００万個であった
ものが３９，０００個に減少し、放線菌は４３０万個か
ら２４，０００個に減少しているが、この程度の残存数
では植栽上有効であり大きな悪影響は見られないのに対
し、有害な菌である糸状菌は処理前の１０万個から６０
個に著しく減少し、充分に土壌の活性化が行われたこと
が確かめられた。この土壌を１例として苗床に使用して
野菜の栽培を行ったところ、極めて良好な結果が得られ
た。

【０００９】上記実施例とほぼ同様にして作製した約５
００ｐｐｍの二酸化塩素水溶液で除菌処理したところ、
土壌中の糸状菌の残存率が上記６００ｐｐｍの場合の約
２倍となり、充分な除菌効果が得られなかった。また、
約７００ｐｐｍの二酸化塩素水溶液では、植栽に有効な
上記細菌や放線菌まで除菌されてしまい、所期の活性化
の目的を達成することができなかった。

【００１０】

【発明の効果】本発明は上記のように二酸化塩素水溶液
を有効成分とする除菌剤の使用により、植栽上有効な微
生物である細菌や放線菌を残存させ、植栽上有害な糸状
菌を著しく減少させることができ、土壌を有効に活性化
できると共に臭気も少く、人畜にも無害で安心して使用
することができる。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 二酸化塩素水溶液を有効成分とする土壌
   活性化除菌剤。
2. 【請求項２】 上記二酸化塩素水溶液の濃度は約５００
   〜７００ｐｐｍである請求項１に記載の土壌活性化除菌
   剤。