JPH0717882B2 - 製本用用途の強化ゴムベースホットメルト接着剤組成物 - Google Patents

製本用用途の強化ゴムベースホットメルト接着剤組成物

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JPH0717882B2
JPH0717882B2 JP1198110A JP19811089A JPH0717882B2 JP H0717882 B2 JPH0717882 B2 JP H0717882B2 JP 1198110 A JP1198110 A JP 1198110A JP 19811089 A JP19811089 A JP 19811089A JP H0717882 B2 JPH0717882 B2 JP H0717882B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、強化ゴムベースホットメルト接着剤組成物に
関するものである。
(従来技術) ポリエチレンエンドブロックおよびゴム状ポリスチレン
ミッドブロックの領域からなる種々のブロックおよびマ
ルチブロック熱可塑性ゴム状コポリマーが利用されてい
る。これらの特定の物性により、上記種々のコポリマー
は、成形または押出成形(例えば、履物、自動車、靴下
等)に使用するのが勧められるある級のもの一方、接着
剤、被覆剤またはシーラントとして勧められる他の級の
ものを含む異なる最終用途が提案されている。
(発明が解決しようとする課題) 本願発明者等は、通常履物工業に勧められる特定のクラ
スのブロックコポリマーを製本用ホットメルト接着組成
物において使用することが従来利用されてきた接着剤級
のブロックコポリマーでは達成できない優れた範囲の性
質を有する接着剤組成物を提供することを見出した。
(課題を解決するための手段) 従って、本発明は、粘着付与性樹脂、少なくとも一種類
のワックス状希釈剤および実質的に放射状のスチレン−
ブタジエンブロックコポリマーからなり伸度300%にお
ける弾性率が少なくとも4.5MPaであり、且つ溶液粘度が
1,000cps以下を示すホットメルト接着剤組成物を導くも
のである。
本発明の得られた強化ホットメルト接着剤は、部分的に
コポリマーが低密度であることにより、これらが低いレ
ベルのコポリマーを用いて処方することができ、且つ従
来の製本用ホットメルトに見出されるよりも混和性であ
り、従来の製本用ホットメルトに見出されるよりも良好
な結果をも得られる製本分野において優れている。加え
て、従来有効なブロックコポリマーとともにフィッシャ
ー−トロプシュワックス(Fisher−Tropsch wax)を使
用すると不適当な脆さとなり、著しい応力亀裂を生じる
傾向にあったが、本明細書において開示する特定のコポ
リマーは、フィッシャー−トロプシュワックスを用いる
製本用の容易な処方を認めるものである。これらのフィ
ッシャー−トロプシュワックスは、長年これらが高い軟
化点を有し、迅速に硬化することが認められたが、得ら
れる接着剤組成物が応力下において亀裂状態にあるので
ゴムベース製本用接着剤に従来殆ど使用されていない。
応力下における亀裂による問題点は、より多量のより高
価なコポリマー差向い付着付与樹脂を用いて製本用接着
剤を処方する必要もあった。驚くべきことに、製本用に
好適なホットメルト接着剤を、本明細書に開示するブロ
ックコポリマーとともに処方すると、等量のコポリマー
と樹脂成分により処方された組成物において応力亀裂が
観察されない。
本明細書に記載するブロックコポリマーは、別の梱包お
よび構造用の用途に用いるホットメルト接着剤に用いる
こともできる。
本発明において有効なブロックコポリマーは、実質的に
放射状の形状に配置されたスチレンおよびブタジエンか
らなり、スチレン部位少なくとも35重量%、一般には約
50重量%までを含有する。しかしながら、非常に重要な
ことは、選ばれるコポリマーは、300%伸度における弾
性率が少なくとも4.5MPaであり、かつ溶液粘度(トルエ
ン中における25%におけるブルックフィールド(Brookf
ield)粘度計を用いた23℃における粘度)が1,000cps以
下でなければならない。これらのコポリマーは、例え
ば、米国特許第3,239,478号、同第3,427,269号、同第3,
700,633号および同第3,932,327号等に教示される方法を
用いて製造することができる。他に、上記コポリマー
は、Kraton DX1122(スチレン37%、弾性率4.8MPa、粘
度670cps)の商標名でShell Chemical Co.から、Europr
ene SOLT 162LW/1(スチレン40%、弾性率5.0MPa、粘度
750cps)の商標名でまたはSOL T 162LW/2(スチレン40
%、弾性率4.6MPa、粘度640cps)の商標名でEni Chem A
mericas(Agip USA Inc.)から購入できる。接着剤に使
用するコポリマーの最適使用は、最終使用用途により異
なるが、上記コポリマーは、一般に、接着剤組成におい
て10〜40重量%、好ましくは、15〜25重量%で存在す
る。
接着剤組成物に使用される粘着付与剤は、炭化水素樹
脂、水素化炭化水素樹脂、合成ポリテルペン類、ロジン
エステル類および天然テルペン類等であることができ
る。より詳しくは、有効な粘着付与剤としては、(1)
例えば、ガムロジン、ウッドロジン、タル油ロジン、蒸
留ロジン、水素化ロジン、二量化ロジンおよび重合ロジ
ン等の天然または改質ロジン類、(2)例えば、淡青色
ウッドロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンの
グリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエス
テル、水素化ロジンのペンタエリスリトールエステルお
よびロジンのフェノール改質ペンタエリスリトールエス
テル等の天然または改質ロジン類のグリセロールおよび
ペンタエリスリトールエステル、(3)例えば、スチレ
ン/テルペンおよびα−メチルスチレン/テルペン等の
天然テルペン類のポリマーおよびターポリマー、(4)
ASTM法E28−58Tにより測定された軟化点80〜150℃を有
するポリテルペン類(上記ポリテルペン類は、一般に、
緩やかな低い温度においてフリーデル−クラフツ触媒の
存在下にピネンとして知られてにる二環式モノテルペン
等のテルペン炭化水素類の重合より得られる;また水素
化ポリテルペン類をも含む)、(5)例えば、二環式モ
ノテルペンおよびフェノールの酸性媒体における縮合に
より得られる樹脂組成物等のフェノール改質テルペン樹
脂類およびこれらの誘導体類、(6)環球式軟化点70〜
135℃を有する脂肪族石油系炭化水素樹脂類(上記樹脂
は主にオレフィン類およびジオレフィン類からなるモノ
マーの重合によって得られ、水素化脂肪族石油系炭化水
素樹脂類も含む)、(7)芳香族石油系炭化水素樹脂類
およびこれらの誘導体類および(8)脂環式石油系炭化
水素樹脂類およびこれらの誘導体類がある。二種以上の
上記の粘着付与剤の混合物は、数例の組成に必要とされ
る。
ホットメルト接着剤の残部(約60重量%まで)は、ワッ
クス状希釈剤からなる。好適なワックスは、「石油誘導
ワックス類」であり、融点範囲が130〜225゜Fのパラフ
ィンおよび微結晶ワックス並びにさらにパラフィンが約
5重量%までのレベルで存在するフィッシャー−トロプ
シュワックス等の合成ワックスを含む。
本発明に含まれる安定剤または抗酸化剤のうち、硫黄−
および燐−含有フェノール類等の高分子量ヒンダードフ
ェノール類および多官能フェノール類が好適である。ヒ
ンダードフェノール類は、当業者に公知であり、そのフ
ェノール性ヒドロキシル基近傍において立体的に疎なラ
ジカルをも含有するフェノール類として特徴付けること
ができる。特に、ターシャリーブチル基は、一般にフェ
ノール性ヒドロキシル基に対してオルト位の少なくとも
一つにおいてベンゼン環上に置換される。ヒドロキシル
基の周辺におけるこれらの立体的に疎なラジカルの存在
は、延伸振幅(stretching frequency)を遅延させ相応
してその反応性を遅延する役割を果たす。即ち、この立
体障害は、その安定性を有するフェノール性化合物を提
供する。代表的なヒンダードフェノール類としては、1,
3,5−トリメチル2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシル)ベンゼン;ペンタエリスリトー
ルテトラキス−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシル)プロピオネート;n−オクタデシル−3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオ
ネート;4,4′−メチレンビス(2,6−tert−ブチルフェ
ノール);4,4′−チオビス(6−tert−ブチル−o−ク
レゾール);2,6−tert−ブチルフェノール;6−(4−ヒ
ドロキシフェノキシ)−2,4−ビス(n−オクチル−チ
オ)−1,3,5−トリアジン;ジ−n−オクタデシル3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネー
ト;2−(n−オクチル−チオ)エチル3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート;およびソルビト
ールヘキサ[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシフェノール)プロピオネート]が挙げられる。上
記の安定剤は、0.1〜4重量%、好ましくは、約2重量
%以下の量で存在する。
任意の添加剤を、ホットメルト組成物に性質を改良する
ためにホットメルト組成物に添加してもよい。上記の添
加剤としては、二酸化チタン等の着色剤、タルクおよび
粘土等の充填材並びに少量の(例えば、約5%以下)の
石油誘導ワックスが含まれる。
これらのホットメルト接着剤組成物を、当該技術分野に
公知の技術を用いて処方してもよい。操作例としては、
ジャケット付ケトル、好ましくはローターを付され、温
度250〜350゜Fの範囲(利用する正確な温度は特定の粘
着付与剤の融点に依る)に上昇するジャケット付強力混
合器に総粘着付与樹脂濃度の約40%を配合することを含
む。樹脂が融解した際に撹拌を開始し、そしてブロック
コポリマーを添加する。充分に且つ均一に混合して平滑
であり且つ均一な塊が得られるまで撹拌および加熱を続
け、これに残りの粘着付与樹脂を充分均一に加える。得
られるホットメルト接着剤組成物は、一般に塩形で製造
され、ボックスに詰められる。
本明細書に開示した接着剤は、広範囲の製本操作におけ
る複数のシートを接着するのに使用することができる。
従って、これらは、ワンまたはツーショット(即ち、下
塗りされたまたはされない)完全またはバースト製本技
術を用いて縫い合わせされたまたはされないハードまた
はソフト装丁本の製本に用いることができる。
製本用接着剤に有効であることに加えて、本明細書に開
示する強化接着剤は、種々の包装およびカートン封止用
途に有効に利用することもできる。
(実施例) 以下の説明のための実施例において、他にことわりのな
い限り、全ての部は、重量部を示し、また全てのは摂氏
を示す。
以下のサンプルの製造において、150℃に加熱され、撹
拌翼を付された強力混合器を粘着付与樹脂40%、全ての
抗酸化剤およびワックスで満たした。上記樹脂を溶融し
た後、次いで撹拌を開始して、ブロックコポリマーをゆ
っくり加えた。均一な塊が得られるまで撹拌および混合
を続け、残りの粘着付与樹脂をこれに加えた。次いで、
この溶融混合物を、チルドベルトにキャストして、固化
して、そして包装した。
サンプルAを、35部のKraton DX1122、35部のEscore(E
xxon Chemical社の石油系炭化水素)、25部のパラフィ
ンワックスおよび1〜2部の抗酸化剤を用いて製造し
た。Kraton DX1122は、Shell Chemical Co.社製の37%
のスチレンを含有し、伸度300%における弾性率4.8MPa
および溶液粘度670cpsを有するスチレン−ブタジエンポ
リマーである。
Kraton DX1122をEuroprene Sol T162LW/1に置き換え、3
0部のワックスを用いた以外は、サンプルAのごとくサ
ンプルBを製造した。Sol T162LW/1は、Eni Chem Ameri
cas社製のスチレン含有量40%、弾性率5.0MPaおよび粘
度1290cpsを有するスチレン−ブタジエンポリマーであ
る。
スチレン含有量43%、弾性率2.2MPaおよびブルックフィ
ールド粘度1000cpsを有するスチレン−ブタジエンポリ
マーであるEuroprene Sol T168に置き換えた以外は、サ
ンプルBと同様にサンプルC(比較例)を製造した。
上記の製造されたサンプルを、以下の方法を用いて試験
した。
粘度測定は、325゜Fにおいてブルックフィールド(Bro
okfield)粘度計(スピンドル27)を用いて行った。
フィルム低温亀裂−溶融塊を、加熱されたBirdアプリケ
ターによりポリテトラフルオロエチレン被覆された鋼性
シート上にキャストして乾燥フィルム厚さ20ミルを有す
るフィルムを得た。冷却した後、検体をプレートから剥
離して、1/2×2インチの試験検体に切断した。次い
で、各々の検体を、温度制御された二酸化炭素冷却キャ
ビネットに5分間配置し、これを直ちに180゜で曲げ
た。
この方法の結果、検体が破壊しなかった場合は、第二の
検体をより低温にてキャビネットの間に配置し、曲げ方
法を繰り返した。検体が結果として破壊された温度を、
その低温亀裂または「低温柔軟性」値として観察した。
従って、後者の値が減少するにつれて、これらのフィル
ムおよびこれと接着した本発明が低温条件に曝した際に
予期される柔軟性および安定性の相当する増加がある。
二つの値を記録した。即ち、亀裂が観察された値が低い
値であり、亀裂が生じなかった値が高い値である。
引張−ホットメルト接着剤の引張強さを、Instron Tens
ile Testerを用いてASTM法D882−61Tに従ってホットメ
ルトからキャストされたフィルム(フィルムは上述のフ
ィルム低温亀裂試験に説明した方法に従って製造)につ
いて測定した。検体を延ばし始めるのに要する時間を、
「引張降状」として記録し、検体を破壊するのに要する
時間を、「引張破断」として記録した。この方法は、ま
た極限引張強さを得る破断点におけるホットメルトフィ
ルムの伸度のパーセンテージである%伸度をも提供す
る。
試験した結果を第I表に示す。
上記の結果は、本明細書に記載されたコポリマーを含有
するサンプルAおよびBが目下工業的に優れた利用され
たブロックコポリマーによって達成されたものより優れ
た性質を提供することを示すものである。特に、引張破
断およびフィルム低温亀裂の性質が改良されたことに注
目のこと。
実施例II 以下の実施例は、本発明の接着剤組成物における種々の
量の原料の使用を説明するものであり、更に43%スチレ
ンを含有し、弾性率2.4MPaおよび溶液粘度650cpsを有す
る市販のスチレン−ブタジエンマルチブロックコポリマ
ーであるStereon840Aとの比較を提供するものである。
Kraton DX1122 37.5部、Escorez 7312 37.5部,パラフ
ィンワックス26.0部および安定剤1.2部を用いて実施例
Iの方法を繰り返して、サンプルDを製造した。
サンプルEを、Sol T162 LW/1を用いる以外は、Dの通
りにまた、Stereon 840Aを含有するサンプルFを、比較
例とした。
試験した結果を第II表に示す。
上記に示した結果は、化学的組成に関してStereon 840A
と他のコポリマーと同様であるが、本発明の強化ホット
メルト接着剤組成物がStereonコポリマーを用いて製造
されたものより優れていることを示す。特に、引張破断
が100%以上増加することに注目のこと。
実施例III 実施例Iの方法を再び繰り返してKraton DX1122Xを用い
て処方された接着剤の性能と、Kraton 1102、28%スチ
レンを含有し、弾性率2.76MPaおよび溶液粘度1200cps
(25%トルエン溶液において77゜Fにおける)を有する
線状スチレン−ブタジエンブロックコポリマーを用いた
ものと比較した。
サンプルGを、Kraton DX1122 38.6部、Escorez 7312 3
8.6部,パラフィンワックス27.7部および安定剤1.2部を
用いて製造した。サンプルHは、Kraton 1102 33.7部、
Escorez 7312 38.6部,パラフィンワックス29.7部およ
び安定剤1.2部を含有した。
試験した結果を第III表に示す。
得られた結果は、再び本発明の接着剤組成物が優位であ
ることを示すものである。更に、引張破断において100
%以上の増加があったことに注目のこと。
実施例IV この実施例は、本発明の接着剤組成物における異なる型
の粘着付与剤の使用を説明するものである。
サンプルJ、KおよびLは、Kraton DX1122 37.5部、粘
着付与剤35.0部およびワックス27.5部および各々安定剤
1.2、1.0および1.0部を使用して製造した。サンプルJ
において、Escorez 7321(Exxon社製の芳香族樹脂)を
使用し、サンプルKにおいて、ロジンのペンタエリスリ
トールエステルを用い、サンプルKにおいて、Nirez M
105(Reichold Chemical社製の芳香族改質テルペン)を
用いた。
試験した結果を、第IV表に示す。
上記の結果は、上記の何れの粘着付与剤を用いても優れ
た性質が得られることを示すものである。
実施例V この実施例は、Sol T162としてEni Chem Americasによ
って販売される生成物(スチレン含有量40%、弾性率5.
0MPaおよび粘度1290cps)が不適当であることを示すも
のである。
コポリマー43.75部と芳香族粘着付与樹脂56.25部の比率
および生成物の粘度350゜Fにおいて6000〜8000cpsとな
るのに充分なワックスを用いて実施例Iのごとくホット
メルト生成物組成物を製造した。サンプルLは、Sol T1
62 LW/Iを含有し、サンプルMは、Kraton DX1122を含有
し、サンプルNは、比較用のSol T162を含有した。
これらの組成物を、先に記載された如く引張強度ついて
試験した(結果は、引張破断値を表す)。加えて、これ
らの組成物を下塗りされた本の端への接着について多く
の工業的製本操作への有効性として試験した。この試験
において、ホットメルト接着剤を、従来のエチレンビニ
ルアセテート下塗り剤の乾燥フィルム上に塗布し、固化
して、72゜F、50%の相対湿度において16時間条件付け
して、Instron Tensile Testerを用いて剥離した。試験
結果を第V表に示す。
その結果、Sol T162から製造されたホットメルト接着剤
組成物が本発明の強化ホットメルト組成物を必要とする
用途に用いるのに好適な接着力を示さないことを示し
た。
実施例VI 実施例I〜Vに記載のものと同様な接着剤を、製造し、
製本に必要とされる補足的性質である柔軟性について試
験した。これらの場合において、接着剤の比較的多量の
被覆をブックブロックの結合端およびこれに固着される
ペーパーカバーに施した。多量の被覆量並びにブックブ
ロックの絶縁性のため、冷却は、やや遅く進行し、特定
の結晶型構造が形成された。この構造は、厚さ約4mmの
ディスクに接着剤のサンプルを形成することにより模造
し、これを室温で固化した。24時間劣化させた後に、サ
ンプルを、約180゜に保たれたクランプに24時間配置し
た。接着剤の柔軟性の程度を、応力破壊の存在または不
存在またはクランプから除去し、検体裏平坦部にブレン
ドした後の破断の存在または不存在によって記録した。
本明細書における試験用のサンプルの製造において、接
着剤は、コポリマー/樹脂混合物100部および種々の部
のパラフィンワックスを用いてゴム状のコポリマー、粘
着付与性樹脂およびワックスから製造した。ワックス含
有量が希釈剤であるので、コポリマーと樹脂との比率の
みを、本実施例において議論する。
第一の一連の試験において、接着剤におけるフィッシャ
ー−トロプシュワックスの使用を評価する。SOL T 168
53.6部、樹脂46.4部およびパラフィンワックスを含有す
る通常利用される接着剤を、試験した。同一の処方を、
市販パラフィンワックス2.5部の代わりにフィッシャー
−トロプシュワックスを用いて製造した。過酷な応力破
壊が生じた。先に記載された二種類のサンプルをKraton
DX1122Xを用いて製造した。いずれのサンプルにおいて
も応力破壊が見られず、従って、製本用の処方において
望ましいフィッシャー−トロプシュワックスを利用する
可能性を示す。
第二の一連の試験は、所望の性質の損失なしに接着剤処
方における低レベルのブロックコポリマーの使用可能性
を示すために行われた。
接着剤サンプルを、48.3/51.7;50/50;および53.2/48.3
のコポリマー/樹脂比においてSol T 168とともに工業
的に利用される処方を用いて製造した。53.2部のSOL T
168を含有する後者のサンプルのみが応力破壊試験に合
格した。これに比較して、同様な接着剤を50/50の比のK
raton DX1122Xと樹脂およびSol T162 LW/Iと樹脂を用い
て製造した。破壊は、観察されなかった。更に比較とし
て、別のサンプルを50/50の比のStereon 840Aと樹脂を
用いて製造した。後者のサンプルは、応力破壊試験に失
敗した。
さらに二種類のサンプルを製造して、応力破壊に関して
対比した。これらのサンプルを、各々低い46.6と53.4比
のKraton1122およびKraton D1122Xを用いて製造した。K
raton D1122Xを用いて製造したサンプルのみが応力破壊
試験に合格した。
実施例VII 以下の実施例は、包装用用途に好適なホットメルト接着
剤組成物の製造を説明するものである。
Kraton D1122X 25部、テンペンフェノール性樹脂25部、
パラフィンワックス50部および安定剤1部を用いてホッ
トメルト接着剤を製造した。
上記の如く試験すると、この接着剤は、350゜Fにおい
て、375cpsの粘度、3.2MPaの引張降状、3.5MPaの引張破
断、860%の伸度および−20゜F,−15゜Fのフィルム低
温亀裂を示した。
また、この接着剤を、包装工業に通常に必要とされる剥
離/剪断試験をする。剥離温度試験:直径約1/8インチ
の試験接着剤のビーズを、350゜Fで60ポンド/連のク
ラフト紙にガラス棒で適用した。同一の紙の第二のシー
トを、2秒以内に第一のシートと直列に配置し、これを
プレスしてクラフト−トゥ−クラフト接着を形成する。
次いで、接着剤したシートを、接着剤ラインに垂直に幅
1インチの小片に切断する。検体の一方の自由端を固定
された支持体に固定し、他方の自由端を100g負荷を懸架
した二つの接着検体を、オーブン中に配置する。次い
で、このオーブン温度を、15分間隔で10゜F上昇させ
る。接着離層が生じる温度を、剥離温度として特定す
る。
剪断温度試験:サンプルを、接着された検体の両端を懸
架し、秤量して剪断モードにおける接着を応力を加えた
以外は剥離温度試験と同様に製造する。オーブンの温度
を、破壊するまで剥離試験と同様に増加させる。
接着剤は、150゜Fの剥離値および170゜Fの剪断値を与
えた。
本発明は、特許請求の範囲に記載の各請求項に関するも
のであるが、以下に記載の発明を実施態様として包含し
ている。
(1) 上記スチレン−ブタジエンブロックコポリマー
がスチレン37〜40%を含有し、300%伸度における弾性
率4.6〜5MPaを有し、かつ溶液粘度640〜750cpsを示す請
求項1に記載の接着剤。
(2) 上記粘着付与性樹脂が天然および改質ロジン
類、天然および改質ロジン類のグリセロールおよびペン
タエリスリトールエステル類、天然テルペン類のコポリ
マー類およびターポリマー類、ASTM法E28−58Tにより測
定された軟化点80〜150℃を有するポリテルペン樹脂
類、フェノール性改質テルペン樹脂類およびそれらの水
素化誘導体類、環球式軟化点70〜135℃を有する脂肪族
石油系炭化水素樹脂類、芳香族石油系炭化水素樹脂類お
よびそれらの水素化誘導体類および脂環式石油系炭化水
素樹脂類およびそれらの水素化誘導体類からなる群から
選ばれた請求項1に記載の接着剤。
(3) 上記ワックスがパラフィンまたは微結晶ワック
スである請求項1に記載の接着剤。
(4) 本の背がホットメルト接着剤の塗布に先立って
下塗りされている請求項3に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−197481(JP,A) 特開 昭62−192479(JP,A) 米国特許4712808(US,A) 米国特許3950291(US,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)スチレン含有35重量%以上であり、
    300%伸度における弾性率が少なくとも4.5MPaであり、
    かつ溶液粘度が1,000cps以下である実質的に放射状のス
    チレン−ブタジエンブロックコポリマー10〜40重量%、 (b)少なくとも一種類の混和性粘着付与性樹脂20〜65
    重量%、 (c)安定化剤0.1〜4重量%、および (d)少なくとも一種類のワックス状希釈剤からなる残
    部(100%まで)からなるホットメルト接着剤組成物。
  2. 【請求項2】補足的にフィッシャー−トロプシュワック
    ス(Fisher−Tropsch wax)5重量%までが存在する請
    求項1に記載の接着剤。
  3. 【請求項3】ホットメルト接着剤を本の背において複数
    のシートに施す装丁方法において、ホットメルト接着剤
    として、 (a)スチレン含量35重量%以上であり、300%伸度に
    おける弾性率が少なくとも4.5MPaであり、かつ溶液粘度
    が1,000cps以下である実質的に放射状のスチレン−ブタ
    ジエンブロックコポリマー10〜40重量%、 (b)少なくとも一種類の混和性粘着付与性樹脂20〜65
    重量%、 (c)安定化剤0.1〜4重量%、および (d)少なくとも一種類のワックス状希釈剤からなる残
    部(100%まで)からなる組成物を使用することを特徴
    とする上記方法。
  4. 【請求項4】補足的にフィッシャー−トロプシュワック
    ス(Fisher−Tropsch wax)5重量%までが存在する請
    求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】(a)スチレン含量35重量%以上であり、
    300%伸度における弾性率が少なくとも4.5MPaであり、
    かつ溶液粘度が1,000cps以下である実質的に放射状のス
    チレン−ブタジエンブロックコポリマー10〜40重量%、 (b)少なくとも一種類の混和性粘着付与性樹脂20〜65
    重量%、 (c)安定化剤0.1〜4重量%、および (d)少なくとも一種類のワックス状希釈剤からなる残
    部(100%まで)からなる接着剤のホットメルト接着剤
    組成物の乾燥残留物により本の背において相互に接着さ
    れた複数のシートを含有する。
  6. 【請求項6】補足的にフィッシャー−トロプシュワック
    ス(Fisher−Tropsch wax)5重量%までが存在する請
    求項5に記載の本。
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