JPH07176780A - 赤外線検出器の製造方法 - Google Patents
赤外線検出器の製造方法Info
- Publication number
- JPH07176780A JPH07176780A JP5320650A JP32065093A JPH07176780A JP H07176780 A JPH07176780 A JP H07176780A JP 5320650 A JP5320650 A JP 5320650A JP 32065093 A JP32065093 A JP 32065093A JP H07176780 A JPH07176780 A JP H07176780A
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- Japan
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- type
- spacer layer
- junction
- hgcdte
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- Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】赤外線検出器を構成するテルル化水銀カドミウ
ムpn接合部における不純物相互拡散とミスフィット転
位を低減する。 【構成】テルル化ジンクカドミウム基板4上にHgCd
Teのpn接合を形成する場合、砒素ドープのp型のト
ップ層1とインジウムドープn型の吸収層3の間に薄い
ノンドープのスペーサ層2を挿入する。さらに、格子不
整合を緩和するために、このスペーサ層2のCd組成を
p型層とn型層の間に設定する。すなわち、トップ層、
吸収層のCd組成がそれぞれ0.26、0.22ならば
スペーサ層のそれは0.24とする。
ムpn接合部における不純物相互拡散とミスフィット転
位を低減する。 【構成】テルル化ジンクカドミウム基板4上にHgCd
Teのpn接合を形成する場合、砒素ドープのp型のト
ップ層1とインジウムドープn型の吸収層3の間に薄い
ノンドープのスペーサ層2を挿入する。さらに、格子不
整合を緩和するために、このスペーサ層2のCd組成を
p型層とn型層の間に設定する。すなわち、トップ層、
吸収層のCd組成がそれぞれ0.26、0.22ならば
スペーサ層のそれは0.24とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光起電力型の赤外線検出
器、特にテルル化水銀カドミウムを用いた赤外線検出器
の製造方法に関する。
器、特にテルル化水銀カドミウムを用いた赤外線検出器
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テルル化水銀カドミウム(以下、HgC
dTeと記す)のpn接合形成には、不純物ドーパント
としてp型には砒素、n型にはインジウムが一般に用い
られている。特に、分子線エピタキシャル成長のような
低温プロセス(通常、200℃以下)の場合、直接的な
砒素の活性化は非常に難しく、砒素ドープ後、活性化の
ためのと高温アニール(400〜500℃)が必要であ
ることがジェー・エム・アリアスらによりアプライド・
フィジクス・レターズ(J.M.Arias et a
l.:Applied Physics Letter
s)62巻、976頁、1993年に報告されている。
dTeと記す)のpn接合形成には、不純物ドーパント
としてp型には砒素、n型にはインジウムが一般に用い
られている。特に、分子線エピタキシャル成長のような
低温プロセス(通常、200℃以下)の場合、直接的な
砒素の活性化は非常に難しく、砒素ドープ後、活性化の
ためのと高温アニール(400〜500℃)が必要であ
ることがジェー・エム・アリアスらによりアプライド・
フィジクス・レターズ(J.M.Arias et a
l.:Applied Physics Letter
s)62巻、976頁、1993年に報告されている。
【0003】また、ガリウム砒素等の異種基板上に積層
する場合においても、高い転位密度を低減するために高
温アニールを行うことがホセ・アリアスらによりジャー
ナル・オブ・アプライド・フィジクス(Jose Ar
ias et al.:Journal of App
lied Physics)69巻、2143頁、19
91年に報告されれいる。
する場合においても、高い転位密度を低減するために高
温アニールを行うことがホセ・アリアスらによりジャー
ナル・オブ・アプライド・フィジクス(Jose Ar
ias et al.:Journal of App
lied Physics)69巻、2143頁、19
91年に報告されれいる。
【0004】一方、図2に示すように、フォトダイオー
ド化した場合の暗電流低減のため、一般に砒素ドープH
gCdTe層であるトップ層1Aは同じくインジウムド
ープHgCdTe層である吸収層3Aよりも広バンドギ
ャップに設定される。
ド化した場合の暗電流低減のため、一般に砒素ドープH
gCdTe層であるトップ層1Aは同じくインジウムド
ープHgCdTe層である吸収層3Aよりも広バンドギ
ャップに設定される。
【0005】しかしながら、高温アニールにより砒素ま
たはインジウムが相互に拡散し、pn接合界面に乱れが
生じる。
たはインジウムが相互に拡散し、pn接合界面に乱れが
生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
赤外線検出器におけるHgCdTe層によるpn接合の
形成方法では、砒素の活性化や転位低減のための高温ア
ニールが必要であり、ドーパントである砒素あるいはイ
ンジウムが相互に拡散し、pn接合界面に乱れが生じ
る。この結果暗電流が増加し、ダイオード特性が悪化す
る。一方、一般にトップ層は吸収層よりも広バンドギャ
ップに設定される。バンドギャップはHgCdTe層の
Cd組成を選ぶことにより、自由に選択できるが、同時
に格子定数が変化するため、pn接合界面に格子不整合
による転位が発生し、これも暗電流増加の原因となる。
赤外線検出器におけるHgCdTe層によるpn接合の
形成方法では、砒素の活性化や転位低減のための高温ア
ニールが必要であり、ドーパントである砒素あるいはイ
ンジウムが相互に拡散し、pn接合界面に乱れが生じ
る。この結果暗電流が増加し、ダイオード特性が悪化す
る。一方、一般にトップ層は吸収層よりも広バンドギャ
ップに設定される。バンドギャップはHgCdTe層の
Cd組成を選ぶことにより、自由に選択できるが、同時
に格子定数が変化するため、pn接合界面に格子不整合
による転位が発生し、これも暗電流増加の原因となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決るため
に、本発明においてはHgCdTeのp型層とn型層の
間にノンドープHgCdTeスペーサ層を挿入する。さ
らに、格子不整合によるミスフィット転位を緩和するた
め、このスペーサ層のCd組成をp型層の間に設定す
る。
に、本発明においてはHgCdTeのp型層とn型層の
間にノンドープHgCdTeスペーサ層を挿入する。さ
らに、格子不整合によるミスフィット転位を緩和するた
め、このスペーサ層のCd組成をp型層の間に設定す
る。
【0008】
【作用】HgCdTeのp型層とn型層の間に薄いノン
ドープHgCdTeスペーサ層を挿入することにより、
pn接合界面において、高温アニール後の不純物相互拡
散の影響を抑えることができる。また、このノーンドー
プHgCdTeスペーサ層のバンドギャップ(Cd組
成)をp型層とn型層の間に設定することにより、p型
層とn型層の格子不整合に起因するミスフィット転位を
緩和することができる。
ドープHgCdTeスペーサ層を挿入することにより、
pn接合界面において、高温アニール後の不純物相互拡
散の影響を抑えることができる。また、このノーンドー
プHgCdTeスペーサ層のバンドギャップ(Cd組
成)をp型層とn型層の間に設定することにより、p型
層とn型層の格子不整合に起因するミスフィット転位を
緩和することができる。
【0009】
【実施例】次に、本発明の赤外線検出器の製造方法を図
面を用いて説明する。図1は本発明の一実施例の断面図
である。
面を用いて説明する。図1は本発明の一実施例の断面図
である。
【0010】初めに、分子線エピタキシャル成長装置を
用い、図1に示す4層構造のウエハを作成した。基板に
はテルル化ジンクカドミウム4を用い、原料は蒸発源で
ある水銀、テルル化カドミウム、テルル、インジウム、
砒化カドミウムの各セルを用いた。インジウムと砒化カ
ドミウムはそれぞれn型、p型のドーパント源である。
HgCdTeのCd組成はテルル化カドミウムとテルル
の各セル温度を制御することにより、任意に選択され
る。また、キャリア濃度はドーパントのセル温度により
制御される。基板温度は170〜190℃とし、次の順
序により成長を行った。
用い、図1に示す4層構造のウエハを作成した。基板に
はテルル化ジンクカドミウム4を用い、原料は蒸発源で
ある水銀、テルル化カドミウム、テルル、インジウム、
砒化カドミウムの各セルを用いた。インジウムと砒化カ
ドミウムはそれぞれn型、p型のドーパント源である。
HgCdTeのCd組成はテルル化カドミウムとテルル
の各セル温度を制御することにより、任意に選択され
る。また、キャリア濃度はドーパントのセル温度により
制御される。基板温度は170〜190℃とし、次の順
序により成長を行った。
【0011】まず、テルル化ジンクカドミウム基板4上
にインジウムドープのHg1-x Cdx Teからなる吸収
層3を約10μm積層する。この時のxは0.22とす
る。次にこの吸収層3上にノンドープのHg1-y Cdy
Teからなるスペーサ層2を数百nm積層する。このス
ペーサ層のyは0.24とする。次にこのスペーサ層2
上に砒素ドープのHg1-z Cdz Teからなるトップ層
1を約2μm積層する。この時のzは0.26である。
さらに、砒素を活性化させるため、上記ウエハを取り出
し、次のプロセスを行った。
にインジウムドープのHg1-x Cdx Teからなる吸収
層3を約10μm積層する。この時のxは0.22とす
る。次にこの吸収層3上にノンドープのHg1-y Cdy
Teからなるスペーサ層2を数百nm積層する。このス
ペーサ層のyは0.24とする。次にこのスペーサ層2
上に砒素ドープのHg1-z Cdz Teからなるトップ層
1を約2μm積層する。この時のzは0.26である。
さらに、砒素を活性化させるため、上記ウエハを取り出
し、次のプロセスを行った。
【0012】まずウェハと水銀液滴を導入した石英管を
真空封管する。次にこの石英管全体を440℃で20分
加熱し、さらに250℃で24時間で加熱する(前者は
砒素の活性化、後者はウエハ中の水銀空孔を補償するた
めのプロセスである)。
真空封管する。次にこの石英管全体を440℃で20分
加熱し、さらに250℃で24時間で加熱する(前者は
砒素の活性化、後者はウエハ中の水銀空孔を補償するた
めのプロセスである)。
【0013】以上の方法により、赤外線検出器を形成す
るHgCdTeのpn接合が形成される。この方法によ
り形成されたHgCdTe層のpn接合においては、従
来のp型層とn型層の間にノドープのスペーサ層2を用
いない場合よりも、ドーパントである砒素とインジウム
が他方の伝導型層に浸入する量が低減された。さらに、
断面の透過型電子顕微鏡像により、pn接合界面のミス
フィット転位密度が従来の約1/2に低減しているのが
観測された。これらの効果により本実施例による赤外線
検出器では、暗電流が約20%減少した。
るHgCdTeのpn接合が形成される。この方法によ
り形成されたHgCdTe層のpn接合においては、従
来のp型層とn型層の間にノドープのスペーサ層2を用
いない場合よりも、ドーパントである砒素とインジウム
が他方の伝導型層に浸入する量が低減された。さらに、
断面の透過型電子顕微鏡像により、pn接合界面のミス
フィット転位密度が従来の約1/2に低減しているのが
観測された。これらの効果により本実施例による赤外線
検出器では、暗電流が約20%減少した。
【0014】尚、上記実施例ではテルル化ジンクカドミ
ウム基板を用いた場合について説明したが、HgCdT
e等の化合物半導体やSiまたは石英等を用いることが
できる。
ウム基板を用いた場合について説明したが、HgCdT
e等の化合物半導体やSiまたは石英等を用いることが
できる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように本発明はHgCdT
eのp型層とn型層の間に薄いノンドープのHgCdT
eからなるスペーサ層を挿入することにより、高温アニ
ール後においてもpn接合を形成するそれぞれの不純物
が他方の伝導型層に浸入することが避けられる。また、
このスペーサ層のバンドギャップ(Cd組成)を吸収層
とトップ層の間に設定することでp型層とn型層の格子
不整合に起因するミスフィット転位密度が低減され、赤
外線検出器の暗電流も減少する。
eのp型層とn型層の間に薄いノンドープのHgCdT
eからなるスペーサ層を挿入することにより、高温アニ
ール後においてもpn接合を形成するそれぞれの不純物
が他方の伝導型層に浸入することが避けられる。また、
このスペーサ層のバンドギャップ(Cd組成)を吸収層
とトップ層の間に設定することでp型層とn型層の格子
不整合に起因するミスフィット転位密度が低減され、赤
外線検出器の暗電流も減少する。
【図1】本発明の一実施例を説明するためのHgCdT
eのpn接合部の断面図。
eのpn接合部の断面図。
【図2】従来の赤外線検出器の一例を説明するためのH
gCdTeのpn接合部の断面図。
gCdTeのpn接合部の断面図。
1,1A トップ層 2 スペーサ層 3,3A 吸収層 4 テルル化ジンクカドミウム基板
Claims (2)
- 【請求項1】 基板上に一導電型のHg1-x Cdx Fe
からなる吸収層を形成したのちノンドープのHg1-y C
dy Teからなるスペーサ層を積層する工程と、このス
ペーサ層上に逆導電型のHg1-z Cdz Teからなるト
ップ層を形成する工程とを含むことを特徴とする赤外線
検出器の製造方法。 - 【請求項2】 スペーサ層のCdの組成を示すyの値は
吸収層とトップ層のCdの組成をそれぞれ示すxとzの
値の間にある請求項1記載の赤外線検出器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5320650A JPH07176780A (ja) | 1993-12-20 | 1993-12-20 | 赤外線検出器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5320650A JPH07176780A (ja) | 1993-12-20 | 1993-12-20 | 赤外線検出器の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07176780A true JPH07176780A (ja) | 1995-07-14 |
Family
ID=18123786
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5320650A Pending JPH07176780A (ja) | 1993-12-20 | 1993-12-20 | 赤外線検出器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07176780A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06244446A (ja) * | 1993-02-18 | 1994-09-02 | Fujitsu Ltd | 光検知素子 |
-
1993
- 1993-12-20 JP JP5320650A patent/JPH07176780A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06244446A (ja) * | 1993-02-18 | 1994-09-02 | Fujitsu Ltd | 光検知素子 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19970513 |