JPH07176614A - 半導体集積回路 - Google Patents

半導体集積回路

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JPH07176614A
JPH07176614A JP34373493A JP34373493A JPH07176614A JP H07176614 A JPH07176614 A JP H07176614A JP 34373493 A JP34373493 A JP 34373493A JP 34373493 A JP34373493 A JP 34373493A JP H07176614 A JPH07176614 A JP H07176614A
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electrode wiring
layer
insulating layer
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semiconductor
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JP34373493A
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Koichi Endo
幸一 遠藤
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】100V以上の高耐圧素子と、 100V未満の低耐
圧素子とを、共に含む半導体集積回路において、従来技
術では、素子に接続する電極配線と基板表面の半導体層
との間の絶縁層の厚さは、電極配線と半導体層との電位
差が、 100V以上であっても、また 100V未満であって
も、共に 100V以上の耐圧を持つ等しい厚さであった。
絶縁層をさらに厚くし、高耐圧回路の耐圧向上を計ろう
とすると、低耐圧回路(例、制御回路)の高集積化を妨
げ、複雑な制御回路を形成するのが難しいという課題が
ある。 【構成】半導体層と、該層と 100V以上の電位差を有す
る電極配線との間に挟まれた絶縁層の厚さが、 100V未
満の電位差を有する電極配線の場合の絶縁層の厚さよ
り、厚くすることを特徴とする。これにより、高電位差
の電極配線直下の絶縁層の厚さと、低電位差の場合の絶
縁層の厚さとを、互いに独立に決定することを可能にす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路に関す
るもので、特に高耐圧(例えば所定電圧 100V以上)配
線と低耐圧(例えば所定電圧 100V未満)配線とを共に
持つ電極配線及びその下の絶縁層の構造に係るものであ
る。
【0002】
【従来の技術】
(A) 100V以上の降伏電圧(以下耐圧とする)の素
子及び 100V未満の耐圧の素子を共に含む半導体集積回
路の例について以下説明する。
【0003】図6は、 100V以上の耐圧の素子(ダイオ
ード)2と、 100V未満の耐圧の素子(NPNトランジ
スタ)3Tと、 100V未満の耐圧の素子(抵抗層)3R
とを、同一の半導体基板1上に集積し、電極配線4及び
7で各素子やパッド5の間を接続した模式的な集積回路
の平面図である。
【0004】各素子間の電気的分離方法には、PN接合
分離や誘電体分離等が使われる。図6のICの断面図を
図7ないし図9に示す。なおこの断面図は、各素子の電
極を通る線分で、それぞれを切断した断面を、平面に並
べた一部省略断面図である。図7は、PN接合分離型の
バイポーラIC、図8と図9とは誘電体分離型のICで
ある。どの例でも半導体層の表面は絶縁層26で覆わ
れ、素子間を接続する電極配線27は、絶縁層26にあ
けられた穴を通して半導体層に接触している。なお、2
4は半導体基板、25は半導体層(不純物拡散層)、2
8はPN接合分離または誘電体分離された素子形成領域
(N- 型)、29は支持用多結晶シリコン層、30及び
32は誘電体分離膜(絶縁酸化膜)、31は素子間分離
領域穴埋め用多結晶シリコン、33は支持用基板、10
0は 100V以上の耐圧の素子、101は 100V未満の耐
圧の素子である。
【0005】通常は電極配線の上に、さらに絶縁体で保
護膜をつけるが、本発明の説明では本質的でないので省
略する。また、絶縁層内には、多結晶半導体等で抵抗な
どの素子や、図に示した電極配線とは異なる配線や、M
OS系統の素子のゲートなどを形成している場合が多い
が、これも説明の本質から外れるので省略してある。
【0006】さらに、図10に示すような多層の電極配
線構造をとる場合もある。図11は、誘電体分離集積回
路における多層電極の例である。なお34は2層目の電
極配線、35は1層目の電極配線、36は電極配線の層
間絶縁層である。
【0007】(B) 次に従来技術の問題点について以
下説明する。
【0008】図6に示す半導体集積回路は、一般のバイ
ポーラICを想定しており、各素子の間は、破線で示す
PN接合分離領域6で分離されているとする。その断面
図は図7に示す。バイポーラICに限らず、MOS−I
CやBiCMOSでも構わない。素子分離方式について
も、PN接合分離のほかに図8及び図9に示したような
誘電体分離方式のICもあり得る。
【0009】PN接合分離基板を使用した集積回路の場
合、基板の電位は集積回路中の最も低い、または最も高
い電位に固定されている(図6はバイポーラICを例に
しているので、基板電位は通常最低電位に固定する。N
型基板を使用したMOS−ICの場合は最高電位にす
る)。
【0010】すると、最低電位に基板電位が固定された
場合は、 100V以上の耐圧の素子の高電位側が基板電位
と 100V以上の電位差を持つ。また最高電位に基板電位
が固定された場合は、 100V以上の耐圧の素子の低電位
側が基板電位と 100V以上の電位差を持つことになる。
【0011】また 100V以上の耐圧の素子内部には、そ
れ自体互いに 100V以上の電位差のある 2つ以上の半導
体層(拡散層)を含んでいて、電極配線を素子外へ引き
出そうとすると、半導体層と電極配線との間に 100V以
上の電位差を生ずることがある。
【0012】一般の集積回路の場合、素子の半導体層に
接触した電極は、半導体集積回路外へ接続するための領
域(ボンディングパッドやバンプ形成領域)まで電極配
線を引き出す。この時、 100V以上の耐圧の素子から引
き出した電極配線は、その電極配線と 100V以上の電位
差を持った半導体層(基板または拡散層または結晶成長
層)上を、通過することになる。
【0013】絶縁層の厚さは、上の電極配線と下の半導
体層との間の電位差に対し、十分耐えられる厚さで形成
されていることは、最低限必要条件であり、従来から実
施されてきた。しかし、半導体層と 100V以上の電位差
のある電極配線は、半導体層に悪影響を及ぼし、素子の
耐圧を下げる場合があり、問題点となっている。
【0014】他方、従来技術では、 100V以上の電位差
がある電極配線の下の絶縁層の厚さは、 100V未満の電
位差しかない電極配線の下の絶縁層の厚さと等しかっ
た。このため 100V未満の耐圧の素子の絶縁層の厚さ
が、必要以上に厚くなり、集積度向上に支障をきたす問
題点があった。
【0015】(C) 次に半導体層と 100V以上の電位
差のある電極配線が、他に悪影響を及ぼす例と、その従
来の対策法について、以下説明する。
【0016】図12は、図6に示した集積回路の断面の
一部である。ある導電型の半導体基板層(図の例では不
純物濃度の低いN型層と考えると分かりやすい)8と、
その表面に形成された絶縁層9と、基板層8と同じ導電
型(N型)で、基板層8よりも不純物濃度の高い拡散層
(N+ )10と、基板層8と反対の導電型(P)で基板
層8よりも不純物濃度の高い拡散層(P)11がある。
【0017】この素子の場合、 2つの拡散層10,11
から電極を取り出すと、10をカソード、11をアノー
ドとするダイオードになる。また図6の例では、図6の
図面の右側の素子、すなわちNPNトランジスタ3Tの
コレクタとベースに相当する。
【0018】なお図12ないし図21において、絶縁層
6または51は、切断面を示しているが、便宜上切断面
であることを示す平行斜線等の図示は省略する。
【0019】(C)−1 まず 100V以上の電位差のあ
る電極配線が、半導体基板層8の上を通過しない場合を
考える(図12参照)。この状態で、ダイオードに逆バ
イアスを印加した時、すなわち拡散層10にプラス電
位、拡散層11にマイナス電位をかけたときは、一般に
- 型基板層8よりもP型拡散層11の不純物濃度が高
いので、空乏層は主としてP型拡散層11からN- 型基
板層8の方向へ伸びていく。こうして形成された空乏層
で、印加された電位差を分配し、所定の耐圧を負担す
る。図12では、等電位面の一部を破線12で示し、空
乏層の伸びていく方向を矢線13で示している。等電位
面12は、ほぼ等間隔で広がっており、すなわち空乏層
内の電場の強さ(電界強度)は均一で、印加された電位
差は、空乏層中、均等に分配されていることを示してい
る。
【0020】所定の耐圧を求める設計パラメータとして
は、拡散層10,11及び基板層8の 3つの領域の不純
物濃度と、拡散層10及び11の間に挟まれる基板層8
の厚さとがあり、これらを変化させると耐圧も変化す
る。一般に各素子は、PN接合に逆バイアスを印加する
時、PN接合から空乏領域を広げて電場を分配し、所定
の耐圧を出すように設計する。
【0021】(C)−2 次にこの空乏化領域の上に、
先の 100V以上の電位差がある電極配線14が存在する
と、電極配線の電位の影響を受けて空乏層の広がり方が
変化する。空乏層が伸び始めるPN接合部分の電位(こ
の例ではP型拡散層11の電位)が電極配線電位に近い
場合は、空乏層は伸びやすくなり、反対に差が大きい場
合は伸びにくくなる。
【0022】その様子の一例を図13に示す。これは図
13のダイオード領域(P型拡散層11をアノード領
域、低濃度のN- 型基板層8及び高濃度のN+ 型拡散層
10をカソード領域とする)上に、P型拡散層11に対
して 100V以上の電位差の高い電極配線14が存在する
場合を示している。電極配線14と拡散層11との間の
電位差は 100V以上あるので、まずこの間では、絶縁層
9にすべての電位差がかかることは明らかである。また
拡散層10と11との間にも電場分配が行なわれるので
あるから、絶縁層中の分布と半導体層中の分布が、なめ
らかにつながるように結ぶと、その等電位面12の分布
は図のような分布になる。
【0023】つまりこの例の場合、等電位面12は、半
導体層表面に近づくと、アノード11側に曲げられ、そ
の間隔は狭くなっている。すなわちダイオードのアノー
ド11側へ電場集中を起こすようになる。円周15で囲
まれた領域は、電極配線14により等電位面が歪めら
れ、特に半導体層表面が顕著である。このように空乏層
の伸び方が変わると、設計した耐圧値から、実際の耐圧
値が、ずれてくる。
【0024】(C)−3 このような電極配線電位の影
響を避けるためには、電極配線下の絶縁層を厚くすると
効果がある。この例を図14に示す。絶縁層9の内部で
は、電場分布の緩和が行なわれるので、厚く形成すれ
ば、それだけ電極配線14の電位の影響が絶縁層内で終
端し、半導体層に及びにくくなる。絶縁層9を厚くした
図14では、図13と比較して半導体層表面での電場分
布の集中が緩和されている様子を示している(円周15
aで囲まれる領域参照)。
【0025】(C)−4 また電極配線電位の影響を避
ける別の方法として、特定の素子の電位に固定したフィ
ールドプレート膜を、絶縁層内に配置する場合がある。
図15に、この例を示す。フィールドプレート16は、
導電性物質から成り、拡散層11の電位に固定してい
る。従ってプレート16下の近辺では、上を電極配線1
4が通過しても、通過しなくても、電場の変化は小さ
い。すなわちこのようにすると、電極配線の影響は、フ
ィールドプレート16までの間で集束し、プレート下に
は影響が及ばなくなる。
【0026】ただしこの場合には、フィールドプレート
を設けた場合の耐圧値の再設計が必要である。さらに 1
00V以上の素子の場合、逆にフィールドプレートを設け
ることで素子の耐圧を下げる危険がある。というのは、
図15でも示したように、円周17で囲まれた領域内の
半導体層表面の電場分布は、図13、図14に示した例
に対し、逆ぞりになっている所があるからである。
【0027】(C)−5 電極配線電位の影響を避ける
もう一つ別の方法として、高抵抗層を、 2つの拡散層の
間に配置、接続する方法がある。この例を図16に示
す。これは 2つの拡散層10及び11の間に高抵抗層1
8(例えば酸素をドーピングした多結晶シリコン)を配
置接続する。するとこの抵抗体18には、微少な電流が
流れ、 2つの拡散層間の電位を分配する。電流が抵抗体
を一様に流れれば、抵抗体中では電位差は等分配され、
これと半導体層中の空乏層による電場分布がなめらかに
接続されると、図に示した等電位面12を描く。円周1
9で囲まれる領域の部分に示すように、理想的には、そ
の上を通過する電極配線14の影響は、高抵抗層18で
終端し、その下の半導体層は、図16のように均一な電
場分布になる。したがって設計通りの耐圧が出る。
【0028】(C)−6 しかしこの 2つの解決方法も
完全なものでなく、フィールドプレートや高抵抗層から
電極配線までの距離が近いと、その影響を吸収しきれ
ず、その下へも影響する。高抵抗体の例を図17及び図
18に示す。図17は、抵抗体18と電極配線14との
距離20が大きい場合で、電極配線14の影響は高抵抗
層18で終端し、その下の半導体層に影響を与えない
(円周21で囲まれる領域参照)。これに対し、図18
は、距離22が小さい場合で、高抵抗層内部での電場分
布が均一になりきれず、半導体層表面まで、電極配線の
影響が及び、電場分布が拡散層11側へ片寄っている
(円周23で囲まれる領域参照)。
【0029】(D) 今までは、 100V以上の電位差の
配線が、他の素子の上を通過する場合を取り上げてきた
が、 100V以上耐圧のある素子の場合、その素子から引
き出す配線は、必ず 100V以上の電位差を持った半導体
層の上を通過する。これを次に考える。
【0030】図19は、電極配線がない場合の 100V以
上耐圧がある素子の断面図である。図19で想定するの
はダイオードで、N- 型基板層48にP型拡散層49と
+型拡散層50があり、絶縁層51とアノード電極5
2とカソード電極53がある。どちらの電極からも配線
を引き出していない場合(現実のICでは、アノードお
よびカソードの各電極から、それぞれ直接ボンディング
を取り出す場合にあたる)は、逆バイアスを印加する
と、P型拡散層49から空乏化し、符号54で示すよう
に、均一に電場分布か広がって所定の耐圧を出す。
【0031】ここでアノード電極55から図20のよう
に配線58を引き出す場合を考えると、どの方向に引き
出しても、N- 型基板層の上を通過することになり、N
+ 型拡散層50との間に、 100V以上の電位差が発生
し、円周56で囲まれた領域内の半導体層表面に符号5
7で示す等電位面は集束し、電場分布が集中したところ
で降伏が起きる。N+ 型拡散層50の上を配線が通過す
る場合が、最も顕著に耐圧低下が起こる。
【0032】この場合も、先に示したようにフィールド
プレートや高抵抗体でシールドして、同様に電極配線の
影響を避けることができる。高抵抗体59を設けた例を
図21に示す。図16の場合と同様、 2つの拡散層間の
電位は、抵抗体59によって等分配され、符号60の範
囲の等電位面は均一に分布し、理想的には設計通りの耐
圧が得られる。また引き出し電極配線58と高抵抗シー
ルド膜59の間の絶縁層が薄いと耐圧が下がることもそ
の原理は図18の場合と同じである。
【0033】(E) 結局、最も効果があって簡単な対
策は、絶縁層の厚さを厚くすることである。しかしここ
でも問題がある。すなわち、仮に 100V以上の耐圧の素
子で構成しているICであるならば、単にIC全体の絶
縁層を厚くしてやれば良い。しかし 100V未満の耐圧の
素子を共に搭載した集積回路の場合、一般に 100V未満
の耐圧の素子は、コントロールロジック回路を形成して
いる場合が多く、複雑な制御をさせようとすると集積度
を高める必要がある。しかし絶縁層を厚くすると、半導
体層と電極配線とを接触させるための穴(コンタクトホ
―ル)の寸法や、その回り(電極配線材料のオーバーラ
ップなど)の設計寸法を大きくしてやらなければならな
い。その理由について図22及び図23を参照して説明
する。
【0034】(1)図22(a)において、半導体層3
7上の絶縁層38が厚くなると、コンタクトホ―ル40
の深さが深くなり、アスペクト比(深さ/横幅)が大き
くなる。電極配線39の厚さ42が薄い場合には段切れ
が生じ、接続できない。41は、大きなアスペクト比の
ためちぎれた電極配線材料である。このように薄い電極
配線では接続できないため、同図(b)に示すように、
厚さ44が厚い電極配線43を使用する必要があり、こ
のため加工寸法が大きくなる。
【0035】(2)図23(a)のように、コンタクト
ホ―ルの径45が小さく、薄い電極配線では接続できな
い場合でも、同図(b)に示すように、コンタクトホ―
ルを逆円錐形状46にする(テーパーをつける)ことで
対応できるが、そのときはコンタクトホ―ルの径47が
大きくなる。以上の理由などがあげられる。つまり従来
は、 100V以上の電位差がある電極配線の下の絶縁層の
厚さは、 100V未満しか電位差がない電極配線の下の絶
縁層の厚さと等しかったため、耐圧向上と集積度は、ト
レードオフの関係にありいずれかを妥協しなくてはいけ
なかった。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】これまで詳述したよう
に、 100V以上の耐圧の素子と、 100V未満の耐圧の素
子とを共に含む半導体集積回路においては、電極配線と
該配線直下の半導体層との間の電位差は、 100V以上の
高電圧の場合も、また 100V未満の低電圧の場合もあ
る。
【0037】しかし従来技術では、高電圧電極配線直下
の絶縁層の厚さと、低電圧電極配線直下の絶縁層の厚さ
とは等しく、その厚さは、高電圧に十分耐え得る厚さを
基準としている。
【0038】また半導体層と 100V以上の電位差のある
電極配線は、半導体層に影響を及ぼし、素子の耐圧を下
げる問題がある。この問題の解決方法として、(イ)電
極配線下の絶縁層を厚くする、(ロ)特定素子の電位に
固定したフィールドプレート膜を絶縁層内に配置する、
(ハ)高抵抗層を絶縁層内に配置し、高い電位差の半導
体層間を接続する、という方法がある。前述のように、
前記(ロ)、(ハ)項記載の方法は、完全ではない。最
も効果があって簡単な対策は絶縁層の厚さを厚くするこ
とであるが、次の問題がある。
【0039】100V以上の耐圧の素子と 100V未満の耐
圧の素子とを共に含むICにおいては、 100V未満の耐
圧の素子は、例えばコントロールロジック回路を形成し
ている場合が多く、複雑な制御をさせようとすると集積
度を高める必要が出てくる。しかしながら絶縁層を厚く
すると、前述のように、集積度を高めるのが難しくな
る。
【0040】従来技術では、 100V以上の電位差のある
電極配線の耐圧を向上するため、該配線直下の絶縁層の
厚さを厚くすると、それに伴って 100V未満の電位差の
電極配線直下の絶縁層の厚さも厚くなり、集積度向上が
困難になる。すなわち耐圧向上と集積度はトレードオフ
の関係にある。
【0041】本発明は、高耐圧(例えば 100V以上)の
素子と、低耐圧(例えば 100V未満)の素子とを共に含
む半導体集積回路において、耐圧と集積度との前記トレ
ードオフ関係を改善し、素子及び電極配線の耐圧向上を
可能にすると共に、集積度を等しく若しくは高めて、高
耐圧素子と低耐圧素子とを同一基板上に形成できる構造
の半導体積回路を提供することを目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体集積回路
は、複数の半導体層を持つ半導体基板と、該半導体基板
上に形成された絶縁層と、該絶縁層上に形成され、かつ
該絶縁層にあけられた穴を通して前記半導体基板に電気
的に接続する導電性の電極配線とを有し、所定電圧以上
の降伏電圧を示す素子と、前記所定電圧未満の降伏電圧
を示す素子とを含む半導体集積回路において、 前記半
導体基板主面に露出する半導体層と該半導体層に対し前
記所定電圧以上の電位差を有する電極配線との間に挟ま
れた絶縁層の厚さが、前記半導体基板主面に露出する半
導体層と該半導体層に対し前記所定電圧未満の電位差を
有する電極配線との間に挟まれた絶縁層の厚さよりも厚
いことを特徴とするものである。
【0043】なお、上記半導体層は、本明細書において
は、半導体単結晶基板または結晶成長層またはこれら単
結晶基板及び層に不純物をドープした拡散層をいう。
【0044】また上記導電性の電極配線は、金属層また
は不純物をドープした多結晶半導体層等の導電性物質か
ら成り、単に電極配線という場合には、半導体層と接触
する部分を除いた、すなわちコンタクトホ―ルを埋め込
んだ部分を除き、絶縁層上に形成された純粋に配線に使
用している部分を指す。
【0045】次に、所定電圧以上の降伏電圧を示す素子
について説明する。
【0046】所定電圧は、IC設計時に決められる電圧
で、所定電圧を 100Vとすることは望ましい実施態様で
ある。
【0047】素子の降伏電圧は、素子に含まれるPN接
合に逆電圧を印加したとき、電流が急激に増加する電圧
で、その電圧値は、対象とする接合や測定条件によって
種々異なるが、回路設計や素子使用に際し、通常目安と
される素子の最大電圧定格値で、例えばバイポーラトラ
ンジスタではBVCBO (エミッタ開放でのコレクタ・ベ
ース間最大電圧(降伏電圧))、またMOSトランジス
タではBVDSS (ゲート・ソース間短絡でのドレイン・
ソース間最大電圧)、またダイオードでは、VBR(指定
の逆電流における降伏電圧)で現される電圧値である。
また本明細書では降伏電圧と耐圧電圧とを特に説明のな
い場合は同じ意味に使用する。
【0048】
【作用】所定電圧以上の降伏電圧を示す素子(高耐圧素
子)を含む回路は高耐圧回路または主回路、これに対し
所定電圧未満の降伏電圧を示す素子(低耐圧素子)を含
む回路は低耐圧回路または制御回路等と呼ばれることが
多い。一般に高耐圧回路では、最大定格 600V〜 250V
の素子を、使用電圧 200V〜 100Vで動作させ、また低
耐圧回路では、最大定格60V〜30Vの素子を、使用電圧
30V〜10Vで動作させることが多い。したがって所定電
圧を 100Vとすることは望ましい。高耐圧回路では、常
に耐圧向上が望まれるのに対し、低耐圧回路では、より
複雑な制御が要求され、その集積度の高密度化が望まれ
ている。
【0049】本発明では、半導体層と高電位差の電極配
線直下の絶縁層の厚さを、低電位差の電極配線直下の絶
縁層の厚さより厚くすることにより目的を達成する。例
えば高電位差の電極配線直下の絶縁層の厚さを、従来の
厚さより厚くし、高耐圧回路の耐圧を向上すると共に、
所望により、低電位差の電極配線直下の絶縁層の厚さを
従来よりも薄くし、低耐圧回路の集積度を高めることも
可能である。
【0050】
【実施例】従来技術の問題点を解決するためには、所定
電圧以上の電位差( 100V以上の電位差または単に高電
位差と呼ぶ)のある電極配線の下の絶縁層の厚さを、所
定電圧未満の電位差( 100V未満の電位差または単に低
電位差と呼ぶ)のある電極配線よりも厚くしておけば良
い。この状態を実現するための本発明の実施例をいくつ
か示す。
【0051】図1は、本発明の第1実施例を示す断面図
である。第1実施例のICは、電極配線を 2層以上積み
重ねる多層工程を用いた半導体集積回路において、 100
V以上の電位差のある電極配線には、2層目以降の電極
配線のみを用いることで、 100V未満の電位差の電極配
線直下の絶縁層よりも 100V以上の電位差のある電極配
線直下の絶縁層の厚さを、積み増した構造になっている
ことを特徴としている。また図1に示す例は、電極配線
を 2層化した集積回路での本発明の実施例である。
【0052】電極配線を多層化した集積回路では、通
常、半導体層から数えて1層目の電極配線が、主な回路
配線を構成し、2層目以降の電極配線は、1層目の配線
同士を交差させるためのジャンパー線として使用する
か、或いは1層目と重ね合わせて、厚い電極配線にして
電流容量を高めるために用いてきた。
【0053】図1では、 100V未満の耐圧の素子65及
び 100V未満の電位差の電極配線は、従来通り1層目の
電極配線61で行なっているが、 100V以上の耐圧の素
子64から引き出す電極配線及び 100V以上の電位差の
電極配線は2層目以降の電極配線63のみを使用してい
ることが従来と異なる。このようにすると、1層目の配
線と2層目の配線とを絶縁するための絶縁層62が、 1
00V以上の耐圧の素子64から引き出す電極配線及び 1
00V以上の電位差の電極配線の直下の絶縁層に積み増さ
れることになる。一方、 100V未満の電位差の電極配線
61は、従来の薄い絶縁層66の上に形成されるので集
積度を落とすことはない。 100V以上の電位差の電極配
線は、厚い絶縁層の上に形成されるので、半導体層に影
響を及ぼしにくくなり耐圧が向上する。
【0054】図2に示す第2実施例は、 100V以上の耐
圧の素子内での電極配線の例である。図20の従来例と
比較すると違いが良く分かる。図2の実施例では、半導
体層49とのコンタクトには1層目の電極配線67(コ
ンタクト電極)を使用しているが、それ以外の配線領域
には1層目の電極配線を使用せず、2層目以降の電極配
線68のみを使用している。その結果、図20の円周5
6に囲まれた領域内での降伏の起きやすい点での絶縁層
の厚さが増加し、半導体層表面での等電位面70は等し
い間隔の平行面となり、電場分布(閉曲線69で示す領
域)は均一に近くなり素子の耐圧を引き上げる。
【0055】図3に、本発明の第3の実施例を示す。本
実施例は、 100V以上の電位差の電極配線直下の絶縁層
の厚さを、 100V未満の電位差のある電極配線直下の絶
縁層に対し、化学的気相成長(CVD)絶縁膜を追加堆
積することで厚くしてある半導体集積回路の例である。
【0056】形成方法としては、電極配線72を形成す
る前にCVD絶縁膜を堆積し、公知のフォトリソグラフ
ィ法で 100V以上の電位差の電極配線領域にCVD絶縁
層71を残し、 100V未満の電極配線領域のCVD絶縁
層を取り去る。その後に従来と同じく電極配線を形成す
ると、 100V以上の電位差のある電極配線直下の絶縁層
は、絶縁層73に絶縁層71を追加堆積した厚さとな
り、図1で述べたと同様の効果が得られる。
【0057】図4に、本発明の第4の実施例を示す。本
実施例は、 100V以上の電位差の電極配線直下の絶縁層
を、該絶縁層の下にあらかじめCVD絶縁層を堆積して
おくことにより、 100V未満の電位差の電極配線直下の
絶縁層より厚くしてある半導体集積回路の例である。
【0058】この例は第3実施例と同様CVD絶縁層7
4を積み増した例であるが、形成手順が異なる。従来例
での絶縁層を形成する前に、CVD絶縁膜を積み増す工
程を挿入しておく。 100V以上の電位差がある電極配線
直下にCVD絶縁層を残すには、第3実施例の時と同様
にフォトリソグラフィ技術を使用すれば良い。
【0059】図5に本発明の第5実施例を示す。第3実
施例と同じくCVD絶縁層75を積み増した例である
が、これも形成手順が異なる。従来例での絶縁層を形成
する途中にCVD絶縁膜を積み増す工程を挿入してお
く。 100V以上の電位差がある電極配線直下に、CVD
絶縁膜75を残すには、第3実施例の時と同様にフォト
リソグラフィの技術を使用すれば良い。
【0060】第1ないし第5実施例から明らかなよう
に、 100V以上の電位差のある電極配線直下の絶縁層の
厚さは、 100V未満の電位差のある電極配線直下の絶縁
層の厚さより厚く、それぞれの厚さを独立に決めること
ができる。これにより、高耐圧素子を含む回路の耐圧向
上と低耐圧素子を含む回路の高集積化との従来のトレー
ドオフ関係は大幅に改善することができた。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、高
耐圧(例えば 100V以上)の素子と、低耐圧(例えば 1
00V未満)の素子とを共に含む半導体集積回路におい
て、耐圧と集積度の前記トレードオフ関係を改善し、素
子及び電極配線の耐圧向上を可能にすると共に、集積度
を同一若しくは高めて、高耐圧素子と低耐圧素子とを同
一基板上に形成することのできる構造の半導体集積回路
を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体集積回路(以下ICと略記)の
第1実施例の部分断面図である。
【図2】本発明のICの第2実施例の部分断面図であ
る。
【図3】本発明のICの第3実施例の部分断面図であ
る。
【図4】本発明のICの第4実施例の部分断面図であ
る。
【図5】本発明のICの第5実施例の部分断面図であ
る。
【図6】100V以上の耐圧の素子と 100V未満の耐圧の
素子を集積したICの構成例を示す平面図である。
【図7】従来の接合素子分離型ICの構成例を示す断面
図である。
【図8】従来の誘電体分離型ICの構成例を示す断面図
である。
【図9】従来の他の誘電体分離型ICの構成例を示す断
面図である。
【図10】従来の電極配線を多層化した場合の接合素子
分離型ICの構成例を示す断面図である。
【図11】従来の電極配線を多層化した場合の誘電体分
離型ICの構成例を示す断面図である。
【図12】ICの耐圧構造を説明するための断面図であ
る。
【図13】図12の素子上を電極配線が通過したときの
電場分布を説明するための断面図である。
【図14】図13に対し、絶縁層を厚くすることにより
耐圧対策した従来例の断面図である。
【図15】図13に対し、フイールドプレートを使用す
る耐圧対策をした従来例の断面図である。
【図16】図13に対し、高抵抗体を使用する耐圧対策
をした従来例の断面図である。
【図17】図16で高抵抗体上の絶縁層が十分厚い場合
の電場分布を説明するための断面図である。
【図18】図16で高抵抗体上の絶縁層が薄い場合の電
場分布を説明するための断面図である。
【図19】電極配線のない場合の 100V以上の耐圧の素
子の一例を示す断面図である。
【図20】図19の素子で電極配線を引き出した場合の
断面図である。
【図21】図20の素子に高抵抗体シールド膜を付設し
た従来例の断面図である。
【図22】絶縁層を厚くした場合の電極配線段切れ構造
と従来の対策例を示す断面図である。
【図23】絶縁層を厚くした場合の電極配線段切れ構造
と従来の他の対策例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,8,24,37,48 半導体基板(または基板
層) 2,64,100 100V以上の耐圧の素子 3T,3R,65,101 100V未満の耐圧の素子 4,61 電極配線( 100V未満の
電位差) 7,14,63,68 電極配線( 100V以上の
電位差) 9,26,36,38, 絶縁層 51,66,73 絶縁層 10,50 拡散層(N+ 型) 11,49 拡散層(P型) 12,70 等電位面 16 フィールドプレート 18,59 高抵抗体 25 拡散層 27,34,35、58、72 電極配線 62,71,74,75 積み増したCVD絶縁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の半導体層を持つ半導体基板と、該半
    導体基板上に形成された絶縁層と、該絶縁層上に形成さ
    れ、かつ該絶縁層にあけられた穴を通して前記半導体基
    板に電気的に接続する導電性の電極配線とを有し、所定
    電圧以上の降伏電圧を示す素子と、前記所定電圧未満の
    降伏電圧を示す素子とを含む半導体集積回路において、
    前記半導体基板主面に露出する半導体層と該半導体層
    に対し前記所定電圧以上の電位差を有する電極配線との
    間に挟まれた絶縁層の厚さが、前記半導体基板主面に露
    出する半導体層と該半導体層に対し前記所定電圧未満の
    電位差を有する電極配線との間に挟まれた絶縁層の厚さ
    よりも厚いことを特徴とする半導体集積回路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0872884A1 (en) * 1997-04-14 1998-10-21 Harris Corporation Method and semiconductor device having maximum terminal voltage

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0872884A1 (en) * 1997-04-14 1998-10-21 Harris Corporation Method and semiconductor device having maximum terminal voltage

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