JPH07175301A - 電子写真装置及び電子写真方法 - Google Patents

電子写真装置及び電子写真方法

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JPH07175301A
JPH07175301A JP6198001A JP19800194A JPH07175301A JP H07175301 A JPH07175301 A JP H07175301A JP 6198001 A JP6198001 A JP 6198001A JP 19800194 A JP19800194 A JP 19800194A JP H07175301 A JPH07175301 A JP H07175301A
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JP6198001A
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Tadashi Oba
忠志 大庭
Norio Tomiya
則夫 冨家
Keiji Iwashima
圭司 厳島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】a−Siドラムを用いた電子写真装置において
700nm以上の長波長の露光手段を用いても残像の発
生のない画像を容易に形成し得る事、及びヒータを用い
ない場合でも表面電位の変化を抑制し得る電子写真装置
を提供する事。 【構成】a−Siドラムの残像発生が単に波長のみに依
存することなく、ドラムの感光層の膜厚にも依存するこ
とを突止め、前記感光体層を25μm以下の膜厚に設定
し、前記感光体層を支持する基体内にヒータを内蔵する
ことなく、機内環境温度下で画像形成を行うことを特徴
とする。この場合、感光体の表面電位は450V以下、
より具体的には360V以下に設定するのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真装置及び電子写
真方法に係り、特にa−Siドラムを用いたプリンタ、
複写機、ファクシミリ等の電子写真装置に適用される発
明に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より感光体ドラム外周面上に、露
光、現像、転写、クリーニング(残留トナー除去)、除
電、及び帯電の各プロセス手段を配置し、所定の電子写
真プロセスにより画像形成を行なう、いわゆるカールソ
ンプロセスに基づく電子写真装置は周知である。
【0003】又近年円筒状の透光性支持体上に透光性導
電層と光導電体層を積層して感光体ドラムを形成すると
共に、該ドラム内に、画像情報に対応した光出力を生成
する露光手段(例えばLEDヘッド)を内挿し、所定の
帯電手段を用いて帯電させた感光体ドラム上に前記露光
手段の光出力を集束レンズを通して露光すると同時若し
くはその直後に前記感光体ドラムと対面配置させた現像
スリーブを介して前記潜像をトナー像化(現像)した
後、該トナー像を転写ローラその他の転写手段を介して
記録紙に転写可能に構成した電子写真装置(特開昭58
−153957号他)も公知である。
【0004】この種の電子写真装置に用いる感光体ドラ
ムには近年耐久性の向上とフリーメインテナンス化を図
るために、a−Siドラムを用いているものがあるが、
a−Siドラムは光感度の波長依存性が強く、特に露光
波長に700nm以上の長波長の光を使用すると、光キ
ャリアのトラップが避けられず、このようなトラップの
影響によりドラムのメモリ電位の増加による残像が発生
する。この為前記残像を極力防止するために、除電工程
時に必要以上のイレース光量を照射しているが、このよ
うなイレースを照射しても必ずしも残像の発生を完全に
除去できず、画質劣化の原因となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この為従来は前記露光
波長を700nm以下に制限し、残像の発生を防止して
いるが、特に電子写真プリンタの場合、露光手段として
用いるLEDの場合露光波長が660〜710nmと7
00nm以下の露光波長が存在するが、半導体レーザの
場合露光波長が760〜830nmと長波長であり、こ
の為a−Siドラムを用いたものでは残像の発生を完全
に阻止するのが困難であった。
【0006】又LEDアレイにおいてもガリウムヒ素リ
ンGaAsPを用いたLEDを用いているが、この種の
LEDにおいては波長を中心波長側に近づけ短波長化さ
せるには、特にウエーハ上にリンPの混合比を多くしな
がら膜生成を行わなければならず、この事は膜生成時間
が1〜1.5日と多くなり製造コストが大になるのみな
らず、而も膜生成時間が長くなることはその分製造上の
バラツキも発生しやすく、特に中心波長が660nm前
後のLEDチップにおいては輝度バラツキが20%を越
えるものが多々有った。
【0007】さてa−Siは、OPCその他の有機半導
体に比較して温度依存性が強く、この為従来技術におい
ては前記感光体ドラムの背面側にシートヒータその他の
ヒート体を配し、感光体ドラムを加熱する事により前記
ドラム表面温度を一定に維持して表面電位の変化から起
因するかぶり等の発生を防止している。しかしながらヒ
ータを内挿することは消費電力の増大のほかに、ヒー
タ、ドラム表面温度を検知するサーミスタ、該サーミス
タよりの検知温度に基づくヒータ制御回路等を必要と
し、部品点数の増大と回路構成が煩雑化する。又前記ヒ
ータを用いる構成では、ドラム表面が所定温度に加熱さ
れるまでウエイテーングをせねばならず、90秒前後の
ウオーミングアップタイムが必要となる。
【0008】本発明はかかる従来技術の欠点に鑑み、a
−Siドラムを用いた電子写真装置において700nm
以上の長波長の露光手段を用いても残像の発生のない画
像を容易に形成し得る電子写真装置を提供する事を目的
とする。本発明の他の目的は、a−Siドラムの感光体
層を薄膜化した場合においても、長期に亙って安定した
画像形成を可能とする電子写真装置を提供する事にあ
る。本発明の他の目的は、a−Siドラムを用いた電子
写真装置においてヒータを用いない場合でも表面電位の
変化を抑制し、これによりかぶりが発生することのない
鮮明画像が形成し得る電子写真装置を提供する事にあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は種々の実験の
結果前記a−Siドラムの残像発生が単に波長のみに依
存することなく、ドラムの感光層の膜厚にも依存するこ
とを突止め、かかる着目に基づいて下記記載の種々の本
発明の完成に至ったものである。即ち請求項1記載の第
1の発明は基体上に支持された感光体層に露光像を書込
みながら画像形成を行う電子写真装置において、前記感
光体層を25μm以下の膜厚からなるa−Si層で形成
すると共に、前記露光像を形成する露光手段の中心露光
波長を700nm以上に設定したことを特徴とする。又
請求項3記載の発明は必要な帯電および絶縁耐圧の確保
や、露光された光の吸収や残留電位の抑制の面を考慮し
た電子写真方法に関するもので、その特徴とするところ
は25μm以下の膜厚からなるa−Si層で形成した感
光体層上に、表面電位が450V以下になるように均一
帯電を行った後、中心露光波長を700nm以上に設定
した露光手段により前記露光像を形成する事を特徴とす
る。
【0010】この場合前記基体は円筒状アルミニウム基
体で構成すると共に、該基体肉厚を3mm以下に設定す
るのがよい。又前記請求項4記載の第2の発明は、像担
持体を感光体層とその表面に表面層を形成すると共に、
該表面層にa−SiC層を用いる事により露光波長を7
00nm以上に設定した場合においても一層安定した画
像形成が可能となる。
【0011】更に請求項5及び6記載の第3の発明は、
前記感光体層を25μm以下の膜厚からなるa−Si
層、言換えれば温度特性が1.0(V/℃)以下になる
ように薄膜のa−Si層で形成すると共に、前記感光体
層を支持する基体内にヒータを内蔵することなく、機内
環境温度下で画像形成を行うことを特徴とする。この場
合、感光体の表面電位は450V以下、より具体的には
360V以下に設定するのが好ましい。
【0012】
【作用】本発明の作用を図1乃至図4に基づいて説明す
る。尚、該グラフの説明は後記実施例にて詳細に説明す
る。図1(A)は露光電位と膜厚との関係をグラフ化し
たもので、本図より明らかなように、685nmの露光
波長の露光像を感光体ドラム上に結像させた場合は、膜
厚が40〜25μmの間では、残像現実レベルの線上に
沿って露光電位が形成されるが、更に膜厚が薄くなるに
連れ比例的に露光電位が残像現実レベル以下に低下す
る。一方740nmの露光波長の露光像を感光体ドラム
上に結像させた場合は、膜厚が40μmの時点では、露
光電位が685nmの露光波長に比して露光電位が高
く、残像現実レベル以上であるが、該25μmの時点よ
り膜厚が薄くなるに連れ比例的に露光電位が低下し、約
15μm前後で残像現実レベル以下に低下する。
【0013】図1(B)は各膜厚毎に露光波長とメモリ
ー電位の関係を調べたもので、本図より理解されるよう
に露光波長を25μm以下、好ましくは20μm以下、
更に好ましくは15μm以下に設定することにより、露
光波長を700nm以上にした場合でも、メモリー電位
を残像現実レベル以下若しくはその近傍に維持できる。
この場合前記感光体層を薄膜化した場合、該感光体層に
印加される帯電電位を余りに高くすると生成膜が電気的
に破壊される恐れが有り前記感光体層の表面電位を45
0V以下、好ましくは360V以下になるように帯電さ
せるのが良い。そして画像解像度や線画先鋭度について
も露光波長が740nmの場合、図2に示すように、膜
厚が25μm以下の場合、膜厚が40μmの場合に比し
て大幅に向上していることが理解できる。従ってかかる
技術手段によれば、露光波長が700nm以上である半
導体レーザを用いて露光を行っても残像が発生すること
がない。
【0014】又露光手段にLEDを用いた場合において
も該LEDの発光波長を700nm以上に設定できるこ
とは、LED製造の面で極めて有利となる。即ち発光波
長が700nmでよいことは、ウエーハ上にGaAsP
の膜生成を行う際にリンPの混合比を少なくして膜生成
が可能であり、この事は例えば740nmのLEDを製
造する場合膜生成時間が7.5時間と680nmの場合
に比して大幅に短縮でき、製造コストのみならず製造上
のバラツキも大幅に低減する。
【0015】又図3に示すように、膜厚25μm以下に
薄くすると共に、700nm以上の長波長を用いて露光
を行うと、従来の膜厚が40μmのa−Siドラムを用
いて700nm以下の短波長を用いて露光を行った場合
に比較して半減感度が1/2〜1/3程度に大幅に低下
し、この結果露光解像度の向上と共に、画質面からみた
焦点深度を深くさせることが可能となる。
【0016】図4は焦点深度とドラム感度の関係を示し
たもので、ドラム感度が低下すると結像誤差その他に起
因する光収差分の光量を拾うことなく中心光量のみを拾
い、この結果、画像コントラストや先鋭度の高い高品質
のドット画像の形成が可能である。又前記のように結像
収差が生じても中心波長のみを拾うことは結果として焦
点深度が深くなり、そして焦点深度が大になることは、
露光像を感光体ドラム上に結像させる為の光学系の加工
精度や組み立て精度をラフに設定できると共に、画像品
質のバラツキが大幅に低減する。
【0017】次に前記第3発明について説明する。図5
は、a−Siドラムの膜厚を15μm、25μm、40
μmに夫々成膜した場合のドラム表面温度と表面電位の
関係を示す。本図より理解されるようにドラム膜厚を薄
膜化するにつれ、a−Siドラムの温度依存性が低下す
ることが知見された。
【0018】通常複写機やプリンタが設置されている環
境は、職員が快適に仕事が出来るように、夏は冷房、冬
は暖房の空調がなされているオフィス内に配置されてお
り、この為、オフィス内は外気ほど温度の高低差はな
く、朝方の冷房や暖房が十分利いていないときであって
も、その温度差はせいぜい30℃前後である。この為、
例えば感光体ドラムの表面電位を略300Vに設定した
場合、かぶりの許容範囲が±25Vなので膜厚25μm
以下ならばドラムヒータなしで使用出来ることが理解で
きる。一方a−Si感光体の場合は、耐膜厚が12〜1
5v/μmである為、膜厚25μm以下に設定した場合
には表面電位を450V、好ましくは360V以下に設
定することが必要である。
【0019】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を例示
的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている
構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に
特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれのみ
に限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。図6
は本発明が適用される電子写真装置を示し、図上時計回
りに回転するa−Si感光体ドラム1の周囲に、回転方
向に沿って露光用LEDヘッド2及びセルフォックレン
ズ3からなる光学系、二成分現像ユニット4、転写ロー
ラ5、クリーニングブレード6、除電ランプ7、及び帯
電ユニット8が配設されている。
【0020】次に夫々の各構成要素について説明する。
感光体ドラム1は導電性支持体1a上に感光体層1b、
及び表面層1cが積層されて形成されており、該支持体
1aは、一般にはアルミ性の円筒体を用いるが、表面に
導電膜を被着させたガラス等無機材料や、エポキシ等の
透明な樹脂等で形成され、本実施例においては肉厚が2
mmで外周径を30mmに設定すると共に、軸方向に3
00mmの長さを有するアルミ製円筒体を用いている。
【0021】又前記a−Si系感光体層1b、及び表面
層1cは、グロー放電分解法、スパッタリング法、EC
R法、蒸着法等により膜形成し、その形成にあたって、
ダングリングボンド終端用の元素、例えば(H)やハロ
ゲンを5〜40wt.%含有させるのがよい。即ち、感
光体層1bはa−Si:Hからなる光導電体を用い、そ
して現像バイアスが正の場合には電子の移動度を高める
為、ノンドープ又はVa族元素を含有させ、又現像バイ
アスが負の場合には正孔の移動度を高めるため、IIIa
族元素を含有させるのが好ましい。又必要に応じて暗導
電率や光導電率等の電気的特性、光学的バンドギャップ
等について所望の特性を得るために、C,O,N等の元
素を含有させても良い。
【0022】そして、前記感光体層1b全体の膜厚は、
必要な帯電および絶縁耐圧の確保や、露光された光の吸
収や前記した残留電位の抑制等から2〜25μm程度にす
るのがよい。
【0023】又、表面層1cは、α−SiC、α−Si
O,α−SiN、α−SiON、α−SiCON等のa
−Si系の無機高抵抗若しくは絶縁材料、ポリエチレン
テレフタレート、パリレン、ポリ四フッ化エチレン、ポ
リイミド、ポリフッ化エチレンプロピレン等の有機絶縁
材料を用いるのがよく、特に高抵抗のa−SiC層を用
いると、絶縁耐圧や耐摩耗性、耐環境性等の特性が高め
られる。このa−Si1-xxのx値は0.3≦x<1.0、好
適には0.5≦x≦0.95に設定する事により1012 〜10
13Ω・cm範囲の抵抗値で高耐湿性を得る事が出来、こ
の場合層内でC量に勾配を持たせてもよい。またCと同
時にN,O,Geを含有させる事により耐湿性を更に高
めることが出来る。
【0024】表面層1cの厚みは0.05〜5μm、好適に
は0.1〜3μmの範囲内が良く、又その厚みはこの際表面
層1cの抵抗は1012 〜1013Ω・cmに設定した。
【0025】尚、本実施例においては容量結合型グロー
放電分解装置を用いて、前記a−S感光体層1bとa−
SiC表面層1cとを順次積層し、後記するように、感
光体の層厚が夫々7、10、15、20、25、40μ
m厚みの膜層を有する感光体ドラム1を作製した。この
場合表面層1cの膜厚は最大3μm以下で且つ全体層厚
の略5%以下に設定する。尚、この際40μmの膜厚の
ものについては、肉厚が2mmのアルミ製円筒体では真
円度が出ず、この為再度成膜を行ったが、その結果は芳
しくなかった。そこで本実施例においては肉厚を4ミリ
のアルミ素管を用いて再度成膜を行ったところ真円度を
得ることが出来た。従って膜厚を薄くすることは基体、
即ちアルミ製円筒体を薄くすることも可能となり、これ
により軽量化が達成される。
【0026】又露光用LEDヘッド2には露光波長が6
85nmと740nmのヘッドアレイを用い、これをダ
イナミック駆動にて一走査ライン毎に64ビット×40
回分割露光される。
【0027】現像ユニット4は、キャリアとトナーから
なる複数成分現像剤が収納された現像容器41と固定磁
石集成体43が収納された現像ローラ42からなり、該
ローラ42に例えば50〜450Vの間で任意に設定で
きる直流現像バイアス電源44を接続して、現像を行う
ように構成する。
【0028】そして前記キャリアには平均粒径70μm
のフェライトキャリアを用いたが、キャリアはこれに限
らず、必ずしもフェライトキャリアに限定される事なく
鉄粉、マグネタイト等のキャリアや磁性樹脂キャリアを
用いてもよい。
【0029】又トナーは通常の高抵抗若しくは絶縁性ト
ナーが用いられ、例えば、バインダー樹脂、着色剤、電
荷制御剤、オフセット防止剤などに、磁性体を添加して
その平均中心粒度は5〜15μm前後の磁性トナーとし
て構成し上記のキャリアとトナーと適正混合比を例えば
85〜90:15〜10重量%に設定する。転写ローラ
5は転写効率を上げるために導電性ローラを用い、前記
トナーの帯電電位と逆極性の転写バイアスを印加させる
とともに、前記感光体ドラム1周面に均一に圧接し、該
ドラム1と同期して回転可能に構成する。
【0030】帯電ユニット8にはすでに公知であるコロ
トロン方式の帯電器にて感光体上に均一に帯電させた。
図中81はコロナ放電線、82は制御グリッド、83は
放電バイアス、84は帯電制御バイアスである。
【0031】かかる実施例では、帯電制御バイアスを1
50Vから450V前後の間で適宜バイアスに設定した
状態で高電圧の放電バイアスを印加させる事により、感
光体ドラム1表面を下記の設定値に帯電させた後、露光
ヘッド2により所定の潜像を露光させた後、現像ユニッ
ト4により該潜像にトナー像を付着させた後、転写ロー
ラ5に転写させる。次にかかる装置を用い膜厚の異なる
感光体ドラム1を用いて次のような実験を行った。
【0032】前記感光体ドラム1の表面電位が200V
になるように帯電制御バイアス等を調整した後、感光体
ドラム1上に結像させるエネルギーレベルが1.0μJ
/cm2になるように、露光ヘッド2の出力を調整した
後、夫々膜厚を異ならせた感光体ドラム1上に前記エネ
ルギーレベルの露光像を書込んだ際の露光電位と膜厚と
の関係を求め、それを図1(A)にまとめる。本図より
明らかなように、685nmの露光波長の露光像を感光
体ドラム1上に結像させた場合は、感光体膜厚が40〜
25μmの間では、残像現実レベルの線上に沿って露光
電位が形成されるが、更に膜厚が薄くなるに連れ比例的
に露光電位が残像現実レベル以下に低下する。
【0033】一方740nmの露光波長の露光像を感光
体ドラム1上に結像させた場合は、膜厚が40μmの時
点では、露光電位が685nmの露光波長に比して露光
電位が高く、残像現実レベル以上であるが、該40μm
の膜厚の時点より膜厚が薄くなるに連れ比例的に露光電
位が低下し、約25μm前後で残像現実レベル以下に低
下する。
【0034】図1(B)はかかる各膜厚毎に露光波長と
露光電位の関係を調べたもので、本図より理解されるよ
うにドラム膜厚を25μm以下に設定することにより、
露光波長を700nm以上にした場合でも、露光電位を
残像現実レベル以下若しくはその近傍に維持できる。
【0035】従ってかかる実施例によれば、感光体ドラ
ム1表面電位を450V以下に帯電させて露光波長を7
00nm以上で露光を行った場合、感光体層1b厚を2
5μm以下に設定することにより残像のない且つ先鋭度
の高い高解像度の画像を形成し得る。
【0036】図2は表面電位200Vで、740nmで
露光した場合のドラム膜厚と線幅との関係を示し、本図
より理解されるように、水平線及び垂直線のいずれの場
合も感光体膜厚が40μm以下の場合の線幅は、25μ
m以下の場合の線幅に比較して太く、その分先鋭度と解
像度が低下している事が理解される。又25μm以下の
場合は、先鋭度も解像度もほぼ一致しており、有意差は
ない。
【0037】又図3より明らかなように、膜厚25μm
以下の感光体ドラムと、従来の膜厚が40μmの膜厚の
感光体ドラムを用いて半減感度(表面電位の1/2まで
露光電位が低下するに必要な露光エネルギー密度)を調
べてみると、膜厚に比例して半減感度が低くなり、波長
685nmに比して740nmの方が感度が低下し、そ
の分結像誤差その他に起因する光収差分の光量を拾うこ
となく中心光量のみを拾い、画像コントラストや先鋭度
の高い高品質のドット画像の形成が可能である。
【0038】更に図4は表面電位が450Vで帯電させ
た後、露光波長が740nmで且つエネルギー密度が
0.2μJ/cm2で露光した場合の焦点深度とドラム
感度の関係を示したもので、膜厚40μmの場合に比較
して、7μm、15μmのものは焦点深度が370μm
と、焦点深度が2倍弱向上する事になり、そして焦点深
度が大になることは、露光像を感光体ドラム上に結像さ
せる為の光学系の加工精度や組み立て精度をラフに設定
できると共に、画像品質のバラツキが大幅に低減する。
【0039】図5は、a−Siドラムの膜厚が40μm
の感光体ドラムを用いて温度30℃において表面電位3
20Vになるように、帯電制御バイアス等を調整した
後、該帯電制御バイアスを一定に維持した状態で、機内
温度を10℃、20℃、30℃43℃に変化させた場合
の、15μm、25μm、40μmに成膜したa−Si
感光体ドラムと表面電位の関係を示す。本図より理解さ
れるように40μmのドラム膜厚を有する感光体ドラム
においては、温度依存性が高く10〜40℃の電位変化
量80V(2.7V/℃)であった。25μm、15μ
mの感光体ドラムにおいては、温度依存性が大幅に低下
し10〜40℃の電位変化量は前者が30V(1.0V
/℃)、後者が15V(0.5V/℃)であった。
【0040】次に、感光体ドラムの表面電位を300V
に設定し、現像バイアスを210Vに設定した状態で、
感光体ドラムにヒータを装着することなく、25μm、
15μmの感光体ドラムについて機内温度を10℃から
40℃若しくは40℃〜10℃の間で10℃/時間の勾
配で上下に変化させながら、18万枚(略300時間)
印刷したところ、いずれの感光体ドラムにおいてもかぶ
りが生じることなく鮮明画像を得ることが出来た。
【0041】
【発明の効果】以上記載したごとく本第1発明によれ
ば、a−Siドラムを用いた電子写真装置においても7
00nm以上の長波長の露光手段を用いても残像が発生
する事なく、而も高画質で先鋭度が高い画像を容易に形
成し得る共に、露光手段の組み立て及び加工誤差が生じ
ても高画質の画像を容易に形成できる。又第2発明によ
れば、a−Siドラムの感光体層を薄膜化した場合にお
いても、長期に亙って安定した画像形成を可能とする。
更に第3発明によれば、a−Siドラムを用いた電子写
真装置においてヒータを用いない場合でも表面電位の変
化を抑制し、これによりかぶりが発生することのない鮮
明画像が形成し得る。特に本発明はヒータを用いない為
に、消費電力の大幅低減のほかに、ヒータ、ドラム表面
温度を検知するサーミスタ、該サーミスタよりの検知温
度に基づくヒータ制御回路等の電装部品の低減と回路構
成が簡単化する。又前記ヒータを用いない為にウオーミ
ングアップタイムが不用となり、装置立上げ時間を大幅
に低減させることが出来る。等の種々の著効を有す。
【図面の簡単な説明】
【図1】740nm若しくは685nmの露光波長と残
像レベルの関係を示し、(A)は膜厚を横軸に採った露
光波長の比較、(B)は露光波長を横軸に採った膜厚の
比較を示すグラフ図である。
【図2】ドラム膜厚と線幅との関係を示し、(A)は水
平線、(B)は垂直線を示す。
【図3】ドラム膜厚と半減感度の関係を示すグラフ図で
ある。
【図4】各ドラム膜厚におけるドラム感度と焦点深度の
関係を示すグラフ図である。
【図5】帯電制御バイアスを一定に維持した状態で、機
内温度を変化させた場合のa−Si感光体ドラムの膜厚
と表面電位の関係を示す
【図6】本発明が適用される電子写真装置を示す概略図
である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 露光用ヘッド 3 光学系 4 二成分現像ユニット 8 帯電装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 15/01 112 A 113 A 15/02 102

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に支持された感光体層に露光像を
    書込みながら画像形成を行う電子写真装置において、 前記感光体層を25μm以下の膜厚からなるa−Si層
    で形成すると共に、前記露光像を形成する露光手段の中
    心露光波長を700nm以上に設定したことを特徴とす
    る電子写真装置。
  2. 【請求項2】 前記基体を円筒状アルミニウム基体で構
    成すると共に、該基体肉厚を3mm以下に設定した事を
    特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
  3. 【請求項3】 基体上に支持された感光体層に露光像を
    書込みながら画像形成を行う電子写真方法において、 25μm以下の膜厚からなるa−Si層で形成した感光
    体層上に、表面電位が450V以下になるように均一帯
    電を行った後、中心露光波長を700nm以上に設定し
    た露光手段により前記露光像を形成することを特徴とす
    る電子写真方法。
  4. 【請求項4】 基体上に支持された感光体層に露光像を
    書込みながら画像形成を行う電子写真装置において、 前記感光体層を25μm以下の膜厚からなるa−Si層
    で形成すると共に、前記感光体層の表面に表面層を形成
    し、該表面層にa−SiC層を用いた事を特徴とする電
    子写真装置。
  5. 【請求項5】 基体上に支持された感光体層に露光像を
    書込みながら画像形成を行う電子写真装置において、 前記感光体層を25μm以下の膜厚からなるa−Si層
    で形成すると共に、感光体の表面電位を450V以下に
    設定し、前記感光体層を支持する基体内にヒータを内蔵
    することなく、機内環境温度下で画像形成を行うことを
    特徴とする電子写真装置。
  6. 【請求項6】 基体上に支持された感光体層に露光像を
    書込みながら画像形成を行う電子写真装置において、 前記感光体層を温度特性が1.0(V/℃)以下になる
    ように薄膜のa−Si層で形成すると共に、感光体の表
    面電位を450V以下に設定し、前記感光体層を支持す
    る基体内にヒータを内蔵することなく、機内環境温度下
    で画像形成を行うことを特徴とする電子写真装置。
JP6198001A 1993-10-29 1994-07-29 電子写真装置及び電子写真方法 Pending JPH07175301A (ja)

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