JPH07173619A - 意匠性に優れた表面処理材の製造方法 - Google Patents

意匠性に優れた表面処理材の製造方法

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JPH07173619A
JPH07173619A JP31857393A JP31857393A JPH07173619A JP H07173619 A JPH07173619 A JP H07173619A JP 31857393 A JP31857393 A JP 31857393A JP 31857393 A JP31857393 A JP 31857393A JP H07173619 A JPH07173619 A JP H07173619A
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JP31857393A
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Masatoshi Iwai
正敏 岩井
Koji Irie
広司 入江
Hirohiko Sakai
裕彦 堺
Jiyunji Kawafuku
純司 川福
Atsushi Kato
淳 加藤
Kuniyasu Araga
邦康 荒賀
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 方向性をもって凹凸が配設されてなる任意数
の凹凸領域形成部を有する被処理材表面に蒸着めっきを
施して表面処理材を製造する方法において、蒸着蒸気の
うち、被処理材に対して傾斜方向に衝突する蒸気成分を
多くする様に制御して表面処理材を得る製造方法。 【効果】 従来の塗装板では得られない金属光沢を保持
したまま、観測角度によって多彩に変化する鮮やかな色
調を有する表面処理材を簡単な製造方法で安定して供給
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種家庭用電気製品の
外装部材や、建築物の内外壁、ショーケース、看板等に
有用な意匠性に優れた表面処理材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、家庭用電気製品や建材等の分野
で、意匠性付与を目的とした着色表面処理材に対する要
求が高まっている。着色表面処理材としては、現在各種
カラー塗装鋼板が多用されている。このようなカラー塗
装鋼板は、鋼板の表面に有機系塗料を塗布することによ
って製造されるが、中でもコイルの状態で塗装が施され
ているプレコート鋼板は、ユーザーサイドにおける塗装
工程を簡略化することができるため近年急激に需要が拡
大している。しかしながらプレコート鋼板に付与される
色調は、有機系塗料中の各種顔料や染料に依存するもの
であるため、金属特有の光沢を保持したまま鮮やかな色
調を有する様な意匠性製品を得ることは困難である。
【0003】そこで、金属特有の光沢と鮮やかな色調を
有する表面処理材として、カラーステンレス、カラーア
ルミや、カラーチタン等が製品化されている。これらの
製品は、公知の電解着色法または化学発色法を用いて基
材表面にÅレベルの酸化物皮膜を作り、皮膜の組成と厚
さの違いによって可視光領域において様々な干渉色を得
るものである。また、酸化物層中に遷移金属イオンを析
出させ、析出金属イオン特有の色調を得ることも可能で
ある。
【0004】一方、ステンレス鋼板に各種ドライコーテ
ィング法を用いて、窒化物、酸化物、炭化物等のセラミ
ックス材料をコーティングした製品も提案されている。
これらの製品も、セラミックス材料特有の色調を基材表
面に付与する場合と、前述の様に光の干渉作用を利用し
て任意の色調を得る場合がある。特にTiNをコーティ
ングしたものは黄金色を呈し、かつ非常に高硬度である
ため、装飾用途だけでなくドリル等の耐摩耗性が要求さ
れる工具分野にも広く利用されている。
【0005】上述した様に、多種多様の着色表面処理材
が商品化されているが、このような着色材からさらに進
んだものとして、金属光沢を有し、かつ複数の色調を連
続的に見ることのできる製品が要求されている。すなわ
ち、観測する角度によって色調が変化したり、同時に複
数の色調を見ることのできる意匠性表面処理材が求めら
れているのである。これまでの塗装鋼板は、有機系塗料
・インキを使用するため、金属光沢が隠蔽されてしまう
上に、観測角度によって色調が変化する様な意匠性を付
与することはできなかった。
【0006】金属光沢を有し、観測角度を変えることに
よって複数の色調が得られる製品としては、現在ホログ
ラムフィルムが実用化されている。中でもレインボーホ
ログラムと称するものは、可視光領域の光干渉作用で、
見る角度や位置に応じて多彩な色調が得られる。このよ
うなホログラムは、樹脂フィルム上にサブミクロン〜ミ
クロンオーダーの規則的な凹凸を付与し、さらにその表
面にAlを蒸着して作製されており、微細な凹凸表面で
反射された光線の干渉作用によって多彩な色調が得られ
るものである。
【0007】しかしホログラムは、ミクロンオーダーと
いう微細な凹凸を基材表面に規則的に施すことが必要な
ため、製造工程が複雑で、かつ高精度な制御が要求され
る。具体的製造工程としては、 まずフォトレジスト液を塗布したガラス基板に、レー
ザー光線の干渉作用を利用して干渉模様を露光させ、化
学エッチングすることで微細凹凸を有するフォトレジス
ト原盤を作製する。 次に、この原盤にNiめっき等を数回施し、凹凸を有
しためっき層を形成させた後このめっき層を原盤から剥
離して、金属製プレススタンパーを作製する。 このプレススタンパーを用いて、塩化ビニル、ポリス
チレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を熱プレスし
て、微細凹凸模様が付与された樹脂フィルムを得る。 最終工程で樹脂フィルム表面に反射層としてAlを蒸
着する。 といったものであって、製造コストが非常に高いのが現
状である。
【0008】また、表面が非常に平滑でなければならな
い点や、スタンパーの微細凹凸を忠実に被処理材上に再
現しなければならない点から、被処理材は前述の樹脂フ
ィルム材料に限定されており、金属基板材料への適用は
困難である。さらに、レーザー光線の干渉作用を利用し
ているために、大面積処理がむずかしく、広幅や大面積
ホログラムの作製はほとんどなされていない。
【0009】このような現状のもと、本発明者等は、膜
厚を連続的に変化させながら金属表面に蒸着めっき層を
形成することによって、可視光領域において光干渉作用
を有し、且つ金属光沢と鮮やかな多彩な色調を有する金
属系表面処理材を提供するために検討を続けており、既
にいくつかの知見を開示している(特開平4−2478
65号、同4−341557号、特願平5−23192
0号等)。
【0010】特に、特願平5−231920号では、金
属板表面に規則的かつ方向性を持った凹凸を配設した上
に光学干渉膜を設ける方法、もしくは凹(または凸)部
の各壁面の光学干渉膜厚を異ならせる方法の採用によっ
て、見る角度によって色調が連続的に変化する意匠性に
優れた表面処理材の提供に成功した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、上記研究
をさらに押し進めるため、特願平5−231920号に
開示された様な表面処理材を安定して効率的に製造する
方法を見出すこと、すなわち、製造コストが低く、大面
積であっても対応可能な方法で、塗装では得られない金
属光沢と、観測角度によって多彩に変化することのでき
る鮮やかな色調を有する意匠性に優れた表面処理材の製
造方法を見出すことを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本
発明の製造方法は、方向性をもって凹凸が配設されてな
る任意数の凹凸領域形成部を有する被処理材表面に蒸着
めっきを施して表面処理材を製造する方法において、蒸
着蒸気のうち、被処理材に対して傾斜方向に衝突する蒸
気成分を多くする様に制御するところに要旨を有する。
被処理材に対して傾斜方向に衝突する蒸気成分を多くす
る様に制御する手段としては、被処理材とめっき原料の
間に遮蔽板を設けて蒸着を行う方法や被処理材自体をめ
っき原料表面に対して傾斜させる方法が好ましく採用さ
れ、また蒸着めっき原料は、半導体かまたは透明酸化物
であることが好ましい。
【0013】
【作用】本発明者等は上記目的を達成するために種々研
究を重ね、本発明に到達したものである。以下、本発明
を到達するに至った経緯に沿って本発明を詳細に説明す
る。なお、本発明でいう蒸着めっき方法は、通常の真空
蒸着めっき法の他に各種イオンプレーティング、スパッ
タリング、CVD等を含むものであるが、以下では、真
空蒸着めっきを代表とし、安価に大量生産することを目
的としているので、連続蒸着による製造方法について説
明する。
【0014】まず本発明者等は、連続蒸着めっき法によ
って、意匠性に優れた表面処理材を製造することについ
て検討した。連続蒸着めっき法は、大面積の被処理帯を
効率的に処理し得るため、コストダウンが可能である。
最初に、蒸着原料として、Ti、Cu、Zn、Al等の
各種金属やその合金を用いた結果、金属特有の光沢を有
する外観と共に、合金めっきの場合には合金組成によっ
て各種色調を有する表面処理材を得ることができたが、
単一の色調を示すのみであった。
【0015】次に、可視光領域で光干渉作用を有するS
iの蒸着めっきについて検討した。その結果、めっき膜
厚を変化させることによって複数の色調を得ることがで
き、金属光沢も保持できて鮮やかな色調が得られた。こ
れはめっき膜表面で反射された光と、めっき膜を通過し
基材表面で反射された光とでは、光学的距離(ある屈折
率nを持つ媒質中を光が通過する距離)が異なるため
に、それぞれの反射光の間で位相差が生じ、特定の波長
成分(特定の色調)のみが強調されるためである。しか
し、依然として、多彩な色調を同時に呈する外観、ある
いは観察する角度に応じて様々に色調が変化する外観を
得ることはできなかった。
【0016】そこで本発明者等は、被処理帯である金属
帯の表面性状に着目してさらに検討することにして、ブ
ライトロールで圧延した鏡面平滑金属帯と、ショットブ
ラストダルロールで圧延した梨地肌表面の金属帯にSi
蒸着めっきを行った。その結果、両者共めっき層膜厚を
変化させることによって多彩な色調を得ることができた
が、梨地肌の金属帯は、鏡面平滑金属帯に比べ、光沢度
が低く、色調が鈍い外観を示すことが明らかとなった。
【0017】梨地肌の金属帯の色調が不鮮明になった理
由については以下の様に考察される。梨地肌の金属帯表
面は様々な傾斜角を持つ微細な斜面が総合されて構成さ
れており、一方飛来してくる原料蒸気は、連続蒸着めっ
きの場合は基本的に等密度に金属帯に付着するので、な
だらかな斜面には多く付着し、急斜面には少ない付着量
となる。つまり梨地金属帯の微細斜面の傾斜毎にSiめ
っき層の膜厚が異なるのであるが、この斜面は非常に微
細なために色調の変化を目視では判断できず、結局得ら
れる製品外観が鈍い色調であると感じられたのである。
【0018】これらの知見から、例えば四角錐状の複数
の凹部が規則的に設けられた金属板を被処理帯として用
い、四角錐の4つの斜面毎にめっき層の膜厚を異ならせ
てやれば、観察角度に応じて様々な色調が得られる(色
調の観察角度依存性という)と考えられた。本発明者等
はこの考察を実現する方法を種々検討した結果、本発明
法に到達したのである。
【0019】すなわち、本発明法は、方向性をもって凹
凸が配設されてなる任意数の凹凸領域形成部を有する被
処理材表面に蒸着めっきを施して表面処理材を製造する
方法において、蒸着蒸気のうち、被処理材に対して傾斜
方向に衝突する蒸気成分を多くする様に制御するところ
に要旨を有する。そして、被処理材に対して傾斜方向に
衝突する蒸気成分を多くする様に制御する手段として
は、被処理材とめっき原料の間に遮蔽板を設けて蒸着を
行う方法、被処理材自体をめっき原料表面に対して傾斜
させる方法が、好ましく採用される。従って本発明の製
造方法では、蒸着原料蒸気がランダムな入射角で被処理
帯に到達してはならないのである。以下、本発明を詳細
に説明する。
【0020】まず、本発明で用いられる方向性をもって
凹凸が配設されてなる任意数の凹凸領域形成部を有する
被処理材における、方向性をもって配設される凹凸と
は、少なくとも被処理材の任意の一領域において、同一
形状の凹凸が、方向性をもって存在しているものであ
る。形状に統一性がない場合や方向性がない場合は、光
の反射方向がばらばらになって、反射光線束に様々な色
調が混じり合うため、色調の角度依存性が消失もしくは
小さくなる。
【0021】凹凸の形状は、統一されていればどのよう
な形状であっても良く、例えば、円または角(三角、四
角、多角形等)柱状、錐状、あるいは断面が角形、円形
や曲線で表される凹凸や、連続した凹凸状が挙げられ
る。凹凸の大きさやピッチ等は特に限定されないが、5
〜100μm程度の深さ(高さ)で数十〜数百μm程度
のピッチであることが好ましい。深さが5μmより小さ
いと、斜面毎のめっき膜厚を変化させることができず、
また、ピッチが数百μm以上になると、凹凸による色調
変化よりも凹凸間の面を観察することになるため、色調
の観察角度依存性がなくなってしまう。
【0022】この被処理材における凹凸領域形成部は、
被処理材表面の全域に設けられる必要はなく、任意の一
部分にあるものであっても良い。また、形状、方向性の
異なった凹凸が任意の領域毎に別々に存在するものであ
っても良く、この場合同一観測角度で異なる色調の領域
が同時に観測できると共に、観察角度を変化させること
によって異なった色調を観測することができる。
【0023】本発明の製造方法は、上記凹凸の各斜面毎
に異なった厚さの干渉膜を設けることを目的とするが、
完璧に各斜面毎の干渉膜厚を制御するのは実際の製造ラ
インでは困難である。このため本発明では、蒸着蒸気の
うち、上記被処理材に対して傾斜方向に衝突する蒸気成
分を多くする様に制御することをポイントとした。ラン
ダムな入射角で蒸着させた場合、せっかく方向性をもっ
て配設されている凹凸上に、ランダムな膜厚の蒸着膜が
形成されてしまうため、色調の観察角度依存性がなくな
ってしまうが、被処理帯に対して斜めに飛来してくる蒸
気を選択的に蒸着させれば、例えば四角錐状凸部の各斜
面には確実に膜厚の異なった蒸着膜が形成されるのであ
る。
【0024】蒸着蒸気の角度を制御するための好ましい
方法としては、連続蒸着法において被処理材とめっき原
料の間に遮蔽板を設ける方法と、被処理材自体をめっき
原料表面に対して傾斜させる方法がある。連続真空蒸着
めっきは、通常図1に示される様な真空蒸着室1内で、
めっき原料4の入った蒸発槽3の上を被処理材である金
属帯2が蒸着室入側(図中右)から出側(図中左)へ走
行し、その間に蒸着原料蒸気5が金属帯に付着すること
によって行われる。
【0025】ここで、図2に示す様に遮蔽板を図中左側
に設けると、蒸着原料から左方向に蒸発して金属帯2に
付着するはずの蒸気5aは、金属帯2に達する前に遮蔽
され、金属帯2には蒸着原料から右方向に蒸発した蒸気
5bのみが付着する。すなわち、蒸気5bと逆の傾斜角
を持つ蒸気や、金属帯に対して垂直方向に飛来する蒸気
を含む蒸気5aは、遮蔽板によってカットされるのであ
る。このため、例えば図3に示す様に、金属帯2にV字
状の溝7が形成されている時は、右斜面6b部分の膜厚
が最も大きく、次に平面部分の6cとなり、そして左斜
面6aは最も膜厚が小さくなる。この結果、凹部の左お
よび右斜面において異なった膜厚の蒸着膜が形成され
る。
【0026】上述の様に、遮蔽板を設けることによって
金属帯に対して傾斜方向の蒸気のみを選択的に蒸着させ
ることができる。遮蔽板の大きさや設置位置は、蒸着原
料の配置位置、あるいは金属帯の表面に形成された凹凸
の斜面の向きや形状、凹凸形成領域の位置等に応じて適
宜変更すれば良い。
【0027】蒸着蒸気の角度を制御するためのもう一つ
の好ましい方法としては、被処理材自体をめっき原料表
面に対して傾斜させる方法がある。例えば図4に示した
様に、蒸着室1内に複数のデフレクターロール8を設
け、走行金属帯を出側より入側の方が低くなる様に傾斜
させてめっき原料の上を走行させると、V字状の溝が形
成された金属帯の場合、図3とは逆に左斜面の膜厚が大
きくなる。また、図5に示す様に、蒸発槽の上で大きな
デフレクタロール9に金属帯を沿わせながら走行させて
もよい。
【0028】本発明における被処理材の材料は特に限定
されるものではないが、Fe、ステンレス、Al、Al
合金、Cu、Cu合金等の金属材料、あるいはこれらの
金属材料表面に予めZnやAl等のめっき層を付与した
もの等のほか、セラミックス基材やプラスチック基材を
使用することも可能である。ただし、可視光領域での光
干渉作用が充分に発現するには、めっき層と被処理材の
界面における反射光線の正反射成分が大きいことが必要
であるため、基材としては金属を用いる方がより好まし
い。
【0029】上記被処理材に凹凸を設ける手法も特に限
定されない。例えば、凹凸の幾何学模様がその表面に形
成された金属製等のロールで基材を圧下ないし圧延する
方法や、幾何学的なパターンを有するマスキングを用い
た基材表面のエッチング処理等によって凹凸模様を形成
する等の手段がある。
【0030】本発明で用いられるめっき原料としては、
前述のSiの他、Ge等の半導体、あるいはSiO2
Al23 、MgO、Cr23 等の透明酸化物材料が
好ましく用いられる。特に、Si、SiO2 、Al2
3 は、比較的安価であり、容易に入手できるため好まし
い。しかし、Ti、Cu、Zn、Al等の金属やその合
金は、可視光領域の光線が膜中を透過せず干渉作用を示
さないため、本発明では使用に適さない。TiN、Ti
C等の有色セラミックス材料も同様に不適である。
【0031】めっき層の膜厚は特に限定されないが、S
i、Ge等の半導体の場合は0.005〜0.2μmと
することが好ましく、SiO2、Al23、MgO、C
23 等の透明酸化物材料では0.05〜1.0μm
が好ましい。干渉膜の膜厚が上記範囲の上限を超える
と、基材表面からの反射光強度の減衰が著しくなり、鮮
やかな色調が得られない。また、前記下限値を下回る
と、膜厚の制御が難しくなると共に、充分な光干渉作用
が得られず、基材の色調のままとなる。
【0032】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。
【0033】実施例および比較例 被処理材として溶融Znめっき鋼板を用いて、表1に示
した様な種々の真空蒸着を行い、色調の角度依存性につ
いて検討した結果を表1に併記した。実施例の被処理材
は、エンボス彫刻加工したロールで圧延し、深さ20μ
m,ピッチ300μmの四角錐状の凹部を付与した(凹
凸と略す)。比較例の被処理材は予めショットブラスト
加工したロールでSKP圧延を行い表面を梨地肌にした
(梨地と略す)。それぞれの被処理材表面にSi、Al
23 を光学干渉膜として真空蒸着した。また、光学干
渉効果を持たないTiも比較として蒸着した。蒸着めっ
き方法のうち、図2に示した様な遮蔽板を設けて真空蒸
着を行ったものを「遮蔽板」とし、図4に示した様な金
属帯を傾けて走行させながら真空蒸着を行ったものを
「斜め」とし、図1に示した通常の方法で蒸着を行った
ものを「通常」とした。蒸着めっき原料の加熱方法は、
ピアス型電子銃(300kW)による電子線加熱方式を
採用した。光学干渉膜を蒸着後、蒸着層を上にして太陽
光下で目視観察を行い、色調の観測角度依存性を以下の
基準で評価した。 ○:観測角度によって様々に色調が変化する。 △:観測角度によって僅かに色調が変化する。 ×:観測角度による色調の変化が認められない。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているの
で、従来の塗装板では得られない金属光沢を保持したま
ま、観測角度によって多彩に変化する鮮やかな色調を有
する表面処理材を簡単な製造方法で安定して供給するこ
とができる様になった。この表面処理材は意匠性に優
れ、製造コストも安価であるので、家庭用電気製品の外
装部材や、建材等の他、種々の用途に適用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通常の連続蒸着方法を説明するための真空蒸着
室断面概略図である。
【図2】本発明法にかかる遮蔽板を設けた真空蒸着室断
面概略図である。
【図3】図2に示した方法によって得られる蒸着膜厚の
例を示す金属板断面該略図である。
【図4】本発明法にかかる金属帯を傾斜させて走行させ
る方法を説明するための真空蒸着室断面概略図である。
【図5】図4とは別の金属帯を傾斜させて走行させる方
法を説明するための真空蒸着室断面概略図である。
【符号の説明】
1 真空蒸着室 2 金属帯 3 蒸発槽 4 めっき原料 5,5a,5b 蒸発蒸気 6,6a,6b,6c 蒸着膜 7 溝 8,9 デフレクターロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堺 裕彦 兵庫県加古川市尾上町池田字池田開拓2222 番地1 株式会社神戸製鋼所加古川研究地 区内 (72)発明者 川福 純司 兵庫県加古川市尾上町池田字池田開拓2222 番地1 株式会社神戸製鋼所加古川研究地 区内 (72)発明者 加藤 淳 兵庫県加古川市尾上町池田字池田開拓2222 番地1 株式会社神戸製鋼所加古川研究地 区内 (72)発明者 荒賀 邦康 兵庫県加古川市尾上町池田字池田開拓2222 番地1 株式会社神戸製鋼所加古川研究地 区内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 方向性をもって凹凸が配設されてなる任
    意数の凹凸領域形成部を有する被処理材表面に蒸着めっ
    きを施して表面処理材を製造する方法において、蒸着蒸
    気のうち、被処理材に対して傾斜方向に衝突する蒸気成
    分を多くする様に制御することを特徴とする意匠性に優
    れた表面処理材の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の、被処理材に対して傾
    斜方向に衝突する蒸気成分を多くする様に制御する手段
    が、被処理材とめっき原料の間に遮蔽板を設けて蒸着を
    行うものである請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の、被処理材に対して傾
    斜方向に衝突する蒸気成分を多くする様に制御する手段
    が、被処理材自体をめっき原料表面に対して傾斜させる
    ものである請求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 蒸着めっき原料が、半導体かまたは透明
    酸化物である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方
    法。
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