JPH07172588A - 土砂ホッパー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホッパー内に投入した土砂がブリッジ形状と
なるのを防止する。 【構成】 ホッパー１内の上端土砂受入口３の中央部に
排土板６の上端を揺動自在に軸支し、この排土板６をホ
ッパー１の下端排出口２にまで垂下させて土砂投入時に
該排土板６をホッパー１の両側傾斜側壁板1c、1d間で左
右方向に揺動させることにより、投入土砂がホッパー１
の両側傾斜側壁板1c、1d間でブリッジ状になるのを防止
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、粘性を有する土砂の収
納、排出に適した土砂ホッパー装置の改良に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来から、例えば、シールド掘削機によ
って掘削された土砂を上端受入口から一旦受入れたのち
下端排出口から搬送装置上に排出するようにした土砂ホ
ッパーにおいては、土砂を受け入れた時に下端に向かっ
て狭幅方向に傾斜しているホッパーの対向側壁間に該土
砂がブリッジ状に圧密集合して排出口側に向かって自然
落下し得ない状態となる場合がある。このため、ホッパ
ーにバイブレータを取付けてホッパー側壁に振動を与
え、ブリッジ状態となる圧密部に亀裂を発生させて排出
口への排出が可能なようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、掘削土
が粘着力の大きい土質の場合には団塊状を呈しており、
ホッパーの対向側壁間に該団塊物によって生じたブリッ
ジにバイブレータで振動を与えても、亀裂が生じること
なく土塊がその振動によって一層圧密されてブリッジ形
成をさらに助長し、より強固なものとなってホッパー内
に詰まり、排出口からの排出が行われなくなるという問
題点があった。

【０００４】また、ホッパーの下端排出口にスクリュー
コンベアの一端開口部を臨ませて排出口端から排出され
る土砂を該スクリューコンベアにより搬出するように構
成したホッパー装置においては、上記のように投入時に
ホッパー内でブリッジが生じない場合においても該スク
リューコンベアの回転スクリュー羽根の先端縁によって
土砂の下部が円弧状に掻き落とされ、ブリッジが形成さ
れるという問題点があった。本発明はこのようなブリッ
ジ現象を生じさせない土砂ホッパー装置の提供を目的と
するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の土砂ホッパー装置は、下端に土砂排出口を有
し、その排出口から上端の土砂受入口に向かって拡開さ
せた形状を有するホッパー内の中央部に、該ホッパーの
対向傾斜側壁面に向かって揺動自在な排土板を垂設する
と共に適所にこの排土板の駆動手段を配設してなる構造
を有する。排土板の駆動手段としては、請求項２に記載
しているように、ホッパーの両傾斜側壁面の外側に配設
されたジャッキと、これらのジャッキのピストンロッド
の先端に一体に取付けた押圧棒とからなり、押圧棒はホ
ッパーの傾斜側壁面を貫通してその先端で上記排土板の
側面下端部を押動させるように構成しておくことが好ま
しい。

【０００６】

【作用】ホッパー内の中央部に垂設した排土板を揺動さ
せながらホッパー内に土砂を投入すると、投入直後では
土砂はホッパーの傾斜内壁面と排出板との対向面間でブ
リッジ形状を呈しようとするが、排土板が一方の傾斜内
壁面から他方の傾斜内壁面側に向かって揺動すると、ブ
リッジ形状を呈する土砂に受け止め状態で接触していた
排土板はその接触部を離脱させる。従って、土砂はホッ
パーの一方の傾斜内壁面にだけ接した状態となり、自重
によって排出口側へ落下するようになる。

【０００７】排土板を揺動させる手段としては、上記の
ようにホッパーの外側からジャッキのピストンロッドの
先端に取付けた押圧棒を挿通し、ジャッキの作動によっ
て押圧棒を進退させる手段を用いると、排土板の下端を
押圧棒により押圧して上端支軸を中心として排土板を無
理なく軽快に揺動させることができる。

【０００８】

【実施例】本発明の実施例を図面について説明すると、
１は前後壁板1a、1bと下端から上端に向かって対向面を
徐々に幅広くなる方向に傾斜させてなる傾斜両側壁板1
c、1dとによって形成されたホッパーで、その下端は長
さ方向に細長い一定幅を有する排出口２に形成している
と共に拡開した上端開口部を土砂受入口３に形成してい
る。さらに、排出口２は前壁板1aの下端から後方に向か
うに従って徐々に上方に傾斜させている。このホッパー
１は箱形状の架台４内に配設され、その受入口３の四方
周縁を該架台４の上端四方フレームに固定して支持され
ている。

【０００９】５はホッパー１の前後壁板1a、1bの上端部
中央間に水平状に架設した支軸で、その前後端を夫々前
後壁板1a、1bに挿通状態で支持されてあり、この支軸５
に排土板６の上端に形成している筒部6'を被嵌して該排
土板６を土砂受入口３内の中央部から排出口２の中央部
に亘って垂設していると共に支軸５を中心として傾斜両
側壁板1c、1d方向に揺動自在に構成されている。また、
排出口２に臨ませている排土板６の下端縁はこの排出口
２に沿って同一の角度で後方に向かって上向きに傾斜し
ている。この排土板６は一枚物でもよいが、図において
は長さ方向に３分割して夫々独立的に揺動する排土板6
a、6b、6cに形成してある。

【００１０】７は各排土板6a〜6cの下端部に対向してそ
れぞれの両側方に配設した油圧ジャッキで、ホッパー１
の排出口２の下端に平行して架台４の両側面に外側傾斜
フレーム８、８を固着すると共に排出口２の両側端に同
じく内側傾斜フレーム９、９を固着し、これらの内外傾
斜フレーム８、９間にホッパー１の長さ方向に適宜間隔
毎に取付フレーム10を架設状態で固定して該取付フレー
ム10上に装着されているものである。

【００１１】使用する油圧ジャッキ７の数は適数でよい
が、図においては、垂設長さの大なる排土板6a、6bに対
してはその下端前後部の両側方に対向して２本、設置
し、垂設長さの小なる排土板6cに対してはその下端中央
部の両側方に対向して１本の油圧ジャッキを設置してい
る。

【００１２】これらの油圧ジャッキ７のピストンロッド
7aの先端には該ピストンロッド7aの延長方向に適宜長さ
の押圧棒11の基端を固着してあり、両側方に対向してい
る油圧ジャッキ７、７この押圧棒11をホッパー１の傾斜
両側壁板1c、1dに設けた通孔12に夫々挿通してホッパー
１内に突出させ、その先端をそれぞれの排土板６の下端
部両面に当接、離間自在に対向させてある。12は各油圧
ジャッキ７のピストンロッド7aの上方に並設した固定フ
レームで、ピストンロッド7aの長さ方向に一定間隔を存
して該ピストンロッド7aに突設した突片7bと接触するこ
とにより作動するリミットスイッチ13、14を取付けてあ
る。

【００１３】15はその前半部の上端開口部15a をホッパ
ー１の排出口２に臨ませた状態にして排出口２の両側端
に固着した上記内側傾斜フレーム９、９に一体的に取付
けているスクリューコンベアで、後方に向かって排出口
２と同一角度で上方に傾斜してあり、その内部に回転自
在に配設しているスクリュー羽根16の回転軸17を該スク
リューコンベア15の上端部に取付けている駆動モータ18
により回転させるように構成している。19はスクリュー
コンベア15の上端下周面に開口した排土口である。

【００１４】このように構成した土砂ホッパー装置の作
用を述べると、ホッパー１の排出口２の両側で対向した
油圧ジャッキ７、７の一方を作動させてそのピストンロ
ッド7aを伸長させれば、該ピストンロッド7aの先端に固
着している押圧棒11がホッパー１の中央部に揺動自在に
垂設している排土板６の一側面に向かって移動し、該押
圧棒11の先端を排土板６の下端部一側面に当接させると
共にその当接状態からさらに突出方向に移動して排土板
６をホッパー１の他方の傾斜側壁板1d側に向かって押し
進める。

【００１５】排土板６の下端が他方の傾斜側壁板1dの内
面近接位置まで達すると、該油圧ジャッキ７のピストン
ロッド7aを収縮させ、次いでこの油圧ジャッキ７と対向
している他方の油圧ジャッキ７のピストンロッド7aを伸
長させて今度は排土板６を一方の傾斜側壁板1c側に向か
って押し進める。このように、両側方に配設した油圧ジ
ャッキ７、７を交互に作動させると、排土板６は上端支
軸５を中心として左右方向に揺動する。なお、ピストン
ロッド7aの伸縮距離はリミットスイッチ13、14によって
設定され、このリミットスイッチ13、14を含む電気回路
によって全ての油圧ジャッキ７の作動時間、及び間隔を
制御して各排土板6a〜6cを一定の周期でもって左右交互
に揺動させるようにしている。

【００１６】このように一定の周期で揺動する排土板６
を有するホッパー１内にシールド掘削機等で掘削された
土砂を投入すると、土砂は排土板６の一側面とホッパー
１の一側壁板1c間、及び排土板６の他側面とホッパー１
の他側壁板1d間に受け入れられる。この状態で、排土板
６を上記のように揺動させると、ホッパー１の一側壁板
1c側から他側壁板1d側に向かって揺動した時には、排土
板６の一側面が土砂から離れて、投入された土砂がブリ
ッジ形状を呈していてもホッパー１の一側壁板1c側にだ
け接触した状態となり、従って、土砂はその自重により
ホッパー１の排出口２側に滑り落ちる。

【００１７】同様に排土板６が逆方向に揺動した時にお
いては、排土板６の他側面とホッパー１の他側壁板1cと
の間に投入された土砂が排出口２へと落下する。ホッパ
ー１の排出口２にはスクリューコンベア15の後部上周面
が開口してあり、土砂がホッパー１の排出口２からスク
リューコンベア15内に落下してスクリュー羽根16により
スクリューコンベア15の上傾端に搬送されて排土口19か
ら排出される。又、ホッパー１の下端排出口２と連通す
るスクリューコンベア15の上端開口部15a の部分におい
ても、排土板６の下端がその部分まで垂下しているの
で、排出土砂にブリッジ現象を生じさせることはない。
なお、油圧ジャッキ７は、排土板６の下端部の片側のみ
に対向して設置してもよく、その場合は、押圧棒11の先
端が排土板６の下端部の片側面に回動自在に連結させて
おけばよい。

【００１８】

【発明の効果】以上のように本発明の土砂ホッパー装置
によれば、下端に土砂排出口を有し、その排出口から上
端の土砂受入口に向かって拡開させた形状を有するホッ
パー内の中央部に、該ホッパーの対向傾斜側壁面に向か
って揺動自在な排土板を垂設すると共に適所にこの排土
板の駆動手段を配設していることを特徴とするものであ
るから、ホッパー内に投入された土砂がホッパーの対向
傾斜側壁面間でブリッジ形状となるのを左右方向に揺動
する排土板により確実に防止することができ、土砂の排
出を円滑に行って作業性の向上を図ることができるもの
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】簡略側面図、

【図２】平面図、

【図３】正面図、

【図４】ホッパー内の縦断側面図、

【図５】簡略縦断正面図。

【符号の説明】

１ ホッパー 1a、1b 傾斜側壁板 ２ 排出口 ４ 架台 ５ 支軸 ６ 排土板 ７ 油圧ジャッキ 11 押圧板 15 スクリューコンベア

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下端に土砂排出口を有し、その排出口か
   ら上端の土砂受入口に向かって拡開させた形状を有する
   ホッパー内の中央部に、該ホッパーの対向傾斜側壁面に
   向かって揺動自在な排土板を垂設すると共に適所にこの
   排土板の駆動手段を配設していることを特徴とする土砂
   ホッパー装置。
2. 【請求項２】 上記駆動手段は、ホッパーの両傾斜側壁
   面の外側に配設されたジャッキと、これらのジャッキの
   ピストンロッドの先端に一体に取付けた押圧棒とからな
   り、押圧棒はホッパーの傾斜側壁面を貫通してその先端
   で上記排土板の側面下端部を押動させるように構成して
   なることを特徴とする請求項１記載の土砂ホッパー装
   置。