JPH07171846A - 成形前駆体の加圧成形方法 - Google Patents

成形前駆体の加圧成形方法

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JPH07171846A
JPH07171846A JP6132321A JP13232194A JPH07171846A JP H07171846 A JPH07171846 A JP H07171846A JP 6132321 A JP6132321 A JP 6132321A JP 13232194 A JP13232194 A JP 13232194A JP H07171846 A JPH07171846 A JP H07171846A
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賢三 神永
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宏一 今井
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隆明 渡部
Hisao Matsuno
久雄 松野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加圧成形に際して成形前駆体中にガスが発生
したとしても気泡や亀裂のない成形体を製造する方法を
提供すること。 【構成】 非通気性の柔軟性膜および排気口を備えてな
る成形型内に成形前駆体を収容し、前記成形型内を減圧
下に維持し、圧力変動を有する加圧流体で前記柔軟性膜
を介して前記成形前駆体を加圧することを特徴とする成
形前駆体の加圧成形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は成形前駆体の加圧成形
方法に関し、更に詳しくは、内部に気泡が存在せず、し
かも表面の美麗な成形品に成形することのできる成形前
駆体の加圧成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術と解決するべき課題】従来、粉体やプリプ
レグなどを加圧成形する方法として、静水圧加圧成形方
法がある。この静水圧加圧成形方法は、ゴムなどの柔軟
な部材で形成された成形型内に被成形物を収容ないし充
填し、次いでその成形型を加圧装置における被加圧室内
に装填し、被加圧室内に加圧流体たとえば液体を高圧で
充填する方法である。
【0003】このような静水圧加圧成形方法において
は、加圧成形時に成形型の内部を高度の減圧状態または
真空状態を達成するために、加圧成形前に前記成形型に
設けられた排気口から成形型内を排気している。
【0004】成形型内を排気する理由は次のとおりであ
る。すなわち、成形型内に気体が残存したまま成形型を
加圧すると、加圧成形後に得られる成形体の表面が所望
の形状に成形されなかったり、成形体内に気泡が内在し
たりする。成形体の表面が見かけ上所定の形状に成形さ
れているとしても、その成形体の内部に気泡が存在する
と、その成形体は所定の強度を維持することができず、
要するに強度の弱いものになる。また、成形型内に気体
が残存したまま成形型を加圧すると、被加圧物が積層シ
ート状物であるときには加圧成形後の積層シートの表面
が所望の形状に成形されなかったり、また、層間に気泡
が内在したりする。積層シートにおける層間に気泡が内
在すると、強度低下はもちろんのこと、その積層シート
の使用時に層間剥離を生じたりする。そこで、成形加圧
前に成形型内を高度の減圧状態ないし真空状態にしてか
ら、加圧成形を行うようにしているのである。
【0005】ところが、加圧成形前に成形型内を高度に
排気してから加圧成形したとしても、加圧成形により得
られる成形体の表面が変形したり、気泡が内在したりす
る問題点が以前として解消されないことがあった。
【0006】その理由としては、加圧成形前に、被成形
物を装填ないし充填した成形型内を高度に排気すると言
っても、被成形物の内部に閉じ込められた気体を短時間
の内に完全に除去することは極めて困難であること、被
成形物の内部に閉じ込められた気体を完全に除去するに
は、極めて長時間に渡って、成形型内を排気し続けなく
てはならないこと、たとえ成形型内の気体を完全に除去
することができたとしても、加圧成形中に被成形物に含
まれる溶剤の蒸気や分解ガス、またやバインダーの分解
ガスなどのガスが新たに発生することがあること等によ
るものと考えられる。
【0007】このような問題点を解消するために、たと
えば特公平3−58525号公報に記載されたように、
加圧成形前に成形型内を高度に排気し、成形型内を高度
の減圧状態ないし真空状態にしてからその成形型を加圧
し、しかも成形型を加圧している最中においてもその成
形型内を排気し続けると言う新たな技術が開発された。
【0008】しかしながら、本願発明者らの検討による
と、そのように成形中に成形型内を排気し続けたとして
も、成形型が柔軟部材で形成されているときには、被成
形物中に残存する気体による上記問題点が依然として解
消されず、また、成形型における排気口が柔軟部材であ
る成型方や成型前駆体自体で閉塞されたり、また、加圧
が特に高圧の場合には排気配管が押しつぶされて閉塞し
たりすることによって、排気が不完全になることを見い
だした。
【0009】この発明は前記事情に基づいてなされた。
すなわち、この発明の目的は、前記問題点を解消するこ
とにある。また、この発明の目的は、被成形物を装填な
いし充填した成形型内の排気を完全なものにすることに
ある。この発明の他の目的は、成形物の表面に凹陥部が
なく、所望の表面状態を有する成形物を形成することが
でき、内部にボイドや亀裂の発生がなく、したがって、
層間剥離や強度の低下のない成形物を製造することので
きる加圧成形方法を提供することにある。また、この発
明の目的は、歩留り良く加圧成形物を製造することので
きる加圧成形方法を提供することにある。
【0010】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ための請求項1に記載の発明は、非通気性の柔軟性膜お
よび排気口を備えてなる成形型内に成形前駆体を収容
し、前記成形型内を減圧下に維持し、圧力変動を有する
加圧流体で前記柔軟性膜を介して前記成形前駆体を加圧
することを特徴とする成形前駆体の加圧成形方法であ
り、請求項2に記載の発明は、前記加圧流体における圧
力変動の最低圧力値が大気圧以下である前記請求項1に
記載の成形前駆体の加圧成形方法であり、請求項3に記
載の発明は、前記加圧流体が液体である前記請求項1ま
たは2に記載の成形前駆体の加圧成形方法であり、請求
項4に記載の発明は、前記成形前駆体がセラミックグリ
ーンシートである前記請求項1〜3のいずれかに記載の
成形前駆体の加圧成形方法である。
【0011】以下においてこの発明の構成について更に
詳述する。
【0012】−成形前駆体− この発明における成形前駆体は、成形型に収容ないし充
填されることができ、その成形型を加圧流体で加圧する
ことにより成形物に形成されることのできる限り特にそ
の種類について制限がない。この成形前駆体の好適例と
しては、補強繊維と半硬化した(Bステージと称される
ことがある。)熱硬化性樹脂と場合により使用される溶
剤とからなるプリプレグ、補強繊維と熱可塑性樹脂と場
合により使用される溶剤とからなるプリプレグ、補強繊
維、セラミックス粒子、未硬化樹脂、硬化剤および溶剤
などからなるプリプレグ、セラミックを主成分とする粉
末、ならびにセラミックグリーンシートなどを挙げるこ
とができる。
【0013】前記プリプレグにおける補強繊維として
は、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維などの炭素繊
維、セラミック繊維、気相成長炭素繊維などを挙げるこ
とができる。
【0014】前記熱硬化性樹脂の好適例としては、エポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹
脂、フェノール樹脂等を挙げることができる。前記熱可
塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート、
ABS樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフ
ィド樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテ
ルケトン、熱可塑性ポリイミド等を挙げることができ
る。
【0015】前記熱硬化性樹脂を使用する場合、硬化剤
を併用するのが望ましい。
【0016】前記プリプレグは、その形態に特に制限が
なく、シート状であっても良い。
【0017】前記セラミックとしては、Al23 、A
23 −TiC(TiN)、BeO、MgO、チタン
ジルコン酸鉛(PZT)、Mn−Znフェライト、Y3
Fe512,ZrB2 、Si34 、ジルコニア、ムラ
イト、SiO2 、窒化アルミニウム等を挙げることがで
きる。
【0018】前記セラミックを主成分とする粉末中に
は、必要に応じて溶剤、結合剤など公知の添加剤を含有
していても良い。
【0019】前記セラミックグリーンシートとしては、
たとえば、セラミック粉末および/またはセラミックを
生成する原料に、有機高分子または焼成によってセラミ
ックに変化する無機高分子をバインダーとして加え、更
に要すれば溶剤を添加して柔軟性を有するシート状ない
しフィルム状に形成してなるシートを挙げることができ
る。またセラミックグリーンシートとして、前記バイン
ダーあるいは溶剤を使用せずに、セラミック粉末および
/またはセラミックを生成する原料を用いて形成された
ところの、柔軟性の小さなシートを挙げることができ
る。セラミックグリーンシートは、セラミック繊維など
の補強剤を含有していても良い。
【0020】−成形型− この発明における成形型は、その内部に被成形物を収容
することができ、内部の気体を除去するための排気口を
備え、加圧流体の圧力を成形型内の成形前駆体に伝達す
ることのできる非通気性の柔軟性膜を有して形成されて
いる限り特に制限がない。
【0021】この発明の方法に使用することのできる成
形型としては、たとえば、特公平3−58524号公報
および特公平3−58525号公報に記載された成形型
を使用することができる。また、これらの公報に記載さ
れた成形型に基づいて案出されたところの、図1に示す
ような成形型も使用することができる。図1に示す成形
型1は、表から裏へと貫通した長方形の開口部2を有す
る板状枠体3と、この板状枠体3を収納することができ
る柔軟性部材で形成された袋体4とを備え、前記板状枠
体3の短手辺には外表面から前記開口部内に貫通する貫
通穴5が設けられ、前記袋体4には前記貫通穴5に対応
する排気口6が設けられ、また前記板状枠体3とを入れ
るための大開口部(図示せず。)が設けられている。
【0022】この成形型1には、次のようにして成形前
駆体が収納される。すなわち、前記袋体4から取り出さ
れている板状枠体3の下面にこの板状枠体3と同じ平面
積を有するたとえば薄板(図示せず。)を差し込む。こ
の薄板を板状枠体3の下面に差し込むことによって、開
口部2に底面が形成される。底面を有する開口部2内に
セラミックグリーンシート7を一枚一枚と重ねて収容し
て行く。開口部2内に所定枚数のセラミックグリーンシ
ート7が収容された後に、薄板ごとこの板状枠体3を前
記袋体4の大開口部(図示せず。)から袋体4内に挿入
する。この挿入に際して、板状枠体3に設けられている
貫通穴5が袋体4における排気口6に向かうように、板
状枠体3の挿入位置決めをするのが肝要である。次い
で、必要により前記薄板を袋体4内から引き出し、袋体
4内には、開口部2にセラミックグリーンシート7を収
容している板状枠体3が残るようにする。袋体4の大開
口部を適宜の手段によって気密に閉鎖する。
【0023】以上により、板状枠体3と袋体4とからな
り、板状枠体3における開口部2にセラミックグリーン
シート7が積層収容された密封体が形成される。
【0024】以上の説明から明らかなように、シート状
の成形前駆体を収容するのに十分な空間を備えた板状枠
体とこの板状枠体を気密に収容することができ、しかも
内部を高度に排気することのできる構造を有する袋体と
を備えてなる成形型は、たとえばグリーンシートなどの
シート状の成形前駆体を加圧成形するのに好適である。
この成形型においては、加圧成形時の圧力は、板状枠体
における開口部を覆蓋する袋体部分が柔軟性膜となっ
て、この柔軟性膜を介して圧力が内部のセラミックグリ
ーンシートに印加されることになる。
【0025】この発明に使用することのできる成形型の
他の態様を図2示す。
【0026】図2に示すように、他の態様である成形型
は、図1に示したような、表から裏へと貫通した長方形
の長方形の開口部12を有する板状枠体13とその開口
部12を閉鎖するように板状枠体13の裏側面を覆蓋す
る第1の柔軟性膜14aおよび表側面を覆蓋する第2の
柔軟性膜14bとからなり、前記板状枠体13には前記
開口部12および第1および第2の柔軟性膜14a,1
4bとで形成される空間内を排気するための排気口16
を備え、前記第1および第2の柔軟性膜14a,14b
は前記板状枠体13の辺に気密に貼着されてなる。
【0027】図2に示すような構造を有する成形型に次
のように成形前駆体が装着される。
【0028】すなわち、図2に示すように、成形型11
における板状枠体13の裏側面に第1の柔軟性膜14a
を、第1の柔軟性膜14aと板状枠体13との貼着面に
隙間が生じないように、完全に貼着する。その結果、板
状枠体13における開口部12には第1の柔軟性膜14
aによる底面が形成される。次いで、板状枠体13にお
ける開口部12内にシート状の成形前駆体17を、開口
部12一杯に装填する。板状枠体13の上側面に第2の
柔軟性膜14bを、板状枠体13と第2の柔軟性膜14
bとの貼着面に隙間が生じないように、完全に貼着す
る。その結果、開口部12内に成形前駆体17が気密に
封止される。封止は柔軟性膜14a,14bを外側から
押さえ具(図示せず。)で押さえつけることにより行わ
れる。またその外側を薄いフィルムにより排気口16を
残して気密に包装して行うこともできる。この成形型1
1においても、加圧成形時の圧力は、板状枠体13にお
ける開口部12を覆蓋する第1および第2の柔軟性膜1
4a,14bを介して圧力が内部の成形前駆体17に印
加されることになる。
【0029】この発明に使用することのできる成形型の
他の態様を図3に示す。
【0030】図3に示される成形型21は、複数枚のシ
ート状の成形前駆体22を収容することのできる凹陥部
23を形成してなる基体24と、前記凹陥部23の底面
に配置され、その底面を液密に覆蓋する第1の柔軟性膜
25と、前記凹陥部23の上部開口部を液密に覆蓋する
第2の柔軟性膜26と、前記第2の柔軟性膜26を介し
て前記凹陥部23の上部開口部を覆蓋する蓋体27と、
前記基体24に設けられ、前記凹陥部23の底面と第1
の柔軟性膜25との間に圧力流体を導入する第1圧力流
体導入流路28と、前記第2の柔軟性膜26に圧力を印
加する圧力流体を導入する第2圧力流体導入流路29
と、前記凹陥部23内の第1の柔軟性膜25と蓋体27
との間にある凹陥部23の内壁面に開口する開口部30
から凹陥部23内のエアーを排気するエアー排気流路3
1とを備えてなる。
【0031】この成形型を使用する加圧成形方法につい
ては後述する。
【0032】この発明に使用することのできる成形型の
他の態様として、『強化プラスチック技術協会編、「強
化プラスチックハンドブック」、第201頁第1行から
第13行、および図6・64、日刊工業新聞社発行』に
記載された成形型を挙げることができる。
【0033】この成形型は、石膏、FRPあるいは板金
などで形成された雌雄いずれかの型と、その型の表面を
覆蓋する柔軟性膜と、この柔軟性膜と前記型との間の空
間を排気する排気口とを有する。
【0034】この成形型には、次のようにして成形前駆
体が装着される。すなわち、前記雌雄いずれかの型の表
面に成形前駆体が配置され、成形前駆体よりも大きな面
積を有する軟性膜で成形前駆体を覆蓋し、柔軟性膜の端
部を気密にクランプし、次いで排気口から排気する。
【0035】この発明に使用することのできる成形型の
他の態様として、『林毅編、「複合材料工学」、第31
1頁における図6.41、第312頁第2行から第8
行、日科技連出版社発行、1979年4月20日第7刷
発行』に記載された成形型を挙げることができる。
【0036】この成形型は、所定の形状に整えられた成
形前駆体を配置する凹部を有する金型と、その凹部に嵌
め込む柔軟部材たとえばシリコーンゴム製の押さえ板
と、前記金型全体を収容する柔軟性膜の袋体とを有す
る。
【0037】この成形型には、次のようにして成形前駆
体が装着される。すなわち、前記金型の凹部に所定形状
の成形前駆体を所定枚数ないし予定個数配置し、その上
に押さえ板を配置し、押さえ板を装着してなる金型全体
を柔軟性膜の袋体内に収容する。
【0038】以上に説明した成形型は、主としてシート
状ないしフィルム状の成形前駆体を加圧成形するのに好
適であり、成形前駆体が粉体、粒状体等であるときには
次に説明する成形型が好適である。
【0039】粉体等を成形するのに好適な一例としての
成形型は、耐圧製の圧力容器の円筒形内部空間に配置さ
れたところの、金属円筒状金網体もしくは周面に多数の
貫通孔を備えた金属円筒体の上下に配置された蓋体と、
前記金属円筒状金網体もしくは前記金属円筒体の内側に
配置された円筒状の柔軟性膜とを備え、前記上下一対の
蓋体の内いずれかまたは両方の蓋体には排気口が設けら
れ、前記圧力容器には、円筒形内部空間内に圧力媒体を
圧入する圧力媒体導入手段が設けられている。
【0040】この成形型においては、前記蓋体と前記柔
軟性膜とで形成される円筒状空間内に粉状体もしくは粒
状体の成形前駆体が装填される。
【0041】−加圧成形方法− この発明の加圧成形方法においては、非通気性の柔軟性
膜および排気口を備えてなる成形型内に成形前駆体を収
容し、前記成形型内を減圧下に維持し、圧力変動を有す
る加圧流体で前記柔軟性膜を介して前記成形前駆体を加
圧する。
【0042】この発明において、重要なことは前述のよ
うに、成形型内を減圧下に維持しつつ、前記柔軟性膜を
介して前記成形前駆体に圧力変動を有する加圧流体で加
圧することである。圧力変動なしに一方的に加圧する
と、成形型内に連通する排気口や排気配管が閉塞される
ことがあるのに対し、柔軟性膜に印加される加圧力に変
動を生じさせると、低圧時には閉塞が解除され、継続的
に閉塞されることがなくなり、成形前駆体の加圧成型に
よりたとえば気体が発生したとしても成形型に設けられ
ている排気口が閉塞されるのが防止され、前記気体が完
全に排気されて、ボイドや割れ、気泡のない成形体を得
ることができる。
【0043】加圧成形時には、成形前駆体を加熱するの
が好ましい。その加熱温度としては成型前駆体の種類に
応じて相違しており、たとえばセラミックグリーンシー
トについては通常70〜140℃、好ましくは80〜9
0℃であり、通常のエポキシ系プリプレグについては通
常120〜180℃であり、室温硬化型プリプレグにつ
いては通常20〜80℃であり、未硬化樹脂含有のセラ
ミック補強セラミックプリプレグすなわち補強繊維、セ
ラミックス粒子、未硬化樹脂、硬化剤および溶剤などか
らなるプリプレグについては通常150〜220℃であ
り、セラミック粉体については室温から140℃であ
り、熱可塑性樹脂プリプレグについては樹脂の流動温度
以上である。
【0044】加熱時間としては、成形前駆体がプリプレ
グである場合に、加圧下でBステージの樹脂を硬化させ
るために30分以上の加熱時間を要することがある。ま
た、成形前駆体が熱可塑性樹脂のプリプレグであるとき
には、30分よりも更に短い加熱時間であっても良いこ
とがある。
【0045】加圧成形時の成形型内の排気減圧度として
は、減圧度の高い程好ましく、セラミックグリーンシー
トやセラミック粉体では1Torr以下、好ましくは
0.1Torr以下であるが、流動性の高いプリプレグ
ではそれほど高真空にする必要はなく、少なくとも20
Torr以下、好ましくは5Torr以下である。
【0046】成形時の流体圧力は未硬化樹脂を含むプリ
プレグでは1〜5気圧、通常1.5〜3気圧であり、セ
ラミックグリーンシートでは200〜2,000気圧、
好ましくは350〜400気圧であり、セラミック粉体
では500〜5,000気圧、好ましくは1,000〜
4,200気圧である。熱可塑性樹脂プリプレグでは温
度によって異なり、高温ではさほど高圧を要しないが、
流動温度に近い程高圧が必要になる。しかし10気圧ま
でで十分である。
【0047】未硬化樹脂を含むプリプレグでは硬化する
まで30分以上の加熱と加圧とを継続するのが通常であ
る。その外では3〜30分の範囲内であり、通常、セラ
ミック粉体では約10分、グリーンシートでは約20分
である。
【0048】加圧成形時の圧力変動としては、成形型内
の圧力が所定の減圧度に達し、かつ成形型に印加する圧
力が所定の圧力に達してから、所定期間毎に所定の降圧
を行い、所定の加圧と所定の降圧とを所定回数繰り返す
ことを挙げることができる。また、柔軟性膜に印加する
圧力が所定の高圧力に到達してから所定時間その圧力に
維持し、次いでその印加圧力を所定の圧力に降圧し、降
圧した圧力のまま所定時間保持するようにしても良い。
【0049】降圧時の流体圧力としては成形型内圧力以
上であってそれよりも高い2気圧以下の圧力であり、好
ましくは成形型内圧力以上であってそれよりも高い1気
圧以下の圧力である。もっとも、通常は降圧時の流体圧
力を常圧に戻している。また、成形型内圧力と同じかそ
れ以下にするのは避けるべきである。シール効果が破壊
されることがあるからである。
【0050】加圧成形時の圧力低減時間としては、通常
1〜2分である。
【0051】成形型に印加する圧力は、通常、加圧流体
により行われる。
【0052】次に加圧成形の種々の態様について説明す
る。
【0053】たとえば図1に示す構造の成形型を用いる
ときには、静水圧プレス装置を用いて加圧成形をするの
が好ましい。図1に示すように、複数枚のセラミックグ
リーンシートを積層状態で開口部に収容してなる成形型
を静水圧プレス装置における加圧室内に収容する。ここ
で、この静水圧プレス装置は、たとえば耐圧容器内に設
けられた加圧室と、この加圧室内に収容された成形型に
おける排気口に連絡して成形型内を減圧にする減圧手段
と、この加圧室内に圧力媒体を導入するところの、たと
えば、加圧室内に開口する圧力媒体導入口、その圧力媒
体導入口に連続する圧力媒体導入路、その圧力媒体導入
路内に圧力媒体を供給する圧力媒体供給ポンプなどから
なる圧力媒体導入手段とを備える。このような静水圧プ
レス装置における加圧室内に前記成形型を収容し、成形
型における排気口を前記減圧手段に接続する。そして、
加圧室内の成形型における開口部内を前記排気手段によ
り減圧にすると共に、圧力媒体導入手段により前記加圧
室内に圧力媒体を導入する。加圧室内を所定の高圧力に
到達させ、また成形型内を所定の減圧に到達させてか
ら、所定時間の経過後に、前記圧力を硬化させ、圧力を
硬化させた状態でさらに元の降圧に戻し、このような圧
力降下を所定回数繰り返す。この加圧成形時に、必要が
あれば、セラミックグリーンシートを所定の温度に加熱
するのも良い。加圧成形時には、柔軟性膜で形成された
袋体を介して加圧流体による高圧力がセラミックグリー
ンシートに印加され、成形体が形成される。この加圧成
形時にセラミックグリーンシート内でガスが発生したと
しても、前記圧力降下を繰り返すことにより、その発生
ガスが排気口から排気される。
【0054】所定時間の経過後に加圧室内の圧力媒体を
排出し、成形体内の減圧を常圧に戻すことによって、加
圧成形操作を終了する。
【0055】図2に示す成形型についても前記静水圧プ
レス装置を使用して加圧成形を行うことができる。この
場合、図2に示す成形型においては、第1の柔軟性膜お
よび第2の柔軟性膜を介して成形前駆体に加圧力が印加
される。
【0056】図3に示す成形型においては、基体24に
おける凹陥部23内の第1の柔軟性膜25上にシート状
の複数枚の成形前駆体22を重ねて配置する。多数の成
形前駆体22を収容した凹陥部23の上方開口部を第2
の柔軟性膜26で覆蓋する。第2の柔軟性膜26で覆蓋
された凹陥部23における上部開口部を、さらに蓋体2
7で覆蓋する。この蓋体27を固定部材32で固定す
る。この固定部材32による固定は、成形前駆体22た
とえばグリーンシートの加圧成形時に蓋体27が上部開
口部から突出するのを阻止するように、固定部材32で
蓋体27を基体に固定する、あるいは蓋体27の上端面
に固定部材32を配置するなどにより、実現することが
できる。
【0057】次いで、エアー排気流路31から凹陥部2
3内のエアーを排気して、凹陥部23内を高度の減圧状
態にする。このエアーの排気と同時に、あるいはエアー
の排気を完了してから、次のようにして成形前駆体22
の加圧成形を行う。
【0058】すなわち、第1圧力流体導入流路28によ
り第1の柔軟性膜25と凹陥部23の底面との間に圧力
流体を圧入し、第2圧力流体導入流路29により第2の
柔軟性膜26と蓋体27との間に圧力流体を圧入する。
これによって、第1の柔軟性膜25および第2の柔軟性
膜26を介して、導入された圧力流体による加圧力が、
積層された複数枚の成形前駆体22に印加され、複数枚
の成形前駆体22が一体化する。このとき、積み重ねら
れた複数枚の成形前駆体22には、固定部材32により
蓋体27が固定されているので、第1の柔軟性膜25と
第2の柔軟性膜26とによって互いに向き合うベクトル
方向の加圧力が作用する。
【0059】圧力流体による加圧成形に際し、所定間隔
毎に降圧を繰り返して圧力流体による加圧変動を生じさ
せる。所定時間の加圧成形が終了してから、蓋体27と
第2の柔軟性膜26との間の加圧流体による圧力を常圧
に戻すのと同時に、基体における凹陥部23の底面と第
1の柔軟性膜25との加圧流体による圧力を常圧に戻
す。固定部材32による蓋体27の固定を解除し、蓋体
27を凹陥部23の上部開口部から取り外す。第1圧力
流体導入流路28により、第1の柔軟性膜25と凹陥部
23の底面との間に圧力流体を圧入することにより、成
形体であるセラミックス積層体を凹陥部23から押し出
す。押し出されたセラミックス積層体を凹陥部23から
取り出す。
【0060】粉体等の成形前駆体を加圧成形する場合に
おいても、本質的には、成形型内を所定の減圧にすると
共に柔軟性膜を介して成形型内の成形前駆体に圧力を印
加し、その印加している圧力に変動を与えることによ
り、この発明の方法の加圧成形を行うことができる。
【0061】この発明の加圧成形方法は、図4に示す加
圧成形装置を使用して実施することもできる。
【0062】図4に示す加圧成形装置50は、水平断面
円形の耐圧性の筒状体51と、この筒状体51の下部開
口部に嵌合可能な突出部52を備えた端栓部材53と、
前記筒状体51の上部開口部に搭載され、かつ前記筒状
体の水平断面円形の開口部と同じ大きさの開口部を下面
に有する覆蓋部材54とからなる圧力容器本体55と、
この圧力容器本体55を収容して加圧成形時に前記端栓
部材53の下方移動を規制すると同時に前記覆蓋部材の
上方移動を規制する開口部を備えてなる固定部材56と
を備える。
【0063】前記覆蓋部材54を搭載した前記筒状体5
1の上部開口部には、非通気性の柔軟性膜57が張設さ
れている。そして、前記覆蓋部材54の開口部内の内周
面あるいは開口部内における前記柔軟性膜57に向かう
面に、圧力媒体を導入し、あるいは排出するための圧力
媒体通路58が開口している。この圧力媒体通路58か
らこの覆蓋部材54の開口部内に圧力媒体が圧入され
る。この覆蓋部材54の開口部および柔軟性膜57によ
り形成された閉鎖空間は、圧力媒体が前記圧力媒体通路
58から圧入されるので、圧力媒体収容空間59でもあ
る。
【0064】この覆蓋部材54と筒状体51とは、通常
一体に結合される。また、一体に結合された覆蓋部材5
4と筒状体51とは、上下動あるいは水平移動をするこ
とがなく、固定状態に維持されている。
【0065】筒状体51の下部開口部に突出部52が嵌
合された場合に、筒状体51内におけるこの突出部52
と前記柔軟性膜57とで挟まれた空間に成形前駆体60
が収容される。したがって、前記柔軟性膜57とこの突
出部52とにより挟まれた筒状体の内部空間は、成形前
駆体収容空間61を形成する。
【0066】この突出部52の周面には、図示してはい
ないが、Oリングが嵌着されていて、下部開口部に嵌合
した突出部52の液密性が確保されている。また、この
突出部52の周面であって前記Oリングが嵌着された位
置よりも上方の適宜位置に、前記成形前駆体収容空間6
1内の気体を排気し、あるいは気体を圧入する気体導入
排出路62が開口している。突出部52が筒状体51の
下方開口部に嵌合しているとは言っても、突出部52の
周面と筒状体51の内周面とには極めてわずかのクリア
ランスが存在するので、突出部52の周面に気体導入排
出路62が開口していても、成形前駆体収容空間61内
の気体を十分に排気し、あるいは気体を圧入することが
できる。この気体導入排出路62が開口する開口部がこ
の発明における排気口である。
【0067】この端栓部材53は、図示しない駆動手段
により上下動可能および水平移動可能に形成されてい
る。例えばこの端栓部材53は、その突出部52が筒状
体の下方開口部に嵌合している状態から、端栓部材53
が下降することにより下部開口部の下方の適宜位置に配
置された状態に移動し、更に水平移動をすることにより
端栓部材53が筒状体の下方開口部から退避した状態に
移動することができるようになっている。
【0068】一方、前記固定部材56は、この圧力容器
本体55の上面すなわち覆蓋部材54の上面に接する下
面を有する上部水平部材56Aおよびこの圧力容器本体
55の下面すなわち端栓部材53の下面に接する上面を
有する下部水平部材56Bとを備えて、圧力容器本体5
5を収容する作用開口部63を有する。この固定部材5
6は水平移動可能になっていて、作用開口部63に圧力
容器本体55を収容し、あるいは作用開口部63が圧力
容器本体55から退避した位置に待機することができる
ようになっている。
【0069】この加圧成形装置50を使用する加圧成形
方法について説明する。初期状態としては、固定部材5
6が圧力容器本体55から退避した位置に待機してい
る。また端栓部材53が筒状体51の下方開口部から退
避した位置に待機している。
【0070】この状態で突出部52の上面に成形前駆体
60を配置する。端栓部材53を水平に回動し、突出部
52が筒状体51の下方開口部の真下に位置すると、端
栓部材53を上昇させて、突出部52を筒状体51の下
方開口部内に嵌合させる。
【0071】この突出部52を下方開口部内に嵌合する
際に、前記気体導入排出路62を介して成形前駆体収容
空間61内を減圧にすると、突出部52の下方開口部内
への嵌合が迅速に行われる(瞬時に嵌合が行われると言
っても良い。)。突出部52が下方開口部内に嵌合した
後、固定部材56が水平移動して、その作用開口部63
内に圧力容器本体55を収容する。
【0072】次いで、圧力媒体通路58から圧力媒体収
容空間59内に圧力媒体が圧入される。圧力媒体の圧入
により柔軟性膜57を介して圧力が成形前駆体60に印
加される。圧力媒体による圧力は、前記端栓部材53を
下方に押し下げる力となって端栓部材53に作用する
が、端栓部材53は固定部材56における下方水平部材
56Bにより規制されているので端栓部材53は下方に
下降することができず、一方端栓部材53が下降不可能
であるから圧力媒体による圧力は覆蓋部材54を上昇さ
せる力となって作用するが、覆蓋部材54は上昇不可能
に固定部材56の上方水平部材56Aに規制されている
ので覆蓋部材54は上昇することができない。その結
果、柔軟性膜57と突出部52の上面とで成形前駆体6
0は高圧に加圧される。
【0073】また、前記気体導入排出路62を介して成
形前駆体収容空間61内の気体を排気することにより、
成形前駆体収容空間61内を高減圧にする。
【0074】そして、前記圧力媒体収容空間内に圧入さ
れている圧力媒体を圧力媒体通路58から排出したりあ
るいは圧入したりすることにより、圧力媒体による圧力
を変動させる。この圧力変動の態様としては既に述べた
とおりである。
【0075】所定時間をかけて圧力媒体による加圧と成
形前駆体収容空間61内の減圧とを維持した後に、気体
導入排出路62を介して成形前駆体収容空間61内に気
体を導入して常圧に戻すと共に、圧力媒体収容空間59
内に圧入されている圧力媒体を圧力媒体通路58を介し
て排出して加圧力を除去する。
【0076】これによって圧力媒体による加圧力が実質
的に0となった状態で、前記固定部材56を水平移動さ
せて作用空間63から圧力容器本体55を退避させる。
【0077】気体導入排出路62を通じて成形前駆体収
容空間61内に気体を圧入しつつ、図示しない駆動手段
を駆動することにより、端栓部材53を下降させて突出
部52を下方開口部から引き抜く。このとき成形前駆体
収容空間61内に気体を圧入するので、突出部52の下
方開口部からの引き抜きが非常に円滑かつ迅速に行われ
る。
【0078】また、好ましくは、突出部52を下方開口
部から引き抜く際に、成形前駆体収容空間61内に気体
を圧入すると共に、圧力媒体収容空間59内の圧力媒体
を圧力媒体通路58を介して吸引除去する。つまり成形
前駆体収容空間61内を加圧状態にすると共に圧力媒体
収容空間59内を減圧にする。この加圧状態と減圧状態
とで、加圧成形時に成形前駆体収容空間61側に膨満し
ていた柔軟性膜57が元の状態に押し戻される。その結
果、柔軟性膜57が元の平らな状態に戻るので、次の加
圧成形にそのまま着手することができる。しかも、突出
部52が筒状体51の下方開口部から引き抜かれる際
に、柔軟性膜57が引張力により破損することもない。
【0079】図4に示す加圧成形装置は、端栓部材53
が筒状体51の下方開口部に装着され、筒状体51の上
方開口部に覆蓋部材54が結合されているが、図4に示
す加圧成形装置の変形例として、筒状体51の上方開口
部に端栓部材53が装着され、筒状体51の下方開口部
に覆蓋部材54が結合されてなる構造の加圧成形装置を
挙げることができる。つまり、図4に示す加圧成形装置
の天地を逆転した状態である加圧成形装置を、変形例と
して挙げることができる。この変形例としての加圧成形
装置は、図3に示す加圧成形装置の作用効果と同じ作用
効果を奏することができる。
【0080】また加圧成形装置としては前記静水圧プレ
ス装置の外に、たとえば『「粉体成形ハンドブック」、
日本粉体工業技術研究会編』に記載されたラバープレス
装置などを使用することができる。
【0081】上記の説明においては、簡単のために型の
周囲が平面のもののみを示したが、曲面であっても本発
明を有効に適用することができ、欠陥のない球状成形
体、ドーム状成形体、格子状成形体、パイプ状成形体、
ネジレ面状成形体などを成形することができる。
【0082】−成形体− この発明の方法によると、成形型の構造により様々の成
形体が製造される。この発明の方法により製造される成
形体としては、セラミックコンデンサ、航空機用大型レ
ーダードーム、その他の航空機部品、潜水艦用レーダー
ドーム、潜水艦用ソナードーム、ICパッケージ、バル
ブ弁体、ポンプインペラ、タービンブレード、ジェット
エンジン排気口プラグ、炉の材料などを挙げることがで
きる。また公知のFRP成形体もこの発明の方法により
成形することができる。
【0083】
【実施例】その表面の一部に内部電極を形成してなるセ
ラミックグリーンシート(140mm×140mm×2
mm)すなわち成形前駆体22を100枚積層してなる
積層体を、図3に示す構造を有する成形型21における
凹陥部23に装填した。なお、この実施例においては、
図3における凹陥部23はその水平断面が140mm×
140mmの正方形をなし、その深さは10mmであ
り、このような凹陥部23が1個基体24に設けられて
いる。
【0084】前記凹陥部23に前記積層体を装填した
後、第2の柔軟性膜26で凹陥部23の開口部を閉鎖
し、蓋体27を基体開口部に装着した。基体24および
蓋体27からなるプレス装置本体をフレームヨークすな
わち固定部材32の開口部に位置させた。
【0085】次いで、エアー排気流路31から凹陥部2
3内が0.1Torrになるまで排気し、その後排気操
作を停止したが凹陥部23内が前記減圧度に維持される
ようにした。このような状態下で、第1圧力流体導入流
路28および第2圧力流体導入流路29を介して80℃
の圧力流体を圧入して第1の柔軟性膜25および第2の
柔軟性膜26に300気圧の圧力を印加した。圧力媒体
による圧力を300気圧に15分間維持し、その後に加
圧を解除して加圧成形品(以下、1サイクル加圧成形品
と称する。)を得た。このときの加圧と減圧とのサイク
ルとしては1サイクルである。
【0086】また別に、上記と全く同様にして加圧と減
圧を2サイクル繰り返して、加圧成形品(以下、2サイ
クル加圧成形品と称する。)を取り出し、又別個に、上
記と全く同様にして加圧と減圧を3サイクル繰り返し
て、加圧成形品(以下、3サイクル加圧成形品と称す
る。)を取り出した。
【0087】前記のようにして2個の1サイクル加圧成
形品、2個の2サイクル加圧成形品および2個の3サイ
クル加圧成形品それぞれを約5mm□の製品に切り分け
て100個のサンプルを取り、焼成炉で450℃に3日
間焼成し、その後に1,300℃で4時間焼成した。各
サンプルの積層断面を光学顕微鏡で層間の亀裂の有無を
調べた。亀裂が1箇所でもあればその積層物は不良品で
あると評価した。
【0088】1サイクル加圧成形品についてはサンプル
100個中19個の不良品があり、2サイクル加圧成形
品についてはサンプル100個中7個の不良品があり、
3サイクル加圧成形品についてはサンプル100個中2
個の不良品があった。これらの結果から、成形前駆体を
加圧成形する際に加圧と減圧とを繰り返すことにより、
つまり加圧成形に際して圧力変動を起こさせると不良品
発生を防止して歩留り良く製品を製造することができた
ことが理解される。
【0089】
【発明の効果】この発明によると、加圧成形に際し成形
前駆体から、あるいは結合剤などからガスが発生すると
しても、気泡や亀裂のない加圧成形品を製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の方法に使用される一例として
の成形型を示す一部切欠斜視図である。
【図2】図2はこの発明の方法に使用される一例として
の成形型を示す断面図である。
【図3】図3はこの発明の方法に使用される一例として
の加圧成形装置を示す説明図である。
【図4】図4はこの発明の方法に使用される一例として
の加圧成形装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・成形型、2・・・開口部、3・・・板状枠体、
4・・・袋体、5・・・貫通穴、6・・・排気口、7・
・・セラミックグリーンシート、11・・・成形型、1
2・・・開口部、13・・・板状枠体、14a・・・第
1の柔軟性膜、14b・・・第2の柔軟性膜、16・・
・排気口、17・・・成形前駆体、21・・・成形型、
22・・・成形前駆体、23・・・凹陥部、24・・・
基体、25・・・第1の柔軟性膜、26・・・第2の柔
軟性膜、27・・・蓋体、28・・第1圧力流体導入流
路、29・・・第2圧力流体導入流路、30・・・開口
部、31・・・エアー排気流路、32・・・固定部材、
50・・・加圧成形装置、51・・・筒状体、52・・
・突出部、53・・・端栓部材、54・・・覆蓋部材、
55・・・圧力容器本体、56・・・固定部材、57・
・・柔軟性膜、58・・・圧力媒体通路、59・・・圧
力媒体収容空間、60・・・成形前駆体、61・・・成
形前駆体収容空間、62・・・気体導入排出路、63・
・・作用開口部。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B30B 11/00 B 8824−4E C04B 35/622 // B29K 103:00 105:06 (72)発明者 松野 久雄 東京都渋谷区恵比寿3−43−2 日機装株 式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非通気性の柔軟性膜および排気口を備え
    てなる成形型内に成形前駆体を収容し、前記成形型内を
    減圧下に維持し、圧力変動を有する加圧流体で前記柔軟
    性膜を介して前記成形前駆体を加圧することを特徴とす
    る成形前駆体の加圧成形方法。
  2. 【請求項2】 前記加圧流体における圧力変動の最低圧
    力値が大気圧以下である前記請求項1に記載の成形前駆
    体の加圧成形方法。
  3. 【請求項3】 前記加圧流体が液体である前記請求項1
    または2に記載の成形前駆体の加圧成形方法。
  4. 【請求項4】 前記成形前駆体がセラミックグリーンシ
    ートである前記請求項1〜3のいずれかに記載の成形前
    駆体の加圧成形方法。
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