JPH07170886A - 塩味がつき体色が改善されたエビ類、その加熱処理物およびそれらの冷凍品 - Google Patents

塩味がつき体色が改善されたエビ類、その加熱処理物およびそれらの冷凍品

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JPH07170886A
JPH07170886A JP6176235A JP17623594A JPH07170886A JP H07170886 A JPH07170886 A JP H07170886A JP 6176235 A JP6176235 A JP 6176235A JP 17623594 A JP17623594 A JP 17623594A JP H07170886 A JPH07170886 A JP H07170886A
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JP6176235A
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Shinichi Ota
信一 太田
Akira Takeshita
朗 竹下
Toru Mori
徹 森
Masaaki Sugimoto
昌明 杉本
Itaru Shiotani
格 塩谷
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Nissui Corp
Original Assignee
Nippon Suisan Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 塩味と呈味成分高含量とで相乗的に呈味が改
善され筋肉および改善された体色を有する蓄養殖エビ
類、特にブラックタイガー。塩分含量は好ましくは1.
2重量%ないし1.5重量%の範囲である。濃厚な体色
を呈し、かつ、顎脚2、胸脚3、腹肢4、甲殻5、触角
6のうち少なくとも1カ所、あるいは任意の2カ所以上
が赤い色を呈する。殻部および/または筋膜の加熱によ
るカロチノイド系赤色の発色が顕著に良い。塩味がつい
た筋肉は、そのエキス成分中のうちグリシン、アラニ
ン、グルタミン酸、プロリン、トレオニン、セリンのい
ずれか一種以上が向上しており、そのエキス成分量が天
然ものよりも高く、かつ、その食感が向上している。背
腸7の内容物が除去されている。 【効果】 塩味と呈味成分の含量が高いため味がよく
て、しかも赤くてきれいな、背腸がないブラックタイガ
ーを、生きたもの、生鮮品、加熱処理品、冷凍品の形で
提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩味がつき体色が改善
された蓄養殖エビ類、特にブラックタイガーに関する。
本発明は、塩味がついた筋肉と改善された体色を有する
蓄養殖エビ類に関する。本発明は、塩味と呈味成分高含
量とで相乗的に呈味が改善された筋肉および改善された
体色を有する蓄養殖エビ類に関する。本発明は、塩味と
呈味成分高含量とで相乗的に呈味が改善され筋肉および
改善された体色を有し、かつ、消化管内容物が除去され
ている蓄養殖エビ類に関する。本発明は、上記蓄養殖エ
ビ類の、生きたそのもの、生鮮品、加熱処理品、冷凍品
の形に関する。
【0002】本発明においては、以下の用語は次のよう
な意味で使用する。「蓄養殖」とは、一定の水域で水産
生物の繁殖と成長を図り、生産者に利益がもたらされる
段階まで育成したり、あるいは出荷段階の水産生物を短
期間生かした状態で一定の水域に収容することを意味す
る。したがって、蓄養殖の甲殻類は、天然産甲殻類であ
っても収穫後任意の段階で短期間生かした状態で一定の
水域に収容したものを包含する。「天然もの」とは、一
般に天然ものは、産地、季節および生理条件によりその
呈味成分量に大きな変化があるので、100%海水に順
応したものをいう。したがって、例えば筋肉の塩分含量
の場合、天然ものとは、100%海水に順応した際の塩
分含量を意味する。
【0003】
【従来の技術】一般に、クルマエビ、タイショウエビ、
ボタンエビ、イセエビ等は程よい風味とテクスチャーを
持ち、高級種として知られているが、近年これら高級種
に加えて、本格化されたエビ養殖の急速な発展により、
ブラックタイガー等の輸入種が市場に流通するようにな
り一般消費者にも安価にエビを入手することが可能とな
った。
【0004】台湾から始まったブラックタイガー養殖
は、今日では東南アジア各国に普及し、養殖ブラックタ
イガーは東南アジアから多くの水産会社、商社により大
量に輸入販売されるようになり、日本国内の量販店で
「ブラックタイガー」と表示されるほど馴染み深いエビ
に成長している。輸入された東南アジア産ブラックタイ
ガーは、クルマエビと同じくクルマエビ属(Penae
us)であり、ほとんどが養殖により生産されている。
養殖形態は国によって若干の違いはあるものの、素掘り
の養殖池を利用して集約的に行われている。これらは通
常20g〜40gの大きさまで育成された後出荷され、
現地の加工場で注水凍結品(1.8kg/1パック)に
加工され商品となる。養殖ブラックタイガーは加熱する
ことにより国産または外国産のクルマエビとほとんど見
分けがつかなくなるため、クルマエビの代替品としてエ
ビ天ぷら、エビフライ等の和食加工食品材料として使わ
れるほか、中華料理、西洋料理等の食材としてもよく用
いられている。
【0005】エビ類は、その独特の呈味については勿
論、その外観すなわち外形および色彩の美しさによって
衆人に好まれている。各種料理においてその美しさを飾
る朱、紅、赤縞などの彩りにはエビは欠かせないもので
ある。エビにおいてはカニと同様に色彩が大きな比重を
占めているが、生鮮な状態では青、紫、緑色に黄味を帯
びた色合いをしており、熱を加えることによって、はじ
めて美しい赤味を帯びてくる。カロチノイド系色素のア
スタキサンチンを主とするエビの色素がタンパク質とゆ
るく結合してさまざまな色合いになっており、加熱によ
って色素が抽出されて、カロチノイド本来の色である赤
色となるためであると言われている。一般に、エビの加
熱時の発色は体色の濃厚なもほど赤の発色が良い。その
ため、色も味もよいエビが強く求められている。
【0006】エビ類の呈味成分は、グリシン、アラニ
ン、グルタミン酸等の遊離アミノ酸や、5’−イノシン
酸のようなヌクレオチド(核酸関連物質)、乳酸、コハ
ク酸の様な有機酸およびベタインからなっている。これ
ら呈味を決定づけるエキス成分は、養殖種の場合、天然
種に比較して一般に少なく、その味は淡泊である。そこ
で、加工に際してはグリシン、アラニン等を配した調味
液に浸漬するなどの工夫がされているのが現状である。
クルマエビ属のエビについては高張液中で飼育して、肉
質へどのような影響があるかの研究報告(J.Agri
c.FoodChem.,33,1174−1177
(1985),NipopnSuisan Gakka
ishi,58,(6)1095−1102(199
2)等)が多数あるが,その中に、クルマエビは塩濃度
が高くなると体の細胞の中に海水を取り込み順応する性
質があり、塩濃度の決定には注意を要すると報告されて
おり、クルマエビの呈味をそれ以下にしない飼育方法に
目が向けられている。
【0007】現在輸入されているエビ類は、旨味、風味
を補うために寿司種として使用する場合、例えばブラッ
クタイガーの場合、調味液へ浸漬し風味を添加する方法
がしばしばとられているが、この方法で得られたエビは
人工的な旨味、風味であり本来ブラックタイガーが有し
ている味とは異なってしまう。また、ボイルされたブラ
ックタイガーでは煮汁中に呈味成分が溶出してしまい味
が薄くなってしまう。このようなことから、水産業界あ
るいは食品業界では以前から呈味がよく、味の濃いブラ
ックタイガーを強く望む声があった。しかしながら、ブ
ラックタイガーの可食部の呈味改善は前述した漬け込み
法以外になく、コスト高になってしまい、低コストの呈
味改良法の確立が待たれていた。また、外観が濃色で、
加熱時の発色が良いブラックタイガーが強く待ち望まれ
ている。
【0008】また、エビ類の背部にある消化管の背腸は
外観上好まれないばかりか、異味を有する内容物を含ん
でおり可能な限り除去しておきたいものである。しか
し、すべてのエビ類の背腸を加工前に除去するのは困難
である。低コストで消化管内容物の除去ができれば廉価
な美しいむき身が販売できるため、いわゆる背腸のない
エビが望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、外観と味が
よい蓄養殖エビ類、特にブラックタイガーを提供するた
めになされたものである。本発明は、塩味がついた筋肉
と改善された体色を有する蓄養殖エビ類の提供を目的と
する。本発明は、塩味と呈味成分高含量とで相乗的に呈
味が改善され筋肉および改善された体色を有する蓄養殖
エビ類の提供を目的とする。本発明は、塩味と呈味成分
高含量とで相乗的に呈味が改善され筋肉および改善され
た体色を有すし、かつ、いわゆる背腸がない蓄養殖エビ
類の提供を目的とする。本発明は、上記蓄養殖エビ類
を、生きたそのもの、生鮮品、加熱処理品、冷凍品の形
で提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】価格を大きく変えること
なく呈味と体色の改善されたエビ類を製造することで、
加工品原料として良質のエビ類、特にブラックタイガー
を安価に供給できることになる。ブラックタイガーの低
コストの呈味改良に関し前述のとおり要望も強い。そこ
で、本発明者らはブラックタイガーが、本来有している
独特な味を強く発現すべく研究を重ね、出荷直前のブラ
ックタイガーに一定の処理を施すことによりブラックタ
イガーの可食部の呈味に係わる特定のエキス成分のみの
増加を、簡便、かつ、低コストで行うことに成功し、可
食部の呈味の向上したブラックタイガーを得ることがで
きた。その際、エビの呈味が、適度な塩味と高い呈味成
分含量とで相乗的に改善されることを発見し、鋭意研究
をすすめ、併せて体色も改善されることを発見した。本
発明は、かかる知見に基づくものである。
【0011】エビの鮮度判定には多くの方法がとられて
いるが、大別すれば、五感判定、物理判定、微生物学的
判定、そして化学的判定である。具体的には形態、色
沢、香味、肉質、選別、グレーズの各項が一定以上の基
準を満たしていることが必要である。特に使用する水は
清浄なもので、かつエビの乾燥を防ぐためグレーズが十
分均一にされていることが望ましい。また、中心温度が
零下10度以下であること、内容重量が表示された重量
と一致していること、包装資材が衛生的なもので内容物
に損傷を与えない程度の強度を有していること、サイズ
その他の表示したものについては、内容物と合致してい
ること、異物の混入がないこと、腐敗程度の判定として
は、揮発性塩基窒素が検体100g中30mg以下であ
ること、その他アンモニア臭、トリメチルアミン臭、硫
化水素臭がないこと、細菌数(生菌数)が検体1g当た
り10万以下、大腸菌は100g当たり陰性であること
などが要求される。
【0012】水産物の市場価格は一般に鮮度に大きく左
右され、鮮度の良いものほど高価格で取り引きされる。
鮮度は経験的な判断に基づくものであるため、現在は鮮
度の客観的指標としてK値というものが導入されてお
り、簡易的に測定するキットも販売されている。K値は
経時的に変化していくATP関連化合物の組成比を測定
し、分解の程度、すなわち鮮度低下の程度を判定してい
る。 ただし、上記式中、ATPはアデノシン三燐酸、ADP
はアデノシン二燐酸、AMPはアデノシン二燐酸、IM
Pはイノシン酸、HxRヒポキサンチンリボース、Hx
はヒポキサンチンである。しかしながら鮮度判定の一つ
としてK値が化学的に定義されても、流通業者や消費者
はこれを利用することができないのが現状である。
【0013】鮮度の善し悪しは、漁獲後の経過時間やそ
の取扱方、あるいは流通形態に強く影響され、その差は
しばしば外観や筋肉の硬直度などに現れる。そこで、消
費者は水産物を購入する際に、肉眼で判断できる外観や
あるいは実際に指で触れ触感に頼って鮮度を確認してい
る。特に、肉眼による外観判別は、水産物購入の際には
重要で、例えば魚類であれば目に雲がかかっていないか
(一般に鮮度低下するほど白濁して来る)、エラが変色
していないか、鱗が脱落していないかなどを観察し、よ
り完壁な商品が高価格で流通している。
【0014】ブラックタイガーなどのエビでもやはり同
様で、鮮度が外観に現れ、鮮度の良いものほど筋肉に透
明感があり、甲殻に存在する色素帯が鮮明である。従っ
て、鮮度的にはまったく同等であっても外観の良いも
の、即ちエビ類にみられる色素帯が鮮明であるものほど
鮮度がよいように考えられ、消費者の購買意欲が強くな
る傾向にある。従って、いかにして高鮮度を維持し、か
つ、いかに色素帯を鮮明に保って流通するかが現在ブラ
ックタイガーを含む水産物に科せられた課題であるとい
える。また、エビ類の背部にあるいわゆる背腸は外観上
好まれないばかりか、異味を有する内容物を含んでおり
可能な限り除去しておきたいものである。しかし、すべ
てのエビ類の背腸を加工前に除去するのは困難であるた
め低コストで消化管内容物除去ができれば廉価な美しい
むき身が販売できる。
【0015】本発明は食用にすることができるいかなる
種類のエビ類も対象とする。エビ類はいずれのエビでも
よいが、好ましくはブラックタイガー(Penaeus
monodon)およびクルマエビ(Penaeus
japonicus)よりなる群から選ばれるクルマ
エビ属(Penaeus属)に属するエビである。ま
た、イセエビ属(Panulirus属)に属するエビ
も対象となる。イセエビ属に属するエビはイセエビ(P
anulirus japonicus)、カノコイセ
エビ(Panulirus longipes)、シマ
イセエビ(Panulirus penlicilla
tus)、ゴシキエビ(Panulirus vers
icolor)、シークローフィッシュ(Panuli
rus argus)、カリフォルニアイセエビ(Pa
nulirus interruptus)、ナンヨウ
イセエビ(Jasus lalandi)、ハコエビ
(Linuparus trigonus)、ウチワエ
ビ(Ibacus ciliatus)、ゾウリエビ
(Parribacus antarcticus)、
セミエビ(Scyllarides squeamos
us)およびコブセミエビ(Scyllarides
haani)が例示される。
【0016】本発明の、塩味と呈味成分高含量とで相乗
的に呈味が改善され筋肉および改善された体色を有する
蓄養殖エビ類は、それまでの棲息環境より高塩濃度の環
境水で飼育する工程を通過させることを特徴とする処理
を施すことにより得られる。例えば、一般の養殖池から
速やかに高塩濃度下のエビ類の棲息条件として比較的苛
酷な条件の飼育水に移行して飼育し、数時間の後速やか
に氷蔵じめして凍結することにより得られる。ただし氷
蔵じめ後、4時間以内に凍結工程を終了することが好ま
しく、それを越えると改善効果が低減することがある。
【0017】養殖ブラックタイガーは、一般に成長を早
めるために低濃度海水での養殖が採用されている。これ
らは天然のブラックタイガーに比べると格段に成長が早
いためである。しかし、天然のブラックタイガーに比べ
ると呈味でやや劣るとの評価があり、最近では成長が遅
く、生産性が劣る事に目をつぶっても100%海水で養
殖されるものが出てきた。本発明によれば、養殖そのも
のは成長の早い低濃度海水で行い、水揚直後に高塩濃度
海水で飼育することにより、成長は早く、かつ、呈味、
食感、色彩の面でも100%海水、又は天然種のものよ
り優れた品種のものを作ることができる。
【0018】以下、ブラックタイガーについて説明す
る。ブラックタイガーの棲息条件として比較的苛酷な条
件の飼育水は、それまでの棲息環境より高塩濃度の環境
水、またはそれまでの棲息環境より高塩濃度、かつ、高
水温の飼育水とすることもできる。また、段階的に塩分
濃度を高めた飼育水とすることもできる。ブラックタイ
ガーの棲息条件として比較的苛酷な条件の飼育水で飼育
する前に、それまでの棲息環境よりも低塩濃度の環境水
で飼育することで、ブラックタイガーの呈味と食感を効
果的に向上することができる。また、上記のそれまでの
棲息環境より高塩濃度の環境水で飼育する工程は活魚輸
送中に行うことができる。上記方法はエビ類の種類、目
的の製品、畜養殖の立地条件などにより最適な方法なら
びに条件が選択される。
【0019】ブラックタイガーの場合、具体的には、出
荷前に、85%〜150%海水塩濃度中、好ましくは1
05%〜135%海水塩濃度の環境水中で、または85
%〜150%海水塩濃度中、好ましくは105%〜13
5%海水塩濃度中、かつ、水温の20℃〜45℃、好ま
しくは25℃〜38℃の環境水中で、2時間〜24時
間、好ましくは3時間〜8時間飼育することにより得ら
れる。この工程を通過させるだけで、ブラックタイガー
の可食部の塩分とエキス成分中の少なくとも一つの、或
いは二つ以上の呈味成分の含有量を速やかに増加させ
る。可食部は、そのエキス成分の中のうち少なくともグ
リシン、アラニン、グルタミン酸、プロリン、トレオニ
ン、セリンのいずれかが向上し、かつ、食感が向上す
る。この工程により筋肉に塩味が適度に付与されるた
め、相乗効果により味が向上する。
【0020】上記の活魚輸送中に行う処理について説明
する。近年ブラックタイガーほとんどが養殖により生産
されている。養殖形態は国によって若干の違いはあるも
のの、素掘りの養殖池を利用して集約的に行われてい
る。これらは通常20g〜40gの大きさまで育成され
た後出荷され、現地の加工場で凍結品(1.8kg/1
パック)に加工され商品となる。そこで、養殖池から加
工場に養殖ブラックタイガーを生きたまま輸送する時間
を利用して、上記処理を行う。養殖池または畜養池は各
地に点在するし、対象とするブラックタイガーの生育状
況、最終製品の形態等により大きなバッチ処理よりもキ
メ細かな処理をしなくてはならない。加工場へ生きたま
まブラックタイガーを輸送する活魚輸送の時間を呈味と
食感の向上処理工程に有効に利用する。
【0021】活魚輸送車に投入される収穫直後の生きた
ブラックタイガーは、処理を受けながら生きた状態で目
的の加工場に届けられなければならない。限られた空間
の中でできるだけ大量のブラックタイガーを処理するこ
とが望ましいが、限度がある。環境水重量の50%以下
投入して飼育することが望ましい。すなわち、本発明は
活魚輸送車に高塩濃度、または高塩濃度かつ高水温の環
境水を積載し、ブラックタイガーを環境水重量の50%
以下、好ましくは6〜12%投入して飼育する工程を通
過させることを特徴とする呈味と食感の向上方法であ
る。
【0022】使用する活魚輸送車は、換水手段、曝気手
段、輸送中のブラックタイガーの動揺、振動防止手段を
設備する通常の活魚輸送車である。上記換水手段はアン
モニアの除去手段であり、初期ストレスによる汚染水の
除去のために設けた。吸排水用ポンプを搭載し、換水後
予め作っておいた塩水を輸送する。曝気手段は、水流が
循環する程度、過剰にならないように運転される。必要
に応じ酸素ボンベを搭載する。ブラックタイガーの目的
の製品、畜養殖の立地条件などにより最適な方法、条件
などが選択される。
【0023】また、本発明の、塩味と呈味成分高含量と
で相乗的に呈味が改善され筋肉および改善された体色を
有する蓄養殖エビ類は、通常の環境水の条件に戻して飼
育したりすると、上記効果は元に戻る。そのため、本発
明の、塩味と呈味成分高含量とで相乗的に呈味が改善さ
れ筋肉および改善された体色を有するブラックタイガー
を生きたまま包装する際、無機塩類も一緒に包装するこ
とにより、ブラックタイガーの棲息条件に適した条件に
戻して飼育したりすることがないようにするとよい。上
記無機塩類は、高張液をつくることができる無機塩類で
あれば何でもよいが、海水の成分である無機塩類である
ことが好ましい。例えば、塩化マグネシウム、塩化カル
シウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸マグネシウムを主成分とする無機塩類が用いら
れる。
【0024】本発明の塩味と呈味成分高含量とで相乗的
に呈味が改善され筋肉および改善された体色を有するブ
ラックタイガーは、冷凍品として市場に出すことができ
る。本発明の塩味と呈味成分高含量とで相乗的に呈味が
改善され筋肉および改善された体色を有するブラックタ
イガーは、そのまま普通に使用するだけで、可食部の塩
味と呈味と食感の向上した色のよいブラックタイガー
を、いわゆる食品素材として使用することができる。し
たがって、本発明の塩味と呈味成分高含量とで相乗的に
呈味が改善され筋肉および改善された体色を有するブラ
ックタイガーを直ちに茹でたり、揚げたり、焼いたりな
どの加熱処理をすると、もとにもどることがない。茹
物、揚げ物、焼き物などの加熱処理物を冷凍して保存す
ると、解凍により塩味と呈味成分高含量とで相乗的に呈
味が改善され筋肉および改善された体色を有するブラッ
クタイガーにもどすことができる。
【0025】加熱処理は通常の加熱処理手段が採用され
る。例えば茹でる手段としてはスチーム調理が好まし
い。可食部の塩味と呈味と食感の向上したブラックタイ
ガーは、茹でた後、殻と身の間に発生する白い凝結物が
減少し、表面がきれいな、かつ、筋膜のカロチノイド系
赤色の発色が顕著に良い茹で身が得られる。筋膜のカロ
チノイド系赤色の発色は赤縞も鮮やかに出現した美しい
ものである。例えば揚げ物は通常の油で揚げる手段を採
用する。揚げる条件などは目的とする製品に応じて適宜
選択される。可食部の塩味と呈味と食感の向上したブラ
ックタイガーは、揚げた後、殻と身の間に発生する白い
凝結物が減少し、表面がきれいな、かつ、筋膜のカロチ
ノイド系赤色の発色が顕著に良い揚げ物が得られる。
【0026】
【実施例】以下、実施例を示して発明の詳細を説明する
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0027】実施例1 125%海水、温度38℃処理による呈味成分及び食感
への影響を飼育試験で調べた。塩濃度85%海水塩濃
度、水温28℃の養殖場において出荷サイズ(体重25
g〜35g)となったブラックタイガーを水温38℃で
125%海水で24時間飼育し経時的に、生可食部筋肉
のエキス成分(遊離アミノ酸含量)の測定を行った。エ
キス成分は1%ピクリン酸にて抽出したものをアミノ酸
分析計で分析した。すなわち飼育後2h、4h、6h、
12h、24hに取り上げ、直ちに凍結した。ただし、
飼育水はヒーターで加温して38℃に設定し、天然塩を
加えて125%海水塩濃度に調節した。この飼育環境は
ブラックタイガーにとって比較的苛酷な条件であるが、
注意深くエビを取り扱えば減耗はかなり抑えることがで
きる。遊離アミノ酸含量の変化を図2〜図8に示した。
トータル量を図2に、グリシンを図3に、アラニンを図
4に、グルタミン酸を図5に、プロリンを図6に、セリ
ンを図7に、トレオニンを図8に示した。これらの結果
から、高温、高塩濃度飼育を4〜6hかけることにより
呈味の向上したブラックタイガーの得られることが分か
る。これらの結果から、海水飼育ブラックタイガーより
も遊離アミノ酸総量の高いブラックタイガーの得られる
ことが分かる。得られたブラックタイガーのスチーム加
熱可食部筋肉を、良く訓練されたパネラー10名により
官能試験をしたところ、甘み、旨み、テクスチャーにつ
いて全員が良好であると判定した。
【0028】実施例2 125%海水、温度35℃処理による呈味成分及び食感
への影響を飼育試験で調べた。塩濃度28‰(85%海
水塩濃度)、水温28℃の養殖場にて出荷サイズ(体重
25g〜35g)となったブラックタイガーを水温35
℃で125%海水で24時間飼育した後、生可食部筋肉
のエキス成分(遊離アミノ酸含量)の測定を行った。た
だし飼育水はヒーターで加温して35℃に設定し、天然
塩を加えて125%海水塩濃度に調節した。この飼育環
境はブラックタイガーにとって比較的苛酷な条件である
が、注意深くエビを取り扱えば減耗はかなり抑えること
ができる。呈味に関わるアミノ酸分析の結果を表2に示
した。比較のため無処理のブラックタイガーの分析結果
も併記した。
【0029】
【表2】
【0030】この結果から分かるように125%海水、
35℃による処理で総アミノ酸量,グルタミン酸,グリ
シン,アラニン,旨味,塩味,テクスチャーが増加する
ことが明らかとなった。得られたブラックタイガーのス
チーム加熱可食部筋肉を、良く訓練されたパネラー10
名により官能試験をした。即ち実施例2の方法で飼育し
たブラックタイガーと、比較のため無処理のブラックタ
イガーをスチーム加熱し、可食部筋肉の呈味、旨み、及
びテクスチャーを比較した。実施例2の方法で飼育した
ブラックタイガーについて、甘み、旨み、テクスチャー
について全員が無処理のものよりも良好であると判定し
た。
【0031】実施例3 塩濃度28‰(85%海水)、水温28℃の養殖場にお
いて出荷サイズ(体重25g〜35g)となったブラッ
クタイガーを棲息水温下で85%海水、100%海水、
125%海水、150%海水、175%海水、200%
海水でそれぞれ24時間(h)飼育した後、生可食部筋
肉のエキス成分(遊離アミノ酸含量)を測定した。ただ
し、ここで言う85%海水とは、ブラックタイガーのそ
れまでの棲息環境を指す。また、125%海水、150
%海水、175%海水、200%海水とはブラックタイ
ガーの棲息条件として比較的苛酷な条件を指し、ここで
は通常の海水(塩濃度33‰)に天然塩を加え、塩濃度
調節した海水を用いた。採肉後、エキス成分の分析を行
った。図9〜図11に上記飼育試験における生可食部筋
肉中の遊離アミノ酸含量の変動(μmol/g)を示
す。トータル量を図9に、グリシンを図10に、アラニ
ンを図11に示した。これらの図から明らかなように1
25%海水、150%海水、175%海水、200%海
水で24時間飼育したブラックタイガーの総アミノ酸量
は増加していた。しかし、実施例2で得られたブラック
タイガー(125%海水、35℃)の総アミノ酸量、グ
リシン量、アラニン量に比べると低い。高塩濃度飼育と
同時に高温度処理をかけることにより著しく呈味の改善
されたブラックタイガーが得られることが分かる。
【0032】実施例4 塩濃度を二段階に変えて飼育することによる呈味成分及
び食感への影響(28℃)を実験した。塩濃度85%海
水、水温28℃の養殖場において出荷サイズ(体重25
g〜35g)となったブラックタイガーを棲息水温下で
飼育水を85%海水から66%海水に移して24時間飼
育した後飼育水を66%海水から125%海水に濃度を
上げ更に24時間飼育してとりあげ凍結した後、生可食
部筋肉のエキス成分(遊離アミノ酸含量)の測定を行っ
た。その結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】表3から明らかなように、同一温度下では
一段階高塩濃度飼育よりも二段階高塩濃度飼育の方が総
アミノ酸量、グルタミン酸量、グリシン量、アラニン量
の点で呈味向上効果があったことが分かる。得られたブ
ラックタイガーのスチーム加熱可食部筋肉を、良く訓練
されたパネラー10名により官能試験をしたところ、甘
み、旨み、テクスチャーについて全員が良好であると判
定した。
【0035】実施例5 塩濃度が10‰(30%海水塩濃度)の養殖池から、ブ
ラックタイガー100kgを投網で漁獲し、50kgを
同塩濃度の飼育水に、残る50kgを41‰(125%
海水塩濃度)の飼育水に速やかに移行した。以下、前者
を無処理品、後者を処理品とする。6時間後、飼育水中
のブラックタイガーを砕氷中に速やかに移行し、3時間
以内に全てを注水凍結、あるいはIQFした。また、同
養殖池から漁獲したブラックタイガーを通常の方法で製
品にした物を対照とした。K値を測定して鮮度変化を調
べた。その結果を図12示した。この結果から、処理品
は無処理品に比べK値の上昇が遅く、鮮度低下が進みに
くいことが分かる。すなわち、この処理で高鮮度を維持
するブラックタイガーを流通できることが分かる。次
に、甲殻に存在する色素帯について、ミノルタ色彩色差
計を用いてLabを測定した。その結果を表4に示し
た。ただし、数値はそれぞれ(青地−色素帯)を表して
おり、その差が大きいほど色素帯が鮮明であることを意
味する。
【0036】
【表4】
【0037】この結果から明らかなように、処理品がΔ
L、Δa、Δbいずれも最も大きく、色素帯と青地との
差が明確であることが分かる。即ち外観が最も鮮明であ
るといえる。次に、むき身製品で背腸が確認されたもの
の数を表5に示した。
【0038】
【表5】
【0039】この結果から分かるように、処理品は背腸
の内容物が除去され、外観の美しいブラックタイガーが
得られる。さらに、処理品は無処理品や通常品の場合と
異なり、図1に示されるように、顎脚、胸脚、腹肢、甲
殻、触角のうち少なくとも一カ所、あるいは任意の2カ
所以上が赤くなり、鮮やかな色を有するエビとなる。こ
のことは、低鮮度のエビでみられる黒変と異なり、天然
のクルマエビなどで認められることから美味を連想し、
好ましい変化と言える。以上のように、本発明のブラッ
クタイガーは、甲殻に存在する色素帯が鮮明でなおかつ
顎脚、胸脚、腹肢、甲殻、触角のうち少なくとも一カ
所、あるいは任意の2カ所以上が赤くなり、高鮮度を維
持していることが容易に判別でき、また、消化管内容物
が存在しないため商品価値の高い製品として流通でき
る。
【0040】実施例6 活魚輸送車に125%海水を積載し、水温28℃に設定
して飼育し、呈味成分及び食感への影響を飼育試験で調
べた。飼育水の塩濃度が28‰(85%海水塩濃度)、
水温が25℃の養殖場にて出荷サイズ(体重25〜35
g)となったブラックタイガーを、塩濃度41‰、水温
28℃で6時間輸送しながら飼育した後、生可食部筋肉
のエキス成分(遊離アミノ酸含量)の測定を行った。ま
た、対照として養殖場の飼育水を環境水に用いて活つブ
ラックタイガーも輸送飼育した。但し、活魚輸送車に積
載した活きブラックタイガーの重量は、飼育水重量に対
して10%で、水槽への通気量は一般の魚類の場合に比
べ多くした。この飼育環境はブラックタイガーにとって
非常に苛酷な条件であり、減耗は10%程度となった。
呈味に関わるアミノ酸分析の結果を表6に示した。
【0041】
【表6】
【0042】この結果から分かるように125%海水、
28℃に設定した水槽を備えた活魚輸送車で6h輸送し
ながら高塩濃度飼育処理を行うことにより、総アミノ
酸、Glu、Gly、Alaが増加することが明らかと
なった。得られたブラックタイガーのスチーム加熱可食
部筋肉を、良く訓練されたパネラー10名により官能試
験した。即ち、高塩濃度輸送したブラックタイガー、通
常塩濃度輸送したブラックタイガー、養殖場で即殺し氷
冷輸送した未処理ブラックタイガーを5分間スチーム加
熱し、甘味、旨味、テクスチャーについて評価した。そ
の結果、全員が高塩濃度輸送ブラックタイガーが通常塩
濃度品、未処理品に比べ良好であると判定した。
【0043】実施例7 85%海水塩濃度(25℃)で飼育した平均体重32.
2gの養殖ブラックタイガーを投網を用いて漁獲し、1
25%海水塩濃度(25℃)に移行して6時間飼育し
た。その後、取り上げて氷殺し3時間以内に注水凍結し
た。凍結保存5カ月後に、注水凍結品を流水にて解凍
し、スチーム(1000℃、5分)で加熱処理した。比
較品として浸透圧ショック処理をしない通常品を同様に
注水凍結,凍結保存,流水解凍,スチーム加熱処理した
ものを用意した。また、大分県富浦港にて漁獲された天
然クルマエビ(平均体重54.1g)を活魚で輸送した
後、−50℃で急速凍結した。保存1カ月後に室温で解
凍し、スチーム(100℃、5分)で加熱した。さら
に、量販店で販売されていた冷凍ブラックタイガー(I
QF品)も同様にスチーム加熱した。いずれも、加熱後
1時間放熱して室温(20℃)まで冷却した後、殻を取
り外して尾肉の破断強度を測定した。測定機器はRHE
ONER(山電(株)製)で、20kgfのロードセル
を用い、解析プログラムは破断強度解析プログラムVe
r.2(山電(株)製)を用いた。測定結果を図13〜
図16に示した。
【0044】浸透圧ショック処理したブラックタイガー
は天然クルマエビと同様の波形を描き、物性的には同等
であった。すなわち天然クルマエビおよび浸透圧ショッ
ク処理したブラックタイガーはいずれも破断強度1〜2
kgであった。また、両者とも官能的には適度な歯応え
を持ち、咀嚼しても繊維感を感じることはなく、また、
天ぷらやフライ、あるいは炒めものなどでも他の素材と
マッチした歯応えを示した。一方、対照の通常品および
市販ブラックタイガー(IQF品)の破断強度はいずれ
も、天然クルマエビを超え、かなり硬く身が引き締まっ
ていることを示した。すなわち、通常品は2〜3kgで
破断し、IQF品も2〜3kgで破断した。また、官能
的にも歯応えが強すぎ、天ぷらやフライなどに調理した
場合は、肉が衣よりもはるかに硬く奇異な食感となっ
た。これらの結果から、浸透圧処理したブラックタイガ
ーは食感が向上したことが分かった。
【0045】実施例8 平均体重30gのブラックタイガーを85%,100
%,125%,150%,175%,200%海水塩濃
度,水温28℃の飼育水に各10匹ずつ畜養し、24時
間飼育した。この際の生物量は3%未満であった。畜養
後即殺し、その筋肉中の塩素イオンをモール法で測定
し、塩化ナトリウム量とした。また、同時に官能検査も
行った。その結果を図17に示したように、85%〜1
00%海水塩濃度の飼育水で飼育したブラックタイガー
は塩化ナトリウム量が0.6%程度であったが、125
%海水塩濃度の飼育水では塩化ナトリウム量が約1%,
150%海水塩濃度以上の飼育水では塩化ナトリウム量
が約2%となった。また、官能的には100%海水塩濃
度以下の飼育水で飼育したブラックタイガーは味が薄く
若干まずく感じられたのに対し、125%海水塩濃度の
飼育水で飼育したブラックタイガーは非常に美味に感じ
られた。一方、150%海水塩濃度以上の飼育水では塩
味が強く、塩辛く感じられた。別途行った塩味に対する
嗜好テストでは、好ましいと感じられたる塩分は1.2
%〜1.5%で、これ以下では薄く、また、これ以上で
は塩辛く感じられる傾向があった。
【0046】次に、平均体重30gのブラックタイガー
を125%海水塩濃度,水温28℃の飼育水で24時間
飼育し、経時的にサンプリングした。その塩分量を同様
に分析し、官能検査も行った。その結果、図18に示し
たが、塩分量は飼育水に畜養後も6時間まで増加、12
時間、24時間も比較的好ましかった。以上の結果か
ら、125%海水塩濃度で6時間の浸透圧ショック処理
することにより、最適な塩濃度を有するブラックタイガ
ーを生産できることが明らかとなった。
【0047】
【発明の効果】塩味と呈味成分高含量とで相乗的に呈味
が改善され筋肉および改善された体色を有するエビ類、
特にブラックタイガーを提供することができる。味がよ
くて赤くてきれいな、しかも背腸がないブラックタイガ
ーを、生きたもの、生鮮品、加熱処理品、冷凍品の形で
提供することができる。ブラックタイガーの食材として
の利用範囲を著しく広めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塩味がつき体色が改善されたエビ類を
説明するための、エビの側面図である。
【図2】ブラックタイガーについて125%海水塩度、
38℃処理の総アミノ酸産量の経時変化を示した図であ
る。
【図3】ブラックタイガーについて125%海水塩度、
38℃処理のグリシン量の経時変化を示した図面ある。
【図4】ブラックタイガーについて125%海水塩度、
38℃処理のアラニン量の経時変化を示した図面であ
る。
【図5】ブラックタイガーについて125%海水塩度、
38℃処理のグルタミン酸量の経時変化を示した図であ
る。
【図6】ブラックタイガーについて125%海水塩度、
38℃処理のプロリン量の経時変化を示した図である。
【図7】ブラックタイガーについて125%海水塩度、
38℃処理のセリン量の経時変化を示した図である。
【図8】ブラックタイガーについて125%海水塩度、
38℃処理のトレオニン量の経時変化を示した図であ
る。
【図9】ブラックタイガーについて28℃、各塩濃度に
おける筋肉の遊離アミノ酸総量の比較を示した図であ
る。
【図10】ブラックタイガーについて28℃、各塩濃度
における筋肉のグリシン量の比較を示した図である。
【図11】ブラックタイガーについて28℃、各塩濃度
における筋肉のアラニン量の比較を示した図である。
【図12】本発明のブラックタイガーと単なる氷蔵品の
K値の変化を比較した図である。
【図13】本発明の浸透圧ショック処理したブラックタ
イガーの尾肉の破断強度の測定結果を表す図である。
【図14】天然クルマエビの尾肉の破断強度の測定結果
を表す図である。
【図15】通常品(本発明品と同一加工場のブラックタ
イガー)の尾肉の破断強度の測定結果を表す図である。
【図16】市販のブラックタイガー(IQF品)の尾肉
の破断強度の測定結果を表す図である
【図17】ブラックタイガーについて各塩濃度における
筋肉の塩分量の比較を示した図である。
【図18】ブラックタイガーについて125%海水塩度
処理の塩分量の経時変化を示した図である。
【符号の説明】
1 エビ 2 顎角 3 胸脚 4 腹肢 5 甲殻 6 触角 7 背腸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23K 1/175 9123−2B A23L 1/33 A (72)発明者 杉本 昌明 東京都八王子市北野町559−6 日本水産 株式会社中央研究所内 (72)発明者 塩谷 格 東京都八王子市北野町559−6 日本水産 株式会社中央研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩味がついた筋肉と改善された体色を有
    することを特徴とする生きた蓄養殖エビ類。
  2. 【請求項2】 塩味がついた筋肉は、塩分含量が0.5
    重量%ないし2.0重量%の範囲の筋肉である請求項1
    記載の生きた蓄養殖エビ類。
  3. 【請求項3】 塩味がついた筋肉は、塩分含量が1.2
    重量%ないし1.5重量%の範囲の筋肉である請求項1
    記載の生きた蓄養殖エビ類。
  4. 【請求項4】 改善された体色が、濃厚な体色を呈し、
    かつ、顎脚、胸脚、腹肢、甲殻、触角のうち少なくとも
    1カ所、あるいは任意の2カ所以上が赤い色を呈するこ
    とである請求項1ないし請求項3記載のいずれかの生き
    た蓄養殖エビ類。
  5. 【請求項5】 改善された体色が、殻部および/または
    筋膜の加熱によるカロチノイド系赤色の発色が顕著に良
    いことである請求項1ないし請求項4記載のいずれかの
    生きた蓄養殖エビ類。
  6. 【請求項6】 塩味がついた筋肉は、そのエキス成分中
    のうちグリシン、アラニン、グルタミン酸、プロリン、
    トレオニン、セリンのいずれか一種以上が向上してお
    り、そのエキス成分量が天然ものよりも高く、かつ、そ
    の食感が向上している請求項1ない請求項5記載のいず
    れかの生きた蓄養殖エビ類。
  7. 【請求項7】 消化管内容物が除去されている請求項1
    ない請求項6記載のいずれかの生きた蓄養殖エビ類。
  8. 【請求項8】 エビ類が、クルマエビ属(Penaeu
    s属)に属するエビである請求項1ないし請求項7記載
    のいずれかの生きた蓄養殖エビ類。
  9. 【請求項9】 クルマエビ属(Penaeus属)に属
    するエビが、ブラックタイガー(Penaeus mo
    nodon)およびクルマエビ(Penaeus ja
    ponicus)よりなる群から選ばれるエビである請
    求項8記載の生きたエビ類。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項9記載のいずれ
    かの生きた蓄養殖エビ類を即殺してなる生鮮蓄養殖エビ
    類。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の生鮮蓄養殖エビ類の
    冷凍品。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし請求項9記載のいずれ
    かの生きた蓄養殖エビ類、請求項10記載の生鮮蓄養殖
    エビ類、あるいは請求項11記載の冷凍品の加熱処理
    物。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の加熱処理物の冷凍
    品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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