JPH0717025B2 - 樹脂含浸長繊維の自動巻取り装置 - Google Patents

樹脂含浸長繊維の自動巻取り装置

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JPH0717025B2
JPH0717025B2 JP61174297A JP17429786A JPH0717025B2 JP H0717025 B2 JPH0717025 B2 JP H0717025B2 JP 61174297 A JP61174297 A JP 61174297A JP 17429786 A JP17429786 A JP 17429786A JP H0717025 B2 JPH0717025 B2 JP H0717025B2
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昌男 川瀬
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、樹脂を含浸させた長繊維(以下、樹脂含浸長
繊維という)を型治具に自動的に巻取るための装置に関
する。
(従来の技術) 従来、樹脂含浸長繊維を巻取って強化プラスチック(成
形品)を製造する方法としては、フィラメントワインデ
ィング法が良く知られている。この方法は、炭素繊維、
ガラス繊維等の長繊維にポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂等の合成樹脂を含浸させ、これを型治具に連続的に巻
付けて所定形状とするものである。ところでこのフィラ
メントワインディング法による成形品は、一般に円筒
状、リング状等の単純形状のものがほとんどであり、こ
の場合は、型治具を回転させ、この回転する型治具に沿
って樹脂含浸長繊維の案内治具を移動させるだけで簡単
に巻取ることができる(例えば、特開昭55−115117号公
報)。
しかしながらその成形品が、例えばステアリングホイー
ル芯材のように、リング部、スポーク部およびボス部を
有するような複雑な形状をしたものである場合、樹脂含
浸長繊維をきわめて複雑な経路(パターン)で巻取らな
ければならないため、その自動巻取りは困難となって人
手による巻取り、いわゆる手巻きに頼らざるを得ず、生
産性を思うように上げられないばかりか安定した品質を
確保し難い現状にあった。
かゝる現状に鑑み、本願発明者等は、上記ステアリング
ホイールのような複雑な形状の成形品の製造に際して
も、樹脂含浸長繊維を自動的に巻取るようにしたシステ
ムを既に提案している(特願昭61−108216号((特開昭62
−263027号)))。
この自動巻取りシステムは第2図に示すように、ボビン
1から引出された長繊維2に連続的に合成樹脂を含浸さ
せる樹脂含浸槽3と、前記樹脂含浸槽3から引出された
前出樹脂含浸長繊維4を巻取るための型治具5を載せた
回転テーブル6と、前記樹脂含浸槽3から引出された樹
脂含浸長繊維4を前記型治具5に対して案内するための
案内治具7をアーム先端に持つ多関節のロボット8と、
前記回転テーブル6およびロボット8の動作を制御する
ロボット制御装置9と、前記樹脂含浸槽3に並設され前
記型治具5に導かれる樹脂含浸長繊維4に対し所定の張
力を付与するテンショナ10とから概略構成されている。
こゝで、樹脂含浸槽3には、第3図に示すように、溶融
樹脂11が収容されると共に、長繊維2を巻回して前記溶
融樹脂中に案内する複数のガイドローラ12、12…が配設
されている。またテンショナ10には、第4図に示すよう
に、入口側と出口側にそれぞれガイドローラ13、13が配
設されると共に、前記両ガイドローラ13間に位置して自
重により樹脂含浸長繊維4に張力を付与するフリーロー
ラ14が配設されている。さらに案内治具7は、第5図に
示すように、棒状の本体部7aの先端に樹脂含浸長繊維4
を挿通する孔7bを設けて成っており、ロボット8のアー
ム先端に設けられた取付板8aにボルト8bにて固定されて
いる。
かゝる構成により、予めロボット8のティーチングを行
い、次にボビン1から長繊維2を引出し、樹脂含浸槽
3、テンショナ10および案内治具7を通して型治具5に
導き、ロボット制御装置9を起動すると、回転テーブル
6が回動し、さらにこれに同期してロボット8が駆動
し、型治具5には樹脂含浸長繊維4が自動的に巻付けら
れるようになる。そしてこの間、樹脂含浸長繊維4には
テンショナ10から所定の張力が与えられており、案内治
具7が移動しても緩みなく樹脂含浸長繊維4を型治具5
に巻付けることができるようになる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記自動巻取りシステムによれば、樹脂
含浸長繊維4に加えられる張力はテンショナ10によって
一義的に決められており、このため、成形品の形状が複
雑で案内治具7が大きく移動するような場合に、該樹脂
含浸長繊維4に一時的な緩みあるいは大きな緊張状態が
生じ、この結果、型治具5内で樹脂含浸長繊維4が膨ら
んだり、案内治具7部分で樹脂が絞られあるいは繊維が
けば立ったりして、成形品の品質が阻害される虞れがあ
った。
本発明は、上記自動巻取りにおける問題を解決すべくな
されたもので、樹脂含浸長繊維の膨らみ、樹脂絞り、繊
維のけば立ち等の発生を未然に防止し、もって成形品の
品質向上に寄与できる樹脂含浸長繊維の自動巻取り装置
を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、上記従来の問題点を解決するため、樹脂含浸
槽から引出した樹脂含浸長繊維をロボット手首に設けた
案内治具に通し、回転テーブル上の型治具に自動的に案
内するようにした巻取り装置において、前記樹脂含浸槽
内にサーボモータにより駆動され長繊維を強制的に送る
ローラ対を配設し、前記樹脂含浸槽と前記ロボットとの
間に前記樹脂含浸長繊維の張力を測定する張力測定器を
配設し、前記サーボモータにその回転速度を検出する速
度検出器を接続し、さらに前記張力測定装置と前記速度
検出器とからの信号にもとづいて前記サーボモータの回
転を制御する制御装置を設けるように構成したことを要
旨とする。
(作用) 上記構成の樹脂含浸長繊維の自動巻取り装置において、
張力測定器にて樹脂含浸長繊維に発生する張力を直接測
定して、制御装置の指令によりローラ対の回転速度を制
御し得るようにしたので、理想の張力で型治具に樹脂含
浸長繊維を巻つけることができるようになって、巻付け
に際して樹脂含浸長繊維緩みを生じることがなくなるば
かりか、案内治具の部分で樹脂絞りや繊維のけば立ちが
生じることがなくなり、成形品の品質が著しく向上す
る。
また上記制御に際して、前記ローラ対の駆動手段である
サーボモータの回転速度を速度検出器により直接検出し
て、これを制御装置にフィードバックし得るようにした
ので、制御性が高まって装置の信頼性が増す。
さらに樹脂含浸槽内にローラ対を配したので、該ローラ
対による樹脂絞りを最小限に押さえることができて、品
質的に安定した成形品を得ることができるようになる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付図面にもとづいて説明す
る。
第1図は、本発明にかゝる樹脂含浸長繊維の巻取り装置
の全体構造を示したものである。なお、前出の第2図な
いし第5図に示した部分と同一部分には同一符号を付
し、その説明は省略する。第1図において、21は樹脂含
浸槽3内に配設された第1のローラ対で、該ローラ対21
は駆動ローラ22と従動ローラ23とから成り、これにはガ
イドローラ12を迂回した長繊維2が掛けられている。前
記ローラ対21における駆動ローラ22は、樹脂含浸槽3外
に設けたサーボモータ24により回転駆動されるようにな
っている。すなわち、駆動ローラ22の回転軸とサーボモ
ータ24の出力軸には、それぞれプーリ25a、25bが一体に
取付けられると共に、これらプーリ間にはベルト26aが
掛け渡されており、サーボモータ24の回転がプーリ25
b、ベルト26a、プーリ25aを介して駆動ローラ22に伝達
されるようになっている。
また樹脂含浸槽3とボビン1との間にも、駆動ローラ28
と従動ローラ29とから成る第2のローラ対27が配設され
ている。この第2のローラ対27もまた前記サーボモータ
24によって回転駆動されるようになっており、その駆動
ローラ28の回転軸に取付けたプーリ25cと前記サーボモ
ータ24のプーリ25bとの間にはベルト26bが掛け渡されて
いる。こゝで第1のローラ対21と第2のローラ対27のプ
ーリ25a、25cは同一の回転半径を有しており、これによ
り各ローラ対21、27は共に同一回転速度で駆動される。
なおサーボモータ24には、その回転速度を検出する速度
検出器30が接続されている。
一方、樹脂含浸槽3とロボット8との間には、樹脂含浸
長繊維4の張力を測定する張力測定装置31が配設されて
いる。この張力測定装置31は、樹脂含浸長繊維4を案内
する左右一対のガイドローラ32と、該一対のガイドロー
ラ32間に位置して前記樹脂含浸長繊維4が掛けられたフ
リーローラ33と、該フリーローラ33に固定部34側への引
張力を付与する引張ばね35と、前記フリーローラ33およ
び前記固定部34間に橋架された張力測定器36とから成っ
ている。張力測定器36は、前記引張ばね35のばね常数と
フリーローラ33の変位とから樹脂含浸長繊維4に発生し
ている張力を測定できるものである。
ところで上記速度検出器30と張力測定器36とからの信号
は制御装置37に取入れられるようになっている。この制
御装置37は、前記信号類ににもとづいてサーボモータ24
の回転速度を制御する役割りをなすもので、張力測定器
36からの信号が入力される比較器38と、前記比較器38お
よび速度検出器30からの信号が入力される制御部39と、
前記制御部39からの信号にもとづいてサーボモータ24に
駆動電力を出力するドライバ40とから成っている。
比較器38には、ロボット制御装置9(第2図)からロボ
ット8の動作に応じた樹脂含浸長繊維4に関する基準張
力値(電圧、デジタル値等)が入力されるようになって
おり、該比較器38において前記張力測定器36から入力さ
れた実際の張力値と前記基準張力値とが比較され、その
データが制御部39へ出力される。制御部39は前記データ
にもとづいて補正量を演算し、基準の速度に対し加速あ
るいは減速の速度指令をドライバ40へ出力し、ドライバ
40は前記指令にもとづいてサーボモータ24へ駆動電力を
出力する。なおこのサーボモータ24の回転速度は速度検
出器30を介して前記制御部39にフィードバックされる。
かゝる構成により、予め巻パターン、巻き数等の必要な
データをロボット制御装置9に入力すると共に、図示を
略すティーチングボックスを操作してロボット8のティ
ーチングを行う。その後ボビン1から長繊維を引出し、
第2のローラ対27および樹脂含浸槽3におけるガイドロ
ーラ12、第1のローラ対21を通して樹脂を含浸させ、続
いて張力測定装置31を経由してロボット8の案内治具7
に導き、さらに回転テーブル6上の型治具5に導いてそ
の先端を型治具5に固定する。次に制御装置9を起動す
ると、ロボット8のアームが型治具5に向けて移動し、
回転する型治具5に対して樹脂含浸長繊維4の巻付けを
実行する。
しかして上記巻付けに際して、樹脂含浸長繊維4に発生
する実際の張力が張力測定器36によって測定され、その
張力が妥当であるか否かが制御装置37によって判断さ
れ、該制御装置からの制御指令によってサーボモータ24
の速度が調整される。このようにして、樹脂含浸長繊維
4にはロボット8の動作に応じた所定の張力が発生し、
その型治具5に対する円滑な巻付けが可能になる。
また本実施例においては、樹脂含浸槽3の内外に長繊維
2を送るローラ対21、27を設けたので、樹脂含浸槽内に
おいて長繊維2には一定の張力が発生し、この結果、長
繊維に樹脂を一様に含浸させることが可能になって、成
形品の品質の向上を達成できる。
なお上記実施例において、制御装置37の比較器38にロボ
ット制御装置9から樹脂含浸長繊維4に関する基準張力
値を入力するようにしたが、これに代え、図示を略す外
部信号出力装置により一定の基準張力値を制御装置37へ
入力するようにしても良い。この場合は型治具5への巻
付けを通じて一定の張力で巻付けを行わせようにするこ
とができる。
また上記実施例において、樹脂含浸槽3の外にもローラ
対を配したが、これを省略して良いことはもちろんであ
る。
(発明の効果) 以上、詳細に説明したように、本発明にかゝ樹脂含浸長
繊維の自動巻取り装置は、張力測定器にて樹脂含浸長繊
維に発生する張力を直接測定して、制御装置の指令によ
りローラ対の回転速度を制御し得るようにしたので、理
想の張力で型治具に樹脂含浸長繊維を巻付けることが可
能になって、その巻取り精度が著しく向上すると共に、
樹脂絞りやけば立ち等の不具合の発生を未然に防止し得
て、成形品の品質が大幅に向上する効果が得られた。
また上記張力の制御に際して、前記ローラ対の駆動手段
であるサーボモータの回転速度を速度検出器により直接
検出して、これを制御装置にフィードバックし得るよう
にしたので、制御性が高まって装置の信頼性が増す効果
が得られた。
さらに樹脂含浸槽内にローラ対を配したので、該ローラ
対による樹脂絞りを最小限に押さえることができて、成
形品の品質の安定化を達成できる効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかゝる樹脂含浸長繊維の巻取り装置の
構造を示す示す系統図、第2図はロボットを用いた自動
巻取り装置の一般的装置構成を示す系統図、第3図はそ
の一部である案内樹脂含浸槽を示す模式図、第4図は同
じくその一部であるテンショナを示す模式図、第5図は
同じくその一部である案内治具を示す側面図である。 4……樹脂含浸長繊維、5……型治具 6……回転テーブル、7……案内治具 8……ロボット、9……ロボット制御装置 21……ローラ対、22……駆動ローラ 23……従動ローラ、24……サーボモータ 30……速度検出器、31……張力測定器 37……制御装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂含浸槽から引出した樹脂含浸長繊維を
    ロボット手首に設けた案内治具に通し、回転テーブル上
    の型治具に自動的に案内するようにした巻取り装置にお
    いて、前記樹脂含浸槽内にサーボモータにより駆動され
    長繊維を強制的に送るローラ対を配設し、前記樹脂含浸
    槽と前記ロボットとの間に前記樹脂含浸長繊維の張力を
    測定する張力測定器を配設し、前記サーボモータにその
    回転速度を検出する速度検出器を接続し、さらに前記張
    力測定器と前記速度検出器とからの信号にもとづいて前
    記サーボモータの回転を制御する制御装置を設けたこと
    を特徴とする樹脂含浸長繊維の自動巻取り装置。
  2. 【請求項2】ローラ対が、駆動ローラと従動ローラとか
    らか成ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    樹脂含浸長繊維の自動巻取り装置。
JP61174297A 1986-07-24 1986-07-24 樹脂含浸長繊維の自動巻取り装置 Expired - Fee Related JPH0717025B2 (ja)

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