JPH07167814A - 炭酸ガス検出方法 - Google Patents
炭酸ガス検出方法Info
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- JPH07167814A JPH07167814A JP31228293A JP31228293A JPH07167814A JP H07167814 A JPH07167814 A JP H07167814A JP 31228293 A JP31228293 A JP 31228293A JP 31228293 A JP31228293 A JP 31228293A JP H07167814 A JPH07167814 A JP H07167814A
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- carbon dioxide
- dioxide gas
- particles
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- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 塩素イオン含有量が調整されたアパタイト粒
子を成形した素子本体14と、素子本体14における炭
酸ガスの存在によって変化する抵抗値を検出するための
一対の電極16・16とを備え、素子本体14を200
℃および350℃の範囲内の加熱雰囲気下にて、炭酸ガ
スを検出する方法。 【効果】 200℃および350℃の範囲内にて加熱す
ることにより、湿度の影響を回避できて炭酸ガスの検出
精度を改善できると共に、加熱温度が低くできて省エネ
ルギー化や小型化が可能となる。
子を成形した素子本体14と、素子本体14における炭
酸ガスの存在によって変化する抵抗値を検出するための
一対の電極16・16とを備え、素子本体14を200
℃および350℃の範囲内の加熱雰囲気下にて、炭酸ガ
スを検出する方法。 【効果】 200℃および350℃の範囲内にて加熱す
ることにより、湿度の影響を回避できて炭酸ガスの検出
精度を改善できると共に、加熱温度が低くできて省エネ
ルギー化や小型化が可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭酸ガスの存在によっ
て抵抗値が変化する塩素イオン含有アパタイト粒子を用
いた炭酸ガス検出方法に関する。
て抵抗値が変化する塩素イオン含有アパタイト粒子を用
いた炭酸ガス検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、本願発明者らによって、塩素イオ
ンを含有した水酸アパタイト粒子の単一相の固溶体、ま
たは塩素イオンを含有した水酸アパタイト粒子と、塩素
イオンを含有しない水酸アパタイト粒子との固溶体は、
他の材料と複合しなくても炭酸ガスと接触したとき、そ
の電気抵抗が変動することが見出されている(特開平1
-28212号公報参照)。
ンを含有した水酸アパタイト粒子の単一相の固溶体、ま
たは塩素イオンを含有した水酸アパタイト粒子と、塩素
イオンを含有しない水酸アパタイト粒子との固溶体は、
他の材料と複合しなくても炭酸ガスと接触したとき、そ
の電気抵抗が変動することが見出されている(特開平1
-28212号公報参照)。
【0003】このような塩素イオン含有の水酸アパタイ
ト粒子の合成については、乾式法、水熱法、溶融法等が
知られているが、湿式法による常温常圧の条件下では合
成できないとされていたところ、本願発明者らによっ
て、水酸アパタイトを水性媒体において塩化アンモニウ
ムと反応させることにより、水酸アパタイトの水酸基が
ほぼ塩素イオンに置換した水酸アパタイト粒子が得られ
ることが見出されている(特開平1-28212号公報参
照)。
ト粒子の合成については、乾式法、水熱法、溶融法等が
知られているが、湿式法による常温常圧の条件下では合
成できないとされていたところ、本願発明者らによっ
て、水酸アパタイトを水性媒体において塩化アンモニウ
ムと反応させることにより、水酸アパタイトの水酸基が
ほぼ塩素イオンに置換した水酸アパタイト粒子が得られ
ることが見出されている(特開平1-28212号公報参
照)。
【0004】また、本願発明者らは、均一な粒状状態の
塩素イオン含有の水酸アパタイト粒子を用いた検出素子
が、炭酸ガスに対してセンサ特性を示すことも見出して
いる(特開平3-96845号公報参照)。上記従来の水酸ア
パタイト粒子の製造法では、過剰量の塩素イオンを水酸
アパタイトスラリー中に混入することにより、塩素イオ
ンを飽和状態で含有した水酸アパタイト粒子を得てい
る。
塩素イオン含有の水酸アパタイト粒子を用いた検出素子
が、炭酸ガスに対してセンサ特性を示すことも見出して
いる(特開平3-96845号公報参照)。上記従来の水酸ア
パタイト粒子の製造法では、過剰量の塩素イオンを水酸
アパタイトスラリー中に混入することにより、塩素イオ
ンを飽和状態で含有した水酸アパタイト粒子を得てい
る。
【0005】すなわち、水酸アパタイトの水酸基を部分
的に置換した、塩素イオン含有量を調整した水酸アパタ
イト〔Ca10(PO4)6(OH)2-X ClX (X≦2)〕が得られてい
なかった。これは、水酸アパタイトスラリーが、高粘度
となるために分散効率が悪く、常温常圧で所定濃度の塩
素イオン含有の水酸アパタイト粒子を、湿式合成によっ
て調製できなかったからである。
的に置換した、塩素イオン含有量を調整した水酸アパタ
イト〔Ca10(PO4)6(OH)2-X ClX (X≦2)〕が得られてい
なかった。これは、水酸アパタイトスラリーが、高粘度
となるために分散効率が悪く、常温常圧で所定濃度の塩
素イオン含有の水酸アパタイト粒子を、湿式合成によっ
て調製できなかったからである。
【0006】このような検出素子は、主材料として用い
た水酸アパタイト粒子が感湿素子(特開昭59-60350号公
報参照)として用いられる程、湿度の影響を大きく受け
るため、室温においては炭酸ガスを精度よく検出できな
い。このため、上記検出素子を用いた炭酸ガス検出方法
では、湿度の影響を回避するために、上記検出素子は40
0℃以上に加温された加熱雰囲気下にて、炭酸ガスの検
出に用いられている。
た水酸アパタイト粒子が感湿素子(特開昭59-60350号公
報参照)として用いられる程、湿度の影響を大きく受け
るため、室温においては炭酸ガスを精度よく検出できな
い。このため、上記検出素子を用いた炭酸ガス検出方法
では、湿度の影響を回避するために、上記検出素子は40
0℃以上に加温された加熱雰囲気下にて、炭酸ガスの検
出に用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
炭酸ガス検出方法では、湿度の影響を回避するために 4
00℃以上に加熱しているが、そのように加熱しても湿度
の影響が認められ、また、炭酸ガスの測定時のインピー
ダンスが数百メガオームと高くノイズの影響を受け易
い。これらのため、上記炭酸ガス検出方法では、炭酸ガ
スの検出精度が劣化するという問題を生じている。
炭酸ガス検出方法では、湿度の影響を回避するために 4
00℃以上に加熱しているが、そのように加熱しても湿度
の影響が認められ、また、炭酸ガスの測定時のインピー
ダンスが数百メガオームと高くノイズの影響を受け易
い。これらのため、上記炭酸ガス検出方法では、炭酸ガ
スの検出精度が劣化するという問題を生じている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、従来で
は困難であった塩素イオン含有量の異なるアパタイト粒
子の製造法について鋭意検討したところ、塩素イオンの
含有率を調整したアパタイト粒子を用いた炭酸ガス検出
方法が極めて有用であることを見出し、本願発明を完成
するに至った。
は困難であった塩素イオン含有量の異なるアパタイト粒
子の製造法について鋭意検討したところ、塩素イオンの
含有率を調整したアパタイト粒子を用いた炭酸ガス検出
方法が極めて有用であることを見出し、本願発明を完成
するに至った。
【0009】すなわち、本発明の炭酸ガス検出方法は、
以上の課題を解決するために、塩素イオン含有量が調整
されたアパタイト粒子を成形した素子本体と、上記素子
本体における炭酸ガスの存在によって変化する抵抗値を
検出するための一対の電極とを備え、上記素子本体を2
00℃および350℃の範囲内の加熱雰囲気下とするこ
とにより、上記加熱雰囲気下の炭酸ガスを上記各電極間
の電気抵抗値の変化によって検出することを特徴として
いる。
以上の課題を解決するために、塩素イオン含有量が調整
されたアパタイト粒子を成形した素子本体と、上記素子
本体における炭酸ガスの存在によって変化する抵抗値を
検出するための一対の電極とを備え、上記素子本体を2
00℃および350℃の範囲内の加熱雰囲気下とするこ
とにより、上記加熱雰囲気下の炭酸ガスを上記各電極間
の電気抵抗値の変化によって検出することを特徴として
いる。
【0010】アパタイト粒子の調製には、非晶質のリン
酸カルシウム(Amorphous CalciumPhosphate :以下、
ACPと略す)粒子、または化学式M10(X)6Y2 で表
される水酸アパタイト群から選択された水酸アパタイト
粒子が用いられる。上記のMとして、Ca、Pb、B
a、Sr、Cd、Zn、Ni、Mg、Na、K、Fe、
Al の元素の中から少なくとも1種が選択され、上記の
Xとして、PO4 、AsO4 、VO4 、SiO4 または
CO3 の原子団の中から少なくとも1種が選択され、上
記のYとして、F、OH、Cl、Br、I、Oの元素も
しくは原子団から少なくとも一種が選択される。
酸カルシウム(Amorphous CalciumPhosphate :以下、
ACPと略す)粒子、または化学式M10(X)6Y2 で表
される水酸アパタイト群から選択された水酸アパタイト
粒子が用いられる。上記のMとして、Ca、Pb、B
a、Sr、Cd、Zn、Ni、Mg、Na、K、Fe、
Al の元素の中から少なくとも1種が選択され、上記の
Xとして、PO4 、AsO4 、VO4 、SiO4 または
CO3 の原子団の中から少なくとも1種が選択され、上
記のYとして、F、OH、Cl、Br、I、Oの元素も
しくは原子団から少なくとも一種が選択される。
【0011】上記アパタイト粒子は、その炭酸ガス検出
能を向上させるために比表面積を大きくすることが望ま
しく、造粒されることが好ましい。また、得られた造粒
物の比表面積を大きくするため、水酸アパタイト粒子や
ACP粒子は粒径約 0.1μm以下が望ましい。
能を向上させるために比表面積を大きくすることが望ま
しく、造粒されることが好ましい。また、得られた造粒
物の比表面積を大きくするため、水酸アパタイト粒子や
ACP粒子は粒径約 0.1μm以下が望ましい。
【0012】造粒化されたアパタイト粒子は、上記水酸
アパタイト粒子またはACP粒子を含むスラリーを調製
し、そのスラリーに 100 mol%以下の範囲で塩素イオン
を添加した後、上記スラリーを造粒して得られる。
アパタイト粒子またはACP粒子を含むスラリーを調製
し、そのスラリーに 100 mol%以下の範囲で塩素イオン
を添加した後、上記スラリーを造粒して得られる。
【0013】上記ACP粒子を含むスラリーは、攪拌下
の水酸化カルシウム懸濁液を、リン酸水溶液の滴下によ
ってpH10〜5に調整することにより、粒径約0.1μm
以下のACP粒子を含むスラリーとして得られる。上記
ACP粒子は粉末X線回折法のパターンからリン酸カル
シウム〔Ca3(PO4)2 ・nH2O〕であり、また、そのパター
ンがブロードであることから、非晶質なリン酸カルシウ
ムであることが確認される。
の水酸化カルシウム懸濁液を、リン酸水溶液の滴下によ
ってpH10〜5に調整することにより、粒径約0.1μm
以下のACP粒子を含むスラリーとして得られる。上記
ACP粒子は粉末X線回折法のパターンからリン酸カル
シウム〔Ca3(PO4)2 ・nH2O〕であり、また、そのパター
ンがブロードであることから、非晶質なリン酸カルシウ
ムであることが確認される。
【0014】次に、上記スラリーに、塩素イオンを添加
する際、中性あるいは弱アルカリ性で水溶性の有機系分
散剤、例えば弱アルカリ性のトリアクリル酸アンモニウ
ム塩を 0.1〜10重量%添加し、好ましくは 0.1〜3重量
%添加する。このように粒径約0.1μm以下のACP粒
子を、それらの凝集を回避して、塩素イオンと反応させ
るために、上記有機系分散剤の添加が必要である。
する際、中性あるいは弱アルカリ性で水溶性の有機系分
散剤、例えば弱アルカリ性のトリアクリル酸アンモニウ
ム塩を 0.1〜10重量%添加し、好ましくは 0.1〜3重量
%添加する。このように粒径約0.1μm以下のACP粒
子を、それらの凝集を回避して、塩素イオンと反応させ
るために、上記有機系分散剤の添加が必要である。
【0015】添加する塩素イオンとしては、塩素イオン
の吸着を阻害しない、例えば塩化アンモニウムを溶解し
た塩素イオン水溶液が好ましい。ただし、上記塩素イオ
ン水溶液は酸性を示すため、高濃度の上記塩素イオン水
溶液をスラリー中に添加すると上記水酸アパタイト粒子
やACP粒子が溶解する虞があるので、上記塩素イオン
水溶液の塩化アンモニウム濃度を50重量%以下となるよ
うに調製することが望ましい。
の吸着を阻害しない、例えば塩化アンモニウムを溶解し
た塩素イオン水溶液が好ましい。ただし、上記塩素イオ
ン水溶液は酸性を示すため、高濃度の上記塩素イオン水
溶液をスラリー中に添加すると上記水酸アパタイト粒子
やACP粒子が溶解する虞があるので、上記塩素イオン
水溶液の塩化アンモニウム濃度を50重量%以下となるよ
うに調製することが望ましい。
【0016】また、スラリーと上記塩素イオン水溶液と
は、室温条件下で混合することが望ましい。これは、室
温条件下の方がpHの調整が容易であり、また、混合中
の温度が高いと水酸アパタイトが結晶化したり、水酸ア
パタイトやACP粒子の成分が溶出したりして、造粒や
pHの調整が困難なものとなるからである。
は、室温条件下で混合することが望ましい。これは、室
温条件下の方がpHの調整が容易であり、また、混合中
の温度が高いと水酸アパタイトが結晶化したり、水酸ア
パタイトやACP粒子の成分が溶出したりして、造粒や
pHの調整が困難なものとなるからである。
【0017】一方、スラリーにおける水酸アパタイト粒
子やACP粒子の含量を1〜90重量%の範囲で変更する
ことにより、所望の平均粒径を有する造粒粒子を得るこ
とができる。なお、スラリーにおけるアパタイト粒子や
ACP粒子が90重量%を越えると、スラリーの粘度が高
くなるので造粒に不適となり、1重量%未満となると、
スラリーに含まれる溶媒を除去するのに手間取り、造粒
化が不経済となる。
子やACP粒子の含量を1〜90重量%の範囲で変更する
ことにより、所望の平均粒径を有する造粒粒子を得るこ
とができる。なお、スラリーにおけるアパタイト粒子や
ACP粒子が90重量%を越えると、スラリーの粘度が高
くなるので造粒に不適となり、1重量%未満となると、
スラリーに含まれる溶媒を除去するのに手間取り、造粒
化が不経済となる。
【0018】また、造粒法としては、得られる造粒粒子
が、 100μm以下の略球状で、その比表面積を大きくで
き、かつ、炭酸ガス検出素子として、例えばシート状に
成形した素子本体を形成した際に、素子本体に凝集粒子
や亀裂を生じないものであれば、特に限定されるもので
はない。上記造粒法としては、例えば噴霧乾燥造粒法を
用いることができ、他にフリーズドライ後に粉砕してな
る造粒法、また、高速撹拌型造粒法を用いてもよい。
が、 100μm以下の略球状で、その比表面積を大きくで
き、かつ、炭酸ガス検出素子として、例えばシート状に
成形した素子本体を形成した際に、素子本体に凝集粒子
や亀裂を生じないものであれば、特に限定されるもので
はない。上記造粒法としては、例えば噴霧乾燥造粒法を
用いることができ、他にフリーズドライ後に粉砕してな
る造粒法、また、高速撹拌型造粒法を用いてもよい。
【0019】なお、上記造粒粒子を、所定形状に焼成し
て素子本体を得、その素子本体を炭酸ガス検出素子とし
て用いる場合、上記造粒粒子の平均粒径は、隣接する造
粒粒子間の接触部位を確保するために、50μm以下、好
ましくは30μmが望ましい。
て素子本体を得、その素子本体を炭酸ガス検出素子とし
て用いる場合、上記造粒粒子の平均粒径は、隣接する造
粒粒子間の接触部位を確保するために、50μm以下、好
ましくは30μmが望ましい。
【0020】上記の焼成とは、 0.1〜5時間、酸化雰囲
気下 800〜1200℃にて加熱することにより、造粒粒子か
ら素子本体を成形する際に用いるバインダーや溶媒、ま
た含まれる有機系分散剤を、酸化しガス化することによ
り消失させて除去するためのものであり、かつ、非晶質
のリン酸カルシウムを用いた場合、上記リン酸カルシウ
ムを結晶化するためのものである。
気下 800〜1200℃にて加熱することにより、造粒粒子か
ら素子本体を成形する際に用いるバインダーや溶媒、ま
た含まれる有機系分散剤を、酸化しガス化することによ
り消失させて除去するためのものであり、かつ、非晶質
のリン酸カルシウムを用いた場合、上記リン酸カルシウ
ムを結晶化するためのものである。
【0021】上記の加熱が 800℃未満では、非晶質のリ
ン酸カルシウムの結晶化が不十分となり、一方、上記仮
焼成が1200℃を越えると、リン酸カルシウムが溶融し
て、多孔質な造粒粒子内の空隙が減少することにより比
表面積が低下して不都合が生じる。
ン酸カルシウムの結晶化が不十分となり、一方、上記仮
焼成が1200℃を越えると、リン酸カルシウムが溶融し
て、多孔質な造粒粒子内の空隙が減少することにより比
表面積が低下して不都合が生じる。
【0022】前記素子本体の形態としては、ペレット
型、厚膜型、薄膜型等、当該分野で公知のいずれの形態
であってもよい。ペレット型の場合は、塩素イオン含有
のアパタイト粒子が所望の形状に加圧成形される。
型、厚膜型、薄膜型等、当該分野で公知のいずれの形態
であってもよい。ペレット型の場合は、塩素イオン含有
のアパタイト粒子が所望の形状に加圧成形される。
【0023】また、厚膜型の場合は、上述した塩素イオ
ン含有のアパタイト粒子が適当なバインダーおよび可塑
剤と共に適当な溶剤に混合され、さらに粘度調整された
後、所定の厚さに塗布成型され、続いて、焼成すること
により、上記バインダー、可塑材および溶剤が消失し、
厚膜状で多孔質な素子本体となる。
ン含有のアパタイト粒子が適当なバインダーおよび可塑
剤と共に適当な溶剤に混合され、さらに粘度調整された
後、所定の厚さに塗布成型され、続いて、焼成すること
により、上記バインダー、可塑材および溶剤が消失し、
厚膜状で多孔質な素子本体となる。
【0024】このような素子本体により炭酸ガス検出素
子を形成する場合、上記素子本体に、炭酸ガスの存在に
よって電気抵抗の変化する素子本体に、上記電気抵抗の
変化を検出するための一対の電極を設ける。
子を形成する場合、上記素子本体に、炭酸ガスの存在に
よって電気抵抗の変化する素子本体に、上記電気抵抗の
変化を検出するための一対の電極を設ける。
【0025】上記各電極は、上記素子本体の表裏両面に
設けてもよい。また、上記素子本体の表面に、一対の櫛
型電極が形成されたものであってもよい。なお、上記素
子本体は絶縁基板上に張り付けられてもよく、また、絶
縁基板上に浮くように支持されていてもよい。
設けてもよい。また、上記素子本体の表面に、一対の櫛
型電極が形成されたものであってもよい。なお、上記素
子本体は絶縁基板上に張り付けられてもよく、また、絶
縁基板上に浮くように支持されていてもよい。
【0026】このように電極が形成された素子本体は、
湿度の影響を回避するために、200〜350℃の範囲
内の加熱雰囲気下にて、炭酸ガスの検出に用いられる。
このような加熱は、上記絶縁基板をヒーター等によって
加熱すればよい。このような加熱雰囲気としては、さら
に好ましくは250℃および300℃の範囲内、特に2
50℃および260℃の範囲内が好ましい。
湿度の影響を回避するために、200〜350℃の範囲
内の加熱雰囲気下にて、炭酸ガスの検出に用いられる。
このような加熱は、上記絶縁基板をヒーター等によって
加熱すればよい。このような加熱雰囲気としては、さら
に好ましくは250℃および300℃の範囲内、特に2
50℃および260℃の範囲内が好ましい。
【0027】上記加熱雰囲気が200℃未満となると、
素子本体のインピーダンスが高くなり、ノイズ等の影響
が大きくなって炭酸ガスの検出精度が劣化する。一方、
上記加熱雰囲気が350℃を越えると、炭酸ガスの検出
精度の向上が認められないが、加熱に必要なエネルギー
が大きくなり、また、加熱時間もより長く必要となるか
ら不経済となる。具体的には後述する実施例の記載が参
照される。
素子本体のインピーダンスが高くなり、ノイズ等の影響
が大きくなって炭酸ガスの検出精度が劣化する。一方、
上記加熱雰囲気が350℃を越えると、炭酸ガスの検出
精度の向上が認められないが、加熱に必要なエネルギー
が大きくなり、また、加熱時間もより長く必要となるか
ら不経済となる。具体的には後述する実施例の記載が参
照される。
【0028】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図32
に基づいて説明すれば、以下の通りである。炭酸ガス検
出方法では、塩素イオン含有量が調整されたアパタイト
粒子が用いられている。上記アパタイト粒子の調製に
は、アパタイトの一種である非晶質リン酸カルシウム
(Amorphous Calcium Phosphate :以下、ACPと略
す)粒子を含むスラリーに塩素イオンを添加し、そのス
ラリーを造粒した造粒粒子が用いられている。
に基づいて説明すれば、以下の通りである。炭酸ガス検
出方法では、塩素イオン含有量が調整されたアパタイト
粒子が用いられている。上記アパタイト粒子の調製に
は、アパタイトの一種である非晶質リン酸カルシウム
(Amorphous Calcium Phosphate :以下、ACPと略
す)粒子を含むスラリーに塩素イオンを添加し、そのス
ラリーを造粒した造粒粒子が用いられている。
【0029】まず、上記スラリーの製造方法について説
明すると、最初に、攪拌下の水酸化カルシウム懸濁液
に、pH11付近に至るまで2〜4倍に水で希釈したリン
酸水溶液を滴下し、続いて、5〜8倍に水で希釈したリ
ン酸水溶液を滴下して、上記混合溶液をpH10〜9に調
整することにより、粒径約0.1μm以下のACP微粒子
を含むスラリーを得た。
明すると、最初に、攪拌下の水酸化カルシウム懸濁液
に、pH11付近に至るまで2〜4倍に水で希釈したリン
酸水溶液を滴下し、続いて、5〜8倍に水で希釈したリ
ン酸水溶液を滴下して、上記混合溶液をpH10〜9に調
整することにより、粒径約0.1μm以下のACP微粒子
を含むスラリーを得た。
【0030】上記スラリーをイオン交換水により希釈し
て、ACPの濃度が20重量%になるように調製したA
CPスラリーを得た。弱アルカリ性の有機系分散剤であ
るトリアクリル酸アンモニウム塩(第一工業製薬社製、
商品名:セラモD-134)を、上記ACPに対し 0.5重量%
となるように上記ACPスラリーに混入した。
て、ACPの濃度が20重量%になるように調製したA
CPスラリーを得た。弱アルカリ性の有機系分散剤であ
るトリアクリル酸アンモニウム塩(第一工業製薬社製、
商品名:セラモD-134)を、上記ACPに対し 0.5重量%
となるように上記ACPスラリーに混入した。
【0031】その後、塩化アンモニウムを上記ACPに
対し10 mol%となるように上記ACPスラリーに混入
し、攪拌モーターで1時間攪拌して混合物スラリーを得
た。なお、上記塩化アンモニウムは、水溶液(10重量%
溶液)の状態で添加した。
対し10 mol%となるように上記ACPスラリーに混入
し、攪拌モーターで1時間攪拌して混合物スラリーを得
た。なお、上記塩化アンモニウムは、水溶液(10重量%
溶液)の状態で添加した。
【0032】続いて、図2に示すように、ACP粒子
1、有機系分散剤2および塩化アンモニウム水溶液を含
む上記混合物スラリー3を、定量ポンプ4によりスプレ
ードライヤー(大川原化工機社製 L−8)5に供給した。
スプレードライヤー5のアトマイザー6を高速回転させ
て、上記混合物スラリー3を、スプレードライヤー5内
の高温で乾燥した熱空気流中にアトマイザー6によって
噴霧することにより、噴霧造粒法によって造粒乾燥し
た。
1、有機系分散剤2および塩化アンモニウム水溶液を含
む上記混合物スラリー3を、定量ポンプ4によりスプレ
ードライヤー(大川原化工機社製 L−8)5に供給した。
スプレードライヤー5のアトマイザー6を高速回転させ
て、上記混合物スラリー3を、スプレードライヤー5内
の高温で乾燥した熱空気流中にアトマイザー6によって
噴霧することにより、噴霧造粒法によって造粒乾燥し
た。
【0033】造粒乾燥により得られた塩素イオン含有の
ACP粒子からなる造粒粒子7は、略球状であり、サイ
クロン8によって、その平均粒径が10〜50μmとなるよ
うに分級、採取された。なお、サイクロン8により採取
しきれない超微粉体はバグフィルター(図示せず)によ
り別に採取された。
ACP粒子からなる造粒粒子7は、略球状であり、サイ
クロン8によって、その平均粒径が10〜50μmとなるよ
うに分級、採取された。なお、サイクロン8により採取
しきれない超微粉体はバグフィルター(図示せず)によ
り別に採取された。
【0034】続いて、上記造粒粒子7は、酸化雰囲気下
で 800℃にて2時間仮焼され、よって、上記造粒粒子7
に含まれる有機系分散剤は酸化されてガス化することに
より蒸散・消失し、一方、上記造粒粒子7のACPが結
晶化して、10 mol%の塩素イオンを含有したアパタイト
粒子が得られた。上記仮焼の温度としては、 500〜1100
℃、さらに好ましくは 800〜1000℃の範囲内である。
で 800℃にて2時間仮焼され、よって、上記造粒粒子7
に含まれる有機系分散剤は酸化されてガス化することに
より蒸散・消失し、一方、上記造粒粒子7のACPが結
晶化して、10 mol%の塩素イオンを含有したアパタイト
粒子が得られた。上記仮焼の温度としては、 500〜1100
℃、さらに好ましくは 800〜1000℃の範囲内である。
【0035】なお、上記スプレードライヤー5における
操作条件は次の通りである。定量ポンプ4による混合物
スラリー3のスプレードライヤー5に対する供給量は、
1〜3kg/hr に設定され、エアフィルター9を介して電
気ヒーター10によって加温された乾燥用の熱空気の温
度および流量は、スプレードライヤー5における熱ガス
室11の入口温度が 200〜 250℃に、サイクロン8に繋
がるスプレードライヤー5の排出孔12における出口温
度が 100℃を常に越えるように制御され、また、アトマ
イザー6の回転数は 10000〜37000rpmの範囲内に設定さ
れた。
操作条件は次の通りである。定量ポンプ4による混合物
スラリー3のスプレードライヤー5に対する供給量は、
1〜3kg/hr に設定され、エアフィルター9を介して電
気ヒーター10によって加温された乾燥用の熱空気の温
度および流量は、スプレードライヤー5における熱ガス
室11の入口温度が 200〜 250℃に、サイクロン8に繋
がるスプレードライヤー5の排出孔12における出口温
度が 100℃を常に越えるように制御され、また、アトマ
イザー6の回転数は 10000〜37000rpmの範囲内に設定さ
れた。
【0036】また、上記スプレードライヤー5をよりス
ケールアップした2種のスプレードライヤー(大川原化
工機社製 FOC-20,OD-25G、FOC-25,OC-25) を用いて、混
合物スラリー3の供給量を100kg/hrとし、他の条件は上
記と同様に造粒粒子を調製したところ、上記スプレード
ライヤー5による造粒粒子7と同様の造粒粒子が得られ
た。
ケールアップした2種のスプレードライヤー(大川原化
工機社製 FOC-20,OD-25G、FOC-25,OC-25) を用いて、混
合物スラリー3の供給量を100kg/hrとし、他の条件は上
記と同様に造粒粒子を調製したところ、上記スプレード
ライヤー5による造粒粒子7と同様の造粒粒子が得られ
た。
【0037】次に、前記塩化アンモニウム水溶液を上記
ACPに対し20、30、40、50、60、70、80、90、100 mo
l %となるように上記ACPスラリーにそれぞれ混入
し、以下同様に操作して、塩素含有量の調整された略球
状のアパタイト粒子をそれぞれ得た。
ACPに対し20、30、40、50、60、70、80、90、100 mo
l %となるように上記ACPスラリーにそれぞれ混入
し、以下同様に操作して、塩素含有量の調整された略球
状のアパタイト粒子をそれぞれ得た。
【0038】このようにして得られた各アパタイト粒子
の塩素イオン含有量を、イオンクロマトグラフィ(横河
電機製、商品名:IC500)によりそれぞれ定量分析し、そ
れらの結果から、塩素イオンの添加状態に換算した分析
換算値をそれぞれ算出した。
の塩素イオン含有量を、イオンクロマトグラフィ(横河
電機製、商品名:IC500)によりそれぞれ定量分析し、そ
れらの結果から、塩素イオンの添加状態に換算した分析
換算値をそれぞれ算出した。
【0039】そこで、上記各分析換算値と、それぞれに
対応する塩素イオンの添加量とを比較したところ、図3
に示すように、添加した塩素イオンが 100%吸着された
際の理論値である傾き1の直線上に上記各分析換算値が
ほぼ分布したことから、添加した塩素イオンは、アパタ
イト粒子に対してほぼ 100%吸着されていることが判っ
た。これにより、上記各添加量の塩素イオンを吸着させ
るには、ACPが非晶質であることが望ましいことが判
る。
対応する塩素イオンの添加量とを比較したところ、図3
に示すように、添加した塩素イオンが 100%吸着された
際の理論値である傾き1の直線上に上記各分析換算値が
ほぼ分布したことから、添加した塩素イオンは、アパタ
イト粒子に対してほぼ 100%吸着されていることが判っ
た。これにより、上記各添加量の塩素イオンを吸着させ
るには、ACPが非晶質であることが望ましいことが判
る。
【0040】また、塩素イオン含有量が、10〜50mol
%、60〜100 mol %となる各アパタイト粒子についてX
線回折法により分析したところ、図4および図5に示す
ように、塩素イオン含有量が増加するに伴って、ピーク
Bに対するピークAの大きさが大きくなり、これによっ
ても、塩素イオンの含有量が判る。
%、60〜100 mol %となる各アパタイト粒子についてX
線回折法により分析したところ、図4および図5に示す
ように、塩素イオン含有量が増加するに伴って、ピーク
Bに対するピークAの大きさが大きくなり、これによっ
ても、塩素イオンの含有量が判る。
【0041】このように上記実施例のアパタイト粒子
は、非晶質のリン酸カルシウムを含むスラリーを用い、
上記スラリーに有機系分散剤を用いたことにより、塩素
イオンを吸着できる範囲内にて所望する塩素イオン含有
量に調製されたものである。
は、非晶質のリン酸カルシウムを含むスラリーを用い、
上記スラリーに有機系分散剤を用いたことにより、塩素
イオンを吸着できる範囲内にて所望する塩素イオン含有
量に調製されたものである。
【0042】なお、上記アパタイト粒子では、塩素イオ
ンの原料として塩化アンモニウムを用いた例を挙げた
が、上記に特に限定されることはなく、例えば塩化カル
シウムを用いることも可能である。
ンの原料として塩化アンモニウムを用いた例を挙げた
が、上記に特に限定されることはなく、例えば塩化カル
シウムを用いることも可能である。
【0043】次に、上記にて得られた各アパタイト粒子
をそれぞれ用いた炭酸ガス検出素子について説明する。
炭酸ガス検出素子では、 100gのアパタイト粒子に対
し、バインダーとしてのポリビニルブチラール(積水化
学社製、商品名:エスレックB,BH-3)を20〜30重量%、
可塑剤としてのジエチルフタレートとジブチルフタレー
トの混合液を20〜30重量%、溶剤としてトルエンとエタ
ノールの混合液を50重量%、消泡剤(三洋化成社製、商
品名:イオネットS-85)を 0.1重量%となるようにそれ
ぞれ加え、ボールミルにて20時間混合して、均一な混合
物を得た。
をそれぞれ用いた炭酸ガス検出素子について説明する。
炭酸ガス検出素子では、 100gのアパタイト粒子に対
し、バインダーとしてのポリビニルブチラール(積水化
学社製、商品名:エスレックB,BH-3)を20〜30重量%、
可塑剤としてのジエチルフタレートとジブチルフタレー
トの混合液を20〜30重量%、溶剤としてトルエンとエタ
ノールの混合液を50重量%、消泡剤(三洋化成社製、商
品名:イオネットS-85)を 0.1重量%となるようにそれ
ぞれ加え、ボールミルにて20時間混合して、均一な混合
物を得た。
【0044】その後、上記混合物を、ロータリーエバポ
レーターにて脱泡し、ドクターブレード法によって膜厚
約 300μmのグリーンシートを得た。上記グリーンシー
トを絶縁基板であるアルミナ基板上に接着し、続いて、
上記グリーンシート上に一対の櫛形電極を形成し、4本
の各白金リード線を一対の電流端子と一対の電圧端子と
してそれぞれ設けた後、 800〜1200℃にて焼成した。
レーターにて脱泡し、ドクターブレード法によって膜厚
約 300μmのグリーンシートを得た。上記グリーンシー
トを絶縁基板であるアルミナ基板上に接着し、続いて、
上記グリーンシート上に一対の櫛形電極を形成し、4本
の各白金リード線を一対の電流端子と一対の電圧端子と
してそれぞれ設けた後、 800〜1200℃にて焼成した。
【0045】上記焼成の条件例としては、5℃/minの昇
温速度にて室温から 500℃まで昇温した後、その 500℃
の状態を2時間維持し、続いて、 500℃から 800℃まで
5℃/minの昇温速度にて昇温した後、その 800℃の状態
を2時間維持し、続いて、 800℃から室温まで5℃/min
の降温速度にて降温するものが挙げられる。
温速度にて室温から 500℃まで昇温した後、その 500℃
の状態を2時間維持し、続いて、 500℃から 800℃まで
5℃/minの昇温速度にて昇温した後、その 800℃の状態
を2時間維持し、続いて、 800℃から室温まで5℃/min
の降温速度にて降温するものが挙げられる。
【0046】このような焼成により、図1に示すよう
に、上記グリーンシートが焼成された素子膜片(素子本
体)14がアルミナ基板15上に形成され、上記素子膜
片14上に各櫛形電極16・16および各白金リード線
17…が形成された炭酸ガス検出素子18を作製した。
に、上記グリーンシートが焼成された素子膜片(素子本
体)14がアルミナ基板15上に形成され、上記素子膜
片14上に各櫛形電極16・16および各白金リード線
17…が形成された炭酸ガス検出素子18を作製した。
【0047】上記炭酸ガス検出素子18は、4端子法に
よって抵抗値およびリアクタンスを測定できるものであ
る。なお、上記各櫛形電極16・16では、相互に対面
するように延びる電極板16aが3本ずつ形成されてい
る。なお、上記電極板16aの数は、上記に限定される
ことはなく、2本から7本程度形成してもよい。
よって抵抗値およびリアクタンスを測定できるものであ
る。なお、上記各櫛形電極16・16では、相互に対面
するように延びる電極板16aが3本ずつ形成されてい
る。なお、上記電極板16aの数は、上記に限定される
ことはなく、2本から7本程度形成してもよい。
【0048】また、白金リード線が1本ずつの2端子法
の炭酸ガス検出素子(図示せず)も作製した。2端子法
は、通常の抵抗値の測定法であって、2端子に所定の交
流電圧が印加され、その電圧値および電流値により、炭
酸ガス検出素子の抵抗値およびリアクタンスが測定され
る。
の炭酸ガス検出素子(図示せず)も作製した。2端子法
は、通常の抵抗値の測定法であって、2端子に所定の交
流電圧が印加され、その電圧値および電流値により、炭
酸ガス検出素子の抵抗値およびリアクタンスが測定され
る。
【0049】一方、4端子法は、つまりケルビンダブル
ブリッジ法であって、4端子の内、一対の電流端子に大
きな電流を流し、測定機内の可変標準抵抗値を可変して
検流計Gの振れが零となるようにして、検体の抵抗値お
よびリアクタンスが測定される。
ブリッジ法であって、4端子の内、一対の電流端子に大
きな電流を流し、測定機内の可変標準抵抗値を可変して
検流計Gの振れが零となるようにして、検体の抵抗値お
よびリアクタンスが測定される。
【0050】上記炭酸ガス検出素子18の抵抗値および
リアクタンスを測定する測定システムでは、図6に示す
ように、上記炭酸ガス検出素子18・19を収納するた
めのチェンバー20が、所定のガス雰囲気を維持できる
ように設けられている。なお、上記炭酸ガス検出素子1
9は、2端子法にて測定される検出素子である。
リアクタンスを測定する測定システムでは、図6に示す
ように、上記炭酸ガス検出素子18・19を収納するた
めのチェンバー20が、所定のガス雰囲気を維持できる
ように設けられている。なお、上記炭酸ガス検出素子1
9は、2端子法にて測定される検出素子である。
【0051】また、上記測定システムでは、炭酸ガスと
窒素ガスの各ガスボンベ21と、上記各ガスボンベ21
からのガスを混合するガスミクサ22とが設置され、さ
らに、上記ガスミクサ22からのガスを乾燥するガスド
ライヤ23と、上記ガスミクサ22からのガスに対し加
湿する加湿器24とが、前記チェンバー20にガスを供
給するように設けられている。
窒素ガスの各ガスボンベ21と、上記各ガスボンベ21
からのガスを混合するガスミクサ22とが設置され、さ
らに、上記ガスミクサ22からのガスを乾燥するガスド
ライヤ23と、上記ガスミクサ22からのガスに対し加
湿する加湿器24とが、前記チェンバー20にガスを供
給するように設けられている。
【0052】さらに、上記チェンバー20内には、チェ
ンバー20内の温度を測定するための熱電対25と、チ
ェンバー20内に設置された被検体である炭酸ガス検出
素子18・19を加熱するセラミックヒータ28が設け
られている。
ンバー20内の温度を測定するための熱電対25と、チ
ェンバー20内に設置された被検体である炭酸ガス検出
素子18・19を加熱するセラミックヒータ28が設け
られている。
【0053】よって、上記熱電対25からの信号に基づ
いて、上記セラミックヒータ28の温度を制御するため
の温度コントローラ26と、この温度コントローラ26
からの制御信号によって上記セラミックヒータ28に給
電する電源30を制御するSSR(Solid State Relay
)31とが設けられている。
いて、上記セラミックヒータ28の温度を制御するため
の温度コントローラ26と、この温度コントローラ26
からの制御信号によって上記セラミックヒータ28に給
電する電源30を制御するSSR(Solid State Relay
)31とが設けられている。
【0054】また、チェンバー20内のガス組成を検出
するためのガスクロマトグラフ29が上記チェンバー2
0に接続されている一方、炭酸ガス検出素子18・19
の抵抗値およびリアクタンスを測定するためのインピー
ダンスアナライザー27が設けられている。なお、上記
インピーダンスアナライザー27からの測定結果を示す
信号は、マイクロコンピューター32に入力されて記憶
され分析される。
するためのガスクロマトグラフ29が上記チェンバー2
0に接続されている一方、炭酸ガス検出素子18・19
の抵抗値およびリアクタンスを測定するためのインピー
ダンスアナライザー27が設けられている。なお、上記
インピーダンスアナライザー27からの測定結果を示す
信号は、マイクロコンピューター32に入力されて記憶
され分析される。
【0055】まず、上記各塩素イオン濃度の炭酸ガス検
出素子19について、図6に示す測定システムを用い
て、室温(25℃)でのインピーダンスの値を、2端子法
にて周波数10kHzと1kHzとでそれぞれ測定した。それ
らの結果を、図7に示した。
出素子19について、図6に示す測定システムを用い
て、室温(25℃)でのインピーダンスの値を、2端子法
にて周波数10kHzと1kHzとでそれぞれ測定した。それ
らの結果を、図7に示した。
【0056】次に、各塩素イオン含有量の各炭酸ガス検
出素子18・19について、約0.03%の炭酸ガスを含む
空気中、および、窒素ガスに1000ppm の炭酸ガスを含有
する混合ガス( 0.1%CO2 )雰囲気下にて、2端子法に
よって、並びに、窒素雰囲気下と、上記混合ガス中に
て、4端子法によって周波数の変化に対する抵抗値の変
化、および周波数の変化に対するリアクタンスの変化を
それぞれ測定した。
出素子18・19について、約0.03%の炭酸ガスを含む
空気中、および、窒素ガスに1000ppm の炭酸ガスを含有
する混合ガス( 0.1%CO2 )雰囲気下にて、2端子法に
よって、並びに、窒素雰囲気下と、上記混合ガス中に
て、4端子法によって周波数の変化に対する抵抗値の変
化、および周波数の変化に対するリアクタンスの変化を
それぞれ測定した。
【0057】なお、上記測定システムに用いたインピー
ダンスアナライザー27には、横河ヒューレットパッカ
ード社製のインピーダンスゲインフェイズアナライザ4
149を用いた。また、上記インピーダンスアナライザ
ー27は下記の条件にて測定した。
ダンスアナライザー27には、横河ヒューレットパッカ
ード社製のインピーダンスゲインフェイズアナライザ4
149を用いた。また、上記インピーダンスアナライザ
ー27は下記の条件にて測定した。
【0058】測定条件 |Z| θ測定 測定開始周波数 100Hz 測定終了周波数 106 Hz 測定データ点数 81点 測定信号レベル 1.0V 積分時間 100msec 平均回数 4 ただし、上記の測定では、上記チェンバー20に、空
気、窒素ガスのみ、または窒素ガスに対し炭酸ガスが、
例えば 0.1%(1000ppm )となるように混合した混合ガ
スを、例えば200ml/min にて流しながら、室温(25℃)
50%RHにて、各炭酸ガス検出素子18・19の抵抗値
およびリアクタンスをそれぞれ測定した。
気、窒素ガスのみ、または窒素ガスに対し炭酸ガスが、
例えば 0.1%(1000ppm )となるように混合した混合ガ
スを、例えば200ml/min にて流しながら、室温(25℃)
50%RHにて、各炭酸ガス検出素子18・19の抵抗値
およびリアクタンスをそれぞれ測定した。
【0059】まず、塩素イオン含有量10〜50mol %の各
炭酸ガス検出素子19における2端子法での測定結果
を、図8ないし図12に示した。これらの結果から、塩
素イオン含有量の多い少ないに関わらず、室温にて良好
な炭酸ガス検出特性を示した。しかしながら、上記各結
果を示すグラフに乱れを生じていることから、上記2端
子法による測定方法では、インピーダンスが高くなるた
めにノイズや測定誤差の影響を受け易いものと考えられ
た。
炭酸ガス検出素子19における2端子法での測定結果
を、図8ないし図12に示した。これらの結果から、塩
素イオン含有量の多い少ないに関わらず、室温にて良好
な炭酸ガス検出特性を示した。しかしながら、上記各結
果を示すグラフに乱れを生じていることから、上記2端
子法による測定方法では、インピーダンスが高くなるた
めにノイズや測定誤差の影響を受け易いものと考えられ
た。
【0060】次に、塩素イオン含有量10〜100 mol %の
各炭酸ガス検出素子18における4端子法での測定結果
を、図13ないし図22に示した。これらの結果から、
塩素イオン含有量20、40、60、70、80、90mol %の各炭
酸ガス検出素子18では、室温にて、良好な炭酸ガス検
出特性を示した。その上、上記各結果を示すグラフに乱
れが生じていないことから、上記4端子法による測定方
法では、前記2端子法と比較してノイズの影響が少ない
ことが判った。
各炭酸ガス検出素子18における4端子法での測定結果
を、図13ないし図22に示した。これらの結果から、
塩素イオン含有量20、40、60、70、80、90mol %の各炭
酸ガス検出素子18では、室温にて、良好な炭酸ガス検
出特性を示した。その上、上記各結果を示すグラフに乱
れが生じていないことから、上記4端子法による測定方
法では、前記2端子法と比較してノイズの影響が少ない
ことが判った。
【0061】このように上記炭酸ガス検出素子18は、
100Hzから10kHzという比較的低い測定周波数を用い
て、2端子法あるいは4端子法により抵抗値またはリア
クタンスを測定することにより、室温においても炭酸ガ
スを検出できるものである。
100Hzから10kHzという比較的低い測定周波数を用い
て、2端子法あるいは4端子法により抵抗値またはリア
クタンスを測定することにより、室温においても炭酸ガ
スを検出できるものである。
【0062】したがって、上記炭酸ガス検出素子18
は、 100Hzから10kHzという比較的低く、一般的な測定
周波数を用いることができることにより、比較的安価な
回路構成にできるので、コストダウンできるものとなっ
ている。
は、 100Hzから10kHzという比較的低く、一般的な測定
周波数を用いることができることにより、比較的安価な
回路構成にできるので、コストダウンできるものとなっ
ている。
【0063】その上、上記炭酸ガス検出素子18は、従
来の検出素子のように数百メガオームというインピーダ
ンスと比べて、図18および図19に示すように、2メ
ガオーム以下と低くできるため、検出する際の電流値を
大きくできて、従来よりノイズ等の影響を軽減できるも
のとなっている。
来の検出素子のように数百メガオームというインピーダ
ンスと比べて、図18および図19に示すように、2メ
ガオーム以下と低くできるため、検出する際の電流値を
大きくできて、従来よりノイズ等の影響を軽減できるも
のとなっている。
【0064】このような炭酸ガス検出素子18は、炭酸
ガスの検出に用いた場合、室温では湿度の影響が観察さ
れた。そこで、上記のような湿度の影響を回避するため
に、図1に示すように、塩素イオン含有量が調整された
素子膜片14がそれぞれ使用された各炭酸ガス検出素子
18を、例えば図6に示す前記セラミックヒータ28に
より、 250℃、 300℃、 350℃、 400℃の加熱雰囲気下
とした。
ガスの検出に用いた場合、室温では湿度の影響が観察さ
れた。そこで、上記のような湿度の影響を回避するため
に、図1に示すように、塩素イオン含有量が調整された
素子膜片14がそれぞれ使用された各炭酸ガス検出素子
18を、例えば図6に示す前記セラミックヒータ28に
より、 250℃、 300℃、 350℃、 400℃の加熱雰囲気下
とした。
【0065】このような各炭酸ガス検出素子18を、上
述したのと同様に炭酸ガスを含まない窒素ガス、炭酸ガ
スを 0.1%含む窒素ガス、炭酸ガスを 1.0%含む窒素ガ
スにて炭酸ガス検出能をそれぞれ測定した。
述したのと同様に炭酸ガスを含まない窒素ガス、炭酸ガ
スを 0.1%含む窒素ガス、炭酸ガスを 1.0%含む窒素ガ
スにて炭酸ガス検出能をそれぞれ測定した。
【0066】これらの結果から、20 mol%から 100 mol
%に至る各塩素イオン含有量の素子膜片14をそれぞれ
用いた各炭酸ガス検出素子18…において、炭酸ガスの
濃度に応じて抵抗値およびリアクタンスが変化して、炭
酸ガスを検出できた。室温では炭酸ガスの濃度が変化し
てもほとんど抵抗やリアクタンスが変化しなかった50mo
l%および 100 mol%の塩素イオン含有量の素子膜片1
4を用いた各炭酸ガス検出素子18においても炭酸ガス
を検出することができた。
%に至る各塩素イオン含有量の素子膜片14をそれぞれ
用いた各炭酸ガス検出素子18…において、炭酸ガスの
濃度に応じて抵抗値およびリアクタンスが変化して、炭
酸ガスを検出できた。室温では炭酸ガスの濃度が変化し
てもほとんど抵抗やリアクタンスが変化しなかった50mo
l%および 100 mol%の塩素イオン含有量の素子膜片1
4を用いた各炭酸ガス検出素子18においても炭酸ガス
を検出することができた。
【0067】測定結果として、50 mol%の塩素イオン含
有量の素子膜片14を用いた各炭酸ガス検出素子18で
は、加熱雰囲気 250℃、湿度0%RH(相対湿度)の結
果を図23および図24に示し、60 mol%のものでは、
加熱雰囲気 400℃、湿度50%RHの結果を図25および
図26に示し、90 mol%のものでは、加熱雰囲気 350
℃、湿度50%RHの結果を図27および図28に示し、
100 mol%のものでは、加熱雰囲気 250℃と 300℃、湿
度0%RHの結果をそれぞれ図29ないし図32に示し
た。
有量の素子膜片14を用いた各炭酸ガス検出素子18で
は、加熱雰囲気 250℃、湿度0%RH(相対湿度)の結
果を図23および図24に示し、60 mol%のものでは、
加熱雰囲気 400℃、湿度50%RHの結果を図25および
図26に示し、90 mol%のものでは、加熱雰囲気 350
℃、湿度50%RHの結果を図27および図28に示し、
100 mol%のものでは、加熱雰囲気 250℃と 300℃、湿
度0%RHの結果をそれぞれ図29ないし図32に示し
た。
【0068】その上、このような各炭酸ガス検出素子1
8…は、全てを図示しないが、湿度を0%RH、50%R
H、 100%RHの条件をそれぞれ用い、炭酸ガスを含ま
ない窒素ガス、炭酸ガスを 0.1%含む窒素ガス、炭酸ガ
スを 1.0%含む窒素ガスについて、加熱雰囲気を 250℃
および 300℃にてそれぞれ測定したところ、各湿度にお
いても全く同様な結果が得られた。
8…は、全てを図示しないが、湿度を0%RH、50%R
H、 100%RHの条件をそれぞれ用い、炭酸ガスを含ま
ない窒素ガス、炭酸ガスを 0.1%含む窒素ガス、炭酸ガ
スを 1.0%含む窒素ガスについて、加熱雰囲気を 250℃
および 300℃にてそれぞれ測定したところ、各湿度にお
いても全く同様な結果が得られた。
【0069】したがって、上記炭酸ガス検出素子18を
用いて、加熱雰囲気にて炭酸ガスを検出すると、湿度の
影響を回避できて炭酸ガスの濃度を正確に検出でき、検
出精度を向上できる方法となる。このような加熱雰囲気
としては、 200℃および350℃の温度範囲内、さらに好
ましくは250 ℃および300 ℃の範囲内、特に 250℃およ
び 260℃の範囲内が好ましい。上記加熱雰囲気が200 ℃
未満となると、インピーダンスが高くなり、ノイズ等の
影響が大きくなって炭酸ガスの検出精度が劣化する。一
方、上記加熱雰囲気が350 ℃を越えると、炭酸ガスの検
出精度の向上が認められないが、加熱に必要なエネルギ
ーが大きくなり、また、加熱時間もより長く必要となる
から不経済となる。
用いて、加熱雰囲気にて炭酸ガスを検出すると、湿度の
影響を回避できて炭酸ガスの濃度を正確に検出でき、検
出精度を向上できる方法となる。このような加熱雰囲気
としては、 200℃および350℃の温度範囲内、さらに好
ましくは250 ℃および300 ℃の範囲内、特に 250℃およ
び 260℃の範囲内が好ましい。上記加熱雰囲気が200 ℃
未満となると、インピーダンスが高くなり、ノイズ等の
影響が大きくなって炭酸ガスの検出精度が劣化する。一
方、上記加熱雰囲気が350 ℃を越えると、炭酸ガスの検
出精度の向上が認められないが、加熱に必要なエネルギ
ーが大きくなり、また、加熱時間もより長く必要となる
から不経済となる。
【0070】これらの結果から、上記炭酸ガス検出素子
18を用いた炭酸ガス検出方法では、塩素イオン濃度を
調整したアパタイト粒子を用いた素子膜片14を用い、
アルミナ基板15を、セラミックヒータやPTCヒータ
等により 200℃と350 ℃の範囲内で加熱して、そのアル
ミナ基板15に密着している素子膜片14を 200℃と35
0℃の範囲内に加熱する。
18を用いた炭酸ガス検出方法では、塩素イオン濃度を
調整したアパタイト粒子を用いた素子膜片14を用い、
アルミナ基板15を、セラミックヒータやPTCヒータ
等により 200℃と350 ℃の範囲内で加熱して、そのアル
ミナ基板15に密着している素子膜片14を 200℃と35
0℃の範囲内に加熱する。
【0071】このように素子膜片14を加熱しながら、
上記素子膜片14に形成した各電極16・16に電圧を
印加することにより、上記素子膜片14と接触している
雰囲気の炭酸ガス濃度の変化に応じて上記素子膜片14
の電気抵抗値が変化する。これにより、上記方法は、各
電極16・16間の電流値の変化を検出することによ
り、炭酸ガスを検出できるものとなっている。
上記素子膜片14に形成した各電極16・16に電圧を
印加することにより、上記素子膜片14と接触している
雰囲気の炭酸ガス濃度の変化に応じて上記素子膜片14
の電気抵抗値が変化する。これにより、上記方法は、各
電極16・16間の電流値の変化を検出することによ
り、炭酸ガスを検出できるものとなっている。
【0072】その上、上記方法では、上記各炭酸ガス検
出素子18…では、加熱雰囲気下にて湿度の影響を完全
に除去できて、炭酸ガスを検出することが可能であるの
で、炭酸ガスの検出精度を従来より改善できるものとな
っている。よって、上記方法は、従来必要であった湿度
を検出し、その湿度の影響を補正する回路を省くことが
できて、炭酸ガス検出方法を簡素化できる。
出素子18…では、加熱雰囲気下にて湿度の影響を完全
に除去できて、炭酸ガスを検出することが可能であるの
で、炭酸ガスの検出精度を従来より改善できるものとな
っている。よって、上記方法は、従来必要であった湿度
を検出し、その湿度の影響を補正する回路を省くことが
できて、炭酸ガス検出方法を簡素化できる。
【0073】また、上記方法では、用いた素子膜片14
のインピーダンスを5メガオーム以下とすることができ
るので、従来のように数百メガオームとなる検出素子と
比べて、測定に用いられる電流値を大きくできる。これ
により、上記方法は、ノイズの影響や測定誤差を軽減で
きるものとなっている。
のインピーダンスを5メガオーム以下とすることができ
るので、従来のように数百メガオームとなる検出素子と
比べて、測定に用いられる電流値を大きくできる。これ
により、上記方法は、ノイズの影響や測定誤差を軽減で
きるものとなっている。
【0074】ところで、従来、アパタイトの一種である
水酸アパタイト〔Ca10(PO4)6(OH)2〕を、炭酸ガスの検
出に利用することが提案され(特公平4-18260号公
報)、また、水酸アパタイトと炭酸ナトリウムまたは炭
酸カルシウムとの複合材料を炭酸ガスの検出素子として
利用することが提案され(特公平4-36337号公報)、さ
らに、水酸アパタイトと無機ハロゲン化物との複合材料
を炭酸ガス検出素子として利用することが提案されてい
る(特開昭62−242847号公報)。
水酸アパタイト〔Ca10(PO4)6(OH)2〕を、炭酸ガスの検
出に利用することが提案され(特公平4-18260号公
報)、また、水酸アパタイトと炭酸ナトリウムまたは炭
酸カルシウムとの複合材料を炭酸ガスの検出素子として
利用することが提案され(特公平4-36337号公報)、さ
らに、水酸アパタイトと無機ハロゲン化物との複合材料
を炭酸ガス検出素子として利用することが提案されてい
る(特開昭62−242847号公報)。
【0075】ところが、上記のような各炭酸ガスの検出
では、湿度の影響を回避するために400℃以上の加熱雰
囲気を必要としており、ヒーターの大型化や熱を遮断す
る必要から検出装置の大型化や複雑化を招来していた。
しかしながら、上記実施例の方法では、加熱雰囲気を 2
00〜350 ℃に設定できるから、検出装置の小型化や簡素
化を図ることができる。
では、湿度の影響を回避するために400℃以上の加熱雰
囲気を必要としており、ヒーターの大型化や熱を遮断す
る必要から検出装置の大型化や複雑化を招来していた。
しかしながら、上記実施例の方法では、加熱雰囲気を 2
00〜350 ℃に設定できるから、検出装置の小型化や簡素
化を図ることができる。
【0076】
【発明の効果】本発明の炭酸ガス検出方法は、以上のよ
うに、塩素イオン含有量が調整されたアパタイト粒子を
成形した素子本体を200℃および350℃の範囲内の
加熱雰囲気下とすることにより、上記加熱雰囲気下の炭
酸ガスを上記素子本体の電気抵抗値の変化によって検出
する方法である。
うに、塩素イオン含有量が調整されたアパタイト粒子を
成形した素子本体を200℃および350℃の範囲内の
加熱雰囲気下とすることにより、上記加熱雰囲気下の炭
酸ガスを上記素子本体の電気抵抗値の変化によって検出
する方法である。
【0077】このような上記方法では、素子本体を20
0℃および350℃の範囲内の加熱雰囲気下とすること
により、上記素子本体に対する湿度の変化に起因する電
気抵抗の変化を回避できる。このことから、上記方法
は、湿度の影響を回避できるから、炭酸ガスの検出精度
を向上できるという効果を奏する。
0℃および350℃の範囲内の加熱雰囲気下とすること
により、上記素子本体に対する湿度の変化に起因する電
気抵抗の変化を回避できる。このことから、上記方法
は、湿度の影響を回避できるから、炭酸ガスの検出精度
を向上できるという効果を奏する。
【図1】本発明の炭酸ガス検出方法に用いた炭酸ガス検
出素子の斜視図である。
出素子の斜視図である。
【図2】上記炭酸ガス検出素子に用いた塩素イオン含有
量の調整されたアパタイト粒子を製造する際に用いたス
プレードライヤーの概略構成図である。
量の調整されたアパタイト粒子を製造する際に用いたス
プレードライヤーの概略構成図である。
【図3】上記塩素イオン含有量の調整された各アパタイ
ト粒子における含有塩素イオン量と、塩素イオンの添加
量との関係を示すグラフである。
ト粒子における含有塩素イオン量と、塩素イオンの添加
量との関係を示すグラフである。
【図4】塩素イオンを10〜50 mol%それぞれ含有する上
記各アパタイト粒子のX線回折図である。
記各アパタイト粒子のX線回折図である。
【図5】塩素イオンを60〜100mol%それぞれ含有する上
記各アパタイト粒子のX線回折図である。
記各アパタイト粒子のX線回折図である。
【図6】上記炭酸ガス検出素子のインピーダンスを測定
するための測定システムを示す構成図である。
するための測定システムを示す構成図である。
【図7】塩素イオン含有量の異なる上記各炭酸ガス検出
素子における抵抗値を、室温、測定周波数1kHzおよび
10kHzにて測定したグラフである。
素子における抵抗値を、室温、測定周波数1kHzおよび
10kHzにて測定したグラフである。
【図8】10 mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検出
素子におけるインピーダンスを、2端子法にて測定した
グラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタンス
を示す。
素子におけるインピーダンスを、2端子法にて測定した
グラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタンス
を示す。
【図9】20 mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検出
素子におけるインピーダンスを、2端子法にて測定した
グラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタンス
を示す。
素子におけるインピーダンスを、2端子法にて測定した
グラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタンス
を示す。
【図10】30 mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、2端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
出素子におけるインピーダンスを、2端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
【図11】40 mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、2端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
出素子におけるインピーダンスを、2端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
【図12】50 mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、2端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
出素子におけるインピーダンスを、2端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
【図13】10 mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
【図14】20 mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
【図15】30 mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
【図16】40 mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
【図17】50 mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
【図18】60 mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
【図19】70 mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
【図20】80 mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
【図21】90 mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
【図22】100mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
出素子におけるインピーダンスを、4端子法にて測定し
たグラフであり、(a)は抵抗値、(b)はリアクタン
スを示す。
【図23】50 mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、4端子法、加熱雰囲
気 250℃、湿度0%RHにて測定し、抵抗値とリアクタ
ンスにより示したグラフである。
出素子におけるインピーダンスを、4端子法、加熱雰囲
気 250℃、湿度0%RHにて測定し、抵抗値とリアクタ
ンスにより示したグラフである。
【図24】上記抵抗値とリアクタンスの結果を個々に示
したグラフであって、(a)は抵抗値、(b)はリアク
タンスを示す。
したグラフであって、(a)は抵抗値、(b)はリアク
タンスを示す。
【図25】60 mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、4端子法、加熱雰囲
気 400℃、湿度50%RHにて測定し、抵抗値とリアクタ
ンスにより示したグラフである。
出素子におけるインピーダンスを、4端子法、加熱雰囲
気 400℃、湿度50%RHにて測定し、抵抗値とリアクタ
ンスにより示したグラフである。
【図26】上記抵抗値とリアクタンスの結果を個々に示
したグラフであって、(a)は抵抗値、(b)はリアク
タンスを示す。
したグラフであって、(a)は抵抗値、(b)はリアク
タンスを示す。
【図27】90 mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、4端子法、加熱雰囲
気 350℃、湿度50%RHにて測定し、抵抗値とリアクタ
ンスにより示したグラフである。
出素子におけるインピーダンスを、4端子法、加熱雰囲
気 350℃、湿度50%RHにて測定し、抵抗値とリアクタ
ンスにより示したグラフである。
【図28】上記抵抗値とリアクタンスの結果を個々に示
したグラフであって、(a)は抵抗値、(b)はリアク
タンスを示す。
したグラフであって、(a)は抵抗値、(b)はリアク
タンスを示す。
【図29】100mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、4端子法、加熱雰囲
気 250℃、湿度0%RHにて測定し、抵抗値とリアクタ
ンスにより示したグラフである。
出素子におけるインピーダンスを、4端子法、加熱雰囲
気 250℃、湿度0%RHにて測定し、抵抗値とリアクタ
ンスにより示したグラフである。
【図30】上記抵抗値とリアクタンスの結果を個々に示
したグラフであって、(a)は抵抗値、(b)はリアク
タンスを示す。
したグラフであって、(a)は抵抗値、(b)はリアク
タンスを示す。
【図31】100mol%の塩素イオン含有の上記炭酸ガス検
出素子におけるインピーダンスを、4端子法、加熱雰囲
気 300℃、湿度0%RHにて測定し、抵抗値とリアクタ
ンスにより示したグラフである。
出素子におけるインピーダンスを、4端子法、加熱雰囲
気 300℃、湿度0%RHにて測定し、抵抗値とリアクタ
ンスにより示したグラフである。
【図32】上記抵抗値とリアクタンスの結果を個々に示
したグラフであって、(a)は抵抗値、(b)はリアク
タンスを示す。
したグラフであって、(a)は抵抗値、(b)はリアク
タンスを示す。
14 素子膜片(素子本体) 16 櫛形電極(電極)
Claims (1)
- 【請求項1】塩素イオン含有量が調整されたアパタイト
粒子を成形した素子本体と、上記素子本体における炭酸
ガスの存在によって変化する抵抗値を検出するための一
対の電極とを備え、 上記素子本体を200℃および350℃の範囲内の加熱
雰囲気下とすることにより、上記加熱雰囲気下の炭酸ガ
スを上記各電極間の電気抵抗値の変化によって検出する
ことを特徴とする炭酸ガス検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31228293A JPH07167814A (ja) | 1993-12-13 | 1993-12-13 | 炭酸ガス検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31228293A JPH07167814A (ja) | 1993-12-13 | 1993-12-13 | 炭酸ガス検出方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07167814A true JPH07167814A (ja) | 1995-07-04 |
Family
ID=18027372
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31228293A Pending JPH07167814A (ja) | 1993-12-13 | 1993-12-13 | 炭酸ガス検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07167814A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008304124A (ja) * | 2007-06-07 | 2008-12-18 | Toshiba Corp | 二酸化炭素濃度測定用センサーシステム |
JP2018112510A (ja) * | 2017-01-13 | 2018-07-19 | 株式会社フジクラ | 二酸化炭素センサ |
-
1993
- 1993-12-13 JP JP31228293A patent/JPH07167814A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008304124A (ja) * | 2007-06-07 | 2008-12-18 | Toshiba Corp | 二酸化炭素濃度測定用センサーシステム |
JP2018112510A (ja) * | 2017-01-13 | 2018-07-19 | 株式会社フジクラ | 二酸化炭素センサ |
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